JP7002534B2 - 成形装置 - Google Patents
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Description
本発明は、成形装置に関する。
従来、金属パイプを成形金型により型閉してブロー成形する成形装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された成形装置は、成形金型と、金属パイプ材料内に気体を供給する気体供給部と、を備えている。この成形装置では、加熱された金属パイプ材料を成形金型内に配置し、成形金型を型閉した状態で金属パイプ材料に気体供給部から気体を供給して膨張させることによって、金属パイプ材料を成形金型の形状に対応する形状に成形する。
従来の成形装置では、金属パイプの形状によって、厚みが薄くなる部分が発生し、当該部分での強度が不十分となる場合があった。例えば、金属パイプが角部を有する場合は、膨張成形時に当該角部に対応する部分の厚みが薄くなり、当該角部における強度が不十分となる場合があった。
そこで、本発明は、金属パイプの角部などの一部分において、強度が低下することを抑制できる成形装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る成形装置は、加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、金属パイプを成形する成形金型と、金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、制御部と、を備え、成形金型は、金属パイプの角部に対応する位置に設けられ、進退可能な角部進退部を備え、制御部は、角部進退部を金属パイプ材料側へ進入させ、当該進入後、角部進退部を金属パイプ材料側から後退させ、流体供給部から流体を金属パイプ材料へ供給する。
この成形装置によれば、成形金型が、金属パイプの角部に対応する位置に、進退可能な角部進退部を備えている。そして、制御部は、角部進退部を金属パイプ材料側へ進入させている。これにより、加熱された金属パイプ材料のうち、角部に対応する部分は、角部進退部と接触可能となり、当該接触した部分を予め部分的に冷却できる。そして、制御部は、角部進退部を金属パイプ材料側から後退させることで、当該角部進退部を金属パイプの膨張成形のための位置に配置し、流体供給部から流体を金属パイプ材料へ供給することで金属パイプの膨張成形を行う。金属パイプ材料のうち、予め部分的に冷却された角部に対応する部分は、高温の部分に比して変形し難い。従って、当該角部に対応する部分は、膨張成形時に厚みが薄くなり難い。これにより、金属パイプの角部が薄くなりすぎることを抑制できる。以上により、金属パイプの角部などの一部分において、強度が低下することを抑制できる。
本発明の一形態に係る成形装置は、加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、金属パイプを成形する成形金型と、金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、制御部と、を備え、成形金型は、金属パイプの周方向における一部である第1の部分に対応する位置に設けられ、進退可能な進退部を備え、制御部は、進退部を前記金属パイプ材料側へ進入させ、当該進入後、進退部を金属パイプ材料側から後退させ、流体供給部から流体を金属パイプ材料へ供給する。
この成形装置によれば、上述の成形装置と同様の作用・効果を得ることができる。すなわち、金属パイプ材料のうち、予め冷却された第1の部分に対応する部分が、膨張成形時に薄くなることを抑制できる。以上により、金属パイプの 一部分において、強度が低下することを抑制できる。
本発明の一形態に係る成形装置は、加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、金属パイプを成形する成形金型と、金属パイプ材料を支持する支持部を有し、当該金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、制御部と、を備え、制御部は、金属パイプ材料の一部を成形金型に接触させ、流体供給部の支持部を回転させることで、金属パイプ材料を回転させ、当該回転後、流体供給部から流体を金属パイプ材料へ供給する。
この成形装置によれば、制御部は、流体供給部の支持部を回転させる前に、加熱された金属パイプ材料のうち、一部を成形金型に接触させている。これにより、当該接触させた部分を予め部分的に冷却できる。そして、制御部は、流体供給部の支持部を回転させることで、金属パイプ材料を回転させる。これにより、予め冷却された部分は、成形金型のうち、先に接触した部分とは異なる部分と対向するように配置される。当該状態で、制御部は、回転後、流体供給部から流体を金属パイプ材料へ供給する。金属パイプ材料のうち、予め冷却された部分は、他の高温の部分に比して変形し難い。従って、当該予め冷却された部分は、膨張成形時に厚みが薄くなり難い。従って、金属パイプの角部などのように、薄くなり易い部分を予め冷却しておくことで、膨張成形時に当該部分が薄くなりすぎることを抑制できる。以上により、金属パイプの角部などの一部分において強度が低下することを抑制できる。
成形装置は、金属パイプ材料と接触し、通電することによって金属パイプ材料を加熱する電極を更に備え、制御部は、流体供給部の支持部を回転させるときに、電極を金属パイプ材料から退避させてよい。これにより、金属パイプ材料を流体供給部の支持部と共に回転させる時に、金属パイプ材料が電極と干渉することを防止できる。
本発明の成形装置及び成形方法によれば、金属パイプの角部などの一部分において強度が低下することを抑制できる。
以下、本発明による成形装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〈成形装置の構成〉
図1は、本実施形態に係る成形装置の概略構成図である。図1に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型12及び下型11からなる成形金型13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14内に高圧ガス(流体)を供給するための気体供給部60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14内に気体供給部60からの気体を供給するための一対の気体供給機構(流体供給部)40,40と、成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72とを備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記加熱機構50の駆動、及び上記気体供給部60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。
図1は、本実施形態に係る成形装置の概略構成図である。図1に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型12及び下型11からなる成形金型13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14内に高圧ガス(流体)を供給するための気体供給部60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14内に気体供給部60からの気体を供給するための一対の気体供給機構(流体供給部)40,40と、成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72とを備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記加熱機構50の駆動、及び上記気体供給部60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。
成形金型13の一方である下型11は、基台15に固定されている。下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)16を備える。下型11には冷却水通路19が形成され、略中央に下から差し込まれた熱電対21を備えている。この熱電対21はスプリング22により上下移動自在に支持されている。
更に、下型11の左右端(図1における左右端)近傍にはスペース11aが設けられており、当該スペース11a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(下側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置されることで、下側電極17,18は、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14に接触する。これにより、下側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材91は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド95に固定されている。このアクチュエータは、下側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、下型11と共に基台15側に保持されている。
成形金型13の他方である上型12は、駆動機構80を構成する後述のスライド81に固定されている。上型12は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、内部に冷却水通路25が形成されると共に、その下面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)24を備える。このキャビティ24は、下型11のキャビティ16に対向する位置に設けられる。なお、成形金型13は、側部金型102A,102B及び角部進退部101A,101B,101C,101Dを備えている(図3参照)が、成形金型13の更に詳細な説明については後述する。
上型12の左右端(図1における左右端)近傍には、下型11と同様に、スペース12aが設けられており、当該スペース12a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(上側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置された状態において、上側電極17,18は、下方に移動することで、上型12と下型11との間に配置された金属パイプ材料14に接触する。これにより、上側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材101がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材101は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータの可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80のスライド81側に保持されている。
パイプ保持機構30の右側部分において、電極18,18が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝18aが形成されていて(図2参照)、当該凹溝18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の右側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面18bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の右側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の右側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
パイプ保持機構30の左側部分において、電極17,17が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝17aが形成されていて(図2参照)、当該凹溝17aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の左側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極17の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の左側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の左側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
図1に示されるように、駆動機構80は、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81と、上記スライド81を移動させるための駆動力を発生するシャフト82と、該シャフト82で発生した駆動力をスライド81に伝達するためのコネクティングロッド83とを備えている。シャフト82は、スライド81上方にて左右方向に延在していると共に回転自在に支持されており、その軸心から離間した位置にて左右端から突出して左右方向に延在する偏心クランク82aを有している。この偏心クランク82aと、スライド81の上部に設けられると共に左右方向に延在している回転軸81aとは、コネクティングロッド83によって連結されている。駆動機構80では、制御部70によってシャフト82の回転を制御することにより偏心クランク82aの上下方向の高さを変化させ、この偏心クランク82aの位置変化をコネクティングロッド83を介してスライド81に伝達することにより、スライド81の上下動を制御できる。ここで、偏心クランク82aの位置変化をスライド81に伝達する際に発生するコネクティングロッド83の揺動(回転運動)は、回転軸81aによって吸収される。なお、シャフト82は、例えば制御部70によって制御されるモータ等の駆動に応じて回転又は停止する。
加熱機構50は、電力供給部55と、電力供給部55と電極17,18とを電気的に接続するブスバー52と、を備える。電力供給部55は、直流電源及びスイッチを含み、電極17,18が金属パイプ材料14に電気的に接続された状態において、ブスバー52、電極17,18を介して金属パイプ材料14に通電可能とされている。なお、ブスバー52は、ここでは、下側電極17,18に接続されている。
この加熱機構50では、電力供給部55から出力された直流電流は、ブスバー52によって伝送され、電極17に入力される。そして、直流電流は、金属パイプ材料14を通過して、電極18に入力される。そして、直流電流Cは、ブスバー52によって伝送されて電力供給部55に入力される。
図1に戻り、一対の気体供給機構40の各々は、シリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、シリンダロッド43におけるパイプ保持機構30側の先端に連結されたシール部材44とを有する。シリンダユニット42はブロック41上に載置固定されている。シール部材44の先端には先細となるようにテーパー面45が形成されており、電極17,18のテーパー凹面17b,18bに合わさる形状に構成されている(図2参照)。シール部材44には、シリンダユニット42側から先端に向かって延在し、詳しくは図2(a),(b)に示されるように、気体供給部60から供給された高圧ガスが流れるガス通路46が設けられている。
気体供給部60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを溜めるアキュムレータ62と、このアキュムレータ62から気体供給機構40のシリンダユニット42まで延びている第1チューブ63と、この第1チューブ63に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、アキュムレータ62からシール部材44内に形成されたガス通路46まで延びている第2チューブ67と、この第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69とからなる。圧力制御弁64は、シール部材44の金属パイプ材料14に対する押力に適応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、第2チューブ67内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68は、制御部70の制御により、金属パイプ材料14を膨張させるための作動圧力を有するガスを、シール部材44のガス通路46に供給する役割を果たす。
制御部70は、気体供給部60の圧力制御弁68を制御することにより、金属パイプ材料14内に所望の作動圧力のガスを供給することができる。また、制御部70は、図1に示す(A)から情報が伝達されることによって、熱電対21から温度情報を取得し、駆動機構80及び電力供給部55等を制御する。
水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19及び上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とからなる。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
〈成形装置を用いた金属パイプの成形方法〉
次に、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の円筒状の金属パイプ材料14を準備する。この金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
次に、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の円筒状の金属パイプ材料14を準備する。この金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
次に、制御部70は、駆動機構80及びパイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、駆動機構80の駆動によりスライド81側に保持されている上型12及び上側電極17,18等が下型11側に移動すると共に、パイプ保持機構30に含まれる上側電極17,18等及び下側電極17,18等を進退動可能としているアクチュエータを作動させることによって、金属パイプ材料14の両方の端部付近を上下からパイプ保持機構30により挟持する。この挟持は電極17,18に形成される凹溝17a,18a、及び絶縁材91,101に形成される凹溝の存在によって、金属パイプ材料14の両端部付近の全周に渡って密着するような態様で挟持されることとなる。
なお、このとき、図2(a)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している。また、上側電極17,18の下面と下側電極17,18の上面とは、それぞれ互いに接触している。ただし、金属パイプ材料14の両端部全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に電極17,18が当接するような構成であってもよい。
続いて、制御部70は、加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、加熱機構50の電力供給部55を制御し電力を供給する。すると、ブスバー52を介して下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ材料14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ材料14に供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体がジュール熱によって発熱する。すなわち、金属パイプ材料14は通電加熱状態となる。
続いて、制御部70による駆動機構80の制御によって、加熱後の金属パイプ材料14に対して成形金型13を閉じる。これにより、下型11のキャビティ16と上型12のキャビティ24とが組み合わされ、下型11と上型12との間のキャビティ部内に金属パイプ材料14が配置密閉される。
その後、気体供給機構40のシリンダユニット42を作動させることによってシール部材44を前進させて金属パイプ材料14の両端をシールする。このとき、図2(b)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面18bに沿うように漏斗状に変形する。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面17bに沿うように漏斗状に変形する。シール完了後、高圧ガスを金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティ部の形状に沿うように成形する。
金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されて軟化しているので、金属パイプ材料14内に供給されたガスは、熱膨張する。このため、例えば供給するガスを圧縮空気とし、950℃の金属パイプ材料14を熱膨張した圧縮空気によって容易に膨張させることができる。
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため、金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)されて焼き入れが行われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本実施形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ24内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ材料14を接触させて冷却を行い、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ材料14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
上述のように金属パイプ材料14に対してブロー成形を行った後に冷却を行い、型開きを行うことにより、例えば略矩形筒状の本体部を有する金属パイプを得る。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る成形装置10の特徴的部分について説明する。まず、成形金型13を型閉じ状態とし、完成品に係る金属パイプ150の成形が完了した直後の状態の成形金型13について説明する。なお、本実施形態では、成形金型13は、完成品に係る金属パイプ150として、断面が矩形環状であって、上辺部151、下辺部152、側辺部153A,153B、及び湾曲した四方の角部154A,154B,154C、154Dを有するものを成形することとする。成形直後において、側辺部153Aは水平方向における一方側に形成され、側辺部153Bは水平方向における他方側に形成されるものとする。角部154Aは、上辺部151と側辺部153Aとの間に形成される。角部154Bは、下辺部152と側辺部153Aとの間に形成される。角部154Cは、上辺部151と側辺部153Bとの間に形成される。角部154Dは、下辺部152と側辺部153Bとの間に形成される。また、成形前の金属パイプ材料14の断面形状は、矩形管状をなしており、当該金属パイプ150の断面形状より小さいものとする。すなわち、金属パイプ材料14の断面形状のサイズを大きくすることで金属パイプ150が成形される。なお、図3の状態において、側辺部153A,153Bが対向する水平方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。また、側辺部153B側をX軸方向における正側とし、側辺部153A側をX軸方向における負側とする。Y軸方向における一方側(図3では紙面裏側)を正側とし、他方側(図3では紙面表側)を負側とする。上側をZ軸方向における正側とし、下側をZ軸方向における負側とする。これらのXYZ軸座標系を用いて、各部位の説明を行う場合がある。
本実施形態に係る成形装置10において、成形金型13は、下型11及び上型12に加えて、四隅に配置される角部進退部101A,101B,101C,101Dと、一対の側部金型102A,102Bと、を備えている。各金型は、前述のような金属パイプ150の各部分を形成する。具体的には、上型12が上辺部151を形成する。下型11が下辺部152を形成する。側部金型102Aが側辺部153Aを形成する。側部金型102Bが側辺部153Bを形成する。角部進退部101Aが角部154Aを形成する。角部進退部101Bが角部154Bを形成する。角部進退部101Cが角部154Cを形成する。角部進退部101Dが角部154Dを形成する。
上型12は、金属パイプ150の上辺部151を形成する、水平方向に広がる成形面12dを下面側に有する。また、上型12は、成形面12dのX軸方向の両側の端部からそれぞれ斜め上方へ広がる合わせ面12b,12cを有する。合わせ面12bは、成形面12dからX軸方向の負側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に角部進退部101Aと合わせられる。合わせ面12cは、成形面12dからX軸方向の正側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に角部進退部101Cと合わせられる。上型12は、図1において示された駆動機構80によって上下方向に進退する。これにより、成形面12dは、成形前の金属パイプ材料14に対して近接及び離間が可能である。
下型11は、金属パイプ150の下辺部152を形成する、水平方向に広がる成形面11dを下面側に有する。また、下型11は、成形面11dのX軸方向の両側の端部からそれぞれ斜め下方へ広がる合わせ面11b,11cを有する。合わせ面11bは、成形面11dからX軸方向の負側へ向かって斜め下方へ広がり、型閉時に角部進退部101Bと合わせられる。合わせ面11cは、X軸方向の正側へ向かって斜め下方へ広がり、型閉時に角部進退部101Dと合わせられる。下型11は、図1に示すように駆動機構を有さず、基台15に固定されていてよい。この場合、金属パイプ材料14が上下方向に移動することにより、成形面12dと金属パイプ材料14との近接及び離間が調整される。ただし、図3に示すように、下型11を基台15に固定せずに、下型11を上下方向に進退させる駆動機構130が設けられてもよい。この場合、成形面11dは、成形前の金属パイプ材料14に対して近接及び離間が可能である。なお、後述の成形の手順に関する説明においては、理解を容易とするために、駆動機構130によって下型11が進退可能であることを前提として説明を行う。
側部金型102Aは、金属パイプ150の側辺部153Aを形成する、鉛直方向に広がる成形面102AaをX軸方向の正側に有する。また、側部金型102Aは、成形面102Aaの上側の端部から斜め上方へ広がる合わせ面102Abと、成形面102Aaの下側の端部から斜め下方へ広がる合わせ面102Acを有する。合わせ面102Abは、成形面102AaからX軸方向の負側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に角部進退部101Aと合わせられる。合わせ面102Acは、成形面102AaX軸方向の負側へ向かって斜め下方へ広がり、型閉時に角部進退部101Bと合わせられる。側部金型102Aに対して、当該側部金型102Aを水平方向に進退させる駆動機構131Aが設けられている。これにより、成形面102Aaは、成形前の金属パイプ材料14に対して近接及び離間が可能である。
側部金型102Bは、金属パイプ150の側辺部153Bを形成する、鉛直方向に広がる成形面102BaをX軸方向の負側に有する。また、側部金型102Bは、成形面102Baの上側の端部から斜め上方へ広がる合わせ面102Bbと、成形面102Baの下側の端部から斜め下方へ広がる合わせ面102Bcを有する。合わせ面102Bbは、成形面102BaからX軸方向の正側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に角部進退部101Cと合わせられる。合わせ面102Bcは、成形面102BaからX軸方向の正側へ向かって斜め下方へ広がり、型閉時に角部進退部101Dと合わせられる。側部金型102Bに対して、当該側部金型102Bを水平方向に進退させる駆動機構131Bが設けられている。これにより、成形面102Baは、成形前の金属パイプ材料14に対して近接及び離間が可能である。
角部進退部101Aは、金属パイプ150の角部154Aを形成する、湾曲した成形面101AaをX軸方向の正側に有する。また、角部進退部101Aは、成形面102Aaの両側の端部から斜め上方へ広がる合わせ面101Ab,101Acを有する。合わせ面101Abは、成形面101AaからX軸方向の負側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に上型12の合わせ面12bと合わせられる。合わせ面101Acは、成形面101AaからX軸方向の負側へ向かって斜め上方へ広がり、型閉時に側部金型102Aの合わせ面102Abと合わせられる。角部進退部101Aに対して、当該角部進退部101Aを斜め方向に進退させる駆動機構132Aが設けられている。これにより、成形面101Aaは、成形前の金属パイプ材料14に対して近接及び離間が可能である。
角部進退部101B,101C,101Dは、配置が異なる点以外は角部進退部101Aと同趣旨の構成を有している。すなわち、角部進退部101Bは、角部154Bに対する成形面101Baと、側部金型102Aの合わせ面102Acに対する合わせ面101Bbと、下型11の合わせ面11bに対する合わせ面101Bcと、を備える。また、角部進退部101Bに対して、当該角部進退部101Bを斜め方向に進退させる駆動機構132Bが設けられている。角部進退部101Cは、角部154Cに対する成形面101Caと、上型12の合わせ面12cに対する合わせ面101Cbと、側部金型102Bの合わせ面102Bbに対する合わせ面101Ccと、を備える。また、角部進退部101Cに対して、当該角部進退部101Cを斜め方向に進退させる駆動機構132Cが設けられている。角部進退部101Dは、角部154Dに対する成形面101Daと、側部金型102Bの合わせ面102Bcに対する合わせ面101Dbと、下型11の合わせ面11cに対する合わせ面101Dcと、を備える。また、角部進退部101Dに対して、当該角部進退部101Dを斜め方向に進退させる駆動機構132Dが設けられている。
次に、図4~7を参照して、成形装置10による成形の手順について説明する。以降の説明においては、制御部70が各構成要素を制御することによって、各構成要素の動作が行われる。なお、駆動機構130,131A,131B,132A,132B,132C,132Dは、制御部70(図1参照)に接続されている。従って、制御部70は、各駆動機構を制御することによって、各金型を金属パイプ材料14に対して進退させることができる。また、制御部70は、気体供給機構40(図1参照)を制御することによって、所定のタイミングで金属パイプ材料14に気体を供給する。また、制御部70は、電極17,18を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱することができる。
金属パイプ材料14が電極17,18に挟持されると共に気体供給機構40で支持されると、図4に示すように、制御部70は、各金型を金属パイプ材料14側へ移動させる。なお、角部進退部101A,101Cは上型12と共に上下方向への移動を行い、角部進退部101C,101Dは下型11と共に上下方向への移動を行う。ただし、角部進退部は、上型12又は下型11から独立した状態で進退可能に構成されてもよい。この時、制御部70は、各金型が完全に開いた状態から、各金型の成形面を金属パイプ材料14に近接した状態で離間した位置に配置する。当該状態で、制御部70は電極17,18を介して金属パイプ材料14の通電加熱を行う。
次に、制御部70は、上型12及び下型11を閉じて成形金型13を膨張成形時の状態(図3に示す状態)にした後、図5に示すように、角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ材料14側へ進入させる。これにより、制御部70は、角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ材料14の角部(角部154A,154B,154C,154Dに対応する部分)に押し当てる。制御部70は、当該押し当て状態を所定時間継続することで、金属パイプ材料14の角部を部分的に冷却する。なお、このとき、制御部70は、気体供給機構40から金属パイプ材料14内に気体を供給することで、金属パイプ材料14の角部を角部進退部101A,101B,101C,101Dの成形面に接触させて、当該成形面に沿った形状に成形してよい。これにより、金属パイプ材料14の角部の角部進退部101A,101B,101C,101Dに対する接触面積を増加することができる。なお、制御部70は、当該気体の供給を行うことなく、金属パイプ材料14の角部へ角部進退部101A,101B,101C,101Dへ接触させるだけでもよい。例えば、金属パイプ材料14の角部が予め湾曲している状態であれば、接触面積を広く確保することができる。
次に、図6に示すように、制御部70は、角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ材料14側から後退させる。この時、制御部70は、気体供給機構40から気体を低圧で供給する(低圧ブロー)。制御部70は、低圧ブローによって金属パイプ材料14が膨張するタイミングに合わせて、駆動機構132A,132B,132C,132Dを駆動させることで角部進退部101A,101B,101C,101Dを後退させてよい。あるいは、低圧ブロー中、制御部70は、駆動機構132A,132B,132C,132Dをフリーな状態、すなわち角部進退部101A,101B,101C,101Dに力が作用した場合に当該力に従って角部進退部101A,101B,101C,101Dが移動可能な状態にしてもよい。この場合、角部進退部101A,101B,101C,101Dは、金属パイプ材料14が膨張するに従って、金属パイプ材料14の角部に押されて後退する。
角部進退部101A,101B,101C,101Dが最終成形位置まで後退したら、図7に示すように、制御部70は、気体供給機構40から更に気体を金属パイプ材料14内へ高圧で供給することで(高圧ブロー)、金属パイプ材料14の各部分を上型12、下型11、側部金型102A,102B、及び角部進退部101A,101B,101C,101Dの各成形面に押し付ける。これによって、金属パイプ材料14が各金型の成形面に沿った形状となり、金属パイプ150が完成する。なお、角部進退部101A,101B,101C,101Dの後退と高圧ブローを同時に行ってもよい。
次に、本実施形態に係る成形装置10の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る成形装置10によれば、成形金型13が、金属パイプ150の角部154A,154B,154C,154Dに対応する位置に、斜め方向に進退可能な角部進退部101A,101B,101C,101Dを備えている。そして、制御部70は、角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ材料14側へ進入させている(図5参照)。これにより、加熱された金属パイプ材料14のうち、角部154A,154B,154C,154Dに対応する部分は、角部進退部101A,101B,101C,101Dと接触可能となり、当該接触した部分を予め部分的に冷却できる。そして、制御部70は、角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ材料14側から後退させることで(図6参照)、当該角部進退部101A,101B,101C,101Dを金属パイプ150の膨張成形のための位置に配置し、気体供給機構40から気体を金属パイプ材料14へ供給することで金属パイプ150の膨張成形を行う(図7参照)。金属パイプ材料14のうち、予め部分的に冷却された角部154A,154B,154C,154Dに対応する部分は、高温の部分に比して変形し難い。従って、当該角部154A,154B,154C,154Dに対応する部分は、膨張成形時に厚みが薄くなり難い。これにより、金属パイプ150の角部154A,154B,154C,154Dが薄くなりすぎることを抑制できる。以上により、金属パイプ150の角部154A,154B,154C,154Dなどの一部分において強度が低下することを抑制できる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、成形金型13が角部進退部を備えていたが、これに代えて、金属パイプ材料14を回転させる構成を採用してもよい。例えば、図8~図14に示す成形金型213は、上型12、下型11、及び側部金型102A,102Bのみを有し、角部進退部101A,101B,101C,101Dを有していない。また、図15に示すように、気体供給機構40は、金属パイプ材料14を支持する支持部170を有し、且つ、当該支持部170を回転させるための回転機構171を備えている。気体供給機構40の支持部170は、シール部材44を金属パイプ材料14の端部に押し付けることで、当該金属パイプ材料14を支持している。回転機構171は、シリンダの外周部に設けられた歯車172と、回転軸173を有するモータ174と、回転軸173に設けられた歯車176と、を備えている。制御部70の制御に基づいてモータ174及び歯車176が回転することで、歯車172を介して支持部170を回転させることができる。
まず、図8に示すように、制御部70は、駆動機構80,130,131A,131Bを制御することで、上型12、下型11、及び側部金型102A,102Bを開型として、金属パイプ材料14から離間させた状態にて、電極17,18を介して金属パイプ材料14の通電加熱を行う。
次に、図9に示すように、制御部70は、駆動機構80,130,131A,131Bを制御することで、上型12、下型11、及び側部金型102A,102Bの成形面を金属パイプ材料14の一部に接触させる。また、図10に示すように、制御部70は、気体供給機構40から気体を供給することで、金属パイプ材料14のうち、上型12、下型11、及び側部金型102A,102Bの成形面に接触している部分を当該成形面に沿った形状とすることで、接触面積を増加させる。これにより、金属パイプ材料14の四方の接触部の温度が低下して低温部14aとなり、四隅の非接触部は温度が維持されることで高温部14bとなる。なお、金属パイプ材料14の一部を成形金型213に接触させる際に、気体供給機構40から気体を金属パイプ材料14に供給しない場合があってもよい。
次に、図11に示すように、制御部70は、各金型を開くことで、成形面を金属パイプ材料14から後退させる。次に、図12に示すように、制御部70は、回転機構171を制御して気体供給機構40の支持部170を回転させることで(図15参照)、金属パイプ材料14を回転させる。このとき、制御部70は、気体供給機構40の支持部170を回転させるときに、電極17,18を金属パイプ材料14から退避させる。ここでは、制御部70は、金属パイプ材料14を45°回転させる。これにより、低温部14aが斜め方向に配置される。
次に、図13に示すように、制御部70は、駆動機構80,130,131A,131Bを制御することで、上型12、下型11、及び側部金型102A,102Bを型閉の状態とする。また、制御部70は、気体供給機構40から更に金属パイプ材料14へ気体を供給することで、当該金属パイプ材料14を膨張させる。これによって、金属パイプ材料14は、各金型の成形面に沿った形状に成形される。このとき、低温部14aが金属パイプ150の角部となり、高温部14bが金属パイプの辺部となる。図14に示すように、制御部70は、当該状態を保持することで、金属パイプ150を冷却して、完成品を得る。
この成形装置によれば、制御部70は、支持部170の回転前に、気体供給機構40から気体を金属パイプ材料14へ供給している。これにより、加熱された金属パイプ材料14のうち、一部を成形金型に接触させている。従って、当該接触させた部分(低温部14a)を予め部分的に冷却できる。そして、制御部70は、気体供給機構40の支持部170を回転させることで、金属パイプ材料14を回転させる。これにより、予め冷却された低温部14aは、成形金型213のうち、先に接触した部分とは異なる部分(金属パイプ150の角部を形成する部分)と対向するように配置される。当該状態で、制御部70は、気体供給機構40から気体を金属パイプ材料14へ供給する。金属パイプ材料14のうち、予め冷却された低温部14aは、他の高温部14bに比して変形し難い。従って、当該予め冷却された低温部14aは、膨張成形時に厚みが薄くなり難い。従って、金属パイプ150の角部などのように、薄くなり易い部分を予め冷却しておくことで、膨張成形時に当該部分が薄くなりすぎることを抑制できる。以上により、金属パイプ150の角部などの一部分において強度が低下することを抑制できる。
上述の実施形態では、角部を有する金属パイプを作成する場合の例について説明した。ただし、金属パイプとして角部を有さない形状(例えば円形、楕円など)のものを作成してもよい。すなわち、金属パイプの角部に対応する位置に設けられる角部進退部に代えて、金属パイプの周方向における一部分(第1の部分)に対応する位置に設けられ、進退可能な進退部を備えてもよい。
なお、上述の実施形態では、電極17,18を用いて通電加熱を行っていたが、予め加熱した金属パイプ材料を成形金型にセットしてもよい。
なお、上述の実施形態では、流体供給部として気体供給機構が採用されていたが、流体は気体に限定されず、液体を供給してもよい。
また、上述の実施形態のように、断面が四角形状の金属パイプを成形する構成に限らず、三角形状、又は五角以上の多角形状を成形する構成を採用してもよい。
10…成形装置、13,213…成形金型、17,18…電極、40…気体供給機構(流体供給部)、70…制御部、101A,101B,101C,101D…角部進退部(進退部)、154A,154B,154C,154D…角部(第1の部分)、170…支持部。
Claims (4)
- 加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、
前記金属パイプを成形する成形金型と、
前記金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、
制御部と、を備え、
前記成形金型は、
前記金属パイプの角部に対応する位置に設けられ、進退可能な角部進退部を備え、
前記制御部は、
前記角部進退部を前記金属パイプ材料側へ進入させ、
当該進入後、前記角部進退部を前記金属パイプ材料側から後退させ、
前記流体供給部から流体を前記金属パイプ材料へ供給する、成形装置。 - 加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、
前記金属パイプを成形する成形金型と、
前記金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、
制御部と、を備え、
前記成形金型は、
前記金属パイプの周方向における一部である第1の部分に対応する位置に設けられ、進退可能な進退部を備え、
前記制御部は、
前記進退部を前記金属パイプ材料側へ進入させ、
当該進入後、前記進退部を前記金属パイプ材料側から後退させ、
前記流体供給部から流体を前記金属パイプ材料へ供給する、成形装置。 - 加熱された金属パイプ材料を膨張させて金属パイプを成形する成形装置であって、
前記金属パイプを成形する成形金型と、
前記金属パイプ材料を支持する支持部を有し、当該金属パイプ材料内に流体を供給して膨張させる流体供給部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記金属パイプ材料の一部を前記成形金型に接触させ、
前記流体供給部の前記支持部を回転させることで、前記金属パイプ材料を回転させ、
当該回転後、前記流体供給部から流体を前記金属パイプ材料へ供給する、成形装置。 - 前記金属パイプ材料と接触し、通電することによって前記金属パイプ材料を加熱する電極を更に備え、
前記制御部は、前記流体供給部の前記支持部を回転させるときに、前記電極を前記金属パイプ材料から退避させる、請求項3に記載の成形装置。
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