以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(変形例を含む)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。また、取付、連結、固定等の語は直接行う場合及び他の部材を介在して間接的に行う場合の双方を含むものとする。
図1は、本願の一実施形態に係る計数装置を示すブロック図である。計数装置1は、複数のワークを計数装置1に搬入する搬入装置2と、搬入されたワークを計数のために上昇させる昇降装置と、上昇するワークを計数し送出する計数分割装置6と、送出されたワークを計数装置1から搬出する搬出装置7と、これらと電気的に接続され、動作を制御する制御盤8とを備える。
計数装置1が計数対象とするワークは、平板状のワークであり、特に平面面積に対して厚みが薄く、人手による計数作業では効率が悪く自動化が望ましいものである。以下では、代表例として段ボールシートを例に説明するが、これに限定されるものではなく、本願の計数装置1は、平面を有し厚みがあるものであれば、幅広く適用できる。
搬入装置2により搬入されたワークを計数のために上昇搬送するには、1つの昇降装置が用いられてもよいし、2つ以上の昇降装置が用いられてもよい。一例として、計数装置1は、昇降テーブル装置3(以下「第1昇降装置」とも言う)、第1昇降レッジ装置4(以下「第2昇降装置」とも言う)及び第2昇降レッジ装置5(以下「第3昇降装置」とも言う)の3つの昇降装置を備える。詳細は後述するが、計数装置1は、2つ以上の昇降装置を備えることで、ロスタイムを削減し高速に計数できる。
図2は計数装置の一例を示す概念図である。図3は計数装置の具体的な一例を示す正面図である。図示において、Xは前後方向(水平方向)(+Xが後方、-Xが前方)を示し、Yは上下方向(鉛直方向)(+Yが上方、-Yが下方)を示す(図3以下において同じ)。なお、後述図におけるZはX、Y方向に垂直な奥行方向(+Zが背面方向、-Zが正面方向)を示す。
計数装置1は、搬入装置2により、上下方向に積み重なって直方体状に堆積した複数のワークWをバッチ毎に搬入する。搬入装置2は、後方の上流工程より1バッチの直方体状に堆積した複数のワークWを受け取り、所定位置及び所定タイミングで、バッチ毎にこれを前方の昇降装置に引き渡す。好ましくは、搬入装置2は、ワークWの中心線が計数分割装置6の中心線と一致するようにワークWの奥行方向の位置を調整して昇降装置に引き渡す。搬入装置2は、例えば、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等の据付型のコンベヤである。搬入装置2は、無人搬送台車等自在に動く装置であってもよい。
計数装置1は、複数のワークWに対して計数を行う計数空間Fと、計数空間Fへ複数のワークWを積載して上昇搬送する上昇空間Eと、を含む。
搬入された1バッチのワークWは、水平状態のまま昇降装置によって上昇空間Eを垂直に上昇して、計数空間Fにおいて計数及び分割された後、搬出装置7により前方に水平に搬出される。
計数を容易にするために、ワークWを斜めに扱う(例えばバッチを前方に傾ける)ことも考えられるが、斜めにする時間及び斜めから水平に戻す時間が余分にかかる。計数装置1は、ワークWを水平に扱い、ワークWの昇降及び計数を垂直・水平に行うため、余分な時間がかからず、高速に計数できる。また、ワークWを傾けて処理するとワークWへ負荷が掛かってしまうので、ワークWを水平に扱うことでワークへ余分な負荷を掛けずに済む。
図示のように、上昇空間Eは、昇降装置によりワークWを積載する最下端の面状領域である搬入領域Aと、最上端の面状領域である終了領域Dとの間の複数のワークWが上昇する空間である。3つの昇降装置によりワークWを上昇させる場合、昇降装置が交替する領域として、上昇空間Eに搬入領域Aよりも高い位置の面状領域である第1受渡領域Bと、第1受渡領域Bよりも高い位置の面状領域である第2受渡領域Cが含まれる。計数空間Fは終了領域D以上の領域である。なお、1つの昇降装置を用いる場合は受渡領域を設定しなくてもよいし、2つの昇降装置を用いる場合は受渡領域は1つ設定すれば足り、4つ以上の昇降装置を用いる場合はその数より1つ少なく受渡領域を設定すればよい。
昇降テーブル装置3は、搬入装置2により1バッチの直方体状に堆積した複数のワークWである本バッチワークWを、搬入して積載し、所定タイミングで上昇させる。昇降テーブル装置3は、上昇空間Eにおいて上昇移動及び下降移動が可能な積載テーブル31を有する。
第1昇降レッジ装置4は、水平移動して上昇空間Eに進出し、上昇空間Eにおいて上昇移動及び下降移動が可能な第1積載レッジ41を有する。2つ以上の昇降装置により本バッチワークWを上昇搬送する場合、積載テーブル31は、搬入領域Aから第1受渡領域Bまで上昇し、本バッチワークWを第1積載レッジ41に引き渡した後、搬入領域Aまで下降する。第1積載レッジ41は、上昇空間Eに進入しながら本バッチワークWを積載テーブル31から受け取って所定タイミングで上昇させる。積載テーブル31は、所定タイミングで次の1バッチの直方体状に堆積した複数のワークである次バッチワークを搬入して積載する。なお、第1積載レッジ41は、図示では上昇空間Eの前方に配置されているが、上昇空間Eの側方のうち搬入装置2側を除く3方向であればよく、特に限定されない。
第2昇降レッジ装置5は、水平移動して上昇空間Eに進出し、上昇空間Eにおいて上昇移動及び下降移動が可能な第2積載レッジ51を有する。3つの昇降装置により本バッチワークWを上昇搬送する場合、第1積載レッジ41は、第2受渡領域Cまで上昇し、第2受渡領域Cにおいて本バッチワークWの残りのワークを第2積載レッジ51に引き渡した後、上昇空間Eから退出して第1受渡領域Bの高さまで下降する。第2積載レッジ51は、上昇空間Eに進入しながら本バッチワークWの残りのワークを第1積載レッジ41から受け取って所定タイミングで上昇させる。積載テーブル31は、所定タイミングで次バッチワークを搬入して積載する。なお、第2積載レッジ51は、図示では上昇空間Eの後方に配置されているが、上昇空間Eの側方であって第1積載レッジ41と対向する側方であればよく、特に限定されない。
計数分割装置6は、昇降装置によって上昇する複数のワークWを計数し、計数したワークWのうちの所定数のワークWを1群のワーク群Waとして分割送出する。
計数分割装置6は、昇降装置によって上昇するワークWを前後方向に水平にずらして隣接(上下に隣接)のワークW同士に階段状の段差を生じさせる造形体611を有する造形部61と、造形体611と対向する角度規制体621を有し、ワークWがずれる距離であるずれ幅を調整可能に規制する角度規制部62と、段差を検出して段数を計数することでワークWを計数する検出装置を有する押出体であって水平移動及び垂直移動が可能な押出体631を有する押出部63と、を備える。計数分割装置6は、好ましくは、さらに階段状のワーク群Waを整列させる整列部64を備える。
搬出装置7は、計数分割装置6から送出されたワーク群Waを、計数装置1から前方の下流工程へ搬出する。搬出装置7は、例えば、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等の据付型のコンベヤである。搬出装置7は、無人搬送台車等自在に動く装置であってもよい。
制御盤8(ここでは不図示)は、CPUやメモリ等を含んで構成され、メモリに記憶されたプログラムに従って、計数装置1の動作を制御する。
計数装置1は、さらに、複数の柱部材と、これらの柱部材間に架される梁部材とを含むメインフレーム10を備えて、上記構成部分を支持する(図3を参照)。
計数装置1の昇降装置(昇降テーブル装置3、第1昇降レッジ装置4、第2昇降レッジ装置5)及び計数分割装置6は、図3の初期状態から、図2の待機状態に移行して待機し、所定動作を行う。
以下では、計数分割装置6について詳細に説明し、その後、計数分割装置6の計数のためにワークWを上昇させる昇降装置について詳細に説明する。まず、計数分割装置6の各部の具体的な一例を示すが、これらは一例に過ぎず、本願はこれに限定されるものではない。
図4Aは計数分割装置の造形部の一例を示す平面図で、図4Bはその側面図である。なお、図4Aでは一部の構成が省略されている。
造形部61は、造形体611と、水平移動機構612と、垂直移動機構613と、全体を支持する奥行方向に延びる梁部610と、を有する。
造形体611は、一例として回転体であり、例えばローラである。造形体611は、1つ設けられてもよいが、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて一列に並ぶように複数設けられる。一例として、ここでは、造形体611が5つ設けられ、奥行方向の幅が同幅でもよいが、好ましくは図示のように中央の造形体611が両側の造形体611よりも幅広である。造形体611は、支持部6110が設けられ、共通の軸部が支持部6110に回動可能に支持される。造形体611の軸部は、モータ6111の出力軸に連結される。支持部6110は、上下方向に延びる棒状部分を複数(ここでは3つ)有する。
造形体611は、水平移動機構612により前後方向の水平移動が可能になっている。一例として、水平移動機構612は、梁部610に固定されるモータ6121と、モータ6121の駆動により回転する一対のピニオン6122と、メインフレーム10に取り付けられ、一対のピニオン6122と噛合する一対のラック6123と、一対の直動案内部6124とを有する。直動案内部6124の移動体は梁部610に取り付けられ、レールはメインフレーム10に取り付けられる。
造形体611は、垂直移動機構613により上下方向の垂直移動が可能になっている。一例として、垂直移動機構613は、梁部610に固定されるモータ6131と、モータ6131の駆動により回転するピニオン6132と、ピニオン6132と噛合するラック6133と、一対の直動案内部6134とを有する。ラック6133は、支持部6110の中央棒状部分に取り付けられる。直動案内部6134の移動体は梁部610に取り付けられ、レールは支持部6110の両端部棒状部分に取り付けられる。造形体611は、垂直移動機構613により梁部610に対して上下移動できるようになっている。
図5Aは計数分割装置の角度規制部の一例を示す側面図で、図5Bはその正面図である。なお、図3、図5A及び図5Bでは、説明の便宜上角度規制体621の傾斜状態が図示されているが、角度規制体621は初期状態で水平になっていてもよい。
角度規制部62は、角度規制体621と、回転機構622と、軸部620とを有する。
角度規制体621は、1つ設けられてもよいが、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて一列に並ぶように複数設けられる。一例として、ここでは、薄板状の矩形の等大の角度規制体621が5つ設けられる。角度規制体621は、平面部分が前方及び後方に向くように下端が奥行方向に延びる軸部620に固定される。軸部620は両端がメインフレーム10に回転可能に支持される。
角度規制体621は、回転機構622により回動し角度の変更が可能になっている。一例として、回転機構622は、メインフレーム10に固定されるモータ6221と、軸部620に取り付けられるプーリ6222とを有し、両者の間に伝達ベルトが架設されて回転力が伝達される。角度規制体621は、回転機構622により、水平位置から所定方向に所定角度回動できるようになっている。
図6Aは計数分割装置の押出部の一例を示す平面図で、図6Bはその側面図である。なお、図6Aでは一部の構成が省略されている。
押出部63は、押出体631と、水平移動機構632と、垂直移動機構633と、全体を支持する梁部630とを有する。
押出体631は、1つ設けられてもよいが、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて一列に並ぶように複数設けられる。一例として、ここでは、上下に延びる押出体631が3つ設けられ、奥行方向の幅が同幅でもよいが、好ましくは図示のように中央押出体631が両側押出体631よりも幅広である。押出体631は、本体6311と、検出装置6312とを有する。なお、後述のように押出体631は爪部6313が設けられてもよい。
本体6311は、一例として、板状部材で、平面部分が前方及び後方に向くように上端が支持部6310に固定され、下端が自由端である。好ましくは、図6Aに示すように、本体6311は、上下方向に中空の部材、例えば扁平な四角筒状部材で、外周面のうち幅広い面が前方及び後方に向くように上端が支持部6310に固定され、下端が自由端である。図6Aに示すように、本体6311は、後面に上下に延びるスリットが設けられてもよい。本体6311は、後面が開放された平面視コの字状の部材であってもよい。支持部6310は、本体6311同士の上端部分を連結する一又は複数の薄板部分を有する。
検出装置6312は、本体6311の下端近辺に取り付けられる。好ましくは、検出装置6312は、ワークWと衝突しないように前面以外の場所、例えば後面に取り付けられる。本体6311が上下方向に中空の部材やコの字状の部材である場合は、検出装置6312はその内側(例えば前面の裏側)に取り付けられる。検出装置6312は、一例として、光電式距離センサであり、光を投射する投光部と、物体により反射された光を受光する受光部とを有する。
押出体631は、水平移動機構632により前後方向の水平移動が可能になっている。一例として、水平移動機構632は、梁部630に固定されるモータ6321と、モータ6321の駆動により回転する一対のピニオン6322と、メインフレーム10に取り付けられ、一対のピニオン6322と噛合する一対のラック6323と、一対の直動案内部6324とを有する。直動案内部6324の移動体は梁部630に取り付けられ、レールはメインフレーム10に取り付けられる。
押出体631は、垂直移動機構633により上下方向の垂直移動が可能になっている。一例として、垂直移動機構633は、梁部630に固定されるモータ6331と、モータ6331の駆動により回転する一対のピニオン6332と、支持部6310に取り付けられ、一対のピニオン6332と噛合する一対のラック6333と、直動案内部6334とを有する。直動案内部6334の移動体は本体6311に取り付けられ、レールは梁部630に設けられる上下に延びる棒状部分に取り付けられる。直動案内部6334は、一対設けられてもよいが、好ましくは押出体631の数だけ設けられる。押出体631は、垂直移動機構633により梁部630に対して上下移動できるようになっている。
図7Aは計数分割装置の整列部の一例を示す平面図で、図7Bはその側面図である。なお、図7Aでは一部の構成が省略されている。
整列部64は、整列体641と、水平移動機構642と、垂直移動機構643と、全体を支持する梁部640と、を有する。
整列体641は、1つ設けられてもよいが、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて一列に並ぶように複数設けられる。一例として、ここでは、薄板状の矩形の等大の整列体641が4つ設けられる。整列体641は、平面部分が前方及び後方に向くように上端が支持部6410に固定され、下端が自由端であり、下方に向かって櫛歯状に並列に配列される。支持部6410は、整列体641同士の上端部分を連結する一又は複数の薄板部分を有する。整列体641は、好ましくは、角度規制体621の数±1の数が設けられ、奥行方向の幅が上記角度規制体621同士の所定間隔より小さく、角度規制体621間を通過可能になっている。
整列体641は、水平移動機構642により前後方向の水平移動が可能になっている。一例として、水平移動機構642は、メインフレーム10に固定されるモータ6421と、メインフレーム10に支持され、モータ6421の駆動により回転する一対の駆動プーリ6422及び一対の従動プーリ6423と、一対の直動案内部6424とを有する。駆動プーリ6422と従動プーリ6423の間に伝達ベルトが架設され、梁部640は伝達ベルトに連結される。一対の直動案内部6424の移動体は梁部640の両端に取り付けられ、レールはメインフレーム10に取り付けられる。
整列体641は、垂直移動機構643により上下方向の垂直移動が可能になっている。一例として、垂直移動機構643は、梁部640に設けられるシリンダ6431と、直動案内部6432とを有する。シリンダ6431のピストンロッドの下端に、支持部6410が連結される。直動案内部6432の移動体は梁部640に取り付けられ、レールは整列体641に取り付けられる。直動案内部6432は、一対設けられてもよいが、好ましくは整列体641の数だけ設けられる。整列体641は、垂直移動機構643により梁部640に対して上下移動できるようになっている。
図8は計数分割装置の動作の一例を示すフローチャート、図9はその一連の動作例を説明する図である。
なお、図8で示すフローチャートのステップ単位は、各装置の処理動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。ステップ単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。各装置の処理動作は、内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割することもできる。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理動作を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。後述の図22及び図24で示すフローチャートも同様である。
計数分割装置6は、ワークWを計数し、計数したワークWをワーク群Wa毎に分割送出する。ワーク群Waの数は、ワークによって決められ、例えば、下流工程で結束機により結束される1束のワークWの数である。
まず、計数分割装置6は、図2に示す状態で待機する。すなわち、造形部61は造形体611の前方下方の外周面が上昇するワークWと接する位置にある状態で待機し、角度規制部62は角度規制体621が水平な状態で待機し、押出部63は押出体631が終了領域Dよりも上方にある状態で待機し、整列部64は整列体641が角度規制体621の前端と所定間隔空いている位置にある状態で待機する。
(1)計数分割装置6は、まず、ワークWが計数空間Fに進入する前に、角度規制体621を回転させて斜めに立て(ステップS121)、造形体を時計方向に回転させる(ステップS122)(図9の(1))。なお、ワークWが計数空間Fに進入する前であれば、ステップS121とステップS122の順序は逆または同時であってもよい。
(2)すると、計数空間Fに進入する(昇降装置によって計数空間Fへ上昇搬入される)ワークWが回転する造形体611の外周面に当たって後端側に階段状の段差が造形されるので、押出体631を後方に移動させてこの段差を検出してワークWを計数する(ステップS123)(図9の(2))。ワークWは、前方の角度規制体621によりずれ量が一定になり、正面視平行四辺形に造形される。なお、図9では第1積載レッジ41が図示されているが、上記昇降装置のいずれが用いられてもよい。
(3)計数分割装置6は、所定タイミングで、造形体611の回転を停止させ、後方へ退避させて、押出体631を分割位置まで下降させる(ステップS124)。また、角度規制体621を水平に倒し、整列体641で段差を解消させて階段状のワーク群Waを整列させる(ステップS125)(図9の(3))。
(4)次に、計数分割装置6は、整列体641を上方に移動させて退避させ、押出体631でワーク群Waを前方に押し出し送出する(ステップS126)(図9の(4))。
(5)次に、計数分割装置6は、押出体631を待機位置へ移動させ、造形体611を待機位置へ移動させる(ステップS127)(図9の(5))。なお、送出されたワーク群Waは、搬出装置7により搬出される。
図10は計数分割装置の計数に係る構成を詳細に説明する図である。
まず、造形体611について説明すると、上昇するワークWは回転する造形体611の外周面に当たる。造形体611がワークWと接触する面(接触面)は、外周面の前方下方の1/4の範囲である。ワークWを造形体611の上記範囲内のどの位置に接触させるか、すなわち造形体611の前後方向及び上下方向の位置は、ワークWの厚みや正確な計数のためのずれ幅G、回転トルク等に応じて調整され得る。
造形体611がワークWに当たるのは、ワークWの上面後端ないし後端上方角部、後端端面に限るが、ワークWの硬度や損傷しやすさ等に応じて、造形体611の接触面の摩擦係数を調整することが好ましい。例えば、ワークWへの負荷を軽減する必要がある場合は、造形体611の外周面の摩擦抵抗をコーティングや研磨等により小さくする。逆に、負荷を高める必要がある場合は、ワークWが損傷しない程度の摩擦抵抗を造形体611に付与する。一例として、接触面に摩擦係数を高めるための凹凸を形成し、例えば、造形体611の外周面へのコーティングやショットピーニング等の表面改質、セラミック材料等の多孔質材料、ギヤやスプライン、ローレット加工等が考えられる。
造形体611に当たると、上昇するワークWは、隣接の下段のワークWに対して前方に滑り移動し、前方で待ち構えている角度規制体621に当たって止まる。そのため、ずれ幅Gが均一になる。角度規制体621は、造形体611による造形をガイドするとも言える。上昇するワークWが次々と造形体611に当接し、階段状の段差が次々と生まれ、そのまま上昇するので、造形体611及び角度規制体621により、後端が階段状で、正面視平行四辺形状のワーク集団が生まれる。角度規制体621を水平から斜めに立てる角度である規制角度αは、ワークWの種類に応じて任意に調整でき、とりわけワークWの厚みに応じて調整でき、例えば15度~45度に調整される。規制角度αを調整可能とすることで、厚いワークWから薄いワークWまでずれ幅Gを大きくすることで、押出体631の読み取り精度を向上させる。ずれ幅Gは、例えば5mm~45mmまで確保できる。
押出体631は、下端近辺に設けられた検出装置6312により階段状に造形されたワークW同士の段差(上面間高低差)Hを検出しその数である段数を計数することで、ワークWを計数する。検出装置6312は、例えばレーザ変位センサであり、その光軸がワークWの後端面と平行となるよう設置される。
ワークWの端面、例えば段ボールシートの端面を撮像し、その画像情報を解析して枚数を計数する計数装置があるが、段ボールシートの端面における中芯の波形状に潰れや変形がある場合は、認識不良が生じやすく、カウントミスの可能性が高くなる。高度なAI技術等を利用すれば精度が向上するが、高価なものとなる。
計数装置1は、階段状に造形し、階段部分までの距離を連続的に測定し距離が急激に変化した段差数によりワークWの数を検出するので、確実に計数できる。
押出体631は、水平移動及び垂直移動でき、近距離で段差を読み取ることができる。例えば、厚みが1.5mmほどの薄いワークWは、近くで読み取るほうが精度が向上するが、押出体631は水平移動及び垂直移動により最適位置への接近が可能であるため、高精度に読み取れる。
押出体631の計数は、造形がある程度進んでからでもよいし、少なくとも段差が1つ作られれば可能であるので、造形とほぼ同時に並列して行うこともできる。
図11は、計数分割装置の変形例1を示す図である。本例では、計数分割装置6は、更に角度規制体621と対向して配置され、段差を維持させる後方規制部66を備える。後方規制部66は、後方規制体661と、後方規制体661を回転させる回転機構662とを有する。後方規制体661は、例えば板状部材である。回転機構662を備える代わりに、後方規制体661に弾性を持たせて変形により角度を変更可能とさせてもよい。
後方規制体661は、階段状に造形されたワークWを挟んで角度規制体621の反対側において、角度規制体621からワークWの前後幅Iだけ空けて、またはワークWの前後幅I以上の間隔を空けて、角度規制体621と平行となる(規制角度αと同角度で傾斜する)ように調整される。好ましくは、後方規制体661は、角度規制体621のワークWと接する面と平行な面を有する。これにより、造形体611により送り出されて角度規制体621に当たって跳ね返るワークWがあっても、後方規制体661が後方で規制するので、段差が維持される。
図12は、計数分割装置の変形例2を示す図である。本例では、計数分割装置6は、更に、ワーク群Wの下方にあるワークWの移動を防止する下方ワーク移動防止部65を備える。下方ワーク移動防止部65は、移動防止体651と、垂直移動機構(不図示)とを有する。
(1)計数分割装置6は、ワーク群Waを送出するために造形体611の回転を停止した後(即ち段差を生じさせる造形動作の停止後)(図8のステップS123とステップS124の間)は、造形体611で、ずらした最下段のワークW(図示の矢印で示す斜線部ワーク)よりも下方にあるワークWを押えて、移動を防止することができる(図12の(1))。
(2)移動防止体651は、造形体611が後方に退避するまでに、上昇して、ワーク群Waの最下端ワーク(黒塗ワーク)Wの隣接ワーク(図示の矢印で示す斜線部ワーク)Wの前方において、ワーク群Waよりも下方にある隣接ワークWの前方への移動を防止する(図12の(2))。
(3)押出体631は、造形体611が後方に退避すると、ワーク群Waの最下端ワーク(黒塗ワーク)Wの後方まで下降して、最下端ワークの下方にあるワークW(図示の矢印で示す斜線部ワーク)を押える(図12の(3))。その後、押出体631はワーク群Waを前方に押し出し送出する。
このように、移動防止体651は、階段状に造形されたワークのうち送出予定のワーク群Waの下方のワークWが、ワーク群Waの送出の際に連れ出さることを防止することができる。
図13は、計数分割装置の整列に係る構成を説明する図である。計数分割装置6は、好ましくは、ワークWを計数後、整列してから分割送出する。
ワーク群Waは、後端側を観察すると階段状、正面全体で観察すると平行四辺形状に造形されている。ワーク群Waをこのまま前方に押し出そうとすると、必然的に後方下端から押し出すことになるが、ワークWの自重も加わり、下端のワークWの端面に損傷が生じる恐れがある。また、角度規制体621を水平に戻す必要があり、前方の支えがなくなると、平行四辺形状のままでは後方から力を受けるとワーク群Waが崩れる恐れがある。そこで、計数分割装置6は、整列部64を備え、整列体641で隣接のワークW同士の段差を解消させ、前端同士及び後端同士の前後方向の位置を揃えて直方体状に整列させる。
(1)整列体641は、前方から後方に移動してワーク群Waを整列させる(図13の(1))。上記のように、整列体641は、下方に向かって櫛歯状になっており、角度規制体621間を通れるようになっているため、角度規制体621を水平に倒さなくてもワーク群Waを整列できる。
(2)整列体641は、前方から後方に移動しながら、ワーク群Waの最も前方にある最上端ワークWから順に接して、後方に押し込んで、隣接のワーク同士の段差を解消させる(図13の(2))。押し込まれたワーク群Waは後方の押出体631に後端が当接する。このように、前方から整列させることで、軽いほうから押し込んでいくためワークWにかかる負荷は、後方下端から押し出すより小さくなる。また、端面が段階的に揃うことで、整列体641に接触する端面受圧面積も次第に増えワークWの端面への負荷が軽減され、ワークWの端面への損傷を防ぐことができる。
(3)整列体641は、整列が終ると上昇する。また、角度規制体621は水平に倒される。(図13の(3))。
(4)整列体641がワーク群Waの最上端ワークの上方に移動する(退避する)と、押出体631がワーク群Waを前方に押し出し送出する(図13の(4))。ワーク群Waは、端面が揃っているため、受圧面積が増えワークWの端面への負荷が軽減され、損傷なく搬送することができる。
図14及び図15は、計数分割装置の変形例3を示す図である。本例では、押出体631は、ワーク群Waに追随してまたは持ち上げて搬送する。さらに、整列体641が搬送中のワーク群Waの崩れを防止してもよい。
押出体631は、更に下端に設けられる爪部6313を有する。爪部6313は、押出体631の下端において、後端から前端に水平に延びるように設けられる。爪部6313の前端は、厚みを徐々に減らして∠形状になっている(図15を参照)。押出体631は、爪部6313をワーク群Waの下方に差し込んで、ワーク群Waの後端を爪部6313に載せ、爪部6313の下面が残りのワークWに接触しないように数mm持ち上げて前方に搬送する。
整列体641は、上方に退避せず、ワーク群Waの前方への移動と同期して移動して、ワーク群Waの崩れを防止してもよい。
押出体631の検出装置6312は、図15に示すように、紙粉や水蒸気を除去するために、ノズル6314からエアを噴出してエアパージ(air purge)を行うようになってもよい。
図16は、計数分割装置の変形例4を示す図である。本例では、計数分割装置6の造形部61は、更に下方ワーク移動防止部614を有する。造形部61に下方ワーク移動防止部(プレッシャプレート)614を設けることで、造形体611が後方に退避しても、下方ワーク移動防止部614を用いてワーク群Waの下方のワークWを押え付けて移動を防止できる。
なお、図示のように、押出体631の爪部6313に載せて、ワーク群Waを持ち上げて前方に搬送する場合は、角度規制体621を段差形成時の規制角度よりも小さい角度(移動防止角度)で斜めに立てて、押出体631より押し出されたワーク群Waを一旦保持し、残りのワークWと切り分けて、下方のワークWの移動を防止するようにしてもよい。移動防止角度は、ワーク群Waの前端に損傷を生じない範囲で調整される。
図17は、計数分割装置の変形例5を示す図である。本例では、造形体611は、回転体ではなく、傾斜板を往復させるプッシャ機構615で構成させる。プッシャ機構615の傾斜板の角度は、自動または手動で調整できるようになっている。傾斜板をさらに振動させることで、ワークW同士の摩擦力を小さくして押出し力を軽減してもよい。ワークW同士の間にエアを吹くことで、ワークW間に空気層を設けてワークW同士の摩擦力を小さくして押出し力を軽減するようにしてもよい。
図18は、計数分割装置の変形例6を示す図である。本例では、造形体611は、回転体ではなく、傾斜ベルトコンベヤ機構616で構成される。ベルトコンベヤ機構616のワークWと接触するベルトコンベヤの角度は、自動または手動で調整できるようになっている。ベルトコンベヤは水平移動可能になっており、水平に移動することで押し出すときの負荷やワークWの前方へのずれ幅を調整できるようになっている。ベルトコンベヤを振動させることで、ワークW同士の摩擦力を小さくして押出し力を軽減してもよい。
次に、昇降装置について説明する。なお、以下では具体的な一例を示すが、これらは一例に過ぎず、本願はこれらに限定されない。昇降装置は、油圧リフター等下部から持ち上げる機構のものや、チェーン等で上部から吊り下げる機構のもの等でもよい。
図19Aは昇降テーブル装置の一例を示す平面図、図19Bはその側面図である。なお、図19Aでは一部の構成が省略されている。
昇降テーブル装置3は、積載テーブル31と、垂直移動機構32とを有する。
積載テーブル31は、支持部310により支持される複数の前後方向に水平に延びるベルトコンベヤ311を有する。複数のベルトコンベヤ311は、奥行方向に所定間隔を置いて一列に並び、櫛歯状に並列に配列される。複数のベルトコンベヤ311の一部又は全部は、積載テーブル31が備える回転駆動機構(不図示)により、同期して回転するようになっている。積載テーブル31は、例えば回転駆動機構が中間部に配置される中間駆動式である。
積載テーブル31は、垂直移動機構32により上下方向の垂直移動が可能になっている。垂直移動機構32は、線対称に正面側及び背面側に一対設けられ、ここでは、正面側の垂直移動機構32を例に説明する。垂直移動機構32は、一例として、フレーム部320と、フレーム部320の上方に固定されるモータ321と、フレーム部320内に配置されるスプロケット322と、スプロケット322の両側に配置されるスプロケット323、スプロケット324と、両端がフレーム部320の天井に固定され、両端間部分がスプロケット322、スプロケット323、スプロケット324に巻き掛けられるチェーン325とを有する。スプロケット322はフレーム部320の天井に近い位置に固定され、スプロケット323には積載テーブル31の支持部310が連結され、スプロケット324にはカウンターウェイトが連結される。モータ321によりスプロケット322を回転させてチェーン325を駆動することで、ベルトコンベヤ311は図示の破線で示すように待機位置から上昇し、また待機位置まで下降できるようになっている。
図20Aは第1昇降レッジ装置の一例を示す平面図、図20Bはその正面図である。なお、図20Aでは一部の構成が省略されている。
第1昇降レッジ装置4は、上記第1積載レッジ41と、水平移動機構42と、垂直移動機構43と、全体を支持するフレーム部40とを有する。フレーム部40は、正面側及び背面側に設けられる一対の柱部と、両柱部間で奥行方向に延びる梁部とを有し、この梁部に上下に延びる棒状部分が設けられる。
第1積載レッジ41は、支持部410により支持される複数の前後方向に水平に延びる積載バー411を有する。複数の積載バー411は、互いに所定間隔を置いて奥行方向に一列に並んで後方に向かって櫛歯状に並列に配列される。複数の積載バー411は、前端が支持部410により連結され、後端が自由端になっている。積載バー411は、奥行方向の幅がベルトコンベヤ311同士間の所定間隔より狭く、ベルトコンベヤ311同士間に挿入できるようになっている。積載バー411は、ワーク受渡時にワークの中心がずれないように、好ましくはベルトコンベヤ311の数±1の数が設けられる。支持部410は、複数の積載バー411の前端を連結する奥行方向に延びる板状部分と、この板状部分に設けられる上下に延びる一対の棒状部分とを有する。
第1積載レッジ41は、水平移動機構42により前後方向の水平移動が可能になっている。一例として、水平移動機構42は、図示しないモータ等を含む駆動部と、この駆動部の推進力により移動する一対の直動案内部421とを有する。直動案内部421の移動体はフレーム部40の柱部の下端に取り付けられ、レールはメインフレーム10に取り付けられる。
第1積載レッジ41は、垂直移動機構43により上下方向の垂直移動が可能になっている。一例として、垂直移動機構43は、モータ431と、モータ431の駆動により回転する一対のピニオン432と、一対のピニオン432と噛合する一対のラック433と、一対の直動案内部434とを有する。ラック433は、第1積載レッジ41の支持部410の棒状部分に取り付けられる。直動案内部434の移動体は支持部410の板状部分に取り付けられ、レールはフレーム部40の棒状部分に取り付けられる。第1積載レッジ41は、垂直移動機構43により、フレーム部40に対して上下移動できるようになっている。
図21Aは第2昇降レッジ装置の一例を示す平面図、図21Bはその側面図である。なお、図21Aでは一部の構成が省略されている。
第2昇降レッジ装置5は、上記第2積載レッジ51と、水平移動機構52と、垂直移動機構53と、全体を支持する奥行方向に延びる梁部50と、を有する。
第2積載レッジ51は、支持部510により支持される複数の前後方向に水平に延びる積載バー511を有する。複数の積載バー511は、互いに所定間隔を置いて奥行方向に一列に並んで前方に向かって櫛歯状に並列に配列される。複数の積載バー511は、後端が支持部510により連結され、前端が自由端になっている。支持部510は、複数の積載バー511の後端を連結する板状部分と、この板状部分に設けられる上下に延びる複数の棒状部分とを有する。
第2積載レッジ51は、水平移動機構52により前後方向の水平移動が可能になっている。一例として、水平移動機構52は、梁部50に固定されるモータ521と、モータ521の駆動により回転する一対のピニオン522と、メインフレーム10に取り付けられ、一対のピニオン522と噛合する一対のラック523と、一対の直動案内部524とを有する。直動案内部524の移動体は梁部50に取り付けられ、レールはメインフレーム10に取り付けられる。
第2積載レッジ51は、垂直移動機構53により上下方向の垂直移動が可能になっている。一例として、垂直移動機構53は、梁部50に設けられ、モータを備えるボールねじ531と、ボールねじ531の推進力により移動する一対の直動案内部532とを有する。支持部510の複数の棒状部分は連結部材により連結され、ボールねじ531のナットに連結される。直動案内部532の移動体は梁部50に取り付けられ、レールは支持部510の両端棒状部分に取り付けられる。第2積載レッジ51は、垂直移動機構53により梁部50に対して上下移動できるようになっている。
図22は、昇降装置の動作の一例を示すフローチャートである。図23A~図23Fは、3つの昇降装置による搬送を説明する図である。説明の便宜上、まず、3つの昇降装置による搬送例を説明する。
各昇降装置は、図2に示す状態で待機する。すなわち、昇降テーブル装置3は積載テーブル31の積載面が搬入領域Aに位置する状態で待機し、第1昇降レッジ装置4は上昇空間Eの前方において第1積載レッジ41の積載面が第1受渡領域Bと等高の状態で待機し、第2昇降レッジ装置5は上昇空間Eの後方において第2積載レッジ51の積載面が第2受渡領域Cと等高の状態で待機する。
(1)まず、積載テーブル31が、搬入領域Aにおいて搬入装置2から本バッチワークWを搬入して積載する(ステップS101)(図23A)。
(2)積載テーブル31が、第1受渡領域Bまで上昇し(ステップS102)、第1受渡領域Bで待機する(ステップS103)(図23B)。
(3)すると、第1積載レッジ41が、前方から上昇空間Eの第1受渡領域Bに水平移動して進入しながら、積載テーブル31から本バッチワークWを受け取る(ステップS105)。より具体的には、第1積載レッジ41の後方に向かう櫛歯状の積載バー411が、積載テーブル31のベルトコンベヤ311間に挿入して、本バッチのワークWを受け取る(図23C)。
(4)受渡後、次の計数処理タイミングであれば(ステップS106のYes)、第1積載レッジ41は、ワークWを計数空間Fへ上昇させて搬入し、次の計数処理タイミングでなければ(ステップS106のNo)、待機し、次の計数処理タイミングで上昇搬入する(ステップS107)。その間に、積載テーブル31は搬入領域Aまで下降する(ステップS104)(図23D)。
積載テーブル31は、上昇空間Eに次バッチワークWを受け入れる空間が空けば、搬入装置2から次バッチワークWを搬入して積載する(ステップS101)(図23E)。
(5)第1積載レッジ41が第2受渡領域Cまで上昇する(ステップS108のYes)と、第2積載レッジ51が水平移動しながら上昇空間Eに進入し、本バッチの残りのワークWを受け取る(ステップS111)(図23E)。第2受渡領域Cまで上昇していない間(ステップS108のNo)は、第1積載レッジ41は所定タイミングでワークWを計数空間Fへ上昇搬入する。
第1積載レッジ41は、第2受渡領域Cにおいて、本バッチの残りのワークWを第2積載レッジ51に引き渡しながら退避する(上昇空間Eから前方に退出する)(ステップS109)(図23E)。なお、第1積載レッジ41が待機し、第2積載レッジ51の積載バー511が第1積載レッジ41の積載バー411の間に挿入してワークWを受け取り、その後第1積載レッジが退避する形で受渡しが行われてもよい。
(6)受渡後、次の計数処理タイミングであれば(ステップS112のYes)、第2積載レッジ51は、ワークWを計数空間Fへ上昇させて搬入し、次の計数処理タイミングでなければ(ステップS112のNo)、待機し、次の計数処理タイミングで上昇搬入する(ステップS113)。第1積載レッジ41は、第1受渡領域Bの高さまで下降する(ステップS110)(図23F)。
(7)第2積載レッジ51は、終了領域Dまで上昇する(ステップS114のYes)と、退避し(上昇空間Eから後方に退出し)(ステップS115)、第2受渡領域Cの高さまで下降する(ステップS116)。終了領域Dまで上昇していない間(ステップS114のNo)は、第2積載レッジ51は所定タイミングでワークWを計数空間Fへ上昇搬入する。
なお、第2積載レッジ51は、前方に向かって櫛歯状になっており、支持部の棒状部分も同様に間隔を空けているので、造形体611と前後方向の位置が重なっても干渉することなく動作できる。
前述のように、昇降テーブル装置3の1つの昇降装置により搬入領域Aから終了領域Dまで本バッチワークWを上昇させてもよい。この場合は、計数分割装置6による本バッチワークWの処理が終わってから、積載テーブル31が終了領域Dから搬入領域Aまで戻る時間がサイクルタイムに加算される。なお、サイクルタイムは、1バッチのワークWを処理するのに要する時間(計数装置1への1バッチのワークWの搬入開始から次バッチのワークWの搬入開始までに要する時間)を言う。
また、昇降テーブル装置3及び第1昇降レッジ装置4の2つの昇降装置により搬入領域Aから終了領域Dまで本バッチワークWを上昇させてもよい。図24は、2つの昇降装置による搬送例を示すフローチャートである。
まず、積載テーブル31が、搬入領域Aにおいて搬入装置2から本バッチワークWを搬入して積載する(ステップS101)。積載テーブル31が、第1受渡領域Bまで上昇し(ステップS102)、第1受渡領域Bで待機する(ステップS103)。
すると、第1積載レッジ41が、前方から上昇空間Eの第1受渡領域Bに水平移動して進入しながら、積載テーブル31から本バッチワークWを受け取る(ステップS105)。
受渡後、次の計数処理タイミングであれば(ステップS106のYes)、第1積載レッジ41は、ワークWを計数空間Fへ上昇させて搬入し、次の計数処理タイミングでなければ(ステップS106のNo)、待機し、次の計数処理タイミングで上昇搬入する(ステップS107)。
受渡後、積載テーブル31は搬入領域Aまで下降する(ステップS104)。積載テーブル31は、上昇空間Eに次バッチワークWを受け入れる空間が空けば、搬入装置2から次バッチワークWを搬入して積載する(ステップS101)。
第1積載レッジ41は、終了領域Dまで上昇する(ステップS117のYes)と、退避し(上昇空間Eから前方に退出し)(ステップS118)、第1受渡領域Bの高さまで下降する(ステップS119)。終了領域Dまで上昇していない間(ステップS117のNo)は、第1積載レッジ41は所定タイミングでワークWを計数空間Fへ上昇搬入する。
なお、本例の場合、第1昇降レッジ装置4は、第1積載レッジ41が終了領域Dまで上昇できるように構成される。
本例のように、2つの昇降装置を用いると、第1積載レッジ41で上昇搬送している間に、積載テーブル31は搬入領域Aまで戻れるのでサイクルタイムを短縮できる。また、2つの昇降装置を用いることで、ワークWが上昇している間であっても、上昇空間Eに次バッチワークWを受け入れる空間が開けば、積載テーブル31は次バッチワークWを搬入することができるので、サイクルタイムを更に短縮できる。
さらに、上記例のように、3つの昇降装置を用いると、第2積載レッジ51がワークWを上昇搬送している間に、第1積載レッジ41が最初の待機位置まで戻って積載テーブル31から次バッチワークWを受け取るために備えることができるので、サイクルタイムをさらに短縮できる。すなわち、3つの昇降装置を用いることで、計数分割装置6が処理を行っている間に、昇降装置の交代及びワークWの搬入を行うことができるため、更なる高速化が実現できる。
図25A及び図25Bは、昇降装置の変形例1を説明する図である。計数装置1はワークWをバッチ毎に搬入して計数し、計数したワークWをワーク群Wa毎に搬出するが、1バッチの最後に残ったワークWの数が1群に足りない場合がある。以下では、このように1群に足りないワークWを余剰ワークと称し、その処理(「継出し処理」ともいう)に係る構成を説明する。
第2積載レッジ51が終了領域Dまで上昇した時点で、計数した(又は一部若しくは全部が計数前である)が、1群に足りない余剰ワークWは、第2積載レッジ51に残る。このとき、第1積載レッジ41は、すでに積載テーブル31から次バッチワークWを受け取って待機している。上記例では、第1積載レッジ41は、第2積載レッジ51が上昇空間Eから退出するまで待機するが、本例では、余剰ワークWが発生していると判断されたタイミングで、またはその後、図25Aに示すように、第1積載レッジ41は、上昇して第2積載レッジ51に接近する。
図25Bに示すように、第1積載レッジ41が所定位置まで上昇してその位置で待機すると、第2積載レッジ51が上昇空間Eから退出しながら下端面が次バッチワークWの最上段ワークWと接しないように余剰ワークWを第1積載レッジ41に引き渡す。一方、下方で待ち受けている第1積載レッジ41は、余剰ワークWを次バッチワークWの上に載せるように受け取る。第2積載レッジ51は、上昇空間Eから退出後、第2受渡領域Cの高さまで下降する。
本例のように、3つの昇降装置により上昇搬送することで、余剰ワークWが発生する場合も容易に対応することができる。
図26A~図26Cは、昇降装置の変形例2を示す図である。1バッチの直方体状に堆積したワークWの最下端ワークWは、汚れ等があるため回収して廃棄する場合がある。以下では、このような1バッチの最下端ワークWを廃棄ワークVと称する。通常、廃棄ワークVは、昇降装置が搬入領域Aまで下降した際に回収するが、その場合は昇降装置の下降時間及び廃棄ワークの回収時間がサイクルタイムに加算される。本例は、3つの昇降装置を備え、廃棄ワークを回収するための構成をさらに備えることで、このような加算時間をサイクルタイムから除外する。
計数装置1は、廃棄ワーク回収部を備える。一例として、廃棄ワーク回収部は、廃棄ワークVを上昇空間Eから放出する廃棄ワーク放出部91と、放出された廃棄ワークVを引き取る廃棄ワーク引取部92とを備える。廃棄ワークVの放出は第2受渡領域Cにおいて本バッチの残りのワークWを第1積載レッジ41と第2積載レッジ51との間で受け渡すときに行われ、廃棄ワーク放出部91は、第2受渡領域C近辺において第1積載レッジ41進出側と同側のメインフレームに設置される。
廃棄ワーク引取部92は、特に限定されないが、好ましくは、第1昇降レッジ装置4設置側と同側の上昇空間Eからより離れた位置に、第1受渡領域Bと第2受渡領域Cの間の高さとなるように設置される。廃棄ワーク引取部92は、例えば、下面に真空吸着パッドが設けられ、水平移動が可能になっている。廃棄ワーク引取部92の下方には、回収容器が設置される。
図26Aに示すように、第2受渡領域Cにおけるワーク受渡において、廃棄ワーク放出部91は、第1積載レッジ41が上昇空間Eから退出する際に、廃棄ワークVが第1積載レッジ41に留まるようにして廃棄ワークVのみを上昇空間Eから放出する。廃棄ワーク放出部91は、一例として、第2受渡領域Cより高い位置に設置され、垂直移動可能な板状部分を有し、この板状部分が廃棄ワークVの隣接ワークWの端面(ここでは前端面)と当接する高さまで下降してこの隣接ワークWを含む廃棄ワークVより上方のワークWを堰き止めるようになっている。これにより、第1積載レッジ41は本バッチの残りのワークWを廃棄ワークVを除いて第2積載レッジ51に引き渡しながら上昇空間Eから退出し、第2積載レッジ51は上昇空間Eに進入しながら本バッチの残りのワークWを廃棄ワークVを除いて受け取るようになる。
一例として、図示しないが、廃棄ワーク回収部は、廃棄ワーク放出部91の代わりに、または廃棄ワーク放出部91とともに、第1積載レッジ41の積載面に廃棄ワークVを留めやすくする引留部を有し、第2積載レッジ51の積載面に堆積した複数のワークWを廃棄ワークVを除いて引き取りやすくする引取部を有する。第1積載レッジ41の引留部は、例えば、廃棄ワークVを積載面に留めるために積載面に設けられる摩擦係数を高める部分または廃棄ワークVを積載面に留めるために廃棄ワークVを吸着する部分である。第2積載レッジ51の引取部は、例えば、堆積した複数のワークWを廃棄ワークVを除いて引き取るために積載面に設けられる摩擦係数を低減する部分である。
より具体的には、引留部として、例えば、第1積載レッジ41の積載面に切削加工やショットピーニング加工等による複数の凹凸または真空吸着パッド等が設けられる。溝付きゴム板等その変形により摩擦力を増大させるものでもよい。上記構造の組み合わせてもよい。
また、引取部として、例えば、第2積載レッジ51の積載面に滑りやすい加工が施される、または駆動機構を持たないフリーローラのような回転体やフリーベルトコンベヤ等が用いられる。エアを上向きに吹き付けて摩擦抵抗を低減するものが用いられてもよい。
図26Bに示すように、第2積載レッジ51は、本バッチの残りのワークWを、廃棄ワークVを除いて第1積載レッジ41から受け取って、所定タイミングで上昇させて計数分割装置6に搬入する。一方、第1積載レッジ41は、廃棄ワークVを積載面に留めて上昇空間Eから退出し、廃棄ワーク引取部92の引取り高さまで下降する。
図26Cに示すように、第1積載レッジ41の積載面が廃棄ワーク引取部92の引取り高さまで下降すると、廃棄ワーク引取部92が第1積載レッジ41の位置まで水平移動して廃棄ワークVを引き取って、元の位置に戻り、廃棄ワークVを回収容器に落下させる。第1積載レッジ41は、廃棄ワークVを引き取られた後、第1引渡領域の高さまで下降する。
以上、本発明に係る計数装置の実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
また、本発明は、計数装置に限らず、計数方法、計数装置の制御プログラムなどの様々な態様で提供することができる。