JP7000672B2 - 画像形成方法、インクジェット画像形成装置およびインクジェット画像形成システム - Google Patents

画像形成方法、インクジェット画像形成装置およびインクジェット画像形成システム Download PDF

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本発明は、画像形成方法、インクジェット画像形成装置およびインクジェット画像形成システムに関する。
インクジェット法は簡便かつ安価に画像作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷を含む様々な印刷分野に応用されてきている。
インクジェット法で用いられるインクジェットインクには、水と少量の有機溶剤からなる水系インク、有機溶剤を含むが実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後に活性光線を照射されることにより硬化する活性光線硬化性インク等、複数の種類があり、これらのインクは用途に応じて使い分けられている。この中で、水系インクは一般に臭気が少なく安全性が高い点から家庭用プリンタなどに広く用いられる。
水系インクを用いて形成した画像の耐擦過性および耐水性を高めるため、水系インク中に水性分散樹脂を添加する方法が知られている。この水系インクを基材上に着弾させ、その後基材を加熱すると、上記水性分散樹脂が成膜して、耐擦過性および耐水性が高い画像が得られる。しかし、加熱によって変形しやすい基材などには、上記方法で画像を形成することは難しい。
そのため、上記水性分散樹脂を架橋させる架橋剤を含む処理液をプレオートした基材上に上記水系インクを用いて画像を形成したり、上記水系インクを用いて形成した画像に上記処理液をオーバーコートしたりして、より低温での加熱または非加熱でも、基材状で樹脂を架橋させて成膜させ得る技術が開発されている(特許文献1、特許文献2など)。なお、上記水性分散樹脂と架橋剤とが画像形成前に反応しないように、通常、上記水性分散樹脂および架橋剤の一方は水系インクに、他方は処理液に添加される。
上記プレコートまたはオーバーコートについて、特許文献1では、インクジェットヘッドからの吐出、スプレー、およびローラーによる塗布などで、基材に付与できると記載されている。また、上記プレコートまたはオーバーコートについて、特許文献2では、ベタ画像部分などのみに付与してもよいし、基材の表面全体に付与してもよいと記載されている。
なお、樹脂と上記樹脂を架橋させる架橋剤とを同じ処理液中に混合すると、混合の直後から樹脂と架橋剤とが反応してしまうことが知られている(特許文献3、特許文献4など)。
国際公開第2003/43825号 特開2015-45003号公報 特開平7-26226号公報 特開2016-14106号公報
形成される画像の耐擦過性および耐水性をより高める観点からは、上記水系インクの液滴は、上記プレコートまたはオーバーコートが付与された領域内に着弾することが望ましい。
しかし、インクジェット法では、非常に微小な液滴を吐出して基材上に離散的に着弾させるため、吐出した液滴を、当初予定していた液滴の着弾位置に正確に着弾させることは難しい。そのため、プレコートまたはオーバーコートの液滴と、水系インクの液滴と、をいずれもインクジェット法で吐出するとき、両者が着弾する位置には、ずれが生じやすい。また、通常、搬送経路は基材よりも広く設計されているため、搬送中に基材が蛇行などして、基材の位置がずれることがある。基材の位置がずれると、上記プレコートまたはオーバーコートが着弾する位置とインクが着弾する位置との間のずれはさらに生じやすくなる。
これに対し、上記プレコートまたはオーバーコートをスプレーまたはローラーなどで塗布したり、基材の表面全体に付与したりすれば、上記プレコートまたはオーバーコートが付与された領域に水系インクの液滴を着弾させやすくなる。しかし、この方法では、上記プレコートまたはオーバーコートが付与されたにもかかわらず上記水系インクの液滴が着弾しなかった領域(以下、「画像非形成領域」ともいう。)が広く形成されることになり、上記画像非形成領域には、未反応の架橋剤がなど残存することになる。基材表面のベトツキを抑制したり、基材表面への指紋の付着性を低めたりする観点からは、上記未反応の架橋剤の量はより少ないことが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、架橋剤と樹脂との反応により過剰な加熱なしで画像の耐擦過性および耐水性を高めつつ、基材表面へのベトツキおよび指紋の付着性を低めることが可能な、画像形成方法、ならびにそのような画像形成方法を実行可能なインクジェット画像形成装置およびインクジェット画像形成システムを提供することをその目的とする。
本発明の上記課題は以下の手段により解決される。
[1]インクジェットヘッドから水系インクの液滴を吐出して、基材上の領域に着弾させる工程、架橋剤を含む第1の処理液を、前記基材上に付与する工程、および前記架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂を含む第2の処理液を、前記基材上に付与する工程、を含み、前記第1の処理液および前記第2の処理液は、いずれも、前記水系インクの液滴が着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与される、画像形成方法。
[2]前記第2の処理液が付与された後に、前記水系インクの液滴の着弾および前記第1の処理液の付与が行われる、[1]に記載の画像形成方法。
[3]前記第2の処理液の付与、前記水系インクの液滴の着弾および前記第1の処理液の付与は、この順番で行われる、[1]または[2]に記載の画像形成方法。
[4]前記第2の処理液が付与される領域は、上記第1の処理液が付与される領域と略一致する領域であるか、またはより広い領域である、[1]~[3]のいずれかに記載の画像形成方法。
[5]前記架橋剤は、(ポリ)カルボジイミド化合物、(ポリ)イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シリル化合物、オキサゾリン化合物およびヒドラジン化合物からなる群から選択される化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載の画像形成方法。
[6]前記反応性の官能基または構造は、カルボキシル基、ポリオール構造、ウレタン結合およびアミド基からなる群から選択される官能基または構造である、[1]~[5]のいずれかに記載の画像形成方法。
[7]前記基材は、フィルムである、[1]~[6]のいずれかに記載の画像形成方法。
[8]水系インクの液滴を吐出して基材上の領域に着弾させるインクジェットヘッド、架橋剤を含む第1の処理液を前記基材上に付与する第1処理液付与部、および前記架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂を含む第2の処理液を前記基材上に付与する第2処理液付与部を有する、インクジェット画像形成装置。
[9][8]に記載のインクジェット画像形成装置、および前記インクジェット画像形成装置によって画像が形成された基材を乾燥させる乾燥装置を有するインクジェット画像形成システム。
本発明により、架橋剤と樹脂との反応により過剰な加熱なしで画像の耐擦過性および耐水性を高めつつ、基材表面へのベトツキおよび指紋の付着性を低めることが可能な、画像形成方法、ならびにそのような画像形成方法を実行可能なインクジェット画像形成装置およびインクジェット画像形成システム、が提供される。
図1Aは、架橋剤を含む処理液の液滴および架橋樹脂を含む水系インクの液滴を、それぞれインクジェットヘッドから吐出して基材上に着弾させたときの様子を示す模式図である。 図1Bは、架橋剤を含む処理液を基材上に付与した後に、架橋樹脂を含む水系インクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して基材上に着弾させたときの様子を示す模式図である。 図2は、本発明における、第1の処理液の付与、第2の処理液の付与、および水系インクの液滴の着弾を示す模式図である。 図3は、本発明に係るインクジェット画像形成装置の概要を示す模式図である。 図4は、本発明に係るインクジェット記録システムの概要を示す模式図である。
本発明者は、上述の課題を鋭意検討し、通常インクおよび処理液の2液を用いて画像を形成するところ、架橋剤を含む処理液(以下、単に「第1の処理液」ともいう。)、および架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂(以下、上記官能基または構造を単に「架橋性基」ともいう、上記樹脂を単に「架橋樹脂」ともいう。)を含む処理液(以下、単に「第2の処理液」ともいう。)、を水系インクとは別に設け、上記第1の処理液および第2の処理液を、いずれも、水系インクの液滴が着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与する、画像形成方法に想到した。
上記「水系インクの液滴が着弾される基材上の領域」とは、インクジェットヘッドから水系インクを吐出するときに、着弾の目標とされる基材上の領域であり、水系インクの液滴が着弾する予定の領域である。上記第1の処理液および第2の処理液が付与される領域を、ともに水系インクの液滴が着弾される領域よりも広くすることで、吐出された液滴の着弾位置のずれや、搬送中の基材の位置のずれなどが生じても、架橋剤および架橋樹脂が付与された領域に確実に水系インクの液滴を着弾させることができる。そのため、着弾した水系インクにより形成された画像の耐擦過性および耐水性がより高めやすい。一方で、架橋剤および架橋樹脂を上記第1の処理液および第2の処理液にそれぞれ含ませて、別個に基材上に付与することで、架橋剤および架橋樹脂が付与される領域も、水系インクの液滴が着弾する領域に合わせて容易に調整できる。
図1Aは、インクジェットヘッドから架橋剤を含む処理液の液滴12を吐出して基材上に着弾させた後に、別のインクジェットヘッドから、架橋樹脂を含む水系インクの液滴14を、同じ位置に着弾するように制御して吐出して基材上に着弾させたときの様子を示す模式図である。図1Aに示すように、水系インクの液滴14を処理液の液滴12と同じ位置に着弾させようとしても、吐出された液滴の着弾位置のずれや、搬送中の基材の位置のずれなどにより、水系インクの液滴14を処理液の液滴12と同じ位置に着弾させることは難しい。このとき、水系インクの液滴14が着弾した位置で架橋樹脂が架橋して成膜せず、形成される画像の耐擦過性および耐水性が高まりにくいことがある。
図1Bは、架橋剤を含む処理液22をより広い領域に付与した後に、インクジェットヘッドから、架橋樹脂を含む水系インクの液滴24を、上記領域中に着弾するように制御して吐出して基材上に着弾させたときの様子を示す模式図である。図1Bに示すように、水系インクの液滴24は処理液22が付与された領域中に着弾できるが、処理液22が付与されたにもかかわらず水系インクの液滴24が着弾しなかった画像非形成領域が広く形成され、画像非形成領域に含まれる未反応の架橋剤などによって、基材表面にベトツキが生じたり、基材表面へ指紋が付着しやすくなったりする。
これに対し、本発明では、図2に示すように、上記第1の処理液32の付与および上記第2の処理液36の付与を、水系インクの着弾とは別工程とし、上記第1の処理液32および第2の処理液36を、いずれも、水系インクの液滴34が着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与する。これにより、水系インクの液滴34は上記第1の処理液および第2の処理液が付与される領域中に着弾され、かつ、上記第1の処理液32および上記第2の処理液36が付与される領域も略同じ範囲に調整しやすい。これにより、水系インクが着弾した位置で架橋樹脂が架橋して成膜するため、形成される画像の耐擦過性および耐水性が高まりやすく、かつ、未反応の架橋剤が基材上に残存しにくいため、基材表面のベトツキが生じにくく、基材表面に指紋も付着しにくくなる。また、未反応の架橋剤が基材上に残存しにくいため、触感の低下、ならびに画像保存時の黄変および表面光沢の劣化なども、抑制することができる。
なお、図2では、第2の処理液36の付与、水系インクの液滴34の着弾、および第1の処理液32の付与、をこの順番で行っているが、後述するように、これらの順番は特に限定されず、任意の順番で行ってもよい。
なお、架橋剤と架橋樹脂とを同じ処理液中に混合すると、混合の直後から架橋剤と架橋樹脂とが反応してしまうため、調液後すぐに処理液を使い切る必要がある。また、上記架橋剤と架橋樹脂とを含む処理液の粘度や表面張力などは時間とともに変化し、かつ、架橋剤と架橋樹脂とが反応していくと後述する顔料凝集剤の効果も変わっていくため、連続して画像を形成する場合には、画像形成の初期と後期で画像の色合いや尖鋭性が変わるおそれがある。これに対し、架橋剤と架橋樹脂とを別の処理液にすることで、画質の高い画像を安定して形成することが可能となる。
以下に、例示的な実施形態によって本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
1.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、インクジェットヘッドから水系インクを吐出して基材上の領域に着弾させる工程、架橋剤を含む第1の処理液を上記基材上に付与する工程、および上記架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂を含む第2の処理液を上記基材上に付与する工程、を含む。このとき、上記第1の処理液および上記第2の処理液は、いずれも、上記水系インクが着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与される。
第1の処理液および第2の処理液の付与量は特に限定されないが、第1の処理液および第2の処理液を付与して乾燥させて形成される塗工層の膜厚が0.1μm以上6.0μm以下となるように調整することが好ましい。上記塗工層の膜厚が0.1μm以上であると、架橋した架橋樹脂によって形成された耐擦過性が十分に高まる。上記塗工層の膜厚が6.0μm以下であると、形成された画像の凹凸感をより感じにくくすることができる。
本発明の画像形成方法は、ロール状に収納されるフィルムに対して行うことができる。このとき、本発明の画像形成方法は、上記各工程の前に、ロール状のフィルムを平面状に展開する工程を含み、上記各工程の後に、フィルムをロール状に巻き取る工程を含む。
1-1.水系インクの液滴を着弾させる工程
本工程では、インクジェットヘッドから水系インクの液滴を吐出して、基材上の領域に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型等の電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気-熱変換方式等のいずれでもよい。
これらのうち、使用できるインクの種類をより多くし、かつ、画質をより精細にする観点からは、インクジェットヘッドは、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェットヘッドであることが好ましい。
高速で画像の記録を行う観点から、インクジェット記録方式は、ワンパス型であることが好ましい。ワンパス型のインクジェット記録方式とは、基材が一つのインクジェットヘッドユニットの下を通過した際に、一度の通過でドットの形成されるべきすべての画素に水系インクの液滴を吐出して着弾させる方式を意味する。
ワンパス型のインクジェット記録方式で画像を記録する観点からは、インクジェットヘッドはラインヘッド型であることが好ましい。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとは、基材の搬送方向と直交する方向に、印刷範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドを意味する。ラインヘッド型のインクジェットヘッドは、上記印刷範囲の幅以上の長さを有する一つのヘッドからなるものでもよいし、複数のヘッドを組み合わせて上記印刷範囲の幅以上の長さとなるよう構成されたものでもよい。形成される画像をより高精細にする観点からは、上記複数のヘッドは、基材の搬送方向とは直交する方向に複数の列を形成して、それぞれの列のヘッドは、基材に対するノズルの出射位置が異なるように配置されることが好ましい。
[水系インク]
水系インクは、色材を含む、不可避量より多い量の水を含むインクであればよい。水系インクは、有機溶剤をさらに含んでいてもよい。水系インクは、本発明の効果を顕著に損なわない限りにおいて、インクジェット用の水系インクに通常用いられるその他の成分を含んでいてもよい。
水系インクは、非水系インク、ホットメルトインクおよび活性光線硬化性インクなどに比べて、人体への安全性が高いため好ましい。水は、水系インクで通常使用される溶剤の中で最も蒸気圧が高いため、本発明の画像形成方法では、水系インクが含有する水の量が多いほうが、基材がより乾燥しやすい。上記観点から、水系インクは、インクの全質量に対して60質量%以上の水を含有することが好ましい。
1-1-1.色材
色材は、顔料でも染料でもよい。
耐候性の良好な画像を得る観点からは、色材は顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩などに応じて、たとえば、黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料および黒顔料から選択することができる。
顔料は、水系インクに含有させて画像を記録するためのものとして公知の顔料とすることができる。顔料は、水分散性の顔料でもよく、溶剤を水系インクに含有させることで分散する溶剤分散性の顔料でもよい。顔料の例には、不溶性顔料およびレーキ顔料を含む有機顔料、ならびにカーボンブラックを含む無機顔料が含まれる。これらの顔料は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
不溶性顔料の例には、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニンおよびジケトピロロピロールなどの構造を有する顔料が含まれる。
好ましい顔料の例には、以下のカラーインデックスで表される顔料が含まれる。
マゼンタまたはレッドを呈する顔料の例には、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、およびC.I.ピグメントレッド222が含まれる。
オレンジまたはイエローを呈する顔料の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、およびC.I.ピグメントイエロー138が含まれる。
グリーンまたはシアンを呈する顔料の例には、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、およびC.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
ブラックを呈する顔料の例には、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、およびC.I.ピグメントブラック7が含まれる。
画像に中間色を表示させるときには、水系インクは、特色インク用の顔料を含有してもよい。特色インク用の顔料の例には、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、およびC.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.バットバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、ならびにC.I.ピグメントブルー15:6が含まれる。
顔料は、分散剤およびその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散されていることが好ましい。分散は、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミルおよび高圧ホモジナイザーなどにより行うことができる。上記分散剤の例には、後述する分散樹脂が含まれる。
水系インク中での顔料を長期間安定して分散させる観点からは、分散された顔料の平均粒径は、10nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。
上記平均粒径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により測定することが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage-Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても、上記平均粒径を求めることができる。
1-1-2.有機溶剤
有機溶剤の種類は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されない。水との相溶性を高める観点からは、有機溶剤は、水溶性であることが好ましい。水溶性の有機溶剤の例には、アルコール類、多価アルコール類、アミン類、アミド類、グリコールエーテル類および炭素数が4以上である1,2-アルカンジオール類などが含まれる。これらの有機溶剤は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
上記アルコール類の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノールおよびターシャリーブタノールなどが含まれる。
上記多価アルコール類の例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレンオキサイド基の数が5以上のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレンオキサイド基の数が4以上のポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオールおよびチオジグリコールなどが含まれる。
上記アミン類の例には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミンおよびテトラメチルプロピレンジアミンなどが含まれる。
上記アミド類の例には、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどが含まれる。
上記グリコールエーテル類の例には、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが含まれる。
上記炭素数が4以上である1,2-アルカンジオール類の例には、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-ヘプタンジオールなどが含まれる。
これらのうち、有機溶剤が多価アルコール類であると、高速プリント時の滲みを好適に抑制することができる。好ましい多価アルコール類の例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールなどが含まれる。
インクジェット記録インクが2種類以上の有機溶剤を含有するとき、有機溶剤全体の質量に対する前記多価アルコール類の質量比率を他の有機溶剤の質量比率よりも高くすることで、形成した画像の滲みをより生じにくくすることができる。好ましくは、有機溶剤全体の質量に対する多価アルコール類の質量比率は50%以上である。なお、多価アルコール類を2種以上含むときは、すべての多価アルコール類の質量比率の合計が、他のいずれの種類の有機溶剤の質量比率よりも高ければよく、たとえば有機溶剤全体の質量に対する多価アルコール類の質量比率が50%以上であればよい。
記録インクにおける有機溶剤の含有量は、たとえば、5質量%以上60質量%以下の範囲とすることができる。
本発明者らの知見によれば、記録インクにおける有機溶剤の含有量を10質量%以上40質量%以下の範囲とすることで、画像にひび割れを生じにくくすることができる。水系インクを用いて画像を記録するとき、基材に着弾したインク液滴から溶媒である水が蒸発することにより、インク液滴が収縮し、画像にひび割れが生じることがある。これに対し、有機溶剤の含有量を上記範囲とすることで、前記樹脂が多価アルコール類により適度に膨潤・溶解する。膨潤・溶解した前記樹脂は、増粘して形成された画像中で再成膜する。こうして形成された樹脂の膜により、形成された画像を乾燥させる際にインクの液滴が収縮しにくく、画像にひび割れが生じにくくなると考えられる。
1-1-3.その他の成分
水系インクは、本発明の効果が奏される限りにおいて、樹脂、界面活性剤、pH調整剤、油滴微粒子、紫外線吸収剤、退色防止剤、蛍光増白剤、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防ばい剤、防錆剤などを含有してもよい。これらの成分は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
上記樹脂の例には、前記顔料に分散安定性を与えるための分散樹脂、前記顔料に基材への定着性を与えるための定着樹脂、およびインクの粘度を調整するための増粘剤としての樹脂、その他の樹脂が含まれる。これらの樹脂は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
基材上に塗布された顔料凝集剤とインク中の樹脂を反応させて、顔料の凝集作用をより高める観点からは、上記樹脂はアニオン化されていることが好ましい。また、基材上の顔料凝集剤によって、着弾したインクのpHが低下するときに、顔料をより凝集させやすくする観点からは、樹脂はアミン価を有することが好ましい。
アニオン化された樹脂の例には、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などのアニオン性官能基を含む樹脂が含まれる。顔料の凝集作用を高め、一方でインクの保存安定性を低下させない観点からは、上記アニオン性官能基は、酸価が10mg/KOH以上350mg/KOH以下となる量、樹脂中に含まれることが好ましい。顔料の凝集作用をより高める観点からは、上記アニオン性官能基は、カルボン酸基およびリン酸基が好ましい。
樹脂がアミン価を有する場合、アミンが1級アミンまたは2級アミンであると、上記pH変動によって粘度を十分に高めて顔料を凝集させることができる。このときの上記樹脂のアミン価は、10mg/KOH以上200mg/KOH以下の範囲であることが好ましい。一方で、アミンが3級アミンであると、塩析反応によって粘度を十分に高めて顔料を凝集させることができる。このときの上記樹脂のアミン価は、10mg/KOH以上500mg/KOH以下の範囲であることが好ましい。
これらの樹脂は共重合体で入っていても良く、エマルジョン状態で分散されていても構わない。エマルジョン状態で分散させる場合、インクジェットによる射出性を損なわないという観点から、300nm以下の粒径であることが好ましい。溶解性ポリマーの場合、組成や分子量は特に限定は無いが、重合度の高いポリマーほど射出性が悪化する傾向があるため、ポリマーの組成にもよるが好ましい分子量50000以下であることが好ましい。
上記界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれでもよい。
陽イオン性界面活性剤の例には、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、およびイミダゾリニウム塩などが含まれる。
陰イオン性界面活性剤の例には、脂肪酸石鹸、N-アシル-N-メチルグリシン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩などが含まれる。
両性界面活性剤の例には、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、およびイミダゾリニウムベタインなどが含まれる。
非イオン性界面活性剤の例には、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、およびアセチレンアルコールなどが含まれる。
水系インクの表面張力化を低くする観点からは、これらの界面活性剤の一部はフッ素原子あるいは珪素原子で置換されていることが好ましい。
pH調整剤の例には、公知の酸、塩基およびバッファが含まれる。これらのうち、架橋樹脂と架橋剤との間の反応を阻害しにくいことから、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルアミノエタノール、およびジメチルアミノエタノールならびにその塩が好ましい。
1-1-4.物性
インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性を高める観点からは、水系インクの粘度は1cP以上100cP未満であることが好ましい。上記吐出安定性をより高める観点からは、水系インクの粘度は、1cP以上50cP以下であることが好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。
インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性を高める観点からは、水系インクの表面張力は20mN/m以上50mN/m以下であることが好ましい。基材に対する濡れ性を高めて、形成される画像をより高精細にする観点からは、水系インクの表面張力は20mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。水系インクの表面張力は、前記界面活性剤および有機溶媒の種類または量を変更することで、上記範囲に調整することができる。
1-2.第1の処理液を付与する工程
本工程では、第1の処理液を基材上に付与する。
第1の処理液は、水系インクの液滴が着弾される領域よりも広い領域に付与されればよい。第1の処理液は、たとえば、バーコーター、アニロックスローラーなどを用いるロールコーター、スリットコーター、ダイコーターなどによる塗布、スプレーなどによる吹き付け、オフセット印刷、カーテン塗布、グラビア塗布ならびに上述したインクジェット法により、基材上に付与され得る。
第1の処理液の付与量は特に限定されず、上述した塗工層の膜厚や、架橋剤および顔料凝集剤などの付着量にあわせて適宜調整することができる。
第1の処理液を付与した後、基材を加熱などして第1の処理液を乾燥させてもよい。乾燥は、熱風の吹き付け、赤外線の照射および電離放射線の照射などの公知の方法で行うことができる。これらの乾燥方法は、乾燥させる手段である任意の乾燥器(温風ドライヤーなど)によって行うことができる。上記熱風の吹き付け、および赤外線または電離放射線の照射は、基材の第1の処理液が付与された面に対して行ってもよいし、上記付与された面の裏側に位置する面(以下、単に「裏面」ともいう。)に対して行ってもよい。これらの乾燥方法は、一つのみを行ってもよいし、同時に二種類を組み合わせて行ってもよいし、乾燥させる工程の途中で一の方法から他の方法に切り替えてもよい。
これらのうち、熱風の吹き付けは、装置の構成が簡素であり、乾燥装置をより小型化できるため、好ましい。一方で、基材の損傷を防ぐ観点からは、赤外線の照射および電離放射線の照射が好ましい。
[第1の処理液]
第1の処理液は、架橋剤を含む。第1の処理液は、水系インクが顔料を含むときは顔料凝集剤をさらに含んでもよい。また、第1の処理液は、本発明の効果を顕著に損なわない限りにおいて、その他の成分を含んでいてもよい。第1の処理液の溶媒は、安全性が高いことから水であることが好ましいが、水系インクについて説明したような有機溶剤を含んでいてもよい。また、第1の処理液は、公知の界面活性剤、増粘剤、防黴剤、殺菌剤、保湿剤などをさらに含んでいてもよい。
1-2-1.架橋剤
架橋剤は、後述する架橋樹脂を架橋させることができるものであればよく、架橋樹脂が有する架橋性基の種類に応じて適宜選択することができる。
架橋剤の例には、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シリル化合物、ヒドラジン化合物およびオキサゾリン化合物などが含まれる。これらの架橋剤は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
架橋剤の具体例には、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライト(「カルボジライト」は同社の登録商標)シリーズ、明成化学工業株式会社製のメイカネートシリーズ、株式会社日本触媒製のエポクロス(「エポクロス」は同社の登録商標)シリーズ、および旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のWACKER SILANE(「WACKER」はワッカー社の登録商標)などが含まれる。
第1の処理液が付与された領域内で架橋剤をより十分に広がらせる観点からは、架橋剤は水溶性であることが好ましい。
また、架橋性基との反応性を有する限りにおいて、架橋剤はオリゴマーまたはポリマーでもよく、架橋性基を架橋させ得る官能基が他の樹脂に側鎖として付加されたペンダント型のポリマーであってもよい。
基材に付与される架橋剤の量(付量)は、1gの架橋樹脂に対して10-6mol以上であればよい。上記架橋剤の付与量が上記量以上であると、架橋樹脂が十分に架橋して、形成された画像の耐擦過性がより高まる。基材に付与される架橋剤の量は、樹脂と架橋剤との組み合わせにもよるが、たとえば、1gの架橋樹脂に対して10-2mol以下とすることができる。ただし、架橋剤がオリゴマーまたはポリマーであるときは、形成された画像の耐擦過性を高める効果が架橋剤によっても付与されるため、架橋剤の量をより少なくすることもできる。
1-2-2.顔料凝集剤
顔料凝集剤は、顔料を凝集させる効能を有する化合物である。顔料凝集剤は、基材上で顔料を凝集させて水への顔料の溶解性を低下させ、水系インクの滲みなどによる画質の劣化を抑制することができる。特に高速で画像を形成するときに、顔料凝集剤を用いることが好ましい。
より顔料近傍への拡散性を高めて、滲みをさらに抑制する観点からは、顔料凝集剤は水溶性であることが好ましい。
顔料凝集剤は、顔料を凝集させる作用を有するものであればよい。たとえば、顔料がアニオン性の分散顔料であるとき、顔料凝集剤は、酸またはカチオン性化合物とすることができる。これらの顔料凝集剤は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
酸は、pH変動によって上記アニオン性の分散顔料を凝集することができる。このような酸の例には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、2-ピロリドン-5-カルボン酸、乳酸、アクリル酸およびその誘導体、メタクリル酸およびその誘導体、アクリルアミドおよびその誘導体、スルホン酸誘導体、ならびに、リン酸およびその誘導体などが含まれる。酸は、有機酸であることが好ましい。有機酸は、第1の処理液に含まれる他の成分(架橋剤など)との相溶性が高く、かつ、第1の処理液が基材上で乾燥しても塩になりにくいため基材上での透明性に優れ、形成された画像を変色させにくい。
カチオン性化合物は、塩析によって上記アニオン性の分散顔料を凝集することができる。カチオン性化合物として、例えば、多価金属塩やカチオン性界面活性剤またはカチオン性樹脂等を挙げることができる。多価金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の水溶性の塩を好ましく挙げることができる。カチオン性界面活性剤(陽イオン性界面活性剤ともいう)としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等を好ましく挙げることができる。カチオン性樹脂としては、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
これらのうち、低分子量であり水系インクに拡散しやすく、顔料をより高速に凝集させることから、多価金属塩および多価金属塩が好ましい。さらには、安全性がより高く、かつ架橋樹脂との相溶性が高いことから、酸がより好ましい。
顔料凝集剤は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
基材に付与される顔料凝集剤の含有量(付量)の範囲は限定されず、水系インクの付量、顔料の種類、顔料凝集剤の種類などに応じて適宜設定することができる。たとえば、形成される画像の質量に対し、顔料凝集剤の質量が3質量%以上50質量%以下となることが好ましい。
なお、酸を用いる場合、酸の付量は、水系インクに含まれるアニオン成分の中和当量以下に処理液のpHを調整する量であることが好ましい。また、上記アニオン成分がアクリル酸基である場合、画像の滲みをより生じにくくする観点からは、上記酸の第一解離定数は3.5以下であることが好ましい。
1-3.第2の処理液を付与する工程
本工程では、第2の処理液を基材上に付与する。
第2の処理液は、水系インクの液滴が着弾される領域よりも広い領域に付与されればよい。第1の処理液は、たとえば、バーコーターおよびロールコーターなどによる塗布、スプレーなどによる吹き付け、オフセット印刷、ならびに上述したインクジェット法により、基材上に付与され得る。
第2の処理液の付与量は特に限定されず、上述した塗工層の膜厚や、顔料凝集剤などの付着量にあわせて適宜調整することができる。
第2の処理液を付与した後、基材を加熱などして第2の処理液を乾燥させてもよい。第2の処理液の乾燥は、上述した第1の処理液の乾燥について例示した方法で行うことができる。このとき、第2の処理液を完全には乾燥させず、架橋樹脂による成膜の余地を残した不完全な成膜状態に留めることが好ましい。
[第2の処理液]
第2の処理液は、架橋樹脂を含む。第2の処理液は、水系インクが顔料を含むときは上述の顔料凝集剤をさらに含んでもよい。また、第2の処理液は、本発明の効果を顕著に損なわない限りにおいて、その他の成分を含んでいてもよい。第2の処理液の溶媒は、安全性が高いことから水であることが好ましいが、水系インクについて説明したような有機溶剤を含んでいてもよい。第2の処理液は、上述した顔料凝集剤をさらに含んでいてもよい。また、第2の処理液は、公知の界面活性剤、増粘剤、防黴剤、殺菌剤、保湿剤などをさらに含んでいてもよい。
1-3-1.架橋樹脂
架橋樹脂は、架橋性基を有し、上述した架橋剤によって架橋する樹脂である。架橋樹脂は、1種類のみが含有されてもよく、2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
水系インクとの相溶性を高め、形成される画像の耐擦過性をより高める観点からは、架橋樹脂は水溶性または水分散性の樹脂であることが好ましい。また、形成される画像の耐水性をより高める観点からは、架橋樹脂は水分散性のラテックス樹脂であることが好ましい。ラテックス樹脂は、顔料凝集剤との相溶性が高いため、基材上に顔料凝集剤が付与されるときには、画像の滲みをより抑制しやすくすることができる。
架橋樹脂の構造は、架橋性基を分子中に含むことができる限りにおいて、特に限定されない。架橋樹脂の例には、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミン樹脂、およびポリビニルアルコールなどが含まれる。架橋樹脂の構造は、基材を構成する材料と親和性の高いものを適宜選択することができる。
架橋性基は、上述した架橋剤の種類に応じて適宜選択することができる。架橋性基の例には、アミン基、ウレタン結合、ウレア結合、隣接する炭素分子が水酸基を有するポリオール、およびカルボキシル基などが含まれる。
架橋樹脂がラテックス樹脂であるとき、ラテックス樹脂はハイブリッド樹脂でもよい。ハイブリッド樹脂の例には、コア部に疎水性部分を有し、シェル部に親水性部分を有するコアシェル型の構造をとるラテックス樹脂が含まれる。このようなコアシェル型の構造を有するラテックス樹脂は、基材上で架橋した後に疎水性となり得るため、形成された画像の耐水性を高めつつ、耐擦過性をより高めることができる。
上記疎水性部分および親水性部分は、ハイブリッド樹脂を構成する公知の構造を有すればよい。上記疎水性部分は、たとえばウレタン、アクリル、スチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、尿素樹脂、ポリオール、およびこれらの共重合樹脂などとすることができる。上記親水性部分は、たとえばウレタン、アクリル、尿素樹脂、ポリオール、およびこれらの共重合樹脂などとすることができる。
上記ラテックス樹脂は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれであっても構わないが、ラテックス樹脂の表面に架橋剤と反応する基が存在することが好ましく、言い換えると、アニオン性およびカチオン性のラテックス樹脂がより好ましく、また、非乳化性のラテックス樹脂が好ましい。
架橋樹脂は、樹脂微粒子であることが好ましい。上記樹脂微粒子の平均粒子径は、10nm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。平均粒子径の測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
基材に付与される架橋剤の量(付量)は、形成される画像の耐擦過性および耐水性をより高める観点からは、形成される画像の質量に対し、架橋樹脂の樹脂固形分が50質量%以上となる量であることが好ましい。
1-4.付与される領域
上記第1の処理液および上記第2の処理液は、いずれも、上記水系インクの液滴が着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与される。このようにすることで、吐出された液滴の着弾位置のずれや、搬送中の基材の位置のずれなどが生じても、架橋剤(第1の処理液)および架橋樹脂(第2の処理液)が付与された領域に水系インクの液滴を着弾させ、形成される画像の耐擦過性および耐水性をより高めることができる。
このとき、上記第1の処理液および第2の処理液が付与される領域は、上記インクが着弾される領域より広い領域とすることが好ましい。たとえば、基材がフィルムであるとき、フィルムの蛇行によるずれは、左右方向におよそ50μm程度まで生じることがある。そのため、インクが着弾される位置の周囲に50μm以上広げた領域に、上記第1の処理液および上記第2の処理液を付与すれば、搬送中の基材の位置のずれなどが生じても、上記第1の処理液および上記第2の処理液が付与された領域にインクを着弾させやすくなる。
また、上記第2の処理液が付与される領域は、上記第1の処理液が付与される領域と略一致する領域とするか、またはより広い領域とすることが望ましい。このようにすることで、架橋樹脂と反応しなかった架橋剤が画像非形成領域に残存することによる、基材表面のベトツキや指紋の付着性を抑制することができる。たとえば、上記第1の処理液が付与される領域の周囲の、0μmより広く、300μmより狭い領域に、上記第2の処理液を付与することが好ましい。なお、このとき、第1の処理液に含まれる架橋剤は、第2の樹脂により基材に付与された架橋樹脂の中を移動(マイグレーション)するため、上記第2の処理液が付与された領域の全体で、架橋樹脂による耐水性の向上効果が見られると考えられる。なお、未反応の架橋剤によるベトツキや指紋の付着をより生じにくくする観点からは、上記第2の処理液が付与される領域は、上記第1の処理液が付与される領域と略一致する領域とすることが好ましい。
1-5.各工程の順番
水系インクの液滴を着弾させる工程、第1の処理液を付与する工程、および第2の処理液を付与する工程は、任意の順番で行うことができる。
たとえば、第2の処理液を最後に付与して、形成された画像の最表層で架橋樹脂を架橋させれば、架橋樹脂によって、耐擦過性および耐水性をより十分に高めることができる。
また、水系インクの液滴を着弾させた後に第2の処理液を付与すると、いずれも加熱による、水系インクの乾燥と架橋樹脂の架橋促進を同時に行えるため、より高速で画像を形成することができる。
一方で、第2の処理液を最初に付与すると、おそらくは親水性の傾向を有する架橋樹脂によって水系インクの濡れ広がりが適度に抑制されるため、液より(ビーディングなど)および滲みなどを抑制し、より高精細な画像を形成することができる。
特に、顔料凝集剤を含ませた第2の処理液を最初に付与すると、基材上で顔料凝集剤が析出しにくく、より高精細な画像を形成しやすい。
そのため、第2の処理液(好ましくは顔料凝集剤を含む第2の処理液)を最初に付与し、次に水系インクの液滴を着弾させ、第1の処理液を最後に付与して架橋樹脂を架橋させることが好ましい。このとき、基材の表面を改質して、より高精細な画像を形成しやすくする観点からは、基材に付与された第2の処理液が乾燥した後に水系インクの液滴を着弾させることが好ましい。
なお、第2の処理液を最初に付与しても、架橋樹脂と水系インクが含む成分とは十分に混じり合うため、耐擦過性および耐水性は十分に高まる。
1-6.成膜工程
上述の水系インクの液滴を着弾させる工程、第1の処理液を付与する工程、および第2の処理液を付与する工程を行った後、基材を加熱して架橋樹脂を架橋および成膜させることが好ましい。上記架橋および成膜のための加熱は、水系インクによる印刷時に行われるインク着弾後のインクの乾燥と同時に行ってもよい。
上記加熱は、基材に付与された樹脂の最低成膜温度(MFT)のうち最も高い温度以上で行うことが好ましい。溶剤などによって樹脂のMFTが下がる場合は、下げられたMFTのうち最も高い温度以上であることが好ましい。MFTは、公知の最低造膜温度測定装置を用いて測定することができる。
ただし、上記加熱は、基材の耐熱温度よりも低い温度で行うことが好ましい。
架橋樹脂を十分に架橋および成膜させ、一方で乾燥装置の大型化を抑制する観点からは、加熱時間は、1秒以上120秒以下であることが好ましい。
また、架橋樹脂を十分に架橋させる観点からは、上記加熱後、基材を20℃以上で1時間以上静置することが好ましい。
1-7.基材
基材は特に限定されず、吸水性の高い紙基材でもよいし、グラビアまたはオフセット印刷用のコート紙など吸水性の低い基材でもよいし、フィルム、プラスチックボード(軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、アクリル板、ポリオレフィン系など)、ガラス、タイルおよびゴムなどの非吸水性の基材であってもよい。これらのうち、吸水性の低い基材および非吸水性の基材、特に好ましくはフィルム、は未反応の架橋剤を洗浄によって取り除くことが難しいが、このような基材において、本発明は、ベタツキが少なくなり指紋の付着性が低下するという効果を顕著に奏する。
上記フィルムの例には、公知のプラスチックフィルムが含まれる。上記プラスチックフィルムの具体例には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、高密度ポリエチレンフィルムおよび低密度ポリエチレンフィルムなどを含むポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンなどのポリアミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリアクリル酸(PAA)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、およびポリ乳酸フィルムなどの生分解性フィルムなどが含まれる。ガスバリヤー性、防湿性、および保香性などを付与するために、フィルムの片面または両面にポリ塩化ビニリデンがコートされていてもよいし、金属酸化物が蒸着されていてもよい。また、フィルムには防曇加工が施されていてもよい。また、フィルムにはコロナ放電およびオゾン処理などが施されていてもよい。
上記フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。
上記フィルムは、紙などの吸収性の基材の表面にPVAコートなどの層を設けて、記録をすべき領域を非吸収性とした、多層性の基材でもよい。
上記フィルムは、耐熱温度が60℃以上であることが好ましい。
上記フィルムの厚みは、0.25mm未満であることが好ましい。
2.インクジェット画像形成装置
本発明に係るインクジェット画像形成装置100は、図3に示すように、水系インクの液滴を吐出して基材上の領域に着弾させるインクジェットヘッドを有するヘッドキャリッジ110、上述した第1の処理液を基材に付与する第1処理液付与部120、および上述した第2の処理液を基材に付与する第2処理液付与部130を有する。インクジェット画像形成装置100は、基材表面に付与された第1の処理液または第2の処理液を乾燥させる乾燥器140をさらに有していてもよい。
図3では、基材の搬送方向(図中矢印方向)に沿って上流側から、第2処理液付与部130、ヘッドキャリッジ110および第1処理液付与部120がこの順に配置されているが、これらの配置順はこの順番に限定されず、任意に設定できる。
ただし、第2処理液付与部130はこれらのうち最も上流側または最も下流側に配置されることが好ましく、第2処理液付与部130、ヘッドキャリッジ110および第1処理液付与部120がこの順に配置されることが好ましい。
ヘッドキャリッジ110は、たとえば、4つのインクジェットヘッド111を搭載しており、それぞれのインクジェットヘッド111が有するノズル112からは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのインクを吐出して基材150の水系インクの液滴を着弾させるべき領域に着弾させる。
第1処理液付与部120は、水系インクの液滴が着弾される基材150上の領域よりも広い領域に、第1処理液を付与できる構成であればよい。たとえば、第1処理液付与部120は、塗布ローラー121に処置液を供給するディスペンサー122と、供給された処理液をフィルム状に塗布する塗布ローラー121と、を含む構成とすることができる。
第2処理液付与部130は、水系インクの液滴が着弾される基材150上の領域よりも広い領域に、第2処理液を付与できる構成であればよい。たとえば、第2処理液付与部130は、塗布ローラー131に処置液を供給するディスペンサー132と、供給された処理液をフィルム状に塗布する塗布ローラー131と、を含む構成とすることができる。
なお、第1処理液付与部120および第2処理液付与部130の構成はこれに限定されず、インクジェットヘッドから第1の処理液および第2の処理液をそれぞれ吐出して基材上に着弾させる構成であってもよい。
乾燥器140は、熱風を吹き付ける温風ドライヤー、および赤外線または電離放射線を照射する照射器などの公知の乾燥器とすることができる。乾燥器140は、第2処理液付与部130の下流かつヘッドキャリッジ110の上流に設けられて、水系インクの液滴の吐出前に第2の処理液を乾燥させてもよい(図3)し、第1処理液付与部120の下流かつヘッドキャリッジ110の上流に設けられて、水系インクの液滴の吐出前に第1の処理液を乾燥させてもよい(不図示)。
3.インクジェット記録システム
本発明に係るインクジェット記録システム600は、たとえば図4に示すように、基材の搬送方向に沿って上流側から、上述したインクジェット画像形成装置100および乾燥装置200が接続されて構成される。本発明に係るインクジェット記録システム600は、記録装置100の上流側に送り出し装置300を有していてもよい。本発明に係るインクジェット記録システム100は、乾燥装置200の下流側に回収装置400を有していてもよい。本発明に係るインクジェット記録システム600は、さらに制御部500を有してもよい。
乾燥装置200は、基材に着弾した水系インクを乾燥させて水分を蒸発などさせ、画像を基材に密着させる。同時に、乾燥装置200は、架橋樹脂と架橋剤とを反応させて、架橋樹脂を成膜させる。乾燥装置200は、たとえば、温風ドライヤーなどの乾燥器210と、基材を搬送する搬送路220と、搬送路220を搬送されてきた基材を反転させる反転部230とを備え、基材を移動させつつ、基材に着弾した水系インクを乾燥させる。
乾燥装置200中の基材の向きは任意に設定できるが、水系インクが着弾した基材の面が鉛直方向上方を向いた状態で上記基材を乾燥させた後、上記基材の面が鉛直方向下方を向くように上記基材を反転させて、上記基材の面が鉛直方向下方に向いた状態で基材を乾燥させる工程を含むことが好ましい。
送り出し装置300は、フィルムなどの基材150を記録装置100へ送り出す装置である。送り出し装置300の筐体内では、図4に示すように、ロール状の基材150が支持軸に巻回されて回転可能に保持されている。送り出し装置300は、たとえば、支持軸に巻回されたフィルムなどの基材150を、複数のローラー(例えば、繰り出しローラー、給紙ローラー)を経由して、一定の速度で外部へ搬送する。
回収装置400は、乾燥装置200から搬送されてきたフィルムなどの基材150を回収する装置である。回収装置400の筐体内では、例えば、図4に示すように、ロール状の基材150が支持軸に巻回されてロール状に保持される。回収装置400は、乾燥装置200から搬送されてきたフィルムなどの基材150を、複数のローラー(例えば、繰り出しローラー、排紙ローラー)を経由して、一定の速度で支持軸に巻き取る。
制御部500は、送り出し装置300の送り出し動作、記録装置100の記録動作、乾燥装置200の乾燥動作および回収装置400の回収動作を制御する。
たとえば、制御部500は、送り出し装置300が有するローラーの回転速度、および回収装置400が有するローラーの回転速度などを変更して、送り出し装置300からの基材150の送り出しおよび回収装置400での基材150の回収の速度を調整する。
また、制御部500は、記録すべき内容にしたがって、記録装置100のインクジェットヘッド111を制御し、水系インクの液滴をノズル112から吐出させる。
さらに、制御部500は、第1処理液付与部120および第2処理液付与部130を制御し、水系インクの液滴が着弾される基材150上の領域よりも広い領域に、第1の処理液および第2の処理液を付与させる。このとき、制御部は、第2の処理液が付与される領域が、第1の処理液が付与される領域と略一致する領域とするか、またはより広い領域となるように、第1処理液付与部120および第2処理液付与部130を制御してもよい。このとき、制御部500は、たとえば、ディスペンサー122およびディスペンサー132からの処理液の供給量および塗布ローラー121および塗布ローラー131の回転速度を変更して、第1の処理液および第2の処理液の付与量を調整してもよい。
また、制御部500は、基材150の搬送速度および吐出した水系インクの量などに応じて乾燥装置200の乾燥器210を制御して、基材150に着弾した水系インクを十分に乾燥させる。
なお、このとき、インクジェット画像形成装置100には乾燥器140を設けず、乾燥装置200で水系インク、第1の処理液および第2の処理液を乾燥させ、かつ、架橋樹脂を架橋させてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
1-1.材料の調製
1-1-1.第1の処理液の調製
以下の材料を混合して、得られた組成物(第1の処理液)を処理液Aとした。
架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製、カルボジライトV-02、「カルボジライト」は同社の登録商標): 20質量部
有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル): 5質量部
有機溶剤(エチレングリコール): 20質量部
界面活性剤(ビックケミー社製、BYK333(「BYK」)は同社の登録商標): 0.1質量部
水: 残部
1-1-2.第2の処理液の調製
以下の材料を混合して、得られた組成物(第2の処理液)を処理液Bとした。
架橋樹脂(第一工業化学社製、スーパーフレックス650(「スーパーフレックス」)は同社の登録商標): 30質量部
有機溶剤(エチレングリコール): 10質量部
界面活性剤(ビックケミー社製、BYK333): 0.3質量部
水: 残部
1-1-3.その他の処理液の調製
以下の材料を混合して、得られた組成物を処理液Cとした。
架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製、カルボジライトV-02、「カルボジライト」は同社の登録商標): 20質量部
架橋樹脂(第一工業化学社製、スーパーフレックス650(「スーパーフレックス」)は同社の登録商標): 30質量部
有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル): 5質量部
有機溶剤(エチレングリコール): 10質量部
界面活性剤(ビックケミー社製、BYK333): 0.3質量部
水: 残部
1-1-4.水系インクの調製
77.4質量部の水と20質量部の分散剤(BASF社製品、ジョンクリル819(「ジョンクリル」は同社の登録商標))とをビーカー中で十分に撹拌した後、2.6質量部の有機溶剤(ジメチルアミノエタノール)を添加して、これらの混合液を得た。その後、上記混合液を、撹拌しつつ80℃で加熱して、インク分散液を得た。
6質量部の上記インク分散剤、4.4質量部の有機溶剤(エチレングリコール)、4質量部のシアン顔料(DIC株式会社製、TGR-SD)および7.8質量部の水を、0.5mmのジルコニアビーズを添加したビーズミルにより2時間撹拌し、各成分が十分に分散した後、上記ビーズを取り除いて、顔料分散体を得た。22.2質量部の上記顔料分散体、10.6質量部の有機溶剤(エチレングリコール)、5質量部の有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、1質量部のノニオン性界面活性剤(日信化学工業株式会社製、オルフィンE1010)、および0.2質量部の界面活性剤(ビックケミー社製、BYK333)、および全体が100質量部となる量の水を混合した。10分間の混合の後、混合物を3500メッシュの金属フィルターでろ過し、水系インクを得た。
1-2.画像形成
インクジェット画像形成装置に、360dpi、吐出量14pLの独立駆動型インクジェットヘッド(コニカミノルタ社製)を、2つ1組としてノズルが互い違いになるように配置し、720dpi×720dpiの画像をワンパス方式で印刷できるようにしたヘッドユニットを形成した。3組の上記ヘッドユニットを、1μm精度の搬送ステージ上に設置した。上記搬送ステージ上には、シート状にカットしたポリエチレンフィルム(フタムラ化学株式会社製、太閤ポリエステルフィルムFE#50-FE2001)を固定した。上記それぞれのヘッドユニットが備えるインクタンクには、上記処理液A、処理液B、処理液Cおよび水系インクのいずれかを充填した。
上記インクジェットヘッドから、上記処理液A、処理液B、処理液Cおよび水系インクのいずれかを吐出して、以下のパターン1またはパターン2の画像を形成した。
パターン1: 0.1mm(3画素)の太さの細線、ならびに、上記細線に隣接して形成された、印字率20%、50%および100%のシアンのベタ画像を含む画像
パターン2: パターン1の細線およびベタ画像がすべて含まれる大きさの領域に形成された、100%のシアンのベタ画像
なお、以下の実験において、パターン2は、同じ実験において形成するパターン1が含まれる領域に形成し、同じ実験内における複数のパターン1およびパターン2は、同じ位置に形成されるよう、インクジェットヘッドからの吐出および搬送ステージによる上記ポリエチレンフィルムの移動を制御した。
1-2-1.実験1
架橋剤を含む処理液Aでパターン2を形成し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、上記水系インクによりパターン1を形成し、その後、樹脂を含む処理液Bでパターン2を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-2-2.実験2
樹脂を含む処理液Bでパターン2を形成し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、上記水系インクによりパターン1を形成し、その後、架橋剤を含む処理液Aでパターン2を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-2-3.実験3
上記水系インクによりパターン1を形成し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、樹脂を含む処理液Bでパターン2を形成し、その後、架橋剤を含む処理液Aでパターン2を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-2-4.実験4
架橋剤を含む処理液Aを#8番のバーコーターで塗布し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、塗布および乾燥された処理液Aの上に、上記水系インクによりパターン1を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-2-5.実験5
樹脂を含む処理液Bでパターン1を形成し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、上記水系インクによりパターン1を形成し、その後、架橋剤を含む処理液Aでパターン1を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-2-6.実験6
架橋剤および樹脂を含む処理液Cを#8番のバーコーターで塗布し、ドライヤーで熱風乾燥させた後に、塗布および乾燥された処理液Cの上に、上記水系インクによりパターン1を形成して、目視で乾燥が確認されるまで熱風で乾燥した。
1-3.評価
上記実験1~実験6の方法に準じてそれぞれ複数枚の画像を形成し、得られた画像に対して、80℃のオーブンでさらに1時間の過熱を行った。その後、35℃の環境に3日放置して、サンプル1~サンプル6を得た
サンプル1~サンプル6について、以下の基準で画質、耐水性および触感を評価した。
1-3-1.画質
サンプル1~サンプル6の状態を確認し、ベタに大きなむらがある画像があったり、同一のサンプルに含まれる複数の画像間で線の太さやベタの濃度が変動していたり、正しく印刷されない画像が発生したりするサンプルについては「×」と評価した。やや粒状感が観察されてもよいが、全体的な均質性が無く、繰り返し同等の印字物が得られたサンプルを「〇」と評価し、粒状感が強く、尖鋭性に劣る画像が含まれるサンプルを「△」と評価した。
1-3-2.耐水性
サンプル1~サンプル6の表面を、水を十分に吸わせた後に十分に絞った不織布(旭化成株式会社製、ベンコット、「ベンコット」は同社の登録商標)で10回擦った。擦った後に、上記水系インクで形成した細線または20%のベタ画像にドット欠けが生じたか否かを確認し、ドット欠けが生じていなかった場合に「○」、ドット欠けが生じていた場合に「×」と評価した。
1-3-3.触感
サンプル1~サンプル6の表面を触診し、ベトツキまたは指紋の付着が見られるか否かを確認した。
サンプル1~サンプル6の評価結果を、表1に示す。
Figure 0007000672000001
水系インク、架橋剤を含む第1の処理液(処理液A)、および上記架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂を含む第2の処理液(処理液B)、を用いて、第1の処理液および第2の処理液を水系インクよりも広い領域に付与すると、形成した画質および耐水性がより高い画像が得られた(サンプルNo.1~3)。
特に、第2の処理液、水系インクおよび第1の処理液をこの順番で付与すると、より画質が高い画像が得られた(サンプルNo.2)。
一方で、第2の処理液を用いず形成した画像は、指紋が付着しやすく、また、ベタツキも大きかった(サンプルNo.4)。これは、未反応の架橋剤が画像に残存したためと考えられる。
また、第1の処理液、第2の処理液および水系インクを同じ位置にインクジェット法で吐出して形成した画像は、画質も耐水性も低く、ベタツキも大きかった(サンプルNo.5)。これは、それぞれの着弾位置がずれたために、架橋した樹脂による定着性および耐水性の効果が高まらなかったためと考えられる。
また、架橋剤および樹脂を含む処理液(処理液C)を用いて形成した画像は、画質が高まりにくかった(サンプルNo.6)。これは、処理液C中で架橋剤と樹脂との反応が進行してしまい、特に印刷開始から一定の時間が経過した後には、樹脂による定着性の効果が高まらなかったためと考えられる。
[実施例2]
2-1.実験7
上述した処理液Aに、さらに3質量部の顔料凝集剤(酢酸カルシウム)を添加して、実験1と同様に画像を形成し、得られたサンプルを同様に評価したところ、ベタ部分の尖鋭性が高くなった。ただし、全体的な画質はさほど高まらなかった。
2-2.実験8
上述した処理液Bに、さらに3質量部の顔料凝集剤(酢酸カルシウム)を添加して、実験2と同様に画像を形成し、得られたサンプルを同様に評価したところ、画像の尖鋭性がより高くなり、サンプル1~6のいずれよりも尖鋭性の高い画像が得られた。
本発明の画像形成方法によれば、架橋剤と樹脂との反応により過剰な加熱なしで画像の耐擦過性および耐水性を高めつつ、基材表面へのベトツキおよび指紋の付着性を低めることができる。そのため、本発明は、インクジェット法による水系インクの適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。
12 処理液の液滴
14 水系インクの液滴
22 処理液
24 水系インクの液滴
32 第1の処理液
34 水系インクの液滴
36 第2の処理液
100 インクジェット画像形成装置
110 ヘッドキャリッジ
111 インクジェットヘッド
112 ノズル
120 第1処理液付与部
121 塗布ローラー
122 ディスペンサー
130 第2処理液付与部
131 塗布ローラー
132 ディスペンサー
140 乾燥器
150 基材
200 乾燥装置
210 乾燥器
220 搬送路
230 反転部
300 送り出し装置
400 回収装置
500 制御部
600 インクジェット記録システム

Claims (5)

  1. インクジェットヘッドから水系インクの液滴を吐出して、基材上の領域に着弾させる工程、
    架橋剤を含む第1の処理液を、前記基材上に付与する工程、および
    前記架橋剤と反応する反応性の官能基または構造を有する樹脂を含む第2の処理液を、
    前記基材上に付与する工程、
    を含み、
    前記架橋剤は、(ポリ)カルボジイミド化合物、(ポリ)イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シリル化合物、オキサゾリン化合物およびヒドラジン化合物からなる群から選択される化合物であり、
    前記第1の処理液および前記第2の処理液は、いずれも、前記水系インクの液滴が着弾される基材上の領域よりも広い領域に付与され、
    前記第2の処理液が付与される領域は、上記第1の処理液が付与される領域と一致する領域であるか、またはより広い領域であり、
    前記第1の処理液は、インクジェット法により前記基材上に付与される、
    画像形成方法。
  2. 前記第2の処理液が付与された後に、前記水系インクの液滴の着弾および前記第1の処理液の付与が行われる、請求項に記載の画像形成方法。
  3. 前記第2の処理液の付与、前記水系インクの液滴の着弾および前記第1の処理液の付与は、この順番で行われる、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記反応性の官能基または構造は、カルボキシル基、ポリオール構造、ウレタン結合およびアミド基からなる群から選択される官能基または構造である、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記基材は、フィルムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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