JP7000543B1 - マットコート剤、マットコート層、積層フィルム、及び包装材 - Google Patents

マットコート剤、マットコート層、積層フィルム、及び包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】残留溶剤量がより少なく、かつ、耐熱性がより良好なマットコート層を形成しやすいマットコート剤を提供しようとするものである。【解決手段】イソシアネート系架橋剤とともに用いられるマットコート剤である。このマットコート剤は、バインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有する。前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含むとともに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)を含む。前記ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するとともに、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上のものである。前記マットコート剤中の前記ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する、前記マットコート剤中の前記樹脂(B)の質量の比は、0.2以上0.4未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、マットコート剤、マットコート層、積層フィルム、及び包装材に関する。
塗料及びインク等のコート剤(コーティング剤)は、様々な産業分野において、例えば、対象物の保護、装飾、機能性付与、及び情報付与等の種々の目的で利用されている。これらのうちの装飾を例に挙げると、例えば、彩色及び模様等のほか、光沢感及び艶消し感(マット感)等の質感や触感等が、コート剤により対象物に付与されることもある。
対象物にマット感を付与するマットコート剤は、例えば包装材の産業分野において多く用いられている。マットコート剤が設けられる包装材としては、例えば、樹脂及び紙等の基材フィルムを含むフィルム製の包装材があり、例えば、食品、飲料品、化粧品、及び衣類品等の各種分野の製品に幅広く使用されている。このような包装材の形態についても、製品の種類に応じて様々である。例えば、製品を直接収容するフィルム状の形態や袋、箱、及びボトル等の容器形態;製品の購買者が当該製品を持ち運ぶための手提げ袋等の容器形態;並びに製品に関する情報付与等を兼ねたラベル状の形態等のように多種多様な形態の包装材がある。
一例を挙げると、特許文献1には、主に殺菌を目的としてボイル処理やレトルト処理(ボイル・レトルト殺菌処理)が行われる用途で利用される食品用包装容器等に用いられる、マットコート層を有する積層フィルムに関する発明が開示されている。この特許文献1では、レトルト殺菌処理の際、高温熱水に直接曝されてもプラスチックフィルム(基材フィルム)から剥離せず、かつ印刷層に対する耐ブロッキング性を有し、更に、残留溶剤の少ないマットコート層を形成することができるマットコート剤が提案されている。具体的には、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するバインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂(A)及びそれ以外のその他の樹脂(B)を所定の質量比にて含有するとともに、イソシアネート系架橋剤、マット化剤、ブロッキング防止剤および有機溶剤を含有するマットコート剤が提案されている。
特開2018-070847号公報
上記の特許文献1では、マットコート剤中のポリウレタン樹脂(A)の質量に対するその他の樹脂(B)の質量の比が0.4以上(好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上)であることにより、耐熱水性が良好なマットコート層が得られることが記載されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するその他の樹脂(B)の含有量が多くなると、得られるマットコート層の耐熱性を高められる一方、マットコート層に残留する溶剤の量(残留溶剤量)が多くなる場合があることがわかった。この原因について、本発明者らは、耐熱性に寄与するその他の樹脂(B)の量が増えると、マットコート層が硬くなり、溶剤が抜けにくくなるためと推測している。
そこで、本発明は、残留溶剤量がより少なく、かつ、耐熱性がより良好なマットコート層を形成しやすいマットコート剤を提供しようとするものである。
本発明は、イソシアネート系架橋剤とともに用いられるマットコート剤であって、バインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有し、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含むとともに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)を含み、前記ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するとともに、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上であり、前記マットコート剤中の前記ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する、前記マットコート剤中の前記樹脂(B)の質量の比が、0.2以上0.4未満であるマットコート剤を提供する。
本発明によれば、残留溶剤量がより少なく、かつ、耐熱性がより良好なマットコート層を形成しやすいマットコート剤を提供することができる。
ポリウレタン樹脂(A)の一例の動的粘弾性の温度依存性を表すグラフの模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<マットコート剤>
本発明の一実施形態のマットコート剤は、後述するイソシアネート系架橋剤とともに用いられる。このマットコート剤は、バインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有する。バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含む。ポリウレタン樹脂(A)に加えて、バインダー樹脂は、さらに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)も含む。ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するとともに、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上のポリウレタン樹脂である。そして、マットコート剤中のポリウレタン樹脂(A)の質量に対する、マットコート剤中の樹脂(B)の質量の比は0.2以上0.4未満である。
マットコート剤は、バインダー樹脂として、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するポリウレタン樹脂(A)、及びマット化剤を含有するため、イソシアネート系架橋剤とともに用いられることで、ポリウレタン樹脂(A)が、イソシアネート系架橋剤と架橋反応し、それにより、適度な柔軟性及び靭性を有し、基材フィルム等の対象物に良好に密着するマットコート層を形成することが可能である。
また、マットコート剤は、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上であるポリウレタン樹脂(A)を含有し、かつ、マットコート剤中のポリウレタン樹脂(A)の質量に対する樹脂(B)の質量の比が0.2以上0.4未満であるため、樹脂(B)として、例えば耐熱性の向上が期待できる樹脂をポリウレタン樹脂(A)に対して多く含有させずとも、耐熱性が良好なマットコート層を形成しやすい。さらに、マットコート剤は、マットコート剤中のポリウレタン樹脂(A)の質量に対する樹脂(B)の質量の比が0.4未満であるため、マットコート層を構成する樹脂が主にポリウレタン樹脂となることから、残留溶剤量の少ないマットコート層を形成しやすい。この効果が奏されやすいように、マットコート剤中のポリウレタン樹脂(A)の質量に対する樹脂(B)の質量の比は、0.20以上0.40未満であることが好ましく、0.39以下であることがより好ましく、0.38以下であることがさらに好ましい。以下、マットコート剤の各成分について詳細に説明する。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、マットコート層を設ける対象物に、マットコート剤に含有されるマット化剤等を固着させるものである。バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含むとともに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)を含む。バインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂(A)及び樹脂(B)のみが用いられてもよいし、ポリウレタン樹脂(A)及び樹脂(B)に加えて、さらにこれら以外の樹脂が使用されてもよい。
(ポリウレタン樹脂(A))
ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する。イソシアネート基と反応可能な官能基としては、活性水素を含む基(活性水素基)であればよい。活性水素基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、スルホン酸基、及びリン酸基等を挙げることができる。これらのなかでも、水酸基及びアミノ基が好ましく、水酸基がより好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)の温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率(E’;動的貯蔵弾性率)は、1.0MPa以上である。高温(100℃)及び低周波数(11Hz)での貯蔵弾性率が1.0MPa以上であるポリウレタン樹脂(A)を用いることにより、耐熱性がより良好なマットコート層を形成しやすくなる。このポリウレタン樹脂(A)は、使用原料(モノマー等)や製造プロセスによって、多様な分子構造をとりうるだけでなく、分子構造が相違するものの集合体にもなりうることから、その分子構造は限定されないが、高温(100℃)下においても高い貯蔵弾性率を有することから、その分子構造において剛直な分子鎖を有していると考えられ、その分子構造に起因して、マットコート層の耐熱性をより高められると考えられる。
マットコート層の耐熱性をさらに高める観点から、ポリウレタン樹脂(A)の温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率(E’)は、1.2MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましく、2.0MPa以上であることがさらに好ましい。また、ポリウレタン樹脂(A)の温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率(E’)の上限は特に限定されないが、20.0MPa以下であることが好ましく、15.0MPa以下であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂(A)の貯蔵弾性率は、ポリウレタン樹脂(A)の乾燥膜(フィルム状試料)について、動的粘弾性測定装置を用いて、温度100℃及び周波数11Hzの条件での動的粘弾性の測定により得られた値をとることができる。
ポリウレタン樹脂(A)の上記貯蔵弾性率(E’)は、周波数11Hzの条件で、広範囲な温度領域(例えば温度-80~200℃)にわたって低温側(又は高温側)から高温側(又は低温側)に一定の速度で昇温(又は降温)させながら測定される、E’の温度依存性の測定結果から得ることもできる。E’の温度依存性の測定結果は、横軸に温度(℃)をとり、縦軸にE’(対数目盛又はlogE’)をとったグラフで表すことができる。図1に、ポリウレタン樹脂(A)の一例の動的粘弾性の温度依存性を表すグラフの模式図を示す。
上記のグラフ(貯蔵弾性率の温度依存性)において、ポリウレタン樹脂(A)のE’は、低温領域側で1つめの変曲点(第一変曲点)を有する。この第一変曲点を示す温度(第一変曲点温度)では、ポリウレタン樹脂(A)はいわゆるガラス状態にあるが、そのガラス状態からいわゆるゴム状態に移ろうとしている段階にある。また、ポリウレタン樹脂(A)のE’は、ガラス転移点(Tg)よりも高い温度領域で2つめの変曲点(第二変曲点)を有する。Tgよりも高い温度領域に現れるE’の第二変曲点を示す温度(第二変曲点温度)は、ポリウレタン樹脂(A)が熱により融け始める温度あるいは軟化して変形し始める温度と考えられ、軟化点のような温度である。この第二変曲点温度は、より具体的には、ポリウレタン樹脂(A)がTgでいわゆるガラス状態からゴム状態に転移した後、Tgを超える温度領域において、ゴム状態から液体状態に転移する際に現れるE’の変曲点を示す温度といえる。ここでいうTgは、上記動的粘弾性測定により測定される、E’及び損失弾性率(E”)の比(E”/E’)である損失正接(tanδ)の温度依存性におけるピーク(最大値)を示す温度として求めることができる。
ポリウレタン樹脂(A)のE’における上記の第二変曲点温度は、図1に示すように、E’の変化曲線に対する2つの直線部を延長したときの交点の温度として求められる値をとることができる。具体的には、Tgより高い温度領域(ゴム状態領域)において、E’が急激に低下する前の直線的部分を高温側に延長して1本目の直線L1を引く。また、E’の当該急激に低下している直線的部分を低温側に延長して2本目の直線L2を引く。そして、これら直線L1、L2の交点における垂直線を横軸の温度軸に引き、その温度を第二変曲点温度として求めることができる。
ポリウレタン樹脂(A)における、Tgよりも高い温度領域に現れるE’の変曲点(第二変曲点)を示す温度(第二変曲点温度)は、120℃以上であることが好ましく、122℃以上であることがより好ましく、125℃以上であることがさらに好ましい。この温度の上限は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂(A)の製造上の観点から、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。また、ポリウレタン樹脂(A)の上記のTgは、-50~20℃であることが好ましく、-40~10℃であることがより好ましく、-30~0℃であることがさらに好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)は、例えば、ジイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であるウレタンプレポリマーに、必要に応じて鎖伸長剤及び反応停止剤を反応させて得られたものを用いることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4-ジイソシアネート、2,2-ジフェニルプロパン-4,4-ジイソシアネート、3,3-ジメチルジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、4,4-ジフェニルプロパンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、及び3,3-ジメトキシジフェニル-4,4-ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;並びにイソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、及び水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。ポリウレタン樹脂(A)には、ジイソシアネート化合物の1種が単独で用いられていてもよく、2種以上の組み合わせが用いられていてもよい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエーテルポリオール等を挙げることができる。ポリウレタン樹脂(A)には、ポリオール化合物の1種が単独で用いられていてもよく、2種以上の組み合わせが用いられていてもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸類と、多価アルコール類又は第2~3級アミン類との脱水重縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられる。多価カルボン酸類の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸、及びトリメリット酸等のポリカルボン酸、並びにそれらの酸エステル、及びそれらの酸無水物等が挙げられ、これらのうちの1種以上を用いることができる。多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びペンタエリスリトール等の低分子アルコール化合物、並びにモノエタノールアミン及びジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール化合物等が挙げられ、これらのうちの1種以上を用いることができる。第2~3級アミン類の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、及びイソホロンジアミン等の低分子アミン化合物等が挙げられ、これらのうちの1種以上を用いることができる。また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子アルコール化合物及び低分子アミノアルコール化合物等を開始剤として、ε-カプロラクトン及びγ-バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーを開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオールを用いることもできる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール化合物とホスゲンとの脱塩酸反応で得られるもの、前記低分子アルコール化合物と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール化合物、低分子アミン化合物及び低分子アミノアルコール化合物、並びにフェノール類等を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、並びにテトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール等が挙げられる。さらに、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤とするポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
鎖伸長剤には、分子内にイソシアネート基との反応可能な官能基(アミノ基及び水酸基等)を2つ以上有する化合物を用いることができる。鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、及び2-エチルアミノエチルアミン等のジアミン化合物;ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミン等のポリアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコール等の低分子ジオール化合物;アミノエチルエタノールアミン、並びにアミノプロピルエタノールアミン等を挙げることができる。ポリウレタン樹脂(A)には、鎖伸長剤の1種が単独で用いられていてもよく、2種以上の組み合わせが用いられていてもよい。
反応停止剤としては、n-プロピルアミン及びn-ブチルアミン等のモノアルキルアミン;ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン;モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等のアルカノールアミン;並びにメタノール及びエタノール等のモノアルコール等を挙げることができる。ポリウレタン樹脂(A)には、反応停止剤の1種が単独で用いられていてもよく、2種以上の組み合わせが用いられていてもよい。
ジイソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーの製造において、ジイソシアネート化合物のNCOとポリオール化合物のOHのモル当量比(ジイソシアネート化合物のNCOのモル当量/ポリオール化合物のOHのモル当量)は、1.3~3で反応させることが好ましく、1.5~2で反応させることがより好ましい。
上記ウレタンプレポリマーからのポリウレタン樹脂(A)の製造において、ウレタンプレポリマーの残存するイソシアネート基に対して、鎖伸長剤を0.5~0.95当量程度の範囲で反応させることが好ましい。また、鎖伸長後のポリウレタン樹脂1モルに対して、反応停止剤を2モル程度の比率で反応させることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート系架橋剤との反応性を高める観点から、分子内に1級又は2級のアミノ基を有するものが好ましく、1級のアミノ基を有するものがより好ましい。ポリウレタン樹脂(A)のアミン価(全アミン価)は、0.1~5mgKOH/gであることが好ましく、0.1~3mgKOH/gであることがより好ましく、0.1~2mgKOH/gであることがさらに好ましい。
本明細書において、ポリウレタン樹脂(A)のアミン価(全アミン価)とは、ポリウレタン樹脂(A)の試料1g中に含まれる1級、2級、及び3級アミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいい、ASTM D2074の規定に準じて測定される値をとる。具体的には、以下の手順にてアミン価を測定することができる。
(1)試料を精秤する(試料量:X(g))。
(2)中性エタノール(ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性)30mLを加え、溶解する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:Y)で滴定し、緑色から黄色に変わった点を終点とする(滴定量:Z(mL))。
(4)次式から全アミン価を算出する。
全アミン価=Z×Y×0.2×56.108/X
ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、10,000~200,000であることが好ましく、20,000~100,000であることがより好ましく、30,000~80,000であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、4,000~60,000であることが好ましく、8,000~50,000であることがより好ましく、10,000~40,000であることがさらに好ましい。本明細書におけるMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求められる値をとる。具体的には、Mw及びMnは、以下の測定条件にて測定される値をとることができる。
装置:商品名「HLC-8220GPC」(東ソー株式会社製)
カラム:商品名「Guardcolumn α」;1本及び「TSKgel α-M」;1本(いずれも東ソー株式会社製)
試料溶液:0.125質量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μL
流量:1mL/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
(樹脂(B))
マットコート剤は、バインダー樹脂として、上述のポリウレタン樹脂(A)以外の樹脂(B)を含有する。樹脂(B)としては、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。これらの樹脂(B)も、イソシアネート基と反応可能な官能基を有することが好ましい。樹脂(B)がイソシアネート基と反応可能な官能基を有する場合、ポリウレタン樹脂(A)に加えて、樹脂(B)もイソシアネート系架橋剤と架橋反応しうることから、マットコート層の耐熱性向上が期待できる。樹脂(B)が有していてもよい上記官能基としては、上述した活性水素基を挙げることができ、それらのなかでも、水酸基やアミノ基が好ましく、水酸基がより好ましい。
塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体としては、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-ヒドロキシ(メタ)アクリレート共重合体、及び塩化ビニル-酢酸ビニル-ジカルボン酸共重合体等を挙げることができる。塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体としては、そのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体のなかでも、塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体が好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体は、塩化ビニル(別名;クロロエチレン)と酢酸ビニル(別名;ビニルアセテート)を重合した後、得られた重合体の酢酸エステル部位の一部を、塩基性化合物等でケン化することにより得ることができる。
塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体中の塩化ビニルに由来する構造単位の含有割合は、50~98質量%であることが好ましく、70~98質量%であることがより好ましく、80~95質量%であることがさらに好ましい。また、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体中の酢酸ビニルに由来する構造単位の含有割合は、1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることがさらに好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体中のビニルアルコールに由来する構造単位の含有割合は、0~20質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましく、2~15質量%であることがさらに好ましい。
塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体の水酸基価は、基材フィルム等の対象物に良好に密着するマットコート層を形成しやすい観点から、20~200mgKOH/gであることが好ましく、50~200mgKOH/gであることがより好ましく、60~180mgKOH/gであることがさらに好ましい。本明細書における水酸基価は、JIS K0070に規定される中和滴定法に準じて測定される値をとることができる。
塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、目的とするマットコート層が得られやすい観点から、20,000~100,000であることが好ましく、30,000~80,000であることがより好ましい。
セルロース系樹脂としては、セルロース、及びセルロースが有する水酸基の一部が他の基に置換されたセルロース誘導体等を用いることができ、好ましくはセルロース誘導体を用いることができる。好適なセルロース系樹脂としては、例えば、ニトロセルロース(ニトロ基置換体);セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、及びセルロースアセテートブチレート等の低級アシル基置換体;メチルセルロース及びエチルセルロース等の低級アルキル基置換体;ベンジルセルロース等のアラルキル基置換体;並びにヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシメチルプロピルセルロース等のヒドロキシアルキル基を有するセルロース誘導体等を挙げることができる。セルロース系樹脂としては、マットコート層の耐熱性を高める観点から、ニトロセルロースが好ましく、マットコート層が設けられる基材フィルム等の対象物に対する密着性を高める観点から、低級アシル基置換体及び低級アルキル基置換体が好ましい。また、セルロース系樹脂における水酸基の置換度は30~85%程度が好ましい。セルロース系樹脂の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セルロース系樹脂の数平均分子量(Mn)は、10,000~100,000であることが好ましい。マットコート剤に含有される有機溶剤への溶解性を高め、塗工しやすいマットコート剤が得られやすい観点から、セルロース系樹脂のMwは、10,000~500,000であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、重合性単量体として(メタ)アクリル酸エステルを主成分として含む単量体成分が重合した(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、主の構造単位として(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を含むものである。(メタ)アクリル系樹脂には、(メタ)アクリル酸エステルの1種が単独で使用されていてもよいし、2種以上が使用されていてもよい。したがって、(メタ)アクリル系樹脂は、単独重合体でもよいが、共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂には、(メタ)アクリル酸エステル以外に、それと共重合可能な他の重合性単量体の1種又は2種以上が使用されていてもよい。樹脂(B)には、(メタ)アクリル系樹脂の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本明細書において、「(メタ)アクリル」との文言には、「アクリル」及び「メタクリル」の両方の文言が含まれることを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸アリールエステル、並びにそれら以外の他の(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等を挙げることができる。また、例えば、(メタ)アクリル酸アラルキルエステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル等を挙げることができ、(メタ)アクリル酸アリールエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸フェニル及び(メタ)アクリル酸ナフチル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル以外の他の重合性単量体の具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、及びそれらの誘導体等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、上述の通り、イソシアネート基と反応可能な官能基(例えば、水酸基又はアミノ基等)を有していてもよい。その場合の(メタ)アクリル系樹脂は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する重合性単量体を含む単量体成分が重合したものでもよく、(メタ)アクリル系ポリマーを得た後、当該ポリマーの側鎖にイソシアネート基と反応可能な官能基が導入されたものでもよい。
イソシアネート基と反応可能な官能基として水酸基を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、水酸基を有する重合性単量体を含む単量体成分が重合したものを用いることができる。水酸基を有する重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロポキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルコキシアルキルエステル;N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド及びN-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキアルキル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。
また、イソシアネート基と反応可能な官能基としてアミノ基を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸を含む単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系ポリマーを合成した後、当該(メタ)アクリル系ポリマーの側鎖のカルボキシ基に、ポリエチレンイミンを反応させて得られたものを挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価又はアミン価は、基材フィルム等の対象物に良好に密着するマットコート層を形成しやすい観点から、20~200mgKOH/gであることが好ましく、50~200mgKOH/gであることがより好ましく、60~180mgKOH/gであることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000~100,000であることが好ましく、10,000~50,000であることがより好ましい。
(イソシアネート系架橋剤)
マットコート剤は、イソシアネート系架橋剤とともに用いられる。マットコート剤は、イソシアネート系架橋剤を含有することもでき、この場合についても、本明細書においては、「イソシアネート系架橋剤とともに用いられる」ことに含まれるものとする。マットコート剤は、対象物に設けられる直前に、イソシアネート系架橋剤と混合されて用いられることが好ましい。
イソシアネート系架橋剤は、1分子中にイソシアネート基を2以上有する化合物である。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-MDI、2,4’-MDI、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-TDI、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、及び1,4-フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水添MDI)、及び1-メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート(水添TDI)等の脂環族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;並びに各種ジイソシアネートのアダクト体、各種ジイソシアネートのイソシアヌレート体、HDIのビウレット体、及びHDIのアロファネート体等のイソシアネートプレポリマー;等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(マット化剤)
マットコート剤は、マット化剤を含有する。マット化剤は、マットコート剤によるマットコート層に艶消し感(マット調)を付与するものである。艶消し感を与えるマット化剤には、マットコート層の表面に微細な凹凸を形成して光を乱反射させる材料や、マットコート層を半透明にして反射する光を弱める材料等を用いることができる。マット化剤としては、例えば、有機材料又は無機材料の固体粒子、及びワックス等を挙げることができ、それらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
マット化剤として用い得る好適な有機材料の固体粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びベンゾグアナミン系樹脂等の固体粒子を挙げることができる。また、マット化剤として用い得る好適な無機材料の固体粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、及びアルミナ等の固体粒子を挙げることができる。有機材料又は無機材料の固体粒子の平均粒子径は、例えば、0.1~10μm程度であることが好ましい。有機材料又は無機材料の固体粒子は、前述のバインダー樹脂との接着性が良好であり、当該固体粒子を用いることにより、より少量でマットコート層において所望の艶消し感を得やすくなる。この観点から、マット化剤として用いる固体粒子は、無機材料の固体粒子が好ましく、シリカがより好ましい。
マット化剤として用い得るワックスとしては、天然ワックス及び合成ワックスのいずれも用いることができる。好適な天然ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス等を挙げることができる。好適な合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレン(PE)ワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス等を挙げることができる。これらのなかでも、後述するブロッキング防止剤としての機能も有する観点から、PEワックス、PPワックス、及びPTFEワックスがより好ましい。また、マットコート層の表面硬度が高まることで、マットコート層に熱が付与された際にも表面の微細な凹凸を保ちやすくなり、耐熱性をより高めやすくなることから、PTFEワックスがさらに好ましい。
マットコート層の耐熱性及び耐擦過性をより高める観点から、マット化剤は、無機材料の固体粒子及びワックスの少なくとも一方を含むことが好ましく、シリカ及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。さらには、マット化剤として、無機材料の固体粒子及びワックスの両方を用いることが好ましく、シリカ及びワックスの両方を用いることがより好ましい。
(ブロッキング防止剤)
マットコート剤は、ブロッキング防止剤を含有してもよい。ブロッキング防止剤は、マットコート層に耐ブロッキング性を付与する材料である。ブロッキング防止剤としては、例えば、上述の無機材料の固体粒子及びワックス、並びに脂肪酸アミド等を挙げることができる。脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、及びステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;オレイン酸アミド、及びエルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;並びに各種変性脂肪酸アミド等を挙げることができる。マットコート剤には、脂肪酸アミドの1種又は2種以上を含有させることができる。
(有機溶剤)
マットコート剤は有機溶剤を含有する。そのため、マットコート剤を液状組成物に調製しやすくなり、マットコート層を設ける対象物にマットコート剤を塗工しやすくなる。有機溶剤は、マットコート剤における上述の各成分を溶解又は分散させるものを使用することができる。有機溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤等を挙げることができ、それらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等を挙げることができる。炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;n-ヘキサン、n-ヘプタン、及びn-オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;並びにシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びシクロオクタン等の脂環族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、及び酢酸イソブチル等を挙げることができる。エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、及びメチルエチルエーテル等を挙げることができる。グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及びn-ブタノール等の1価アルコール;並びにエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリン等の多価アルコール等を挙げることができる。
(その他の添加剤)
マットコート剤には、必要に応じて、さらにその他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、顔料、染料、分散剤、レベリング剤、可塑剤、沈降防止剤、消泡剤、及びシランカップリング剤等を挙げることができる。
(マットコート剤の調製方法)
マットコート剤を調製する方法については、特に制限されず、上述したポリウレタン樹脂(A)、その他の樹脂(B)、マット化剤、及び有機溶剤、並びに必要に応じて用いられる任意成分を混合することにより、マットコート剤を調製することができる。各成分を混合する際には、例えば高速撹拌装置を用いることができる。イソシアネート系架橋剤については、マットコート剤を印刷手法等により塗工する直前に、マートコート剤に配合することが好ましい。
(マットコート剤中の各成分の含有量)
ここで、マットコート剤中の各成分の含有量について、好ましい範囲を説明する。この説明において、マットコート層にも含有されることとなる、マットコート剤中の固形成分(上述したバインダー樹脂及びマット化剤等)の各含有量は、マットコート剤の全固形分質量に対する当該成分の固形分換算の含有割合(質量%)である。また、この説明においては、マットコート剤は、それとともに使用されるイソシアネート系架橋剤も含有されている状態のものをいうこととし、上記「マットコート剤の全固形分質量」には、使用されるイソシアネート系架橋剤の固形分質量も含まれることとする。
マットコート剤中のバインダー樹脂の含有量は、マットコート剤の全固形分質量を基準として、30~90質量%であることが好ましい。マットコート剤の塗工適性やマットコート層の強度の観点から、バインダー樹脂の上記含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。また、マットコート層において良好なマット調が得られる程度にマット化剤の含有量を確保する観点から、バインダー樹脂の上記含有量は、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
マットコート剤中のイソシアネート系架橋剤の使用量(含有量)は、マットコート剤の全固形分質量を基準として、1~20質量%であることが好ましい。マットコート層の耐熱性をより高める観点から、イソシアネート系架橋剤の上記使用量(含有量)は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、適度な柔軟性及び靭性を有するマットコート層が得られやすい観点から、イソシアネート系架橋剤の上記使用量(含有量)は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
マットコート剤中のマット化剤の含有量は、マットコート剤の全固形分質量を基準として、10~60質量%であることが好ましい。マットコート層に十分なマット感を付与し、マットコート層の性能をバランスよく発現させる観点から、マット化剤の上記含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、また、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
マットコート剤中の有機溶剤の含有量は、マットコート剤の全質量を基準として、30~90質量%であることが好ましい。印刷等の手法により塗工しやすいマットコート剤を調製する観点から、有機溶剤の上記含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
<マットコート層>
本発明の一実施形態のマットコート層は、前述のマットコート剤で形成されたものである。マットコート剤からなるマットコート層は、マットコート層を設ける対象物に、前述のイソシアネート系架橋剤を含有させたマットコート剤を塗工した後、乾燥し、そのマットコート剤中の有機溶剤を揮発させることにより、得ることができる。
マットコート剤を塗工する対象物は、特に制限されず、対象物の材質としては、例えば、プラスチック、ゴム、セラミックス、金属、木材、布、及び紙等が挙げられる。対象物の好適な材質としては、アート紙、コート紙、上質紙、グラビア用紙、和紙、板紙、及び合成紙等の紙;織布及び不織布等の布;プラスチックフィルム;並びにこれらのうちの1種又は2種以上の積層体;等を挙げることができる。
マットコート剤を塗工する対象物としては、プラスチックフィルムがより好適である。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;各種のポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルム;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂フィルム;セロファン等のセルロースフィルム;ポリスチレン(PS)フィルム;エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂フィルム;エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂フィルム;ナイロン(Ny)フィルム等のポリアミドフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリイミドフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;等を挙げることができる。例えば、二軸延伸PPフィルム及び無延伸PPフィルム等のように、延伸及び無延伸のいずれのプラスチックフィルムも用いることができる。また、アルミニウム蒸着等の金属蒸着層が設けられたプラスチックフィルムや、アルミナ及びシリカ等の透明蒸着層が設けられたプラスチックフィルムを用いることもできる。さらに、表面に、コロナ放電処理やプラズマ処理等の各種表面処理が施されたプラスチックフィルムや、着色インキによる印刷層が設けられたプラスチックフィルムを用いることもできる。プラスチックフィルムの厚さは、特に制限されず、例えば、1~300μmの範囲内であることが好ましく、5~100μmの範囲内であることがより好ましい。
対象物へのマットコート剤の塗工は、印刷方式により行うことが好ましく、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式により行うことがより好ましく、グラビア印刷方式により行うことがさらに好ましい。対象物へのマットコート剤の塗工は、対象物におけるマットコート剤を塗工する面の全体に行ってもよく、当該面の一部に行ってもよい。また、例えば、フィルム状やシート状の対象物にマットコート剤を塗工する場合、その対象物における片面に塗工してもよいし、両面に塗工してもよい。
対象物に印刷等により塗工した後、マットコート剤を乾燥する際に、前述のバインダー樹脂とイソシアネート系架橋剤との架橋反応を生じさせることができる。塗工されたマットコート剤を乾燥する際の温度は、20~100℃であることが好ましく、30~90℃であることが好ましく、40~80℃であることがさらに好ましい。乾燥後に得られるマットコート層の厚さは、特に制限されないが、例えば、0.1~20μmの範囲内であることが好ましく、0.5~10μmの範囲内であることがより好ましい。
<積層フィルム>
本発明の一実施形態の積層フィルムは、基材フィルムと、その基材フィルムの少なくとも片面に設けられた上記マットコート層とを備える。マットコート層は、積層フィルムの外観にマット感を与えるために、積層フィルムにおける最外面(表面)に設けられることが好ましい。積層フィルムにおける基材フィルムには、前述のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。また、この積層フィルムでは、基材フィルムにおけるマットコート層が設けられた面の反対面に、印刷層が設けられていることが好ましく、その印刷層を介して、さらに接着剤層及びシーラント層が上記反対面からこの順に設けられていることがより好ましい。このような構成とすることで、積層フィルムを包装材に好適に用いことができ、ヒートシールが施される部分(ヒートシール部)を有する包装材としてより好適に用いることができる。
印刷層は、印刷インキ組成物から形成されるものであり、印刷インキ組成物を前述の印刷方式により印刷(塗工)することにより形成することができる。印刷インキ組成物は、少なくとも、顔料、インキ用バインダー樹脂、及びインキ用有機溶剤を含有し、必要に応じて、その他の添加剤(例えば界面活性剤、及び顔料分散剤等)を含有する。
顔料しては、印刷インキや塗料で使用されている各種の顔料を用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、鉛丹、酸化鉄赤、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、黄鉛、群青、紺青、コバルトブルー、カーボンブラック、及び黒鉛等の無機顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及びタルク等の体質顔料(無機顔料);モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ピロロピロール系顔料、アゾメチンアゾ系、及びペリレン系顔料等の有機顔料;等を挙げることができる。印刷インキ組成物は、顔料の1種又は2種以上を含有することができる。
インキ用バインダー樹脂としては、印刷インキや塗料で使用されている各種のバインダー樹脂を用いることができ、市販の樹脂ワニス(樹脂溶液)を用いることができる。また、前述のマットコート剤の説明で挙げたバインダー樹脂(ポリウレタン樹脂(A)及びその他の樹脂(B))を用いることもできる。また、インキ用有機溶剤としては、前述のマットコート剤の説明で挙げた有機溶剤を用いることができる。
接着剤層及びシーラント層には、例えば、包装材を構成する積層フィルムに用いられている接着剤(アンカーコート剤)や樹脂フィルムを用いることができ、それぞれ市販製品を用いることができる。接着剤としては、例えば、主剤としてのポリオール及び硬化剤としてのポリイソシアネートを含有する二液硬化型ラミネート用接着剤を好適に用いることができる。シーラント層としては、積層フィルムから包装材を製造するに当たり、ヒートシールとして用いられる熱可塑性樹脂フィルムを好適に用いることができ、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム等をより好適に用いることができる。シーラント層の積層方法としては、基材フィルムに設けられた印刷層上に、接着剤層を介して樹脂フィルム(シーラント層)を積層するドライラミネート法や、接着剤層を介して樹脂フィルム(シーラント層)を形成する溶融樹脂を積層する押し出しラミネート法等を採用することができる。シーラント層の厚さは、特に制限されず、例えば、1~300μmの範囲内であることが好ましく、5~200μmの範囲内であることがより好ましく、10~100μmの範囲内であることがさらに好ましい。
<包装材>
本発明の一実施形態の包装材は、上述の積層フィルムを備える。上述の積層フィルムを用いることによって、包装材を得ることができる。好適な包装材としては、ヒートシール部を有し、そのヒートシール部を含む部分に前述のマットコート層が設けられている包装材を挙げることができる。より好適な包装材としては、積層フィルムの面どうしが重ねられて封をされたヒートシール部を備えており、積層フィルムにおけるヒートシール部を含む部分に前述のマットコート層が設けられている包装材を挙げることができる。
例えば、積層フィルムから袋状の密封包装材(例えば、レトルトパウチ等の食品用包装袋や、洗剤等の詰め替え用パウチ等)を製造する場合、積層フィルムを所定の形状に裁断した後、積層フィルム(好ましくはシーラント層)の面どうしを重ね合わせ、内容物の充填口となる部分を除いた外周側の部分をヒートシールして製袋することにより、包装材を得ることができる。この包装材に、例えば食品、飲料品、調味料、及び洗剤等の内容物を充填した後、充填口をヒートシールにより塞ぐことで、各種用途の袋状の包装容器として使用することができる。また、例えば、積層フィルムをフィルム状の形態のまま、包装材(包装資材)として利用することもできる。さらに、例えば、開口を有する容器部材(例えばカップ飲料品におけるカップ状容器本体等)の開口縁にヒートシールされることで開口を塞ぐ蓋(例えばストローを穿刺可能なフィルム状蓋等)を構成する包装材として、積層フィルムをフィルム状の形態のまま利用することもできる。
包装材としては、例えば、食品、飲料品、衣料品、医薬品、医薬部外品、化粧品、パーソナルケア用品、洗剤、宝飾品、衣類品、ペット用品、及び家庭用化学製品等の包装材を挙げることができる。包装材が用いられる用途として、さらには、電子部品、電気部品、電気製品、自動車部品、各種のシート及びカード、並びに製品に設けられるラベル及びタグ等を挙げることもできる。包装材の形態としては、例えば、袋、箱、及びボトル等の容器のほか、フィルム、シート、テープ、ライナー、ラベル、及びステッカー等を挙げることができる。これらのなかでも、食品用包装材や飲料品用包装材が好ましい。
以上詳述した通り、本発明の一実施形態のマットコート剤は、上述の特定のポリウレタン樹脂(A)及び樹脂(B)を含むバインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有し、ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する樹脂(B)の質量の比が0.2以上0.4未満である。そのため、このマットコート剤は、イソシアネート系架橋剤とともに用いられることで、残留溶剤量がより少なく、かつ、耐熱性がより良好なマットコート層を形成しやすい。
なお、上述した通り、本発明の一実施形態では、以下の構成をとり得る。
[1]イソシアネート系架橋剤とともに用いられるマットコート剤であって、バインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有し、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含むとともに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)を含み、前記ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するとともに、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上であり、前記マットコート剤中の前記ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する、前記マットコート剤中の前記樹脂(B)の質量の比は、0.2以上0.4未満であるマットコート剤。
[2]前記ポリウレタン樹脂(A)の周波数11Hzにおける貯蔵弾性率の温度依存性において、ポリウレタン樹脂(A)のガラス転移点よりも高い温度領域に現れる、貯蔵弾性率の変曲点を示す温度は、120℃以上である上記[1]に記載のマットコート剤。
[3]前記バインダー樹脂の含有量は、前記マットコート剤の全固形分質量を基準として、30~90質量%である上記[1]又は[2]に記載のマットコート剤。
[4]前記マット化剤は、シリカ及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む上記[1]~[3]のいずれかに記載のマットコート剤。
[5]前記マット化剤の含有量は、前記マットコート剤の全固形分質量を基準として、10~60質量%である上記[1]~[4]のいずれかに記載のマットコート剤。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載のマットコート剤で形成されたマットコート層。
[7]基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に設けられた、上記[6]に記載のマットコート層と、を備える積層フィルム。
[8]上記[7]に記載の積層フィルムを備える包装材。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の一実施形態のマットコート剤をさらに具体的に説明するが、そのマットコート剤は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の文中において、「部」及び「%」との記載は、特に断らない限り、質量基準(それぞれ「質量部」及び「質量%」)である。
<ポリウレタン樹脂の準備>
マットコート剤におけるバインダー樹脂の成分として、後述するポリウレタン樹脂溶液(A1)~(A3)を準備した。各ポリウレタン樹脂溶液について、以下に述べる通り、ポリウレタン樹脂試料を作製し、当該試料について動的粘弾性の測定を行い、その測定結果から、ポリウレタン樹脂の温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率(E’)等を記録した。
(動的粘弾性の測定)
ポリウレタン樹脂溶液を、乾燥膜厚が400μmになるように剥離フィルムに塗工し、室温(約23℃)にて24時間放置した後、循風乾燥機にて70℃で1時間乾燥させ、さらに減圧乾燥機にて105℃で1時間乾燥させ、ポリウレタン樹脂フィルムを作製した。このポリウレタン樹脂フィルムを剥離フィルムから剥がし、動的粘弾性測定に適したサイズの矩形状にカットし、ポリウレタン樹脂試料とした。このポリウレタン樹脂試料について、動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製、商品名「Rheogel-E4000」)を用い、引張モード、周波数11Hz、温度-80~180℃、昇温速度5℃/分の条件にて動的粘弾性の測定を行った。この測定により得られた、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、及び損失正接(tanδ)の温度依存性(横軸が温度)を表すグラフを作成した。そして、tanδの温度依存性におけるピークを示す温度を、Tg(℃)として記録した。また、E’の温度依存性において、Tgでガラス状態から転移した後、Tgを超える温度領域におけるゴム状態から転移する際に現れたE’の変曲点を示す温度を、第二変曲点温度(℃)として記録した。さらに、100℃でのE’(MPa)を記録した。
(ポリウレタン樹脂溶液(A1))
水酸基及びアミノ基を有するポリウレタン樹脂の溶液(ポリウレタン樹脂溶液(A1))として、三洋化成工業株式会社製の商品名「サンプレンIB-501」(ポリウレタン樹脂のMw=50,480、Mn=20110;組成=固形分(ポリウレタン樹脂)30%、酢酸エチル47%、及びイソプロピルアルコール(IPA)23%、全アミン価=0.5mgKOH/g)を用いた。上述の通り、ポリウレタン樹脂溶液(A1)からポリウレタン樹脂試料を作製し、その試料について、周波数11Hzにおける動的粘弾性を測定した。その結果、温度30℃でのE’は34.4MPa、温度100℃でのE’は3.9MPa、Tgは-24℃、第二変曲点温度は130℃であった。
(ポリウレタン樹脂溶液(A2))
水酸基を有するポリウレタン樹脂の溶液(ポリウレタン樹脂溶液(A2))として、三洋化成工業株式会社製の商品名「サンプレンIB-911」(ポリウレタン樹脂のMw=68,780、Mn=22,430;組成=固形分(ポリウレタン樹脂)30%、酢酸エチル47%、及びIPA23%、全アミン価=0.5mgKOH/g)を用いた。上述の通り、ポリウレタン樹脂溶液(A2)からポリウレタン樹脂試料を作製し、その試料について、周波数11Hzにおける動的粘弾性を測定した。その結果、温度30℃でのE’は9.2MPa、温度100℃でのE’は2.2MPa、Tgは-27℃、第二変曲点温度は125℃であった。
(ポリウレタン樹脂溶液(A3))
水酸基を有するポリウレタン樹脂の溶液(ポリウレタン樹脂溶液(A3))として、三洋化成工業株式会社製の商品名「サンプレンIB-114B」(ポリウレタン樹脂のMw=66,300、Mn=23,000;組成=固形分(ポリウレタン樹脂)30%、トルエン47%、及びIPA23%)を用いた。上述の通り、ポリウレタン樹脂溶液(A3)からポリウレタン樹脂試料を作製し、その試料について、周波数11Hzにおける動的粘弾性を測定した。その結果、温度30℃でのE’は12.7MPa、100℃でのE’は0.9MPa、Tgは-44℃、第二変曲点温度は100℃であった。
<マットコート剤の製造>
(実施例1)
高速撹拌装置による撹拌下、ポリウレタン樹脂溶液(A1)38.3部(固形分11.5部)、樹脂(B1)として粉体状の塩化ビニル(VC)-酢酸ビニル(VAc)-ビニルアルコール(VA)共重合体(日信化学工業株式会社製、商品名「ソルバインA」、Mw=73000、組成=VC92%、VAc3%、及びVA5%)3.5部、シリカ粒子(東ソー・シリカ株式会社製、商品名「Nipsil E-200」)9.0部、PEワックス(三井化学株式会社製、商品名「ハイワックス200」)2.0部、有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK):酢酸エチル:IPA=40:40:20(質量比)の混合溶剤(以下、「混合溶剤」と記載することがある。)48.2部を混合し、架橋剤を配合する前のマットコート剤を調製した。これに、架橋剤として、イソシアネート系架橋剤溶液5部を加え、実施例1のマットコート剤を得た。イソシアネート系架橋剤溶液には、イソシアネート系架橋剤(三菱ケミカル株式会社製、商品名「マイテック NY260A」、固形分:75%)を酢酸エチルで固形分が30%になるまで希釈したイソシアネート系架橋剤溶液(固形分:30%)を用いた。
(実施例2~7及び比較例1~3)
マットコート剤の成分を表1(表1-1及び表1-2)の上段(単位:部)に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~7及び比較例1~3のマットコート剤を製造した。表1中、「樹脂(B2)」は、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社製の商品名「482-05」、アセチル基:2.5%、プロピオニル基:45.0%、水酸基:2.6%、Mn25,000)である。また、「樹脂(B3)」は、(メタ)アクリル系樹脂(三菱ケミカル株式会社製の商品名「ダイヤナール LR-257」、Mw28,000、ガラス転移温度32℃、水酸基価108mgKOH/g)である。さらに、「PTFEワックス」は、BYK社製の商品名「CERAFLOUR 980」である。また、表1の中段には、使用したポリウレタン樹脂の動的粘弾性測定における100℃でのE’及び第二変曲点温度、マットコート剤中の全固形分(固形分の合計量)及び溶剤の合計量、並びにマットコート剤の全固形分質量に対するポリウレタン樹脂の含有量(M)、樹脂(B)(樹脂(B1)~(B3))の含有量(M)及びそれらの比(M/M)を示した。
<積層フィルムの製造>
実施例1~7及び比較例1~3で得られた各マットコート剤を用いて、それぞれ、実施例1~7及び比較例1~3の積層フィルムを作製した。各例につき、後述する耐熱性及び耐熱水性評価試験用の積層フィルム(以下、「積層フィルムF1」と記載する。)、残留溶剤量評価試験用の積層フィルム(以下、「積層フィルムF2」と記載する。)、並びに耐ブロッキング性評価試験用の積層フィルム(以下、「積層フィルムF3」と記載する。)を作製した。
(積層フィルムF1の製造)
マットコート剤を、25℃における粘度がザーンカップNo.3(株式会社離合社製)による流出秒数で18~21秒の範囲になるように、酢酸エチル:MEK:IPA=40:40:20(質量比)の希釈用溶剤で希釈し、マットコーティング液を得た。次いで、ヘリオ175線のグラビア印刷用ベタ版を備えたグラビア校正機を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E-5102」、厚さ:25μm)におけるコロナ放電処理された表面に、マットコーティング液を乾燥膜厚が約1μmになるようにグラビア印刷し、塗工層を形成した。この塗工層が設けられたPETフィルムを、40℃の恒温槽に48時間入れておき、バインダー樹脂とイソシアネート系架橋剤とを反応させて塗工層を硬化させ、マットコート層を得た。このようにして、PETフィルムの片面にマットコート層が設けられた積層フィルムF1を得た。
(積層フィルムF2の製造)
上記の積層フィルムF1の製造における40℃で48時間の乾燥条件を、室温(約25℃)で1分の乾燥条件に変更したこと以外は、積層フィルムF1の製造方法と同様にして、積層フィルムF2を製造した。積層フィルムF2は、上記マットコーティング液を印刷してから1分後に直ぐに、後述する残留溶剤量の評価試験に用いるフラスコに入れた。
(積層フィルムF3の製造)
上記の積層フィルムF1の製造と同様にして、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学株式会社製、商品名「FOR-BT」、厚さ:25μm、両面コロナ放電処理品)の片面に上記マットコーティング液をグラビア印刷した後、マットコーティング液を印刷した面とは反対側のOPPフィルムの片面に、グラビア印刷用黒色ウレタンインキ(大日精化工業株式会社製、商品名「ラミックSR」)を、上記と同様のグラビア印刷方式にて、乾燥膜厚が約1μmになるように印刷した。マットコーティング液の層と、黒色ウレタンインキの層とが接触するように数枚を重ね合わせ、6kgf/cmの圧力をかけた状態で、40℃の恒温槽で48時間乾燥させた。このようにして、OPPフィルムの一方の面にマットコート層が設けられ、OPPフィルムにおけるマットコート層が設けられた面の反対面(OPPフィルムのもう一方の面)に黒色印刷層が設けられた積層フィルムF3を作製した。
<評価>
上記の実施例及び比較例で得られた積層フィルムを用いて、以下に述べるように、耐熱性、耐熱水性、残留溶剤量、及び耐ブロッキング性を評価した。各評価結果を表1の下段に示す。なお、以下に述べる各評価項目の評価基準において、「A」及び「B」を許容できる(実用可能な)レベルと判断し、「C」、「D」及び「E」を許容できないレベルと判断した。
(耐熱性)
積層フィルムF1を幅2cm×長さ10cmの大きさに2枚切りとり、それらを、マットコート層どうしが対向して重なるように重ね合わせ、ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、2×9.8N/cmの圧力で240℃で2秒間押圧した。マットコート層どうしを重ね合わせた2枚の積層フィルムを剥がしたときのマットコート層の剥がれ具合を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって、積層フィルムF1におけるマットコート層の耐熱性を評価した。
A;マットコート層が全く剥離しない。
B;マットコート層の面積に対する剥離面積の割合が1%以上5%未満である。
C;マットコート層の面積に対する剥離面積の割合が5%以上20%未満である。
D;マットコート層の面積に対する剥離面積の割合が20%以上50%未満である。
E;マットコート層の面積に対する剥離面積の割合が50%以上である。
なお、上記耐熱性の評価試験の方法は、次のような実際の製造(量産)場面を考慮して行った試験方法である。マットコート層は、マット感を与えるため、積層フィルムにおける最外面(表面)に設けられることが好ましいが、その場合でも、例えば、積層フィルムをヒートシール等により製袋する際に、マットコート層どうしが重なり合った状態で、圧力や熱が加わる可能性もある。その一例として、積層フィルムから、洗剤等の詰め替え用パウチを製造する場合を例に挙げると、当該パウチの最外面にマットコート層が配置されるように積層フィルムを製袋する場合でも、当該パウチの底部側を構成する部分が内側に折り込まれていることがあり、その状態では、内側に折り込まれた当該部分において、最外面のマットコート層どうしが重なり合っていることとなる。その状態でヒートシールされるため、マットコート層どうしが重なり合った部分の上からもヒートシーラーによる圧力及び熱がかかる可能性がある。このような実情を考慮して、上記耐熱性の評価試験を行った。
(耐熱水性)
幅5cm×長さ10cmの大きさにカットした2枚の積層フィルムF1を、マットコート層どうしが対向して重ねた状態で、それらの積層フィルムを、積層フィルムの全面を覆うサイズの2枚の金属板で挟んで留め具で固定し、120℃の加圧熱水中で30分間加熱した。その後、留め具及び金属板を取り外し、積層フィルムにおけるマットコート層の状態を目視で観察し、上記耐熱性の評価で示した評価基準にしたがって、積層フィルムF1におけるマットコート層の耐熱水性を評価した。
なお、上記耐熱水性の評価試験の方法は、次のような実際の製造(量産)場面を考慮して行った試験方法である。例えば、上述の通り、マットコート層が最外面(表面)に設けられた積層フィルムから、ボイル・レトルト殺菌処理を施すレトルト食品用包装袋(レトルトパウチ)を製造する場合、レトルトパウチの内部に内容物(食品)を充填してから、充填口にもヒートシールを施してレトルトパウチを製造した後、その食品入りのレトルトパウチの複数個をまとめて熱水に入れ、ボイル・レトルト殺菌処理を行うことがある。このとき、隣り合うレトルトパウチのそれぞれの最外面に設けられたマットコート層どうしが重なり合った状態で、熱水と接触することとなる。このような実情を考慮して、上記耐熱水性の評価試験を行った。
(残留溶剤量)
ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製、商品名「パーソナルガスクロマトグラフ GC-8A(カラム;PEG600、検出器;FID、カラム温度;70℃)を用いて、積層フィルムF2の残留溶剤量を測定した。測定方法は、軟包装衛生協議会編集「軟包装材料の製造に関する管理機器マニュアル」に記載の残留溶媒測定法に準拠した。具体的には、積層フィルムを入れて密閉したフラスコを80℃の恒温槽に30分間静置させた後、密閉したフラスコ内の空気中の溶剤量を上記ガスクロマトグラフで測定した。そして、各溶剤種の溶剤量の合計を残留溶剤量として、以下の評価基準にしたがって、積層フィルムの残留溶剤量を評価した。
A;残留溶剤量が5mg/m未満である。
B;残留溶剤量が5mg/m以上10mg/m未満である。
C;残留溶剤量が10mg/m以上15mg/m未満である。
D;残留溶剤量が15mg/m以上20mg/m未満である。
E;残留溶剤量が20mg/m以上である。
(耐ブロッキング性)
幅5cm×長さ5cmの大きさにカットした2枚の積層フィルムF3を、一方の積層フィルムF3のマットコート層ともう一方の積層フィルムF3の黒色印刷層とが接触した状態で重ね合わせ、圧縮永久歪試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、5kg/cmの圧力で締め込み、40℃で24時間置いた。その後、重ね合わせた状態の2枚の積層フィルムF3を取り出して、重ね合わせ面をマットコート層とした積層フィルムF3と、重ね合わせ面を黒色印刷層とした積層フィルムF3とを端から剥がした。このときの剥離抵抗の程度と黒色印刷層の剥離の程度から、以下の評価基準にしたがって、積層フィルムF3の耐ブロッキング性を評価した。
A;黒色印刷層が全く剥離せず、剥離抵抗が全く感じられない。
B;黒色印刷層の剥離は全くないが、マットコート層と黒色印刷層とのくっつき(ブロッキング)による剥離抵抗が若干感じられる。
C;黒色印刷層の剥離は全くないが、マットコート層と黒色印刷層とのブロッキングによる剥離抵抗が感じられる。
D;黒色印刷層の剥離が確認され、マットコート層と黒色印刷層とのブロッキングによる剥離抵抗が感じられる。
E;黒色印刷層が殆ど剥離し、マットコート層と黒色印刷層とのブロッキングによる剥離抵抗が強く感じられる。
なお、上記耐ブロッキング性の評価試験の方法は、次のような実情を考慮して行った試験方法である。例えば、基材フィルムの一方の面にマットコート層が設けられ、基材フィルムにおけるマットコート層が設けられた面の反対面に印刷層が設けられた積層フィルムは、長尺物の形態で製造されることがある。また、この長尺物の積層フィルムは、包装材として用いられる前や、次の工程(例えば、接着剤層やシーラント層を設ける工程)の前に、一旦ロール状に巻き取られることがある。このとき、基材フィルムの一方の面に設けられたマットコート層と反対面に設けられた印刷層とが重なり合った状態で巻きの圧力がかかることとなる。このような実情を考慮して、上記耐ブロッキング性の評価試験を行った。
Figure 0007000543000001
Figure 0007000543000002
以上の結果から、バインダー樹脂として、特定のポリウレタン樹脂(A)及び樹脂(B)を、ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する樹脂(B)の質量の比が0.2以上0.4未満で含有するマットコート剤により、耐熱性、耐熱水性、及び耐ブロッキング性がいずれも良好であり、かつ、残留溶剤量の少ないマットコート層が得られることが確認された。

Claims (8)

  1. イソシアネート系架橋剤とともに用いられるマットコート剤であって、
    バインダー樹脂、マット化剤、及び有機溶剤を含有し、
    前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂(A)を含むとともに、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、セルロース系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)を含み、
    前記ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するとともに、温度100℃及び周波数11Hzにおける貯蔵弾性率が1.0MPa以上であり、
    前記樹脂(B)は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有し、
    前記マットコート剤中の前記ポリウレタン樹脂(A)の質量に対する、前記マットコート剤中の前記樹脂(B)の質量の比は、0.2以上0.4未満であるマットコート剤。
  2. 前記ポリウレタン樹脂(A)の周波数11Hzにおける貯蔵弾性率の温度依存性において、前記ポリウレタン樹脂(A)のガラス転移点よりも高い温度領域に現れる、貯蔵弾性率の変曲点を示す温度は、120℃以上である請求項1に記載のマットコート剤。
  3. 前記バインダー樹脂の含有量は、前記マットコート剤の全固形分質量を基準として、30~90質量%である請求項1又は2に記載のマットコート剤。
  4. 前記マット化剤は、シリカ及びワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のマットコート剤。
  5. 前記マット化剤の含有量は、前記マットコート剤の全固形分質量を基準として、10~60質量%である請求項1~4のいずれか1項に記載のマットコート剤。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のマットコート剤で形成されたマットコート層。
  7. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に設けられた、請求項6に記載のマットコート層と、を備える積層フィルム。
  8. 請求項7に記載の積層フィルムを備える包装材。
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