JP6999938B2 - ペットの遺骨を入れた真珠の製造方法及びメモリアル真珠 - Google Patents

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Description

本発明は、犬や猫等のペットとして飼われていた骨を真珠の中に入れた真珠の製造方法及びメモリアル真珠に関するものである。
この種の真珠の製造方法の公知技術としては、例えば、遺灰を粉末化し、粉末化した遺灰と粘土を混ぜ合わせて遺灰入り粘土玉を作製する工程を有し、遺灰入り粘土玉を焼成処理して遺灰入りセラミック核を制作する遺灰入りセラミック核製作工程と、前記遺灰入りセラミック核製作工程で製作した遺灰入りセラミック核を入れた真珠養殖用の母貝を海中で飼養し、遺灰入りセラミック核の表面に真珠層形成して遺骨入り真珠を作る真珠養殖工程と、を有する遺骨入り真珠の製造方法、がある(特許文献1)。
この公知技術に係る遺骨入り真珠の製造方法によれば、遺骨入り真珠は、遺灰が遺灰入りセラミック核の中だけに含まれており、その表面には真珠層のみが現れることから、遺灰及び遺骨が直接目に触れることがない。これにより、遺骨入り真珠は、遺灰及び遺骨の見た目の生々しさなどが表れることがなく、自宅に保管することあるいはメモリアルアクセサリーとして身に着けることに抵抗を感じさせないメモリアル製品にすることができる、というものである。
特開2017-209029号公開公報
前記公知技術においては、遺灰を粉末化して粘土を混ぜ合わせて遺灰入り粘土玉とし、該粘土球を焼成処理した遺灰入りセラミック核を母貝にいれてその表面に真珠層を形成したものであり、粘土玉にすることで少量の遺灰しか残らず、さらに、中身が全く確認できないので、年数が経つと必然的に生前を偲びまたは癒し感が失われてしまうばかりでなく、生産時に依頼した遺灰が入っているかどうかも不明であり、他の真珠との識別もできないという不安感も生ずるという問題点を有している。
本発明は、上記の問題点を解消するために、少なくともペットの遺骨の一部をそのまま透明材で封じ込めて真珠の核とし、常に生前を偲びまたは癒し感が得られるようにした真珠の製造方法及び該方法によって得られたメモリアル真珠を提供することを目的としたものである。
本発明の第1の発明に係る真珠の製造方法は、ペットの死後に火葬した遺灰をメモリアル製品の真珠に入れて製造する方法であって、遺灰の中の遺骨を取り出して所要大きさに加工し、該加工した遺骨を透明材で包み込んで楕円形状または球状の遺骨入り核に形成し、該遺骨入り核をアコヤガイに入れて所要期間養殖して核の周囲に真珠層を形成することを特徴とするものである。
上記真珠の製造方法の発明において、前記透明材で包み込まれる遺骨の外にペットの愛称を書いた表示部材も含まれること;及び前記透明材としては、エポキシ樹脂及び/又はガラスであること、を付加的な要件として含むものである。
また、本発明の第2の発明に係るメモリアル真珠は、ペットの死後に火葬した遺灰をメモリアル製品の真珠に入れた真珠であって、遺灰の中の形状が明確な遺骨を取り出して所要大きさに加工し、該加工した遺骨を透明材で包み込んで楕円形状または球状の遺骨入り核に形成し、該遺骨入り核をアコヤガイに入れて所要期間養殖して核の周囲に真珠層を形成させてから取り出してメモリアル真珠を形成したものである。
本発明に係る真珠の製造方法及びメモリアル真珠によれば、ペットの遺骨を透明材で包み込んで楕円形状または球状の核としたものであり、これに真珠層が形成された真珠であることから、特に、真円でなく楕円形または歪形状の真珠であれば、真珠生産者から出来上がった真珠を渡された時でも、他の真珠との識別が明確に区別でき、必要があればX線透過により遺骨の存在が確認でき、依頼したメモリアル真珠であることの認識もできるので、ペットの生前を偲びまたは癒し感が得られるという優れた効果を奏する。
本発明に係る真珠の製造方法に適用されるペットの遺骨を拡大して示した平面図である。 同ペットの遺骨を所要大きさに加工して第1の実施の形態に係る透明材で包み込んで遺骨入りの核を形成する状態における3段階の順次重ね塗布状態を説明するための例を示した平面図である。 同ペットの遺骨入り核をアコヤガイに入れて真珠層を形成させたメモリアル真珠を一例としてネックレスにした状態の要部のみを示した正面図である。 同ペットの遺骨を第2の実施の形態に係る遺骨入りの核を形成する状態を示す正面図である。 同第2の実施の形態に係る遺骨入りの核を形成する順序を示した説明図である。 同ペットの遺骨を第3の実施の形態に係る遺骨入りの核を型枠で形成する状態を示す正面図である。 同第3の実施の形態に係る遺骨入りの核を形成した後、型枠を除去する1例を示した正面図である。
次に本発明を図示の具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。図1~3は、第1の実施の形態を示すものであり、例えば、家族同然に飼っていたペットの死後に、ペットを火葬して遺灰中に残った形状が明確な骨(以下遺骨という)の一部(複数)を取り出してメモリアル製品に加工するものであり、取り出した遺骨の大きさは、好ましくは、長さが8mm未満のものを選択するのであるが、多少大きくても、その後の加工時に成形することができる。例えば、図1に示したように、ペットの足の先端側の関節間の遺骨1は、犬と猫とでは多少異なるが、長くても12~15mm程度である。
前記した関節間の遺骨1を、図2に示したように、一方の側の関節端を残して8mm程度の長さにカットし、該カットした遺骨1の周囲を透明材、例えば、所要の粘性と流動性があり短時間で硬化する性質の透明なエポキシ樹脂材2で包み込むのである。この場合に、遺骨1のイメージを残した形状に全体を包み込めば、遺骨1入りの核としてアコヤガイに入れて使用することができるが、核として多くの凹凸があると、核入れする段階で技術を要するし、核入れができたにしても、真珠層の形成時に成功することもあるが失敗することが多いのである。そこで、好ましくは、エポキシ樹脂材2が付着しない非接着性能(フッ素樹脂皮膜加工)を有する板の上に遺骨1を載置し、その遺骨1の上に所要量のエポキシ樹脂材2を滴下させ、遺骨1との間に空気層ができないように且つ集中(積)しないように、転動させながら塗装(コーティング)を行って破線aで示した所要厚みの一次塗装膜を形成する。この一次塗装膜aは、数時間の間に流動しない状態になるので、一次塗装膜aの上にさらに所要量のエポキシ樹脂材2を滴下し、転動させながら所要厚さの二次塗膜bを形成する。または、エポキシ樹脂が付着しないシリコン樹脂で型を形成し、該型により好みの形状や大きさ、例えば、楕円形状等に形成する。
前記二次塗膜bを形成した状態では、全体が略楕円形状の玉であり、長さが概ね9.5~10mm程度で、中央部の径が概ね6mm程度であるが、この状態でエポキシ樹脂材2が硬化した状態になれば、表面に凹凸のない滑面になっているので、遺骨1入りの核としてアコヤガイに入れて楕円形の遺骨1入り真珠を作ることができる。しかしながら、どうしても真珠をイメージして円形状の玉にしたいのであれば、さらに二次塗装膜bの上にも所要量のエポキシ樹脂材2を滴下し、転動させながら仮想線cで示した所要大きさ(長さが略10mmで中央部の径が略9.5mm程度)の三次塗膜cを形成することができる。この場合の転動は円弧の玉を作る要領で行うので、円形に近い遺骨1入りの核となり、これをアコヤガイに入れて所要期間養殖(少なくとも10ヶ月程度)することにより表面に真珠層(0.05mm程度)が形成され、楕円形または円形に近い遺骨1入り真珠3を作ることができる。
そして、アコヤガイから取り出した遺骨1入り真珠3は、図3に示したように、適宜の連結部材4を取り付けて、ペンダントにしたり、イヤリングにしてメモリアルアクセサリーとして身に付けたりすることができるばかりでなく、適宜の装飾架台を設置してメモリアル品として室内に保管することもできるのである。
次に、第2の実施の形態について、図4と図5とを用いて説明する。
この実施の形態においては、遺骨1を包み込む透明材として中空で透明なガラス玉5とエポキシ樹脂材2を使用するのである。この場合に使用されるガラス玉5の径は概ね10mmであり、そのガラス玉5の一部(約1.5mm)を水平に切り取って開口部を形成し、該開口部から内部に透明なエポキシ樹脂材2を所要量(8分目程度)充填してから、遺骨1をピンセットでつまんで中央部に位置するようにゆっくりと挿着すると、先に充填したエポキシ樹脂材2が開口部周辺まで盛り上がるようになる。この状態で、切り落としたガラス片5aを開口部に被せることによりガラス片5aが一体化されて元通りの球形の遺骨1入りの核が形成され、エポキシ樹脂材2が硬化した後に、前記したようにアコヤガイに核入れて養殖することができるのである。
なお、ガラス片5aを被せるときにエポキシ樹脂材2の量が少ないようであれば、その時に追加すれば良いし、多目であればガラス片5aを被せた時に、ガラス玉5の外部へ益出するので硬化した後に削り取ればよい。また、ガラス片5aが破損したり、または最初から無かった場合には、エポキシ樹脂材2を盛り上げて全体を球形に成型すればよいのであり、いずれにしても、ガラス面及びエポキシ樹脂材2の面には、真珠層が形成されるので、略球形の遺骨1入りの真珠が得られるのである。なお、ガラス玉として、例えば、トンボ玉も使用することができる。
さらに、第3の実施の形態について、図6と図7とを用いて説明する。
この実施の形態においては、一種の型枠を使用して楕円形または球形の遺骨入り核を形成することができるのである。即ち、図6に示したように、型枠として薬に使用されているゼラチンカプセルの半体を使用し、該カプセル8は、例えば、内径が約10mmで長さ(高さ)が15mm程度の大きさのものであって、その中に遺骨1と一緒にペットの愛称7などを書いた短冊紙(表示部材)6も入れることができる。この場合でも、好ましくは、先にカプセル8内に所要量のエポキシ樹脂材2を先に注入(充填)し、後から短冊紙(表示部材)6と遺骨1とを所要の間隔をもって挿着するようにした方が良い。この場合の所要量は、カプセル8の下端部から高さ方向に8mmを超えない程度に充填する。
この実施例の場合は、図7に示したように、カプセル8と注入される粘性のある透明なエポキシ樹脂材2との接触面の付着性が良いので、遺骨1と短冊紙6の挿着によって中央部が盛り上がり、全体として楕円形になり易いのである。そして、エポキシ樹脂材2が硬化した後において、型枠として使用したカプセル8の開口部の一部を底部方向にカットし、両側に引き裂くようにして内部で硬化したエポキシ樹脂材2から引き剥して脱型するか、または50℃程度のお湯に浸すことによりカプセル(ゼラチン)8を溶かして脱型させて、遺骨1と表示部材(短冊紙)6入りの核が形成され、その後、上面側のエポキシ樹脂材2の部分を円弧状に削り取ったりして成型し、この遺骨1と表示部材6入りの核を、前記実施例と同様にアコヤガイに核入れして養殖することにより、核の外周面に真珠層を形成させた真珠3が得られるのである。
本発明に係る真珠の製造方法及びメモリアル真珠は、ペットの死後に火葬した遺灰をメモリアル製品の真珠に入れて製造するものであって、遺灰の中の遺骨1を取り出して所要大きさに加工し、該加工した遺骨1を透明材で包み込んで楕円形状または球状の遺骨入り核に形成し、該遺骨入り核をアコヤガイに入れて所要期間(少なくとも10ヶ月間)養殖して真珠3に形成することにより、ペットの生前を偲びまたは癒し感が得られるばかりでなく、真珠生産者から出来上がった真珠3を渡された時でも、楕円形の真珠であれば他の真珠との識別が区別でき、さらに、依頼したメモリアル真珠3であることの認識もできるものである。なお、本発明では、例えば、遺骨1と一緒にペットの愛称を書いた表示部材6も入れることができ、さらに、核形成時に遺骨1ばかりでなく被毛なども一緒に入れることができるし、もし、可能であれば、飼い主又は元飼い主だった人の頭髪等も一緒に入れることができるので、より一層愛着が湧くのである。
1 遺骨
2 エポキシ樹脂
3 真珠
4 連結部材
5a ガラス片
5 中空のガラス玉
6 表示部材
7 愛称
8 カプセル

Claims (4)

  1. ペットの死後に火葬した遺灰のなかから形状が明確な遺骨を取り出し、
    前記遺骨を遺骨としての形状を保ったまま透明材で包み込んで楕円形状または球状の遺骨入り核に形成し、
    前記遺骨入り核をアコヤガイに入れ養殖して真珠層を形成すること
    を特徴とする真珠の製造方法。
  2. 前記ペットの愛称を書いた表示部材を前記遺骨とともに前記透明材で包み込むこと
    を特徴とする請求項1に記載の真珠の製造方法。
  3. 前記透明材、エポキシ樹脂及び/又はガラスであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の真珠の製造方法。
  4. ペットの死後に火葬した遺灰のなかから取り出された形状が明確な遺骨であって遺骨としての形状保っている遺骨と前記遺骨を包み込ん楕円形状または球状の透明材とを有する遺骨入り核
    前記遺骨入り核の周囲に形成された真珠層
    を備えることを特徴とする真珠。
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