以下において、光ファイバを用いて電力伝送を行う光給電システムを開示する。光給電システムにおいて、親機が子機に光ファイバを介して光給電を行う。本開示の代表的な光給電システムの例において、子機は親機に対して上り制御コマンドを送信する機能を含み、親機は子機から送信された上り制御コマンドに応じて光給電をオン又はオフする機能を含む。これにより、親機側の操作者を要することなく、親機から子機への光給電を制御することができる。
光給電システムは、いくつかの具体的な問題を有する。例えば、一つの問題は、親機から離れた遠地での子機の設置時の動作確認に、手間、時間及びコストがかかることである。一般に、光給電システムの子機が設置される場所は、電気での給電に比べて光給電技術が有利となるような場所、すなわち電線の配置が難しく、又は通信手段が確保しにくい場所である。
例えば、プラントや上下水関連施設のような爆発性・腐食性環境や、僻地・地中・水中・海底のような特殊環境が、候補となることが多い。このような箇所は一般にアクセスが難しく設置工事やその準備に要するコストが高い。一般的な環境であっても、親機から離れた遠地への機器及び人員の移動や工事には、手間、時間及びコストがかかる。
子機の故障による再工事や工期延長は、工数及びコストを大きく押し上げる要因となるため、子機の設置と同時にその動作確認を行い、子機の故障や光ファイバの接続不良などのトラブルをその場で発見し、子機や光ファイバの交換、修理をその場で終えるのが望ましい。一方で、光給電機器の動作確認において光給電をオンして、その電力収支が正であること、又は、規定量の給電光を受信できていることを、確認することが重要である。
しかし、子機の設置工事中、光ファイバの各所に複数の子機を取り付け、また、光ファイバの敷設工事を実施するため、光ファイバの状態が不完全となっている可能性がある。光給電用レーザの光出力は大きいため、工事中に給電レーザを常時オンとすると、コネクタや光ファイバ端面を損傷させる可能性がある。親機側に操作者を配置すると、コストや作業ミスの可能性が上昇する。
そこで、一例において、子機は、親機からの光給電がオフの状態において、親機に子機の動作確認のためのコマンドを送信する。この動作確認コマンドは、上り制御コマンドの一例である。親機は、動作確認コマンドを受信後に光給電をオンする。その後、親機は、規定間経過後又は子機からの動作確認終了コマンドを受けて、光給電をオフする。この構成により、子機の設置時の動作確認を容易に行うことができる。親機から子機に向かう下りの通信経路が存在する場合、親機は動作確認コマンドを受信後に、光給電をオンし、かつ、子機に下り応答信号を送信してもよい。
子機は、外部からの制御を受け付ける制御装置又は外部制御装置を接続するインタフェースを含んでもよい。操作者に操作に応じて、制御装置は、子機に親機へ動作確認を実行することを指示する。子機は、指示に応じて動作確認コマンドを送信する。子機は、動作確認の終了後に制御装置に動作確認の結果の情報を送信する。制御装置は、受信した情報を表示する。これにより、子機の設置後にその場で容易に設置した子機の動作確認の実行と結果確認ができる。
他の問題は、光給電システムにおいては、子機の修理・交換など、保守作業前の光給電の停止(光給電システムの動作停止)、及び、作業終了後の給電光の再開(システムの再稼働)に、余分な手間や時間がかかる点である。前述のように給電光は強度が強く、子機保守作業の際には、一時的に、光給電をオフするのが望ましい。
しかしながら、給電用光源は子機と離れた親機内に配置されているため、工事の開始や終了のタイミングに合わせて適切なタイミングで光給電をオン又はオフすることは困難である。例えば工事前後に日程の余裕を持って光給電をオフすると、システム全体の停止時間が長くなり運用に不利益が発生する。親機側に操作者を配置すると、コストや作業ミスの可能性が上昇する。
そこで、一例において、子機は、入力装置又は外部入力装置を接続するインタフェース含む。子機は、入力装置の操作によって光給電オン及び光給電オフの制御コマンドを生成する。これにより、操作者の所望のタイミングで、子機への光給電をオン及びオフできる。
他の問題は、光給電システムの子機の増設時の動作確認が困難である点である。稼働中の光給電システムへの子機の増設は、増設点にあらかじめ光分岐器などが用意されていない場合、一旦光ファイバを切断し途中に光分岐器などを追加配置することを必要とする。この場合、増設箇所より下流の子機への光給電量が低下し得る。
理論上は下流側の子機への光給電電力の余裕が挿入する光分岐器の損失を上回っていれば、問題はない。しかし実際には、部品や工事の不具合等により光損失が想定以上に大となり、下流の子機への光給電量が不足する、又は、上下の通信が途絶えたりする可能性がある。しかし、前述と同様の理由で、増設工事中は光給電をオフとする必要がある。光給電システムの運用が停止しているため、他の子機の接続状態をその場で確認することはさらに困難である。
そこで、一例において、親機は特定の子機から動作確認コマンドを受信して光給電をオンした後に、該特定の子機を除く他の子機に対しても状態確認コマンドを送信する。他の子機は、状態確認コマンドを受信すると、自機の接続状態情報を親機に送信する。親機は受信した他の子機の接続状態情報を上記特定の子機に送信する。これにより、他の子機の情報を特定の子機に集めることができる。
動作確認機能の終了後、上記特定の子機は、制御端装置に当該特定の子機及び他の子機の動作状態情報又は接続状態情報を表示してもよい。これにより、光給電システム全体の状態確認が可能となる。
他の問題は、親機への子機の登録や子機への番号割り当てである。光給電システムおいては、システム正常稼働後には、親機は複数の子機それぞれについて、故障の有無やセンシングデータを管理し、特定の子機宛てに、上り及び下りの通信を行う必要がある。このために、親機は、自機に接続された子機の個数やその固有番号(シリアル番号)を把握し、各子機に子機番号を割り当てる必要がある。
これらの管理情報は、設置工事前や設置工事中に作業者(操作者)が親機及び子機に人手で設定することが可能ではある。しかし、作業工数と機器管理工数が増加する、設定ミスが生じる、又は、故障した子機の交換時に親機内の子機番号情報も手動で再設定する必要が生じるなど、様々な問題が生じ得る。このため、親機への子機登録及び子機への番号割り当ては、自動化することが望ましい。
実際、親機と複数の子機からなる1:N(Nは1より大きい整数)のネットワークにおいて、自動的に子機番号を割り当てる多数の通信プロトコルが存在する。しかし、既存システムでは、起動直後、各子機は親機に未登録であり、親機も接続される子機の名称や台数を把握していない。そのため、複数の子機から親機に向かう通信に衝突が生じる。
このため、既存のプロトコルは、通信衝突の検出や子機からのランダム時間待ち再送などの一般に複雑な手続きを必要とする。また、子機の登録時にいずれかの子機に不具合が生じて起動できなかった場合には、登録漏れの子機が生じる、又は、後日別の子機を追加した際に稼働中の子機と通信衝突が生じてシステム動作に悪影響を与える。
そこで、一例において、子機から送信される動作確認終了信号は、動作確認の成否情報を含む。親機は動作確認が成功した子機の固有番号を、内部の子機管理テーブルに登録する、又は、該子機に対して固有の番号を割り当てる。これにより、システム動作への悪影響を抑えつつ容易に子機を管理することができる。
図1は、実施例1における光給電システムの構成例を模式的に示す。
光給電システムは、親機200と、2台の子機201-1、201-2とを含み、それらが、光ファイバ105と光合分岐器106を介してスター状に接続されている。光ファイバは、波長多重された、波長λpの給電光112と波長λuの上り通信光114とを、同時に伝送する。
親機200中は、給電用レーザ光源(LD)101(波長λp)、及び、上り通信用光受信機(Rx)103(受信波長λu)を含み、それらは波長合分波器104によって一本の光ファイバに結合されている。
2台の子機201-1、201-2は、それぞれ、給電光受光器109(受信波長λp)、電流電圧変換回路(IVC)205、上り通信用光送信機111(送信波長λu)を含む。子機201-1、201-2それぞれにおいて、波長合分波器108は、送信光及び受信光を、一本の光ファイバで伝送可能とする。
光合分岐器106は、給電用レーザ光源101から出力された強い給電光を、2分割する。子機内の給電光受光器(PD)109は、分割された給電光の一方を受光し、電流電圧変換回路205が、給電光を電圧信号に変換し子機の動作電力に供する。
子機から親機に向かう上り通信は、子機から測定したセンサ情報などを親機に転送するために用いられる。子機内の上り通信用光送信機(Tx)111から出力された波長λuの上り通信光は、他の子機からの上り通信光と光合分岐器106で合成されて、親機内の上り通信用光受信機103で一括して受信される。
子機201-1、201-2は、それぞれ、動作確認コマンド生成部(OP)204を含み、親機200は、受信信号解析部(CA)202を備える。光給電システムの非稼働状態(光給電オフ)において、子機の設置工事が完了後、例えば操作者の操作に応じて、動作確認コマンド生成部204は親機200宛ての動作確認コマンドを生成、送信する。動作確認コマンド生成部204は、例えば、メモリに格納されているプログラムに従って動作するプロセッサ又は専用ロジック回路で構成できる。
子機201-1、201-2は、動作確認コマンド生成部204を動作させるために一次電池又は二次電池を含む、又は、外部からの給電を受けてもよい。例えば、子機に接続されている端末装置又は専用外部電源が、電力を子機に供給してもよい。この点は他の実施例において同様である。
動作確認コマンドは、例えば上り通信に用いる通信パケットの内部に書き込まれ、上り通信用光送信機111、光ファイバ105を経て親機200に達する。親機内の受信信号解析部202は、上り通信用光受信機103の出力信号において動作確認コマンドを検出すると、光給電制御部(CTL)203に光給電オン信号を送出する。動作確認コマンドは、例えばコマンド内部にコマンドの種類を識別する識別コードを含めることで検出可能である。受信信号解析部202及び光給電制御部203は、例えばロジック回路で構成したり、子機のメモリ中に可能され子機のプロセッサが実行するプログラムとして構成できる。
光給電制御部203は、給電用レーザ光源101の電源を制御して光給電をオンし、一時的に光給電システムを稼働させる。これによって、設置した子機201-1の動作状態が、例えば操作者によって確認可能となる。
図2は、実施例1におけるタイミングチャートを示す。新たに設置した子機201-1の動作確認を示している。子機201-1は親機200に向けて動作確認コマンドを送出する。親機200は動作確認コマンドを受信・検出すると、光給電をオンとする。子機201-1が、送出された給電光を検出することで、子機201-1の動作確認が可能となる。
具体的には、動作確認コマンド送信後所定時間内に給電光がオンとなることで、子機201-1が光ファイバ105に接続されていること、及び親機200への上り通信が正常に動作していることを確認できる。
子機201-1への給電光の状態は、様々な方法で検出することができる。例えば、外付けされた電圧測定器209によって電流電圧変換回路205の出力電圧206を測定することによって、給電光の状態を確認できる。この他、光ファイバ105の途中に設けた光分岐点207に接続した光パワーメータ208で下り方向の光強度を測定することで、給電光の状態を確認できる。
光分岐点207は、例えば、あらかじめ取り付けられている損失の小さな光分岐回路、下流に向かう光ファイバの開放点、又は一部の光をファイバ外に取り出すための屈曲点である。
動作確認終了後、子機201-1が親機200に動作確認終了コマンドを送信し、親機は本コマンドを受信すると光給電をオフとして最初の状態に復帰する。これ以外にも例えば、子機201-1に対する操作者の操作又は規定時間の経過に応じて、子機201-1は、親機200に動作確認終了コマンドを送信してもよいし、動作確認終了コマンドを省略してもよい。その場合には、例えば、親機200は、光給電開始から規定時間経過後に、光給電を停止すればよい。
図1の構成例において、親機200と子機201-1、201-2それぞれとを接続する光ファイバの数は、一本のみであり、光給電及び上り通信光が同一の光ファイバを共用する。本実施例及び他の実施例において、光ファイバは必要に応じてさらに下り通信光を伝送してもよく、これらの光の一部ないしは全部は、別々の光ファイバによって伝送されてもよい。これら光は、マルチコアファイバの異なるコアによって伝送されてもよい。これは他の実施例においても同様である。
また、子機の数は1以上の任意の数でよく、親機と複数の子機を接続する光ファイバ網の構成は、図1に示すスター型の他、2重スター型、トーナメント型、梯子型、逐次分岐型、リング型など、任意のタイプを有することができる。伝送距離や損失などに応じて、シングルモード、マルチモードなど各種の光ファイバを利用することができる。これは他の実施例に同様である。
本実施例は、光給電システムにおいて、親機側の操作員を要することなく、子機設置直後にその場で子機の動作確認を可能とする。これによって、子機の設置の正否、故障、不具合をその場で検出し、工事期間を短縮、再工事を不要にできる。また、子機の動作確認や工事の際に不用意に光給電をオン又はオフする人為的ミスを防ぐことができる。
図3は、実施例2における光給電システムの構成を示す。本図の光給電システムは、下りの光通信経路を備え、さらに、子機は、操作者による動作確認の開始指示を受け付ける機能と結果表示の機能とを含む。これにより、子機の動作確認をより確実かつ高精度に行える。子機201-2は、子機201-1と同様の構成を有する。
親機200は、下り用光送信機(Tx)102を含み、その出力光となる波長λdの下り通信光113は、波長合分波器104で他の光信号と合波されて光ファイバ105に送出される。光合分岐器106で分岐された一部が、子機201-1に入力され、下り通信用光受信機(Rx)110で受信される。
また、親機内の下り通信用光送信機102の前段には、応答信号生成部(RG)212、子機内の下り通信用光受信機110の直後には応答信号検出(RA)部213が配置されている。これらにより親機から子機に向けて送信する応答信号の生成及び検出を可能としている。
子機211-1は、さらに、主制御部211を含む。親機の応答信号生成部212、並びに、子機の主制御部211及び応答信号検出部213は、それぞれ、例えば、子機のメモリ中に可能され子機のプロセッサが実行するプログラム又はロジック回路などで構成できる。
子機201-1は、さらに、子機の動作確認の開始用のプッシュボタン210、及び、動作確認結果の表示用のLED214を含む。子機201-1の設置作業者は、プッシュボタン210及びLED214を使用して、その場で直接、動作確認作業とその結果の確認とを行うことができる。
図4は、実施例2におけるタイミングチャートを示す。本例においては、子機201-1の設置工事の終了後、操作者(作業者)が子機201-1のプッシュボタン210を押すことで、子機の動作確認が開始される。このように動作確認を手動で開始することで、操作者はあらかじめ光ファイバの終端処理などの措置をとった後に、光給電オンを伴う動作確認を開始することができる。
子機の主制御部211はプッシュボタン210の押下を検知すると、動作確認コマンド生成部204に対して、動作確認コマンドの生成を指示する。動作確認コマンド生成部204は、親機200に動作確認コマンドを送信する。動作確認コマンドを受信した親機200は、子機201-1、201-2への光給電をオンとし、その後、応答信号生成部212で生成した応答信号を、子機201-1に送信する。
子機201-1は、下り通信用光受信機110で応答信号を受信する。子機201-1は、応答信号を解析することによって、下り光通信回線の良否や誤り率など、下り光通信の接続情報を得ることができる。また、親機200が検出した子機201-1との上り光通信の接続状態情報や親機の動作状態情報を応答信号に含めることによって、より確実かつ詳細な動作確認を実施することが可能となる。
応答信号を用いて親機から子機に送信可能な状態情報は、例えば、上り通信用光受信機103における受信信号の誤り率や受信強度情報、給電用レーザ光源101の光出力強度情報(定格値や設定値、測定値)である。応答信号を受信した子機201-1の主制御部211は、応答信号中の状態情報をもとに、上り通信回線の品質や損失、給電光の損失などを算出する。主制御部211は、例えば、算出した値を基準値と比較することで、より精密に子機201-1の動作確認を実施することができる。
例えば、応答信号に上り通信用光受信機103の受信強度を含む場合、主制御部211は、この値で子機201-1内の上り通信用光送信機111の光出力強度を除算(dB表示であれば減算)することにより、上り通信回線の損失が計算できる。この損失値が、上り通信回線の損失の上限値を上回る場合、「上り回線の損失過大による接続不良」と判断できる。
動作確認の方法及び基準は、上記例に限定されない。例えば、子機201-1は、上り通信用光受信機103の受信強度と最小受信強度とを比較してもよい。子機201-1は、給電用レーザ光源101の光出力強度を給電光受光器109の受光強度で除算することで得られる給電光損失を、動作確認の基準として使用してもよい。子機201-1は、複数の値を動作確認のために参照してもよい。
上述のように、子機201-1は、動作確認コマンド送信後の、親機200から送信される給電光の状態及び受信強度、親機からの応答信号の有無、並びに応答信号に含まれる親機側の接続情報又は状態情報など、複数の要因に基づいて動作確認を実施する。これらの動作確認の終了後、子機201-1は、親機200に、動作確認の成否を示す動作確認終了コマンドを送信する。
また、子機201-1は、LED214によって動作確認の結果を示して、操作者に動作確認の結果を通知する。例えば、子機201-1は、動作確認の結果に応じて、LED214の色又は点灯状態(点滅を含む)を制御する。なお、本実施例は動作確認結果の表示装置としてLED214を利用するが、これと異なり、各種表示ランプや、液晶表示装置、ブザー、振動子を含む他の装置を利用できる。
なお本実施例における下り光通信は、親機から子機への応答信号の送信にのみ利用しているが、例えば親機から子機への状態確認要求や、センシングのトリガ、各種設定情報の送信など他の用途に利用しても構わない。
また本発明のすべての実施例においては、親機・子機間の上り通信、下り通信はすべて光ファイバ通信を使うことを想定しているが、原理的にはその一部を無線回線や電気有線通信で実施する場合でも本質は変わらない。例えば一部の光給電システムにおいては、センシングデータや撮影画像の回収に用いる上り回線を公衆無線や特定無線などを用いるケースが検討されておりそのような場合には、本発明の機能の上りないしは下り通信回線の一部を無線回線を用いて実現しても構わない。
また図3の例は、光給電、上り通信光、下り通信光に、それぞれ異なる波長λp、λd、λuを割り当てている。これらの波長は光ファイバの損失やレーザ光源の特性に基づき適宜決定すればよい。例えば、給電光源に対して、大出力レーザ装置を安価で入手可能な1.48um若しくは0.98um又は光ファイバ損失の少ない1.5umを割り当ててもよい。光通信には、0.85um、1.3um、又は、1.5umを割り当ててもよい。上り通信と下り通信に同一の波長を割当ててもよい。
図5は実施例3における子機201-1の構成を示す。親機からの給電を子機側から操作できるよう、子機201-1は、入力装置として、光給電停止ボタン250及び光給電開始ボタン251を、また表示装置として、光給電状態表示用LED253を有する。本構成では光給電の開始・停止ボタンを子機に備えることで子機の保守作業等の際に子機側から光給電の停止及び再開を指示することき、これによって給電光による部品の損傷を防ぎ、さらに、光給電システムの停止時間を短縮することができる。
操作者により光給電停止ボタン250が押下されると、子機内部の給電制御コマンド生成部252は、給電オフコマンドを生成し、光給電開始ボタン251が押下されると給電オンコマンドを生成する。給電制御コマンド生成部252は、例えば、子機のメモリ中に可能され子機のプロセッサが実行するプログラム又はロジック回路で構成できる。
給電制御コマンド生成部252により生成された制御コマンドは、上り通信用光送信機111に入力されて、親機200に送信される。親機200内の受信信号解析部202が制御コマンドを検出すると、光給電制御部203は、制御コマンドに応じて、給電用レーザ光源101をオン又はオフとする。
子機201-1の光給電状態表示用LED253は、給電光受光器109の出力電流を電圧変換する電流電圧変換回路205に接続されており、給電光の状態に応じてオン又はオフとなる。これによって、子機201-1の操作者は、任意のタイミングで光給電を停止又は開始し、かつその結果を目視で確認することが可能となる。
図6は実施例3におけるタイミングチャートであり、本実施例の機能を子機201-1の保守作業に利用する例を示す。子機201-1の保守を行う作業者(操作者)は、作業前に光給電停止ボタン250を押下し、これにより親機200は光給電を停止し、光給電状態表示用LED253が消灯する。これにより、操作者は、目視で光給電停止を確認して、子機201-1の保守作業を開始することが可能となる。
保守作業の終了後に操作者は光給電開始ボタン251を押下し、これにより親機200は光給電を開始する。光給電状態表示用LED253は給電光の状態に応じて点灯する。これにより、操作者は、目視で光給電開始を確認して、作業を終了することができる。図6の説明では省略しているが、子機201-1の保守作業の終了後、子機201-1は、必要に応じて他の実施例に示す動作確認を行ってもよい。
なお、光給電状態表示用LED253は、省電力化のために、光給電時に消灯し、光給電停止時に点灯してもよい。光給電状態表示用LED253は省略されてもよい。
図7は、実施例4における子機201の構成を示す。子機201は通信用コネクタ227を有し、操作者による光給電のオンオフ切替及び動作確認開始指示の受付並びに結果表示に用いる外部端末装置223を、脱着可能である。
子機201はさらに、電流電圧変換回路205の出力電力を蓄積するバッテリ(BAT)220、及び、光給電量の目安として電流電圧変換回路205の出力電圧を測定するAD変換回路(ADC)221を有する。
外部端末装置223は、子機設置後の電源投入及び動作確認の際に子機201に取り付けられる。外部端末装置223は、例えば子機201の動作パラメータの設定や動作確認の開始指示などに用いるキーボード225、結果表示などに用いる液晶表示装置224、通信ケーブル228に接続された通信制御回路226を含む。
例えば、子機201の設置後の動作確認の際には、操作者は子機201の通信用コネクタ227に外部端末装置223の通信ケーブル228を取り付け、キーボード225や液晶表示装置224を利用して、子機201の電源投入及び動作確認開始を指示する。これらの操作は、通信制御回路226、通信ケーブル228、通信用コネクタ227を介して子機201に送られ、子機201の主制御部211は、上記動作確認処理を開始する。
図8は、実施例4におけるタイミングチャートを示す。本例においては、外部端末装置223が、子機201に対して電源投入及び動作確認開始の指示を送信する。子機201は、指示に応じて、自機の電源を投入し、と親機200への動作確認コマンドの送信を開始する。子機201は、バッテリ220から供給される電力で動作する。親機200は、光給電をオンとした後に、動作確認応答信号を送信する。
動作確認の終了後、子機201は、親機200に対して動作確認終了コマンドを送信するとともに、外部端末装置223に子機201の動作確認結果である、動作状態情報又は接続状態情報を表示する。
これらの動作状態情報及び接続状態情報は、動作や接続の正常・異常の有無、もしくはその判断の根拠となる情報であればよい。動作状態情報は、例えば、子機201の自己動作チェック結果、子機201の給電光の受光量、親機200から子機201への給電光の損失量、給電光受光器の出力に配置した電流電圧変換回路205の出力電圧、そのAD変換回路221での読み取り値、バッテリ220の蓄電量などである。
また上り通信に関する接続状態情報は、例えば、親機200と子機201との間の上り通信の成否、上り通信の品質指標となるビット誤り率やビット誤りの発生数、子機201から親機200への上り通信光の損失量、子機201における上り通信送信機の光出力強度、親機200における上り光通信の受光強度などである。
下り通信に関する接続状態情報は、例えば、親機200と子機201との間の下り通信の成否、下り通信の品質指標となるビット誤り率やビット誤りの発生数、親機200から子機201に至る下り通信光の損失量、親機200における下り通信送信機の光出力強度、子機201における下り光通信の受光強度などである。
操作者はこれらの情報から、設置した子機201の動作状態や接続状態の良否を判定し、子機201の電源を遮断し、判定結果が良好であれば、子機201の設置作業は終了する。判定結果が不良であれば、作業者は、その場で子機201の再起動、修理及び交換、又は光ファイバ接続の不良箇所の究明及び再接続などの作業を実施できる。
本例のように外部端末装置223を子機201に脱着可能とすることによって、子機201のサイズ及び消費電力を小としたまま、より詳細な操作や大画面での結果表示が可能となる。
外部端末装置223の構成は上記例に限定されない。外部端末装置223は、例えば、操作ボタン、マウス、タッチパッドなどの入力機器を含んで構成されてもよい。外部端末装置223は、キャラクタユーザインタフェース、GUI、アナログ式メータ等を含んで構成されてもよい。外部端末装置223は、市販のコンソール端末やノートPCでもよい。
外部端末装置223と子機201の接続は、情報回線であればどのような構成を有してもよい。
例えば、組み込み機器で広く用いられるUART、I2C、SPI、イーサネット(登録商標)などの有線シリアル回線やそのコネクタ、又は、GPIOやSCCIなどのパラレル回線やそのコネクタ、光ファイバ回線や光ファイバコネクタを利用してもよい。また接続ポートは必ずしも物理的に接触している必要はなくIrDAなどの赤外線通信ポート、子機に内蔵されたBluetooth(登録商標)や特定省電力無線などの無線回線やアンテナ、電磁誘導接続などの非接触回線を利用してもよい。
図9は、実施例5における光給電システムの構成を示し、既存の子機201-1の上流に新たな子機201-2を増設する例を示している。本例では親機と子機とは、給電用光ファイバ240と上下通信用光ファイバ241を用いて接続されている。給電光と上下光通信光の分岐には、それぞれ、個別の給電用光分岐器242と上下通信用光分岐器243とを用いている。
本構成は、図1又は図3の構成に比べて、給電光の経路に配置する波長合分波器による損失を減らし、光給電効率を上げることが可能である。本例は、子機201-2の増設の際に光給電を一旦停止し、給電用光ファイバ240と上下通信用光ファイバ241の途中にそれぞれ新規給電用光分岐器244、新規上下通信用光分岐器245を挿入し、これらに増設子機201-2を接続する。
子機の増設の際には、既存の子機201-1の上流の光ファイバに新規の光部品が挿入されて光損失が増加し、その分だけ子機201-1が受信する給電光の電力や上下通信光の受信強度が減少し、また、光ファイバの接続不良によって過剰な損失が発生し、子機201-1の動作に支障をきたす可能性もある。このため工事後は増設した子機のみならず、他の子機についても動作検証を行うのが望ましい。
図10は、実施例5におけるタイミングチャートを示す。図10は、増設する子機201-2の動作確認のみならず、親機200を介して既存の他の子機の接続状態も確認することで、光給電システム全体の動作確認を行う手順を示している。本例においては、外部端末装置223が、増設した子機201-2に対して、電源投入及び動作確認指示を送信する。子機201-2は、自機の電源投入後に、親機200へ動作確認コマンドを送信する。
動作確認コマンドに応答して、親機200は、光給電をオンとした後に、動作確認応答信号を送信する。さらに、親機200は、既存の他の子機(図9の構成では子機201-1、201-3)に対しても状態確認コマンドを送信する。親機200は、子機を管理する情報を保持しており、その情報を参照してコマンド送信先を決定する。
子機201-1、201-3は、親機200からの光給電オンとともに電源が投入され、その後に親機200から送信された状態確認コマンドに応答して、自機の動作状態情報及び接続状態情報を親機200に返送する。親機200は、これら他の子機の動作状態情報及び接続状態信号を、増設した子機201-2に転送する。これによって、増設した子機201-2は自機の動作・接続状態のみならず、親機から受領した他の子機の動作・接続状態を外部端末装置223に表示することが可能となる。
このような他の子機の動作・接続状態情報は、前述の実施例4における子機の動作状態情報・接続状態情報とほぼ共通の項目が利用可能であり、例えば他の子機動作状態や給電光の受光量、上下通信の成否情報、などが挙げられる。また本例では、増設の成否は外部端末装置223の操作者が判定し、成否通知ボタンによって子機201-2に通知し、さらに動作確認終了コマンドとして親機200に通知する構成としているが、増設の成否については増設した子機201-2や親機200などが自動判定するような構成としても構わない。
図11は実施例5における親機200の構成を示す。親機200は、子機の動作・接続状態の判断に利用する親機内部情報を取得する手段として給電光の出力強度を測定する機能や、他の子機の動作・接続情報をメモリ内に保存する機能を有する。
親機200の内部には、親機200全体の動作を制御する親機CPU267が配置され、給電光のオン/オフは、親機CPU267からの命令によって光給電制御部203がレーザ電流源263の電流値をオン/オフすることによって実現されている。
また下り通信用光送信機102の内部には、変調回路233と下り通信用レーザ266が配置され、変調回路233は、親機CPU267から出力されたデジタルビット列を下り通信用レーザ266の変調電流に変換することで波長λdの下り通信光を生成する。また子機から送信された波長λuの上り通信光は上り通信用光受信機103に入力され、その内部で受信光は上り光通信用受光器265で光電流に変換され、これを復号回路231でデジタルビット列に戻して親機CPU267に入力する。
本例は図9の光給電システムに利用する親機200として、親機には給電用光ファイバ240と上下通信用光ファイバ241の2本の光ファイバが接続される構成とした。前者は親機内部の給電用レーザ光源101に、また後者は上下の通信光を波長分離する上下通信用波長合分波器262を介して下り通信用光送信機102、及び上り通信用光受信機103と接続されている。
また本例では、前述の親機200の実施例中に示した、受信信号解析部202、及び動作確認コマンド生成部204等の構成要素は親機CPU267内部のプログラムによって実現されるものとした。
また前述の給電光強度を測定する機能は、給電光のごく一部を分岐する給電光用光分岐器260とその光強度を測定する光検出器261及びその出力信号をデジタル値に変換するAD変換回路221を設けることで実現するものとした。これは特に給電光強度測定機能の実現手段を制限するものではなく、例えば給電用レーザ光源101のパッケージ内部に実装された光強度モニタ用光検出器の出力信号から測定する構成としても構わない。
このようにして測定した親機200の給電光強度は、親機CPU267に取り込まれ、応答信号の一部として増設した子機に送信され、子機中での光ファイバ経路の損失の算出などに利用される。なおこのような複雑な演算や増設の成否の判断は必ずしも子機内で実施する必要はなく、例えば電力に余裕のある親機200内部の親機CPU267で実施してもよく、その場合には増設した子機及び子機に接続された端末装置及び操作者には親機で算出・判定した結果を送信・表示すればよい。
さらに他の子機の動作・接続状態を記憶する機能としては、親機CPU267に親機内部メモリ264を接続し、その内部に子機状態情報テーブルを設けるものとした。図12は親機内部メモリ264の内部に配置する子機状態情報テーブルの例である。
本例では、子機状態情報テーブルには、各子機の子機番号と各子機より受信した各子機の給電光受信強度を記憶している。本表の左端の欄は子機番号1、2,3、4であり、番号順に図9における子機201-1~201-3(201-2を新規に増設と仮定)、および未実装の子機201-4(図9には表記せず)に対応しているものとする。
欄312の前回給電光強度は、子機201-2の増設工事以前に各子機より収集された給電光の受光量を記録したものである。また子機201-2の増設後に各子機より収集した光給電受光強度を右端欄に示している。右欄のみでも光給電量の良否判定は可能であるが、本例のように工事前後の光給電量を比較することで、工事に伴う光ファイバ経路の損失変化をより精密に評価できる。
例えば給電量50mW以上を規定値とした場合、右欄から増設した子機(番号2=201-2)と他の子機すべてが規定の給電量を満たしており、工事結果は「良」と判定できる。一方、工事前後の給電光強度を比較した場合、増設した子機201-2の下流にある子機(番号1=201-1)については給電量が半減していることがわかる。
工事の際に挿入した新規給電用光分岐器(図9の244)の損失とこの値を比べ、給電量の減少が過大であるならば工事の際に光給電経路に過剰損が生じていることが把握できる。さらに工事後ないしは前後の、各子機の下り通信光の受信強度、親機における各子機からの上り通信光の受信強度などもテーブルに加えることで、上下の光通信経路の過剰損失についても把握できるようになる。
なお、これら過去の動作・接続状態情報の記録を残すタイミングはいつでもよく、例えば本発明の外部端末装置223からの指示により、子機の設置工事の直前などのタイミングで親機に各子機の動作・接続状態情報を集めて記録しても構わないし、各子機の設置の直後に親機に自動的に記録したり、光給電システムの正常動作中に親機で定期的に記録しても構わない。
図13は本発明の第6の実施例における本発明の子機201の構成図であり、子機内部メモリ273に子機番号テーブルを配置する例を示している。
さらに子機201の内部の蓄電装置として大容量コンデンサ270を設け、かつ光給電停止時の子機の動作電源として外部端末装置223に備える外部バッテリ271を利用する構成としている。
本例では、外部端末装置223の通信ケーブル228と並列に、外部端末装置223中の外部バッテリ271からの電源供給線272が配線されている。本配線は通信用コネクタ227を経由して、子機内部の電源部に接続されており、外部端末装置223の接続時に子機201に対し動作電力を供給することが可能である。
また、本例の子機は図9の光給電システムに利用することを想定し、給電用光ファイバ240と上下通信用光ファイバ241が接続されている。前者は子機201内部の給電光受光器109に、また後者は、上下の通信用波長を分離する上下通信用波長合分波器274を介して上り通信用光送信機111、及び下り通信用光受信機110と接続されている。
下り通信用光受信機110の内部には、下り光通信用受光器230と復号回路231が配置されており、上下通信用光ファイバ241から入力された波長λdの下り通信光をデジタルビット列に変換し、子機全体の動作を管理する主制御部(子機CPU)211に入力する。また主制御部211から出力されたデジタルビット列は、上り通信用光送信機111の内部で変調回路233と上り通信用レーザ232によって、波長λuの上り通信光に変換されて上下通信用光ファイバ241に出力され親機に送信される。本実施例では前述の動作確認コマンド生成回路や応答信号検出回路の機能を子機CPU内部のソフトウェアによって実現するものとしているが、その機能や構成は他の実施例と同一である。
図14A及び図14Bは本発明の第6の実施例における親機及び子機内部の子機番号テーブルを示す説明図である。図14Aは、図13の子機内部メモリ273中に配置する子機番号テーブルの例である。左欄の固有番号欄には、各子機にあらかじめ割り当てられた子機毎に異なる一意の番号(シリアル番号など)が記録されている。
本番号は接続された親機に通知され、初期設置時や保守交換時などの子機の個体識別に用いられる。右欄は、光給電システムの稼働後に親機から割り当てられた便宜的な子機番号である。本番号は、下り光通信における子機宛先の指定や上り通信における発信元の子機の識別、子機の配置場所やセンシングデータの表示・識別などに広く利用が可能である。
本例では子機番号には簡単のために昇順の整数を用いたが、各子機の識別ができれば他の記号や数字を用いてもかまわない。例えば、飛び飛びの数字や任意の文字列の利用、また子機自身のシリアル番号をそのまま利用することなども可能である。
図14Bは、図11の親機内部メモリ264に配置する親機側の子機番号テーブルの例である。左欄は親機が自機の管理する子機に便宜的に割り当てる子機番号であり、右欄には対応する子機のシリアル番号を登録する。このような表を持つことによって、親機は自機の管理する子機及びその台数を把握し、子機との上下光通信の宛先や発信元を簡易に識別することができるようになる。
図15は実施例6におけるタイミングチャートを示す。図8に示す実施例4のタイムチャートに、子機の自動登録及び子機番号の付与のステップが追加されている。本実施例により、簡易な構成で子機の動作確認や親機の光給電オン/オフを可能とし、子機の登録や番号割り当てを容易に実現できる。
本手順においては、新規に設置された子機は端末操作によって親機に動作確認コマンドを送付する際に、自機のシリアル番号を同時に通知する。
親機は子機シリアル番号を一時的に記録し、子機に対して応答送信を行い、その後、子機から動作確認終了コマンドを受領する。これらのやり取りにおいては未登録の子機を宛先として通信を行う必要が生じるが、受領した子機シリアル番号をそのまま宛先に指定したり、一時的な子機番号を付与する、未登録子機や起動中の子機のみを対象とする特別の宛先を用意するなどの手法で解決が可能である。
動作確認の結果が良であった場合、親機はその子機のシリアル番号を自機の管理テーブルの空欄に追加する登録処理を行い、対応する子機番号を子機に通知する。通知を受領した子機は、登録結果や割り当てられた子機番号を端末装置に表示するとともに、親機に子機番号了解を通知して子機登録を完了する。
また動作確認が否であった場合には、上記の登録や子機番号の割り当ては実施しない。また親機は、子機のシリアル番号が管理テーブル上に既に登録されている場合には追加を行わないことによって、動作確認の繰り返しや保守作業後の動作確認の際に同一の子機の重複登録や子機番号の二重割り当てを避けることできる。また故障交換などで一旦登録した子機が無くなる場合には、外部端末や他の装置から親機の登録テーブル上の故障した子機を抹消する機能を持たせればよい。
なお親機側の子機番号登録テーブルと子機側の子機番号登録テーブルは、必ずしも両方に必要なわけではなく、どちらか一方であっても構わない。例えば、親機が子機シリアル番号やそのハッシュ値などを子機識別や子機のアドレスに用いれば、子機番号の割り当ては必ずしも必須ではなく、子局側の子機番号登録テーブルは不要となる。また逆に子機が親局に固有番号を送信しない場合には、親局側のテーブルには固有番号欄が不要となる。これらの運用は光給電システムの実装や機能に応じて選択することが可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。