JP6997976B2 - エポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルムおよびエポキシ樹脂含有層転写フィルム - Google Patents
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Description
[1]エポキシ樹脂含有層が積層された転写フィルムに用いられる離型フィルムであって、基材フィルム上に、組成物(I)または組成物(II)からなる離型層を備えた、エポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
組成物(I);炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)および架橋剤(b)を含有する組成物
組成物(II);炭素数8以上のアルキル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物(α)を含有する組成物
[2]組成物(I)における架橋剤(b)がメラミン系架橋剤である、[1]に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
[3]組成物(I)における炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)が、炭素数8以上のアルキル基を含むポリビニル樹脂または炭素数8以上のアルキル基を含むアルキド樹脂である、[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
[4]組成物(II)が、さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物(β)を含有する、[1]に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルムの離型層上にエポキシ樹脂含有層が積層されてなる、エポキシ樹脂含有層転写フィルム。
[6]前記エポキシ樹脂含有層が熱硬化性樹脂層である、[5]に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム。
[7]前記熱硬化性樹脂層が熱硬化性接着剤層である、[6]に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム。
組成物(I)は、炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)および架橋剤(b)を含有する。
組成物(II)は、炭素数8以上のアルキル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物(α)を含有する。以下、炭素数8以上のアルキル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物(α)を「長鎖アルキル基含有重合性化合物(α)」ということがある。
組成物(II)は、例えば、ウェットコーティング法により塗布することができる。ウェットコーティング法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
精密電子機器の接点障害等の不具合発生を抑制するという観点から、離型層はシリコーン系化合物を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、離型層がシリコーン系化合物を実質的に含有しないとは、離型層を形成するための組成物(I)または組成物(II)におけるシリコーン系化合物の含有量が、組成物の固形分総量100質量%に対して5質量%以下であることを意味する。上記含有量はさらに3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
本発明の離型フィルムに用いられる基材フィルムとしては、特に限定されず、各種プラスチックフィルムを使用することができる。例えば、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロースフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アクリルフィルム、環状オレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
本発明の転写フィルムは、本発明の離型フィルムの離型層上にエポキシ樹脂含有層が積層されてなる。
エポキシ樹脂含有層におけるエポキシ樹脂は、特に限定されず、公知の化合物および樹脂を用いることができる。例えば、回路基板の封止樹脂あるいは多層プリント配線板の層間絶縁樹脂に用いられるエポキシ樹脂、熱硬化性接着剤に用いられるエポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明の離型フィルムは、エポキシ樹脂含有層転写フィルムの離型フィルムとして適用される。つまり、本発明の離型フィルムの離型層上にエポキシ樹脂含有層を積層してエポキシ樹脂含有層転写フィルムを得ることができる。
[測定方法および評価方法]
(1)転写フィルムの熱プレス後の剥離力の測定
<被着体>
被着体として、圧延銅箔(JX日鉱日石金属社製、厚さ35μm)の粗面に厚さ25μmのポリイミド層が積層された基板を用意した。
転写フィルムのエポキシ樹脂含有層面と被着体の圧延銅箔とが対向するように重ねて試験用積層体を作製した。この積層体を、加熱プレス装置(ミカドテクノス(株)製の2ton真空ヒータープレス 型番MKP-150TV-WH)に挿入し、プレス温度160℃、プレス圧2MPaにて20分間熱プレスした。その後、積層体を取り出し、常温で1時間放置後、剥離力を測定した。
積層体を幅50mm×長さ70mmに切り出して測定用サンプルとした。この測定用サンプルについて、引張り試験機にて、300mm/minの速度で、離型フィルム側を180°に引き剥したときの剥離力を測定した。
A(最良);剥離力が0.3N/50mm未満。
B(良);剥離力が0.3N/50mm以上、0.5N/50mm未満。
C(可);剥離力が0.5N/50mm以上、1.0N/50mm未満。
D(不可);剥離力が1.0N/50mm以上、または離型フィルムとエポキシ樹脂含有層との界面で剥離されず離型フィルムもしくはエポキシ樹脂含有層が破壊された場合。
表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)の値が既知の3種の液体として、水、ジヨードメタン、1-ブロモナフタレンを用い、23℃、65%RH下で、接触角計DropMasterDM501(協和界面科学(株)製)にて、各液体の離型層上での接触角を測定する。1つの測定面に対し5回測定を行いその平均値を接触角(θ)とする。この接触角(θ)の値および各液体の既知の値(Panzerによる方法IV(日本接着協会誌第15巻、第3号、第96頁に記載)の数値から、北崎・畑の式より導入される下記式を用いて各成分の値を計算する。
ここで、γLd、γLp、γLhは、それぞれ測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分を表し、θは測定面上での測定液の接触角を表し、また、γSd、γSp、γShは、それぞれ積層膜表面の分散力、極性力、水素結合力の各成分の値を表し、γLは各液体の表面エネルギーを表す。既知の値およびθを上記の式に代入して得られた連立方程式を解くことにより、測定面(離型層表面)の3成分の値を求める。
(3)表面粗さSRaの測定
基材フィルムおよび離型層の表面粗さSRaは、光干渉型顕微鏡((株)菱化システム社製、VertScan2.0、型式:R5300 GL-Lite-AC)を用いて、観察モード=Waveモード、面補正=4次、フィルター=530nmWhite、対物レンズ=50倍、測定領域=252.69×189.53μmにて表面形態観察し、求めた。測定は1水準につき10回行い、その平均値から求めた。尚、基材フィルムの表面粗さSRaは、離型層を塗布する面の表面粗さSRaである。
基材フィルムとして下記のポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムを用意した。
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” R75X)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが25μmであり、表面粗さSRaが25nmであった。
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” FB40)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが16μmであり、表面粗さSRaが8nmであった。
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” X42)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが50μmであり、表面粗さSRaが400nmであった。
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” S10)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが100μmであり、表面粗さSRaが25nmであった。
東レデュポン(株)のポリイミドフィルム(“カプトン(登録商標)”H100)を用意した。このポリイミドフィルムは厚みが25μmであり、表面粗さSRaが50nmであった。
ポリエステルフィルム1の一方の面に、組成物(I)として下記の組成物p1をグラビアコーターで塗布し100℃で予備乾燥後、160℃で加熱乾燥し、離型層を形成して離型フィルムを作製した。離型層の厚みは100nmであった。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);下記合成の長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1を10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(住友化学(株)の「スミマール」M-55)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
<長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1の合成>
4つ口フラスコにキシレン200質量部、オタデシルイソシアネート600質量部を加え、攪拌下に加熱した。キシレンが還流し始めた時点から、ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度88モル%)100質量部を少量ずつ10分間隔で約2時間にわたって加えた。
下記組成物p2に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(住友化学(株)の「スミマール」M-55)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例3]
下記組成物p3に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(DIC(株)の商品名「スーパーベッカミンG」821)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
[実施例4]
下記組成物p4に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(三井化学(株)の「ユーバン」28-60)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例5]
下記組成物p5に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a)と架橋剤(b)の混合物として、長鎖アルキル基含有アルキド樹脂とメラミン系架橋剤の混合物(日立化成(株)の「“テスファイン(登録商標)”303」)を固形分換算で10質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(日立化成(株)の「ドライヤー900」)を固形分換算で0.3質量部
・溶媒;トルエンを17質量部、メチルエチルケトンを6質量部
[実施例6]
下記組成物p6に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);下記合成の長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(住友化学(株)の「スミマール」M-55)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
<長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2の合成>
撹拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、メタクリル酸オクタデシル70質量部、アクリル酸ブチル25質量部、アクリル酸5質量部およびトルエン150質量部を入れ、系内を窒素置換した。これに窒素気流下、2,2-アゾビスイソブチロニトリル0.4質量部を加え、60℃に加熱して24時間重合反応を行い、アクリル系重合体の粘稠溶液を得た。このアクリル系重合体は、メタクリル酸オクタデシルとアクリル酸ブチルとアクリル酸とのランダム共重合体からなり、側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するとともに、官能基としてカルボキシル基を有するものであり、数平均分子量は9.6万であった。
下記組成物p7に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);実施例1で合成された長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1を10質量部
・架橋剤(b);イソシアネート系架橋剤(三井化学(株)の「“タケネート(登録商標)”」D-103H)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例8]
下記組成物p8に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);実施例1で合成された長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1を10質量部
・架橋剤(b);エポキシ系架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル)を2.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例9]
基材フィルムをポリエステルフィルム2に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルムをポリエステルフィルム3に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルムをポリエステルフィルム4に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルムをポリイミドフィルム1に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
ポリエステルフィルム1に離型層を積層せずに、ポリエステルフィルム1をそのまま離型フィルムとして用いた。
下記組成物p9に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
付加反応型の硬化性シリコーン樹脂であるKS847H(信越化学工業(株)製)40質量部、硬化剤であるPL-50T(信越化学工業(株)製)0.4質量部をトルエン500質量部、n-ヘプタン500質量部に混合した。
下記組成物p10に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
メラミン系樹脂であるRP-50((株)三羽研究所製)20質量部、硬化剤である“プラスコート(登録商標)”DEPクリア(和信化学工業(株)製)4質量部をトルエン50質量部、シクロヘキサノン50質量部に混合した。
下記組成物p11に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
・長鎖アルキル基含有化合物(a);実施例6で合成された長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を12.5質量部
・酸触媒(c);p-トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC-700)を固形分換算で1.3質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例21]
ポリエステルフィルム1からなる基材フィルムの一方の面に、組成物(II)として下記組成物p21をグラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線を300mJ/cm2照射し硬化させて離型層を形成して離型フィルムを作製した。離型層の厚みは200nmであった。
長鎖アルキル基含有重合性化合物(α)として下記で合成した長鎖アルキル基含有重合性化合物α1を25質量部、重合性化合物(β)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルサイテック(株)の商品名「DPHA」)を75質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア184)を10質量部仕込み100℃に昇温してから1時間混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。この組成物をトルエンとイソプロピルアルコール(IPA)の混合溶媒(トルエン:IPA=3:1(質量比))で固形分濃度4質量%に調製した。
撹拌機および温度計を装備したフラスコに、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として2-ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒(株)の「BHEA」を100質量部、ポリイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン(株)の「“ミリオネート(登録商標)”MT」)を240質量部、高級アルコールとしてステアリルアルコール(新日本理化(株)の「コノール30SS」)26質量部を仕込み、100℃まで昇温して7時間保温して反応させ、IR測定の結果イソシアネート基が消失したことを確認し、反応を終了させた。
下記の組成物p22に変更する以外は、実施例21と同様にして離型フィルムを作製した。
長鎖アルキル基含有重合性化合物(α)として下記で合成した長鎖アルキル基含有重合性化合物α2を15質量部、重合性化合物(β)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルサイテック(株)の商品名「DPHA」)を85質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア184)を10質量部仕込み100℃に昇温してから1時間混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。この組成物をトルエンとイソプロピルアルコール(IPA)の混合溶媒(トルエン:IPA=3:1(質量比))で固形分濃度4質量%に調製した。
撹拌機および温度計を装備したフラスコに、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として2-ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒(株)の「BHEA」を100質量部、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン(株)の商品名「HDI」)を86質量部、高級アルコールとしてステアリルアルコール(新日本理化(株)の「コノール30SS」)46質量部を仕込み、100℃まで昇温して7時間保温して反応させ、IR測定の結果イソシアネート基が消失したことを確認し、反応を終了させた。
下記の組成物p23に変更する以外は、実施例21と同様にして離型フィルムを作製した。
下記で合成した非重合性長鎖アルキル基含有化合物(分子内にエチレン性不飽和基を含まない化合物)を15質量部、重合性化合物(β)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルサイテック(株)の商品名「DPHA」)を85質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア184)を10質量部仕込み100℃に昇温してから1時間混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。この組成物をトルエンとイソプロピルアルコール(IPA)の混合溶媒(トルエン:IPA=3:1(質量比))で固形分濃度4質量%に調製した。
撹拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、メタクリル酸オクタデシル70質量部、アクリル酸ブチル25質量部、アクリル酸5質量部およびトルエン150質量部を入れ、系内を窒素置換した。これに窒素気流下、2,2-アゾビスイソブチロニトリル0.4質量部を加え、60℃に加熱して24時間重合反応を行い、アクリル系重合体の粘稠溶液を得た。このアクリル系重合体は、メタクリル酸オクタデシルとアクリル酸ブチルとアクリル酸とのランダム共重合体からなり、側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するとともに、官能基としてカルボキシル基を有するものであり、数平均分子量は9.6万であった。
実施例1~12、21~22および比較例1~4、21で作製したそれぞれの離型フィルムの離型層上に、以下のようにしてエポキシ樹脂含有層を積層して、それぞれの転写フィルムを得た。
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート828EL」)100質量部、熱可塑性樹脂としてカルボキシ化NBR(日本ゼオン社製、商品名「“ニポール(登録商標)”1072」)を50質量部、硬化剤として4,4′-ジアミノジフェニルスルホン30質量部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解分散させて、固形分濃度が30質量%となるように調製した。
それぞれの離型フィルムの離型層上に、上記組成物を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、150℃、20分間乾燥し、エポキシ樹脂含有層を形成して転写フィルムを作製した。
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の離型フィルムおよび転写フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- エポキシ樹脂含有層が積層された転写フィルムに用いられる離型フィルムであって、基材フィルム上に、下記の組成物(II)からなる離型層を備えたエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
組成物(II);炭素数8以上のアルキル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物(α)および2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物(β)を含有し、
前記炭素数8以上のアルキル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物(α)が、
下記の(メタ)アクリロイル基と水酸基とを分子中にそれぞれ1個以上有する(メタ)アクリレート化合物と、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、炭素数が8~30の高級アルコールとを反応させて得られる化合物である、
組成物。
(メタ)アクリロイル基と水酸基とを分子中にそれぞれ1個以上有する(メタ)アクリレート化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び分子中に2~30個のアルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である化合物。 - 基材フィルムがポリエステルフィルムである、請求項1に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルム。
- 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム用離型フィルムの離型層上にエポキシ樹脂含有層が積層されてなる、エポキシ樹脂含有層転写フィルム。
- 前記エポキシ樹脂含有層が熱硬化性樹脂層である、請求項3に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム。
- 前記熱硬化性樹脂層が熱硬化性接着剤層である、請求項4に記載のエポキシ樹脂含有層転写フィルム。
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