JP6996946B2 - 均一系塗布液及びその製造方法、並びに塗布膜及びその形成方法 - Google Patents

均一系塗布液及びその製造方法、並びに塗布膜及びその形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、均一系塗布液及びその製造方法、並びに塗布膜及びその形成方法に関する。
近年、環境への配慮から太陽電池への関心が高まっており、中でも光電変換効率が高い薄膜太陽電池であるカルコパイライト系太陽電池やインジウム等のレアメタルを他の環境に優しい金属に置き換えたケステライト系太陽電池には特に注目が集まっており、現在、研究開発が活発に行われている。
カルコパイライト系太陽電池は、カルコパイライト系(黄銅鉱系)材料からなる光吸収層を、基板上に成膜して形成される太陽電池である。カルコパイライト系材料の代表的な元素は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)及び硫黄(S)等であり、光吸収層の代表的なものとして、Cu(In,Ga)SeやCu(In,Ga)(Se,S)等があり、それぞれCIGS、CIGSSe等と略称されている。また、最近ではレアメタルであるインジウムを置き換えた、例えば銅(Cu)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、セレン(Se)及び硫黄(S)からなるケステライト系太陽電池が検討されており、光吸収層の代表的なものとして、CuZnSnSe、CuZnSnS、CuZnSn(S,Se)等がある。
図1は、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池は、基板2上に第1の電極3(裏面電極)、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i-ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
第1の電極3と第2の電極7には、それぞれ端子が接合されており、端子には、配線が接続されている。このようなカルコパイライト系又はケステライト系太陽電池1は、矢印Aの向きに入射された光が、CIGS又はCZTS層4で吸収されることにより、起電力が生じ、矢印Bの向きに電流が流れる。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
CIGS又はCZTS層4を成膜する方法としては、真空法や塗布法等の方法が知られている。もっとも、真空法を用いた場合は、装置のスケールアップにつながることから、歩留まりが悪いので、比較的安価に製造することが可能な塗布法の適用が鋭意研究されている。
塗布法は、一般に、CIGS層の場合にはCu,In,Ga,Se,及びS等の元素を特定の溶媒に溶解させて塗布液を調製し、この塗布液をスピンコーティング法、デッピング法やスリットキャスト法等を用いて基板上に塗布し、焼成してCIGS層を形成する。
特許文献1には、ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を調製し、溶解促進剤を含む溶媒に該ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を溶解して塗布液を得る方法が開示されている。
特許文献1には、第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒及びルイス酸を含有する均一系塗布液が記載されている。
国際公開第2016/068155号
しかしながら、塗布液の調製において、ガリウムを塗布液中に溶解するのに時間がかかり、全反応に約1週間を要していたという問題があった。また、ガリウムの溶解性が低いため、高ガリウム濃度の塗布液を調製することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、調製時間及び第13族元素の組成比幅の広さの観点で有利な均一系塗布液及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を含有することを特徴とする均一系塗布液。
(2)前記複合水酸化物が、少なくとも2種類の第13属元素を含む酸溶液の中和物、少なくとも2種類の第13族元素含有化合物を含む酸溶液の中和物、又は第13族元素及び第13族元素含有化合物の混合物を含む酸溶液の中和物である、前記(1)に記載の均一系塗布液。
(3)下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記(1)又は(2)に記載の均一系塗布液。
Figure 0006996946000001
[式中、0<w≦1、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦2、Aは少なくとも1種の16族元素である。]
(4)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒及びアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
(5)前記ルイス酸がオニウム塩、メルカプト基含有有機化合物及びヒドロセレノ基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
(6)前記第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が、S、Se、Te、硫黄化合物、セレン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
(7)更にLi、Na、K、Rb、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
(8)前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の均一系塗布液を含有する塗布膜。
(9)太陽電池用光吸収層、光センサー用光吸収層又は光触媒である前記(8)に記載の塗布膜。
(10)前記太陽電池用光吸収層がカルコパイライト相を有する前記(9)に記載の塗布膜。
(11)第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法。
(12)前記複合水酸化物が、少なくとも2種類の第13属元素を含む酸溶液の中和物、少なくとも2種類の第13族元素含有化合物を含む酸溶液の中和物、又は第13族元素及び第13族元素含有化合物の混合物を含む酸溶液の中和物である、前記(11)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(13)前記均一系塗布液が下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記(11)又は(12)に記載の均一系塗布液の製造方法。
Figure 0006996946000002
[式中、0<w≦1、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦2、Aは少なくとも1種の16族元素である。]
(14)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒及びアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(11)~(13)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(15)前記ルイス酸がオニウム塩、メルカプト基含有有機化合物及びヒドロセレノ基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(11)~(14)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(16)前記第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が、S、Se、Te、硫黄化合物、セレン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(11)~(15)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(17)更にLi、Na、K、Rb、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を混合することを含む、前記(11)~(16)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(18)第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を混合して均一系塗布液を得る工程と、前記均一系塗布液を基材に塗布する工程と、を含む、塗布膜の形成方法。
(19)前記塗布膜が太陽電池用光吸収層、光センサー用光吸収層又は光触媒である前記(18)に記載の塗布膜の形成方法。
(20)前記太陽電池用光吸収層がカルコパイライト相を有する前記(19)に記載の塗布膜の形成方法。
本発明によれば、調製時間及び第13族元素の組成比幅の広さの観点で有利な均一系塗布液及びその製造方法を提供することができる。
図1は、カルコパイライト系またはケステライト系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
[均一系塗布液およびその製造方法]
以下、本実施形態の均一系塗布液およびその製造方法について説明する。
本実施形態の均一系塗布液は、第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物(以下、まとめて「(IB)成分」という場合がある。)、少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物(以下、「(IIIA)成分」という場合がある。)、第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物(以下、「(VIA)成分」という場合がある。)、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を含有する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「均一系塗布液」とは、溶質((IB)成分、(IIIA)成分、(VIA)成分、ルイス酸、第16元素及び任意成分)が溶媒(ルイス塩基溶媒及び任意の溶媒)の全体に亘って均一に溶解している溶液であり、溶媒中に金属粒子及び/又は金属化合物粒子等が分散した分散系溶液は包含しないものとする。
<(IB)成分>
本実施形態において、(IB)成分は、第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物である。
第11族金属としては、Cu元素及びAg元素等が挙げられる。なかでも、Cu元素が好ましい。
第11族金属化合物としては、Cu(OH)、CuS、CuS、CuSe、CuSe、CuTe、CuTe、CuO、CuO、酸化銀、硫化銀及びセレン化銀等が挙げられる。なかでも、Cu(OH)、CuO、CuO及び酸化銀が好ましい。
(IB)成分としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(IIIA)成分>
本実施形態において、(IIIA)成分は、少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物である。
本明細書及び特許請求の範囲において、「少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物」とは、少なくとも2種の第13族元素が酸素原子又は水酸基によって架橋されている化合物を意味する。(IIIA)成分は、下記一般式(c-1)で表すことができる。
Figure 0006996946000003
[式中、Gaはガリウムである。Inはインジウムである。Alはアルミニウムである。Bはホウ素である。0≦k<1であり、0≦l<1であり、0m<1であり、0≦n<1である。ただし、k+l+m+n=1であり、k、l、m、nのうち少なくとも2つが0ではない。]
式(c-1)中、0≦k<1であり、好ましくは0≦k<0.75である。0≦l<1であり、好ましくは0≦l<0.75である。0≦m<1であり、好ましくは0≦m<0.75である。0≦n<1であり、好ましくは0≦n<0.75である。ただし、式(c-1)中、k+l+m+n=1であり、k、l、m、nのうち少なくとも2つが0ではない。
本実施形態において、(IIIA)成分は少なくとも2種類の第13属元素を含む酸溶液の中和物、少なくとも2種類の第13族元素含有化合物を含む酸溶液の中和物、又は第13族元素及び第13族元素含有化合物の混合物を含む酸溶液の中和物であることが好ましい。
(IIIA)成分は、少なくとも2種の第13族元素含有水酸化物又は第13族元素の酸化物を酸溶液と混合し、該酸溶液を中和することにより調製できる。また、(IIIA)成分は、少なくとも2種の第13族元素の塩を溶液中で混合し、該溶液を塩基性にすることによっても調製できる。
第13族元素含有水酸化物としては、水酸化インジウム、オキシ水酸化ガリウム、水酸化アルミニウム及び水酸化ホウ素等が挙げられる。なかでも、水酸化インジウム及びオキシ水酸化ガリウムが好ましい。
第13族元素の酸化物としては、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム及び酸化ホウ素等が挙げられる。なかでも、酸化インジウム、酸化ガリウムが好ましい。
第13族元素の塩としては、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウム、酢酸インジウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、ヨウ化ガリウム、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素等が挙げられる。なかでも、塩化インジウム、硝酸インジウム、塩化ガリウム、硝酸ガリウムが好ましい。
酸溶液は特に限定されず、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。なかでも、塩酸及び硝酸が好ましい。
少なくとも2種の第13族元素を混合した酸溶液は、塩基を添加することに中和できる。塩基としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム、尿素、水酸化カリウム等が挙げられる。なかでも、アンモニア水が好ましい。
少なくとも2種の第13族元素を混合した酸溶液を中和することにより、第13族元素複合酸化物が沈殿物として得られる。得られた沈殿物は、遠心分離、濾過、抽出等により分離できる。分離した沈殿物は、更に公知の方法により洗浄及び/又は乾燥してもよい。
本実施形態において、(IIIA)成分は非晶質であることが好ましい。
(IIIA)成分としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(VIA)成分>
本実施形態において、(VIA)成分は第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物である。
(VIA)成分としては、S、Se、Te、硫黄化合物、セレン化合物等が挙げられる。
硫黄化合物としては、チオ尿素、チオアセトアミド等が挙げられる。
セレン化合物としては、セレノ尿素等が挙げられる。
なかでも、(VIA)成分としては、S及びSeが好ましい。
(VIA)成分としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス塩基溶媒は、(IB)成分、(IIIA)成分、(VIA)成分、ルイス酸及び任意成分を溶解し、電子対を供与する物質であれば特に限定されない。
ルイス塩基溶媒としては、非プロトン性溶媒及びアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
非プロトン性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-メチルイミダゾール及びγ-ブチロラクトンが挙げられる。
アミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1-ブチルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド又はγ-ブチロラクトンが好ましく、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
本実施形態の均一系塗布液を太陽電池用光吸収層の形成に用いる場合、太陽電池のPV特性向上の観点から、アミンを含有しないルイス塩基溶媒を用いてもよい。

ルイス塩基溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、ルイス酸は、電子対を受容しうる物質であれば特に限定されない。
ルイス酸としては、オニウム塩、メルカプト基含有有機化合物及びヒドロセレノ基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、オニウム塩がより好ましい。
オニウム塩としては、アンモニウム塩[(NH]、ホスホニウム塩[(PH]、スルホニウム塩[(HS)]、メタニウム塩[(CH)]、ボロニウム塩[(BH、(BH、(BH、(BH]、ジシラニウム塩[(Si]、ゲルモニウム塩[(GeH]等が挙げられる。中でも、アンモニウム塩が好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム及び、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。中でも、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム又はこれらの組み合わせが好ましい。
メルカプト基含有有機化合物としては、例えばアルキルチオール(エタンチオール、プロパンチオール等)、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、meso-2,3-ジメルカプトこはく酸、tert-ブチルメルカプタン等が挙げられる。なかでも、メルカプトエタノール、チオグリコール酸が好ましい。
ヒドロセレノ基含有有機化合物としては、ベンゼンセレノール、tert-ブチルセレノール等が挙げられる。なかでも、tert-ブチルセレノールが好ましい。
ルイス酸としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<任意成分>
また、本実施形態においては、均一系塗布液は、更にLi、Na、K、Rb、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、まとめて「添加金属」という場合がある。)を含んでいてもよい。添加金属を添加することにより、均一系塗布液から形成された塗布膜の結晶成長を促進することができ、得られる塗布膜の電気的特性等を向上することができる。。
添加金属としては、Na、Sb及びKからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記添加金属は、ルイス塩基溶媒に溶解して金属溶液として添加してもよい。
Na溶液をとしては、セレン化ナトリウム、セレンをDMSOに溶解したもの等が挙げられる。
例えば、本発明の均一系塗布液の製造方法により得られた均一系塗布液をCIGS系太陽電池の光吸収層を形成するのに用いる場合、Naの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1~30原子%が好ましく、0.1~20原子%がより好ましい。また、Sbの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1~10原子%が好ましく、0.1~5.0原子%がより好ましい。
本実施形態の均一系塗布液は、ルイス塩基溶媒以外の溶媒(以下、「任意溶媒」という。)を含有してもよい。任意溶媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)、グリコールエーテル(例えば、メチルジグリコール)等が挙げられる。
任意溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、均一系塗布液に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(以下、「貧溶媒」という場合がある。)を加えてもよい。貧溶媒を加えることにより、均一系塗布液を精製することができ、不純物を取り除くことできる。しかしながら、本実施形態においては、そのような精製工程は必ずし必要ない。精製工程を省くことにより、製造方法全体のプロセスを簡便化できるので、工業的に有利である。
前記貧溶媒としては、前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒であれば特に限定されないが、アセトン、イソプロパノールが好ましい。
前記貧溶媒は、均一系塗布液の調製の際に、前記金属および/または金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素と共に混合してもよいが、均一系塗布液を調製した後に混合することが好ましい。均一系塗布液を調製した後に貧溶媒を混合することにより、目的物である錯体を沈殿させ、未反応S又はSe等の不純物を上清として除去できる。錯体と不純物は、例えば遠心分離、ろ過、抽出等で分離できる。
また、不純物を上清として除去した後に、更に貧溶媒で錯体を洗浄できる。洗浄を複数回行うことにより、より確実に不純物を除去することができる。
貧溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の均一系塗布液は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006996946000004
[式中、0<w≦1、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦2、Aは少なくとも1種の16族元素である。]
前記一般式(1)中、0<w≦1であり、好ましくは0.75<w≦1である。0<x≦1であり、好ましくは0.1<x≦0.5である。0<y≦1である。0<z≦2である。
本実施形態の均一系塗布液は、前記(IB)成分、前記(IIIA)成分、前記(VIA)成分、前記ルイス塩基溶媒、前記ルイス酸並びに任意成分を混合することにより得られる。原料を混合する方法は特に限定されない。例えば、全ての原料を一括に混合してもよいし、一部の原料を混合した後に、残りの原料を添加してもよい。
原料として用いることができる(IB)成分、(IIIA)成分、(VIA)成分、ルイス塩基溶媒及びルイス酸としては、前記均一系塗布液の説明において例示した(IB)成分、(IIIA)成分、(VIA)成分、ルイス塩基溶媒及びルイス酸を挙げることができる。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。
(IB)成分及び(IIIA)成分の量は、成分(IB)中の金属元素に対する、(IIIA)成分中の金属元素の原子比(以下、「[(IB)成分/(IIIA)成分]原子比」という場合がある。)が0.1~1.5となる範囲であることが好ましく、0.1~1.25となる範囲であることがより好ましく、0.2~1となる範囲であることが更に好ましい。
より具体的には、(IB)成分がCuを含み、(IIIA)成分がIn及びGaを含む場合、[Cu/(In+Ga)]原子比が0.3~1.5となる範囲であることが好ましく、[Cu/(In+Ga)]原子比が0.6~1.25となる範囲であることがより好ましく、[Cu/(In+Ga)]原子比が0.8~1となる範囲であることが更に好ましい。
(VIA)成分の量は、(VIA)成分中の金属元素に対する、成分(IB)及び成分(IIIA)中の全金属元素の原子比(以下、「[(VIA)成分/金属]原子比」)が0.8~2となる範囲が好ましく、1~1.8となる範囲がより好ましく、1.2~1.6となる範囲が更に好ましい。
ルイス酸の量は、(IB)成分及び(IIIA)成分の全量1モルに対し、0.5~2モルが好ましく、0.8~1.8モルがより好ましく、0.9~1.2モルが更に好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1~30重量%になるよう調製することが好ましく、5~20重量%がより好ましい。
本実施形態において、原料を混合する方法は特に限定されない。例えば、(IB)成分、(IIIA)成分及び(VIA)成分をルイス塩基溶媒に添加して混合し、次いでルイ酸を添加して混合する方法(i);原料をルイス塩基溶媒に添加し、混合する方法(ii);原料を混合し、ルイス塩基溶媒を添加する方法(iii)等が挙げられる。本実施形態においては、上記方法(i)が好ましい。
本実施形態において、反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性や錯体の安定性の観点から、通常0℃~200℃が好ましく、室温~150℃がより好ましく、室温~75℃が更に好ましい。
本実施形態において、反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、1時間~1週間が好ましく、8時間~3日がより好ましく、12時間~2日が更に好ましい。
上述したように、塗布液の調製において、ガリウムを塗布液中に溶解するのに時間がかかり、全反応に約1週間を要していたという問題があった。これに対し、本実施形態の均一系塗布液は、例えば1時間~2日という短時間で調製することができる。また、本実施形態によれば、高ガリウム濃度(例えば、[Ga/(IIIA)成分)]原子比が0.4超)の均一系塗布液を調製することができる。
(IIIA)成分中、第13族元素は既に酸化されて三価体になっていると推測される。したがって、第13族金属の場合と異なり、(IIIA)成分の溶解に際して酸化還元反応を必要としない。そのため、第13族金属源の溶解が単純化され、速やかに反応が進行する。
また、ガリウム水酸化物(Ga(OH))は、脱水して結晶質のオキシ水酸化ガリウムに変化しやすいことが知られている。このオキシ水酸化物は結晶質のため、ルイス塩基溶媒に溶解することが難しい。これに対し、本実施形態においては、(IIIA)成分(少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物)を用いることにより、ガリウム水酸化物からガリウム酸化物への転化が起こりにくくなる。そのため、広い[Ga/(IIIA)成分)]原子比において、Gaがルイス酸に溶解できる。
[塗布膜及びその製造方法]
以下、本実施形態にかかる塗布膜及びその製造方法について説明する。
本実施形態の塗布膜は、本実施形態の均一系塗布液を用いて形成される。
本実施形態の塗布膜は、本実施形態の均一系塗布液を基体に塗布することにより形成できる。基体への塗布方法としてはスピンコート法、ノンスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。本実施形態においては、量産化の観点から、ノンスピンコート法を用いることが好ましい。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
例えば、スピンコーティング法を用いる場合には、基体をスピンコーターにセットし、均一系塗布液を塗布する。この際の塗布条件は、形成しようとする膜厚に応じて適宜設定すればよく、例えば回転速度は、300~3000rpmで、10~180秒間維持することにより形成することができる。塗布は所望の膜厚が得られるまで、繰り返し行うことができる。
また、ノンスピンコート法を用いる場合は、矩形上の吐出口を有するスリットノズルにより均一系塗布液を塗布する。塗布回数は特に限定されないが、1~10回が好ましく、1~5回がさらに好ましい。
また、ディップ法を用いる場合には、均一系塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に均一系塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
次に、基体上に均一系塗布液を塗布した後は、基体を焼成して塗布膜を形成する。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
この場合、例えば、ホットプレート上に、基体を配置して保持した後、ホットプレートの温度を100~500℃として1~300秒ソフトベークを行い、基体を室温付近まで冷却した後、再び塗布を行う。所望の膜厚が得られた後、ホットプレートまたはオーブン内部を300~700℃に上昇させて1~180分間保持することでアニーリングを行う。
これにより、塗布膜が硬化される。
なお、上記焼成の各温度は、一条件を示したものであり、これに限られるものではない。例えば、ホットプレートの温度は段階的に上げてもよいし、これらの加熱工程はグローブボックス中の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレンをソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させてもよい。しかしながら、本実施形態においては、ルイス酸としてカルコゲン源となりうる化合物を用いることにより、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレン等をソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させなくても、所望の構造を有する塗布膜を形成できる。
本実施形態の塗布膜は、太陽電池用光吸収層、光センサー用光吸収層又は光触媒等、種々の用途において用いることができる。
塗布膜を太陽電池用光吸収層として用いる場合、該光吸収層はカルコパイライト相を有することが好ましい。より好ましくは、該光吸収層は前記一般式(1)で表される化合物を含有する。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[製造例1:複合酸化物粉末1の製造]
水酸化インジウム(In(OH))(高純度化学)2.072gとオキシ水酸化ガリウム(GaOOH)(高純度化学)0.428とgを塩酸15mLで溶解し、イオン交換水を10mL加えた(仕込みのGa/(Ga+In)原子比=0.25)。これに28%アンモニア水を加えて中和し、白色ゲル状の複合混合水酸化物を得た。中和溶液のpHは7.1であった。これを遠心分離機を用いて、イオン交換水で5回洗浄し、2-プロパノールで1回洗浄した後、一晩、真空乾燥した。真空乾燥で得た白色粉末を105℃に加熱したホットプレートで乾燥し、複合混合水酸化物粉末1を2.351gを得た。粉末の一部を塩酸/硝酸に溶解後、ICP-OESでGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表1に示す。
[製造例2:複合酸化物粉末2の製造]
In(OH)を1.769g及びGaOOHを0.729g用い、仕込みのGa/(Ga+In)原子比=0.399に変更した以外は製造例1と同様にして複合水酸化物粉末2を製造した。
得られた複合酸化物粉末2の一部を塩酸と硝酸との混合物に溶解し、ICP-OESでGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表1に示す。
[製造例3:複合酸化物粉末3の製造]
In(OH)を0.875g及びGaOOHを1.625g用い、仕込みのGa/(Ga+In)原子比=0.75に変更した以外は製造例1と同様にして複合水酸化物粉末3を製造した。
得られた複合酸化物粉末3の一部を塩酸と硝酸との混合物に溶解し、ICP-OESでGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006996946000005
表1に示される結果から、製造例1~3においては、複合酸化物のGa/(Ga+In)原子比が、仕込みのGa/(Ga+In)原子比とほぼ同じであった。また、幅広いGa/(Ga+In)原子比にわたってGa-In複合酸化物が製造できることが確認された。
[実施例1:均一系塗布液1の製造]
上で得た複合混合水酸化物粉末0.999g、銅粉末0.412g、硫黄0.545gを計量し、ジメチルスルホキシド(DMSO)10.27gを加えた。これに硫化アンモニウム2.18g、アンモニア水0.67gを加えた後、室温で1日間撹拌した。1日間の撹拌で、原料はすべて溶解した。これに窒素気流を吹き付けて硫化アンモニウム、アンモニアを除去し、均一系塗布液1を得た。
[実施例2~5:均一系塗布液2~5の製造]
原料の量及びCu/(Ga+In)原子比を表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして均一系塗布液2~5を得た。
[ICP-OES測定(1)]
実施例1~5で得られた均一系塗布液1~5のそれぞれについてICP-OES測定し、Cu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006996946000006
表2のに示される結果から、実施例1~5では、均一系塗布液中のCu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比は、仕込みのCu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比とほぼ同じであった。また、幅広いCu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比にわたって均一系塗布液を製造できることが確認された。
[実施例6:均一系塗布液6の製造]
上で得た複合混合水酸化物粉末1を0.6g、銅粉末0.271g、セレン0.4g、硫黄0.198gを計量し、DMSO6.66gを加えた。これに硫化アンモニウム1.46g、アンモニア水0.411gを加えた後、室温で1日間撹拌した。1日間の撹拌で、原料はすべて溶解した。これに窒素気流を吹き付けて硫化アンモニウム、アンモニアを除去し、均一系塗布液6を得た。
[実施例7:均一系塗布液7の製造]
上で得た均一系塗布液6を0.789g、銅粉末0.38g、セレン0.873g及び硫黄0.152gを計量し、DMSO9.18gを加えた。これに硫化アンモニウム2.05、アンモニア水0.577gを加えた後、室温で1日間撹拌した。1日間の撹拌で、原料はすべて溶解した。これに窒素気流を吹き付けて硫化アンモニウム、アンモニアを除去し、均一系塗布液7を得た。
[実施例8:均一系塗布液8の製造]
上で得た複合混合水酸化物粉末1を0.6g、銅粉末0.271g及び二硫化セレン0.559gを計量し、DMSO6.66gを加えた。これに硫化アンモニウム1.46g、アンモニア水0.411gを加えた後、室温で1日間撹拌した。1日間の撹拌で、原料はすべて溶解した。これに窒素気流を吹き付けて硫化アンモニウム、アンモニアを除去し、均一系塗布液8を得た。
[ICP-OES測定(2)]
実施例6~8で得られた均一系塗布液6~8のそれぞれについてICP-OES測定し、Cu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006996946000007
表3のに示される結果から、実施例6~8では、均一系塗布液中のCu/(Ga+In)原子比、Ga/(Ga+In)原子比及びSe/(Cu+Ga+In)原子比は、仕込みのCu/(Ga+In)原子比、Ga/(Ga+In)原子比及びSe/(Cu+Ga+In)原子比とほぼ同じであった。
[製造例4:水酸化ガリウムの合成]
オキシ水酸化ガリウム0.63gを塩酸6.9gで溶解し、これに10gの水を加えた後、アンモニア水6.41gで中和して、白色ゲル状の水酸化ガリウムを得た。これを、遠心分離機を用いて、イオン交換水で4回洗浄し、最後に2-プロパノールで一回洗浄した後、一晩、真空乾燥した。
銅粉末0.272g、水酸化インジウム(高純度化学)0.551g、上記で合成した水酸化ガリウム0.149g、硫黄0.218gを秤量し、これにDMSO7.154g、硫化アンモニウム1.105g、アンモニア0.63gを添加した後、一晩、室温で撹拌し、比較均一系塗布液1を得た。
[ICP-OES測定(3)]
比較例1で得られた比較均一系塗布液1についてICP-OES測定し、Cu/(Ga+In)原子比及びGa/(Ga+In)原子比を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006996946000008
水酸化インジウム、水酸化ガリウムを個別に混合した比較均一系塗布液1では、ガリウムの溶解が不十分で、Ga/(Ga+In)原子比が仕込みのGa/(Ga+In)原子比より、著しく低くなった。
[実施例9:塗布膜の製造方法]
ナトリウム添加剤として、ヨウ化ナトリウム0.02gを4gの均一系塗布液6に加えた。次いで、塗布を容易にするためにプロピレングリコールモノエチルエーテル0.23mLを加えた。得られた溶液をMo蒸着したガラス基板上にスピンコータ―で塗布した。塗布基板を100℃で2分乾燥し、次いで300℃で6分加熱した。上記塗布及び乾燥工程を6回繰り返した。
その後、塗布基板をセレン存在下、585℃で加熱し、塗布膜を得た。
633nmのHe-Neレーザーを用いて、得られた塗布膜のラマンスペクトルを測定した。スペクトル形状、金属-セレン結合のA1モードに由来するピークの位置は、178cm-1で、カルコパイライト構造のCIGSと一致した。
また、レーザー励起533nmにて、時間分解フォトルミネセンスにより塗布膜の光物理特性を評価した。フォトルミネセンスの寿命は10.1nsであった。蛍光スペクトルの1078nmにおいてピークが観測された。
これらの結果から、本願発明を適用した均一系塗布液から形成した塗布膜は、太陽電池用光吸収層として有用であることが確認された。

Claims (20)

  1. 第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、
    少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、
    第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、
    ルイス塩基溶媒、及び
    ルイス酸
    を含有することを特徴とする均一系塗布液。
  2. 前記複合水酸化物が、少なくとも2種類の第13属元素を含む酸溶液の中和物、少なくとも2種類の第13族元素含有化合物を含む酸溶液の中和物、又は第13族元素及び第13族元素含有化合物の混合物を含む酸溶液の中和物である、請求項1に記載の均一系塗布液。
  3. 下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1又は2に記載の均一系塗布液。
    Figure 0006996946000009
    [式中、0<w≦1、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦2、Aは少なくとも1種の16族元素である。]
  4. 前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒及びアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
  5. 前記ルイス酸がオニウム塩、メルカプト基含有有機化合物及びヒドロセレノ基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~4のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
  6. 前記第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が、S、Se、Te、硫黄化合物、セレン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~5のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
  7. 更にLi、Na、K、Rb、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1~6のいずれか一項に記載の均一系塗布液。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の均一系塗布液を硬化してなる塗布膜。
  9. 太陽電池用光吸収層、光センサー用光吸収層又は光触媒である請求項8に記載の塗布膜。
  10. 前記太陽電池用光吸収層がカルコパイライト相を有する請求項9に記載の塗布膜。
  11. 第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、
    少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、
    第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、
    ルイス塩基溶媒、及び
    ルイス酸
    を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法。
  12. 前記複合水酸化物が、少なくとも2種類の第13属元素を含む酸溶液の中和物、少なくとも2種類の第13族元素含有化合物を含む酸溶液の中和物、又は第13族元素及び第13族元素含有化合物の混合物を含む酸溶液の中和物である、請求項11に記載の均一系塗布液の製造方法。
  13. 前記均一系塗布液が下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項11又は12に記載の均一系塗布液の製造方法。
    Figure 0006996946000010
    [式中、0<w≦1、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦2、Aは少なくとも1種の16族元素である。]
  14. 前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒及びアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項11~13のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
  15. 前記ルイス酸がオニウム塩、メルカプト基含有有機化合物及びヒドロセレノ基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項11~14のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
  16. 前記第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が、S、Se、Te、硫黄化合物、セレン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項11~15のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
  17. 更にLi、Na、K、Rb、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を混合することを含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
  18. 第11族金属及び第11族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物、
    少なくとも2種の第13族元素を含む複合水酸化物、
    第16族元素及び第16族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物、
    ルイス塩基溶媒、及び
    ルイス酸
    を混合して均一系塗布液を得る工程と、
    前記均一系塗布液を基材に塗布する工程と、
    を含む、塗布膜の形成方法。
  19. 前記塗布膜が太陽電池用光吸収層、光センサー用光吸収層又は光触媒である請求項18に記載の塗布膜の形成方法。
  20. 前記太陽電池用光吸収層がカルコパイライト相を有する請求項19に記載の塗布膜の形成方法。
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