JP6155264B2 - 光吸収層形成用塗布液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法に関する。
本願は、2012年7月26日に米国に出願された、米国仮出願第61/675976号及び61/675997号に基づき優先権主張し、その内容をここに援用する。
近年、環境への配慮から太陽電池への関心が高まっており、中でも光電変換効率が高い薄膜太陽電池であるカルコパイライト系太陽電池やカルコパイライト系太陽電池に使用されるインジウム等のレアメタルを他の元素に置き換えたCZTS系太陽電池には特に注目が集まっており、現在、研究開発が活発に行われている。
カルコパイライト系太陽電池は、カルコパイライト系(黄銅鉱系)材料からなる光吸収層を、基板上に成膜して形成される太陽電池である。カルコパイライト系材料の代表的な元素は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)及び硫黄(S)等であり、光吸収層の代表的なものとして、Cu(In,Ga)SeやCu(In,Ga)(Se,S)等があり、それぞれCIGS、CIGSS等と略称されている。また、最近ではレアメタルであるインジウムを置き換えた、例えば銅(Cu)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)セレン(Se)及び硫黄(S)からなるCZTS系太陽電池が検討されており、光吸収層の代表的なものとして、CuZnSnSe、CuZnSnS、CuZnSn(S,Se)等がある。
図1は、カルコパイライト系太陽電池又はCZTS系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はCZTS系太陽電池は、基板2上に第1の電極3、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i−ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
第1の電極3と第2の電極7には、それぞれ端子が接合されており、端子には、配線が接続されている。このようなカルコパイライト系又はCZTS系太陽電池1は、矢印Aの向きに入射された光が、CIGS又はCZTS層4で吸収されることにより、起電力が生じ、矢印Bの向きに電流が流れる。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
CIGS又はCZTS層4を成膜する方法としては、スパッタ法や塗布法等の方法が知られている。もっとも、スパッタ法を用いた場合は、装置のスケールアップにつながることから、歩留まりが悪いので、比較的安価に製造することが可能な塗布法の適用が鋭意研究されている。
塗布法は、一般に、CIGS層の場合にはCu,In,Ga,Se,及びS等の元素を特定の溶媒に溶解させて塗布液を調製し、この塗布液をスピンコーティング法やデッピング法等を用いて基板上に塗布し、焼成してCIGS層を形成する。 そして、塗布液を調製する方法としては、溶剤としてヒドラジンを用いる方法と、ヒドラジンを用いない代わりに、溶解促進剤としてアミン類を添加する方法とが知られている(特許文献1及び2参照)。また、CZTS層の場合には、Cu、Zn、Sn、Se、及ぶS等の元素を特定の溶媒に溶解させて塗布液を調製し、この塗布液をスピンコーティング法やデッピング法等を用いて基板上に塗布し、焼成してCZTS層を形成する。(特許文献3参照)。
米国特許第7094651号明細書 米国特許第7517718号明細書 米国公開公報2011−0094557号
しかしながら、塗布液を調製する方法として、塗布溶剤にヒドラジンを用いる方法を採用した場合は、ヒドラジンの有する化学特性(爆発性)の問題から、プロセスの安全性に問題があることが従来から指摘されていた。
また、亜鉛カルコゲン化合物(zinc chalcogenide)、例えばZnSe等がヒドラジンに対する溶解性が低く、高濃度で均一な亜鉛錯体溶液を調整することが困難であった。
また、塗布溶剤にヒドラジンを用いると、塗布液を調製後、2週間程度経過することにより、セレン化銅(CuSe)が析出してしまうため、塗布液の保存期間が短いという問題があった。
このような背景の下、プロセスの安全性が確保され、かつ保存安定性の良好な塗布溶液が要望されていたが、有効適切なものは提供されてこなかったのが実情である。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法(以下、「第一の製造方法」という場合がある。)であって、Zn元素、ZnO及び水酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種と、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコゲン元素含有有機化合物とを混合して均一系溶液(homogeneous solution)を得る混合工程を含むことを特徴とする。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、前記光吸収層形成用塗布液を基体に塗布し、焼成する工程と、を有する太陽電池用光吸収層の製造方法である。
本発明の第三の態様は、基板上に第1の電極を形成する工程と、前記第一の態様に係る光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、前記光吸収層形成用塗布液を前記第1の電極上に塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する太陽電池の製造方法である。
本発明の第四の態様は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法(以下、「第二の製造方法」という場合がある。)であって、Cu元素及びCu金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第11族金属又は第11族金属化合物、Zn元素、ZnO及び水酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の第12金属又は第12金属化合物、ならびにSn金属又はSn金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第14族金属又は第14族金属化合物を含有する金属成分と、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを、前記水における前記金属成分の濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lとなる量で混合して均一系溶液を得る混合工程を含む。
本発明の第五の態様は、前記第四の態様に係る光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、前記光吸収層形成用塗布液を基体に塗布し、焼成する工程と、を有する太陽電池用光吸収層の製造方法である。
本発明の第六の態様は、基板上に第1の電極を形成する工程と、前記第五の態様に係る光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、前記光吸収層形成用塗布液を前記第1の電極上に塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する太陽電池の製造方法である。
本発明の第一の製造方法では、Zn及び/又はZn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物とを混合することにより光吸収層形成用塗布液を生成している。また、本発明の第二の製造方法では、金属及び/又は金属化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合することにより光吸収層形成用塗布液を生成している。従って、本発明では、塗布の際、危険なヒドラジンを使用しなくて済むことから、光吸収層の形成プロセスの安全性を確保することができる。また、本発明の光吸収層形成用塗布液は、カルコゲン元素配位金属錯体が溶剤中に均一に溶解しているため、その保存安定性が向上し、塗布装置の選択自由度が向上した。更に、本発明の製造方法によれば、光吸収層形成用塗布液を高収率で得ることができる。
カルコパイライト系又はCZTS系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
[第一の製造方法]
以下、本発明の第一の製造方法について説明する。
本発明の第一の製造方法は、Zn及びZn化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「Zn及び/又はZn化合物」という。)と、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物、硫黄含有複素環式化合物、ヒドロセレノ基含有有機化合物、セレニド、ポリセレニド、セレノカルボニル基含有有機化合物及びセレン含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコゲン元素含有有機化合物とを混合して均一系溶液を得る混合工程を含む。
Zn及び/又はZn化合物としては、例えばZn元素、ZnO、水酸化亜鉛等から選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、Zn元素及びZnOが好ましく、反応時間の観点から、ZnOが特に好ましい。
Zn及び/又はZn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
メルカプト基含有有機化合物としては、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン等が挙げられる。
スルフィドとしては、例えばジブチルスルフィド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジサルファイド、ジチオジグリコール酸、2,2−ジチオプロピオン酸等が挙げられる。
ポリスルフィドとしては、例えばジヘプチルジスルフィド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジサルファイド、ジチオジグリコール酸、2,2−ジチオプロピオン酸等が挙げられる。
チオカルボニル基含有有機化合物としては、チオ尿素、チオアセトアミド、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、テトラメチルチウラムモノスルフィド、グアニルチオ尿素等が挙げられる。
硫黄含有複素環式化合物としては、チオフェン、2−アミノ−5−メルカプト−1,3−チアジアゾール、ビスムチオール等が挙げられる。
ヒドロセレノ基含有有機化合物としては、ベンゼンセレノール等が挙げられる。
セレニドとしては、フェニルセレニド等が挙げられる。
ポリセレニドとしては、ジフェニルジセレニド等が挙げられる。
セレノカルボニル基含有有機化合物としては、セレノウレア、1,1−ジメチル−2−セレノウレア等が挙げられる。
セレン含有複素環式化合物としては、セレノフェン等が挙げられる。
本発明において、カルコゲン元素含有有機化合物としては、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硫黄含有有機化合物が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
本発明において、カルコゲン元素含有有機化合物は水溶性であることが好ましい。水溶性のカルコゲン元素含有有機化合物を用いることにより、Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを混合する際に溶媒として水を用いることが出来るので、プロセスの安全性がより高まる。
水溶性のカルコゲン元素含有有機化合物としては、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸、チオ尿素、チオアセトアミド等が挙げられる。これらの中でも、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールが特に好ましい。
本発明において、カルコゲン元素含有有機化合物は、室温(23℃)の水100gに対して1g以上溶解する化合物であることが好ましく、5g以上溶解する化合物であることがより好ましく、10g以上溶解する化合物であることが特に好ましい。
23℃の水100gに対して1g以上溶解するカルコゲン元素含有有機化合物としては、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸、チオ尿素、チオアセトアミド等が挙げられる。中でも、メルカプトエタノール及びチオグリセロールが特に好ましい。
本発明において、カルコゲン元素含有有機化合物は、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するカルコゲン元素含有有機化合物であることが好ましい。
少なくとも1つのヒドロキシ基を有するカルコゲン元素含有有機化合物としては、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸等が挙げられる。これらの中でも、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸及びチオリンゴ酸が好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールが特に好ましい。
本発明において、カルコゲン元素含有有機化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、使用するZn及び/又はZn化合物の種類によって適宜選択することができる。例えば、Zn及び/又はZn化合物1モルに対し1〜10モルが好ましく、2.5〜5モルが好ましい。特に、Zn及び/又はZn化合物としてZn元素を用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Zn1モルに対し、2.5〜5モルが好ましく、2.5モル〜3モルがより好ましい。また、例えば、Zn及び/又はZn化合物としてZnOを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、1.5〜5モルが好ましく、1.5〜2モルがより好ましい。また、例えば、Zn及び/又はZn化合物として水酸化亜鉛を用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、1.5〜5モルが好ましく、1.5〜2モルがより好ましい。
Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、非プロトン性極性溶媒及び/又は水が好ましく、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせがより好ましい。
溶媒の量は、混合した際にZn前駆体中のZn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
本発明の第一の製造方法においては、Zn及び/又はZn化合物ならびにカルコゲン元素含有有機化合物に加えて、塩基性物質を混合することが好ましい。塩基性物質を混合することにより、反応が促進され、高濃度のZnが均一に溶解したZn前駆体を得ることができる。
塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、若しくはアミンまたはそれらの塩が好ましい。前記アミンとしては、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン;エチレンジアミン等のジアミン;ジエチレントリラミン等のトリラミン;トリエチレンテトラミン等のテトラミン等が挙げられる。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
これらの中でも、塩基性物質としては、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
塩基性物質としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性物質の量は、Zn及び/又はZn化合物1モルに対し、Zn1モルに対し、1モル〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。Zn及び/又はZn化合物としてZn元素を用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。また、Zn及び/又はZn化合物としてZnOを用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、2〜5モルが特に好ましい。また、Zn及び/又はZn化合物として水酸化亜鉛を用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、2〜5モルが特に好ましい。
本発明のZn前駆体の製造方法において、反応温度は使用するZn及び/又はZn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やZn錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、本発明のZn前駆体の製造方法において、反応時間は使用するZn及び/又はZn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常5分〜1週間が好ましく、5分〜5日がより好ましく、5分〜2日が更に好ましい。
本発明の第一の製造方法の混合工程において、更にCuおよびCu化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、SnおよびSn化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することが好ましい。
Cu及び/又はCu化合物としては、例えばCu元素、Cu(OH)、CuS、CuO、CuO等が挙げられる。これらの中でも、コスト面(原材料、製造コスト)及び反応時間の観点から、CuS、CuO、CuOが好ましく、CuO、CuOが特に好ましい。
Cu及び/又はCu化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Sn及び/又はSn化合物としては、例えばSn元素、SnS、SnO等が挙げられる。これらの中でも、Sn元素及びSnSが好ましく、Sn元素が特に好ましい。
Sn及び/又はSn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第一の製造方法において、Cu及び/又はCu化合物と、Zn及び/又はZn化合物と、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu及び/又はCu化合物としてCu前駆体と、Zn及び/又はZn化合物としてZn前駆体と、Sn及び/又はSn化合物としてSn前駆体とをそれぞれ調製し、得られたCu前駆体と、Sn前駆体と、Zn前駆体と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合する方法(以下、「調製方法(I)」という。)や、Cu及び/又はCu化合物と、Zn及び/又はZn化合物と、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、その他所望の成分の各原料を一括に混合する方法(以下、「調製方法(II)」という。)等が挙げられる。
<調製方法(I)>
(Cu前駆体)
Cu前駆体は、例えばCu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合することにより得られる。
Cu及び/又はCu化合物、カルコゲン元素含有有機化合物ならびに塩基性物質としては、第一の製造方法の説明において例示した前記Cu及び/又はCu化合物、前記カルコゲン元素含有有機化合物ならびに前記塩基性物質を用いることができる。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、使用するCu及び/又はCu化合物の種類によって適宜選択することができる。例えば、Cu及び/又はCu化合物1モルに対し、1〜10モルが好ましく、2〜5モルが好ましい。特にCu及び/又はCu化合物としてCuOを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Cu1モルに対し、2.5〜5モルが好ましく、2.5〜3モルがより好ましい。また、Cu及び/又はCu化合物としてCuSを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Cu1モルに対し、3.5〜5モルが好ましく、3.5〜4モルがより好ましい。また、Cu及び/又はCu化合物としてCuOを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Cu1モルに対し、2.5〜5モルが好ましく、2.5〜3モルがより好ましい。
また、塩基性物質の量は、Cu1モルに対し、1〜10モルが好ましい。
Cu及び/又はCu化合物として、CuSを用いる場合、Cu1モルに対して塩基性物質の量は5〜10モルが好ましく、5〜7モルが特に好ましい。Cu及び/又はCu化合物としてCuOを用いる場合、Cu1モルに対して塩基性物質1〜10モルが好ましく、2〜5が特に好ましい。
Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、混合した際にCu濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Cu前駆体の調製における反応温度は、使用するCu及び/又はCu化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やCu錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、Cu前駆体の調製における反応時間は、使用するCu及び/又はCu化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分〜2日がより好ましく、1時間〜1日が更に好ましい。
(Zn前駆体)
Zn前駆体は、例えばZn及び/又はZn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物とを混合することにより得られる。
Zn及び/又はZn化合物ならびにカルコゲン元素含有有機化合物としては、第一の製造方法の説明において例示した前記Zn及び/又はZn化合物ならびに前記カルコゲン元素含有有機化合物を用いることができる。
Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Zn及び/又はZn化合物とカルコゲン元素含有有機化合物とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、混合した際にZn前駆体中のZn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Zn前駆体の調製においては、Zn及び/又はZn化合物ならびにカルコゲン元素含有有機化合物に加えて、塩基性物質を混合することが好ましい。塩基性物質を混合することにより、反応が促進され、高濃度のZnが溶解したZn前駆体を得ることができる。
塩基性物質としては、第一の製造方法の説明において例示した前記塩基性物質を用いることができる。
塩基性物質の量は、Zn及び/又はZn化合物1モルに対し、Zn1モルに対し、1モル〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。Zn及び/又はZn化合物としてZn元素を用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。また、Zn及び/又はZn化合物としてZnOを用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、2〜5モルが特に好ましい。また、Zn及び/又はZn化合物として水酸化亜鉛を用いる場合、塩基性物質の量は1モル〜10モルが好ましく、2〜5モルが特に好ましい。
Zn前駆体の調製において、反応温度は使用するZn及び/又はZn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やZn錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、Zn前駆体の調製において、反応時間は使用するZn及び/又はZn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常5分〜1週間が好ましく、5分〜5日がより好ましく、5分〜2日が更に好ましい。
(Sn前駆体)
Sn前駆体は、例えばSn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合することにより得られる。
Sn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物ならびに塩基性物質としては、第一の製造方法の説明において例示した前記Sn及び/又はSn化合物、前記カルコゲン元素含有有機化合物ならびに前記塩基性物質を用いることができる。
Sn及び/又はSn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、使用するSn及び/又はSn化合物の種類によって適宜選択することができる。例えば、Sn及び/又はSn化合物1モルに対し、1〜5モルが好ましい。特にSn及び/又はSn化合物としてSn元素を用いる場合、Sn1モルに対し、1.5〜5モルが好ましく、1.5〜2モルがより好ましい。
また、塩基性物質の量は、Sn1モルに対し、1〜5モルが好ましく、1〜2がより好ましい。
また、硫黄の量は、Sn1モルに対し、1〜5モルが好ましい。
Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、混合した際にSn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Sn前駆体の調製における反応温度は、使用するSn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やCu錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、Sn前駆体の調製における反応時間は、使用するSn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分日〜5日がより好ましく、1時間〜3日が更に好ましい。
上記のように得られたCu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Cu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、Cu、Zn、Sn各金属の合計量または、400℃以上で加熱した際に残る固形分濃度が3%以上になる量が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上が特に好ましい。
<調製方法(II)>
調製方法(II)におけるCu及び/又はCu化合物、Zn及び/又はZn化合物、Sn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物ならびに塩基性物質としては、それぞれ第一の製造方法の説明において例示した前記Cu及び/又はCu化合物、前記Sn及び/又はSn化合物、前記Zn及び/又はZn化合物、前記カルコゲン元素含有有機化合物ならびに前記塩基性物質と同様のものが挙げられる。
Cu及び/又はCu化合物としては、CuS、CuO、CuOが好ましい。Cu及び/又はCu化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Zn及び/又はZn化合物としては、Zn元素及びZnOが好ましい。Zn成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Sn及び/又はSn化合物としては、Sn元素が好ましい。Sn成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Cu成分と、Zn成分と、Sn成分との組み合わせとしては特に限定されないが、CuSと、Zn元素と、Sn元素との組み合わせ、CuOと、Zn元素と、Sn元素との組み合わせ、CuSと、ZnOと、Sn元素との組み合わせ、及びCuOと、ZnOと、Sn元素との組み合わせが特に好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、カルコゲン元素を含有する有機化合物であれば特に限定されず、本発明のZn前駆体の製造方法におけるカルコゲン元素含有有機化合物として例示したものを用いることができる。中でも、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
塩基性物質としては特に限定されず、本発明のZn前駆体の製造方法における塩基性物質として例示したものを用いることができる。中でも、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。例えば、各金属のモル比で、Cu/(Zn+Sn)=0.5〜1.0、Zn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6、Sn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6の範囲となるように調製することが好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、金属に対して2〜50当量が好ましく、好ましくは2〜25当量がより好ましい。
塩基性物質の量は、各原料の種類によって適宜調整することができるが、Cu、Zn、Sn各金属の合計量1モルに対し、5〜500モルであることが好ましく、5〜300モルであることがさらに好ましく、5〜20モルであることが最も好ましい。
調製方法(II)において、各原料を混合する方法は特に限定されないが、例えば各原料を溶媒に添加した後に撹拌する方法や、各原料を混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、混合した際にZn前駆体中のZn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
調製方法(II)における反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性やZn錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
調製方法(II)における反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分〜3日がより好ましく、1時間〜3日が更に好ましい。
本発明の第一の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、塗布溶剤としてヒドラジンが含まれていないので、光吸収層を形成する際に、ヒドラジンの化学特性(爆発性)が問題とならなくなり、製造プロセスの安全性が向上する。
また、本発明の第一の製造方法によれば、Znの溶解性が高いので、Zn前駆体を高収率で得ることができる。
また、本発明の第一の製造方法によれば、金属塩ではなく、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物等からZn前駆体を調製できるので、CZTS層を製膜する際に妨害成分になる可能性のある塩素イオン、硫酸イオンなどの金属塩中のアニオン成分が塗布液中に残存することがない。そのため、本発明の第一の製造方法により得られたZn前駆体は、特にCZTS層形成用塗布液のZn成分として極めて有用である。
[CZTS層形成用塗布液]
以下、本発明の第一製造方法により得られたZn前駆体を用いたCZTS層形成用塗布液の一例について説明する。
CZTS系太陽電池の光吸収層の形成に用いられるCZTS層形成用塗布液は、Cu成分と、Sn成分と、Zn成分とを混合することにより得られる。
Cu成分と、Zn成分と、Sn成分とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu成分としてCu前駆体と、Zn成分として本発明の製造方法により得られるZn前駆体と、Sn成分としてSn前駆体とをそれぞれ調製し、得られたCu前駆体と、Sn前駆体と、Zn前駆体とを混合する方法(以下、「第一の調製方法」という。)や、Cu成分、Sn成分、Zn成分、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、その他所望の成分の各原料を一括に混合する方法(以下、「第二の調製方法」という。)等が挙げられる。
<第一の調製方法>
(Cu前駆体)
本発明において、Cu前駆体の調製方法は特に限定されないが、例えば以下のCu前駆体調製方法(1)又はCu前駆体調製方法(2)により調製することができる。
(Cu前駆体調製方法(1))
Cu前駆体調製方法(1)では、金属Cuとカルコゲンをヒドラジンが添加されたジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、得られた溶液に貧溶媒を加えて、再結晶させることにより、Cu前駆体としてヒドラジン配位Cuカルコゲニド錯体成分得られる。
具体的には、金属Cuとカルコゲンを、ヒドラジンの存在下ジメチルスルホキシド中で反応させ、室温で、3〜7日程度撹拌する。その後、得られた溶液について、窒素流通下でヒドラジンを除去し、ろ過する。そして、ろ液に貧溶媒を加えて、再結晶させることで、黒色のヒドラジン配位Cuカルコゲニド錯体を得ることができる。
また、ヒドラジン配位Cuカルコゲニド錯体成分は、金属Cuとカルコゲンとをヒドラジン存在下、ジメチルスルホキシド中で反応させ、濃縮およびろ過することでも得られる。
具体的には、金属Cuと2〜4当量のSeとジメチルスルホキシド中にて金属Cuに対し2当量のヒドラジン存在下、室温で3日〜1週間撹拌した後、減圧条件下にて残留ヒドラジンを除去し、さらに濃縮を行い、その後に得た濃縮液をろ過することでもヒドラジン配位Cu−Se錯体/ジメチルスルホキシド溶液を調製することができる。
カルコゲンとしては、SeやSを用いることができ、Seを用いるのが好ましい。また、Cuとしては、金属Cuだけでなく、例えばセレン化銅(CuSe)を用いても構わない。貧溶媒としては、アルコール系溶媒を用いるのが好ましく、イソプロパノール(IPA)を用いることがより好ましい。
また、ヒドラジンは、無水ヒドラジンであっても構わないが、ヒドラジン一水和物または水を含有させたヒドラジン(以下、「含水ヒドラジン」という。)を用いる方が好ましい。無水ヒドラジンは、セレンと激しく反応するが、ヒドラジン一水和物または含水ヒドラジンは、セレンと緩やかに反応するので、合成上の取扱が容易となる。含水ヒドラジンにおける水の含有量は63質量%以上であることが望ましい。
Cuとカルコゲンの量は、1molのCuに対して、カルコゲンを2〜4mol程度用いるのが好ましい。また、これらに対して、ヒドラジンが2mol程度添加されたジメチルスルホキシドを用いて、溶解させるのが好ましい。
以上のようなヒドラジン配位Cuカルコゲニド錯体の生成を化学式に示すと、下記式(1)の通りとなる。
Figure 0006155264
(Cu前駆体調製方法(2))
Cu前駆体調製方法(2)では、例えばCu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合することによりCu前駆体を得ることができる。
Cu及び/又はCu化合物としては、例えばCu元素、Cu(OH)、CuS、CuO、CuO等が挙げられる。これらの中でも、コスト面(原材料、製造コスト)及び反応時間の観点から、CuS、CuO、CuOが好ましく、CuO、CuOが特に好ましい。
Cu及び/又はCu化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、カルコゲン元素を含有する有機化合物であれば特に限定されず、本発明の第一の製造方法におけるカルコゲン元素含有有機化合物として例示したものを用いることができる。中でも、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性物質としては特に限定されず、本発明の第一の製造方法における塩基性物質として例示したものを用いることができる。中でも、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
塩基性物質としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、使用するCu及び/又はCu化合物の種類によって適宜選択することができる。例えば、Cu及び/又はCu化合物1モルに対し、1〜10モルが好ましく、2〜5モルが好ましい。特にCu及び/又はCu化合物としてCuOを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Cu1モルに対し、2.5〜5モルが好ましく、2.5〜3モルがより好ましい。また、Cu及び/又はCu化合物としてCuSを用いる場合、カルコゲン元素含有有機化合物の量は、Cu1モルに対し、3.5〜5モルが好ましく、3.5〜4モルがより好ましい。
また、塩基性物質の量は、Cu1モルに対し、1〜10モルが好ましい。
Cu及び/又はCu化合物として、CuSを用いる場合、Cu1モルに対して塩基性物質の量は5〜10モルが好ましく、5〜7モルが特に好ましい。Cu及び/又はCu化合物としてCuOを用いる場合、Cu1モルに対して塩基性物質1〜10モルが好ましく、2〜5が特に好ましい。
Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Cu及び/又はCu化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、混合した際にCu濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Cu前駆体の調製における反応温度は、使用するCu及び/又はCu化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やCu錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、Cu前駆体の調製における反応時間は、使用するCu及び/又はCu化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分〜2日がより好ましく、1時間〜1日が更に好ましい。
(Zn前駆体)
Zn前駆体は、上記の本発明の第一の製造方法により得られる。
(Sn前駆体)
本発明において、Sn前駆体の調製方法は特に限定されないが、例えば以下のSn前駆体調製方法(1)又はSn前駆体調製方法(2)により調製することができる。
(Sn前駆体調製方法(1))
Sn前駆体調製方法(1)では、例えば金属Snとカルコゲンを、ヒドラジンに添加して粗生成物を得た後に、粗生成物をジメチルスルホキシドにて抽出し、得られた溶液に貧溶媒を加えて、再沈殿させることにより、Sn前駆体としてヒドラジン配位Snカルコゲニド錯体を得ることができる。
具体的には、金属Snとカルコゲンをヒドラジンに添加し、室温で1日〜3日程度撹拌する。その後、得られた溶液を窒素流通下でヒドラジンを除去し、粗生成物を得る。そして、得られた粗生成物をジメチルスルホキシドにて抽出する。
次に、粗生成物を抽出した抽出液を、例えば0.2μmPTFEフィルタでろ過し、その後、濃縮する。そして、濃縮液に貧溶媒を加えて再沈殿させ、上澄み液を除去し、沈殿物をIPAなどで洗浄して、乾燥することで黄褐色のヒドラジン配位Snカルコゲニド錯体を得ることができる。
また、ヒドラジン配位Snカルコゲニド錯体は、以下の方法により調製することもできる。金属Snを3当量のSeをヒドラジン中(5ml)、室温で1日〜3日間撹拌した後、IPAを加え撹拌すると黄色生成物が沈殿するため上澄み液を除去し、IPAにて沈殿物を洗浄、乾燥することで、粗生成物を得ることができる。
次いで、粗生成物からジメチルスルホキシドにて生成物を抽出(80゜C,1hr)、濃縮し、その後に得た濃縮液をろ過することでもヒドラジン配位Sn−Se錯体/ジメチルスルホキシド溶液を調整することができる。
以上のようなヒドラジン配位Snカルコゲニド錯体の生成を化学式に示すと、下記式(2)の通りとなる。
Figure 0006155264

カルコゲンとしては、SeやSを用いることができ、Seを用いるのが好ましい。また、Snとしては、金属Snだけでなく、例えばセレン化Sn(SnSe,SnSe)を用いても構わない。また、貧溶媒としては、アルコール系溶媒を用いるのが好ましく、IPAを用いることがより好ましい。また、ヒドラジンは、無水ヒドラジンであっても構わないが、ヒドラジン一水和物または含水ヒドラジンを用いる方が好ましい。Snとカルコゲンの量の比は、1molのSnに対して、カルコゲンを3mol程度用いるのが好ましい。
(Sn前駆体調製方法(2))
Sn前駆体調製方法(2)では、例えばSn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合することによりSn前駆体を得ることができる。
Sn及び/又はSn化合物としては、例えばSn元素、SnS、SnO等が挙げられる。これらの中でも、Sn元素及びSnSが好ましく、Sn元素が特に好ましい。
Sn及び/又はSn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、カルコゲン元素を含有する有機化合物であれば特に限定されず、本発明の第一の製造方法におけるカルコゲン元素含有有機化合物として例示したものを用いることができる。中でも、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性物質としては特に限定されず、本発明の第一の製造方法における塩基性物質として例示したものを用いることができる。中でも、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
塩基性物質としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、使用するSn及び/又はSn化合物の種類によって適宜選択することができる。例えば、Sn及び/又はSn化合物1モルに対し、1〜5モルが好ましい。特にSn及び/又はSn化合物としてSn元素を用いる場合、Sn1モルに対し、1.5〜5モルが好ましく、1.5〜2モルがより好ましい。
また、塩基性物質の量は、Sn1モルに対し、1〜5モルが好ましく、1〜2がより好ましい。
また、硫黄の量は、Sn1モルに対し、1〜5モルが好ましい。
Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Sn及び/又はSn化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、塩基性物質と、硫黄とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、混合した際にSn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Sn前駆体の調製における反応温度は、使用するSn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類によっても異なるが、安全性やCu錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
また、Sn前駆体の調製における反応時間は、使用するSn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、溶媒等の種類、撹拌時間によっても異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分日〜5日がより好ましく、1時間〜3日が更に好ましい。
上記のように得られたCu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Cu前駆体と、Zn前駆体と、Sn前駆体とを混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、Cu、Zn、Sn各金属の合計量または、400℃以上で加熱した際に残る固形分濃度が3%以上になる量が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上が特に好ましい。
<第二の調整方法>
第二の調整方法におけるCu成分、Sn成分、カルコゲン元素含有有機化合物及び塩基性物質としては、それぞれ前記第一の調整方法の説明において例示したCu及び/又はCu化合物、Sn及び/又はSn化合物、カルコゲン元素含有有機化合物及び塩基性物質と同様のものが挙げられる。また、Zn成分としては、本発明のZn前駆体の製造方法の説明において例示したZn及び/Zn化合物と同様のものが挙げられる。
Cu成分としては、CuS、CuO、CuOが好ましい。Cu成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Zn成分としては、Zn元素及びZnOが好ましい。Zn成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Sn成分としては、Sn元素が好ましい。Sn成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Cu成分と、Zn成分と、Sn成分との組み合わせとしては特に限定されないが、CuSと、Zn元素と、Sn元素との組み合わせ、CuOと、Zn元素と、Sn元素との組み合わせ、CuSと、ZnOと、Sn元素との組み合わせ、及びCuOと、ZnOと、Sn元素との組み合わせが特に好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物としては、カルコゲン元素を含有する有機化合物であれば特に限定されず、本発明の第一の製造方法におけるカルコゲン元素含有有機化合物として例示したものを用いることができる。中でも、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
塩基性物質としては特に限定されず、本発明のZn前駆体の製造方法における塩基性物質として例示したものを用いることができる。中でも、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。例えば、各金属のモル比で、Cu/(Zn+Sn)=0.5〜1.0、Zn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6、Sn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6の範囲となるように調製することが好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、金属に対して2〜50当量が好ましく、好ましくは2〜25当量がより好ましい。
塩基性物質の量は、各原料の種類によって適宜調整することができるが、Cu、Zn、Sn各金属の合計量1モルに対し、5〜500モルであることが好ましく、5〜300モルであることがさらに好ましく、5〜20モルであることが最も好ましい。
第二の調整方法において、各原料を混合する方法は特に限定されないが、例えば各原料を溶媒に添加した後に撹拌する方法や、各原料を混合した後に溶媒を添加する方法等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性の極性溶剤;水;エタノール、メチルジグリコール(MDG)等の水溶性の高いアルコールまたはグリコールエーテル等が挙げられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、又はジメチルスルホキシドと水との組み合わせが好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、混合した際にZn前駆体中のZn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
第二の調整方法における反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性やZn錯体の安定性の観点から、通常室温(23℃)〜200℃が好ましく、室温(23℃)〜130℃がより好ましく、室温(23℃)〜80℃が更に好ましい。
第二の調整方法における反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、通常10分〜1週間が好ましく、30分〜3日がより好ましく、1時間〜3日が更に好ましい。
第一の調製方法又は第二の調製方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、直接光吸収層形成に用いることができるが、減圧蒸留により濃縮して濃縮液とすることが好ましい。光吸収層形成用塗布液を濃縮することにより、塩基性物質、溶媒、水、未反応カルコゲン元素含有有機化合物等を除去することができる。
更に、上記濃縮液を溶媒に溶解して希釈することにより、均一な光吸収層形成用塗布液を得ることができる。前記溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド等があげられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも水及びジメチルスルホキシドが好ましい。
また、本発明の第一の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、Naを添加することも好ましい。Naを添加することにより、光吸収層の結晶成長を促進することができる。
Naの添加量は、CZTSの金属モル量に対して0.1〜5atm%が好ましく、0.3〜2atm%が更に好ましい。
[第二の製造方法]
本発明の第二の製造方法は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法であって、金属および金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合して均一系溶液を得る混合工程を含む。
金属及び/又は金属化合物としては、半導体に用いられるものであれば特に限定されない。
前記金属としては、例えば第8〜10族金属、第11族金属、第12族金属、第13族金属および第14族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記金属化合物としては、例えば第8〜10族金属化合物、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、および第14族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記第8〜10族金属としては、例えばFe元素、Co元素、Ni元素が挙げられる。
前記第11族金属としては、例えば、Cu元素、およびAg元素等が挙げられる。これらの中でも、Cu元素が特に好ましい。
前記第12族金属としては、例えば、Zn元素、およびCd元素等が挙げられる。これらの中でも、Zn元素が特に好ましい。
前記第13族金属としては、例えば、Al元素、Ga元素、およびIn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ga元素およびIn元素が特に好ましい。
前記第14族金属としては、例えば、Si元素、Ge元素、およびSn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ge元素およびSn元素が特に好ましい。
前記第8〜10族金属化合物としては、例えば酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化コバルト、酸化ニッケル、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)等が挙げられる。
前記第11族金属化合物としては、例えば、Cu(OH)、CuS、CuO、CuO、酸化銀、硫化銀等が挙げられる。
前記第12族金属化合物としては、例えば、ZnO、水酸化亜鉛等が挙げられる。
前記第13族金属化合物としては、例えば、酸化インジウム、硫化インジウム、酸化ガリウム等が挙げられる。
前記第14族金属化合物としては、例えば、SnS、SnO、酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
第二の製造方法において、金属及び/又は金属化合物としては、第11〜14族の金属または金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、第11〜13族の金属または金属化合物、第11〜12族の金属または金属化合物の組み合わせが好ましい。
第二の製造方法において、カルコゲン元素含有有機化合物及び塩基性物質としては、第一の製造方法の説明において例示したカルコゲン元素含有有機化合物及び塩基性物質と同様のものが挙げられる。
中でも、メルカプト基含有有機化合物、スルフィド、ポリスルフィド、チオカルボニル基含有有機化合物及び硫黄含有複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メルカプト基含有有機化合物及びチオカルボニル基含有有機化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、tert−ブチルメルカプタン及びジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
また、塩基性物質としては、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリラミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
第二の製造方法において、金属及び/又は金属化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合する方法は特に限定されない。例えば、金属及び/又は金属化合物の前駆体を調製し、得られた金属前駆体と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合する方法(以下、「調製方法(I’)」という。)や、金属及び/又は金属化合物と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質と、その他所望の成分の各原料を一括に混合する方法(以下、「調製方法(II’)」という。)等が挙げられる。
<調製方法(I’)>
(金属前駆体)
金属前駆体の調製方法は特に限定されず、使用する金属の種類によって適宜選択することができる。例えば、CZTS系太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液を調製する場合は、第一の製造方法における「調製方法(I)」と同様の方法により各金属前駆体を調製することができる。
前記金属前駆体と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合する方法は特に限定されない。例えば、前記金属前駆体と、カルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを混合して撹拌する方法や、一部の原料を先に混合して撹拌した後に、残りの原料を添加する方法等が挙げられる。
調製方法(I’)における各原料の量は、使用する金属及び/又は金属化合物、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質の種類によって適宜選択することができる。
例えば、CZTS系太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液を調製する場合は、以下の量の範囲とすることができる。
例えば、各金属のモル比で、Cu/(Zn+Sn)=0.5〜1.0、Zn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6、Sn/(Zn+Sn)=0.4〜0.6の範囲となるように調製することが好ましい。
カルコゲン元素含有有機化合物の量は、金属に対して2〜50当量が好ましく、好ましくは2〜25当量がより好ましい。
水の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、混合した際に金属成分の濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましく、0.8〜1.2mol/Lが特に好ましい。
塩基性物質の量は、Cu、Zn、Sn各金属の合計量1モルに対し、5〜500モルであることが好ましく、5〜300モルであることがさらに好ましく、、5〜20モルであることが最も好ましい。
また、反応温度、反応時間は、前記調製方法(I)の場合と同様である。
<調製方法(II’)>
調製方法(II’)における各原料の量、反応時間、反応温度は、調製方法(I’)の場合と同様である。
第二の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、塗布溶剤としてヒドラジンが含まれていないので、光吸収層を形成する際に、ヒドラジンの化学特性(爆発性)が問題とならなくなり、製造プロセスの安全性が向上する。
第二の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、直接光吸収層形成に用いることができるが、減圧蒸留により濃縮して濃縮液とすることが好ましい。光吸収層形成用塗布液を濃縮することにより、塩基性物質、溶媒、水、未反応カルコゲン元素含有有機化合物等を除去することができる。
更に、上記濃縮液を溶媒に溶解して希釈することにより、均一な光吸収層形成用塗布液を得ることができる。前記溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド等があげられる。溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも水及びジメチルスルホキシドが好ましい。
また、本発明の第二の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液は、Naを添加することも好ましい。Naを添加することにより、光吸収層の結晶成長を促進することができる。
Naの添加量は、CZTSの金属モル量に対して0.1〜5atm%が好ましく、0.3〜2atm%が更に好ましい。
[太陽電池]
本発明の太陽電池は、前記第一の製造方法又は前記第二の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液を用いて形成した太陽電池用光吸収層を備える。
本発明の太陽電池の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
以下、第一の製造方法又は第二の製造方法により得られた光吸収層形成用塗布液を用いた太陽電池の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の太陽電池の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程と、第1の電極上に光吸収層を形成する工程と、光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、から概略構成されている。
このうち、第1の電極上に光吸収層を形成する工程以外は、従来から知られている適宜の方法を用いて形成すればよい。例えば、基板上に第1の電極を形成する際は、窒素をスパッタガスとして、スパッタ法によって例えばMo層を成膜すればよい。また、バッファ層は、例えばCdS層として形成すればよく、例えば、ケミカルバスデポション法を用いて成膜すればよい。また、第2の電極を形成する際は、適宜の材料を用いて透明電極として成膜すればよい。
光吸収層を形成する際には、まず、第1の電極(基体)上に、上述した光吸収層形成用塗布液を塗布する。塗布の方法としてはスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
例えば、スピンコーティング法を用いる場合には、基体をスピンコーターにセットし、塗布液を塗布する。この際の塗布条件は、形成しようとする膜厚に応じて適宜設定すればよく、例えば回転速度は、300〜3000rpmで、10〜60秒間維持することにより形成することができる。
また、ディップ法を用いる場合には、塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に光吸収層形成用塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
次に、基体上に塗布液を塗布した後は、基体を焼成して光吸収層を形成する。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
この場合、例えば、ホットプレート上に、基体を配置して保持した後、ホットプレートの温度を100〜500℃として1〜30分間ソフトベークを行い、オーブンの内部を300〜700℃に上昇させて1〜180分間保持することでアニーリングを行う。
これにより、光吸収層が硬化される。
なお、上記焼成の各温度は、一条件を示したものであり、これに限られるものではない。例えば、ホットプレートの温度は段階的に上げてもよいし、これらの加熱工程はグローブボックス中の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
その後、光吸収層の膜厚を測定し、所望の厚さよりも薄い場合には、再度基体上に光吸収層形成用塗布液を塗布し、焼成する。これらの工程を繰り返すことで、所望の厚さの光吸収層を得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の太陽電池を製造することができる。そして、本実施形態の製造方法によって製造された太陽電池は、光吸収層形成用塗布液にヒドラジンが含まれていないので、プロセスの安全性が向上する。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
上記実施形態では、本発明の製造方法により得られたZn前駆体を用いたCZTS層形成用塗布液の調製方法として、第一の調製方法及び第二の調製方法について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、一部の金属成分については金属前駆体を調製しておき、調製した金属錯体と、他の金属成分と、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、その他所望の成分とを混合することもできる。また、例えば第二の調製方法において、一部の原料を先に混合した後に、残りの原料を添加することもできる。
また、上記実施形態では、本発明の製造方法により得られたZn前駆体を用いたCZTS層形成用塗布液について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の製造方法により得られたZn前駆体は、他の金属成分との組み合わせを用いた光吸収層形成用塗布液にも適用することができる。
また、上記実施形態では、光吸収層形成用塗布液の調製方法として、調製方法(I)、調製方法(II)、調製方法(I’)及び調製方法(II’)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、一部の金属成分については金属前駆体を調製しておき、調製した金属錯体と、他の金属成分と、カルコゲン元素含有有機化合物、塩基性物質、その他所望の成分とを混合することもできる。また、例えば調製方法(II)において、一部の原料を先に混合した後に、残りの原料を添加することもできる。
また、上記実施形態では、任意成分として、カルコゲン元素含有有機化合物以外のカルコゲン、例えば硫黄、硫酸ナトリウム、酸化硫黄、セレン酸、セレン、酸化セレン、テルル、酸化テルル等を添加することも可能である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<Zn前駆体の調製>
(実施例1〜7)
酸化亜鉛ZnO 5mmolに表1に示す各カルコゲン元素含有有機化合物をそれぞれ25mmol添加し、更にアンモニア28%水溶液をNH換算で200mmol添加し、室温(23℃)で30分撹拌した。得られた溶液の状態を表1に示す。
(比較例1)
酸化亜鉛ZnO 5mmol にアンモニア28%水溶液をNH換算で200mmol添加し、室温(23℃)で3日間撹拌した。得られた溶液の状態を表1に示す。
Figure 0006155264
表1の結果から、原料としてカルコゲン元素含有有機化合物を用いた実施例1〜7では、無色透明の溶液が得られ、ZnOが溶解した均一溶液が生成したことが確認された。
一方、原料としてカルコゲン元素含有有機化合物を用いなかった比較例1では、溶液を3日間撹拌したにもかかわらず、得られた溶液に白色沈殿が観察され、ZnOが溶解した均一溶液が生成していないことが確認された。
(実施例8)
純亜鉛Zn 5mmol に1−メルカプトエタノール25mmol添加し、更にHOをZn濃度0.6mol/Lになるように添加し、室温で1日撹拌した。得られた溶液の状態を表2に示す。
(実施例9)
純亜鉛Zn 5mmol に1−メルカプトエタノール25mmol添加し、更にジメチルスルホキシド(DMSO)をZn濃度0.6mol/Lになるように添加し、室温で1日撹拌した。得られた溶液の状態を表2に示す。
(実施例10)
酸化亜鉛ZnO 5mmol に1−メルカプトエタノール25mmol添加し、更にHOをZn濃度0.6mol/Lになるように添加し、室温で1日撹拌した。得られた溶液の状態を表2に示す。
(実施例11)
酸化亜鉛ZnO 5mmol に1−メルカプトエタノール25mmol添加し、更にジメチルスルホキシド(DMSO)をZn濃度0.6mol/Lになるように添加し、室温で1日撹拌した。得られた溶液の状態を表2に示す。
(比較例2)
ZnSe 30mmolにSe 90mmol、ヒドラジン120mmolを添加し、更にジメチルスルホキシド(DMSO)をZn濃度0.4mol/Lになるように添加し、室温で2週間撹拌した。撹拌した溶液の上澄み部分を採取し、ICP−OESでZn濃度を測定したところ、0.03mol/Lであった。得られた溶液の状態を表2に示す。
Figure 0006155264
表2の結果から、原料としてカルコゲン元素含有有機化合物を用いた実施例8〜11では、無色透明の溶液が得られ、Zn又はZnOが溶解した均一溶液が生成したことが確認された。
一方、カルコゲン元素含有有機化合物の替わりにSe及びヒドラジンを用いた比較例2では、溶液を2週間撹拌したにもかかわらず、得られた溶液にZnSeの沈殿が観察され、均一溶液が生成していないことが確認された。
<CZTS系太陽電池の製造>
(実施例12)
・チオール配位Zn前駆体の調整
金属亜鉛 Zn 10mmol に1−チオグリセロール30mmol, HO 300mmolを添加し、更にジメチルスルホキシドをZn濃度0.4mol/Lになるように添加し、室温で1日撹拌し、Zn前駆体中間液Aを作成した。
次に上記Zn前駆体中間液Aに約10倍体積量のイソプロピルアルコール(IPA)を添加し白色沈殿物を生成し、白色沈殿物以外の上澄み液を取り除き、その後、白色沈殿をIPAを用いて洗浄し、更に、白色沈殿物に残存する少量のIPAを真空乾燥にて除去した。
次に真空乾燥を行った白色沈殿物にジメチルスルホキシドをZn濃度0.8mol/Lになるように再溶解させ、0.45 μm PTFEフィルタにてろ過を行い、Zn前駆体を作成した。
・ヒドラジン配位Cu前躯体溶液の調整
金属銅Cu 6.03 mmolにSe 24.10 mmol、ヒドラジン 12.05mmolを添加し、更にジメチルスルホキシドをCu濃度1.0mol/Lになるように添加し、室温で3日間撹拌した後、減圧条件下にて残留ヒドラジンを除去し、さらに濃縮を行い、その後に得た濃縮液を0.45μm PTFEフィルタにてろ過を行い、ヒドラジン配位Cu前駆体を作成した。
・ヒドラジン配位Sn前躯体溶液の調整
純Sn 3.00 mmolにSe 9.00 mmolとヒドラジン 5 mlを添加し、室温で3日間撹拌した後IPAを加え撹拌すると黄色生成物が沈殿するため、上澄み液を除去し、IPAにて沈殿物を洗浄、乾燥することで、粗生成物を得た。
また、粗生成物からジメチルスルホキシドにて生成物を抽出 (80℃, 1 hr)、濃縮し、その後に得た濃縮液を0.45μm PTFEフィルタでろ過し、ヒドラジン配位Sn前駆体を作成した。
・Na添加剤溶液の調整
セレノジナトリウム(NaSe; 255.4 mg, 2.04 mmol)に2当量のSe (322.8 mg, 4.09 mmol)を加え、ジメチルスルホキシド中 (10 ml)にて室温で3日〜1週間撹拌した後、均一な黒色溶液を得た。
・CZTS溶液の調整
ICP−OESにて各金属濃度を確認した、上記チオール配位Zn前駆、ヒドラジン配位Cu前躯体、ヒドラジン配位Sn前躯体溶液を任意の割合で混合した。
更に、混合溶液中の金属濃度に対し、Na成分として0.5atm%となるよう上記のNa添加剤溶液を加え、CZTS溶液を得た。
・CZTS デバイス評価
ドクターブレード法により、上記CZTS溶液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、真空ポンプにて塗布基板中の余分な有機溶剤を除去した後に、基板焼成装置(東京応化工業(株)製)にて400℃で4分間ソフトベークを行い、少量の硫黄存在下で630℃で10分間アニーリングを行った。
得られたケステライト膜に、化学浴析出法(Chemical Bath Deposition)にて膜厚60nmのCdSバッファ層、スパッタリングにて膜厚100nmのZnO絶縁層及び膜厚130nmのITO層(インジウムドープ酸化スズ)、並びに電子ビーム蒸着にてNi/Alメタルコンタクトグリッドをそれぞれ成膜することにより、面積が約0.45平方センチメートル(cm)のCZTS太陽電池を製造した。
ソーラーシミュレーターにて変換効率を測定したところ、6.71%の変換効率を得た。
<CZTS溶液の調整>
(実施例13)
CuS 1.273g(16mmol)、Zn 0.712g(10.9mmol)、Sn 1.051g(8.9mmol)、S 0.852g(26.6mmol)、アンモニア28%水溶液 79.798g (NH換算で1312mmol)、 メルカプトエタノール30.73g (393.3mmol)を混合し、室温で3日間撹拌した。
次に、上記溶液を0.45μm PTFEフィルタでろ過し、80℃のオイルバスで減圧蒸留を行い、濃縮処理を行った。
上記濃縮処理にてNH、HOを除去し、更に未反応のメルカプトエタノールを除去し、重量変化から金属元素に対して4.5当量のメルカプトエタノール残量になった時点で減圧蒸留を終了した。
濃縮液中のCuS、Zn、Sn、Sの合計含有量を固形分とし、固形分濃度10wt%となるように、濃縮液をHOに溶解させてCZTS溶液Aを作成した。
次にCZTS溶液AにNaSを合計金属モル量に対して1.0mol%添加し、室温で1時間撹拌後、0.45μm PTFEフィルタでろ過し、CZTS溶液A’を作成した。
(実施例14)
濃縮液をHOの替わりにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させる以外は、実施例13と同様の方法によりCZTS溶液Bを作成した。
次にCZTS溶液BにNaSを合計金属モル量に対して1.0mol%添加し、室温で1時間攪拌後、0.45μm PTFEフィルタでろ過し、CZTS溶液B’を作成した。
<CZTS溶液塗布試験>
実施例13及び14で得られたCZTS溶液A’、B’をそれぞれドクターブレード法により、上記CZTS溶液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、セラミックホットプレートにて420℃で2分間のソフトベークを行い、さらに少量のセレン存在下で、550℃で15分間アニーリングを行った。
上記で作成したCZTS基板をSEMで観察したところ、CZTSのグレイン成長が確認された。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。

Claims (12)

  1. 太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法であって、
    Zn元素、ZnO及び水酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種と、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコゲン元素含有有機化合物とを混合して均一系溶液を得る混合工程
    を含む光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  2. 前記混合工程において、更に塩基性物質を混合することを含む請求項1に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  3. 前記混合工程において、更にCuおよびCu化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、SnおよびSn化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することを含む請求項2に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  4. 前記混合工程において、溶媒として非プロトン性極性溶媒を混合することを含む請求項1に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  5. 前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシドである請求項に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  6. 前記混合工程において、溶媒として水を混合することを含む請求項1に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  7. 前記塩基性物質がアンモニアである請求項2に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、
    前記光吸収層形成用塗布液を基体に塗布し、焼成する工程と、
    を有する太陽電池用光吸収層の製造方法
  9. 基板上に第1の電極を形成する工程と、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、
    前記光吸収層形成用塗布液を前記第1の電極上に塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、
    前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、
    を有する太陽電池の製造方法
  10. 太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法であって、
    Cu元素及びCu金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第11族金属又は第11族金属化合物、Zn元素、ZnO及び水酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の第12金属又は第12金属化合物、ならびにSn金属又はSn金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第14族金属又は第14族金属化合物を含有する金属成分と、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトエトキシエタノール及びチオグリセロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルコゲン元素含有有機化合物と、水と、塩基性物質とを、前記水における前記金属成分の濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lとなる量で混合して均一系溶液を得る混合工程
    を含む光吸収層形成用塗布液の製造方法。
  11. 請求項10に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、
    前記光吸収層形成用塗布液を基体に塗布し、焼成する工程と、
    を有する太陽電池用光吸収層の製造方法
  12. 基板上に第1の電極を形成する工程と、
    請求項10に記載の光吸収層形成用塗布液の製造方法により光吸収層形成用塗布液を調製する工程と、
    前記光吸収層形成用塗布液を前記第1の電極上に塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、
    前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、
    を有する太陽電池の製造方法
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