JP2017212398A - 均一系塗布液の製造方法、太陽電池用光吸収層の形成方法、および太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、少ない塗布工程数で高質結晶を含む光吸収層を形成できる均一系塗布液の製造方法の提供。【解決手段】太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法(前記一般式(u−1)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R4は水素原子、メチル基又は下記一般式(ur−1)で表される基を示す。前記一般式(ur−1)中、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R7は水素原子又は−CH基を表し、*は結合手を表す。)。[化1]【選択図】なし
Description
本発明は、均一系塗布液の製造方法、太陽電池用光吸収層の形成方法、および太陽電池の製造方法に関する。
近年、環境への配慮から太陽電池への関心が高まっており、中でも光電変換効率が高い薄膜太陽電池であるカルコパイライト系太陽電池やインジウム等のレアメタルを他の環境に優しい金属に置き換えたケステライト系太陽電池には特に注目が集まっており、現在、研究開発が活発に行われている。
カルコパイライト系太陽電池は、カルコパイライト系(黄銅鉱系)材料からなる光吸収層を、基板上に成膜して形成される太陽電池である。カルコパイライト系材料の代表的な元素は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)及び硫黄(S)等であり、光吸収層の代表的なものとして、Cu(In,Ga)Se2やCu(In,Ga)(Se,S)2等があり、それぞれCIGS、CIGSSe等と略称されている。また、最近ではレアメタルであるインジウムを置き換えた、例えば銅(Cu)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、セレン(Se)及び硫黄(S)からなるケステライト系太陽電池が検討されており、光吸収層の代表的なものとして、Cu2ZnSnSe4、Cu2ZnSnS4、Cu2ZnSn(S,Se)4等がある。
図1は、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池は、基板2上に第1の電極3(裏面電極)、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i−ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池は、基板2上に第1の電極3(裏面電極)、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i−ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
第1の電極3と第2の電極7には、それぞれ端子が接合されており、端子には、配線が接続されている。このようなカルコパイライト系又はケステライト系太陽電池1は、矢印Aの向きに入射された光が、CIGS又はCZTS層4で吸収されることにより、起電力が生じ、矢印Bの向きに電流が流れる。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF2層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF2層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
CIGS又はCZTS層4を成膜する方法としては、真空法や塗布法等の方法が知られている。もっとも、真空法を用いた場合は、装置のスケールアップにつながることから、歩留まりが悪いので、比較的安価に製造することが可能な塗布法の適用が鋭意研究されている。
塗布法は、一般に、CIGS層の場合にはCu,In,Ga,Se,及びS等の元素を特定の溶媒に溶解させて塗布液を調製し、この塗布液をスピンコーティング法、デッピング法やスリットキャスト法等を用いて基板上に塗布し、焼成してCIGS層を形成する。
特許文献1には、ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を調製し、溶解促進剤を含む溶媒に該ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を溶解して塗布液を得る方法が開示されている。
特許文献2には、チオール化合物又はセレノール化合物の存在下、金属及びカルコゲンを含む有機化合物を2種反応させて塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献3には、カルコゲン元素含有有機化合物、ルイス塩基及び金属を反応させて塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献4には、2つ以上の金属塩および1つ以上の配位子を含む水性溶液を調製し、該水性溶液をカルコゲン源と混合・撹拌して金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献5には、金属イオン及び/又は金属錯体イオンを用いて金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献1には、ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を調製し、溶解促進剤を含む溶媒に該ヒドラジン配位金属カルコゲニド錯体を溶解して塗布液を得る方法が開示されている。
特許文献2には、チオール化合物又はセレノール化合物の存在下、金属及びカルコゲンを含む有機化合物を2種反応させて塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献3には、カルコゲン元素含有有機化合物、ルイス塩基及び金属を反応させて塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献4には、2つ以上の金属塩および1つ以上の配位子を含む水性溶液を調製し、該水性溶液をカルコゲン源と混合・撹拌して金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法が開示されている。
特許文献5には、金属イオン及び/又は金属錯体イオンを用いて金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法が開示されている。
しかしながら、塗布液の調製にヒドラジンを用いる方法を採用した場合は、ヒドラジンの有する化学特性(爆発性、毒性)の問題から、プロセスの安全性に問題があることが従来から指摘されていた。
カルコゲン源としてカルコゲン元素含有有機化合物を用いる方法では、ヒドラジンを用いる方法と比べてプロセスの安全性は向上しているが、塗布膜中の有機物含有量が多くなるおそれがある。塗布膜中に有機物が残存すると、光吸収層の結晶成長を阻害する要因となるため、好ましくない。
一方、金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法では、時間の経過に伴って金属カルコゲニドナノ粒子が沈殿するため、分散剤が必要となる。しかし、該分散剤が塗布膜中に有機物が残存すると、光吸収層の結晶成長を阻害する要因となるため、好ましくない。
また、塗布法によって厚膜の塗布膜を形成する場合、塗布膜にクラックが発生するという問題があった。クラック発生の問題を回避するために、薄膜の塗布膜を複数層積層することも検討されている。しかしながら、当該方法では、塗布工程数が増えるため、量産の観点から改善の余地があった。
カルコゲン源としてカルコゲン元素含有有機化合物を用いる方法では、ヒドラジンを用いる方法と比べてプロセスの安全性は向上しているが、塗布膜中の有機物含有量が多くなるおそれがある。塗布膜中に有機物が残存すると、光吸収層の結晶成長を阻害する要因となるため、好ましくない。
一方、金属カルコゲニドナノ粒子の分散液として塗布液を調製する方法では、時間の経過に伴って金属カルコゲニドナノ粒子が沈殿するため、分散剤が必要となる。しかし、該分散剤が塗布膜中に有機物が残存すると、光吸収層の結晶成長を阻害する要因となるため、好ましくない。
また、塗布法によって厚膜の塗布膜を形成する場合、塗布膜にクラックが発生するという問題があった。クラック発生の問題を回避するために、薄膜の塗布膜を複数層積層することも検討されている。しかしながら、当該方法では、塗布工程数が増えるため、量産の観点から改善の余地があった。
このような背景の下、金属を原料として製造可能な、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液の製造方法が要望されていたが、有効適切なものは提供されてこなかったのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安全性が高く、少ない塗布工程数で高質結晶を含む光吸収層を形成できる均一系塗布液の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安全性が高く、少ない塗布工程数で高質結晶を含む光吸収層を形成できる均一系塗布液の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法。
(1)太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法。
(2)前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である(1)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(3)前記均一系塗布液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有する(1)又は(2)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(3)前記均一系塗布液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有する(1)又は(2)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(4)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である(1)〜(3)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(5)前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びN−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である(4)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(6)前記ルイス酸がオニウム塩である(1)〜(5)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(7)前記ルイス酸がアンモニウム塩である(6)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(8)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である(7)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(9)更に第16族元素を混合することを含む(1)〜(8)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(10)前記第16元素が、S及びSeからなる群より選ばれる少なくとも1種である(9)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(11)更にLi、Na、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することを含む(1)〜(10)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(12)第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記均一系塗布液を、基体に塗布し、焼成する工程と、
を有することを特徴とする太陽電池用光吸収層の形成方法。
(5)前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びN−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である(4)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(6)前記ルイス酸がオニウム塩である(1)〜(5)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(7)前記ルイス酸がアンモニウム塩である(6)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(8)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である(7)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(9)更に第16族元素を混合することを含む(1)〜(8)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(10)前記第16元素が、S及びSeからなる群より選ばれる少なくとも1種である(9)に記載の均一系塗布液の製造方法。
(11)更にLi、Na、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することを含む(1)〜(10)のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
(12)第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記均一系塗布液を、基体に塗布し、焼成する工程と、
を有することを特徴とする太陽電池用光吸収層の形成方法。
(13)基板上に第1の電極を形成する工程と、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記第1の電極上に、前記均一系塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、
前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記第1の電極上に、前記均一系塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、
前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
本発明によれば、安全性が高く、少ない塗布工程数で高質結晶を含む光吸収層を形成できる均一系塗布液の製造方法が提供出来る。
[均一系塗布液およびその製造方法]
以下、本発明の均一系塗布液およびその製造方法について説明する。
本実施形態は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含む。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「均一系塗布液」とは、溶質(金属及び/又は金属化合物、ルイス酸、化合物(U)、第16元素及び任意成分)が溶媒(ルイス塩基溶媒及び任意の溶媒)の全体に亘って均一に溶解している溶液であり、溶媒中に金属粒子及び/又は金属化合物粒子等が分散した分散系溶液は包含しないものとする。
以下、本発明の均一系塗布液およびその製造方法について説明する。
本実施形態は、太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含む。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「均一系塗布液」とは、溶質(金属及び/又は金属化合物、ルイス酸、化合物(U)、第16元素及び任意成分)が溶媒(ルイス塩基溶媒及び任意の溶媒)の全体に亘って均一に溶解している溶液であり、溶媒中に金属粒子及び/又は金属化合物粒子等が分散した分散系溶液は包含しないものとする。
前記第11族金属としては、例えば、Cu元素、およびAg元素等が挙げられる。これらの中でも、Cu元素が特に好ましい。
前記第13族金属としては、例えば、Al元素、Ga元素、およびIn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ga元素およびIn元素が特に好ましい。
前記第11族金属化合物としては、例えば、Cu(OH)2、CuS、Cu2S、Cu2Se、CuSe、Cu2Te、CuTe、CuO、Cu2O、酸化銀、硫化銀、セレン化銀等が挙げられる。
前記第13族金属化合物としては、例えば、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、ホウ酸、酸化ホウ素等が挙げられる。
これらの中でも、Cu元素、Ag元素、Al元素、Ga元素、In元素、Cu(OH)2、CuO、Cu2O、酸化銀、In(OH)3、酸化インジウム、酸化ガリウムが好ましく、Cu元素、Ga元素、In元素、が更に好ましい。
金属及び/又は金属化合物としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記第13族金属としては、例えば、Al元素、Ga元素、およびIn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ga元素およびIn元素が特に好ましい。
前記第11族金属化合物としては、例えば、Cu(OH)2、CuS、Cu2S、Cu2Se、CuSe、Cu2Te、CuTe、CuO、Cu2O、酸化銀、硫化銀、セレン化銀等が挙げられる。
前記第13族金属化合物としては、例えば、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、ホウ酸、酸化ホウ素等が挙げられる。
これらの中でも、Cu元素、Ag元素、Al元素、Ga元素、In元素、Cu(OH)2、CuO、Cu2O、酸化銀、In(OH)3、酸化インジウム、酸化ガリウムが好ましく、Cu元素、Ga元素、In元素、が更に好ましい。
金属及び/又は金属化合物としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス塩基溶媒は、金属及び/又は金属化合物、ルイス酸、第16族元素及び任意成分を溶解し、電子対を供与する物質であれば特に限定されない。
ルイス塩基溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びN−メチルイミダゾールが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルスルホキシドが好ましい。
ルイス塩基溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス塩基溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びN−メチルイミダゾールが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルスルホキシドが好ましい。
ルイス塩基溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス酸としては、電子対を受容しうる物質であれば特に限定されない。
ルイス酸としては、オニウム塩が好ましい。オニウム塩としては、アンモニウム塩[(NH4)+]、ホスホニウム塩[(PH4)+]、スルホニウム塩[(H3S)+]、メタニウム塩[(CH5)]+、ボロニウム塩[(BH3)+、(BH4)+、(BH5)+、(BH6)+]、ジシラニウム塩[(Si2H7)+]、ゲルモニウム塩[(GeH5)+]等が挙げられる。中でも、アンモニウム塩が好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム及び、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。中でも、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム又はこれらの組み合わせが好ましい。
ルイス酸としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス酸としては、オニウム塩が好ましい。オニウム塩としては、アンモニウム塩[(NH4)+]、ホスホニウム塩[(PH4)+]、スルホニウム塩[(H3S)+]、メタニウム塩[(CH5)]+、ボロニウム塩[(BH3)+、(BH4)+、(BH5)+、(BH6)+]、ジシラニウム塩[(Si2H7)+]、ゲルモニウム塩[(GeH5)+]等が挙げられる。中でも、アンモニウム塩が好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム及び、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。中でも、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム又はこれらの組み合わせが好ましい。
ルイス酸としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(U)は、下記一般式(u−1)で表される。
前記一般式(u−1)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。Xとしては、硫黄原子が好ましい。
前記一般式(u−1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。R1〜R3の少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、R1〜R3の少なくとも2つが水素原子であることがより好ましく、R1〜R3の全てが水素原子であることが更に好ましい。
R4は水素原子、メチル基又は前記一般式(ur−1)で表される基を示す。R4としては、水素原子または前記一般式(ur−1)で表される基が好ましく、前記一般式(ur−1)で表される基がより好ましい。
前記一般式(u−1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。R1〜R3の少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、R1〜R3の少なくとも2つが水素原子であることがより好ましく、R1〜R3の全てが水素原子であることが更に好ましい。
R4は水素原子、メチル基又は前記一般式(ur−1)で表される基を示す。R4としては、水素原子または前記一般式(ur−1)で表される基が好ましく、前記一般式(ur−1)で表される基がより好ましい。
前記一般式(ur−1)中、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。R5及びR6としては、水素原子が好ましい。
前記一般式(ur−1)中、R7は水素原子、メチル基又は−CH基を表す。R7としては、水素原子が好ましい。
前記一般式(ur−1)中、R7は水素原子、メチル基又は−CH基を表す。R7としては、水素原子が好ましい。
本発明において、化合物(U)の具体例としては、グアニルチオ尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等が挙げられる。なかでも、化合物(U)としては、グアニルチオ尿素又はチオ尿素が好ましく、グアニルチオ尿素がより好ましい。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、更に第16族元素を混合していてもよい。第16族元素としては、O、S、Se、Te等が挙げられ、S、Seから選ばれる少なくとも1種が好ましく、Seが特に好ましい。
第16族元素としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記金属及び/又は金属化合物並びに前記ルイス酸のうち、第16元素を含む化合物を用いることもできる。
第16族元素としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記金属及び/又は金属化合物並びに前記ルイス酸のうち、第16元素を含む化合物を用いることもできる。
本発明の均一系塗布液の製造方法において、ルイス塩基溶媒以外の溶媒(以下、「任意溶媒」という。)を用いてもよい。任意溶媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)、グリコールエーテル(例えば、メチルジグリコール)等が挙げられる。
任意溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
任意溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、均一系塗布液に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(以下、「貧溶媒」という場合がある。)を加えてもよい。貧溶媒を加えることにより、均一系塗布液を精製することができ、不純物を取り除くことできる。しかしながら、本発明においては、そのような精製工程は必ずし必要ない。精製工程を省くことにより、製造方法全体のプロセスを簡便化できるので、工業的に有利である。
なお、本発明の均一系塗布液に貧溶媒を添加する場合、まず化合物(U)を含まない均一系塗布液を調製し、該均一系塗布液に貧溶媒を添加して錯体を沈殿させ、該錯体をルイス塩基溶媒に再溶解してから、化合物(U)を適量添加して本発明の均一系塗布液を得ることが好ましい。
なお、本発明の均一系塗布液に貧溶媒を添加する場合、まず化合物(U)を含まない均一系塗布液を調製し、該均一系塗布液に貧溶媒を添加して錯体を沈殿させ、該錯体をルイス塩基溶媒に再溶解してから、化合物(U)を適量添加して本発明の均一系塗布液を得ることが好ましい。
前記貧溶媒としては、前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒であれば特に限定されないが、アセトン、イソプロパノールが好ましい。
前記貧溶媒は、均一系塗布液の調製の際に、前記金属および/または金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素と共に混合してもよいが、均一系塗布液を調製した後に混合することが好ましい。均一系塗布液を調製した後に貧溶媒を混合することにより、目的物である錯体を沈殿させ、未反応S又はSe等の不純物を上清として除去できる。錯体と不純物は、例えば遠心分離、ろ過、抽出等で分離できる。
また、不純物を上清として除去した後に、更に貧溶媒で錯体を洗浄できる。洗浄を複数回行うことにより、より確実に不純物を除去することができる。
貧溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記貧溶媒は、均一系塗布液の調製の際に、前記金属および/または金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素と共に混合してもよいが、均一系塗布液を調製した後に混合することが好ましい。均一系塗布液を調製した後に貧溶媒を混合することにより、目的物である錯体を沈殿させ、未反応S又はSe等の不純物を上清として除去できる。錯体と不純物は、例えば遠心分離、ろ過、抽出等で分離できる。
また、不純物を上清として除去した後に、更に貧溶媒で錯体を洗浄できる。洗浄を複数回行うことにより、より確実に不純物を除去することができる。
貧溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)及び任意成分を混合することにより均一系塗布液が得られる。混合する方法は特に限定されず、例えば、CIGS系太陽電池の光吸収層の形成に用いられる光吸収層形成用塗布液を調製する場合など、複数種類の金属及び/又は金属化合物を用いる場合、各錯体溶液(以下、「金属前駆体溶液」という場合がある)を調製した後に、各金属前駆体溶液を混合する方法(以下、「調製方法(I)」という。)、全ての原料を一括に混合する方法(以下、「調製方法(II)」という。)、少なくとも2種の第11族及び/又は第13族金属を用いて二元又は三元金属錯体溶液を調製する方法(以下、「調製方法(III)」という。)等が挙げられる。
<調製方法(I)>
(Cu前駆体)
Cu前駆体は、例えばCu及び/又はCu化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
Cu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記Cu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
Cu及び/又はCu化合物としては、Cu、Cu(OH)2、CuS、Cu2S、CuO、Cu2O、Cu2Se、CuSe、Cu2Te、CuTeが好ましく、Cuがより好ましい。
Cu及び/又はCu化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(Cu前駆体)
Cu前駆体は、例えばCu及び/又はCu化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
Cu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記Cu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
Cu及び/又はCu化合物としては、Cu、Cu(OH)2、CuS、Cu2S、CuO、Cu2O、Cu2Se、CuSe、Cu2Te、CuTeが好ましく、Cuがより好ましい。
Cu及び/又はCu化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第16元素を用いる場合、第16族元素の量は、Cu1モルに対し、0.5〜15モルが好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルが更に好ましい。
ルイス酸は、Cu1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Cu1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
ルイス酸は、Cu1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Cu1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
Cu及び/又はCu化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Cu及び/又はCu化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Cu及び/又はCu化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合して得た反応液にルイス塩基溶媒を添加する方法や、反応液に前記貧溶媒を添加して得た錯体にルイス塩基溶媒と化合物(U)とを添加する方法等が挙げられる。また、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して撹拌し、次いでCu及び/又はCu化合物を添加する方法も好ましい。
ルイス塩基溶媒及び任意溶媒の合計量(以下、単に「溶媒の量」という。)は、混合した際にCu濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
ルイス塩基溶媒及び任意溶媒の合計量(以下、単に「溶媒の量」という。)は、混合した際にCu濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Cu前駆体の調製における反応温度は、使用するCu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類によっても異なるが、安全性やCu錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
また、Cu前駆体の調製における反応時間は、使用するCu及び/又はCu化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類、撹拌時間、反応温度によっても異なるが、通常1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
Cu前駆体の調製後、Cu前駆体に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(貧溶媒)を混合して不純物を除去することが好ましい。貧溶媒としては特にイソプロピルアルコールが好ましい。また、貧溶媒の混合は複数回行うことが好ましく、具体的には1回〜5回行うことが好ましい。
貧溶媒の量は、Cu前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
貧溶媒の量は、Cu前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
(In前駆体)
In前駆体は、例えばIn及び/又はIn化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
In及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記In及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
In及び/又はIn化合物としては、In、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウムが好ましく、In、In(OH)3、酸化インジウムがより好ましい。
In及び/又はIn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
In前駆体は、例えばIn及び/又はIn化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
In及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記In及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
In及び/又はIn化合物としては、In、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウムが好ましく、In、In(OH)3、酸化インジウムがより好ましい。
In及び/又はIn化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第16族元素の量は、In1モルに対し、0.5〜15モルが好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルが更に好ましい。
ルイス酸は、In1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、In1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
ルイス酸は、In1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、In1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
In及び/又はIn化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合する方法は特に限定されない。例えば、In及び/又はIn化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加した後に撹拌する方法や、In及び/又はIn化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合して得た反応液にルイス塩基溶媒を添加する方法や、反応液に前記貧溶媒を添加して得た錯体にルイス塩基溶媒と化合物(U)とを添加する方法等が挙げられる。また、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して撹拌し、次いでIn及び/又はIn化合物を添加する方法も好ましい。
溶媒の量は、混合した際にIn前駆体中のIn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
溶媒の量は、混合した際にIn前駆体中のIn濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
In前駆体の調製において、反応温度は使用するIn及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類によっても異なるが、安全性やIn錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
また、In前駆体の調製において、反応時間は使用するIn及び/又はIn化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類、撹拌時間、反応温度によっても異なるが、通常1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
In前駆体の調製後、In前駆体に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(貧溶媒)を混合して不純物を除去することが好ましい。貧溶媒としては特にアセトンが好ましい。また、貧溶媒の混合は複数回行うことが好ましく、具体的には1回〜5回行うことが好ましい。
貧溶媒の量は、In前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
貧溶媒の量は、In前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
(Ga前駆体)
Ga前駆体は、例えばGa及び/又はGa化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
Ga及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記Ga及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
Ga及び/又はGa化合物としては、Ga、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウムが好ましく、Ga、酸化ガリウムがより好ましい。
Ga及び/又はGa化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Ga前駆体は、例えばGa及び/又はGa化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより得られる。
Ga及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した前記Ga及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
Ga及び/又はGa化合物としては、Ga、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウムが好ましく、Ga、酸化ガリウムがより好ましい。
Ga及び/又はGa化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第16族元素の量は、Ga1モルに対し、0.5〜15モルが好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルが更に好ましい。
ルイス酸は、Ga1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Ga1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
ルイス酸は、Ga1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Ga1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
Ga及び/又はGa化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合する方法は特に限定されない。例えば、Ga及び/又はGa化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加した後に撹拌する方法や、Ga及び/又はGa化合物と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合して得た反応液にルイス塩基溶媒を添加する方法や、反応液に前記貧溶媒を添加して得た錯体にルイス塩基溶媒と化合物(U)とを添加する方法等が挙げられる。また、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して撹拌し、次いでGa及び/又はGa化合物を添加する方法も好ましい。
溶媒の量は、混合した際にGa前駆体中のGa濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
溶媒の量は、混合した際にGa前駆体中のGa濃度が0.1mol/L〜2.0mol/Lになる量が好ましく、0.2〜1.5mol/Lがより好ましく、0.4〜1.2mol/Lが特に好ましい。
Ga前駆体の調製において、反応温度は使用するGa及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類によっても異なるが、安全性やGa錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
また、Ga前駆体の調製において、反応時間は使用するGa及び/又はGa化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)、第16族元素等の種類、撹拌時間、反応温度によっても異なるが、通常1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
Ga前駆体の調製後、Ga前駆体に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(貧溶媒)を混合して不純物を除去することが好ましい。貧溶媒としては特にアセトンが好ましい。また、貧溶媒の混合は複数回行うことが好ましく、具体的には1回〜5回行うことが好ましい。
貧溶媒の量は、Ga前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
貧溶媒の量は、Ga前駆体に対して2〜20倍が好ましく、5〜20倍がより好ましく、7〜20倍が更に好ましい。
前記調製方法(I)においては、化合物(U)を含む各前駆体液を所望の比率で混合して本発明の均一系塗布液を調製しても良いし、化合物(U)を含まない各前駆体溶液を所望の比率で混合してから、化合物(U)を添加して本発明の均一系塗布液を調製しても良い。
<調製方法(II)>
調製方法(II)における金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
調製方法(II)における金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。例えばCIGS系太陽電池用の光吸収層に用いる場合(均一系塗布液が後述する一般式(1)で表される化合物を含む場合)、各金属のモル比で、Cu/(In+Ga)=0.5〜1.0、In/(In+Ga)=0.0〜1.0、Ga/(In+Ga)=0.0〜1.0の範囲となるように調製することが好ましい。
16族元素を用いる場合、Cu、In、Ga各金属の合計量1モルに対し、第16族元素の量は0〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましく、1〜2当量が更に好ましい。
ルイス酸は、Cu1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Cu1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
16族元素を用いる場合、Cu、In、Ga各金属の合計量1モルに対し、第16族元素の量は0〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましく、1〜2当量が更に好ましい。
ルイス酸は、Cu1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、Cu1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.10モルが更に好ましい。
調製方法(II)において、各原料を混合する方法は特に限定されないが、例えば各原料をルイス塩基溶媒に添加した後に撹拌する方法や、各原料を混合した後にルイス塩基溶媒を添加する方法等が挙げられる。また、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して撹拌し、次いで金属及び/又は金属化合物を添加する方法も好ましい。また、各原料をルイス塩基性溶媒及びルイス酸に完全に溶解した後、化合物(U)を添加してもよい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1〜30重量%になるよう調製することが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1〜30重量%になるよう調製することが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
調製方法(II)における反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性や錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
調製方法(II)における反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、通常1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
<調製方法(III)>
調製方法(III)における金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
各原料の好ましい例としては、前記調製方法(I)と同様のものが挙げられる。
調製方法(III)における金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示した金属及び/又は金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸、化合物(U)ならびに第16族元素を用いることができる。
各原料の好ましい例としては、前記調製方法(I)と同様のものが挙げられる。
調製方法(III)において、例えば、少なくとも2種の金属及び/又は金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とを混合することにより、二元又は三元金属錯体溶液を得ることが出来る。
各原料の好ましい例としては、前記調製方法(I)と同様のものが挙げられる。
各原料の好ましい例としては、前記調製方法(I)と同様のものが挙げられる。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。例えばCIGS系太陽電池用の光吸収層に用いる場合(均一系塗布液が後述する一般式(1)で表される化合物を含む場合)、Cu元素及び/又はCu化合物、In元素及び/又はIn化合物、並びにGa元素及び/又はGa化合物の少なくとも2種(以下、まとめて「CIGS金属」という場合がある。)を用いることが出来る。この場合、各金属のモル比が後述する一般式(1)で規定される範囲内となるように均一系塗布液を調製することが好ましい。
第16元素を用いる場合、CIGS金属の合計量1モルに対し、第16族元素の量は0.5〜10モルが好ましく、0.5〜5モルがより好ましく、1〜3モルが更に好ましい。
ルイス酸は、CIGS金属の合計1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、CIGS金属の合計1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.1モルが更に好ましい。
第16元素を用いる場合、CIGS金属の合計量1モルに対し、第16族元素の量は0.5〜10モルが好ましく、0.5〜5モルがより好ましく、1〜3モルが更に好ましい。
ルイス酸は、CIGS金属の合計1モルに対し、0.1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましく、2.5〜8.5モルが更に好ましい。
化合物(U)は、CIGS金属の合計1モルに対し、0.01〜1.00モルが好ましく、0.01〜0.30モルがより好ましく、0.02〜0.1モルが更に好ましい。
調製方法(III)において、各原料を混合する方法は特に限定されないが、例えば各原料をルイス塩基溶媒に添加した後に撹拌する方法や、各原料を混合した後にルイス塩基溶媒を添加する方法等が挙げられる。また、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して撹拌し、次いで金属及び/又は金属化合物を添加する方法も好ましい。また、各原料をルイス塩基性溶媒及びルイス酸に完全に溶解した後に、化合物(U)を添加しても良い。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1〜30重量%になるよう調製することが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1〜30重量%になるよう調製することが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
調製方法(III)における反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性や錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
調製方法(III)における反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、通常1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
本発明の均一系塗布液の製造方法により得られる均一系塗布液は、カルコパイライト系太陽電池の光吸収層の形成に用いられることが好ましい。この場合、均一系塗布液は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1)中、0≦w≦1、好ましくは0.75≦w≦1である。0≦x≦1、好ましくは0.1≦x≦0.5である。0≦y≦1である。0<z≦2である。Aは少なくとも1種の16族元素であり、好ましくはSe及び/又はSである。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、更にLi、Na、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、まとめて「添加金属」という場合がある。)を添加してもよい。添加金属を添加することにより、光吸収層の結晶成長を促進することが出来る。
前記添加金属としては、Na及び/又はSbが好ましい。
前記添加金属としては、Na及び/又はSbが好ましい。
前記添加金属は、ルイス塩基溶媒に溶解して金属溶液として添加してもよい。
Na溶液をとしては、セレン化ナトリウム、セレンをDMSOに溶解したもの等が挙げられる。
例えば、本発明の均一系塗布液の製造方法により得られた均一系塗布液をCIGS系太陽電池の光吸収層を形成するのに用いる場合、Naの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1〜30原子%が好ましく、0.1〜20原子%がより好ましい。また、Sbの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1〜10原子%が好ましく、0.1〜5.0原子%がより好ましい。
Na溶液をとしては、セレン化ナトリウム、セレンをDMSOに溶解したもの等が挙げられる。
例えば、本発明の均一系塗布液の製造方法により得られた均一系塗布液をCIGS系太陽電池の光吸収層を形成するのに用いる場合、Naの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1〜30原子%が好ましく、0.1〜20原子%がより好ましい。また、Sbの添加量は、CIGS金属のモル量に対し、0.1〜10原子%が好ましく、0.1〜5.0原子%がより好ましい。
本発明の均一系塗布液の製造方法によれば、少ない塗布工程数で高質結晶を含む光吸収層を形成できる。
太陽電池用光吸収層を形成する場合(特に厚膜の光吸収層を形成する場合)、高温でのソフトベークによる負荷が原因で塗布膜にクラックが発生することが知られている。クラックの発生は、光吸収層の原料に由来するS及び/又はSeが塗布膜中で凝集しやすいことに起因していると推測される。クラック発生の問題を回避するために、薄膜の塗布膜を複数層積層することも検討されている。しかしながら、当該方法では、塗布工程数が増えるため、量産の観点から改善の余地があった。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合する。本発明の均一系塗布液の製造方法により得られた均一系塗布液を用いて光吸収層を形成する場合、均一系塗布液に含まれる過剰のS及び/又はSeが化合物(U)と反応して化合物を形成すると推測される。化合物(U)と反応したS及び/又はSeはソフトベーク中に蒸発して除去される結果、塗布膜におけるクラック発生を防止できると推測される。また、均一系塗布液に含まれる過剰のS及び/又はSeを除去できるため、少ない塗布回数であっても、クラック発生が抑制された厚膜の光吸収層が形成できると推測される。
また、本発明の均一系塗布液の製造方法においては、ヒドラジンを用いていないので、プロセスの安全性は向上している。また、本発明の均一系塗布液の製造方法により、低コストで簡易に調製できる。更に、本発明の均一系塗布液の製造方法においては、有機配位子を用いていないため、結晶成長を阻害する要因となる有機物の含有量が低減された光吸収層を形成することが出来る。更に、本発明の均一系塗布液の製造方法により得られる均一系塗布液は保存安定性に優れ、例えば、少なくとも2ヶ月金属化合物が析出することとなく安定的に保存することができる。
太陽電池用光吸収層を形成する場合(特に厚膜の光吸収層を形成する場合)、高温でのソフトベークによる負荷が原因で塗布膜にクラックが発生することが知られている。クラックの発生は、光吸収層の原料に由来するS及び/又はSeが塗布膜中で凝集しやすいことに起因していると推測される。クラック発生の問題を回避するために、薄膜の塗布膜を複数層積層することも検討されている。しかしながら、当該方法では、塗布工程数が増えるため、量産の観点から改善の余地があった。
本発明の均一系塗布液の製造方法においては、前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合する。本発明の均一系塗布液の製造方法により得られた均一系塗布液を用いて光吸収層を形成する場合、均一系塗布液に含まれる過剰のS及び/又はSeが化合物(U)と反応して化合物を形成すると推測される。化合物(U)と反応したS及び/又はSeはソフトベーク中に蒸発して除去される結果、塗布膜におけるクラック発生を防止できると推測される。また、均一系塗布液に含まれる過剰のS及び/又はSeを除去できるため、少ない塗布回数であっても、クラック発生が抑制された厚膜の光吸収層が形成できると推測される。
また、本発明の均一系塗布液の製造方法においては、ヒドラジンを用いていないので、プロセスの安全性は向上している。また、本発明の均一系塗布液の製造方法により、低コストで簡易に調製できる。更に、本発明の均一系塗布液の製造方法においては、有機配位子を用いていないため、結晶成長を阻害する要因となる有機物の含有量が低減された光吸収層を形成することが出来る。更に、本発明の均一系塗布液の製造方法により得られる均一系塗布液は保存安定性に優れ、例えば、少なくとも2ヶ月金属化合物が析出することとなく安定的に保存することができる。
[太陽電池用光吸収層の製造方法]
本発明の太陽電池用光吸収層の製造方法は、前記本発明の均一系塗布液の製造方法により得られる均一系塗布液を用いる。
本発明の太陽電池用光吸収層の製造方法は、本発明の太陽電池の製造方法における光吸収層を形成する工程と同様である。
本発明の太陽電池用光吸収層の製造方法は、前記本発明の均一系塗布液の製造方法により得られる均一系塗布液を用いる。
本発明の太陽電池用光吸収層の製造方法は、本発明の太陽電池の製造方法における光吸収層を形成する工程と同様である。
[太陽電池の製造方法]
本発明の太陽電池の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程と、第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、前記第1の電極上に、前記均一系塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する。
本発明の太陽電池の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程と、第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに前記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、前記第1の電極上に、前記均一系塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する。
本発明の太陽電池の製造方法において、第1の電極上に光吸収層を形成する工程以外は、従来から知られている適宜の方法を用いて形成すればよい。例えば、基板上に第1の電極を形成する際は、窒素をスパッタガスとして、スパッタ法によって例えばMo層を成膜すればよい。また、バッファ層は、例えばCdS層として形成すればよく、例えば、ケミカルバスデポション法を用いて成膜すればよい。また、第2の電極を形成する際は、適宜の材料を用いて透明電極として成膜すればよい。
光吸収層を形成する際には、まず、第1の電極(基体)上に、前記第一の態様に係る均一系塗布液を塗布する。塗布の方法としてはスピンコート法、ノンスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。本発明においては、量産化の観点から、ノンスピンコート法を用いることが好ましい。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
例えば、スピンコーティング法を用いる場合には、基体をスピンコーターにセットし、均一系塗布液を塗布する。この際の塗布条件は、形成しようとする膜厚に応じて適宜設定すればよく、例えば回転速度は、300〜3000rpmで、10〜180秒間維持することにより形成することができる。塗布は所望の膜厚が得られるまで、繰り返し行うことができる。
また、ノンスピンコート法を用いる場合は、矩形上の吐出口を有するスリットノズルにより均一系塗布液を塗布する。塗布回数は特に限定されないが、1〜10回が好ましく、1〜5回がさらに好ましい。
また、ディップ法を用いる場合には、均一系塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に均一系塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
また、ノンスピンコート法を用いる場合は、矩形上の吐出口を有するスリットノズルにより均一系塗布液を塗布する。塗布回数は特に限定されないが、1〜10回が好ましく、1〜5回がさらに好ましい。
また、ディップ法を用いる場合には、均一系塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に均一系塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
次に、基体上に均一系塗布液を塗布した後は、基体を焼成して光吸収層を形成する。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
この場合、例えば、ホットプレート上に、基体を配置して保持した後、ホットプレートの温度を100〜500℃として1〜300秒ソフトベークを行い、基体を室温付近まで冷却した後、再び塗布を行う。所望の膜厚が得られた後、ホットプレートまたはオーブン内部を300〜700℃に上昇させて1〜180分間保持することでアニーリングを行う。これにより、光吸収層が硬化される。
なお、上記焼成の各温度は、一条件を示したものであり、これに限られるものではない。例えば、ホットプレートの温度は段階的に上げてもよいし、これらの加熱工程はグローブボックス中の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレンをソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させてもよい。しかしながら、本発明においては、ルイス酸としてカルコゲン源となりうる化合物を用いることにより、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレン等をソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させなくても、カルコパイライト構造等の所望の構造を有する光吸収層を形成できる。
本発明の太陽電池の製造方法により得られる太陽電池は、カルコパイライト系太陽電池であることが好ましい。その場合、光吸収層は、前記一般式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。
前記調製方法(III)によって調製した金属錯体溶液を2種以上用いる場合、第一錯体溶液を基体に塗布し、ベークして第一層を形成し、次いで第一錯体溶液とは異なる金属組成を有する第二錯体溶液を第一層に塗布し、ベークして第二層を形成できる。その後、前記第一層及び第二層をアニールすることにより、所望の組成を有する単一の光吸収層、又は金属組成比が所望のグラデーションを有する多層構造光吸収層を形成することができる。この場合、光吸収層における金属の配置を確実にデザインすることができ、光吸収層の構造を確実にコントロールすることができる。
しかしながら、異なる組成を有する錯体溶液を積層する場合は、前記調製方法(III)に限られるものではない。錯体溶液を前記調製方法(I)及び/又は前記調製方法(II)で調製した場合であっても、異なる組成を有する錯体溶液を所望の順序で積層することができる。上記のようにして、塗布膜中の組成分布を柔軟にデザインすることが容易となる。
しかしながら、異なる組成を有する錯体溶液を積層する場合は、前記調製方法(III)に限られるものではない。錯体溶液を前記調製方法(I)及び/又は前記調製方法(II)で調製した場合であっても、異なる組成を有する錯体溶液を所望の順序で積層することができる。上記のようにして、塗布膜中の組成分布を柔軟にデザインすることが容易となる。
以上のようにして、本実施形態の太陽電池を製造することができる。そして、本実施形態の製造方法によって製造された太陽電池では、光吸収層の原料に由来する過剰のS及び/又はSeが化合物(U)と反応し、ソフトベーク中に蒸発して除去されるため、光吸収層におけるクラック発生が抑制されていると推測される。また、本実施形態の製造方法によって製造された太陽電池は、均一系塗布液にヒドラジンが含まれていないので、プロセスの安全性が向上する。更に、均一系塗布液に有機配位子を用いていないため、光吸収層において結晶成長を阻害する要因となる有機物の含有量が低減されており、良好な結晶成長が得られる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
上記実施形態では、均一系塗布液の調製方法として、調製方法(I)、調製方法(II)及び調製方法(III)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、一部の金属成分については金属前駆体を調製しておき、調製した金属錯体と、他の金属成分と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素と、その他所望の成分とを混合することもできる。また、例えば調製方法(II)において、一部の原料を先に混合した後に、残りの原料を添加することもできる。
上記実施形態では、均一系塗布液の調製方法として、調製方法(I)、調製方法(II)及び調製方法(III)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、一部の金属成分については金属前駆体を調製しておき、調製した金属錯体と、他の金属成分と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、化合物(U)と、所望により第16族元素と、その他所望の成分とを混合することもできる。また、例えば調製方法(II)において、一部の原料を先に混合した後に、残りの原料を添加することもできる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
3.790g(48.00mmol)のSe、22.50gのDMSO、6.204g(NH3換算で102.00mmol)の28%NH3水溶液及び1.943g(S換算で12.00mmol)の42%(NH4)2S水溶液を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、1.208g(10.50mmol)のIn、0.315g(4.500mmol)のGa及び0.297g(4.67mmol)のCuを加え、室温で6時間撹拌し、更に70°Cで2日撹拌した。その後、0.593g(9.33mmol)のCuを加え、室温で2日撹拌し、均一系CIG金属/金属化合物溶液を得た。
CIG金属/金属化合物溶液にグアニルチオ尿素5.0wt%を加え、室温で6時間撹拌し、均一系塗布溶液を得た。
得られた塗布溶液0.1mLをMo蒸着した3.0×3.0cmガラス基板上に塗布し、基板表面全体が被覆されるようにSeS塗布溶液を広げた。
その後、基板を真空チャンバーで5分間乾燥し、次いでホットプレート上で325℃で2分間のソフトベイクを行い、膜厚500nmの塗布膜を形成した。
3.790g(48.00mmol)のSe、22.50gのDMSO、6.204g(NH3換算で102.00mmol)の28%NH3水溶液及び1.943g(S換算で12.00mmol)の42%(NH4)2S水溶液を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、1.208g(10.50mmol)のIn、0.315g(4.500mmol)のGa及び0.297g(4.67mmol)のCuを加え、室温で6時間撹拌し、更に70°Cで2日撹拌した。その後、0.593g(9.33mmol)のCuを加え、室温で2日撹拌し、均一系CIG金属/金属化合物溶液を得た。
CIG金属/金属化合物溶液にグアニルチオ尿素5.0wt%を加え、室温で6時間撹拌し、均一系塗布溶液を得た。
得られた塗布溶液0.1mLをMo蒸着した3.0×3.0cmガラス基板上に塗布し、基板表面全体が被覆されるようにSeS塗布溶液を広げた。
その後、基板を真空チャンバーで5分間乾燥し、次いでホットプレート上で325℃で2分間のソフトベイクを行い、膜厚500nmの塗布膜を形成した。
[実施例2]
3.790g(48.00mmol)のSe、22.50gのDMSO、6.204g(NH3換算で102.00mmol)の28%NH3水溶液及び1.943g(S換算で12.00mmol)の42%(NH4)2S水溶液を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、1.208g(10.50mmol)のIn、0.315g(4.500mmol)のGa及び0.297g(4.67mmol)のCuを加え、室温で6時間撹拌し、更に70°Cで2日撹拌した。その後、0.593g(9.33mmol)のCuを加え、室温で2日撹拌し、均一系CIG金属/金属化合物溶液を得た。
CIG金属/金属化合物溶液にチオ尿素5.0wt%を加え、室温で6時間撹拌し、均一系塗布溶液を得た。
得られた塗布溶液0.1mLをMo蒸着した3.0×3.0cmガラス基板上に塗布し、基板表面全体が被覆されるようにSeS塗布溶液を広げた。
その後、基板を真空チャンバーで5分間乾燥し、次いでホットプレート上で325℃で2分間のソフトベイクを行い、膜厚250nmの塗布膜を形成した。
3.790g(48.00mmol)のSe、22.50gのDMSO、6.204g(NH3換算で102.00mmol)の28%NH3水溶液及び1.943g(S換算で12.00mmol)の42%(NH4)2S水溶液を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、1.208g(10.50mmol)のIn、0.315g(4.500mmol)のGa及び0.297g(4.67mmol)のCuを加え、室温で6時間撹拌し、更に70°Cで2日撹拌した。その後、0.593g(9.33mmol)のCuを加え、室温で2日撹拌し、均一系CIG金属/金属化合物溶液を得た。
CIG金属/金属化合物溶液にチオ尿素5.0wt%を加え、室温で6時間撹拌し、均一系塗布溶液を得た。
得られた塗布溶液0.1mLをMo蒸着した3.0×3.0cmガラス基板上に塗布し、基板表面全体が被覆されるようにSeS塗布溶液を広げた。
その後、基板を真空チャンバーで5分間乾燥し、次いでホットプレート上で325℃で2分間のソフトベイクを行い、膜厚250nmの塗布膜を形成した。
[実施例3]
グアニルチオ尿素の量を3.75wt%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚468nmの塗布膜を形成した。
グアニルチオ尿素の量を3.75wt%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚468nmの塗布膜を形成した。
[比較例1]
グアニルチオ尿素を加えなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚150nmの塗布膜を形成した。
グアニルチオ尿素を加えなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚150nmの塗布膜を形成した。
[クラックの評価]
実施例1〜3及び比較例1において塗布膜が形成された各基板をSEMで観察した。その結果、実施例1〜3で形成した塗布膜にはクラックが発生していないことが確認された。一方、比較例1で形成した塗布膜には、クラックの発生が確認された。
実施例1〜3及び比較例1において塗布膜が形成された各基板をSEMで観察した。その結果、実施例1〜3で形成した塗布膜にはクラックが発生していないことが確認された。一方、比較例1で形成した塗布膜には、クラックの発生が確認された。
[ラマン分光分析]
実施例1〜3及び比較例1において塗布膜が形成された各基板について、ラマン分光分析を行った。その結果、実施例1〜3及び比較例1で形成した塗布膜については、1500cm−1付近にピークは見られず、塗布膜に炭素成分が残存していないことが確認された。すなわち、実施例1〜3においては、有機化合物である化合物(U)を添加したにも関わらず、塗布膜に炭素成分が残存していないことが確認された。
実施例1〜3及び比較例1において塗布膜が形成された各基板について、ラマン分光分析を行った。その結果、実施例1〜3及び比較例1で形成した塗布膜については、1500cm−1付近にピークは見られず、塗布膜に炭素成分が残存していないことが確認された。すなわち、実施例1〜3においては、有機化合物である化合物(U)を添加したにも関わらず、塗布膜に炭素成分が残存していないことが確認された。
Claims (13)
- 太陽電池の光吸収層の形成に用いられる均一系塗布液の製造方法であって、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合することを含むことを特徴とする均一系塗布液の製造方法。
- 前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である請求項1に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である請求項1〜3のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びN−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記ルイス酸がオニウム塩である請求項1〜5のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記ルイス酸がアンモニウム塩である請求項6に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 更に第16族元素を混合することを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 前記第16元素が、S及びSeからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 更にLi、Na、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の均一系塗布液の製造方法。
- 第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記均一系塗布液を、基体に塗布し、焼成する工程と、
を有することを特徴とする太陽電池用光吸収層の形成方法。
- 基板上に第1の電極を形成する工程と、
第11族金属、第13族金属、第11族金属化合物及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに下記一般式(u−1)で表される化合物(U)を混合して均一系塗布液を製造する工程と、
前記第1の電極上に、前記均一系塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、
前記光吸収層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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