JP2019087679A - 塗布膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶成長が改善された塗布膜を形成する方法の提供。【解決手段】基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を含み、前記均一系塗布液が、第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸、を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。【選択図】なし
Description
本発明は、塗布膜の形成方法に関する。
近年、環境への配慮から太陽電池への関心が高まっており、中でも光電変換効率が高い薄膜太陽電池であるカルコパイライト系太陽電池やインジウム等のレアメタルを他の環境に優しい金属に置き換えたケステライト系太陽電池には特に注目が集まっており、現在、研究開発が活発に行われている。
カルコパイライト系太陽電池は、カルコパイライト系(黄銅鉱系)材料からなる光吸収層を、基板上に成膜して形成される太陽電池である。カルコパイライト系材料の代表的な元素は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)及び硫黄(S)等であり、光吸収層の代表的なものとして、Cu(In,Ga)Se2やCu(In,Ga)(Se,S)2等があり、それぞれCIGS、CIGSSe等と略称されている。また、最近ではレアメタルであるインジウムを置き換えた、例えば銅(Cu)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、セレン(Se)及び硫黄(S)からなるケステライト系太陽電池が検討されており、光吸収層の代表的なものとして、Cu2ZnSnSe4、Cu2ZnSnS4、Cu2ZnSn(S,Se)4等がある。
図1は、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池は、基板2上に第1の電極3(裏面電極)、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i−ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
図1に示すように、カルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池は、基板2上に第1の電極3(裏面電極)、CIGS又はCZTS層(光吸収層)4、バッファ層5、i−ZnO層6及び第2の電極7が、この順序で積層されて概略構成されている。なお、バッファ層としては、例えばCdS層や、ZnS層や、InS層等が知られている。
第1の電極3と第2の電極7には、それぞれ端子が接合されており、端子には、配線が接続されている。このようなカルコパイライト系又はケステライト系太陽電池1は、矢印Aの向きに入射された光が、CIGS又はCZTS層4で吸収されることにより、起電力が生じ、矢印Bの向きに電流が流れる。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF2層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
なお、第2の電極7の表面は、例えばMgF2層からなる反射防止膜層8によって覆われることで保護されている。
一般的に、CIGS層又はCZTS層の溶液プロセスにおいて、Cu、In/Ga又はZn/Sn、Se及びS等の元素を所定の溶媒に溶解して塗布液を調製し、該塗布液をスピンコート法、ディップ法又はスリットキャスト法により基板上に塗布し、焼成することよりCIGS層又はCZTS層を形成する。
CIGS層又はCZTS層等の光吸収層の形成においては、光吸収層の各種特定を向上するために考慮すべきファクターとして結晶成長があり、様々な方法が提案されている。
非特許文献1には、CIGS層上にSb層を形成し、CIGS膜の結晶成長を改善する方法が開示されている。
非特許文献2には、CISにCuSbSe2を導入することによりCIS膜の結晶成長を改善する方法が開示されている。
非特許文献3には、Li、Na、K、Rb又はCs等のアルカリ金属をドープすることによりCZTS層の結晶成長を改善する方法が開示されている。
CIGS層又はCZTS層等の光吸収層の形成においては、光吸収層の各種特定を向上するために考慮すべきファクターとして結晶成長があり、様々な方法が提案されている。
非特許文献1には、CIGS層上にSb層を形成し、CIGS膜の結晶成長を改善する方法が開示されている。
非特許文献2には、CISにCuSbSe2を導入することによりCIS膜の結晶成長を改善する方法が開示されている。
非特許文献3には、Li、Na、K、Rb又はCs等のアルカリ金属をドープすることによりCZTS層の結晶成長を改善する方法が開示されている。
10.1109/PVSC.2011.6186709 Photovoltaic Specialists Conference (PVSC), 2011 37th IEEE
Journal of Materials Science 10/2012; 47(20): 7085−7089
Advanced Energy Material 2016, 1502386
光吸収層の結晶成長は、太陽電池の分野のみならず、光センサー、薄膜トランジスタ、光触媒等の分野においても考慮すべきファクターである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、結晶成長が改善された塗布膜を形成する方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、結晶成長が改善された塗布膜を形成する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)塗布膜の形成方法であって、
基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を含み、
前記基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程は、
光吸収層形成用塗布液を用いて光吸収層を形成する工程と、
均一系塗布液を用いて均一系塗布液の層を形成する工程と、を含み
前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。
(1)塗布膜の形成方法であって、
基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を含み、
前記基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程は、
光吸収層形成用塗布液を用いて光吸収層を形成する工程と、
均一系塗布液を用いて均一系塗布液の層を形成する工程と、を含み
前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。
(2)前記均一系塗布液が下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記(1)に記載の塗布膜の形成方法。
(3)前記一般式(1)中、x/y>0.1である、前記(2)に記載の塗布膜の形成方法。
(4)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(5)前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(4)に記載の塗布膜の形成方法。
(6)前記ルイス酸がオニウム塩である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(7)前記ルイス酸がアンモニウム塩である前記(6)に記載の塗布膜の形成方法。
(8)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(7)に記載の塗布膜の形成方法。
(9)前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(10)前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(9)に記載の塗布膜の形成方法。
(11)前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(4)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(5)前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(4)に記載の塗布膜の形成方法。
(6)前記ルイス酸がオニウム塩である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(7)前記ルイス酸がアンモニウム塩である前記(6)に記載の塗布膜の形成方法。
(8)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(7)に記載の塗布膜の形成方法。
(9)前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(10)前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(9)に記載の塗布膜の形成方法。
(11)前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(12)塗布膜の形成方法であって、
光吸収層形成用塗布液と均一系塗布液とを混合して混合液を得る工程と、
前記混合液を基板上に塗布する工程と、
を含み、
前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。
光吸収層形成用塗布液と均一系塗布液とを混合して混合液を得る工程と、
前記混合液を基板上に塗布する工程と、
を含み、
前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。
(13)前記均一系塗布液が下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記(12)に記載の塗布膜の形成方法。
(14)前記一般式(1)中、x/y>0.1である、前記(13)に記載の塗布膜の形成方法。
(15)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である前記(12)〜(14)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(16)
前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(15)に記載の塗布膜の形成方法。
(17)前記ルイス酸がオニウム塩である前記(12)〜(16)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(18)前記ルイス酸がアンモニウム塩である前記(17)に記載の塗布膜の形成方法。
(19)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(18)に記載の塗布膜の形成方法。
(20)前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する前記(12)〜(19)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(21)前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(20)に記載の塗布膜の形成方法。
(22)前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記(12)〜(21)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(15)前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である前記(12)〜(14)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(16)
前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(15)に記載の塗布膜の形成方法。
(17)前記ルイス酸がオニウム塩である前記(12)〜(16)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(18)前記ルイス酸がアンモニウム塩である前記(17)に記載の塗布膜の形成方法。
(19)前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(18)に記載の塗布膜の形成方法。
(20)前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する前記(12)〜(19)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(21)前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(20)に記載の塗布膜の形成方法。
(22)前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記(12)〜(21)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
本発明の他の態様として;
(23)前記塗布膜が太陽電池の光吸収半導体層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒である、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(24)基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、
前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(25)前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である前記(24)に記載の太陽電池の製造方法。
(26)前記塗布膜が太陽電池の光吸収半導体層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒である、前記(12)〜(22)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(23)前記塗布膜が太陽電池の光吸収半導体層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒である、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(24)基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、
前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(25)前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である前記(24)に記載の太陽電池の製造方法。
(26)前記塗布膜が太陽電池の光吸収半導体層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒である、前記(12)〜(22)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
(27)基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記(12)〜(22)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、
前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(28)前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である(27)に記載の太陽電池の製造方法。
前記第1の電極上に、前記(12)〜(22)のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、
前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(28)前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池である(27)に記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば、結晶成長が改善された塗布膜を形成する方法を提供することができる。
[塗布膜の形成方法]
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる塗布膜の製造方法は、基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を有する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる塗布膜の製造方法は、基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を有する。
(均一系塗布液)
本実施形態において、均一系塗布液は、第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物(以下、まとめて「IA/IIA金属及び/又は金属化合物」という場合がある)、第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質(以下、まとめて「IIIA金属含有物質」という場合がある)、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を含有する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「均一系塗布液」とは、溶質(IA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質、ルイス酸、第16元素及び任意成分)が溶媒(ルイス塩基溶媒及び任意の溶媒)の全体に亘って均一に溶解している溶液であり、溶媒中に金属粒子及び/又は金属化合物粒子等が分散した分散系溶液は包含しないものとする。
本実施形態において、均一系塗布液は、第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物(以下、まとめて「IA/IIA金属及び/又は金属化合物」という場合がある)、第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質(以下、まとめて「IIIA金属含有物質」という場合がある)、ルイス塩基溶媒、及びルイス酸を含有する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「均一系塗布液」とは、溶質(IA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質、ルイス酸、第16元素及び任意成分)が溶媒(ルイス塩基溶媒及び任意の溶媒)の全体に亘って均一に溶解している溶液であり、溶媒中に金属粒子及び/又は金属化合物粒子等が分散した分散系溶液は包含しないものとする。
第1族金属としては、Li元素、Na元素、K元素、Rb元素及びCs元素等が挙げられる。なかでも、Li元素、Na元素及びK元素が好ましい。
第1族金属化合物としては、Li2O、Li2S、Li2Se、Li2Te、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiNO3、LiOH、Li2CO3、CH3CO2Li、Li2SO4、Li2SO3、Li2S2O3、CH3OLi、Na2O、Na2S、Na2Se、Na2Te、NaF、NaCl、NaBr、NaI、NaNO3、NaOH、Na2CO3、CH3CO2Na、NaHCO3、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3、Na2S2O3、CH3ONa、K2S、K2O、K2Se、K2Te、KF、KCl、KI、KBr、KNO3、KOH、K2CO3、KHCO3、K2SO4、K2SO3、K2S2O3、CH3CO2K、CH3OK、Rb2O、Rb2S、Rb2Se、Rb2Te、RbF、RbCl、RbBr、RbI、RbNO3、RbOH、Rb2CO3、CH3CO2Rb、RbHCO3、Rb2SO4、Rb2SO3、Rb2S2O3、CH3ORb、Cs2O、Cs2S、Cs2Se、Cs2Te、CsF、CsCl、CsBr、CsI、CsNO3、CsOH、Cs2CO3、CH3CO2Cs、CsHCO3、Cs2SO4、Cs2SO3、Cs2S2O3及びCH3OCs等が挙げられる。なかでも、Li2S、Li2Se、LiI、LiNO3、LiOH、Na2S、Na2Se、NaI、NaNO3、NaOH、K2S、K2Se、KI、KNO3、KOH、Rb2S、Rb2Se、RbI、RbNO3、RbOH、Cs2S、Cs2Se、CsI、CsNO3及びCsOHが好ましい。
第1族金属化合物としては、Li2O、Li2S、Li2Se、Li2Te、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiNO3、LiOH、Li2CO3、CH3CO2Li、Li2SO4、Li2SO3、Li2S2O3、CH3OLi、Na2O、Na2S、Na2Se、Na2Te、NaF、NaCl、NaBr、NaI、NaNO3、NaOH、Na2CO3、CH3CO2Na、NaHCO3、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3、Na2S2O3、CH3ONa、K2S、K2O、K2Se、K2Te、KF、KCl、KI、KBr、KNO3、KOH、K2CO3、KHCO3、K2SO4、K2SO3、K2S2O3、CH3CO2K、CH3OK、Rb2O、Rb2S、Rb2Se、Rb2Te、RbF、RbCl、RbBr、RbI、RbNO3、RbOH、Rb2CO3、CH3CO2Rb、RbHCO3、Rb2SO4、Rb2SO3、Rb2S2O3、CH3ORb、Cs2O、Cs2S、Cs2Se、Cs2Te、CsF、CsCl、CsBr、CsI、CsNO3、CsOH、Cs2CO3、CH3CO2Cs、CsHCO3、Cs2SO4、Cs2SO3、Cs2S2O3及びCH3OCs等が挙げられる。なかでも、Li2S、Li2Se、LiI、LiNO3、LiOH、Na2S、Na2Se、NaI、NaNO3、NaOH、K2S、K2Se、KI、KNO3、KOH、Rb2S、Rb2Se、RbI、RbNO3、RbOH、Cs2S、Cs2Se、CsI、CsNO3及びCsOHが好ましい。
第2族金属としては、Be元素、Mg元素、Ca元素、Sr元素及びBa元素等が挙げられる。なかでも、Ca元素が好ましい。
第2金属化合物としては、BeS、BeSe、BeI2、BeCl2、Be(NO3)2、Be(OH)2、MgO、MgS、MgSe、MgTe、MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(OH)2、MgSO4、MgCO3、Mg(HCO3)2、MgSO3、MgS2O3、(CH3CO2)2Mg、(CH3O)2Mg、CaO、CaS、CaSe、CaTe、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、Ca(NO3)2、Ca(OH)2、CaSO4、CaCO3、Ca(HCO3)2、CaSO3、CaS2O3、(CH3CO2)2Ca、(CH3O)2Ca、SrO、SrS、SrSe、SrTe、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、Sr(NO3)2、Sr(OH)2、SrSO4、SrCO3、Sr(HCO3)2、SrSO3、SrS2O3、(CH3CO2)2Sr、(CH3O)2Sr、BaO、BaS、BaSe、BaTe、BaF2、BaCl2、BaBr2、BaI2、Ba(NO3)2、Ba(OH)2、BaSO4、BaCO3、Ba(HCO3)2、BaSO3、BaS2O3、(CH3CO2)2Ba、(CH3O)2Ba等が挙げられる。なかでも、BeS、BeSe、BeI2、BeCl2、Be(NO3)2、Be(OH)2、MgS、MgSe、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(OH)2、CaS、CaSe、CaI2、Ca(NO3)2、Ca(OH)2、CaS、SrS、SrSe、SrI2、Sr(NO3)2、Sr(OH)2、BaS、BaSe、BaI2、Ba(NO3)2及びBa(OH)2が好ましい。
第2金属化合物としては、BeS、BeSe、BeI2、BeCl2、Be(NO3)2、Be(OH)2、MgO、MgS、MgSe、MgTe、MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(OH)2、MgSO4、MgCO3、Mg(HCO3)2、MgSO3、MgS2O3、(CH3CO2)2Mg、(CH3O)2Mg、CaO、CaS、CaSe、CaTe、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、Ca(NO3)2、Ca(OH)2、CaSO4、CaCO3、Ca(HCO3)2、CaSO3、CaS2O3、(CH3CO2)2Ca、(CH3O)2Ca、SrO、SrS、SrSe、SrTe、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、Sr(NO3)2、Sr(OH)2、SrSO4、SrCO3、Sr(HCO3)2、SrSO3、SrS2O3、(CH3CO2)2Sr、(CH3O)2Sr、BaO、BaS、BaSe、BaTe、BaF2、BaCl2、BaBr2、BaI2、Ba(NO3)2、Ba(OH)2、BaSO4、BaCO3、Ba(HCO3)2、BaSO3、BaS2O3、(CH3CO2)2Ba、(CH3O)2Ba等が挙げられる。なかでも、BeS、BeSe、BeI2、BeCl2、Be(NO3)2、Be(OH)2、MgS、MgSe、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(OH)2、CaS、CaSe、CaI2、Ca(NO3)2、Ca(OH)2、CaS、SrS、SrSe、SrI2、Sr(NO3)2、Sr(OH)2、BaS、BaSe、BaI2、Ba(NO3)2及びBa(OH)2が好ましい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物としては、LiI、Li2S、LiOH、LiCl、Na2S、NaOH、NaCl、K2S、KOH、KCl、Rb2S、RbOH、RbCl、Cs2S、CsOH、CsCl、BeS、Be(OH)2、BeCl2、MgS、Mg(OH)2、MgCl2、CaS、Ca(OH)2、CaCl2、SrS、Sr(OH)2、SrCl2、BaS、Ba(OH)2及びBaCl2が好ましく、LiI、K2S及びNa2Sがより好ましい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第13族金属としては、Al元素、Ga元素及びIn元素が挙げられる。なかでも、Ga元素及びIn元素が好ましい。
第13族金属化合物としては、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、Ga(OH)3、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、水酸化インジウムガリウム、ホウ酸、酸化ホウ素等が挙げられる。なかでも、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、Ga(OH)3、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム及び水酸化インジウムガリウムが好ましい。
少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物としては、CuInGaOx、CuInGa(OH)x、InGaZnOx、InGaZn(OH)3、InGa(OH)3、(In,Ga)2S3、(In,Ga)2Se3、(Al,In)2O3、(Al,In,Ga)2O3、窒化インジウムガリウムアルミニウム、ヒ化インジウムアルミニウム(AlxIn1−xAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、リン化インジウムアルミニウム(AlxIn1−xP)及びリン化インジウムガリウム(InGaP)等が挙げられる。なかでも、InGa(OH)3、(In,Ga)2S3及び(In,Ga)2Se3が好ましい。
少なくとも2種の第13族金属を含む合金としては、Al−In、Al−Ga、Al−In−Ga及びIn−Gaが挙げられる。なかでも、In−Gaが好ましい。
IIIA金属含有物質としては、Al元素、Ga元素、In元素、In(OH)3、酸化インジウム及び酸化ガリウムが好ましく、Ga元素及びIn元素がより好ましい。
第13族金属化合物としては、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、Ga(OH)3、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、水酸化インジウムガリウム、ホウ酸、酸化ホウ素等が挙げられる。なかでも、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、Ga(OH)3、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム及び水酸化インジウムガリウムが好ましい。
少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物としては、CuInGaOx、CuInGa(OH)x、InGaZnOx、InGaZn(OH)3、InGa(OH)3、(In,Ga)2S3、(In,Ga)2Se3、(Al,In)2O3、(Al,In,Ga)2O3、窒化インジウムガリウムアルミニウム、ヒ化インジウムアルミニウム(AlxIn1−xAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、リン化インジウムアルミニウム(AlxIn1−xP)及びリン化インジウムガリウム(InGaP)等が挙げられる。なかでも、InGa(OH)3、(In,Ga)2S3及び(In,Ga)2Se3が好ましい。
少なくとも2種の第13族金属を含む合金としては、Al−In、Al−Ga、Al−In−Ga及びIn−Gaが挙げられる。なかでも、In−Gaが好ましい。
IIIA金属含有物質としては、Al元素、Ga元素、In元素、In(OH)3、酸化インジウム及び酸化ガリウムが好ましく、Ga元素及びIn元素がより好ましい。
ルイス塩基溶媒は、IA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質、ルイス酸、及び任意成分を溶解し、電子対を供与する物質であれば特に限定されない。
ルイス塩基溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア又はγ−ブチロラクトンが好ましく、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
ルイス塩基溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス塩基溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア又はγ−ブチロラクトンが好ましく、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
ルイス塩基溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス酸としては、電子対を受容しうる物質であれば特に限定されない。
ルイス酸としては、オニウム塩が好ましい。オニウム塩としては、アンモニウム塩[(NH4)+]、ホスホニウム塩[(PH4)+]、スルホニウム塩[(H3S)+]、メタニウム塩[(CH5)]+、ボロニウム塩[(BH3)+、(BH4)+、(BH5)+、(BH6)+]、ジシラニウム塩[(Si2H7)+]、ゲルモニウム塩[(GeH5)+]等が挙げられる。中でも、アンモニウム塩が好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム及び、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。中でも、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム又はこれらの組み合わせが好ましい。
ルイス酸としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス酸としては、オニウム塩が好ましい。オニウム塩としては、アンモニウム塩[(NH4)+]、ホスホニウム塩[(PH4)+]、スルホニウム塩[(H3S)+]、メタニウム塩[(CH5)]+、ボロニウム塩[(BH3)+、(BH4)+、(BH5)+、(BH6)+]、ジシラニウム塩[(Si2H7)+]、ゲルモニウム塩[(GeH5)+]等が挙げられる。中でも、アンモニウム塩が好ましい。
アンモニウム塩としては、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム及び、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。中でも、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム又はこれらの組み合わせが好ましい。
ルイス酸としては、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、均一系塗布液は、第16族元素を含有していてもよい。第16族元素としては、O、S、Se、Te等が挙げられ、S、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種が好ましく、S及びSeが特に好ましい。
第16族元素としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記IA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質並びに前記ルイス酸のうち、第16元素を含む化合物を用いることもできる。
第16族元素としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記IA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質並びに前記ルイス酸のうち、第16元素を含む化合物を用いることもできる。
本実施形態において、均一系塗布液は、ルイス塩基溶媒以外の溶媒(以下、「任意溶媒」という。)を含有してもよい。任意溶媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)、グリコールエーテル(例えば、メチルジグリコール)等が挙げられる。
任意溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
任意溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、均一系塗布液に前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒(以下、「貧溶媒」という場合がある。)を加えてもよい。貧溶媒を加えることにより、均一系塗布液を精製することができ、不純物を取り除くことできる。しかしながら、本発明においては、そのような精製工程は必ずし必要ない。精製工程を省くことにより、製造方法全体のプロセスを簡便化できるので、工業的に有利である。
前記貧溶媒としては、前記ルイス塩基溶媒よりも極性の低い溶媒であれば特に限定されないが、アセトン、イソプロパノールが好ましい。
前記貧溶媒は、均一系塗布液の調製の際に、前記金属および/または金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素と共に混合してもよいが、均一系塗布液を調製した後に混合することが好ましい。均一系塗布液を調製した後に貧溶媒を混合することにより、目的物である錯体を沈殿させ、未反応S又はSe等の不純物を上清として除去できる。錯体と不純物は、例えば遠心分離、ろ過、抽出等で分離できる。
また、不純物を上清として除去した後に、更に貧溶媒で錯体を洗浄できる。洗浄を複数回行うことにより、より確実に不純物を除去することができる。
貧溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記貧溶媒は、均一系塗布液の調製の際に、前記金属および/または金属化合物と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素と共に混合してもよいが、均一系塗布液を調製した後に混合することが好ましい。均一系塗布液を調製した後に貧溶媒を混合することにより、目的物である錯体を沈殿させ、未反応S又はSe等の不純物を上清として除去できる。錯体と不純物は、例えば遠心分離、ろ過、抽出等で分離できる。
また、不純物を上清として除去した後に、更に貧溶媒で錯体を洗浄できる。洗浄を複数回行うことにより、より確実に不純物を除去することができる。
貧溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、均一系塗布液は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1)中、Aは第1族金属及び第2族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であり、好ましくはLi元素、Na元素、K元素及びCa元素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記一般式(1)中、Bは少なくとも1種の第13族金属であり、好ましくはGa元素及びIn元素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記一般式(1)中、Cは少なくとも1種の16族元素であり、好ましくはS、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはS及びSeからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記一般式(1)中、0<x≦1であり、好ましくは0.5≦x≦1である。
前記一般式(1)中、0<y≦1であり、好ましくは0.5≦y≦1である。
前記一般式(1)中、0<z≦2であり、好ましくは1≦z≦2である。
前記一般式(1)中、Bは少なくとも1種の第13族金属であり、好ましくはGa元素及びIn元素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記一般式(1)中、Cは少なくとも1種の16族元素であり、好ましくはS、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはS及びSeからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
前記一般式(1)中、0<x≦1であり、好ましくは0.5≦x≦1である。
前記一般式(1)中、0<y≦1であり、好ましくは0.5≦y≦1である。
前記一般式(1)中、0<z≦2であり、好ましくは1≦z≦2である。
前記一般式(1)において、x/y>0.1であることが好ましく、x/y≧0.2であることがより好ましく、x/y≧0.3であることがさらに好ましく、x/y≧0.4であることが特に好ましい。x/y比の上限値は特に限定されないが、x/y≦3.0であることが好ましく、x/y≦2.9であることがより好ましく、x/y≦2.8であることが更に好ましい。
前記一般式(1)において、Aが第1族金属である場合、0.4≦x/y≦3.0であることが好ましく、0.5≦x/y≦2.5であることがより好ましく、0.6≦x/y≦1.8であることが更に好ましく、0.8≦x/y≦1.5であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において、Aが第2族金属である場合、0.3≦x/y≦1.0であることが好ましく、0.4≦x/y≦0.8であることがより好ましく、0.4≦x/y≦0.7であることが更に好ましく、0.4≦x/y≦0.6であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において、Aが第1族金属である場合、0.4≦x/y≦3.0であることが好ましく、0.5≦x/y≦2.5であることがより好ましく、0.6≦x/y≦1.8であることが更に好ましく、0.8≦x/y≦1.5であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において、Aが第2族金属である場合、0.3≦x/y≦1.0であることが好ましく、0.4≦x/y≦0.8であることがより好ましく、0.4≦x/y≦0.7であることが更に好ましく、0.4≦x/y≦0.6であることが特に好ましい。
本発明の均一系塗布液が少なくとも2種のIIIA金属含有物質を含む場合、均一系塗布液は下記一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(2)中、A、C、x、y及びzは前記一般式(1)中のA、C、x、y及びzと同様である。
前記一般式(2)中、B1及びB2はそれぞれ独立に第13金属であって、ただしB1とB2とは異なる。B1は好ましくはIn元素であり、B2は好ましくはGa元素である。
前記一般式(2)中、0<u≦1であり、好ましくは0.1≦x≦0.5である。
前記一般式(2)中、B1及びB2はそれぞれ独立に第13金属であって、ただしB1とB2とは異なる。B1は好ましくはIn元素であり、B2は好ましくはGa元素である。
前記一般式(2)中、0<u≦1であり、好ましくは0.1≦x≦0.5である。
本実施形態において、均一系塗布液は、前記IA/IIA金属及び/又は金属化合物、前記IIIA金属含有物質、前記ルイス塩基溶媒、前記ルイス酸並びに任意成分を混合することにより得られる。原料を混合する方法は特に限定されない。例えば、全ての原料を一括に混合してもよいし、一部の原料を混合した後に、残りの原料を添加してもよい。
原料として用いることができるIA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに第16族元素としては、前記均一系塗布液の説明において例示したIA/IIA金属及び/又は金属化合物、IIIA金属含有物質、ルイス塩基溶媒、ルイス酸ならびに第16族元素を挙げることができる。
各原料の量は、各原料の種類によって適宜調整することができる。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量は、IIIA金属含有物質1モルに対して0.1モル超が好ましく、0.2モル以上がより好ましく、0.3モル以上が更に好ましく、0.4モル以上が特に好ましい。IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量の上限値は、IIIA金属含有物質1モルに対して3.0モル以下が好ましく、2.9モル以下がより好ましく、2.8モル以下が更に好ましい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量は、IIIA金属含有物質1モルに対して0.1モル超が好ましく、0.2モル以上がより好ましく、0.3モル以上が更に好ましく、0.4モル以上が特に好ましい。IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量の上限値は、IIIA金属含有物質1モルに対して3.0モル以下が好ましく、2.9モル以下がより好ましく、2.8モル以下が更に好ましい。
より具体的には、IA/IIA金属及び/又は金属化合物として第1族金属及び/又は第1族金属化合物が用いられる場合、IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量は、IIIA金属含有物質1モルに対して0.4〜3.0モルの範囲内であることが好ましく、0.5〜2.5モルの範囲内であることがより好ましく、0.6〜1.8モルの範囲内であることが更に好ましく、0.8〜1.5モルの範囲内であることが特に好ましい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物として第2族金属及び/又は第2族金属化合物が用いられる場合、IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量は、IIIA金属含有物質1モルに対して0.3〜1.0モルの範囲内であることが好ましく、0.4〜0.8モルの範囲内であることがより好ましく、0.4〜0.7モルの範囲内であることが更に好ましく、0.4〜0.6モルの範囲内であることが特に好ましい。
IA/IIA金属及び/又は金属化合物として第2族金属及び/又は第2族金属化合物が用いられる場合、IA/IIA金属及び/又は金属化合物の量は、IIIA金属含有物質1モルに対して0.3〜1.0モルの範囲内であることが好ましく、0.4〜0.8モルの範囲内であることがより好ましく、0.4〜0.7モルの範囲内であることが更に好ましく、0.4〜0.6モルの範囲内であることが特に好ましい。
ルイス酸の量は、IA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質との合計1モルに対して0.1〜2.0モルが好ましく、0.1〜1.2モルがより好ましく、0.3〜0.8モルが更に好ましい。
第16族元素を用いる場合、第16元素の量は、IA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質との合計1モルに対して0〜15モルが好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルが更に好ましい。
第16族元素を用いる場合、第16元素の量は、IA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質との合計1モルに対して0〜15モルが好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルが更に好ましい。
本実施形態において、原料を混合する方法は特に限定されない。例えば、ルイス塩基溶媒にルイス酸と所望により第16族元素とを添加して撹拌し、次いでIA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質とを添加する方法;IA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質と、ルイス酸と、所望により第16族元素とをルイス塩基溶媒に添加して混合する方法;及びIA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質と、ルイス酸と、所望により第16族元素とを混合し、次いでルイス塩基溶媒を添加する方法等が挙げられる。本実施形態において、ルイス塩基溶媒にルイス酸と所望により第16族元素とを添加して撹拌し、次いでIA/IIA金属及び/又は金属化合物とIIIA金属含有物質とを添加する方法が好ましい。
溶媒の量は、使用する各原料の種類によって異なるが、熱重量測定で500℃で加熱したときの残渣成分を固形分としたとき、固形分濃度が1〜30重量%になるよう調製することが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
均一系塗布液の調製における反応温度は、使用する各原料の種類によって異なるが、安全性や錯体の安定性の観点から、通常0℃〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、室温〜100℃が更に好ましい。
均一系塗布液の調製における反応時間は、使用する各原料の種類、撹拌時間によって異なるが、1時間〜2週間が好ましく、1日〜1週間がより好ましく、1日〜4日が更に好ましい。
本実施形態においては、例えばIA/IIA金属及び/又は金属化合物と、少なくとも2種のIIIA金属含有物質と、ルイス塩基溶媒と、ルイス酸と、所望により第16族元素とを混合することにより、二元又は三元金属錯体溶液を得ることが出来る。この場合、均一系塗布液は、前記一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
また、本実施形態においては、異なる種類のIA/IIA金属及び/又はIIIA金属を含む2以上の均一系塗布液を金属前駆体溶液として別々に調製し、各金属前駆体溶液を混合して単一の均一系塗布液としてもよい。
(光吸収層形成用材料)
光吸収層は、光、好ましくは可視光を吸収することが出来る層であれば特に制限されない。光吸収層は、光吸収層形成用塗布液を用いて形成されるが、当該光吸収層形成用塗布液は、例えば、均一系塗布液から形成されていてもよいし、金属分散液から形成されていてもよい。
光吸収層形成用材料としての均一系塗布液(以下、「光吸収層形成用均一系塗布液」という)は、例えば第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が溶媒に均一に溶解した均一系塗布液等が挙げられる。
光吸収層形成用材料としての金属分散液(以下、「光吸収層形成用金属分散液」という)は、例えば第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物が溶媒に分散した金属分散液等が挙げられる。
光吸収層は、光、好ましくは可視光を吸収することが出来る層であれば特に制限されない。光吸収層は、光吸収層形成用塗布液を用いて形成されるが、当該光吸収層形成用塗布液は、例えば、均一系塗布液から形成されていてもよいし、金属分散液から形成されていてもよい。
光吸収層形成用材料としての均一系塗布液(以下、「光吸収層形成用均一系塗布液」という)は、例えば第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物が溶媒に均一に溶解した均一系塗布液等が挙げられる。
光吸収層形成用材料としての金属分散液(以下、「光吸収層形成用金属分散液」という)は、例えば第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物が溶媒に分散した金属分散液等が挙げられる。
前記光吸収層形成用均一系塗布液又は前記光吸収層形成用金属分散液は、前記少なくとも1種の元素又は化合物と、溶媒(好ましくはルイス塩基溶媒)と、ルイス酸、第16元素等の任意成分とを混合することにより得られる。
溶媒(ルイス塩基溶媒)、ルイス酸及び第16族元素としては、前記均一系塗布液における溶媒(ルイス塩基溶媒)、ルイス酸及び第16族元素と同様のものが挙げられる。
溶媒(ルイス塩基溶媒)、ルイス酸及び第16族元素としては、前記均一系塗布液における溶媒(ルイス塩基溶媒)、ルイス酸及び第16族元素と同様のものが挙げられる。
前記第11族金属としては、例えば、Cu元素、およびAg元素等が挙げられる。これらの中でも、Cu元素が特に好ましい。
前記第12族金属としては、例えば、Zn元素、およびCd元素等が挙げられる。これらの中でも、Zn元素が特に好ましい。
前記第13族金属としては、例えば、Al元素、Ga元素、およびIn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ga元素およびIn元素が特に好ましい。
前記第14族金属としては、例えば、Si元素、Ge元素、およびSn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ge元素およびSn元素が特に好ましい。
前記第15族元素としては、例えば、As元素、Sb元素、およびBi元素等が挙げられる。これらの中でも、Sb元素が特に好ましい。
前記第12族金属としては、例えば、Zn元素、およびCd元素等が挙げられる。これらの中でも、Zn元素が特に好ましい。
前記第13族金属としては、例えば、Al元素、Ga元素、およびIn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ga元素およびIn元素が特に好ましい。
前記第14族金属としては、例えば、Si元素、Ge元素、およびSn元素等が挙げられる。これらの中でも、Ge元素およびSn元素が特に好ましい。
前記第15族元素としては、例えば、As元素、Sb元素、およびBi元素等が挙げられる。これらの中でも、Sb元素が特に好ましい。
前記第11族金属化合物としては、例えば、Cu(OH)2、CuS、Cu2S、Cu2Se、CuSe、Cu2Te、CuTe、CuO、Cu2O、酸化銀、硫化銀、セレン化銀、塩化銅(II)およびその水和物、臭化銅(II)およびその水和物、硫酸銅(II)およびその水和物、硝酸銅(II)およびその水和物、テトラフルオロホウ酸銅等の水溶性無機塩、酢酸銅(II)およびその水和物、ギ酸銅(II)およびその水和物、グルコン酸銅およびその水和物等の水溶性有機酸塩等が挙げられる。
前記第12族金属化合物としては、例えば、ZnO、水酸化亜鉛、ZnS、ZnSe、ZnTe、塩化亜鉛およびその水和物、臭化亜鉛およびその水和物、ヨウ化亜鉛およびその水和物、硫酸亜鉛およびその水和物、硝酸亜鉛およびその水和物等の水溶性無機塩、ギ酸亜鉛およびその水和物、酢酸亜鉛およびその水和物、グルコン酸亜鉛およびその水和物等の水溶性有機酸塩等が挙げられる。
前記第13族金属化合物としては、例えば、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、塩化インジウムおよびその水和物、臭化インジウムおよびその水和物、ヨウ化インジウムおよびその水和物、硝酸インジウムおよびその水和物、硫酸インジウムおよびその水和物、塩化ガリウムおよびその水和物、臭化ガリウムおよびその水和物、ヨウ化ガリウムおよびその化合物、硝酸ガリウムおよびその水和物、硫酸ガリウムおよびその水和物等が挙げられる。
前記第14族金属化合物としては、例えば、SnS、SnO、SnO2、SnS2、SnSe、SnSe2、SnTe、酸化ゲルマニウム、塩化スズ(IV)、塩化スズ(II)およびその水和物、臭化スズ(II)およびその水和物、ヨウ化スズ(II)およびその水和物、塩化ゲルマニウム(IV)、臭化ゲルマニウム(IV)、ヨウ化ゲルマニウム(IV)等が挙げられる。
前記第15族元素含有化合物としては、例えば、Sb2O3、砒酸、亜砒酸、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン等が挙げられる。
前記第12族金属化合物としては、例えば、ZnO、水酸化亜鉛、ZnS、ZnSe、ZnTe、塩化亜鉛およびその水和物、臭化亜鉛およびその水和物、ヨウ化亜鉛およびその水和物、硫酸亜鉛およびその水和物、硝酸亜鉛およびその水和物等の水溶性無機塩、ギ酸亜鉛およびその水和物、酢酸亜鉛およびその水和物、グルコン酸亜鉛およびその水和物等の水溶性有機酸塩等が挙げられる。
前記第13族金属化合物としては、例えば、In(OH)3、酸化インジウム、硫化インジウム、セレン化インジウム、テルル化インジウム、酸化ガリウム、硫化ガリウム、セレン化ガリウム、テルル化ガリウム、塩化インジウムおよびその水和物、臭化インジウムおよびその水和物、ヨウ化インジウムおよびその水和物、硝酸インジウムおよびその水和物、硫酸インジウムおよびその水和物、塩化ガリウムおよびその水和物、臭化ガリウムおよびその水和物、ヨウ化ガリウムおよびその化合物、硝酸ガリウムおよびその水和物、硫酸ガリウムおよびその水和物等が挙げられる。
前記第14族金属化合物としては、例えば、SnS、SnO、SnO2、SnS2、SnSe、SnSe2、SnTe、酸化ゲルマニウム、塩化スズ(IV)、塩化スズ(II)およびその水和物、臭化スズ(II)およびその水和物、ヨウ化スズ(II)およびその水和物、塩化ゲルマニウム(IV)、臭化ゲルマニウム(IV)、ヨウ化ゲルマニウム(IV)等が挙げられる。
前記第15族元素含有化合物としては、例えば、Sb2O3、砒酸、亜砒酸、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン等が挙げられる。
前記光吸収層形成用均一系塗布液又は前記光吸収層形成用分散液は、公知の方法で調製することができる。
光吸収層形成用均一系塗布液を調製する方法としては、例えば2種以上の前駆体溶液を調製し、各前駆体溶液を混合する方法;全原料を一括で混合する方法;又は少なくとも2種の金属及び/又は金属化合物を用いて二元又は三元金属錯体溶液を調製する方法等が挙げられる。
前記光吸収層形成用分散液を調製する方法としては、例えば全原料を一括で混合する方法;又は一部の原料を溶媒に添加して混合し、次いで残りの原料を混合する方法等が挙げられる。原料を混合した後に、得られた混合物を超音波処理、ホモジナイザー、ビーズミル、剪断分散等の分散処理をしてもよい。
光吸収層形成用均一系塗布液を調製する方法としては、例えば2種以上の前駆体溶液を調製し、各前駆体溶液を混合する方法;全原料を一括で混合する方法;又は少なくとも2種の金属及び/又は金属化合物を用いて二元又は三元金属錯体溶液を調製する方法等が挙げられる。
前記光吸収層形成用分散液を調製する方法としては、例えば全原料を一括で混合する方法;又は一部の原料を溶媒に添加して混合し、次いで残りの原料を混合する方法等が挙げられる。原料を混合した後に、得られた混合物を超音波処理、ホモジナイザー、ビーズミル、剪断分散等の分散処理をしてもよい。
本実施形態において、光吸収層は金属を含有する均一系塗布液から形成することが好ましく、カルコゲニド系又はケステライト系均一系塗布液から形成することがより好ましく、カルコゲニド系均一系塗布液から形成することが更に好ましい。
本実施形態において、光吸収層は、更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、まとめて「添加金属」という場合がある。)を含有していてもよい。添加金属を含有することにより、光吸収層の結晶成長を促進することが出来る。
前記添加金属としては、Sbが好ましい。
前記光吸収層に前記添加金属を含有させる場合、前記添加金属を前記光吸収層形成用均一系塗布液又は前記光吸層形成用金属分散液とその調製に際して混合する。
前記添加金属としては、Sbが好ましい。
前記光吸収層に前記添加金属を含有させる場合、前記添加金属を前記光吸収層形成用均一系塗布液又は前記光吸層形成用金属分散液とその調製に際して混合する。
本実施形態においては、光吸収層を基板上に形成し、次いで均一系塗布液の層を光吸収層上に形成することにより、塗布膜を形成することができる。あるいは、均一系塗布液の層を基板上に形成し、次いで光吸収層を均一系塗布液の層上に形成することにより、塗布膜を形成することができる。
基板は特に限定されず、公知の有機基板又は無機基板を用いることができる。有機基板としては、PEN、PET、PC、PES、ポリアリレート及びポリイミド等が挙げられる。無機基板としては、シリコンウェハ;銅基板、クロム基板、鉄基板、アルミニウム基板、ステンレススチール基板等の金属基板;石英基板;サファイア基板;窒化ケイ素基板;ガラス基板;グラファイト基板;炭素系基板(例:カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、グラフェン)等が挙げられる。
基板は特に限定されず、公知の有機基板又は無機基板を用いることができる。有機基板としては、PEN、PET、PC、PES、ポリアリレート及びポリイミド等が挙げられる。無機基板としては、シリコンウェハ;銅基板、クロム基板、鉄基板、アルミニウム基板、ステンレススチール基板等の金属基板;石英基板;サファイア基板;窒化ケイ素基板;ガラス基板;グラファイト基板;炭素系基板(例:カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、グラフェン)等が挙げられる。
光吸収層及び均一系塗布液の層を形成する方法は特に限定されず、例えばスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。本実施形態においては、量産化の観点から、ノンスピンコート法を用いることが好ましい。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
塗布条件は、所望の膜厚、材料の濃度などに応じて適宜設定すればよい。
例えば、スピンコーティング法を用いる場合には、(その上に光吸収層又は均一系塗布液の層が形成されていてもよい)基体をスピンコーターにセットし、光吸収層形成材料又は均一系塗布液を塗布する。この際の塗布条件は、形成しようとする膜厚に応じて適宜設定すればよく、例えば回転速度は、300〜3000rpmで、10〜180秒間維持することにより形成することができる。塗布は所望の膜厚が得られるまで、繰り返し行うことができる。
また、ノンスピンコート法を用いる場合は、矩形上の吐出口を有するスリットノズルにより光吸収層形成材料又は均一系塗布液を塗布する。塗布回数は特に限定されないが、1〜10回が好ましく、1〜5回がさらに好ましい。
また、ディップ法を用いる場合には、光吸収層形成材料又は均一系塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に光吸収層形成材料及び/又は均一系塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
また、ノンスピンコート法を用いる場合は、矩形上の吐出口を有するスリットノズルにより光吸収層形成材料又は均一系塗布液を塗布する。塗布回数は特に限定されないが、1〜10回が好ましく、1〜5回がさらに好ましい。
また、ディップ法を用いる場合には、光吸収層形成材料又は均一系塗布液が入った容器中に、基体を浸漬させることにより行うことができ、浸漬回数は1回でもよいし、複数回行ってもよい。
なお、基体上に光吸収層形成材料及び/又は均一系塗布液を塗布した後に、真空乾燥を行っても構わない。
次に、基体上に光吸収層形成用材料及び均一系塗布液の両方を塗布した後は、基体を焼成して塗布膜を形成する。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
焼成条件は、所望の膜厚、材料の種類などに応じて適宜設定することができる。例えば、ホットプレート上でソフトベーク(前焼成)を行った後に、オーブン中で焼成(アニーリング)を行う2段階工程とすることができる。
この場合、例えば、ホットプレート上に、基体を配置して保持した後、ホットプレートの温度を100〜500℃として1〜300秒ソフトベークを行い、基体を室温付近まで冷却した後、再び塗布を行う。所望の膜厚が得られた後、ホットプレートまたはオーブン内部を300〜700℃に上昇させて1〜180分間保持することでアニーリングを行う。
これにより、光吸収層又は均一系塗布液の層が硬化される。
これにより、光吸収層又は均一系塗布液の層が硬化される。
なお、上記焼成の各温度は、一条件を示したものであり、これに限られるものではない。例えば、ホットプレートの温度は段階的に上げてもよいし、これらの加熱工程はグローブボックス中の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレンをソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させてもよい。しかしながら、本発明においては、ルイス酸としてカルコゲン源となりうる化合物を用いることにより、硫化水素、セレン化水素、固体硫黄、固体セレン等をソフトベイク、アニール時に雰囲気中に共存させなくても、カルコパイライト構造等の所望の構造を有する光吸収層を形成できる。
2種以上の二元又は三元系金属錯体溶液を用いる場合、第一錯体溶液を基体に塗布し、ベークして第一層を形成し、次いで第一錯体溶液とは異なる金属組成を有する第二錯体溶液を第一層に塗布し、ベークして第二層を形成できる。その後、前記第一層及び第二層をアニールすることにより、所望の組成を有する単一の光吸収層、又は金属組成比が所望のグラデーションを有する多層構造光吸収層を形成することができる。この場合、光吸収層における金属の配置を確実にデザインすることができ、光吸収層の構造を確実にコントロールすることができる。
しかしながら、異なる組成を有する錯体溶液を積層する場合は、2種以上の二元又は三元系金属錯体溶液を用いる場合に限られるものではない。一元系錯体溶液をを用いた場合であっても、異なる組成を有する錯体溶液を所望の順序で積層することができる。上記のようにして、塗布膜中の組成分布を柔軟にデザインすることが容易となる。
しかしながら、異なる組成を有する錯体溶液を積層する場合は、2種以上の二元又は三元系金属錯体溶液を用いる場合に限られるものではない。一元系錯体溶液をを用いた場合であっても、異なる組成を有する錯体溶液を所望の順序で積層することができる。上記のようにして、塗布膜中の組成分布を柔軟にデザインすることが容易となる。
塗布膜の膜厚は特に限定されず、塗布膜の用途に応じて適宜選択される。塗布膜の結晶成長促進の観点から、塗布膜の膜厚は1nm〜1000nmであることが好ましく、5nm〜500nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが更に好ましい。
光吸収層と均一系塗布液の層との間には、任意の層を形成してもよい。任意の層としては、Al2O3層又はZrO2層等の金属酸化膜;K2S層、In2S3層又はCu2S層等の硫化膜;K2Se層、In2Se層又はCu2Se層等の金属セレニド膜;及びCu薄膜、In薄膜、Zn薄膜又はSn薄膜等の金属薄膜が挙げられる。ただし、塗布膜の結晶成長を促進する観点から、均一系塗布液の層は光吸収層の上又は下に直接形成されることが好ましい。
本実施形態において、塗布膜は、例えば太陽電池の光吸収層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒として用いることができる。
本実施形態の方法によれば、結晶成長及びフォトルミネッセンス(PL)寿命が改善された塗布膜を形成できる。これは、均一系塗布液の層が光吸収層のドーパントとして機能し、光吸収層の結晶成長を促進し、PL寿命を延ばすことに寄与していると推測される。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる塗布膜の製造方法は、光吸収層形成用塗布液と均一系塗布液とを混合して混合液を得る工程と、前記混合液を基板上に塗布する工程と、を含む。
本実施形態において、光吸収層形成用塗布液及び均一系塗布液は、第1の実施形態における光吸収層形成用材料及び均一系塗布液と同様である。
混合液を基板上に塗布する方法は特に限定されず、例えばスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。本実施形態においては、量産化の観点から、ノンスピンコート法を用いることが好ましい。
塗布条件は、第1の実施形態と同様である。
本発明の第2の実施形態にかかる塗布膜の製造方法は、光吸収層形成用塗布液と均一系塗布液とを混合して混合液を得る工程と、前記混合液を基板上に塗布する工程と、を含む。
本実施形態において、光吸収層形成用塗布液及び均一系塗布液は、第1の実施形態における光吸収層形成用材料及び均一系塗布液と同様である。
混合液を基板上に塗布する方法は特に限定されず、例えばスピンコート法、ディップコート法、ドクターブレード(アプリケーター)法、カーテン/スリットキャスト法、印刷法、スプレー法等を用いることができる。本実施形態においては、量産化の観点から、ノンスピンコート法を用いることが好ましい。
塗布条件は、第1の実施形態と同様である。
塗布膜の膜厚は特に限定されず、塗布膜の用途に応じて適宜選択される。塗布膜の結晶成長促進の観点から、塗布膜の膜厚は1nm〜1000nmであることが好ましく、5nm〜500nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが更に好ましい。
本実施形態において、塗布膜は、例えば太陽電池の光吸収層、光センサー、薄膜トランジスタ又は光触媒として用いることができる。
本実施形態の方法によれば、結晶成長及びフォトルミネッセンス(PL)寿命が改善された塗布膜を形成できる。これは、均一系塗布液の層が光吸収層のドーパントとして機能し、光吸収層の結晶成長を促進し、PL寿命を延ばすことに寄与していると推測される。
[太陽電池の製造方法]
太陽電池の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極上に、前記第1の実施形態又は前記第2の実施形態にかかる塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する。
太陽電池の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極上に、前記第1の実施形態又は前記第2の実施形態にかかる塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程と、前記光吸収半導体層上にバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上に第2の電極を形成する工程と、を有する。
太陽電池の製造方法において、第1の電極上に、前記第1の実施形態又は前記第2の実施形態にかかる塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程以外は、従来から知られている適宜の方法を用いて形成すればよい。例えば、基板上に第1の電極を形成する際は、窒素をスパッタガスとして、スパッタ法によって例えばMo層を成膜すればよい。また、バッファ層は、例えばCdS層として形成すればよく、例えば、ケミカルバスデポション法を用いて成膜すればよい。また、第2の電極を形成する際は、適宜の材料を用いて透明電極として成膜すればよい。
前記太陽電池はカルコパイライト系太陽電池又はケステライト系太陽電池であることが好ましく、カルコパイライト系太陽電池であることがより好ましい。
太陽電池の製造方法において、第1の電極上に、前記第1の実施形態又は前記第2の実施形態にかかる塗布膜の形成方法により光吸収半導体層を形成する工程を有することで、PV特性及びPL寿命が向上した太陽電池を製造することができる。これは、均一系塗布液の層が光吸収層のドーパントとして機能し、光吸収層の結晶成長を促進し、PL寿命を延ばすことに寄与していると推測される。その結果、太陽電池のPV特性が向上していると推測される。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[均一系塗布液の調製]
(製造例1)
S(硫黄)1.28g(40.0mmol)、DMSO(ジメチルスルホキシド)25.0g、(NH4)2S(アンモニウムスルフィド)42%水溶液3.24g(S換算で20.0mmol)及びNH328%水溶液2.31g(NH3換算で38.0mmol)を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、In1.73g(15.0mmol)を加えて室温で2日間撹拌した。その後、LiI2.01g(15.0mmol)を加え、室温で2日間撹拌し、均一系塗布液1を得た。
(製造例1)
S(硫黄)1.28g(40.0mmol)、DMSO(ジメチルスルホキシド)25.0g、(NH4)2S(アンモニウムスルフィド)42%水溶液3.24g(S換算で20.0mmol)及びNH328%水溶液2.31g(NH3換算で38.0mmol)を混合し、室温で一晩撹拌した。
得られた反応液に、In1.73g(15.0mmol)を加えて室温で2日間撹拌した。その後、LiI2.01g(15.0mmol)を加え、室温で2日間撹拌し、均一系塗布液1を得た。
(製造例2〜3)
化合物の種類及び量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に均一系塗布液2〜3を得た。
化合物の種類及び量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に均一系塗布液2〜3を得た。
[塗布膜の製造]
(実施例1)
CIGS塗布液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、CIGS層を形成した。その後、製造例1で調製した均一系塗布液1をCIGS層上に塗布し、575℃で8分間加熱して塗布膜1を形成した。
(実施例1)
CIGS塗布液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、CIGS層を形成した。その後、製造例1で調製した均一系塗布液1をCIGS層上に塗布し、575℃で8分間加熱して塗布膜1を形成した。
(実施例2)
均一系塗布液1に替えて、製造例2で調製した均一系塗布液2を用いた以外は、実施例1と同様にして塗布膜2を形成した。
均一系塗布液1に替えて、製造例2で調製した均一系塗布液2を用いた以外は、実施例1と同様にして塗布膜2を形成した。
(実施例3)
均一系塗布液1に替えて、製造例3で調製した均一系塗布液3を用いた以外は、実施例1と同様にして塗布膜2を形成した。
均一系塗布液1に替えて、製造例3で調製した均一系塗布液3を用いた以外は、実施例1と同様にして塗布膜2を形成した。
(比較例1)
CIGS塗布液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、CIGS層を形成した。その後575℃で8分間加熱して比較塗布膜1を形成した。
CIGS塗布液をMo蒸着したガラス基板上に塗布し、CIGS層を形成した。その後575℃で8分間加熱して比較塗布膜1を形成した。
(結晶サイズの評価)
実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、塗布膜1〜3は、比較塗布膜1に比べ、結晶粒が大きく、密な膜であった。
また、実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜について、結晶子サイズをXRD測定で評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、塗布膜1〜3は、比較塗布膜1に比べ、結晶粒が大きく、密な膜であった。
また、実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜について、結晶子サイズをXRD測定で評価した。結果を表2に示す。
(キャリア寿命の評価)
実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜について、時間分解フォトルミネセンス(TRPL)を用いて発光寿命を測定した。結果を表2に示す。
実施例1〜3及び比較例1で形成した各塗布膜について、時間分解フォトルミネセンス(TRPL)を用いて発光寿命を測定した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、塗布膜1〜3は比較塗布膜1と比べ、結晶成長及び発光寿命が向上していた。
Claims (22)
- 塗布膜の形成方法であって、
基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程を含み、
前記基板上に光吸収層と均一系塗布液の層とを形成する工程は、
光吸収層形成用塗布液を用いて光吸収層を形成する工程と、
均一系塗布液を用いて均一系塗布液の層を形成する工程と、を含み 前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属、第13族金属化合物、少なくとも2種の第13族金属を含む錯体化合物、及び少なくとも2種の第13族金属を含む合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の第13族金属含有物質、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。 - 前記一般式(1)中、x/y>0.1である、請求項2に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス酸がオニウム塩である請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス酸がアンモニウム塩である請求項6に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 塗布膜の形成方法であって、
光吸収層形成用塗布液と均一系塗布液とを混合して混合液を得る工程と、
前記混合液を基板上に塗布する工程と、
を含み、
前記均一系塗布液が、
第1族金属、第2族金属、第1族金属化合物及び第2族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
第13族金属及び第13族金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物、
ルイス塩基溶媒、及び
ルイス酸、
を含有することを特徴とする塗布膜の形成方法。 - 前記一般式(1)中、x/y>0.1である、請求項13に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス塩基溶媒が非プロトン性溶媒である請求項12〜14のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ピリジン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルイミダゾール及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項15に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス酸がオニウム塩である請求項12〜16のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記ルイス酸がアンモニウム塩である請求項17に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記アンモニウム塩が、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムセレニド、アンモニウムチオシアネート、酢酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、ギ酸アンモニウム、アンモニウムヘキサフルオロホスファート、二フッ化水素アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項18に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記均一系塗布液が更に第16族元素を含有する請求項12〜19のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記第16元素が、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項20に記載の塗布膜の形成方法。
- 前記光吸収層が更にSb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項12〜21のいずれか一項に記載の塗布膜の形成方法。
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CN111974424A (zh) * | 2020-07-09 | 2020-11-24 | 重庆大学 | 一种制备磁性二溴五氧化四铋复合光催化材料的方法 |
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