以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<画像処理システム>
図1に示される画像処理システム1は、画像処理装置の一例であるMFP(Multi-Function Peripheral)2で標準機能以外の追加機能を実行可能とするシステムであり、MFP2、アプリケーションサーバ3およびストレージサーバ4(外部装置の一例)を含む。
MFP2は、LAN(Local Area Network)5が構築された場所に設けられ、LAN5を経由してインターネット6に接続されている。LAN5は、有線LANまたは無線LANの一方であってもよいし、有線LANと無線LANとを組み合わせて構成されていてもよい。
アプリケーションサーバ3およびストレージサーバ4は、インターネット6上に置かれている。アプリケーションサーバ3およびストレージサーバ4の機能については、後述する。
<MFP>
MFP2は、ファクシミリ機能、プリント機能、スキャン機能およびコピー機能など、複数の機能を有する電子機器である。ファクシミリ機能は、画像データを公衆電話回線を介して送受信する機能である。プリント機能(画像形成機能)は、画像データに係る画像をプリント用紙などのシートに印刷(プリント)する機能である。スキャン機能(画像読取機能)は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する機能である。コピー機能は、原稿の画像を読み取ってその画像をシートに印刷する機能である。
これらの機能は、MFP2の標準機能であり、MFP2では、標準機能以外に標準機能とLAN5を経由する通信との連携により実現される連携機能を有償で追加可能である。連携機能には、たとえば、スキャンアップロード機能、ダウンロードプリント機能およびインターネットファックス機能などがある。スキャンアップロード機能は、スキャン機能を使用するスキャンジョブの実行により画像を読み取り、その読み取った画像データをストレージサーバ4にアップロードする機能である。ダウンロードプリント機能は、ストレージサーバ4から画像データをダウンロードして、その画像データをプリント機能によってシートに印刷する機能である。インターネットファックス機能は、外部の機器から電子メールを受信して、その電子メールに添付されている画像データをシートに印刷し、また、画像データを電子メールに添付して、その電子メールを外部の機器に送信する機能である。
MFP2は、それらの複数の機能を実現するため、画像形成部11、画像読取部12、操作パネル13、FAXインターフェース(I/F)14、LANインターフェース(I/F)15、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)17およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)18を備えている。画像形成部11、画像読取部12、操作パネル13、FAXインターフェース14、LANインターフェース15、ASIC16、ROM17およびRAM18は、バス19を介して、データ通信可能に接続されている。
画像形成部11(処理部の一例)は、搬送経路上を1枚ずつ搬送されるプリント用紙などのシートに画像データに係るカラー画像またはモノクロ画像を印刷するよう構成されている。印刷の方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
画像読取部12(処理部の一例)は、シートに形成されている画像を読み取り、その画像に応じた信号を出力する。画像読取の方式は、CIS(Contact Image Sensor)方式であってもよいし、CCD(Charge Coupled Devices)方式であってもよい。
操作パネル13は、操作部13Aおよび表示部13Bを備えている。操作部13Aは、ユーザにより操作される操作キー(たとえば、スタートキーなど)を備えている。操作キーが操作されると、その操作が操作部13Aに受け付けられて、その操作の内容に応じた信号(データ)が操作パネル13からASIC16に向けて出力される。表示部13Bは、たとえば、液晶ディスプレイからなる。
なお、操作部13Aおよび表示部13Bは、タッチパネルを構成していてもよい。タッチパネルを構成する表示部13Bには、各種の情報や操作ボタンなどの画像が表示される。ユーザが表示部13Bに表示される操作ボタンを押操作(タッチ操作)することにより、その操作が操作部13Aに受け付けられて、その操作の内容に応じた信号(データ)が操作パネル13から出力される。以下では、操作部13Aおよび表示部13Bがタッチパネルを構成する場合を取り上げる。
FAXインターフェース14は、ファクシミリ通信に使用される公衆電話回線との接続のためのインターフェースであり、NCU(Network Control Unit)を内蔵したモデムなどを備えている。
LANインターフェース15(通信部、受付部の一例)は、LAN5との接続のためのインターフェースである。
ASIC16は、CPU20(制御部の一例)を内蔵している。CPU20は、ASIC16に入力される情報に基づいて、各種の処理のためのプログラムを実行することにより、画像形成部11、画像読取部12、操作パネル13、FAXインターフェース14およびLANインターフェース15などの各部を制御する。
ROM17には、CPU20によって実行されるプログラムおよび各種のデータなどが記憶されている。
RAM18は、CPU20がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
<連携機能設定処理>
連携機能は、有償でMFP2に追加可能な機能であるが、ユーザは、一定の試用期間(お試し期間)に限り、連携機能を無償で試しに使用(試用)することができる。
ユーザは、連携機能を試用する場合、PC(Personal Computer)やタブレットなどのユーザ端末のウェブブラウザを使用して、MFP2に組み込まれているサーバ(EWS:Embedded Web Server)のウェブサイトにアクセスする。このウェブサイトのトップページには、連携機能の試用に関する設定を行うトライアル機能設定画面の表示を要求するトライアル設定ボタンを含む複数のボタンが表示されている。ユーザ端末の操作によりトライアル設定ボタンが押されると、ウェブブラウザの画面がトップページからトライアル機能設定画面に切り替わる。
トライアル(Trial)機能設定画面では、図2に示されるように、スキャンアップロード機能、ダウンロードプリント機能およびインターネットファックス機能のいずれを試用するかを設定することができる。また、スキャンアップロード機能、ダウンロードプリント機能およびインターネットファックス機能の各連携機能には、連携機能による処理(ジョブ)のモードとして、「トライアルモード(TrialMode)1」および「トライアルモード(TrialMode)2」の2つのモードが用意されている。「トライアルモード1」は、連携機能による処理に固定画像データを用いるモードである。固定画像データは、サンプルデータであるサンプル画像データに係る画像データの一例であり、サンプル画像データに係る画像データは、サンプル画像データと同一のデータを含む概念であり、サンプル画像データに加工や展開処理を施したものも含む概念である。「トライアルモード2」は、連携機能による処理にユーザが任意の画像データを用いるモードである。任意の画像データは、通常画像データに係る画像データの一例であり、通常画像データに係る画像データは、通常画像データと同一のデータを含む概念であり、通常画像データに加工や展開処理を施したものも含む概念である。「トライアルモード2」では、連携機能による処理に用いる画像データに制限がないが、処理の実行の頻度に制限があり、連携機能による処理を一度実行すると、その後の所定のウエイト期間(たとえば、5分間)、同じ連携機能による処理を実行できない。これに対し、「トライアルモード1」では、連携機能による処理に用いる画像データが固定画像データに制限されるが、処理の実行の頻度には制限がなく、同じ連携機能による処理を連続して実行することができる。
トライアル機能設定画面では、スキャンアップロード機能の「トライアルモード1」での試用を設定するためのラジオボタン21、スキャンアップロード機能の「トライアルモード2」での試用を設定するためのラジオボタン22、ダウンロードプリント機能の「トライアルモード1」での試用を設定するためのラジオボタン23、ダウンロードプリント機能の「トライアルモード2」での試用を設定するためのラジオボタン24、インターネットファックス機能の「トライアルモード1」での試用を設定するためのラジオボタン25およびインターネットファックス機能の「トライアルモード2」での試用を設定するためのラジオボタン26が表示される。また、トライアル機能設定画面では、各連携機能の「トライアルモード1」に用いる固定画像データ(ファイル)が保存されている場所のパスを入力するパス入力ボックス27,28,29が表示される。各パス入力ボックス27~29の右隣には、ファイル参照ダイアログを開くための参照ボタン31,32,33が表示される。パス入力ボックス28の下側には、ダウンロードプリント機能の「トライアルモード1」に用いる固定画像データのダウンロード元のURL(Uniform Resource Locator)を入力するためのURL入力ボックス34が表示される。さらに、トライアル設定画面では、登録ボタン35が表示される。
<スキャンアップロード機能:トライアルモード1>
ユーザは、スキャンアップロード機能を「トライアルモード1」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン21を押した後、ラジオボタン21の右側に表示されているパス入力ボックス27に固定画像データが保存されている場所のパスを入力する。パスは、ユーザ端末でのキーボード操作によりパス入力ボックス27に直接入力されてもよいし、参照ボタン31を押すことで開かれるファイル参照ダイアログで指定してもよい。パス入力ボックス27にパスが入力された後、登録ボタン35が押されると、パス入力ボックス27に入力されたパスで特定される固定画像データがユーザ端末からMFP2に送信される。また、「トライアルモード1」でのスキャンアップロード機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
固定画像データをMFP2のLANインターフェース15が受信すると、MFP2のCPU20は、図3に示されるように、その受信した固定画像データをROM17に保存する(1:固定画像を保存)。
なお、固定画像データの保存の手法は、これに限らない。たとえば、MFP2がUSBインターフェース(Universal Serial Bus)を搭載している場合、USBインターフェースにUSBメモリが接続されて、そのUSBメモリに保存されている固定画像データがMFP2に送信されて保存されてもよい。この場合、MFP2の操作パネル13にトライアル機能設定画面と同様な画面が表示されて、その画面でUSBメモリに保存されている固定画像データのディレクトリが入力されるとよい。
固定画像データの保存後、スキャンアップロード機能が「トライアルモード1」で再び試用される際の固定画像データの保存は不要である。
固定画像データの保存後、「トライアルモード1」でのスキャンアップロード機能の試用を開始するユーザは、MFP2の画像読取部12に原稿をセットする(2:原稿セット)。画像読取部12では、FB(フラットベッド)方式およびADF(Auto Document Feeder)方式の両方式による原稿の読み取りが可能である。FB方式による原稿の読み取りの際には、原稿がコンタクトガラス上の所定位置に載置される。ADF方式による原稿の読み取りの際には、ADFの原稿セット部に原稿が載置される。
待機状態のMFP2の操作パネル13には、待機画面が表示されている。待機画面では、たとえば、コピー機能などの標準機能を選択する複数の標準機能ボタンと、連携機能を選択する連携機能ボタンとが表示される。複数の標準機能ボタンの1つが押されると、その押された標準機能ボタンに対応する標準機能による処理の実行が指示される。連携機能ボタンが押された場合には、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。機能選択画面では、試用許可の設定がROM17に登録されている連携機能に対応した連携機能ボタンが表示される。たとえば、スキャンアップロード機能の「トライアルモード1」または「トライアルモード2」での試用を許可する設定、およびダウンロードプリント機能の「トライアルモード1」または「トライアルモード2」での試用を許可する設定がROM17に保存されている場合、機能選択画面には、スキャンアップロード機能に対応したスキャンアップロードボタンと、ダウンロードプリント機能に対応したダウンロードプリントボタンとが表示される。連携機能ボタンの1つが押されると、その押された連携機能ボタンに対応する連携機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(3:アプリケーション実行)。
ユーザがスキャンアップロード機能を「トライアルモード1」で試用する場合、ユーザによって、機能選択画面でスキャンアップロードボタンが押される。スキャンアップロードボタンが押されると、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、ROM17に保存されているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(4:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に文書種別選択画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの文書種別選択画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、文書種別選択画面を操作パネル13に表示させる(5:画面表示)。
文書種別選択画面は、ユーザがスキャンアップロード機能でストレージサーバ4にアップロードしたい文書の種別を選択する画面である。文書種別として、たとえば、請求書、見積書ならびに請求書および見積書以外のその他の文書が設定されている。文書種別選択画面では、文書種別に対応する文書種別ボタン、すなわち、請求書ボタン、見積書ボタンおよびその他ボタンが表示される。ユーザが文書種別ボタンの1つを押すと(6:文書種別選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、その押された文書種別ボタンに対応する文書種別の情報をアプリケーションサーバ3に送信する(7:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、文書種別とスキャンアップロード機能による画像データの送信先(アップロード先)の情報とが対応づけて管理されている。アプリケーションサーバ3では、文書種別の情報を受信すると、その文書種別に対応する送信先が決定される(7.1:送信先決定)。その後、アプリケーションサーバ3では、MFP2から受信した文書種別に対応する送信先の情報が埋め込まれた動作指示コマンドが生成される。そして、その動作指示コマンドがアプリケーションサーバ3からMFP2に送信される。動作指示コマンドは、XML(Extensible Markup Language)で記述された文書(ファイル)である。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの動作指示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、構文チェック、能力チェックおよびモードチェックを実行する(8:構文・能力・モードチェック)。
具体的には、構文チェックでは、CPU20は、たとえば、動作指示コマンドのXMLの文法が正しいか、動作指示コマンドに含まれるパラメータの組合せが正しいかなどをチェックする。たとえば、動作指示コマンドに画像読取モードのカラーモードを設定するパラメータが含まれているにもかかわらず、画像の読み取り(スキャン)により生成される画像データ(以下、「スキャン画像データ」という。)のフォーマット形式としてTIFF(Tagged Image File Format)を指定するパラメータが動作指示コマンドに含まれている場合、CPU20は、動作指示コマンドに含まれるパラメータの組合せが正しくないと判断する。
能力チェックでは、CPU20は、たとえば、MFP2が動作指示コマンドで指定されたフォーマット形式に対応しているかをチェックする。
モードチェックでは、CPU20は、たとえば、原稿がセットされているか、スキャン機能を使用する他のジョブが実行中でないかをチェックする。
構文チェック、能力チェックおよびモードチェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
構文チェック、能力チェックおよびモードチェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、画像読取部12を制御して、原稿の読み取りを実行する(9:スキャン実行)。このスキャンの実行中は、操作パネル13に「スキャン中」のメッセージを含む画面が表示される。そして、CPU20は、原稿の読み取りの実行により画像読取部12から出力される信号から動作指示コマンドで指定されたフォーマット形式のスキャン画像データ(ファイル)を生成する。
その後、MFP2のCPU20は、画像データの送信前にMFP2がインターネット6に接続されているかをチェックする(10:送信前接続チェック)。
また、MFP2のCPU20は、原稿の読み取りにより生成したスキャン画像データをROM17に保存されている固定画像データと差し替える(11:スキャン画像を固定画像に差替)。なお、「10:送信前接続チェック」および「11:スキャン画像を固定画像に差替」のどちらが先に実行されてもよい。
MFP2がインターネット6に接続されていない場合には、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
MFP2がインターネット6に接続されている場合、MFP2のCPU20は、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれる送信先の情報から特定されるストレージサーバ4にスキャン画像データと差し替えた固定画像データを送信する(12:固定画像送信)。
固定画像データの送信後、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(13:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に完了画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの完了画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、完了画面を操作パネル13に表示させる(14:画面表示)。完了画面では、「完了しました」のメッセージが表示される。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替えて、一連の処理を終了する。
<スキャンアップロード機能:トライアルモード2>
ユーザは、スキャンアップロード機能を「トライアルモード2」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン22を押した後、登録ボタン35を押す。登録ボタン35が押されると、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
その後、図4に示されるように、MFP2の画像読取部12に原稿をセットする(1:原稿セット)。
また、ユーザは、操作パネル13に表示されている待機画面で連携機能ボタンを押す。連携機能ボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。ユーザは、機能選択画面でスキャンアップロードボタンを押す。スキャンアップロードボタンが押されると、スキャンアップロード機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(2:アプリケーション実行)。
なお、「トライアルモード1」でのスキャンアップロード機能の試用を許可する設定がROM17に登録されている場合、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能の試用を許可する設定はROM17に登録されず、ユーザは、「トライアルモード2」でスキャンアップロード機能を試用することができない。「トライアルモード1」でのスキャンアップロード機能の試用と「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能の試用とを併用可能とする構成を採用する場合、機能選択画面では、それらを選択するためのボタンが表示されるとよい。
その後、MFP2のCPU20は、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を実行可能であるか否かを判定する(3:実行可否判定)。CPU20は、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を始めて実行する場合、その処理を実行可能であると判定する。「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を以前に実行している場合、CPU20は、その最後に実行された処理の終了から所定のウエイト期間が経過しているか否かを判定する。そして、CPU20は、ウエイト期間が経過していれば、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を実行可能であると判定し、ウエイト期間が経過していなければ、「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を実行不能であると判定する。
「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を実行不能である場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。このときのエラー画面には、たとえば、「使用可能まで3分です」などのメッセージが表示される。また、エラー画面には、連携機能の広告、たとえば、各連携機能の特徴(利点)や各連携機能をMFP2に正式に追加するための費用(連携機能の価格)などが表示されてもよい。広告の表示により、連携機能の購入をユーザに勧めることができる。
「トライアルモード2」でのスキャンアップロード機能による処理を実行可能である場合、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、ROM17に保存されているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(4:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に文書種別選択画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの文書種別選択画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、文書種別選択画面を操作パネル13に表示させる(5:画面表示)。
文書種別選択画面で文書種別ボタンの1つがユーザによって押されると(6:文書種別選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、その押された文書種別ボタンに対応する文書種別の情報をアプリケーションサーバ3に送信する(7:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、文書種別の情報を受信すると、その文書種別に対応する送信先が決定される(7.1:送信先決定)。その後、アプリケーションサーバ3では、MFP2から受信した文書種別に対応する送信先の情報が埋め込まれた動作指示コマンドが生成される。そして、アプリケーションサーバ3からMFP2に動作指示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの動作指示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、構文チェック、能力チェックおよびモードチェックを実行する(8:構文・能力・モードチェック)。
構文チェック、能力チェックおよびモードチェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
構文チェック、能力チェックおよびモードチェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、画像読取部12を制御して、原稿の読み取りを実行する(9:スキャン実行)。そして、CPU20は、原稿の読み取りの実行により画像読取部12から出力される信号から動作指示コマンドで指定されたフォーマット形式のスキャン画像データ(ファイル)を生成する。
その後、MFP2のCPU20は、スキャン画像データの送信前にMFP2がインターネット6に接続されているかをチェックする(10:送信前接続チェック)。
MFP2がインターネット6に接続されていない場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
MFP2がインターネット6に接続されている場合、MFP2のCPU20は、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれる送信先の情報から特定されるストレージサーバ4にスキャン画像データを送信する(11:スキャン画像を送信)。
スキャン画像データの送信後、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(12:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に完了画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの完了画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、完了画面を操作パネル13に表示させる(13:画面表示)。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替える。
また、MFP2のCPU20は、画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信したことに応じて、タイマをセットし、それ以後の経過時間のタイマによる計測を開始させて(14:タイマセット)、一連の処理を終了する。タイマにより計測される経過時間は、前述の「3:実行可否判定」において、ウエイト期間が経過しているか否かの判定に使用される。
<ダウンロードプリント機能:トライアルモード1>
ユーザは、ダウンロードプリント機能を「トライアルモード1」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン23を押した後、ラジオボタン23の右側に表示されているパス入力ボックス28に固定画像データが保存されている場所のパスを入力する。ユーザは、パス入力ボックス28にパスを入力した後、登録ボタン35を押す。登録ボタン35が押されると、パス入力ボックス27に入力されたパスで特定される固定画像データがユーザ端末からMFP2に送信される。また、「トライアルモード1」でのダウンロードプリント機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
固定画像データをMFP2のLANインターフェース15が受信すると、MFP2のCPU20は、図5に示されるように、その受信した固定画像データをROM17に保存する(1:固定画像を保存)。
固定画像データの保存後、ダウンロードプリント機能が「トライアルモード1」で再び試用される際の固定画像データの保存は不要である。
その後、ユーザは、MFP2の操作パネル13に表示されている待機画面で連携機能ボタンを押す。連携機能ボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。ユーザは、機能選択画面でダウンロードプリントボタンを押す。ダウンロードプリントボタンが押されると、ダウンロードプリント機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(2:アプリケーション実行)。
これに応じて、CPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、ROM17に保存されているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(3:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に文書種別選択画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの文書種別選択画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、文書種別選択画面を操作パネル13に表示させる(4:画面表示)。
文書種別選択画面は、ユーザがダウンロードプリント機能でストレージサーバ4からダウンロードしたい文書の種別を選択する画面であり、その画面に表示される項目は、文書種別選択画面について前述したとおりである。ユーザが文書種別選択画面で文書種別ボタンの1つを押すと(5:文書種別選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、その押された文書種別ボタンに対応する文書種別の情報をアプリケーションサーバ3に送信する(6:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、文書種別の情報を受信すると、ストレージサーバ4に保存されているダウンロード可能な画像データの中からその受信した文書種別の画像データが抽出され、その抽出された画像データのリスト(ファイルリスト)が作成される(6.1:ファイルリスト作成)。その後、アプリケーションサーバ3では、その画像データのリストが埋め込まれた画面表示コマンドが生成される。そして、その画面表示コマンドがアプリケーションサーバ3からMFP2に送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、印刷ファイル選択画面を操作パネル13に表示させる(7:画面表示)。
印刷ファイル選択画面では、ダウンロード可能な画像データ(印刷ファイル)のファイル名のリストが表示される。印刷ファイル選択画面は、そのリストの中からユーザが1つの画像データを選択する画面である。ユーザは、リストの中から1つのファイル名を押すことにより、そのファイル名の画像データを選択することができる。印刷ファイル選択画面で画像データが選択されると(8:印刷ファイル選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、その選択された画像データの識別情報(入力印刷ファイルID)をアプリケーションサーバ3に送信する(9:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、画像データの識別情報を受信すると、その識別情報の画像データが保存されている場所の情報が埋め込まれた動作指示コマンドが生成される。そして、アプリケーションサーバ3からMFP2に動作指示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの動作指示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックを実行する(10:構文・能力・モード・接続チェック)。モードチェックでは、プリント機能を使用する他のジョブが実行中でないかのチェックである。接続チェックは、MFP2がインターネット6に接続されているかのチェックである。
構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれる保存場所の情報から特定されるストレージサーバ4にアクセスして(11:印刷ファイルダウンロード)、そのストレージサーバ4から画像データをダウンロードする。
その後、MFP2のCPU20は、ストレージサーバ4からダウンロードした画像データをROM17に保存されている固定画像データと差し替える(12:印刷ファイルを固定画像に差替)。
そして、MFP2のCPU20は、画像形成部11を制御して、固定画像データの印刷を実行する(13:印刷実行)。
固定画像データの印刷後、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(14:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に完了画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの完了画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、完了画面を操作パネル13に表示させる(15:画面表示)。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替えて、一連の処理を終了する。
<ダウンロードプリント機能:トライアルモード1(URL)>
ユーザは、ダウンロードプリント機能を「トライアルモード1」で初めて試用する場合に、トライアル機能設定画面でラジオボタン23を押した後、ラジオボタン23の右側に表示されているURL入力ボックス34に固定画像データのダウンロード元のURLを入力して、登録ボタン35を押すことによっても、「トライアルモード1」でのダウンロードプリント機能を試用を開始することができる。この場合、図6に示されるように、URL入力ボックス34に入力されたURLがMFP2のROM17に保存される(1:固定画像のURLを保存)。
固定画像データのダウンロード元のURLの保存後、ダウンロードプリント機能が「トライアルモード1」で再び試用される際のURLの保存は不要である。
その他、図6に示されるシーケンスと図5に示されるシーケンスとの相違点は、図6に示されるシーケンスに従った処理では、構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックの結果に問題がなかった場合に、MFP2のCPU20により、ROM17に保存されているURLで特定されるストレージサーバ4から固定画像データがダウンロード(11:固定画像ダウンロード)される点である。また、図6に示されるシーケンスに従った処理では、ストレージサーバ4から固定画像データがダウンロードされるので、MFP2でストレージサーバ4からダウンロードされた画像データとROM17に保存されている固定画像データとの差し替えが行われない。それ以外の処理については、図5に示されるシーケンスと図6に示されるシーケンスとで同じであるから、それらの処理についての説明は省略する。
<ダウンロードプリント機能:トライアルモード2>
ユーザは、ダウンロードプリント機能を「トライアルモード2」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン23を押した後、登録ボタン35を押す。登録ボタン35が押されると、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
その後、ユーザは、MFP2の操作パネル13に表示されている待機画面で連携機能ボタンを押す。連携機能ボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。ユーザは、機能選択画面でダウンロードプリントボタンを押す。ダウンロードプリントボタンが押されると、ダウンロードプリント機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(1:アプリケーション実行)。
なお、「トライアルモード1」でのダウンロードプリント機能の試用を許可する設定がROM17に登録されている場合、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能の試用を許可する設定はROM17に登録されず、ユーザは、「トライアルモード2」でダウンロードプリント機能を試用することができない。「トライアルモード1」でのダウンロードプリント機能の試用と「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能の試用とを併用可能とする構成を採用する場合、機能選択画面では、それらを選択するためのボタンが表示されるとよい。
その後、MFP2のCPU20は、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を実行可能であるか否かを判定する(2:実行可否判定)。CPU20は、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を始めて実行する場合、その処理を実行可能であると判定する。「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を以前に実行している場合、CPU20は、その最後に実行された処理の終了から所定のウエイト期間が経過しているか否かを判定する。そして、CPU20は、ウエイト期間が経過していれば、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を実行可能であると判定し、ウエイト期間が経過していなければ、「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を実行不能であると判定する。
「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を実行不能である場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。このときのエラー画面には、たとえば、「使用可能まで3分です」などのメッセージが表示される。また、エラー画面には、連携機能の広告、たとえば、各連携機能の特徴(利点)や各連携機能をMFP2に正式に追加するための費用(連携機能の価格)などが表示されてもよい。広告の表示により、連携機能の購入をユーザに勧めることができる。
「トライアルモード2」でのダウンロードプリント機能による処理を実行可能である場合、CPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、ROM17に保存されているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(3:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に文書種別選択画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの文書種別選択画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、文書種別選択画面を操作パネル13に表示させる(4:画面表示)。
ユーザが文書種別選択画面で文書種別ボタンの1つを押すと(5:文書種別選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、その押された文書種別ボタンに対応する文書種別の情報をアプリケーションサーバ3に送信する(6:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、文書種別の情報を受信すると、その文書種別の情報に応じた画像データのリストが作成される(6.1:ファイルリスト作成)。その後、アプリケーションサーバ3では、その画像データのリストが埋め込まれた画面表示コマンドが生成される。そして、その画面表示コマンドがアプリケーションサーバ3からMFP2に送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、印刷ファイル選択画面を操作パネル13に表示させる(7:画面表示)。
ユーザが印刷ファイル選択画面で1つの画像データを選択すると(8:印刷ファイル選択)、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、そのユーザが選択した画像データの識別情報(入力印刷ファイルID)をアプリケーションサーバ3に送信する(9:コマンド取得)。
アプリケーションサーバ3では、画像データの識別情報を受信すると、その識別情報の画像データが保存されている場所の情報が埋め込まれた動作指示コマンドが生成される。そして、アプリケーションサーバ3からMFP2に動作指示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの動作指示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックを実行する(10:構文・能力・モード・接続チェック)。
構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
構文チェック、能力チェック、モードチェックおよび接続チェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれる保存場所の情報に従い、ストレージサーバ4から画像データをダウンロードする(11:印刷ファイルダウンロード)。
その後、MFP2のCPU20は、画像形成部11を制御して、画像データの印刷を実行する(12:印刷実行)。
固定画像データの印刷後、MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からのコマンドを取得するため、LANインターフェース15を制御して、動作指示コマンドに含まれているURLで特定されるアプリケーションサーバ3上のファイルにアクセスする(13:コマンド取得)。
このアクセスに応じて、アプリケーションサーバ3からMFP2に完了画面の画面表示コマンドが送信される。
MFP2のCPU20は、アプリケーションサーバ3からの完了画面の画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信すると、画面表示コマンドに従って、完了画面を操作パネル13に表示させる(14:画面表示)。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替える。
また、MFP2のCPU20は、画面表示コマンドをLANインターフェース15に受信したことに応じて、タイマをセットし、それ以後の経過時間のタイマによる計測を開始させて(15:タイマセット)、一連の処理を終了する。タイマにより計測される経過時間は、前述の「2:実行可否判定」において、ウエイト期間が経過しているか否かの判定に使用される。
<インターネットファックス機能(送信):トライアルモード1>
ユーザは、インターネットファックス機能を「トライアルモード1」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン25を押した後、ラジオボタン25の右側に表示されているパス入力ボックス29に固定画像データが保存されている場所のパスを入力する。ユーザは、パス入力ボックス29にパスを入力した後、登録ボタン35を押す。登録ボタン35が押されると、パス入力ボックス29に入力されたパスで特定される固定画像データがユーザ端末からMFP2に送信される。また、「トライアルモード1」でのインターネットファックス機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
固定画像データをMFP2のLANインターフェース15が受信すると、MFP2のCPU20は、図8に示されるように、その受信した固定画像データをROM17に保存する(1:固定画像を保存)。
固定画像データの保存後、インターネットファックス機能が「トライアルモード1」で再び試用される際の固定画像データの保存は不要である。
その後、ユーザは、MFP2の画像読取部12に原稿をセットする。
また、ユーザは、MFP2の操作パネル13に表示されている待機画面で連携機能ボタンを押す。連携機能ボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。ユーザは、機能選択画面でインターネットファックスボタンを押す。インターネットファックスボタンが押されると、インターネットファックス機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(2:アプリケーション実行)。
また、インターネットファックスボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から宛先入力画面に切り替わる(3:宛先入力画面表示)。宛先入力画面では、電子メールの送信先の電子メールアドレスを入力するアドレス入力ボックスが表示される。また、宛先入力画面には、開始ボタンが表示される。
ユーザは、アドレス入力ボックスに電子メールの送信先の電子メールアドレスを入力した後(4:宛先入力)、開始ボタンを押す(5:開始ボタン押下)。
開始ボタンが押されると、MFP2のCPU20は、モードチェックを実行する(6:モードチェック)。モードチェックでは、CPU20は、たとえば、原稿がセットされているか、スキャン機能を使用する他のジョブが実行中でないかをチェックする。
モードチェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
モードチェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、画像読取部12を制御して、原稿の読み取りを実行する(7:スキャン実行)。そして、CPU20は、原稿の読み取りの実行により画像読取部12から出力される信号から所定の動作指示コマンドで指定されたフォーマット形式(たとえば、PDF形式)のスキャン画像データを生成する。
その後、MFP2のCPU20は、原稿の読み取りにより生成したスキャン画像データをROM17に保存されている固定画像データと差し替える(8:スキャン画像を固定画像に差替)。
また、MFP2のCPU20は、MFP2がインターネット6に接続されているかをチェックする。なお、この送信前接続チェックは、スキャン画像が固定画像に差し替えられた後に実行されてもよいし、その前に実行されてもよい。また、原稿の読み取りの実行前に、MFP2がインターネット6に接続されているかがチェックされてもよい。
MFP2がインターネット6に接続されていない場合には、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
MFP2がインターネット6に接続されている場合、MFP2のCPU20は、固定画像データを電子メールに添付し、LANインターフェース15を制御して、その固定画像データが添付された電子メールを宛先入力画面でアドレス入力ボックスに入力された電子メールアドレス宛に送信する(9:固定画像添付メール送信)。
電子メールの送信後、MFP2のCPU20は、完了画面を操作パネル13に表示させる。完了画面では、「完了しました」のメッセージが表示される。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替えて、一連の処理を終了する。
<インターネットファックス機能(送信):トライアルモード2>
ユーザは、インターネットファックス機能を「トライアルモード2」で初めて試用する場合、トライアル機能設定画面でラジオボタン26を押した後、登録ボタン35を押す。登録ボタン35が押されると、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能の試用を許可する設定がMFP2のROM17に登録される。
その後、ユーザは、MFP2の画像読取部12に原稿をセットする。
また、ユーザは、MFP2の操作パネル13に表示されている待機画面で連携機能ボタンを押す。連携機能ボタンが押されると、操作パネル13に表示される画面が待機画面から機能選択画面に切り替わる。ユーザは、機能選択画面でインターネットファックスボタンを押す。インターネットファックスボタンが押されると、インターネットファックス機能による処理の実行の指示が操作パネル13からCPU20に入力される(1:アプリケーション実行)。
なお、「トライアルモード1」でのインターネットファックス機能の試用を許可する設定がROM17に登録されている場合、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能の試用を許可する設定はROM17に登録されず、ユーザは、「トライアルモード2」でインターネットファックス機能を試用することができない。「トライアルモード1」でのインターネットファックス機能の試用と「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能の試用とを併用可能とする構成を採用する場合、機能選択画面では、それらを選択するためのボタンが表示されるとよい。
その後、MFP2のCPU20は、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能であるか否かを判定する(2:実行可否判定)。CPU20は、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を始めて実行する場合、その処理を実行可能であると判定する。「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を以前に実行している場合、CPU20は、その最後に実行された処理の終了から所定のウエイト期間が経過しているか否かを判定する。そして、CPU20は、ウエイト期間が経過していれば、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能であると判定し、ウエイト期間が経過していなければ、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行不能であると判定する。
「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行不能である場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。このときのエラー画面には、たとえば、「使用可能まで3分です」などのメッセージが表示される。また、エラー画面には、連携機能の広告、たとえば、各連携機能の特徴(利点)や各連携機能をMFP2に正式に追加するための費用(連携機能の価格)などが表示されてもよい。広告の表示により、連携機能の購入をユーザに勧めることができる。
「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能である場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13に表示される画面を待機画面から宛先入力画面に切り替える(3:宛先入力画面表示)。ユーザは、宛先入力画面に表示されるアドレス入力ボックスに電子メールの送信先の電子メールアドレスを入力した後(4:宛先入力)、開始ボタンを押す(5:開始ボタン押下)。
開始ボタンが押されると、MFP2のCPU20は、モードチェックを実行する(6:モードチェック)。
モードチェックの結果に問題がある場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
モードチェックの結果に問題がなければ、MFP2のCPU20は、画像読取部12を制御して、原稿の読み取りを実行する(7:スキャン実行)。そして、CPU20は、原稿の読み取りの実行により画像読取部12から出力される信号から所定の動作指示コマンドで指定されたフォーマット形式(たとえば、PDF形式)のスキャン画像データを生成する。
その後、MFP2のCPU20は、MFP2がインターネット6に接続されているかをチェックする。なお、この接続チェックは、原稿の読み取りの実行前に実行されてもよい。
MFP2がインターネット6に接続されていない場合には、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
MFP2がインターネット6に接続されている場合、MFP2のCPU20は、スキャン画像データを電子メールに添付し、LANインターフェース15を制御して、そのスキャン画像データが添付された電子メールを宛先入力画面でアドレス入力ボックスに入力された電子メールアドレス宛に送信する(8:スキャン画像添付メール送信)。
電子メールの送信後、MFP2のCPU20は、完了画面を操作パネル13に表示させる。完了画面では、「完了しました」のメッセージが表示される。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替える。
また、電子メールの送信後、MFP2のCPU20は、タイマをセットし、それ以後の経過時間のタイマによる計測を開始させて(9:タイマセット)、一連の処理を終了する。タイマにより計測される経過時間は、前述の「2:実行可否判定」において、ウエイト期間が経過しているか否かの判定に使用される。
<インターネットファックス機能(受信):トライアルモード1>
インターネットファックス機能が「トライアルモード1」で初めて試用される場合、図10に示されるように、固定画像データがMFP2のROM17に保存される(1:固定画像を保存)。固定画像データの保存については、図8を参照して説明したとおりである。
「トライアルモード1」でのインターネットファックス機能に試用中に、MFP2とは別のMFPなどの外部装置からMFP2のLANインターフェース15に電子メールを受信すると(2:IFAXメール受信)、MFP2のCPU20は、モードチェックを実行する(3:モードチェック)。モードチェックでは、CPU20は、たとえば、原稿がセットされているか、プリント機能を使用する他のジョブが実行中でないかをチェックする。
また、MFP2のCPU20は、電子メールの解析を実行する。電子メールの解析では、電子メールのデータの構文チェック、電子メールの件名および本文の取得、ならびに電子メールに添付されている画像データの取得が行われる。
モードチェックの結果に問題があり、電子メールの解析結果に問題がない場合、MFP2のCPU20は、解析により得られた各データをROM17に保存し、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
電子メールの解析結果に問題がある場合、モードチェックの結果にかかわらず、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。
モードチェックの結果および電子メールの解析結果に問題がない場合、MFP2のCPU20は、能力チェックを実行する(4:能力チェック)。能力チェックでは、電子メールに添付されている画像データをラスタライズする前に、その画像データがTIFF形式であるかをデータ構造上から判断する。
その後、MFP2のCPU20は、電子メールに添付されている画像データをラスタライズする(5:印刷画像作成)。
そして、MFP2のCPU20は、ラスタライズ化された画像データをROM17に保存されている固定画像データと差し替える(6:印刷画像を固定画像に差替)。
その後、MFP2のCPU20は、画像形成部11を制御して、固定画像データの印刷を実行する(7:印刷実行)。
固定画像データの印刷後、MFP2のCPU20は、完了画面を操作パネル13に表示させる。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替えて、一連の処理を終了する。
<インターネットファックス機能(受信):トライアルモード2>
「トライアルモード1」でのインターネットファックス機能に試用中に、MFP2とは別のMFPなどの外部装置からMFP2のLANインターフェース15に電子メールを受信すると(1:IFAXメール受信)、MFP2のCPU20は、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能であるか否かを判定する(2:実行可否判定)。CPU20は、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を始めて実行する場合、その処理を実行可能であると判定する。「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を以前に実行している場合、CPU20は、その最後に実行された処理の終了から所定のウエイト期間が経過しているか否かを判定する。そして、CPU20は、ウエイト期間が経過していれば、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能であると判定し、ウエイト期間が経過していなければ、「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行不能であると判定する。
「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行不能である場合、MFP2のCPU20は、操作パネル13にエラー画面を表示させて、この一連の処理を終了する。このときのエラー画面には、たとえば、「使用可能まで3分です」などのメッセージが表示される。また、エラー画面には、連携機能の広告、たとえば、各連携機能の特徴(利点)や各連携機能をMFP2に正式に追加するための費用(連携機能の価格)などが表示されてもよい。広告の表示により、連携機能の購入をユーザに勧めることができる。
「トライアルモード2」でのインターネットファックス機能による処理を実行可能である場合、MFP2のCPU20は、電子メールの解析、モードチェック(3:モードチェック)、能力チェック(4:能力チェック)を実行する。
その後、MFP2のCPU20は、電子メールに添付されている画像データをラスタライズする(5:印刷画像作成)。
そして、MFP2のCPU20は、画像形成部11を制御して、ラスタライズ化された画像データの印刷を実行する(6:印刷実行)。
画像データの印刷後、MFP2のCPU20は、完了画面を操作パネル13に表示させる。その後、完了画面に表示されるOKボタンが押されるか、または、完了画面の表示が一定時間継続すると、CPU20は、操作パネル13の表示を完了画面から待機画面に切り替えて、一連の処理を終了する。
また、画像データの印刷後、MFP2のCPU20は、タイマをセットし、それ以後の経過時間のタイマによる計測を開始させて(7:タイマセット)、一連の処理を終了する。タイマにより計測される経過時間は、前述の「2:実行可否判定」において、ウエイト期間が経過しているか否かの判定に使用される。
<作用効果>
以上のように、MFP2では、ファクシミリ機能、プリント機能、スキャン機能およびコピー機能といった標準機能以外に、標準機能とLAN5を経由する通信との連携により実現される連携機能を有償で追加可能である。ただし、連携機能による処理(ジョブ)のモードとして、「トライアルモード1」および「トライアルモード2」の2つのモードが用意されている。「トライアルモード2」では、連携機能による処理にユーザが任意の画像データを用いることができるが、連携機能による処理を一度実行すると、その後の所定のウエイト期間(たとえば、5分間)は同じ連携機能による処理を実行できないという制限がある。これに対し、「トライアルモード1」では、連携機能による処理に用いる画像データが固定画像データに制限されるが、処理の実行の頻度には制限がなく、同じ連携機能による処理を連続して実行することができる。
これにより、ユーザは、連携機能を「トライアルモード1」または「トライアルモード2」のいずれのモードで試用するかを選択でき、その選択に応じた制限の下で連携機能による処理を実行することができる。よって、ユーザが連携機能を適切に試用することができる。例えば、通信試験や装置の動作試験を行う目的であれば、ユーザは、トライアルモード2を選択することで、トライアルモード1よりも回数及び期間の少なくとも一方の制限が低い条件のもとで、上記試験を適切に行うことができる。一方、装置から出力された画像を評価する目的であれば、ユーザは、トライアルモード1を選択することで、適切に出力された画像を評価することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、「トライアルモード2」には、連携機能による処理を一度実行すると、その後の所定のウエイト期間(たとえば、5分間)は同じ連携機能による処理を実行できないという制限があり、「トライアルモード1」では、そのような制限がなく、同じ連携機能による処理を連続して実行することができるとした。しかしながら、「トライアルモード1」においても、連携機能による処理を一度実行すると、その後、「トライアルモード2」の場合よりも短い期間(たとえば、1分間)は同じ連携機能による処理を実行できないという制限が設けられてもよい。ここでの「短い期間」は、0(ゼロ)を含む。
また、そのようなウエイト期間を設けることによる制限は、たとえば、連携機能による処理を所定回数実行する毎に、その後の所定のウエイト期間は同じ連携機能による処理を実行できないという制限であってもよい。この場合、「トライアルモード1」では、「トライアルモード2」と比較して、所定回数が多い回数に設定されるとよい。
連携機能による処理の実行に対する制限は、ウエイト期間を設けることによる制限に限らず、連携機能による処理の実行回数の上限を設けることによる制限であってもよい。すなわち、「トライアルモード2」では、連携機能による処理の実行回数の上限が第1回数に設定され、「トライアルモード1」では、連携機能による処理の実行回数の上限が第1回数よりも多い第2回数に設定されてもよい。なお、「処理の実効回数の上限が第1回数よりも多い」場合には、第2回数が無制限である場合も含む。
また、連携機能による処理の実行に対する制限は、連携機能による処理を実行可能な期間による制限であってもよい。すなわち、「トライアルモード2」では、連携機能による処理を実行可能な期間がその処理を初めて実行してから第1期間に設定され、「トライアルモード1」では、連携機能による処理を実行可能な期間がその処理を初めて実行してから第1期間よりも長い第2期間に設定されてもよい。
「トライアルモード1」では、ユーザが予め登録した固定画像データが用いられるとしたが、ユーザが選択不可能な単一のサンプルデータがMFP2のROM17に保存されていて、そのサンプルデータが「トライアルモード1」で用いられてもよい。
また、前述の実施形態では、サンプル画像データとして、通常画像データと差替えられたデータで出力する形態を説明したが、通常画像データに「サンプル」等のウォーターマークを付加したものをサンプル画像データとして出力する形態であってもよい。
また、前述の実施形態では、MFP2のCPU20が各処理を実行する構成を取り上げた。しかしながら、MFP2が複数のCPUを備え、その複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
さらに、前述の実施形態では、画像処理装置の一例として、画像形成機能および画像読取機能を有するMFP2を取り上げたが、画像処理装置は、プリンタ機能を有する単機能のプリンタであってもよいし、スキャナ機能を有する単機能のスキャナであってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。