以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
(A)電子部品装着装置の構成
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、2台の電子部品装着機(以下、「装着機」と略す場合がある)14によって構成されている。各装着機14は、主に、装着機本体20、搬送装置22、移動装置24、装着ヘッド26、供給装置28を備えている。
装着機本体20は、フレーム部32と、そのフレーム部32に上架されたビーム部34とによって構成されている。搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42の各々は、各コンベア装置40,42に支持される回路基板を搬送する。なお、以下の説明において、回路基板の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。
移動装置24は、XYロボット型の移動装置であり、スライダ50を任意の位置に移動させる。そして、スライダ50に、装着ヘッド26が取り付けられることで、装着ヘッド26は、フレーム部32上の任意の位置に移動させられる。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル60を有している。吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26の下端面には、吸着ノズル60が設けられている。吸着ノズル60は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。これにより、吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル60を昇降させるノズル昇降装置(図示省略)を有しており、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
供給装置28は、テープフィーダ70によって部品を供給する装置である。テープフィーダ70は、図2に示すように、フィーダ本体部72を含み、そのフィーダ本体部72において、フレーム部32の端部に設けられた装着台(図1参照)76に着脱可能に装着される。なお、フレーム部32の装着台76には、種々のテープフィーダが装着されているが、本願のテープフィーダ70は、テープ化部品からラジアルリード部品(以下、「ラジアル部品」と略す)を取り外し、取り外したラジアル部品を供給する装置である。
テープフィーダ70は、図3に示すように、送出装置80とガイド機構82と切断装置84とを有し、それら送出装置80とガイド機構82と切断装置84とは、テープフィーダ70の筐体であるフィーダ本体部72の内部に配設されている。なお、テープフィーダ70の説明において、切断装置84が配設されている側を前方側と記載し、その前方側と反対側を後方側と記載する場合がある。
テープ化部品100は、図4及び図5に示すように、複数のラジアル部品102とキャリアテープ104とから構成されている。ラジアル部品102は、概して円柱状の本体部106と、その本体部106の底面から同じ方向に延び出す2本のリード108とを含む。そして、ラジアル部品102の2本のリード108が、下端部において、キャリアテープ104にテーピングされている。また、キャリアテープ104には、複数の送り穴110が等ピッチで形成されている。そして、複数のラジアル部品102は、送り穴110の形成ピッチと同ピッチで、キャリアテープ104にテーピングされている。
また、送出装置80は、テープフィーダ70の前方側において、テープ化部品100の下方に配設されている。送出装置80は、図4乃至図7に示すように、ベースブラケット120とスライド機構122とエアシリンダ124と1対の第1送出用爪部材126と第2送出用爪部材128と戻り防止用爪部材130とを含む。なお、図4及び図5には、送出装置80だけでなく、切断装置84も図示されており、図7には、送出装置80だけでなく、ガイド機構82も図示されている。
スライド機構122は、固定部132と第1スライド部134と第2スライド部136と揺動部138とを含む。固定部132は、概して矩形の板形状をなし、前後方向に延びるように、ベースブラケット120の上面に立設されている。第1スライド部134も、概して矩形の板形状をなし、前後方向に延びるように、固定部132の一方の面に対向する状態で配設されており、固定部132によって前後方向にスライド可能に保持されている。また、第2スライド部136も、概して矩形の板形状をなし、前後方向に延びるように、固定部132の他方の面に対向する状態で配設されており、固定部132によって前後方向にスライド可能に保持されている。
揺動部138も、概して矩形の板形状をなし、中央部において、固定部132により前後方向に揺動可能に保持されている。さらに、揺動部138は、上端部において、第1スライド部134に揺動可能に連結され、下端部において、第2スライド部136に揺動可能に連結されている。
また、エアシリンダ124は、ベースブラケット120の後端部に固定されており、第1スライド部134の後端部に連結されている。これにより、第1スライド部134と第2スライド部136とは、エアシリンダ124の作動に伴って、相対的に前後方向にスライドする。つまり、第1スライド部134が前方に向かってスライドすると、第2スライド部136は後方に向かってスライドし、第1スライド部134が後方に向かってスライドすると、第2スライド部136は前方に向かってスライドする。
また、1対の第1送出用爪部材126は、図7に示すように、概してL字型をなし、本体部140と、本体部140に対して約90度に屈曲された屈曲部142とにより構成されている。第1送出用爪部材126は、本体部140を前後方向に延ばして、屈曲部142を前方に向けた姿勢で、第1スライド部134に配設されている。なお、第1送出用爪部材126は、屈曲部142の先端を第1スライド部134から離間する方向に向けた姿勢とされている。また、1対の第1送出用爪部材126は、前後方向に並んで配設されており、1対の第1送出用爪部材126の配設ピッチは、テープ化部品100の送り穴110の形成ピッチの2倍のピッチとされている。
また、第1送出用爪部材126は、本体部140の後方側の端部において、第1スライド部134により左右方向に揺動可能に保持されている。そして、第1送出用爪部材126は、圧縮コイルスプリング(図示省略)によって第1スライド部134から離間する方向に付勢されている。なお、屈曲部142の前方側の面は、本体部140に直行する面とされているが、屈曲部142の後方側の面は、本体部140に近づくほど後方に向かうテーパ面とされている。このため、屈曲部142の前方側の面を直行面146と記載し、屈曲部142の後方側の面をテーパ面148と記載する。
また、第2送出用爪部材128は、第1送出用爪部材126と略同形状とされており、第1送出用爪部材126と同様に、本体部150と屈曲部152とにより構成されている。第2送出用爪部材128は、本体部150を前後方向に延ばし、屈曲部152を後方に向けた姿勢で、第2スライド部136に配設されている。なお、第2送出用爪部材128は、屈曲部152の先端を第2スライド部136から離間する方向に向けた姿勢とされている。また、第2送出用爪部材128は、本体部150の前方側の端部において、第2スライド部136により左右方向に揺動可能に保持されている。そして、第2送出用爪部材128は、圧縮コイルスプリング(図示省略)によって第2スライド部136から離間する方向に付勢されている。なお、第2送出用爪部材128においても、第1送出用爪部材126と同様に、屈曲部152の後方側の面を直行面156と記載し、屈曲部152の前方側の面をテーパ面158と記載する。
また、戻り防止用爪部材130は、第1送出用爪部材126と同形状とされており、第1送出用爪部材126と同様に、本体部160と屈曲部162とにより構成されている。戻り防止用爪部材130は、本体部160を前後方向に延ばし、屈曲部162を前方に向けた姿勢で、ベースブラケット120に配設されている。なお、戻り防止用爪部材130は、1対の第1送出用爪部材126の前方側に配設された第1送出用爪部材126とX方向において対向するように配設されており、戻り防止用爪部材130は、屈曲部162の先端を第1送出用爪部材126に向けた姿勢とされている。ただし、戻り防止用爪部材130は、その第1送出用爪部材126より僅かに前方側に配設されており、戻り防止用爪部材130の屈曲部162は、第1送出用爪部材126の屈曲部142より前方側に位置している。また、防止用爪部材130は、本体部160の後方側の端部において、ベースブラケット120により左右方向に揺動可能に保持されている。そして、防止用爪部材130は、圧縮コイルスプリング(図示省略)によって第1送出用爪部材126に接近する方向に付勢されている。
また、戻り防止用爪部材130の屈曲部162の先端部と、第1送出用爪部材126の屈曲部142の先端部とは、Y方向において重なった状態とされている。なお、戻り防止用爪部材130の屈曲部162の先端と、第1送出用爪部材126の屈曲部142の先端との間の距離は、テープ化部品100の送り穴110の形成ピッチに相当する距離とされている。また、戻り防止用爪部材130においても、第1送出用爪部材126と同様に、屈曲部162の後方側の面を直行面166と記載し、屈曲部162の前方側の面をテーパ面168と記載する。
また、ガイド機構82は、図8に示すように、内壁部170と外壁部172とにより構成されている。内壁部170は、帯状の板部材が概してU字型に屈曲された形状とされ、外壁部172も、帯状の板部材が概してU字型に屈曲された形状とされている。それら内壁部170と外壁部172とは、所定の寸法(数mm程度)を隔てて対向した状態でボルト締結されている。また、内壁部170には、X方向において対向するように、1対のスリット(図では1つのスリットのみが図示されている)178が形成され、外壁部172には、それら1対のスリット178と対向するように、1対のスリット(図では1つのスリットのみが図示されている)180が形成されている。
また、ガイド機構82は、図3に示すように、内壁部170及び外壁部172のU字型に屈曲された部分が前方側を向くように、フィーダ本体部72の内部に配設されている。そのフィーダ本体部72の内部に配設されたガイド機構82では、図7に示すように、内壁部170の内側に、送出装置80のスライド機構122と1対の第1送出用爪部材126と第2送出用爪部材128とが配設されている。一方、外壁部172の外側に、送出装置80の戻り防止用爪部材130が配設されている。そして、1対のスリット178の一方と、その一方と対向するスリット180に、1対の第1送出用爪部材126の屈曲部142の先端部および、戻り防止用爪部材130の屈曲部162の先端部が挿入されている。また、1対のスリット178の他方と、その他方と対向するスリット180に、第2送出用爪部材128の屈曲部152の先端部が挿入されている。
このような構造において、ガイド機構82では、内壁部170と外壁部172との間に、テープ化部品100のキャリアテープ104が、立設した状態で挿入されている。そして、キャリアテープ104に保持されたラジアル部品102は、内壁部170と外壁部172との間から上方に延び出している。また、内壁部170と外壁部172との間に挿入されたキャリアテープ104では、ガイド機構82の内壁部170のスリット178を介して、1対の第1送出用爪部材126の屈曲部142の先端部が、送り穴110に係合している。また、ガイド機構82の外壁部172のスリット180を介して、戻り防止用爪部材130の屈曲部162の先端部が、送り穴110に係合している。さらに、ガイド機構82の内壁部170のスリット178を介して、第2送出用爪部材128の屈曲部152の先端部が、送り穴110に係合している。
また、切断装置84は、図4及び図5に示すように、送出装置80の前方に配設されている。切断装置84は、図4、図5、図9及び図10に示すように、固定部材190と揺動部材192とローラ194とエアシリンダ196と変換機構198とを含む。固定部材190と揺動部材192とは、図7に示すように、送出装置80の第1送出用爪部材126及び戻り防止用爪部材130の前方側において、ガイド機構82の内壁部170及び外壁部172を挟んで、X方向に並んで配設されている。
固定部材190は、ガイド機構82の外壁部172と対向した状態で、上下方向に延びる姿勢で固定的に配設されている。また、固定部材190の上端部は、ガイド機構82の外壁部172の上端より上方に延び出しており、固定部材190の上端部には、固定側挟持プレート200が固定されている。なお、固定側挟持プレート200は、図11に示すように、概してL字型をなしている。そして、固定側挟持プレート200の屈曲された端部が揺動部材192の上端部に向かって延び出した状態で、その端部に連続する面が、固定部材190の上端面を覆うように、固定側挟持プレート200は、固定部材190の上端部に固定されている。
また、揺動部材192は、ガイド機構82の内壁部170と対向した状態で、上下方向に延びる姿勢で配設されている。そして、揺動部材192は、上下方向の中央部において、Y方向に延びる揺動軸201によって固定部材190の下端部に揺動可能に連結されている。なお、揺動部材192の上端部は、ガイド機構82の内壁部170の上端より上方に延び出している。そして、揺動部材192の上端面に、図10に示すように、第1可動刃202と第2可動刃204とが固定されている。
詳しくは、図10乃至図12に示すように、揺動部材192の上端面の前方側に第1段差面206が形成され、揺動部材192の上端面の後方側に第2段差面208が形成されている。第1段差面206は、揺動部材192の前方側の面と上端面と固定部材190と対向する面とに開口しており、第2段差面208は、揺動部材192の後方側の面と上端面と固定部材190と対向する面とに開口している。これにより、第1段差面206と第2段差面208とは、固定部材190の上端部に固定された固定側挟持プレート200と対向している。
なお、第1段差面206と第2段差面208とは、Y方向において並んだ状態で連続している。また、第1段差面206のY方向における長さ寸法、つまり、幅寸法と、第2段差面208の幅寸法とは同じであり、第1段差面206のZ方向における長さ寸法、つまり、深さ寸法と、第2段差面208の深さ寸法とは同じである。また、第2段差面208のX方向における長さ寸法、つまり、奥行寸法は、第1段差面206の奥行寸法より1mm程度、長い。
また、第1可動刃202と第2可動刃204との各々は、概して矩形の肉厚板形状をなし、各々の一辺に直線状の刃先が形成されている。第1可動刃202と第2可動刃204とは、一部を除いて、同じ外寸とされており、第1可動刃202と第2可動刃204との各々のY方向における長さ寸法は、第1段差面206と第2段差面208との各々のY方向における長さ寸法と同じとされている。また、第1段差面206と第2段差面208との各々のX方向における長さ寸法は、第2段差面208のX方向における長さ寸法より長くされている。
そして、第1可動刃202は、刃先を固定部材190の固定側挟持プレート200に向けた状態で、第1段差面206に固定されており、第2可動刃204は、刃先を固定部材190の固定側挟持プレート200に向けた状態で、第2段差面208に固定されている。これにより、第1段差面206と第2段差面208との各々の刃先は、揺動部材192の固定部材190側の端面より、固定部材190の固定側挟持プレート200に向かって突出している。
また、第2段差面208のX方向における長さ寸法は、第1段差面206のX方向における長さ寸法より1mm程度、長い。このため、第1段差面206に固定される第1可動刃202と、第2段差面208に固定される第2可動刃204とは、揺動部材192の揺動方向において、1mmズレて配設される。これにより、第2可動刃204の刃先は、第1可動刃202の刃先より、1mm程度、固定部材190の固定側挟持プレート200から離れた個所に位置している。つまり、第1可動刃202の刃先は、第2可動刃204の刃先より、1mm程度、固定部材190の固定側挟持プレート200に近くに位置している。
また、第1可動刃202と第2可動刃204との各々の上面は、各々の刃先に向かうほど上昇するテーパ面とされており、第2可動刃204は、第1可動刃202より、固定部材190の固定側挟持プレート200から離れている。このため、第2可動刃204の刃先は、第1可動刃202の刃先より、僅かであるが、上方に位置する。
なお、第1可動刃202と第2可動刃204とは、互いに、同じ形状のものであるが、互いの刃先の異なる箇所に切欠部が形成されている。具体的には、第1可動刃202には、刃先の前方側に切欠部210が形成され、第2可動刃204には、刃先の後方側に切欠部212が形成されている。なお、切欠部210,212は、後に詳しく説明するが、切断対象のリードのみを切断するために形成されたものであり、同形状のものに対して、切欠部210,212が形成されたに過ぎない。このため、第1可動刃202と第2可動刃204とは、本発明において同形状という概念に含まれる。
また、揺動部材192の上端部には、図9に示すように、揺動部材192の上端面に固定された第1可動刃202と第2可動刃204とを覆うように、揺動側挟持プレート216が配設されている。揺動側挟持プレート216は、固定部材190により揺動軸201を中心に揺動可能に保持されており、揺動部材192と共に揺動する。なお、図10乃至図12では、揺動側挟持プレート216が省略されている。
また、第1可動刃202と第2可動刃204とを覆う揺動側挟持プレート216の固定部材190側の端部は、第1可動刃202及び第2可動刃204の刃先より、固定側挟持プレート200に向かって突出している。このため、揺動側挟持プレート216が、揺動部材192とともに、固定部材190に接近する方向に揺動することで、ガイド機構82に挿入されているテープ化部品100のリード108が、固定側挟持プレート200と揺動側挟持プレート216とによって挟持される。
なお、リード108が固定側挟持プレート200と揺動側挟持プレート216とによって挟持された状態で、揺動部材192は、更に固定部材190に向かって揺動する。また、リード108を挟持する固定側挟持プレート200の端面の下方側の角部に、固定刃(図11参照)218が形成されている。そして、リード108が固定側挟持プレート200と揺動側挟持プレート216とによって挟持された状態で、揺動部材192が更に固定部材190に向かって揺動することで、図13に示すように、第1可動刃202及び第2可動刃204の刃先と固定刃218とが摺接する。
また、エアシリンダ196は、図4に示すように、送出装置80の下方において、ロッド226を前方に向けた状態で前後方向に延びるように配設されている。そのエアシリンダ196の前方側に、変換機構198が配設されており、エアシリンダ196のロッド226が変換機構198に連結されている。変換機構198は、図9に示すように、概してL字型の押部材228を有しており、押部材228は中央部において、上下方向に延びる軸230により揺動に支持されている。そして、変換機構198は、エアシリンダ196のロッド226が前後方向に移動することで、押部材228を揺動させる。
また、ローラ194は、揺動部材192の下端面において、上下方向に延びる軸232により回転可能に保持されている。そのローラ194は、変換機構198の押部材228と対向している。そして、揺動部材192は、ローラ194を押部材228に接近させる方向に、圧縮コイルスプリング236によって付勢されている。これにより、ローラ194が押部材228に密着しており、エアシリンダ196の作動に伴って押部材228が揺動することで、揺動部材192が揺動する。
詳しくは、エアシリンダ196のロッド226が後方に向かって移動することで、押部材228がローラ194に接近する方向に揺動する。これにより、揺動部材192が、圧縮コイルスプリング236の弾性力に抗して、上端部が固定部材190に接近する方向に揺動する。一方、エアシリンダ196のロッド226が前方に向かって移動することで、押部材228がローラ194から離れる方向に揺動する。これにより、揺動部材192が、圧縮コイルスプリング236の弾性力によって、上端部が固定部材190から離れる方向に揺動する。
(B)テープフィーダの作動
上記構造により、テープフィーダ70では、送出装置80のエアシリンダ124の作動により、テープ化部品100が送り出され、切断装置84のエアシリンダ196の作動により、キャリアテープ104からラジアル部品102が分離される。具体的には、送出装置80において、エアシリンダ124の作動により、スライド機構122の第1スライド部134が前方にスライドすることで、1対の第1送出用爪部材126も前方にスライドする。
この際、1対の第1送出用爪部材126の屈曲部142の先端部が、ガイド機構82に挿入されているテープ化部品100の送り穴110に係合しており、テープ化部品100は、屈曲部142の直行面146によって前方に向かって押される。直行面146は、テープ化部品100に対して直行しているため、直行面146によって前方に向かって押される力がテープ化部品100に伝達し、テープ化部品100が前方に向かって送り出される。なお、テープ化部品100の送り出し量、つまり、第1スライド部134のスライド量は、テープ化部品100でのラジアル部品102の配設ピッチに相当する量とされている。
また、スライド機構122では、上述したように、第1スライド部134が前方にスライドする際に、第2スライド部136は後方にスライドする。このため、第2送出用爪部材128が、第2スライド部136とともに後方にスライドする。この際、第2送出用爪部材128の屈曲部152の先端部が、ガイド機構82に挿入されているテープ化部品100の送り穴110に係合しており、テープ化部品100は、屈曲部152の直行面156によって後方に向かって押される。直行面156は、テープ化部品100に対して直行しているため、直行面156によって後方に向かって押される力がテープ化部品100に伝達し、テープ化部品100が後方に向かって送り出される。
つまり、ガイド機構82では、テープ化部品100が内壁部170と外壁部172との間に挿入されており、U字型に屈曲された状態で立設されている。そして、テープ化部品100が、U字型に屈曲される箇所の上流側において、1対の第1送出用爪部材126によって前方に向かって送り出される。それと同時に、テープ化部品100は、U字型に屈曲される箇所の下流側において、第2送出用爪部材128によって後方に向かって送り出される。このように、U字型に屈曲される箇所の上流側と下流側との両方において、テープ化部品100が送り出されることで、テープ化部品100をガイド機構82の内部で停滞させることなく、適切に送り出すことが可能となる。
なお、ガイド機構82に挿入されているテープ化部品100の送り穴110には、戻り防止用爪部材130も係合しているが、テープ化部品100が送り出される際に、戻り防止用爪部材130の係合は解除される。詳しくは、テープ化部品100が送り出される際に、送り穴110に係合している戻り防止用爪部材130の屈曲部162は、テーパ面168において、送り穴110を区画する縁部により前方に向かって押される。テーパ面168は、テープ化部品100と直行しておらず、屈曲部162の基端部、つまり、本体部160に近づくほど後方に向かって傾斜している。このため、テーパ面168を前方に向かって押す力が、屈曲部162をテープ化部品100から離間させる方向の力に分散され、戻り防止用爪部材130がテープ化部品100から離間する方向に揺動する。これにより、テープ化部品100が送り出される際に、戻り防止用爪部材130のテープ化部品100への係合が解除される。
また、テープ化部品100の送出が完了した後に、エアシリンダ124の作動により、スライド機構122の第1スライド部134が後方にスライドするとともに、第2スライド部136が前方にスライドする。このため、1対の第1送出用爪部材126が後方にスライドするとともに、第2送出用爪部材128が前方にスライドする。この際、テープ化部品100は、戻り防止用爪部材130によって、送出方向と反対方向への戻りが防止されるとともに、第1送出用爪部材126及び第2送出用爪部材128の送り穴110への係合が解除される。
詳しくは、第1送出用爪部材126が後方にスライドする際に、送り穴110に係合している第1送出用爪部材126の屈曲部142は、テーパ面148において、送り穴110を区画する縁部を後方に向かって押す。また、送り穴110に係合している第2送出用爪部材128の屈曲部152は、テーパ面158において、送り穴110を区画する縁部を前方に向かって押す。このため、テープ化部品100に、送出方向と反対方向に戻す力が伝達される。
この際、戻り防止用爪部材130の屈曲部162は送り穴110に係合しており、その屈曲部162の直行面166が、送り穴110を区画する縁部によって後方に向かって押される。しかしながら、直行面166はテープ化部品100と直行しているため、直行面166を押す力は左右方向に分散されず、戻り防止用爪部材130は揺動しない。このため、戻り防止用爪部材130の送り穴110への係合が維持され、テープ化部品100の送出方向と反対方向への戻りが防止される。
また、第1送出用爪部材126の屈曲部142のテーパ面148は、本体部140に近づくほど後方に向かって傾斜している。このため、第1送出用爪部材126が後方にスライドする際にテーパ面148が送り穴110を区画する縁部を押す力の反力が、屈曲部142をテープ化部品100から離間させる方向に生じる。これにより、第1送出用爪部材126がテープ化部品100から離間する方向に揺動し、第1送出用爪部材126のテープ化部品100への係合が解除される。そして、第1送出用爪部材126が後方にスライドし、テープ化部品100の送出前の位置に戻ることで、送出後のテープ化部品100の送り穴110に係合する。
また、第2送出用爪部材128の屈曲部152のテーパ面158は、本体部150に近づくほど前方に向かって傾斜している。このため、第2送出用爪部材128が前方にスライドする際にテーパ面158が送り穴110を区画する縁部を押す力の反力が、屈曲部152をテープ化部品100から離間させる方向に生じる。これにより、第2送出用爪部材128がテープ化部品100から離間する方向に揺動し、第2送出用爪部材128のテープ化部品100への係合が解除される。そして、第2送出用爪部材128が前方にスライドし、テープ化部品100の送出前の位置に戻ることで、送出後のテープ化部品100の送り穴110に係合する。
これにより、テープ化部品100の送出方向と反対方向への戻りが防止されるとともに、第1送出用爪部材126及び第2送出用爪部材128が、テープ化部品100の送出前の位置に戻される。そして、再度、エアシリンダ124が作動され、スライド機構122の第1スライド部134が前方にスライドすることで、テープ化部品100が送出される。このように、エアシリンダ124の作動により、第1スライド部134が前後方向に、順次、スライドする毎に、テープ化部品100が、ラジアル部品102の配設ピッチに相当する量、送り出される。
また、テープ化部品100の送出が完了したタイミングで、切断装置84において、エアシリンダ196が作動され、ラジアル部品102がキャリアテープ104から分離される。詳しくは、送出装置80において、エアシリンダ124の作動により、第1スライド部134が前方にスライドし、第2スライド部136が後方にスライドする際に、切断装置84では、エアシリンダ196のロッド226は前方に移動している。このため、テープ化部品100が送り出されている際に、揺動部材192は、揺動側挟持プレート216とともに、圧縮コイルスプリング236の弾性力によって、上端部を固定部材190から離間させる方向に揺動している。
この際、テープ化部品100の送出に伴って、固定部材190の上端部と揺動部材192の上端部との間に、キャリアテープ104に保持されたラジアル部品102のリード108が入り込む。なお、図14に示すように、ラジアル部品102の2本のリード108のうちの前方側のリード108aは、揺動部材192の上面に固定された第1可動刃202の刃先と、固定部材190の上端部に固定された固定側挟持プレート200との間に入り込む。一方、ラジアル部品102の2本のリード108のうちの後方側のリード108bは、揺動部材192の上面に固定された第2可動刃204と、固定部材190の上端部に固定された固定側挟持プレート200との間に入り込む。
そして、テープ化部品100の送出が完了したタイミングで、エアシリンダ196の作動によりロッド226が後方に移動される。これにより、揺動部材192が、揺動側挟持プレート216とともに、圧縮コイルスプリング236の弾性力に抗して、上端部を固定部材190に接近させる方向に揺動する。この際、固定部材190の上端部と揺動部材192の上端部との間に入り込んでいるリード108が、固定部材190の固定側挟持プレート200と揺動部材192の揺動側挟持プレート216とによって挟持される。
そして、固定側挟持プレート200と揺動側挟持プレート216とによってリード108が挟持された状態で、揺動部材192が更に揺動することで、図15に示すように、ラジアル部品102の2本のリード108のうちの前方側のリード108aが、第1可動刃202と固定刃218とによって切断される。なお、リード108の外径は、約0.8mm以下とされており、前方側のリード108aを切断する第1可動刃202は、上述したように、揺動部材192の揺動方向において、第2可動刃204より、固定部材190側に1mmズレて配設されている。
このため、第1可動刃202と固定刃218とによって、2本のリード108のうちの前方側のリード108aが切断される際に、第2可動刃204は、後方側のリード108bに接触しない。そして、前方側のリード108aが切断された後に、揺動部材192が更に揺動することで、図16に示すように、ラジアル部品102の2本のリード108のうちの後方側のリード108bが、第2可動刃204と固定刃218とによって切断される。つまり、2本のリード108のうちの前方側のリード108aが、第1可動刃202により切断された後に、後方側のリード108bが、第2可動刃204により切断される。これにより、2本のリード108が1本ずつ、異なる可動刃により切断される。
なお、リード108aを切断する第1可動刃202と、リード108bを切断する第2可動刃204とは、上述したように、揺動部材192の揺動方向において、1mmズレて配設されている。このため、図17に示すように、第1可動刃202の刃先250と第2可動刃204の刃先252とは、揺動部材192の揺動方向において、1mmズレる。また、第1可動刃202の刃先250と第2可動刃204の刃先252とは、各可動刃の上面がテーパ面とされているため、僅かに上下方向にズレている。このため、第1可動刃202の刃先250と第2可動刃204の刃先252とは、揺動軸201を中心とする同一の円周254に沿って揺動する。
また、第1可動刃202の刃先250と第2可動刃204の刃先252との中点256が、固定側挟持プレート200の固定刃218と一致する際において、その中点256と揺動部材192の揺動軸201の中心とを結ぶ直線258が、切断対象のリード108の延びる方向と一致する。このため、第1可動刃202によるリード108aの切断高さと、第2可動刃204によるリード108bの切断高さとが同じになる。これにより、2本のリード108が、揺動部材192の揺動方向にズレて配設された2つの可動刃により切断される場合であっても、切断後の2本のリードの長さを同じ長さにすることが可能となる。
そして、2本のリード108が切断されることで、ラジアル部品102がキャリアテープ104から分離され、そのラジアル部品102が、リード108において固定側挟持プレート200と揺動側挟持プレート216とによって挟持された状態で供給される。なお、キャリアテープ104からラジアル部品102が分離されることで、テープ化部品100が廃テープとなる。ちなみに、廃テープには、リード108の切断により先端部が残存している。そして、リード108の先端部が残存する廃テープが、ガイド機構82の内壁部170と外壁部172との間を通って、下流側に送り出され、テープフィーダ70から排出される。
なお、テープ化部品100では、ラジアル部品102の配設ピッチが、比較的、短いため、図14に示すように、切断対象のリード108a,bを有するラジアル部品102の下流側のラジアル部品102のリード108cが、第2可動刃204と固定刃218との間に位置する。そこで、第2可動刃204の刃先に切欠部212が形成されている。このため、図16に示すように、切断対象のリード108bを切断するべく、揺動部材192が固定部材190に向かって最も揺動した場合において、切断対象でないリード108cは、第2可動刃204の切欠部212と固定刃218との間に位置する。これにより、切断対象でないリード108cの切断が防止される。
また、テープ化部品100では、ラジアル部品102の配設ピッチが、比較的、短いため、廃テープに残存するリード108のうちの最も上流側に位置するリード108dが、図14に示すように、第1可動刃202と固定刃218との間に位置する。そこで、第1可動刃202の刃先に切欠部210が形成されている。このため、図16に示すように、切断対象のリード108bを切断するべく、揺動部材192が固定部材190に向かって最も揺動した場合において、廃テープに残存するリード108dは、第1可動刃202の切欠部210と固定刃218との間に位置する。これにより、廃テープに残存するリード108dの切断が防止される。
なお、切欠部210の第1可動刃202の刃先からの切欠量は、第1可動刃202と第2可動刃204とのズレ量(1mm)と、リード108の外径とを合計した値より大きくする必要がある。一方、切欠部212の第2可動刃204の刃先からの切欠量は、第1可動刃202と第2可動刃204とのズレ量(1mm)より大きくする必要がある。
また、テープ化部品100において、ラジアル部品102の配設ピッチが、比較的、長い場合には、図18に示すように、切断対象のリード108a,bを有するラジアル部品102の下流側のラジアル部品102のリード108cは、第2可動刃204と固定刃218との間の上流側に位置する。また、廃テープに残存するリード108のうちの最も上流側に位置するリード108dは、第1可動刃202と固定刃218との間の下流側に位置する。このような場合には、第1可動刃202及び、第2可動刃204に切欠部210,212を形成する必要はない。つまり、第1可動刃202と第2可動刃204とを同じ形状とすることが可能となる。
また、テープ化部品100において、ラジアル部品102の配設ピッチが、短い場合であっても、第1可動刃202及び第2可動刃204の幅方向の寸法を小さくすることで、第1可動刃202と切断対象でないリード108との接触などを防止することが可能となる。このような場合には、第1可動刃202等に、切欠部210,212は形成されず、202と第2可動刃204戸を同形状とすることが可能となる。なお、幅方向の寸法の小さい第1可動刃202及び第2可動刃204を揺動部材192の上面に固定するべく、留めボトルの本数を少なくしたり、小さな留めボルトを用いる必要がある。
(C)テープフィーダの特徴
このように、テープフィーダ70では、ラジアル部品102の2本のリード108のうちのリード108aが切断された後に、リード108bが切断される。つまり、2本のリード108が同時に切断されず、1本ずつ、順次、切断される。これにより、リード切断時の騒音の低減,リード切断時の振動の低減,リード切断時における駆動源の省力化,筐体のコンパクト化などを図ることが可能となる。
具体的には、従来のテープフィーダでは、図19に示す切断装置270が採用されている。切断装置270では、図10に示す切断装置84の固定部材190及び揺動部材192と略同形状の固定部材272及び揺動部材274が用いられている。そして、固定部材272の上面には、切断装置84の固定側挟持プレート200と略同形状の固定側挟持プレート276が固定されている。また、揺動部材274の上面には、1枚の可動刃278が固定されている。
可動刃278は、概して矩形をなし、それの一辺が、直線状の刃先とされている。そして、その刃先が、揺動部材274の上面に固定された固定側挟持プレート276と対向するように、可動刃278は揺動部材274の上面に固定されている。また、揺動部材274は、エアシリンダ280の作動により揺動する。なお、固定側挟持プレート276には、切断装置84の固定側挟持プレート200と同様に、固定刃(図示省略)が形成されている。
そして、可動刃278と固定側挟持プレート276との間に、テープ化部品100の送り出しに伴って、ラジアル部品102の2本のリード108が進入する。この際、エアシリンダ280の作動により、可動刃278が固定側挟持プレート276に接近する方向に、揺動部材274が揺動することで、2本のリード108が、可動刃278と、固定側挟持プレート276の固定刃とによって切断される。つまり、切断装置270では、2本のリード108が同時に切断される。
このように、2本のリード108を同時に切断するために、切断装置270では、可動刃278を揺動させる駆動源として、比較的大きな力を発生させるエアシリンダ280が採用されている。一方、本発明のテープフィーダ70の切断装置84では、上述したように、2本のリード108が同時に切断されず、1本ずつ、順次、切断される。このため、切断装置84では、可動刃278を揺動させる駆動源として、1本のリード108を切断することが可能な力を発生させるエアシリンダ196が採用されている。これにより、リード切断時における駆動源の省力化を図ることが可能となる。
また、切断装置84のエアシリンダ196(図10参照)と、切断装置270のエアシリンダ280(図19参照)とを比較すると、エアシリンダ280は、2本のリード108を同時に切断させるべく、大きな力を発生させるため、エアシリンダ196より大きい。ちなみに、エアシリンダ280のボア径は、φ40mmであり、エアシリンダ196のボア径は、φ25mmである。このように、従来のテープフィーダでは、大きなエアシリンダ280を採用する必要があり、筐体が大型化する。一方、本発明のテープフィーダ70では、小さなエアシリンダ196を採用することができるため、筐体のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、従来のテープフィーダでは、比較的大きな力で、2本のリード108が同時に切断されるため、大きな騒音が発生する。一方、本発明のテープフィーダ70では、従来のテープフィーダと比較して小さな力で、2本のリード108が1本ずつ、順次、切断されるため、騒音の発生が抑制される。
さらに言えば、従来のテープフィーダでは、比較的大きな力で、2本のリード108が同時に切断されるため、テープフィーダが振動する。2本のリード108が切断され、キャリアテープ104から分離されたラジアル部品102は、テープフィーダにおいて供給されるため、テープフィーダが振動すると、ラジアル部品102を適切に保持できない虞がある。つまり、従来のテープフィーダでは、リード108の切断により、テープフィーダが振動することで、ラジアル部品102を適切に供給できない虞がある。一方、本発明のテープフィーダ70では、従来のテープフィーダと比較して小さな力で、2本のリード108が1本ずつ、順次、切断されるため、テープフィーダの振動が抑制される。これにより、本発明のテープフィーダ70によれば、ラジアル部品102の供給を適切に行うことが可能となる。
このように、本発明のテープフィーダ70では、2本のリード108が1本ずつ、順次、切断されることで、リード切断時の騒音・振動の低減,駆動源の省力化,筐体のコンパクト化などを図ることが可能となる。
また、本発明のテープフィーダ70では、2本のリード108を1本ずつ、順次、切断するべく、第1可動刃202と第2可動刃204との2枚の可動刃が採用されている。一方で、1枚の可動刃で、2本のリード108を1本ずつ、順次、切断することも考えられる。具体的には、図20に示す可動刃300では、刃先が段差形状とされており、第1の刃先302と第2の刃先304とが、各々の刃先と直行する方向にズレている。このような可動刃300であれば、2本のリード108の一方を、第1の刃先302により切断し、2本のリード108の他方を、第2の刃先304により切断することで、2本のリード108を1本ずつ、順次、切断することが可能となる。
しかしながら、可動刃300では、刃先を段差形状にする必要があり、加工が非常に困難である。このため、可動刃300は、非常に高価なものとなる。また、可動刃300は使用に伴って劣化するため、刃先の研磨が必要である。研磨では、グラインダーなどが用いられ、高速で回転するディスク形状の砥石などにより刃先が研磨される。ただし、可動刃300では、刃先が段差形状であるため、研磨が非常に困難であり、刃先の一部を研磨できない虞がある。詳しくは、図20に示すように、第1の刃先302が研磨される際に、第1の刃先302に砥石306が当てられるが、高速で回転する砥石306が、第1の刃先302と第2の刃先304との間の段差部308に接触すると、非常に危険であるため、可動刃300の研磨は、非常に困難である。また、第1の刃先302の研磨時に、砥石306が段差部308に接触することを避けるため、第1の刃先302の段差部308に近い側の端部を研磨することができない。
一方、本発明のテープフィーダ70で採用されている第1可動刃202および第2可動刃204では、それぞれの刃先は直線状とされている。このため、刃先の加工は容易であり、安価に製造できる。また、研磨時においても、刃先の全面を容易に研磨することができる。このように、第1可動刃202と第2可動刃204との2枚の可動刃を採用することで、コスト面,再研磨性などにおいて、非常に大きな効果を奏することが可能となる。
なお、テープフィーダ70は、テープフィーダの一例である。第1可動刃202は、可動刃の一例である。第2可動刃204は、可動刃の一例である。固定刃218は、固定部および固定刃の一例である。テープ化部品100は、テープ化部品の一例である。ラジアル部品102は、リード部品の一例である。キャリアテープ104は、キャリアテープの一例である。リード108は、リードの一例である。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、第1可動刃202と第2可動刃204との2枚の可動刃の各々によって、ラジアル部品102の2本のリード108の各々が切断されているが、アキシャル部品の2本のリードの各々が切断されてもよい。
また、上記実施例では、第1可動刃202と固定刃218とによって、若しくは、第2可動刃204と固定刃218とによって、リード108が切断されているが、固定刃218を用いることなく、リード108を切断してもよい。具体的には、例えば、固定側挟持プレート200に固定刃218を作成することなく、固定側挟持プレート200と第1可動刃202とによって挟持されたリードを、第1可動刃202のみによって切断してもよい。
また、上記実施例では、第1可動刃202と第2可動刃204とが揺動部材192の揺動方向にズレて配設されているが、揺動方向と交差する方向においてズレて配設されてもよい。このような場合には、切断後のリード108の長さが異なるが、切断後のリード108の長さが僅かに異なることを殆ど問題としないユーザも存在することから、このような態様も実行することが可能である。さらに言えば、揺動部材192の揺動方向,その揺動方向と交差する方向だけでなく、キャリアテープ104の幅方向,水平方向,リード108を切断する方向,X方向,テープ化部品100の送出方向と交差する方向など、種々の方向に、第1可動刃202と第2可動刃204とズレて配設してもよい。
また、上記実施例では、ラジアル部品102として、2本のリード108を有するものが採用されているが、3本以上のリードを有するラジアル部品を採用することが可能である。例えば、3本のリードを有するラジアル部品では、Y方向における長さの異なる第1可動刃と第2可動刃とを、揺動部材192の揺動方向にズレた状態で配設する。ちなみに、第1可動刃はY方向における長さが長く、第2可動刃はY方向における長さが短い。そして、第1可動刃により2本のリードを切断し、第2可動刃により1本のリードを切断してもよい。また、リードと同数の可動刃を、揺動部材192の揺動方向にズレた状態で配設し、1の可動刃で1本のリードを切断してもよい。