JP6994921B2 - 質量分析データ処理装置および質量分析データ処理方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る質量分析データ処理装置を備えた質量分析装置の概略を示す構成図である。この図に示すように、質量分析装置1は、クロマトグラフで分離した試料成分を順次に質量分析するものであって、クロマト分離部101、イオン化部102、および質量分析部103と共に、実施形態の質量分析データ処理装置100,100’を備えている。以下、これらの構成要素の詳細を説明する。
クロマト分離部101は、分析対象となる試料を成分毎に分離する部分である。このクロマト分離部101は、分析対象となる試料を成分毎に分離するためのカラムを備えている。カラムは、導入された試料を通過させる固定相が充填されたものである。カラムに導入された試料中の各成分は、固定相を通過する速度に応じて時間的に分離され、各試料成分に固有の保持時間(RT:Retention Time)でイオン化部102に供給される。
イオン化部102は、クロマト分離部101で分離され時間差を持って供給される各試料成分を順次にイオン化する部分である。特にこのイオン化部102は、ソフトイオン化法によるイオン源と、ハードイオン化法によるイオン源とを交換可能に用いられるものである。これらのイオン化法は、次のとおりである。
質量分析部103は、イオン化した各試料成分のイオンをさらに質量電荷比[m/z]に応じて分離して検出する部分であって、質量分離部と検出器とを備えている。
質量分析データ処理装置100,100’は、各実施形態に係る質量分析データ処理装置100,100’である。これらの質量分析データ処理装置100,100’は、質量分析部103の検出器で検出された質量スペクトル信号に基づいて、分析対象となる試料の分析を実施する。
<質量分析データ処理装置>
第1実施形態の質量分析データ処理装置100は、質量分析装置1において同一の試料について2度の質量分析を行った場合のそれぞれで得られた質量スペクトル信号に基づき、分析対象となる試料中に含まれる特定の試料成分の定性分析を実施する。
入出力制御部10は、予め設定されたプログラムおよびオペレーターによる操作部25からの操作にしたがって、質量分析データ処理装置100を構成する他の各部における動作のタイミングを制御し、これによって質量分析データ処理を実行する部分である。このような入出力制御部10は、質量分析部103の検出器に接続され、上述した繰り返しスキャン毎に検出器で検出された質量スペクトル信号が、保持時間[RT]にしたがって順に入力される。このような入出力制御部10において実施される質量分析データ処理の詳細は、以降の質量分析データ処理方法において詳細に説明する。
記憶部11には、質量分析を実施する毎に、入出力制御部10からの指示に基づいて、質量分析部103の検出器で検出された質量スペクトル信号が、保持時間[RT]に関連付けて記憶される。特に、この記憶部11には、同一の試料について2度の質量分析を行った場合のそれぞれについてのデータが記憶される。ここで、2度の質量分析とは、イオン化部102においてソフトイオン化法を実施した場合と、イオン化部102においてハードイオン化法を実施した場合である。したがって、この記憶部11には、保持時間[RT]に関連付けられた質量スペクトル信号が、試料名および質量分析の際のイオン化法に関連付けて記憶される。
質量スペクトル取得部13は、入出力制御部10からの指示に基づいて、記憶部11に記憶されている質量スペクトル信号から、特定の保持時間[RT]に検出された質量スペクトル信号を取得する。この質量スペクトル取得部13は、通常の自動ピーク検出(いわゆるピークサーチ)プログラムに従って抽出された質量スペクトル信号の中から、特定の保持時間[RT]に検出された質量スペクトル信号を、質量スペクトルとして取得する。このような自動ピーク検出においては、信号強度[I]のノイズ成分除去も自動的に実施される。ノイズ成分除去は、典型的には、TICC上の各ピーク位置に出現している各質量電荷比[m/z]のピークトップの信号強度[I]から、ピークトップの左右の裾位置の信号強度[I]を平均化した値をバックグラウンドとして差し引くことによって実施される。
分子イオンピーク検出部15aは、入出力制御部10からの指示に基づいて、イオン化部102においてソフトイオン化法を実施した場合について、質量スペクトル取得部13が取得した第1の質量スペクトルから分子イオンピークを検出する。この分子イオンピーク検出部15aは、質量スペクトル取得部13が取得した質量スペクトルのうち、信号強度が設定した閾値を超え、最も質量電荷比[m/z]が高いピークを、分子イオンピークとして検出する。また分子イオンピーク検出部15aは、同位体ピークを排除するプログラムを実行するものであってもよい。またこの分子イオンピーク検出部15aは、検出したピークの重心を算出し、算出した重心位置を分子イオンピークの質量電荷比[m/z]として保存する。なお、分子イオンピーク検出部15aは、質量スペクトル獲得部13が取得した質量スペクトルのうち、最も信号強度が高いピークを、分子イオンピークとして検出してもよい。
ピーク検出部15bは、入出力制御部10からの指示に基づいて、イオン化部102においてハードイオン化法を実施した場合について、質量スペクトル取得部13が取得した第2の質量スペクトルから複数のフラグメントイオンピークを検出する。このピーク検出部15bは、例えば質量スペクトル取得部13が取得した質量スペクトルの信号強度に閾値を設定し、信号強度が設定した閾値を越えたピークをフラグメントイオンピークとして検出する。またピーク検出部15bは、同位体ピークを排除するプログラムを実行するものであってもよい。
組成推定処理部17は、入出力制御部10からの指示に基づいて、分子イオンピーク検出部15aで検出した分子イオンピークの質量電荷比[m/z]となり得る分子の組成式を推定し、推定組成式を得る。この推定組成式は、分析対象成分のものとなる。また組成推定処理部17は、入出力制御部10からの指示に基づいて、ピーク検出部15bで検出したフラグメントイオンピークのそれぞれについて、その質量電荷比[m/z]となり得るフラグメントの組成式を推定し、フラグメントの推定組成式を得る。
帰属可否判定部19は、同一の試料について2度の質量分析を行った場合のそれぞれについて組成推定処理部17で得られた推定組成式を比較する。そして比較した推定組成式間の帰属の可否を判定し、その判定結果を数値化して保存する。この帰属可否判定部19において実施される処理は、以降の質量分析データ処理方法において詳細に説明する。
[合致度算出部21]
合致度算出部21は、帰属可否判定部19で数値化した判定結果に基づいて、組成推定処理部17で推定した分子の組成式毎に、フラグメントイオンピークの合致度を算出する。この合致度算出部21において実施される処理は、以降の質量分析データ処理方法において詳細に説明する。
画像データ作成部23は、質量スペクトル取得部13、分子イオンピーク検出部15a、ピーク検出部15b、組成推定処理部17、帰属可否判定部19、および合致度算出部21で作成された各データを表示部27に表示するための画像データを作成する。また画像データ作成部23は、質量分析データ処理装置100で実施する処理内容や、オペレーターが操作部25の入力によって選択しまたは設定するための画像を表示部27に表示するための画像データを作成する。画像データの詳細は、以降の質量分析データ処理方法において説明する。
操作部25は、質量分析データ処理装置100において実行するデータ処理に関する各種設定を入力する部分である。データ処理に関する各種設定とは、例えば質量スペクトル取得部13において取得する質量スペクトル信号の保持時間[RT]の設定である。この操作部25は、例えばキーボード、マウス、あるいは表示部27と一体形成されたタッチパネル式の操作部であってもよい。
表示部27は、画像データ作成部23で作成された画像を表示する部分であり、タッチパネル式の操作部を備えたものであってもよい。
図2は、第1実施形態の質量分析データ処理装置100において実施される質量分析データ処理方法を示すフローチャートであり、質量分析データ処理装置100の各部に予め設定されたプログラムにしたがって実施されるデータ処理の手順を示している。この図に示す質量分析データ処理方法は、図1を用いて説明した質量分析装置1において、同一の試料について2度の質量分析を行った場合のそれぞれで得られた質量スペクトル信号に基づいて、その試料中に含まれる特定の試料成分を定性分析する方法である。ここで、2度の質量分析とは、上述したとおり、イオン化部102においてソフトイオン化法を実施した場合と、イオン化部102においてハードイオン化法を実施した場合である。以下、図2のフローチャートに沿って、図1および必要図を参照しつつ、第1実施形態における質量分析データ処理方法を説明する。
ステップS100において、入出力制御部10は、オペレーターにより操作部25から処理条件の設定が入力されるとデータ処理を開始する。ここで入力される処理条件は、例えば分析対象となる試料中に含まれる特定の試料成分に固有の保持時間[RT]であって、定性分析の対象となる分析対象成分の保持時間[RT]である。そして入出力制御部10は、図2の左側に示す第1サブ処理(ステップS101a~ステップS104a)と、図2の右側に示す第2サブ処理(ステップS101a~ステップS104a)とを、平行して個別に実施する。以下、第1サブ処理から順に説明する。
ステップS101aにおいて、質量スペクトル取得部13は、入出力制御部10からの指示に基づいて、定性対象成分についての、ソフトイオン化法による質量スペクトルを取得する。この際、質量スペクトル取得部13は、記憶部11に記憶されている質量スペクトル信号のうち、分析対象となる試料のものであって、質量分析の際のイオン化法としてソフトイオン化法を実施した質量スペクトル信号を選択する。そして、選択した質量スペクトル信号の中から、操作部25から入力された保持時間[RT]と関連付けて記憶された質量スペクトル信号を抽出し、抽出した質量スペクトル信号からなる質量スペクトルを第1の質量スペクトルとして取得する。
ステップS102aにおいて、分子イオンピーク検出部15aは、入出力制御部10からの指示に基づいて、ステップS101aで取得した第1の質量スペクトルから、分子イオンピークを検出する。この際、分子イオンピーク検出部15aは、先に説明したように、信号強度が設定した閾値を超え、最も質量電荷比[m/z]が高いピークを分子イオンピークとして検出し、検出したピークの重心を分子イオンピークの質量電荷比[m/z]として保存する。図3に示した例では、質量電荷比[m/z]=285付近の最も高いピークが分子イオンピークとして検出され、検出された最も高いピークの重心([m/z]=287.94912)が算出され、算出された重心が分子イオンの質量電荷比[m/z]として保存される。
ステップS103aにおいて、組成推定処理部17は、入出力制御部10からの指示に基づいて、分子の組成推定処理を行う。この際、組成推定処理部17は、ステップS102aで検出した分子イオンピークの質量電荷比[m/z]となり得る分子の組成式の全てを、上述した通りに推定して推定組成式を得る。ここで得られた推定組成式は、試料中に含まれる分析対象成分の推定組成式となる。
ステップS104aにおいて、画像データ作成部23は、ステップS103aにおいて得た推定組成式の全てを、分析対象成分の組成式候補(1)として示す画像データを作成し、表示部27に表示する。この際、画像データ作成部23は、例えば図4に示すように、分析対象成分の組成式候補(1)の各推定組成式と共に、各推定組成式に対応する分子イオンピークの質量電荷比[m/z]を示す画像データを作成して表示部27に表示する。
一方、ステップS101bにおいて、質量スペクトル取得部13は、入出力制御部10からの指示に基づいて、分析対象成分についての、ハードイオン化法による質量スペクトルを取得する。この際、質量スペクトル取得部13は、記憶部11に記憶されている質量スペクトル信号のうち、分析対象となる試料のものであって、質量分析の際のイオン化法としてハードイオン化法を実施した質量スペクトル信号を選択する。そして、選択した質量スペクトル信号の中から、操作部25から入力された保持時間[RT]と関連付けて記憶された質量スペクトル信号を抽出し、抽出した質量スペクトル信号からなる質量スペクトルを第2のスペクトルとして取得する。
ステップS102bにおいて、ピーク検出部15bは、入出力制御部10からの指示に基づいて、ステップS101bで取得した質量スペクトルから、複数のフラグメントイオンピークを検出する。この際、ピーク検出部15bは、先に説明したように、同位体ピークを排除し、また閾値を設定してフラグメントイオンピークを検出し、検出した各フラグメントイオンピークの重心を各フラグメントイオンピークの質量電荷比[m/z]として保存する。
ステップS103bにおいて、組成推定処理部17は、入出力制御部10からの指示に基づいて、各フラグメントの組成推定処理を行う。この際、組成推定処理部17は、ステップS102bで検出した各フラグメントイオンピークの質量電荷比[m/z]となり得るフラグメントの組成式の全てを、上述した通りに推定して推定組成式を得る。ここで得られた推定組成式は、分析対象成分の分子を開裂させた各フラグメントの推定組成式となる。
ステップS104bにおいて、画像データ作成部23は、ステップS103bにおいて得た推定組成式の全てを組成式候補(2)として示す画像データを作成し、表示部27に表示する。この際、画像データ作成部23は、例えば図6に示すように、分析対象成分を開裂させた各フラグメントの組成式候補(2)の各推定組成式と共に、各推定組成式に対応するフラグメントイオンピークの質量電荷比[m/z]を示す画像データを作成して表示部27に表示する。図6の組成式候補(2)に示すように、一つのフラグメントイオンピークおよびその質量電荷比[m/z]に対応して、1つまたは複数のフラグメントの推定組成式が得られる。
ステップS105において、入出力制御部10は、ステップS104aとステップS104bの両方の処理が実施された場合に、帰属可否判定部19に対して、組成式候補(1)、(2)間の帰属可否判定を実施させる。図7は、第1実施形態においての、組成候補式(1)に対する各組成候補式(2)の帰属可否判定結果の一例を示す図である。この図に示すように、帰属可否判定部19は、ステップS104aで示された分子の組成式候補(1)の全ての推定組成式と、ステップS104bで示された組成式候補(2)の全ての推定組成式とを、全ての組み合わせについて比較する。そして比較した推定組成式の帰属の可否を判定し、その判定結果を数値化して保存する。
ステップS106において、画像データ作成部23は、入出力制御部10の指示に従い、ステップS105において数値化した判定結果の画像データを作成し、表示部27にマトリックス表示させる。この表示の一例として、先の図7が例示される。
ステップS107において、合致度算出部21は、入出力制御部10の指示に従い、ステップS105において数値化した判定結果に基づいて、組成式候補(1)の推定組成式毎にフラグメントイオンピークの合致度を算出する。この際、合致度算出部21は、フラグメントイオンピークの合致度として、フラグメントイオンピークの全数に対し、ステップS105において帰属可と判定された推定組成式を有するフラグメントイオンピークの割合を算出する。
ステップS108において、画像データ作成部23は、入出力制御部10の指示に従い、ステップS107で算出した合致度の順に組成式候補(1)の推定組成式を並べ、合致度を合わせて示す画像データを作成し、表示部27に表示させる。図8は、第1実施形態においての、合致度の算出結果を示す表示画像の一例であり、以上の手順にしたがって作成した合致度の算出結果の図である。以上により質量分析データ処理を終了させる。
以上説明した第1実施形態では、ソフトイオン化法を適用した質量分析によって得られた質量スペクトルと、ハードイオン化法を適用した質量分析によって得られた質量スペクトルとから、分析対象成分の推定組成式毎に分析対象成分のフラグメントとの合致度が算出される。これにより、タンデム質量分析以外の一般的な質量分析であっても、算出した合致度を参照することにより、分析対象成分に関して得られた複数の推定組成式の中から、適切な1つを容易に選択することが可能になる。
<質量分析データ処理装置>
図1に示した第2実施形態の質量分析データ処理装置100’が、第1実施形態の質量分析データ処理装置100と異なるところは、入出力制御部10’の構成であって、その他の構成要素は同様である。したがって以下においては、入出力制御部10’のプログラムによって実行される他の各部における動作のタイミングの制御を、質量分析データ処理方法において説明する。
図9は、第2実施形態の質量分析データ処理装置において実施される質量分析データ処理の手順を示すフローチャートであり、質量分析データ処理装置100’の各部に予め設定されたプログラムにしたがって実施されるデータ処理の手順を示している。この図に示す第2実施形態の質量分析データ処理の手順が、図2に示した第1実施形態の質量分析データ処理の手順と異なるところは、ステップS108の後にステップS109およびステップS110を実施するとろにある。したがってここでは、ステップS100~ステップS108の重複する説明は省略し、ステップS109およびステップS110を中心に詳細な説明を行なう。
ステップS100~ステップS108は、第1実施形態で説明したステップと同様であり、同様に実施される。
ステップS109において、入出力制御部10’は、条件変更を実施するか否かの判断を実施する。この際、入出力制御部10’は、例えば表示部27に対し、データ処理の条件を変更するか否かを選択するための画像を表示させる。そして、オペレーターが操作部25からの入力によって、データ処理の条件を変更することを選択した場合に、条件変更する(YES)と判断してステップS110に進む。一方、オペレーターが操作部25からの入力によって、データ処理の条件を変更することを選択しなかった場合には、条件変更しない(NO)と判断して処理を終了させる。
ステップS110において、入出力制御部10’は、オペレーターにより操作部25から指定成分と処理方法が入力されることにより、指定成分の付加処理または脱離処理を実施する。ここで入力される指定成分は、ステップS104aで表示された図11Aの組成式候補(1)の各推定組成式に対して付加または脱離させる成分であり、オペレーターによって適宜の成分が指定され入力される。またここで入力される処理方法は、ステップS104aで表示された図11Aの組成式候補(1)の各組成式に対し、指定成分を付加処理するか、または脱離処理するかのいずれかであって、オペレーターによって何れかの処理が選択して入力される。
次に、図9のフローチャートを用いて説明した第2実施形態による質量分析データ方法を実施した場合の他の例を説明する。ここでは、先のステップS100~ステップS108の処理では組成式を決定が困難な場合の他の例を示す。
ステップS101~ステップS108は、第1実施形態で説明したステップと同様であり、同様に実施される。
ステップS109において、入出力制御部10’は、先に説明したステップS109と同様に条件変更を実施するか否かの判断を実施する。
る。
ステップS110において、入出力制御部10’は、先に説明したステップS110と同様に、オペレーターにより操作部25から指定成分と処理方法が入力されることにより、指定成分の付加処理または脱離処理を実施する。
以上説明した第2実施形態では、第1実施形態の効果に対して、さらにステップS109およびステップS110を追加した効果を得ることができる。すなわち、オペレーターは、ステップS100~ステップ108の実施によって得られた結果から、ソフトイオン化を適用した分析対象成分の質量分析の際に、分析対象成分に対する成分の脱離または付加の可能性が疑われる場合、この可能性を考慮したデータ処理を追加で実施することが可能になる。これにより、さらに的確に分析対象成分の組成式を得ることが可能になる。
10,10’…出力制御部
15a…分子イオンピーク検出部
15b…ピーク検出部
17…組成推定処理部
19…帰属可否判定部
21…合致度算出部
23…画像データ作成部
25…操作部
27…表示部
Claims (7)
- 試料成分をソフトイオン化法によってイオン化して得られた第1の質量スペクトルと、前記試料成分が開裂して得られた第2の質量スペクトルとから、前記試料成分を定性分析するための質量分析データ処理装置であって、
前記第1の質量スペクトルから1つの分子イオンピークを検出する分子イオンピーク検出部と、
前記第2の質量スペクトルから複数のフラグメントイオンピークを検出するピーク検出部と、
前記分子イオンピークから前記試料成分の推定組成式を取得すると共に、前記各フラグメントイオンピークから前記試料成分を構成するフラグメントの推定組成式を取得する組成推定処理部と、
前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対して、前記各フラグメントの推定組成式が帰属可能であるか否かを判定する帰属可否判定部と、
前記帰属可否判定部の判定結果に基づいて、前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対する前記フラグメントの推定組成式の合致度を算出する合致度算出部と、
前記試料成分の推定組成式と、前記フラグメントの推定組成式と、前記試料成分の推定組成式と前記フラグメントの推定組成式との組み合わせについての前記帰属可否判定部の判定結果と、前記試料成分の推定組成式にそれぞれ対応する前記合致度の値とをマトリックス表示する表示部とを備えた
質量分析データ処理装置。
- 試料成分をソフトイオン化法によってイオン化して得られた第1の質量スペクトルと、前記試料成分が開裂して得られた第2の質量スペクトルとから、前記試料成分を定性分析するための質量分析データ処理装置であって、
前記第1の質量スペクトルから1つの分子イオンピークを検出する分子イオンピーク検出部と、
前記第2の質量スペクトルから複数のフラグメントイオンピークを検出するピーク検出部と、
前記分子イオンピークから前記試料成分の推定組成式を取得すると共に、前記各フラグメントイオンピークから前記試料成分を構成するフラグメントの推定組成式を取得する組成推定処理部と、
前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対して、前記各フラグメントの推定組成式が帰属可能であるか否かを判定する帰属可否判定部と、
前記帰属可否判定部の判定結果に基づいて、前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対する前記フラグメントの推定組成式の合致度を算出する合致度算出部と、
前記試料成分の複数の推定組成式の前記合致度の値が同一である場合に、前記試料成分の推定組成式に対して付加処理または脱離処理させる指定成分と、前記試料成分の推定組成式に対する前記指定成分の処理方法を入力するための操作部と、
前記操作部からの入力に基づいて、前記試料成分の推定組成式に対して前記指定成分を脱離処理させるかまたは付加処理して前記試料成分の新たな推定組成式を作成し、前記帰属可否判定部に対して前記試料成分の新たな推定組成式と前記各フラグメントの推定組成式とを用いた判定を実施させる入出力制御部とを備えた、
質量分析データ処理装置。
- 前記合致度算出部で算出した合致度の順に前記試料成分の推定組成式を並べて前記合致度と共に表示するための画像データを作成する画像データ作成部と、
前記画像データ作成部で作成した画像データにしたがって前記試料成分の推定組成式と前記合致度とを表示する表示部とを備えた
請求項2に記載の質量分析データ処理装置。
- 前記帰属可否判定部は、前記各フラグメントイオンピークから得られる前記フラグメントの推定組成式のうちの少なくとも1つが、前記試料成分の推定組成式に帰属可能であると判定した場合に、前記試料成分の推定組成式に対して前記フラグメントイオンピークが帰属可能と判定する
請求項1~3の何れか1項に記載の質量分析データ処理装置。
- 前記合致度算出部は、前記試料成分の推定組成式のそれぞれについて、前記フラグメントイオンピークの総数に対する、前記帰属可否判定部で帰属可能と判定された前記フラグメントイオンピークの数の割合を前記合致度として算出する
請求項1~4の何れか1項に記載の質量分析データ処理装置。
- 試料成分をソフトイオン化法によってイオン化して得られた第1の質量スペクトルと、前記試料成分が開裂して得られた第2の質量スペクトルとから、前記試料成分を定性分析するための質量分析データ処理方法であって、
前記第1の質量スペクトルから1つの分子イオンピークを検出し、
前記第2の質量スペクトルから複数のフラグメントイオンピークを検出し、
前記分子イオンピークから前記試料成分の推定組成式を取得すると共に、前記各フラグメントイオンピークから前記試料成分を構成するフラグメントの推定組成式を取得し、
前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対して、前記各フラグメントの推定組成式が帰属可能であるか否かを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対する前記フラグメントの推定組成式の合致度を算出し、
前記試料成分の推定組成式と、前記フラグメントの推定組成式と、前記試料成分の推定組成式と前記フラグメントの推定組成式との組み合わせについての前記帰属可能であるか否かの判定の結果と、前記試料成分の推定組成式にそれぞれ対応する前記合致度の値とを表示部にマトリックス表示させる
質量分析データ処理方法。
- 試料成分をソフトイオン化法によってイオン化して得られた第1の質量スペクトルと、前記試料成分が開裂して得られた第2の質量スペクトルとから、前記試料成分を定性分析
するための質量分析データ処理方法であって、
前記第1の質量スペクトルから1つの分子イオンピークを検出し、
前記第2の質量スペクトルから複数のフラグメントイオンピークを検出し、
前記分子イオンピークから前記試料成分の推定組成式を取得すると共に、前記各フラグメントイオンピークから前記試料成分を構成するフラグメントの推定組成式を取得し、
前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対して、前記各フラグメントの推定組成式が帰属可能であるか否かを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記試料成分の推定組成式のそれぞれに対する前記フラグメントの推定組成式の合致度を算出し、
前記試料成分の複数の推定組成式の前記合致度の値が同一である場合に、前記試料成分の推定組成式に対して付加処理または脱離処理させる指定成分と、前記試料成分の推定組成式に対する前記指定成分の処理方法とを指定し、
前記指定に基づいて、前記試料成分の推定組成式に対して前記指定成分を脱離処理させるかまたは付加処理して前記試料成分の新たな推定組成式を作成し、前記試料成分の新たな推定組成式と前記各フラグメントの推定組成式とを用いた判定を実施する
質量分析データ処理方法。
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