(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本願発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下に示す第1の実施形態では、本願発明の商品販売データ処理装置を、小売店等の店舗にて使用されるPOS端末に適用した例について説明する。
(POS端末の全体構成の説明)
図1は、本実施の形態に係るPOS(Point Of Sales)端末10の外観斜視図である。POS端末10は、オペレータ側表示操作部2と、キーボード3と、バーコードリーダー4と、レシートプリンタ5と、客側表示操作部6と、人感センサ7とを備えている。なお、POS端末10は、商品販売データ処理装置の一例である。
ユーザインタフェースであるオペレータ側表示操作部2およびキーボード3は、POS端末10の上面に、キーボード3が手前側、オペレータ側表示操作部2が奥側に配されている。
キーボード3は、置数キー、クリアキー、戻りキー、小計キー、締めキー等の複数のキーを備えている。置数キーは、商品コードや金額等の数値を入力するためのテンキーである。クリアキーは、エラー発生時等に操作を取り消すためのキーである。戻りキーは、現在の操作をキャンセルして直前の画面に戻すためのキーである。小計キーは、商品を登録する商品登録処理を完了して、取引合計額の算出を宣言するためのキーである。締めキーは、入力された内容を確定して決済処理(会計処理)を行う場合に押下するキーである。
オペレータ側表示操作部2は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネル2a等の表示デバイスと、当該表示デバイスの表面に積層されたタッチパネル2bとを備えている。LCDパネル2aは、店員に対して、登録処理および決済処理等の処理状態に応じた画面を表示する。タッチパネル2bは、LCDパネル2aに表示された画面、またはボタン等に対する店員の押下操作を検出して、押下された位置に応じて、POS端末10の動作を制御する。
レシートプリンタ5は、POS端末10の上面左側に配されて、客に手渡す明細票およびレシート(領収証)を印字して、印字されたレシートを発行する。
客側表示操作部6は、例えばLCDパネル6a等の表示デバイスと、当該表示デバイスの表面に積層されたタッチパネル6bとを備えて、客側を向けて設置されている。LCDパネル6aは、客に対して、POS端末10が、登録および決済を行うために必要な情報を特定するため項目を表示する。また、LCDパネル6aは、POS端末10が商品の登録を行う毎に、登録された商品の名称、個数、単価、および登録された商品の合計金額等を表示する。また、タッチパネル6bは、LCDパネル6aに表示された画面、またはボタン等に対する客の押下操作を検出して、押下された位置に応じた情報を出力する。
また、POS端末10には、商品に貼付されたバーコードから、当該バーコードが保持するコードデータを読み取るバーコードリーダー4が接続されている。バーコードリーダー4は、コードデータの受光信号をデコード(復号)して、バーコードが表現しているコードデータ(商品を特定する商品コード)を取得し、POS端末10のCPU20a(図2参照)に出力する。
さらに、POS端末10には、客側表示操作部6が設けられた側に人感センサ7を備える。人感センサ7は、例えば、焦電素子で構成された赤外線を検知するデバイスであり、POS端末10に接近した温体物を、客として検出する。なお、人感センサ7としてカメラを用いて、当該カメラで撮影した画像を画像処理することによって、客がPOS端末10に接近したことを検知してもよい。
(POS端末のハードウェア構成の説明)
次に、図2を用いて、POS端末10のハードウェア構成について説明する。図2は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。図2に示すように、POS端末10は、商品の取引に係る登録処理および決済処理を実行する制御部20を備える。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20aと、ROM(Read Only Memory)20bと、RAM(Random Access Memory)20cと、を備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU20aは、ROM20bや後述するHDD(Hard Disk Drive)22に記憶された各種プログラムを読み出して、RAM20cに展開する。CPU20aは、RAM20cに展開された各種プログラムに従って動作して、POS端末10の全体の制御を司る。
制御部20は、バスラインB1を介して、HDD22と、コントローラ24と接続している。
HDD22は、電源を切っても記憶情報を保持する。なお、HDD22の代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。HDD22は、制御プログラムP1を含むプログラム等を記憶する。制御プログラムP1は、POS端末10が備える機能を発揮させるためのプログラムである。また、HDD22は、PLU(Price Look Up)ファイルF1を記憶する。PLUファイルF1は、商品コードと商品の名称、商品の価格等とを対応付けて記憶したマスタファイルである。なお、PLUファイルF1の内容は日々更新されるため、POS端末10は、LAN I/F(Local Area Network InterFace)8を介して、最新のPLUファイルF1を店舗サーバから定期的に受信する。
コントローラ24は、制御部20と、各種周辺機器、すなわち、前記したオペレータ側表示操作部2(LCDパネル2a、タッチパネル2b)と、キーボード3と、バーコードリーダー4と、レシートプリンタ5と、客側表示操作部6(LCDパネル6a、タッチパネル6b)と、人感センサ7と、LAN I/F8とを接続する。コントローラ24は、制御部20からの指令に基づいて、接続された各種周辺機器を制御する。
(POS端末の機能構成の説明)
次に、図3を用いて、POS端末10の機能構成について説明する。図3は、POS端末10の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
POS端末10は、制御プログラムP1(図2参照)を実行することによって、制御部20の中に、図3に示す各機能部を構成する。すなわち、制御部20は、内部に登録処理部30と、決済処理部32と、オペレータ側表示制御部34と、オペレータ側入力受付部36と、客検知部38と、客側表示制御部40と、項目選択部42と、選択確定部44とを構成する。
登録処理部30は、客が購入する商品の商品情報を登録する登録処理を行う。なお、登録処理部30は、登録手段の一例である。
決済処理部32は、登録処理部30の登録結果に基づいて、登録された商品に対する支払を決済する決済処理を行う。なお、決済処理部32は、決済手段の一例である。
オペレータ側表示制御部34は、オペレータ側表示操作部2(LCDパネル2a)(図1参照)に、登録処理および決済処理に必要な情報を表示する。
オペレータ側入力受付部36は、店員がタッチパネル6b(図1参照)を操作した状態を検知する。
客検知部38は、客が、POS端末10に接近したことを検知する。
客側表示制御部40は、LCDパネル6a(図1参照)に、客に対して、登録処理および決済処理を行うために必要な情報を特定するための項目を表示する。なお、客側表示制御部40は、客面表示手段の一例である。
項目選択部42は、客がタッチパネル6b(図1参照)を操作した状態を検知することによって、登録処理部30および決済処理部32の動作状態に関わらずに、客側表示制御部40がLCDパネル6aに表示した項目の内容を選択する。なお、項目選択部42は、項目選択手段の一例である。
選択確定部44は、LCDパネル6aに表示された項目の内容の選択が全て完了したことを確定する。なお、選択確定部44は、確定手段の一例である。
(客側表示操作部に表示される画面の説明)
次に、図4を用いて、POS端末10の客側表示操作部6に表示される表示画面について説明する。図4は、POS端末10が客側表示操作部6に表示する表示画面50aの一例を示す図である。特に、図4は、客がPOS端末10に接近した際に表示される初期画面である表示画面50aの一例を示す図である。
客がPOS端末10に接近すると、客検知部38は客の接近を検出して、POS端末10の客側表示制御部40は、LCDパネル6a(客側表示操作部6)に、図4に示す表示画面50aを表示する。
表示画面50aは、商品情報選択領域52と、支払方法選択領域56と、顧客属性選択領域59と、選択完了指示領域61と、登録情報表示領域62とを備える。
商品情報選択領域52には、商品を購入する際に店員との会話が必要な商品(例えば、コーヒーやタバコ等)について、購入に必要な情報を選択するための項目が表示される。
具体的には、商品情報選択領域52には、コーヒーの種類を特定するためのコーヒー種類選択項目53と、コーヒーのサイズを特定するためのコーヒーサイズ選択項目54と、タバコの番号を特定するためのタバコ番号選択項目55とが表示される。
そして、コーヒー種類選択項目53には、ブレンドコーヒーを選択するボタン53aと、カフェラテを選択するボタン53bとが表示される。また、コーヒーサイズ選択項目54には、Lサイズを選択するボタン54aと、Mサイズを選択するボタン54bと、Sサイズを選択するボタン54cとが表示される。ここで、客が、ボタン53a、53b、およびボタン54a~54cを押下すると、タッチパネル6b(図1参照)は、当該ボタンが押下されたことを示す信号を発生する。そして、項目選択部42(図3参照)は、タッチパネル6bが出力した信号を検出することによって、当該ボタンが押下されたことを検出する。
また、タバコ番号選択項目55には、タバコの番号を入力する番号入力エリア55aと、1カートンの購入を選択するボタン55bと、購入するタバコの箱数を選択するボタン55c、55dと、選択したタバコの箱数を表示する表示エリア55eとが表示される。表示エリア55eには、初期値として「1」が設定されている。客は、まず、番号入力エリア55aに指先を押し当てて、手書きで番号を入力することによって、購入するタバコの番号を選択する。そして、購入するタバコの箱数を選択する際には、客は、ボタン55cを、必要な回数だけ押下する。このとき、項目選択部42は、タッチパネル6bが出力した信号を検出することによって、ボタン55cが押下された回数をカウントする。そして、カウントした回数だけ、表示エリア55eに表示される数値を増加させる。また、客が、ボタン55dを必要な回数だけ押下すると、項目選択部42は、表示エリア55eに表示される数値を1ずつ減少させる。これによって、客は、購入するタバコの箱数を選択する。
なお、商品情報選択領域52に表示する情報は、図4に示した情報に限定されるものではない。すなわち、商品情報選択領域52には、店舗で取り扱っている商品に応じた情報を表示する。また、商品情報選択領域52は、領域の面積が制限されているため、各選択項目を階層構造にして表示してもよい。すなわち、最初はコーヒー種類選択項目53とそこに関連するボタン53a、53bのみを表示しておき、客がボタン53aまたはボタン53bを選択した後で、コーヒーサイズ選択項目54とそこに関連するボタン54a、54b、54cを表示して、客に再度選択させるようにしてもよい。
支払方法選択領域56には、支払い方法を特定するための支払い方法選択項目57と、釣銭処理の方法を特定するための釣銭処理選択項目58とが表示される。
支払い方法選択項目57には、A社電子マネーでの支払いを選択するボタン57aと、B社電子マネーでの支払いを選択するボタン57bとが表示される。ここで、本実施形態のPOS端末10は、A社電子マネーの使用が推奨された店舗に置かれており、当該店舗においてA社電子マネーを使用して買い物をすると、ポイントが付与される等の特典があるものとする。このように、同じ支払い方法であっても、客にとってメリットがある場合には、客側表示制御部40は、ボタン57aをボタン57bよりも大きく表示して、より一層目立たせる。なお、支払い方法選択項目57として、ボタン57a、57bの他に、現金払いを選択するボタンを設けてもよい。
また、釣銭処理選択項目58には、釣銭のA社電子マネーへのチャージを選択するボタン58aと、釣銭のB社電子マネーへのチャージを選択するボタン58bと、釣銭の寄付を選択するボタン58cとが表示される。そして、前記したように、釣銭のA社電子マネーへのチャージを選択するボタン58aを、他のボタン58b、58cよりも大きく表示してもよい。
なお、客が釣銭の寄付を選択するボタン58cを押下した際には、併せて、寄付する金額を選択させる。すなわち、客は、寄付の金額を示すボタン58d、58e、58f、58gのいずれかを押下する。そして、ボタン58gを押下した際には、表示画面50a内に具体的な寄付の金額を入力するウインドウをポップアップさせて、手書き入力等によって金額を入力させる(図4には不図示)。
顧客属性選択領域59には、客の属性を特定するための年齢認証項目60が表示される。そして、年齢認証項目60には、20歳以上であることを選択するボタン60aと、20歳未満であることを選択するボタン60bとが表示される。
客は、ボタン60aまたはボタン60bを押下することによって、自身の属性を選択する。
選択完了指示領域61には、表示画面50aに表示された項目の選択を全て完了したことを確定するボタン61aが表示される。選択確定部44は、ボタン61aが押下されたことを検出することによって、表示画面50aに表示された項目の選択が全て完了したことを、登録処理部30および決済処理部32に通知する。
登録情報表示領域62には、登録処理部30(図3参照)が登録した商品の商品名、単価、数量、金額が表示される。具体例については後述する(図5参照)。
ここで、図4に示した表示画面50aは一例であって、表示画面50aに表示する情報は、前記したものに限定されない。例えば、支払方法選択領域56の中に、レシートの要否を選択する項目を表示してもよい。また、表示画面50aは面積が限られているため、例えば、登録情報表示領域62を表示するかを選択する項目を表示してもよい。
また、LCDパネル6a(客側表示操作部6)は面積が限られているため、前記した全ての情報を表示した際の視認性を高く保つために、客面に向けた別の表示器(不図示)をLCDパネル6aと並設してもよい。そして、並設した表示器に、例えば、登録情報表示領域62に表示する情報を表示してもよい。
(客側表示操作部を操作した際の画面の説明)
次に、図5を用いて、POS端末10の客側表示操作部6に表示される画面について説明する。図5は、図4に示す表示画面50aにおいて、項目選択がなされた場合の表示画面50bの一例を示す図である。
表示画面50bは、客が、コーヒーとタバコの購入を希望して、該当する全ての項目を選択した状態を示す画面である。そして、登録情報表示領域62には、その時点で登録済の商品の商品名、単価、数量、金額、および購入点数とその時点での合計金額が表示されている。
客は、コーヒーの購入を希望して、コーヒー種類選択項目53の中から、ブレンドコーヒーを選択するボタン53aを押下する。更に、客は、コーヒーサイズ選択項目54の中から、Mサイズを選択するボタン54bを押下する。項目選択部42(図3参照)は、ボタン53aとボタン54bとが押下されたことを検出して、客側表示制御部40に対して、図5に示すように、これらのボタン53a、54bの表示色を変更させる。
また、客は、タバコの購入を希望して、タバコ番号選択項目55の番号入力エリア55aに、購入したいタバコ番号である「23」を入力する。更に、客は、ボタン55c、55dを、それぞれ必要回数だけ押下して、タバコを2箱購入したいことを選択する。選択結果は、表示エリア55eに表示される。さらに、客は、タバコを購入するために必要な年齢認証を行う。具体的には、客は、年齢認証項目60の中から、20歳以上であることを選択するボタン60aを押下して、20歳以上であることを宣言する。項目選択部42は、ボタン60aが押下されたことを検出して、客側表示制御部40に対して、ボタン60aの表示色を変更する。
なお、客は、これらの項目選択を、POS端末10の登録処理部30(図3参照)が商品登録を行っている最中であっても、客自身の好きなタイミングで行うことができる。
また、図5には図示しないが、この後、客は、支払い方法選択項目57、および釣銭処理選択項目58についても、必要に応じて項目選択を行う。そして、表示画面50bにおいて全ての項目選択が完了した後、客は、選択完了指示領域61のボタン61aを押下する。すると、選択確定部44(図3参照)は、ボタン61aが押下されたことを検出して、表示画面50bに表示された項目の選択が全て完了したことを、登録処理部30および決済処理部32に通知する。この後、登録処理部30は、客が選択したコーヒーとタバコを、購入商品として登録する。登録結果は、表示画面50bの登録情報表示領域62に反映される。なお、選択確定部44が、ボタン61aの押下を検出する前であれば、それまでの項目選択内容を変更することが可能である。したがって、選択を間違えた場合等は、ボタン61aを押下する前であれば、何度でも訂正可能である。
(POS端末が行う処理の流れの説明)
次に、図6を用いて、POS端末10が行う処理の流れについて説明する。図6は、POS端末10が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
客検知部38は、人感センサ7の出力に基づいて、POS端末10への接近者がいるかを判定する(ステップS10)。接近者がいると判定される(ステップS10:Yes)とステップS20に移行する。一方、接近者がいると判定されない(ステップS10:No)と、ステップS10の判定を繰り返す。
ステップS10においてYesと判定されると、制御部20は、POS端末10が待機中であるかを判定する(ステップS20)。POS端末10が待機中であると判定される(ステップS20:Yes)とステップS30に移行する。一方、POS端末10が待機中であると判定されない(ステップS20:No)と、ステップS50に移行する。
ステップS20においてYesと判定されると、客側表示制御部40は、客側表示操作部6に表示画面50a(図4参照)を表示して、客の項目選択を受け付ける(ステップS30)。なお、ステップS30で行う具体的な処理の流れについては後述する(図7参照)。
登録処理部30は、客が購入する商品の商品情報を登録する登録処理を行う(ステップS50)。なお、図6のフローチャートでは、ステップS30の実行後にステップS50を実行するものと記載しているが、実際には、ステップS30の処理とステップS50の処理とは並行して実行される。
登録処理が終了すると、決済処理部32は、登録処理部30の登録結果に基づいて、登録された商品に対する支払を決済する決済処理を行う(ステップS60)。
決済処理が完了すると、決済処理部32は、レシートプリンタ5にレシートを印字して発行させる(ステップS70)。その後、POS端末10は、一連の処理を終了する。
(客面表示の実施および項目選択の受付を行う処理の流れの説明)
次に、前記したステップS30で行う具体的な処理の流れについて、図7を用いて説明する。図7は、POS端末10が、客側表示操作部6に表示画面を表示して項目選択を受け付ける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
客側表示制御部40は、客面表示を開始する。また、項目選択部42は、項目選択の受付を開始する(ステップS32)。
客側表示制御部40は、客側表示操作部6(LCDパネル6a)に、初期画面として表示画面50a(図4参照)を表示する(ステップS34)。
項目選択部42は、項目選択があるかを判定する(ステップS36)。項目選択があると判定される(ステップS36:Yes)と、ステップS38に移行する。一方、項目選択があると判定されない(ステップS36:No)と、ステップS44に移行する。なお、ステップS36において、所定時間に亘って項目選択がなされない場合は、ステップS36の判定結果はNoになるものとする。所定時間は予め決めておけばよい。
ステップS36においてYesと判定されると、ステップS38において、客側表示制御部40は、項目の選択結果を客面表示に反映させる(図5参照)。
選択確定部44は、選択が完了したかを判定する(ステップS40)。具体的には、選択確定部44が、ボタン61aの押下を検出したことを条件として、選択が完了したと判定する。そして、選択が完了したと判定される(ステップS40:Yes)と、ステップS42に移行する。一方、選択が完了したと判定されない(ステップS40:No)と、ステップS36に戻る。なお、ステップS40において、所定時間に亘ってボタン61aが押下されない場合は、ステップS40の判定結果はNoになるものとする。所定時間は予め決めておけばよい。
ステップS40においてYesと判定されると、ステップS42において、選択確定部44は、選択された項目の内容を、登録処理部30および決済処理部32に反映させる。
続いて、客側表示制御部40、項目選択部42、および選択確定部44は、図7の処理を終了してメインルーチン(図6)に戻る(ステップS44)。
(第2の実施形態)
次に、添付図面を参照して、本願発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に示す第2の実施形態では、本願発明の商品販売データ処理装置を、小売店等の店舗にて使用されるPOS端末に適用した例について説明する。
第2の実施形態のPOS端末10a(図8参照)は、第1の実施形態で説明したPOS端末10と同じハードウェア構成を備える。したがって、POS端末10aのハードウェア構成要素は、POS端末10と同じ符号を用いて説明する。但し、第1の実施形態と区別するために、第2のPOS端末10aは、POS端末10が備える制御部20(図2参照)に代わって、制御部21(図8参照)を備えるものとする。
(POS端末の機能構成の説明)
図8を用いて、POS端末10aの機能構成について説明する。図8は、第2の実施形態に係るPOS端末10aの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
POS端末10aは、制御部21の中に、図8に示す各機能部を構成する。具体的には、POS端末10が備える各機能部(図3参照)と、表示項目決定部39である。表示項目決定部39は、登録処理部30の動作状態および決済処理部32の動作状態に応じて、客側表示操作部6(LCDパネル6a)に表示する項目を決定する。なお、表示項目決定部39は、項目決定手段の一例である。
(客側表示操作部に表示される画面の説明)
次に、図9から図11を用いて、POS端末10aの客側表示操作部6に表示される表示画面について説明する。図9は、第2の実施形態に係るPOS端末10aが、客側表示操作部6に表示する初期画面の一例を示す図である。図10は、客がタバコの購入を宣言した際に、第2の実施形態に係るPOS端末10aが、客側表示操作部6に表示する画面の一例を示す図である。図11は、客の支払いに対して釣銭が発生した際に、第2の実施形態に係るPOS端末10aが、客側表示操作部6に表示する画面の一例を示す図である。
客がPOS端末10aに接近すると、客検知部38は客の接近を検出して、POS端末10aの客側表示制御部40は、LCDパネル6a(客側表示操作部6)に、図9に示す表示画面50cを表示する。
図9に示すように、初期画面である表示画面50cは、画面の略右半分に登録情報表示領域62を備える。そして、画面の略左半分の領域は空欄になっている。
ここで、客がタバコを購入する場合を想定する。このとき、客は店員に声をかけて、タバコを購入したい旨を伝える。店員は、客の要望を聞いて、キーボード3またはオペレータ側表示操作部2から、「タバコ」を示す情報を入力する。具体的には、店員は、キーボード3に割り当てられた、「タバコ」を示すキーを押下してもよいし、LCDパネル2aに表示された、「タバコ」を示すボタンを押下してもよい。
表示項目決定部39は、店員が、「タバコ」を示すキーまたはボタンを押下したことを検知して、タバコを購入する際に必要な選択項目を決定する。
そして、客側表示制御部40は、LCDパネル6aに、表示項目決定部39が決定したタバコの購入に必要な選択項目を表示する。具体的には、図10に示す表示画面50dを表示する。
表示画面50dは、内部に、商品情報選択領域52と、顧客属性選択領域59と、選択完了指示領域61と、登録情報表示領域62とを備える。
商品情報選択領域52には、タバコの購入に必要な情報を選択するための項目が表示される。具体的に表示される項目は、第1の実施形態で説明したタバコ番号選択項目55(図4参照)と同様である。すなわち、タバコ番号選択項目55として、番号入力エリア55aと、ボタン55b、55c、55dと、表示エリア55eとが表示される。これらの表示形態は、第1の実施形態で説明した表示形態と同様である。なお、表示画面50dにあっては、商品情報選択領域52の内部に、タバコ番号選択項目55のみを表示するため、番号入力エリア55aと、ボタン55b、55c、55dと、表示エリア55eとは、第1の実施形態で説明した表示画面50aに比べて大きく表示することができる。したがって、客にとってより一層わかり易い表示とすることができる。
顧客属性選択領域59には、客の属性を特定するための年齢認証項目60が表示される。そして、年齢認証項目60には、20歳以上であることを選択するボタン60aと、20歳未満であることを選択するボタン60bとが表示される。
また、選択完了指示領域61には、表示画面50dに表示された項目の選択を全て完了したことを確定するボタン61aが表示される。
客は、タバコ番号選択項目55に表示された全ての選択項目の選択を行った後で、ボタン61aを押下して、全ての項目の選択が完了したことを、POS端末10aに通知する。そして、登録処理部30は、選択された項目の内容に基づいて、客が購入するタバコの登録を行う。
商品の登録が全て完了すると、POS端末10aの表示項目決定部39は、決済を行うために必要な選択項目を決定する。
そして、客側表示制御部40は、LCDパネル6aに、表示項目決定部39が決定した決済を行うために必要な選択項目を表示する。具体的には、図11に示す表示画面50eを表示する。
表示画面50eは、内部に、支払方法選択領域56と、選択完了指示領域61と、登録情報表示領域62とを備える。
支払方法選択領域56には、支払い方法を特定するための支払い方法選択項目57と、釣銭処理の方法を特定するための釣銭処理選択項目58とが表示される。支払い方法選択項目57と釣銭処理選択項目58とに表示される各種ボタンの内容は、第1の実施形態で説明した通りである。なお、表示画面50eにあっては、支払方法選択領域56の内部に、支払い方法選択項目57と釣銭処理選択項目58のみを表示するため、ボタン57a、57bと、ボタン58a、58b、58c、58d、58e、58f、58gとは、第1の実施形態で説明した表示画面50aに比べて大きく表示することができる。したがって、客にとってより一層わかり易い表示とすることができる。
客は、支払い方法選択項目57と釣銭処理選択項目58とに表示された全ての選択項目の選択を行った後で、ボタン61aを押下して、全ての項目の選択が完了したことを、POS端末10aに通知する。そして、決済処理部32は、選択された項目の内容に基づいて、決済処理を行う。
(POS端末が行う処理の流れの説明)
次に、図12を用いて、POS端末10aが行う処理の流れについて説明する。図12は、POS端末10aが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12のフローチャートは、第1の実施形態においてPOS端末10が行う処理の流れを示したフローチャート(図6参照)とほぼ同じである。異なるのは、ステップS130において、POS端末10aが商品登録を行う都度、表示項目決定部39が決定した内容に基づいて、客側表示制御部40が、客側表示操作部6に表示画面50d、50eを表示して、客の項目選択を受け付ける点である。
(客面表示の実施および項目選択の受付を行う処理の流れの説明)
次に、図13を用いて、ステップS100およびS130で行う具体的な処理の流れについて説明する。図13は、第2の実施形態に係るPOS端末10aが、客側表示操作部6に表示画面を表示して項目選択を受け付ける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13のフローチャートは、第1の実施形態においてPOS端末10が行う処理の流れを示したフローチャート(図7参照)とほぼ同じである。異なるのは、ステップS106において、表示項目決定部39が、客面、すなわち、客側表示操作部6(LCDパネル6a)に表示する表示項目を決定する点と、ステップS108において、客側表示制御部40が、ステップS106で決定した表示項目を客側表示操作部6に表示する点である。そして、ステップS110からステップS118の内容は、第1の実施形態で説明した、ステップS36からステップS44の内容(図7参照)と同じである。
以上説明したように、第1の実施形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、客側表示制御部40(客面表示手段)が、客に対して、購入する商品の登録および決済を行うために必要な情報を特定するための項目を表示する。そして、項目選択部42(項目選択手段)が、登録処理部30(登録手段)および決済処理部32(決済手段)の動作状態に関わらずに、客に対して、客側表示制御部40が表示した項目の内容を選択させる。そして、登録処理部30および決済処理部32は、項目選択部42によって選択された結果を用いて、商品の登録および決済を行う。したがって、客は、POS端末10が登録処理を行っている最中であっても、客自身のタイミングで、登録処理および決済処理に必要な情報を特定することができる。
また、第1の実施形態のPOS端末10は、客側表示制御部40が、客に対して、登録および決済を行うために必要な情報を特定するための項目として、少なくとも、商品情報選択領域52に購入する商品に係る選択肢を表示して、支払方法選択領域56に支払方法に係る選択肢を表示して、顧客属性選択領域59に客の属性に係る選択肢を表示する。したがって、客は、選択が必要な項目の内容を容易に認識することができる。
また、第1の実施形態のPOS端末10によれば、客側表示制御部40は、登録処理部30が商品の登録を開始する際に、客に対して、登録および決済を行うために必要な情報を特定するための項目を全て表示する。したがって、客は、登録処理および決済処理に必要な全ての情報を一望することができるため、項目の選択を容易に行うことができる。
また、第1の実施形態のPOS端末10によれば、POS端末10は、登録および決済を行うために必要な情報を特定するための項目の選択が全て完了したことを確定する選択確定部44(確定手段)を、更に備える。したがって、全ての項目の選択が終了したことを、POS端末10に対して容易に通知することができる。
また、第2の実施形態のPOS端末10aによれば、POS端末10は、登録処理部30の動作状態および決済処理部32の動作状態に応じて、登録および決済を行うために必要な情報を特定するための項目を決定する項目選択部42(項目決定手段)を、更に備えて、客側表示制御部40は、項目選択部42が決定した項目を、客に対して表示する。したがって、客が購入する商品に沿った選択項目を、客面にわかりやすく表示することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、制御部20が実行する制御プログラムP1は、HDD22に格納された状態で提供してもよいし、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御プログラムP1は、ネットワークに接続したコンピュータ上に格納して、ネットワーク経由でダウンロードすることによって提供してもよい。さらに、制御プログラムP1は、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布してもよい。