JP6993637B2 - フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ - Google Patents
フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6993637B2 JP6993637B2 JP2017135788A JP2017135788A JP6993637B2 JP 6993637 B2 JP6993637 B2 JP 6993637B2 JP 2017135788 A JP2017135788 A JP 2017135788A JP 2017135788 A JP2017135788 A JP 2017135788A JP 6993637 B2 JP6993637 B2 JP 6993637B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sugar chain
- double
- endo
- fucose
- acetylglucosaminidase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
[1] α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[2] 以下の(a)又は(b)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ:
(a) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(b) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[3] 以下の(c)又は(d)のCordyceps属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ:
(c) 配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(d) 配列番号12で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[4] 以下の(e)又は(f)のBeauveria属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ:
(e) 配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(f) 配列番号14で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[5] 以下の(a)又は(b)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(a) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(b) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[6] 以下の(c)又は(d)のCordyceps属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(c) 配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(d) 配列番号12で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[7] 以下の(e)又は(f)のBeauveria属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(e) 配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(f) 配列番号14で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。
[8] 以下の(g)又は(h)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(g) 配列番号1、3、5又は7で表される塩基配列を含むDNA
(h) 配列番号1、3、5又は7で表される塩基配列を含むDNAと90%以上の配列同一性を有し、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するタンパク質をコードするDNA。
[9] 以下の(i)又は(j)のCordyceps属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(i) 配列番号11又は15で表される塩基配列を含むDNA
(j) 配列番号11又は15で表される塩基配列を含むDNAと90%以上の配列同一性を有し、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するタンパク質をコードするDNA。
[10] 以下の(k)又は(l)のBeauveria属糸状菌由来の[1]のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(k) 配列番号13又は16で表される塩基配列を含むDNA
(l) 配列番号13又は16で表される塩基配列を含むDNAと90%以上の配列同一性を有し、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するタンパク質をコードするDNA。
[11] [1]~[4]のいずれかのエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを糖タンパク質と接触させることにより、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
[12] 糖タンパク質が抗体である、[11]のフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
[13] 糖タンパク質がCHO細胞を用いて産生されたリコンビナントタンパク質である、[11]のフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
1.α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合しているフコース含有2本鎖(2分岐)複合型糖鎖に特異的に作用し、該複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
本発明は、糖タンパク質のN-結合型糖鎖の還元末端側に存在するN,N’-ジアセチルキトビオースの2つのGlcNAcの間(GlcNAc-GlcNAc)を加水分解し、糖鎖をエンド型に遊離する酵素エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼであり、さらに、α1,6-結合で還元末端の(根本の)GlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコース(コアフコース)が結合している2本鎖複合型糖鎖(N-グリコシド結合複合型糖鎖)に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼである。複合型糖鎖であっても還元末端(根本)部分にフコースが結合していない複合型糖鎖は切断しない。ここで、還元末端のGlcNAc残基にα1,6結合でフコースが付加している糖鎖を糖鎖の分枝の数により、「Fucosyl-biantennary」(2本鎖)、「Fucosyl-triantennary」(3本鎖)、「Fucosyl-tetraantennary」(4本鎖)のように表す。N-結合型糖鎖は、タンパク質のアミノ酸配列のAsn-任意のアミノ酸-Ser/Thrで表される糖鎖結合配列のアスパラギン残基に結合する。
本発明のα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、スフィンゴバクテリウム属微生物(Sphingobacterium sp.)、Cordyceps属糸状菌、又はBeauveria属糸状菌を培養し、製造することができ、これらの微生物の培養液等の培養物からアミノ酸配列を指標に単離することができる。また、本発明のα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、該酵素をコードするDNAを宿主微生物に導入し、該微生物を培養することにより組換え酵素として製造することができる。例えば、適当なベクターに本発明のDNAを連結(挿入)することにより発現ベクターを作製し、該発現ベクターを宿主微生物に導入し宿主微生物を形質転換すればよい。
本発明のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない。本発明のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを用いることにより、フコースの付加した糖鎖を切断することができ、その後均一な糖鎖を結合させることにより、均一な糖鎖を有する糖タンパク質を作製することができる。
1-1使用株及びベクター
本研究ではサブクローニングに用いる形質転換の宿主として大腸菌Escherichia coli XL1-Blueを使用し、異種タンパク質発現に用いる宿主としてE. coli BL21(DE3) 、を用いた。また本研究で使用したSphingobacterium sp. は土壌より単離したものを用いた。
Sphingobacterium sp.の遺伝子にはpET32b(+)及びpET50b(+)を使用した。
大腸菌及びSphingobacterium sp. の培養にはLB培地(1.0% Tryptone, 1.0% NaCl, 0.5% Yeast extract, pH7.0)、SOC培地 (2.0% peptone, 0.05% NaCl, 0.5% Yeast extract, 0.49% MgSO4, 0.36% Glucose, pH7.0) 、MMI培地(Tryptone 12.5 g/l, Yeast extract 25 g/l, NaCl 8.5 g/l, 2 M Tris-HCl(pH 7.0) 10 ml/l, Glycerol 4 ml/l)を用いた。
大腸菌は37℃で培養し、試験管で培養する際は約170 rpmで培養した。Sphingobacterium sp.は30℃で培養し、試験管で培養する際は200 rpmで培養した。担子菌類は20℃で培養し、フラスコで培養する際は100 rpmで培養した。
1-4-1 大腸菌プラスミドの調製
大腸菌プラスミドの調製にはSigma-Aldrich社製 GenElute(商標) HP Plasmid Miniprep Kitを用いた。方法はメーカーのプロトコルに従った。
Sphingobacterium sp. 菌体からのDNAの調製はゲノム抽出キットであるTaKaRa NucleoSpin(登録商標)Tissueを用いた。操作手順はそのプロトコルに従った。
1-5-1 アガロースゲル電気泳動
泳動装置はATTO社製のCROSSPOWER3500及びCONSTAPOWER3300を用いた。泳動用TAE Buffer (40mM Tris-acetate、1mM EDTA)に1%になるようにアガロースを加え0.5 mg/mLとなるようにエチジウムブロマイドを添加した。6×サンプルバッファー(0.25% Bromophenol blue、30% Glycerol)を試料に加え100 Vで電気泳動を行った。トランスイルミネーターを用いてDNAバンドを検出し、必要な場合はFUJIFILM社製LAS-4000 mini/PCシステムを用いて撮影した。撮影の手順などについては製品のプロトコルに従った。
SDS-PAGEはトリス-グリシンの不連続バッファー系を用いる方法に従った。分離ゲルには目的の検出タンパク質のサイズに応じて8~16%ゲル及びATTO社製e-PAGEL 15%、5~20%ゲルを使用した。
GL science社製MonoFas(登録商標)DNA精製キットIを用いて行った。方法はメーカーのプロトコルに従った。
PCR装置は、タカラバイオ社製PCR Thermal Cycler PERSONAL及びBiometra社製T- Gradient Thermal Cyclerを用いた。
末端に15塩基程度の相同配列を持った2つのDNA断片はIn-Fusion反応によって相同組換えを起こし、連結することができる。本実験ではClontech社製のIn-Fusion HD Enzymeキットを使用した。操作手法はそのプロトコルに従った。
大腸菌コンピテント細胞の作製と形質転換は、Inoue法(Inoue H et al., Gene 96(1990)23-28)に従った。
塩基配列の決定は、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kitを用いて行った。サンプルの調製方法は、BigDye Terminator Cycle Sequencingのプロトコルに従った。
調製したサンプルは九州大学大学院医学研究院 教育研究支援センターに配列解析を依頼した。
タンパク質の定量はPIERCE社のBCA Protein Assay Reagent Kitを用いた。方法はキットのプロトコルに従った。
発現タンパク質はHisタグを融合させているためNiとの相互作用を利用した精製方法をとった。使用したのはGE Healthcare社製のHisTrap(商標)FF 1 ml であり実験手順はそのプロトコルに従った。使用したbufferは100 mM Tris-HCl (pH 7.5)であった。
ENGase発現ベクターを大腸菌BL-21 DE3 Codon+に形質転換した。得られた形質転換体をMMI+Amp(30μg/ml)+Cm(30μg/ml)培地5 mlに接種、37℃で12時間培養した。pET-23bベクターを用いて発現させる場合、250 mlのLB+Amp、Cm培地にOD600=0.01となるように培養液を接種、30℃、200 rpmで12時間培養した。pET-32b, pET-50bベクターを用いて発現させる場合、250 mlのLB+Amp(pET-32b)or Kan(30μg/ml)(pET-50b)、Cm培地にOD600=0.03となるように培養液を接種、30℃、200 rpmで約4時間 OD600=0.5となるまで培養した。その培養液に終濃度0.1 mMとなるようにIPTGを添加した後、15℃、160 rpmでタンパク質発現量に応じて12~72h培養した。培養液を7000×gで7分間遠心分離して集菌、上清を捨てて、菌体を破砕バッファー5 ml加えて懸濁した。懸濁液を15 ml容チューブに菌液2 mlを入れ、氷上で超音波破砕した。(UD-201 TOMY社)(破砕条件OUT PUT 5、DUTY 70(10 sec氷上破砕10 sec氷上静置)2サイクル)破砕した溶液を15400×gで10分間遠心分離、上清を回収した。上清をフィルターに通してHis-Tag精製を行った。
pET50bベクターで発現させたタンパク質にはNusタグが融合されるがこのタグはHRV3C認識サイトを融合点前に保有しておりHRV3C proteaseによって切断が可能であった。HRV3C ProteaseはNovagen社製を使用し、操作手順は製品のプロトコルに従った。
1-15-1 ENGaseの薄層クロマトグラフィー(TLC)による活性測定
ダンシルクロライド(Dns)で蛍光標識したDns-Asn-Glycochain 0.1μg/μl、20 mMバッファー(酵素によってpH6.0 or pH7.5を使用)、3 ng/μl Enzyme、Total 10μlとなるように混合して、37℃で1時間又は12時間インキュベートした。この反応液を縦10 cmの長さのTLC用シリカプレートに下から1 cmのラインに2.5μlアプライした。これを1-ブタノール:酢酸:水=3:1:1の展開溶媒で展開した。9割方展開溶媒が上がってきたところで、シリカゲルプレートを取り出してドライヤーで乾かし、FUJIFILM社製LAS-4000 mini/PCシステムを用いて基質及び、加水分解物であるDns-Asn-GlcNAcを検出した。基質としてオボアルブミン由来の高マンノース型、2本鎖複合型、3本鎖複合型、4本鎖複合型糖を用いた。
基質特異性の決定
増田化学社製又はタカラバイオ社製のピリジルアミノ(PA)で蛍光標識された各種PA化糖鎖 2 pmol、20 mMリン酸バッファー(pH=6.0)、3 ng/μl Enzymeを計10μlとなるように混合し、37℃で10分間反応させ、10%トリクロロ酢酸(TCA)を2μl加えて反応を停止した。PA化糖鎖には、高マンノース型糖鎖としてMan3、5、6、8、9型の5種類、複合型糖鎖は二本鎖シアロ型、二本鎖アシアロ型、二本鎖アガラクト型、三本鎖アシアロ型、四本鎖アシアロ型、バイセクティング型の6種類の計11種類の構造の糖鎖と反応させ、その反応速度の比を求めた。この反応液をGLサイエンス社製のHPLC装置を用いて分析を行った。カラムはWako社製のWakosil 5C18を使った。展開溶媒は50 mM酢酸アンモニウムバッファー(pH=4.0)、0.15%ブタノールを用い、流速は1.5 ml/min、カラム温度は40℃、蛍光はexcitation 320 nm、emission 400 nmで分析し、加水分解物であるPA-GlcNAcのピーク面積からそれぞれの基質に対するENGaseの反応速度を比較した。
市販の糖タンパク質10μg、100mM Tris-HCl (pH=7.5)、1μg Enzymeを計10μlとなるように混合し、37℃で12 h反応させ、サンプル化とともに反応を停止させた。サンプル化したタンパク質はSDS-PAGEで分離し、ATTO社製EzStainAQua(登録商標)を用いて染色した。操作手順はプロトコルに従った。基質となる糖タンパク質として高マンノース型糖鎖を持つRNase B(シグマ社製)、2本鎖複合型糖鎖を持つ抗体であるリツキシマブ(Rituximab)(リツキサン(登録商標)(全薬工業社製))を用いた。
Waters社が販売している糖鎖構造解析キット「Glycoworks Rapi-Fluor」をLC-MS/MSにより使用してリツキシマブの糖鎖構造の解析をおこなった。LC-MS/MSの分析条件は以下のとおりであった(A液の25~100%勾配)。
装置;Waters Vion IMS
カラム;Waters ACCUITY UPLC Glycan BEH Amide 130A 1.7um
2.1e150mm(1.7um)
カラム温度;80℃
流速;0.4ml/min
A液;50mm ギ酸(pH4.4)
B液;アセトニトリル
ORF1188及びCordyceps属由来ENGaseによりリツキシマブの切断を行い、LC-MS/MSを用いて、酵素処理前後のリツキシマブの糖鎖を確認し、糖鎖が切断された後に、GluNac-Fucoseのみを持つリツキシマブになるかどうかの評価をおこなった。
リツキシマブ;20μg
ORF1188;10μg
反応バッファー;酢酸バッファーpH3.5
反応温度;30℃
反応時間:18時間
また、Cordyceps属由来ENGaseを用いた場合の酵素反応条件は以下のとおりであった。
リツキシマブ;100μg
ORF1188;1μg
反応バッファー;酢酸バッファーpH3.5
反応温度;37℃
反応時間:48時間
Sphingobacterium sp.由来のENGaseの探索
Sphingobacterium sp.は、桜の木の根元の土壌中(北緯33.445678, 東経130.665851)より単離した3本鎖、4本鎖複合型糖鎖に作用することができる酵素を生産するバクテリアである。本実施例ではSphingobacterium sp.のゲノム中の遺伝子の中から3本鎖、4本鎖複合型糖鎖に作用するENGase遺伝子の同定を行った。
単離した菌はLB培地で培養可能であったため、5 mlのLB培地で培養し、集菌したものからTaKaRa NucleoSpin(登録商標)Tissueを用いてゲノム抽出を行った。収量は6.3μgであった。
抽出したSphingobacterium sp.の全ゲノム配列を解析した。その結果、抽出したゲノムはContigが14であり、ORFは5770存在することが分かった。さらにそれらのORFをBLASTで検索することでグリコシダーゼ関連遺伝子が196存在することも分かった。ENGaseはGH18、85 familyに属していることから、この2つのGH Familyに属する遺伝子を絞り込んだ。GH85に属するグリコシダーゼは一つも存在せず、GH18に属するグリコシダーゼは5つ存在することがわかり、これら5つの遺伝子ORF1152, 1188, 2117, 3046, 3750をENGase候補遺伝子として解析を行った(図1及び図2)。
ENGase候補遺伝子である5つのORFを大腸菌で発現させるためにpET-32bを用いてクローニングを行った。完成したプラスミドはシーケンシングによりその配列が正しいことを証明した。なお今回用いたpET-32 bはTrx-Tag、S-Tag領域を削除し、C末端にHis-Tagが結合しただけのタンパク質が発現するように設計している。pET-23bを用いてSphingobacterium sp.のORFを大腸菌で発現させようとした場合、発現タンパク質が大腸菌の生育を妨げタンパク質をほとんど得られなかったため、今回はIPTG誘導をかけられるpET-32bを使った。
それぞれのプラスミドはE. coli BL21 codon+へ形質転換した。形質転換体は250ml LB+Amp, Cm培地で培養した。発現と精製手順は実験手法(1-13)に記載した。精製されたタンパク質はSDS-PAGEで分析し、BCAキットで濃度を測定した。今回の実験でORF2117に関しては、分子量が非常に大きいこと、膜貫通領域を持つことから大腸菌で発現させることができなかった。また、ORF1152, ORF1188はシグナルペプチドを持ち、全長発現させると不溶化してしまったため、シグナルペプチド部分を取り除いた配列を発現させた。
スフィンゴバクテリウムゲノムに存在するENGaseの基質特異性を調べるために、市販のPA化糖鎖を基質として反応を行った。その結果、4つの酵素ともにα1,6-結合で根本部分にフコースが結合している糖鎖に特異的に作用することがわかった(図4)。すなわち、図4に示すように、fucosyl sialobiantennary、fucosyl asialobiantennary、及びfucosyl agalactobiantennaryに、この順番で強く作用し、糖鎖を切断した。一方、フコースが付加されていないsialobiantenary、asialobiantenary、高マンノース糖鎖はほとんど切断しなかった。4つの酵素のアミノ酸配列の相同性はそれほど高くないにもかかわらず、基質特異性が極めて類似していることは非常に興味深い。また、これまでMan6GlcNAc2Asnなどの高マンノース型糖鎖を切断しないENGaseの報告は全くない。一方、スフィンゴバクテリウム属細菌の4つの酵素はいずれも、高マンノース型糖鎖を全く、もしくはほとんど切断できないことがわかった(図4)。さらに2本鎖複合型糖鎖の場合にも、フコースが付加している糖鎖の方が、分解速度が高いことが明らかになった。このような酵素もこれまで全く報告がなく、本実施例において取得したスフィンゴバクテリウム属細菌のENGaseは従来の酵素とは基質特異性が大きく異なっていることがわかった。
これまでの実験では、PA化糖鎖を基質としていた。そこで実際に本酵素が糖タンパク質糖鎖にも作用して、遊離することが可能かについて検討を行った。糖タンパク質の基質としては、フコースを含む複合型糖鎖を持つIgG抗体であるリツキシマブと、高マンノース型糖鎖を持つブタ膵臓リボヌクレアーゼBを用いた。まずリツキシマブと各精製酵素を30℃にて反応後、SDS-PAGEで分子量の変化を調べた。コントロールとしてリツキシマブ糖鎖をほとんど切断しないEndo-CCと良く切断するEndo-Sについて調べた。その結果、やはりEndo-Sは糖鎖を良く遊離することがわかった(図5)。スフィンゴバクテリウムのENGaseについて調べたところ、ORF1188と1152についてはEndo-Sと同等の脱糖鎖活性を示した。しかしORF3046と3750については、その活性は比較的低いものであった。特にORF3750の酵素については、PA化糖鎖の場合は他の酵素と類似した基質特異性を示したが、リツキシマブの糖鎖をほとんど遊離することができなかった(図5A)。
スフィンゴバクテリウム属の4つのENGaseはこれまで報告されたENGaseとは全く基質特異性が異なっていることがわかった。特にORF1152と1188はIgGの脱糖鎖に有用であると考えられた。そこでこれらの酵素と相同性の高い遺伝子が存在するかをデータベースにて解析を行った。その結果、ORF1152と相同性の高い遺伝子が、冬虫夏草であるCordyceps属糸状菌に、また昆虫感染菌であるBeauveria属糸状菌にも存在することがわかった(冬虫夏草データ(図6)、Beauveria bassiana ARSEF 2860(株名)及びCordyceps militaris CM01(株名)。そこで、これら2つの遺伝子についてDNAの合成を行い、大腸菌ベクターに組み込んで発現・精製を行った。その結果、両酵素ともに単一タンパク質にまで精製することができた(図7-1)。さらに両酵素の至適pHを調べたところ、両酵素ともにpH2.5の酢酸バッファーで最も高い活性を示した(図7-2)。
リツキシマブの解析の結果、約96.5%の糖鎖が、コアフコースが付いた2分岐糖鎖であることがわかった(図10)。リツキシマブの糖鎖付加箇所は、275番目のAsn2箇所であり、糖鎖構造解析の結果を踏まえたIntact Mass分析の結果、図11の様なG0F/G1Fの組み合わせが最も多く、次にG1F/G1F、G0F/G0F、G1F/G2Fの様な分布になることがわかった。
ORF1188を用いた場合の酵素処理前後のリツキシマブの糖鎖構造を図12に示す。図12Aが酵素処理前、図12Bが酵素処理後である。同様にCordyceps属由来ENGaseを用いた場合の酵素処理前後のリツキシマブの糖鎖構造を図13に示す。図13Aが酵素処理前、図13Bが酵素処理後である。
Claims (6)
- 以下の(a)又は(b)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ:
(a) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(b) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。 - 以下の(a)又は(b)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(a) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列からなるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ;
(b) 配列番号2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつα1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ。 - 以下の(g)又は(h)のスフィンゴバクテリウム属微生物由来の、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しないエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコードするDNA:
(g) 配列番号1、3、5又は7で表される塩基配列を含むDNA
(h) 配列番号1、3、5又は7で表される塩基配列を含むDNAと90%以上の配列同一性を有し、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖に特異的に作用し、該2本鎖複合型糖鎖を切断するが、高マンノース型糖鎖を切断しない活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 請求項1記載のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを糖タンパク質と接触させることにより、α1,6-結合で還元末端のGlcNAc(N-アセチルグルコサミン)にフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
- 糖タンパク質が抗体である、請求項4記載のフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
- 糖タンパク質がCHO細胞を用いて産生されたリコンビナントタンパク質である、請求項4記載のフコースが結合している2本鎖複合型糖鎖が切断された糖タンパク質を作製する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017135788A JP6993637B2 (ja) | 2017-07-11 | 2017-07-11 | フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017135788A JP6993637B2 (ja) | 2017-07-11 | 2017-07-11 | フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019017259A JP2019017259A (ja) | 2019-02-07 |
JP6993637B2 true JP6993637B2 (ja) | 2022-01-13 |
Family
ID=65352373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017135788A Active JP6993637B2 (ja) | 2017-07-11 | 2017-07-11 | フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6993637B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116376875B (zh) * | 2023-03-03 | 2024-02-23 | 云南师范大学 | 耐热性提高的n-乙酰氨基葡萄糖苷酶突变体及其应用 |
CN116555229B (zh) * | 2023-05-25 | 2024-09-20 | 云南师范大学 | N-乙酰氨基葡萄糖苷酶突变体、重组表达载体及菌和应用 |
CN118086249A (zh) * | 2024-01-24 | 2024-05-28 | 云南师范大学 | 一种协同提高酶活和热稳定性的n-乙酰氨基葡萄糖苷酶突变体及其制备与应用 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017012152A (ja) | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 公益財団法人野口研究所 | グライコシンターゼ |
-
2017
- 2017-07-11 JP JP2017135788A patent/JP6993637B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017012152A (ja) | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 公益財団法人野口研究所 | グライコシンターゼ |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Mattias Collin,EMBO J.,2001年,vol.20,No.12,3046-3055 |
Uniprot[online], G3JPF7,16 November 2011 uploaded,[Retrieved on 2021.7.13],URL,<https://www.uniprot.org/uniprot/G3JPF7> |
Uniprot[online],J4WAU5 ,31 October 2012 uploaded,[Retrieved on 2021.7.13],URL,<https://www.uniprot.org/uniprot/J4WAU5> |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019017259A (ja) | 2019-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108026518B (zh) | 新型endos突变型酶 | |
JP2000512842A (ja) | エンドグルカナーゼ | |
JP6993637B2 (ja) | フコース含有糖鎖を特異的に切断するエンドグリコシダーゼ | |
JP6330240B2 (ja) | 耐熱性β−グルコシダーゼ | |
CN116410960B (zh) | 嗜盐适冷及pH适应性改良的β-木糖苷酶突变体D41G及其应用 | |
CN109929859B (zh) | 一种κ-卡拉胶酶编码基因及其制备与应用 | |
EP0739983B1 (en) | Gene encoding lacto-n-biosidase | |
JP6340647B2 (ja) | 超耐熱性セロビオハイドロラーゼ | |
EP2982749B1 (en) | Thermostable beta-xylosidase belonging to gh family 3 | |
EP2998317B1 (en) | Thermostable ss-xylosidase belonging to gh family 3 | |
JP5967725B2 (ja) | 複合型糖鎖加水分解酵素 | |
CN107236719B (zh) | 耐热性纤维二糖水解酶 | |
US8420355B2 (en) | 4S-iota-carrageenan sulfatase and use thereof to obtain alpha-carrageenan | |
JP6286745B2 (ja) | 耐熱性β−グルコシダーゼ | |
CN103789287B (zh) | 具有转糖基活性的α-半乳糖苷酶AgaAJB07及其基因、重组载体、重组菌株 | |
CN107236720B (zh) | 耐热性纤维二糖水解酶 | |
KR20110115905A (ko) | 신규한 베타-아가라제 및 그 용도 | |
García-Orozco et al. | Recombinant bacterial expression of the lysozyme from the tobacco-hornworm Manduca sexta with activity at low temperatures | |
JP6429377B2 (ja) | 耐熱性セロビオハイドロラーゼ | |
JP7449558B2 (ja) | 新規キシログルカナーゼ及びキシログルカンオリゴ糖の製造方法 | |
KR102038287B1 (ko) | 신규한 당화효소 생산 셀룰로파가 속 미생물 및 이의 이용 | |
CN114958943A (zh) | 一种植烷醇连接的复合型寡糖的合成方法 | |
JP2004024026A (ja) | キトサン加水分解活性に関与する機能性を有するポリペプチド、該ポリペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子を含むベクター及び該ベクターを導入した形質転換体 | |
TWI314557B (en) | Isolated chitinase, dna, recombinant vector, recombinant chitinase and expression system thereof | |
Kim et al. | Sialidases of corynebacteria and their biotechnological applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210720 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211102 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6993637 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |