JP6992528B2 - 車両の遮音構造 - Google Patents

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本発明は、車室への音の伝播を抑制する車両の遮音構造に関する。
車室への音の伝播を抑制する様々な遮音構造が開発されている。特許文献1は、吸音層の外周に沿って配置されたシール部材を有する遮音構造を開示する。
特許文献1のシール部材は、吸音層の外周縁からの空気の抜けを防止する。空気の抜けが防止された環境下で吸音層が存在しないならば、音が空気に伝播すると音によって振動された空気の速度は高くなる。空気の速度と吸音層として用いられる材料によって定められる粘性係数との積は、吸音層内で振動する空気のエネルギの損失に相当する。上述の如く、シール部材によって空気の振動速度が高くなる環境が作り出されるので、空気の振動速度が高くなる環境内に配置された吸音層は空気の大きなエネルギ損失を生み出し、車室へ伝播される音のレベルを大幅に低減することができる。
特開2017-7517号公報
特許文献1によれば、シール部材が追加的に用いられる。このことは、車体に用いられる部品の数の増大、ひいては、車体の製造コストの増大に帰結する。
本発明は、追加的な部品を用いることなく高い遮音性能を発揮することができる車両の遮音構造を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る車両の遮音構造は、サイドシルと、前記サイドシルの側方に配置されたフロアパネルと、を有し、車両の車室を形成する構造体と、前記構造体の前記サイドシルに重ねられた端部領域と、前記フロアパネルに重ねられた主領域と、を有しているとともに、ヤング率が100,000Pa以下である吸音層と、前記吸音層を覆う表皮材と、前記端部領域を前記車室から隠すように前記サイドシルに連結されたスカッフプレートと、を備えてい。前記スカッフプレートは、前記表皮材に線状に接触する縁部を含んでいる。前記端部領域は、前記吸音層の側縁を形成するとともに前記吸音層の前記側縁から側方に所定の幅を有する帯状の外帯領域と、前記車両の車幅方向において内方で前記外帯領域に隣接した帯状の内帯領域と、を含んでいる。前記外帯領域は、前記サイドシルに密着されている。前記内帯領域は、前記スカッフプレートの前記縁部の下方に位置し、且つ、前記サイドシルから上方に離れている
一般的に、吸音層の密度が高いならば、吸音層として用いられる材料によって定められる粘性係数が高くなる。この結果、粘性係数と吸音層の不存在下で音の伝播によって振動する空気の速度との積に相当する空気のエネルギ損失、すなわち、音の透過損失は大きくなる。大きな透過損失は、吸音層が優れた吸音特性を有していることを意味する。
一方、吸音層の密度の増加は、吸音層のヤング率の増加に帰結する。吸音層のヤング率は、音の伝達させやすさを表す振動伝達率に直接的に関係する。すなわち、ヤング率が増加すると、振動伝達率も増加する。大きな振動伝達率は、音を伝達させやすいことを意味する。
上記の構成によれば、吸音層のヤング率は100,000Pa以下であるので、空気のヤング率を超えない。吸音層のヤング率が100,000Pa以下であるとき、吸音層のヤング率がもたらす音の伝達させやすさの効果は、吸音層の密度からもたらされる音の透過損失の効果を上回らず、吸音層は音を効果的に吸収することができる。吸音層のヤング率の適切な設定によって優れた吸音効果が得られるので、従来の遮音構造のシール部材といった追加的な部品は必要とされない。また、表皮材は、吸音層を覆うので、吸音層は、表皮材によって遮音性能を損なわせる物質から保護される。サイドシルに連結されたスカッフプレートは、端部領域を車室から隠すので、車室内の乗員が吸音層の端部領域を視認することを妨げることができる。スカッフプレートは、吸音層を覆う表皮材に接触するので、表皮材とスカッフプレートとの間に空隙が生じず、表皮材とスカッフプレートとの間の形状的な連続性が得られる。この結果、車室内の美観は、良好に維持される。スカッフプレートが表皮材と広い領域で接触すれば、吸音層は、スカッフプレートに広い領域に亘って押され、吸音層の密度が高くなることが考えられる。しかしながら、スカッフプレートの縁部は表皮材に線状に接触するので、スカッフプレートからの押圧作用による吸音層の密度の増加は、線状の領域に制限される。したがって、スカッフプレートからの押圧作用は、吸音層の遮音効果にあまり影響しない。また、吸音層の側縁を形成するとともに吸音層の側縁から側方に所定の幅を有する帯状の外帯領域は、サイドシルに密着しているので、吸音層は、側縁の周囲においてサイドシルにしっかりと固定される。車両の車幅方向において内方で外帯領域に隣接した帯状の内帯領域は、スカッフプレートの縁部の下方に位置するので、スカッフプレートによって押されやすい。しかしながら、内帯領域は、サイドシルから上方に離れているので、スカッフプレートの縁部によって押圧された内帯領域は、下方に変位し、スカッフプレートからの過度の圧縮を避けることができる。
上記の構成に関して、前記端部領域における前記吸音層の密度は前記主領域における前記吸音層の密度よりも高くてもよい。前記端部領域及び前記主領域における前記吸音層のヤング率は100,000Pa以下であってもよい。
上記の構成によれば、サイドシルに重ねられた端部領域における吸音層の密度は、フロアパネルに重ねられた主領域における吸音層の密度よりも高いので、端部領域を通じた空気の抜けは生じにくくなる。端部領域における空気の抜けが生じにくくされた環境において主領域に対応する領域が中空に形成されているならば、中空領域内の空気は中空領域に伝播した音によって高い速度で振動される。中空領域に低い密度の吸音層が配置され主領域が形成されると、主領域における粘性係数は低くなるけれども空気の速度は大きいので、これらの積に相当する透過損失は十分に高いレベルを維持することができる。したがって、主領域は十分な遮音特性を有することができる。端部領域における吸音層は、従来の遮音構造のシール部材と同様に、主領域に配置された吸音層に優れた遮音効果を発揮させる環境を作り出すので、従来の遮音構造のシール部材といった追加的な部品は必要とされない。
端部領域における吸音層の密度は、主領域における吸音層の密度よりも高いけれども、端部領域における吸音層のヤング率は100,000Pa以下であるので、端部領域においては、吸音層のヤング率がもたらす音の伝達させやすさの効果は、吸音層の密度からもたらされる音の透過損失の効果を上回らず、端部領域は優れた遮音特性を有することができる。端部領域における吸音層のヤング率と同様に、主領域における吸音層のヤング率も100,000Pa以下であるので、主領域においても、吸音層のヤング率がもたらす音の伝達させやすさの効果は、吸音層の密度からもたらされる音の透過損失の効果を上回らず、主領域は優れた遮音特性を有することができる。
上述の車両の遮音構造は、追加的な部品を用いることなく高い遮音性能を発揮することができる。
遮音構造の概略的な断面図である。 遮音構造の概略的な展開斜視図である。 サイドシル及びスカッフプレートの連結部位周りの遮音構造の拡大斜視図である。 振動周波数と遮音特性との間の概略的な関係を表すグラフである。 上層と下層との間で形成された開口部の影響の説明のために構築された2つのモデルの概略的な断面図である。 図5に示される2つのモデルの遮音特性を概略的に表すグラフである。 本発明者等が案出した遮音構造のモデルの概略図である。 本発明者等がヤング率と振動伝達率との間の関係を調査するために作成した実験装置の概略図である。 ヤング率と振動伝達率との間の関係を表すグラフである。 本発明者等がヤング率と音の透過損失との間の関係を調査するために作成した実験装置の概略図である。 ヤング率と音の透過損失との間の関係を表すグラフである。
<遮音原理>
図4は、振動周波数と遮音特性との間の概略的な関係を表すグラフである。図4を参照して、振動周波数と遮音特性との間の関係が説明される。
図4は、振動周波数と遮音特性との間の関係を表すグラフに加えて、グラフ中のデータの基となっているモデルA~Cを示している。振動周波数と遮音特性との間の関係の前にモデルA~Cが概略的に説明される。
モデルAは、上層ULYと、上層ULYの下方の下層LLYと、上層ULYと下層LLYとの間の中間層ILYと、から形成された構造を表している。モデルBは、中間層ILYが所定のばね定数を有する層であることを表している。モデルCは、中間層ILYが介在することなく、上層ULY及び下層LLYが一体化された構造を表している。これらのモデルA~Cの遮音特性が図4のグラフを参照して以下に説明される。
図4のグラフの横軸は、下層LLYから上層ULYへ伝播する振動の周波数を表している。図4のグラフの横軸は、上層ULYから出射された振動のエネルギと下層LLYに入射した振動のエネルギとの間の差に相当する透過損失を表す。すなわち、透過損失が大きいことは、振動が伝播しにくいことを意味している。
図4のグラフの曲線C1は、上層ULY及び下層LLYが剛体であるときのモデルBの遮音特性を表している。図4のグラフの曲線C2は、上層ULY及び下層LLYが剛体であるときのモデルCの遮音特性を表している。曲線C1に関して、周波数の増加に応じて、透過損失は急激に増加している。一方、曲線C2は、曲線C1ほど急激な透過損失の増加を示していない。曲線C1,C2間の比較から、中間層ILYのばね定数が適切に設定されるならば、中間層ILYを有さない構造よりも高い遮音特性が得られることが分かる。
図4のグラフの曲線C3は、上層ULY及び下層LLYが弾性体であるときの遮音特性を表している。曲線C3によって表される複数の極小値は、モデルBがモデルBに入射した振動と共振し、遮音性能が著しく低下していることを表している。隣り合う2つの極小値の間に現れる極大値は反共振点に相当し、反共振点に対応する周波数の振動成分に対してモデルBが優れた遮音性能を発揮することを表している。
曲線C1,C3の間の比較から、遮音性能が低下する共振点における遮音特性が向上されるならば、上層ULY及び下層LLYが弾性体であるときの遮音性能は、上層ULY及び下層LLYが剛体であるときの遮音性能よりも優れていることが分かる。中間層ILYとして一般的な吸音材が用いられるとき、共振点における遮音性能が向上されることはよく知られている。
図5は、上層ULYと下層LLYとの間で側方に開口した開口部の影響の説明のために構築された2つのモデルの概略的な断面図である。図5の2つのモデルが以下に説明される。
図5の2つのモデルそれぞれは、上層ULYと下層LLYとを含んでいる。図5の上層ULY及び下層LLYは弾性体である。上層ULYと下層LLYとの間の領域は中空である。振動は下層LLYに入射し、上層ULYから出射している。
図5の2つのモデルそれぞれは、上層ULYと下層LLYとに加えて、下層LLYの両側端に連結された2つのフレームFRMを用いて作成されている。上層ULYは、2つのフレームFRMから上方に離間した位置に配置されている。
図5の上側のモデルに関して、上層ULYと2つのフレームFRMとの間には側方に開口した開口部が形成されている。図5の下側のモデルに関して、上層ULYと2つのフレームFRMとの間には開口部はパンチングメタルといった開口板材によって部分的に閉じられている。したがって、下側のモデルの開口部は、上側のモデルの開口部より狭くなっている。
図5の上側のモデルに関して、フレームFRMと上層ULYとの間の開口部は比較的広いので、上層ULYと下層LLYとの間の中空領域に存在する空気は、振動が下層LLYに入射したとき開口部を通じてモデル外へ抜け出やすい。すなわち、下層LLYから入射した振動のエネルギは、中空領域からモデル外への空気の流出と中空領域に留まる空気の粒子の運動とを引き起こす。
図5の下側のモデルに関して、フレームFRMと上層ULYとの間の開口部は比較的狭いので、振動が下層LLYに入射したときに開口部を通じてモデル外へ抜け出る空気の量は、図5の上側のモデルよりも少なくなる。したがって、図5の上側のモデルと比較して、中空領域からモデル外への空気の流出に用いられる振動エネルギの量は小さくなる一方で、中空領域に留まる空気の粒子の運動に用いられる振動エネルギの量は大きくなる。この結果、図5に示されるように、下側のモデルの中空領域で運動する空気の粒子の速度は、上側のモデルの中空領域で運動する空気の粒子の速度よりも高くなる。
図6は、図5に示される2つのモデルの遮音特性を概略的に表すグラフである。図4乃至図6を参照して、これらのモデルの遮音特性が説明される。
図6のグラフの横軸は、下層LLYから上層ULYへ伝播する振動の周波数を表している。図6のグラフの横軸は、上層ULYから出射された振動のエネルギと下層LLYに入射する振動のエネルギとの間の差に相当する透過損失を表す。
図6のグラフ中の実線は、図5の下側のモデルの遮音特性を表している。図6のグラフ中の点線は、図5の上側のモデルの遮音特性を表している。実線及び点線はともに複数の極小値と複数の極大値とを示している。図4を参照して説明されたように、極小値は共振点を表している一方で、極大値は反共振点を表している。図6に示されるように、隣り合う極小値及び極大値の差は、下側のモデルの方が上側のモデルよりも大きい。特に、下側のモデルは極小値として現れる共振点において、上側のモデルよりも大幅に小さな遮音特性(透過損失)を示す。このことは、下側のモデルの中空領域における空気の粒子の速度は、上側のモデルの中空領域における空気の粒子の速度よりも大幅に高いことを意味している。したがって、下側のモデルの中空領域に吸音材が充填されると、空気の粒子の速度は大幅に低減されることができる。一方、吸音材の不存在下において上側のモデルの中空領域内での空気の粒子速度は下側のモデルの中空領域内での空気の粒子速度ほど高くないので、上側のモデルの中空領域に吸音材が充填されても、上側のモデルの粒子速度の低減量は下側のモデルの粒子速度の低減量ほど高くはならない。したがって、吸音材による遮音効果は、下側のモデルの方が上側のモデルよりも大きくなるということができる。すなわち、空気の漏れ量の低減は吸音材の遮音効果の増大に帰結するということができる。遮音材の増大された遮音効果を得るために、従来の遮音構造は吸音層の外縁を塞ぐシール材を用いている。
シール材は吸音層の外縁からの空気の抜けを防ぐので、従来の遮音構造は下側のモデルに相当し、吸音層に優れた遮音効果を発揮させている。しかしながら、従来の遮音構造はシール材を追加的に必要としているので、この点において改善の余地がある。本発明者等は、シール材といった追加的な部品を用いることなく、下側のモデルに相当する遮音構造を案出した。
図7は、本発明者等が案出した遮音構造のモデルの概略図である。図4、図5及び図7を参照して、本発明者等が新たに案出した遮音構造のモデルが説明される。
図7は、上層ULY、下層LLY及び2つのフレームFRMを示す。これらのレイアウトは、図5のモデルのレイアウトと同様である。
図7は、図5のモデルの中空領域に対応する位置に充填された吸音層を更に示す。上層ULYと2つのフレームFRMとの間に充填された吸音層の密度は、他の領域(すなわち、上層ULYと下層LLYとの間、且つ、2つのフレームFRMの間の領域)における吸音層の密度よりも大きな値に設定されている。この結果、上層ULYと2つのフレームFRMとの間の領域からの空気の抜けは生じにくくなり、図5の下側のモデルの条件に略等しい条件が得られることになる。
吸音層の密度が高くなると、吸音層内での空気の運動は吸音層によって大きく阻害される。この結果、大きな密度を有する吸音層は、高い透過損失をもたらすことができる。一方、吸音層の高い密度は吸音層の高いヤング率に帰結する。ヤング率は、図4に示されたモデルBのばね定数に相当する。モデルBのばね定数が無限大になった状態は、図4のモデルC(剛体モデル)に近似されることができる。すなわち、吸音層の高いヤング率は、図7に示されるモデルを図4の剛体モデル(モデルC)に近づけるということができる。
ヤング率に由来する音の伝達の容易さの指標として、一般的に、振動伝達率が用いられる。振動伝達率は、ヤング率に略比例する指標であり、透過損失の逆数に相当する。吸音層の密度が過度に高くなると、高いヤング率に由来する高い振動伝達率に起因する音の伝達の容易さの効果は、吸音層の高い密度から得られる高い透過損失に由来する遮音効果を上回り、遮音効果が損なわれることになる。一方、吸音層の密度が過度に低いと、吸音層は空気の運動を十分に阻害することができず、高い透過損失が得られないことになる。したがって、吸音層の密度、すなわち、ヤング率は適切な値に設定される必要がある。
図8は、本発明者等がヤング率と振動伝達率との間の関係を調査するために作成した実験装置の概略図である。図8を参照して、本発明者等が作成した実験装置が説明される。
本発明者等は、略平行に配置された2つの鋼板SPLの間に吸音層SALを形成し、試験片を作成した。試験片の両側縁は、一対のクランパCLPによって挟持されている。本発明者等は、吸音層SALに繊維系材料とウレタン系材料とを用いて、様々なヤング率を設定した。
試験片に振動を与えるために、試験片の下方に加振機VBRが配置され、加振機VBRの先端にフォースゲージFGGが取り付けられた。フォースゲージFGGは、下側の鋼板SPLに押し当てられた。加振機VBRが生成した振動は、フォースゲージFGGを通じて試験片に伝達された。振動加速度を測定する加速度計ACMは上側の鋼板SPLに取り付けられた。加速度計ACMから出力された信号に基づいて、振動伝達率が算出された。
図9は、ヤング率と振動伝達率との間の関係を表すグラフである。図9に示されるデータは、図8に示される実験装置から得られている。図8及び図9を参照して、ヤング率と振動伝達率との間の関係が説明される。
図9に示されるように、ヤング率が100,000Paを超えるまでは、振動伝達率は略一定であり、振動伝達率の顕著な増加は認められない。一方、ヤング率が100,000Paを超えると、振動伝達率は有意に増加する。100,000Paを超えるヤング率の範囲では、ヤング率の増加に伴って、振動伝達率も増加することが分かる。
図10は、本発明者等がヤング率と音の透過損失との間の関係を調査するために作成した実験装置の概略図である。図8及び図10を参照して、本発明者等が作成した実験装置が説明される。
本発明者等は、図8を参照して説明された試験片を用いて、音の透過損失を調査するための実験装置を作成した。本発明者等は、右方に開口した音響箱ACB内に音源ACSを配置し、音響箱ACBの開口部を試験片で塞いだ。本発明者等は、音源ACSから出力された音のレベルと、音響箱ACBの外で測定された音のレベルと、から透過損失を算出した。
図11は、ヤング率と音の透過損失との間の関係を表すグラフである。図11に示されるデータは、図10に示される実験装置から得られている。図9乃至図11を参照して、ヤング率と透過損失との間の関係が説明される。
図11に示されるように、ヤング率が100,000Paを超えるまでは、透過損失は略一定であり、透過損失の顕著な増加は認められない。一方、ヤング率が100,000Paを超えると、透過損失は有意に低下している。100,000Paを超えるヤング率の範囲では、ヤング率の増加に伴って透過損失が低下することが分かる。このことは、100,000Paを超えるヤング率の範囲では、高いヤング率に由来する音の伝達しやすさの効果が、吸音層SALが空気の運動を阻害することによる透過損失の効果を上回っていることを意味する。
図9及び図11のグラフから、100,000Pa以下のヤング率の範囲では、低い振動伝達率及び高い透過損失が達成されることが分かる。したがって、吸音層SALのヤング率が100,000Pa以下の値に設定されるならば、優れた遮音効果が得られることが分かる。一方、ヤング率が100,000Paを超えると、遮音効果は悪化する。100,000Paのヤング率は空気のヤング率に相当する。すなわち、空気のヤング率以下に設定されたヤング率を有する吸音層SALが組み込まれるならば、優れた遮音効果が得られる。本発明者等は、上述の知見に基づき、100,000Pa以下の吸音層を有する遮音構造を開発した。
<遮音構造>
図1は、上述の知見に基づき設計された遮音構造100の概略的な断面図である。図2は、遮音構造100の概略的な展開斜視図である。図1、図2、図5及び図7を参照して、遮音構造100が説明される。以下の説明に関して、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「内」及び「外」といった方向を表す用語は車両を基準に用いられている。「側方」との用語は、車幅方向において「外方」又は「内方」を意味している。
遮音構造100は、車室の下部を形成する部位に構築される。図1は、車幅方向において車室の下部を横切る仮想的な平面上における遮音構造100の概略的な断面を示している。
図2に示されるように、遮音構造100は、フロアパネル110と、一対のサイドシル120,220(図1は、1つのサイドシル120のみを示している)と、を備える。フロアパネル110は、車両の下部の広い領域を占めるように配置され、車室に配置された様々な部品(たとえば、シート)を支持する。一対のサイドシル120,220は、フロアパネル110の左縁及び右縁にそれぞれ固定されている。すなわち、サイドシル120,220の間にフロアパネル110は配置されている。サイドシル120,220それぞれは、車室への出入口の敷居を形成する部位であり、車室の前部から後方に延設されている。フロアパネル110及びサイドシル120,220は一体化され、車室の下部を形成する構造体として用いられている。
フロアパネル110は、略水平に横たわる水平部位111と、水平部位111の両側縁から上方にそれぞれ屈曲された一対の鉛直部位112と、を含む。図1は水平部位111の左側縁から屈曲された鉛直部位112を示している。図2は水平部位111の右側縁から屈曲された鉛直部位112を示している。水平部位111上に車室内に配置される様々な部品は固定される。一対の鉛直部位112は、サイドシル120,220との連結に用いられる。
図1に示されるサイドシル120は、左側の出入口を形成する。右側の出入口を形成するサイドシル220(図2を参照)は、図1に示されるサイドシル120と左右対称である。したがって、左側のサイドシル120に関する説明は、対称性を考慮して、右側の出入口を形成するサイドシル220に援用される。
サイドシル120は、2つの水平板部122,123と、3つの鉛直板部124,125,126と、を含み、全体的にΩ型の断面を有している。下側の水平板部122は、フロアパネル110の水平部位111と略同じ高さで水平に横たわっている。水平板部122の上方の水平板部123は、水平板部122と略平行である。下側の鉛直板部124は、下側の水平板部122の左縁から下方に屈曲され、サイドシル120を形成する他のもう1つのフレーム材(図示せず)との連結に用いられる。上側の鉛直板部125は、上側の水平板部123の左縁から上方に屈曲され、車室への出入口の下部を形成する敷居部分に所定の厚さを与える。中間の鉛直板部126は、上下の水平板部122,123の右縁から鉛直方向に屈曲され、フロアパネル110の鉛直部位112に連結されている。
サイドシル120は、図7を参照して説明されたフレームFRMに対応する部位である。図7を参照して説明された下層LLYは、図1及び図2に示されるフロアパネル110に相当している。図7を参照して説明された吸音層及び上層ULYに相当する構造が以下に説明される。
遮音構造100は、図7を参照して説明された吸音層及び上層ULYに相当する構造として、フロアパネル110とサイドシル120とによって支持されたフロアカーペット130を更に備える。図1に示されるように、フロアカーペット130は、吸音層131と、吸音層131を覆う表皮材132と、吸音層131の下面に沿って形成された保護シート133と、を含む。吸音層131は、図7を参照して説明された吸音層に相当し、フロアパネル110及びサイドシル120に入射した音のレベルを低減する。表皮材132は、図7を参照して説明された上層ULYに相当し、吸音層131を車室内の異物(たとえば、水や塵埃)から吸音層131を保護する。表皮材132は、吸音層131の上面を全体的に覆い車室内に現れる。表皮材132には所定の意匠が施与されてもよい。この結果、表皮材132は車室に美観を与えることができる。保護シート133は、吸音層131の下面を覆い、フロアパネル110とサイドシル120との境界を通じて侵入した異物(たとえば、水や塵埃)から吸音層131を保護する。保護シート133は、図7を参照して説明された下層LLY又はフレームFRMに対応する部位として解釈されてもよい。
<吸音層の構造>
図1、図2及び図5を参照して、吸音層131の構造が以下に説明される。
吸音層131は、保護シート133と表皮材132との間に配置されている。したがって、吸音層131は、上述の如く、保護シート133と表皮材132によって異物(水や塵埃)から保護されることができる。したがって、吸音層131は、長期間に亘って、優れた吸音性能を維持することができる。吸音層131は、繊維材によって形成されてもよいし、高い吸音性能を発揮することができる他の材料によって形成されてもよい。本実施形態の原理は、吸音層131を形成する特定の材料に限定されない。
吸音層131は、フロアパネル110の水平部位111に重ねられた主領域135と、サイドシル120の上側の水平板部123に重ねられた端部領域136と、主領域135と端部領域136との間でサイドシル120の鉛直板部126の内面を覆う遷移領域137と、を含む。吸音層131のヤング率は、上述の知見に基づいて、主領域135、端部領域136及び遷移領域137に亘って、100,000Paを超えないように設定されている。
端部領域136は、100,000Paを超えないヤング率の範囲で吸音層131の中で最も高い密度を有する。遷移領域137は、端部領域136から主領域135に向けて徐々に低下する密度分布を有する。主領域135は、吸音層131の中で最も低い密度を有する。吸音層131の側端を形成する端部領域136が高い密度を有するので、主領域135及び遷移領域137内の空気は端部領域136を通じて側方(すなわち、車幅方向において外方)に流出しにくくなる。したがって、遮音構造100は図5の下側のモデルに近い構造を有するということができる。
端部領域136の密度は、たとえば、約150.0kg/mに設定されることができる。このとき、主領域135の密度は、約62.1kg/mに設定されることができる。このとき、端部領域136のヤング率は、約80,000N/mに設定されることができる。一方、主領域135のヤング率は、約3,530N/mに設定されることができる。
端部領域136が車室に露出されているとフロアカーペット130の縁部が車室内の乗務員によって視認され、乗務員はフロアカーペット130が車室の美観を損なっていると感じることもある。したがって、端部領域136が車室から隠されていることが好ましい。遮音構造100は端部領域136を車室から隠すための構造を有する。図1及び図2を参照して、端部領域136を車室から隠すための構造が以下に説明される。
図2に示されるように、遮音構造100は端部領域136を車室から隠す4つのスカッフプレート140,241,242,243を更に備える。これらのスカッフプレート140,241,242,243それぞれは車室の出入口の敷居の表面を形成する。
スカッフプレート140は、左前の出入口に対応して配置されている。スカッフプレート241は、左後の出入口に対応して配置されている。スカッフプレート242は、右前の出入口に対応して配置されている。スカッフプレート243は、右後の出入口に対応して配置されている。図1は、スカッフプレート140のみを示している。配置位置及び/又は長さを除いて、スカッフプレート241,242,243の構造は、スカッフプレート140の構造に略等しい。したがって、スカッフプレート140に関する説明は、これらのスカッフプレート241,242,243に援用される。
図1に示されるように、スカッフプレート140はカバー板部141と押圧ピン142とを含む。カバー板部141は端部領域136の大部分を覆う。カバー板部141は、フロアカーペット130の側端縁を隠すので、車室内の乗員はフロアカーペットの側端縁を視認しない。したがって、カバー板部141は車室の美観の維持に貢献する。押圧ピン142は、カバー板部141から下方に突出し、フロアカーペット130の左端領域をサイドシル120の上側の水平板部123に押し付ける。この結果、フロアカーペット130がスカッフプレート140とサイドシル120とによって囲まれた空間内で浮き上がることやフロアカーペット130が側方に移動することが防止される。押圧ピン142の長さは、フロアカーペット130の左端領域を過度に強く圧縮しないように設定されている。この結果、押圧ピン142の下端周囲における吸音層131のヤング率が100,000Paを超えることが防止される。
カバー板部141は、水平板部143と内板部144と外板部145とを含む。水平板部143は、サイドシル120の上側の水平板部123の上方に位置する。水平板部143の下面から上述の押圧ピン142は下方に延出している。内板部144は、カバー板部141の水平板部143の右縁から下方に屈曲されている。内板部144は、端部領域136を覆う表皮材132の上面に線状に接触する縁部146(すなわち、内板部144の下端縁)を含む。内板部144の縁部146が表皮材132に接触する線状の接触部位は、端部領域136と遷移領域137との間の境界に沿って延設されている。したがって、内板部144の縁部146は、フロアカーペット130が上方へ浮き上がることを防ぐことができる。外板部145は、サイドシル120の上側の鉛直板部125の若干外側(左方)でカバー板部141の水平板部143の左縁から下方に屈曲する。この結果、外板部145は、サイドシル120の鉛直板部125の上部に車幅方向において重なり合う。したがって、外板部145は、サイドシル120とスカッフプレート140とによって囲まれた空間への異物(たとえば、水や塵埃)の侵入を防ぐことができる。
図3は、サイドシル120及びスカッフプレート140の連結部位周りの遮音構造100の拡大斜視図である。図1とは異なり、図3は吸音層131を示していない。図1乃至図3を参照して、サイドシル120及びスカッフプレート140の連結構造が以下に説明される。
図3に示されるように、スカッフプレート140をサイドシル120に固定するための構造として、スカッフプレート140は連結ピン147を含み、サイドシル120は鉛直板部125から内方(すなわち、右方)に突出した固定板127を含む。連結ピン147は、スカッフプレート140のカバー板部141に形成された貫通孔(図示せず)を通じて、スカッフプレート140とサイドシル120とによって囲まれた空間内に挿入され、固定板127を貫通する。この結果、連結ピン147の下端部は固定板127に係合され、スカッフプレート140はサイドシル120に固定される。
図1及び図3を比較すると、連結ピン147は押圧ピン142と車幅方向において略等しい位置に形成される。しかしながら、図3の連結ピン147の下方にはフロアカーペット130が存在していない一方で、図1の押圧ピン142の下方にはフロアカーペット130が存在している。このことは、連結ピン147に対応する位置においてフロアカーペット130が切り欠かれていることを意味する。したがって、フロアカーペット130の左側縁部がスカッフプレート140とサイドシル120とによって囲まれた空間内で浮き上がり、連結ピン147を押し上げることにより、連結ピン147と固定板127との間の係合を解除するリスクは低減される。
<スカッフプレート140の圧縮を緩和するための構造>
スカッフプレート140は、フロアカーペット130の左端領域をサイドシル120に押し付けるので、フロアカーペット130の吸音層131の密度はスカッフプレート140の圧縮によって増加されることもある。上述の如く、吸音層131の密度の増加は吸音層131のヤング率の増加に起因する遮音性能の低下を引き起こすリスクを有するので、遮音構造100は、スカッフプレート140の圧縮を緩和するための構造を有している。スカッフプレート140の圧縮を緩和するための構造が以下に説明される。
端部領域136は、吸音層131(図1を参照)の左側縁から右方に所定の幅を有する帯状の外帯領域138と、外帯領域138に右方に隣接した帯状の内帯領域139と、に分けられる。外帯領域138は、押圧ピン142によってサイドシル120の上側の水平板部123に押し付けられる。したがって、外帯領域138は、サイドシル120の水平板部123の上面に密着されている。一方、内帯領域139が外帯領域138から上方に隆起するようにフロアカーペット130は成型されている。この結果、内帯領域139は、サイドシル120の水平板部123の上面から若干上方に離間している。すなわち、内帯領域139とサイドシル120の水平板部123との間に空隙が形成されている。
内帯領域139の上方にカバー板部141の縁部146は位置し、表皮材132の上面に線状に接触している。サイドシル120及びスカッフプレート140の加工誤差並びにこれらの間の組立誤差に起因して、カバー板部141の縁部146とサイドシル120の水平板部123の上面との間の空隙が狭くなっているとき、内帯領域139はカバー板部141の縁部146によって強く押される。しかしながら、内帯領域139とサイドシル120の水平板部123との間に空隙が形成されているので、内帯領域139は下方に変位することができ、カバー板部141の縁部146とサイドシル120の水平板部123とによっては過度に強く圧縮されない。この結果、カバー板部141の縁部146が表皮材132に線状に接触する区間に亘って100,000Paを超えるヤング率を有する吸音層131の線状領域が形成されることが防止されることができる。
<遮音構造の有利な効果>
遮音構造100の有利な効果が以下に説明される。
端部領域136は、主領域135及び遷移領域137よりも高い密度を有する。したがって、端部領域136から外方への空気の抜けは生じにくくなる。この結果、図5の下側のモデルに相当する遮音構造100が形成されることになる。図5の下側のモデルを参照して説明されたように、外方への空気の抜けが生じにくい条件下においては、吸音層131が存在しないならば、表皮材132とフロアパネル110との間の空間における空気の運動エネルギは高くなる。表皮材132とフロアパネル110との間の空間に吸音層131が配置されると、吸音層131は空気の運動を大きく阻害し、高い遮音効果を発揮することができる。
端部領域136が高い密度が設定されると、吸音層131のヤング率は、端部領域136において特に高くなる。吸音層131の高いヤング率は、高い振動伝達率に帰結するけれども、主領域135及び遷移領域137だけでなく端部領域136も100,000Pa以下のヤング率に設定されるので、図9を参照して説明されたように、吸音層131の高いヤング率に起因する負の影響(すなわち、音を伝達させやすくする効果)は無視され得るレベルである。したがって、吸音層131における音の透過損失は、吸音層131の高いヤング率にほとんど妨げられることなく高いレベルに維持されることができる。
端部領域136の大部分はスカッフプレート140によって覆われているので、車室内の乗員はフロアカーペット130の端縁を視認しない。スカッフプレート140の縁部146はフロアカーペット130の表皮材132に線状に接触するので、スカッフプレート140とフロアカーペット130の表皮材132との間の形状的な連続性が維持されることができる。したがって、車室内の乗員は、スカッフプレート140の周囲において高い美観を視覚的に知覚することができる。
端部領域136は、スカッフプレート140の縁部146とサイドシル120とによって挟まれるので、スカッフプレート140の縁部146とサイドシル120との間の空隙が狭くなると、スカッフプレート140の縁部146はスカッフプレート140を押圧し、端部領域136(すなわち、スカッフプレート140の縁部146の下方に位置する内帯領域139)において高いヤング率を有する線状の領域を作り出し得る。しかしながら、内帯領域139はサイドシル120から上方に若干浮いているので、スカッフプレート140の縁部146の押圧から下方に逃げることができる。したがって、100,000Paを超えるヤング率の領域は内帯領域139に形成されにくくなる。
内帯領域139の外側の外帯領域138はスカッフプレート140の押圧ピン142によってサイドシル120に押し付けられているので、サイドシル120とスカッフプレート140とによって囲まれた空間内での外帯領域138の上方及び側方への変位は生じにくい。したがって、上方へ変位した外帯領域138がスカッフプレート140に当たり、スカッフプレート140とサイドシル120との係合を解除するリスクや外帯領域138の側方(車幅方向において内方)への変位の結果、車室内でフロアカーペット130が弛むリスクは非常に低くなる。
外帯領域138は、スカッフプレート140の連結ピン147に対応する位置において切り欠かれている。したがって、外帯領域138がスカッフプレート140の連結ピン147及びサイドシル120の固定板127の係合部位に接触し、これらの係合を解除するリスクは非常に低くなる。
上述の実施形態の原理は、様々な車両に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・遮音構造
110・・・・・・・・・・フロアパネル(構造体)
120・・・・・・・・・・サイドシル(構造体)
131・・・・・・・・・・吸音層
132・・・・・・・・・・表皮材
135・・・・・・・・・・主領域
136・・・・・・・・・・端部領域
138・・・・・・・・・・外帯領域
139・・・・・・・・・・内帯領域
140・・・・・・・・・・スカッフプレート
146・・・・・・・・・・縁部

Claims (2)

  1. サイドシルと、前記サイドシルの側方に配置されたフロアパネルと、を有し、車両の車室を形成する構造体と、
    前記構造体の前記サイドシルに重ねられた端部領域と、前記フロアパネルに重ねられた主領域と、を有しているとともに、ヤング率が100,000Pa以下である吸音層と、
    前記吸音層を覆う表皮材と、
    前記端部領域を前記車室から隠すように前記サイドシルに連結されたスカッフプレートと、を備え
    前記スカッフプレートは、前記表皮材に線状に接触する縁部を含んでおり、
    前記端部領域は、前記吸音層の側縁を形成するとともに前記吸音層の前記側縁から側方に所定の幅を有する帯状の外帯領域と、前記車両の車幅方向において内方で前記外帯領域に隣接した帯状の内帯領域と、を含み、
    前記外帯領域は、前記サイドシルに密着され、
    前記内帯領域は、前記スカッフプレートの前記縁部の下方に位置し、且つ、前記サイドシルから上方に離れている、
    車両の遮音構造。
  2. 記端部領域における前記吸音層の密度は前記主領域における前記吸音層の密度よりも高く、
    前記端部領域及び前記主領域における前記吸音層のヤング率は100,000Pa以下である
    請求項1に記載の遮音構造。
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