JP6481414B2 - 車両用ドアの補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカを内蔵する車両用ドアの補強構造に関する。
従来、車両の側面ドア,ハッチバックドア等の車両用ドアにオーディオ用のスピーカを内蔵させた車両音響システムが知られている。車両用ドアは、車体の軽量化を図るべく、インナパネルとアウタパネルとを各々の周縁部で接合して、ドア内部が中空となるように形成されており、その内部にスピーカが収容される。例えば、スピーカの直径に応じた大きさの開口部がインナパネルに穿孔され、開口部の内側にスピーカが固定される。また、インナパネルの車室側に取り付けられる美装用のトリムには、スピーカの表面を保護するためのスピーカグリルが固定される。
上記のようなスピーカの音響性能は、車両用ドアの内部構造に応じて変化する。例えば、スピーカの背面側(インナパネルとアウタパネルとに挟まれた中空空間)を密閉した場合には、ドアの内部が密閉型スピーカと同様の構造となり、スピーカの背面音が遮蔽される。また、ドア内部の中空空間を車室側に開放して前面音と背面音とを共鳴させた場合には、バスレフ型スピーカと同様の構造となり、低音域の音質改善が期待される。
一方、何れの構造においても車両用ドアの剛性が低ければ、スピーカの振動によって車両用ドアの全体が振動してしまい、音響性能が大きく低下する。そこで、スピーカの周囲を補強部材で補強することで、車両用ドアの剛性を高めることが検討されている。例えば、車両前後方向に延設された補強用部材(インパクトバーやリンフォース部材等)をアウタパネルの内側に固定し、補強用部材とスピーカの外周部とを筒状の接続部材で繋いだ構造が提案されている(特許文献1参照)。このような構造により、スピーカの外周部の振動が抑制されて音響性能が向上しうる。
特開2009-137416号公報
しかしながら、車両用ドアの内部に接続部材を挿入することで、却って乗員保護性が低下するおそれが生じる。例えば、車両の側面衝突により車両用ドアに車室側への荷重が作用した場合、その荷重が接続部材を介してスピーカの外周部に即座に伝達されることになる。そのため、スピーカの外周部のインナパネルが車室側に飛び出しやすくなり、車室内の空間が狭められるおそれが生じる。あるいは、インナパネルの変形により、スピーカが開口部から外れて車室内に進入しかねない。
本件は上記のような課題に鑑み創案されたものであり、スピーカの音響性能を向上させつつ乗員保護性を高めることができるようにした、車両用ドアの補強構造を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する車両用ドアの補強構造は、スピーカを内蔵する車両用ドアの補強構造である。本補強構造には、前記スピーカが取り付けられるインナパネルに対して固定された第一固定部と、前記インナパネルよりも車両外側のアウタパネルに対して固定された第二固定部とが設けられる。また、前記第一固定部と前記第二固定部との間を接続する面状であって上方に向かって開いたV字型の縦断面形状に形成され、下方へ向かって膨出する補強面部が設けられる。また、前記補強面部の縁端から前記補強面部に垂直な方向に向かって突設されたフランジ部と、前記フランジ部のうち前記V字型の谷部に対応する箇所を欠成してなる第一切り欠き部とが設けられる。
前記第一固定部は、前記インナパネルに対して直接的に固定されてもよく、何らかの部材(例えば、前記スピーカを前記インナパネルに取り付けるためのキャリアプレート)を介して間接的に固定されてもよい。同様に、前記第二固定部は、前記アウタパネルに対して直接的に固定されてもよく、何らかの部材(例えば、車両用ドアを補強するリンフォース部材)を介して間接的に固定されてもよい。
なお、前記第一切り欠き部は、車両前後方向に対をなして設けられることが好ましい。つまり、前記第一切り欠き部は、前記谷部の両端に設けられることが好ましい。
2)また、前記フランジ部のうち前記補強面部と前記第一固定部及び前記第二固定部との接続部に対応する箇所を欠成してなる第二切り欠き部を設けることが好ましい。前記第二切り欠き部は、車両前後方向に対をなして設けられることが好ましい。つまり、前記第二切り欠き部は、前記第一固定部及び前記第二固定部の前端及び後端に設けられることが好ましい。
(3)ここで開示する第二の車両用ドアの補強構造は、スピーカを内蔵する車両用ドアの補強構造であって、前記スピーカが取り付けられるインナパネルに対して固定された第一固定部と、前記インナパネルよりも車両外側のアウタパネルに対して固定された第二固定部と、前記第一固定部と前記第二固定部との間を接続する面状に形成され、下方へ向かって膨出する補強面部と、前記補強面部の縁端から前記補強面部に垂直な方向に向かって突設されたフランジ部と、前記フランジ部のうち前記補強面部と前記第一固定部及び前記第二固定部との接続部に対応する箇所を欠成してなる第二切り欠き部とを備える。
)また、前記第一固定部が、車両側面視で前記スピーカよりも前記車両用ドアの中央側に配置されることが好ましい。つまり、前記第一固定部は、前記スピーカと比較して、前記アウタパネルと前記インナパネルとの重合箇所(前記車両用ドアの周縁部)から離隔した位置に配置されることが好ましい。
)なお、前記第二固定部が、前記車両用ドアに内蔵されるインパクトバーを介して前記アウタパネルに固定されることが好ましい。
開示の車両用ドアの補強構造によれば、第一固定部と第二固定部との間を補強面部で接続することで、スピーカが取り付けられるインナパネルの剛性を高めることができ、スピーカの音響性能を向上させることができる。一方、車両用ドアに水平方向の荷重が作用した場合には、下方へ向かって膨出した補強面部が座屈(屈曲)するため、補強面部を介してインナパネルへ伝達される荷重を減少させることができる。したがって、インナパネルやスピーカの車室内への進入を防止することができ、乗員保護性を向上させることができる。
実施形態の車両用ドアの補強構造が適用された車両を示す斜視図である。 車両用ドアの分解斜視図である。 車両用ドアの内部に固定される補強材の斜視図である。 車両用ドアの縦断面図である。
図面を参照して、実施形態としての車両用ドアの補強構造について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
[1−1.車両用ドア]
本実施形態の車両用ドアの補強構造が適用された車両1を図1に例示する。車両1の左右両側面には、乗員が車室に出入りするためのドア2が配置される。
図2は、ドア2の模式的な分解斜視図である。ドア2の上半分はウィンドウガラス7が嵌め込まれるウィンドウフレーム2A(窓枠)であり、下半分は内部が中空に形成されたドアボディ2Bである。ウィンドウガラス7の下端は、ドアボディ2Bの内部で手動式又は電動式の上下駆動装置に支持される。
ドアボディ2Bの外表面は板状のアウタパネル3で覆われ、その内側は板状のインナパネル4で覆われる。これらのインナパネル4及びアウタパネル3は、ドアボディ2Bの厚み方向に間隔を空けて配置されるとともに、各々の周縁部が重合した状態で固定される。これにより、アウタパネル3とインナパネル4との間には中空空間が形成される。
ドアボディ2Bの内部空間には、ドア2の外表面に沿って水平方向(車両前後方向)に延在するインパクトバー8が配置されて固定される。インパクトバー8とは、車両衝突に対する車体の圧壊抵抗力を向上させるための補強材であり、その両端部はアウタパネル3及びインナパネル4の周縁部間に挟み込まれて固定される。インパクトバー8は、例えばドア2の外部から衝撃荷重が入力された場合に、その衝撃荷重をドア2の周囲の構造体に分散して伝達するように機能する。これにより、ドア2の車室内への進入量が減少し、乗員保護性が向上する。
インナパネル4には、オーディオ用のスピーカ6の直径に応じた大きさの開口部4Aが穿孔される。開口部4Aの位置は、インパクトバー8の下方であってドア2の車両前方かつ下方となる位置に設定される。これにより、スピーカ6の位置は、インナパネル4の周縁部(特に、アウタパネル3とインナパネル4とが重合する箇所)に近接する位置となる。スピーカ6は、電気信号を受けて振動体(例えばコーン紙や金属板等)を振動させることで音波を生成するダイナミック型の電気音響変換器である。本実施形態のスピーカ6は、円錐状に形成された振動板がインナパネル4を挟み込んだ状態でインナパネル4に対して固定される。
ドアボディ2Bの車室側表面は、美装用のドアトリム5で覆われる。このドアトリム5には、図2に示すように、アームレストや小物入れが一体成形される。また、スピーカ6の振動板に対応する位置には、スピーカ6の表面を保護するためのスピーカグリル9が固定される。なお、ドア2を開閉するための操作装置やドアロック装置の操作ボタン,ウィンドウガラス7の昇降レバー,パワーウィンドウ装置の操作ボタン等をドアトリム5に取り付けてもよい。
[1−2.補強材]
インナパネル4とインパクトバー8との間には金属製の補強材10が取り付けられる。補強材10は、スピーカ6の周囲におけるインナパネル4の剛性を高めるためのものであり、インナパネル4,インパクトバー8の各々に対して溶接または締結固定される。これにより、スピーカ6の振動に伴うインナパネル4の振動が抑制され、トランジェント特性が改善されることで、スピーカ6の音響性能が向上する。
図3に示すように、補強材10には、第一固定部11,第二固定部14,補強面部12,13が設けられる。補強材10の全体形状は、車両下方へ向かって膨出した形状に形成されている。第一固定部11は、その外側(外面,車室側表面)がインナパネル4に対して固定される面状の部位であり、第二固定部14は、その外側(外面,ドア2の外部側表面)がインパクトバー8に固定される面状の部位である。なお、インパクトバー8は、両端部においてアウタパネル3に対しても固定される。したがって、第二固定部14は、インパクトバー8を介してアウタパネル3に対しても固定されている。
補強面部12,13は、第一固定部11と第二固定部14との間を面状に接続する部位である。これらの補強面部12,13の各々は略平面状であり、補強面部12,13の端部同士が所定の角度をなした状態で接続される。つまり、補強面部12,13の縦断面形状は、上方に向かって開いた略V字状となるように形成される。これにより、補強面部12,13は、下方へ向かって膨出した形状となる。
これらの第一固定部11,補強面部12,13,第二固定部14は、例えば一枚の板金を屈曲して一体成形してもよいし、複数の板金部品を溶接固定して製造してもよい。ここで、補強面部12,13のうち、V字型の谷部20を境界として第一固定部11側の部位を第一補強面部12と呼び、谷部20を境界として第二固定部14側の部位を第二補強面部13と呼ぶ。谷部20は、上面視でインナパネル4とほぼ平行となるように直線的に配置される。
図4に示すように、第一補強面部12は、第一固定部11の下端から延設されるとともに、インナパネル4から車外に向かって下り勾配となる姿勢で配置される。一方、第二補強面部13は、第二固定部14の下端から延設されるとともに、インパクトバー8から車室内に向かって下り勾配となる姿勢で配置される。これにより、補強材10は全体として折れ線が三箇所の略V字型の断面形状となり、その左右両側がインナパネル4とインパクトバー8とに固定される。三本の折れ線は、互いに略平行となるように、車両前後方向に沿って配置される。また、補強材10が上方に開いた縦断面形状を有することから、補強材10の上方にはウィンドウガラス7の下端が入り込む余地が生じる。補強材10は、ウィンドウガラス7を最も下方まで下ろした状態であっても、その下端に干渉しない位置に取り付けられる。
第一補強面部12と第二補強面部13との境界となる谷部20は、ドア2に水平方向内側への荷重(側面衝突)が作用した場合に、インナパネル4とインパクトバー8との間に挟まれた補強面部12,13の間隔を狭めるとともに、下方へ屈曲,座屈することで荷重を吸収する機能を持つ。つまり、補強材10が水平方向の荷重に対して「くの字」に屈曲しやすくなるように、その補強面部12,13が「くの字型形状」に形成される。ただし、補強面部12,13の剛性,強度を著しく低く設定してしまうと、スピーカ6の周囲の剛性を高めることができないため、例えば衝突荷重がドア2に作用したような場合に初めて屈曲,座屈する程度の剛性,強度を設定することが好ましい。これにより、通常のスピーカ6の使用時にはスピーカ6の周囲の剛性が確保され、スピーカ6の音質向上が期待できる。
本実施形態の谷部20は、第一補強面部12と第二補強面部13とを緩やかに接続する曲面状に形成される。また、図4に示すように、谷部20の位置は、ウィンドウガラス7の下端部から鉛直下方となる位置に設定される。これにより、ウィンドウガラス7と補強材10との干渉を回避しつつ、できるだけ高い位置に補強材10を配置することが可能となる。また、図2に示すように、車室側から見たときの補強材10の固定位置は、スピーカ6の位置を基準として、ドア2の周縁部から離れた位置(車室内から見てスピーカ6の右上)に設定される。つまり、補強材10の固定位置は、スピーカ6よりもインナパネル4の中央側(図2中では右上側)に設定される。したがって、スピーカ6と比較すると、補強材10はアウタパネル3とインナパネル4との重合箇所(ドア2の周縁部)から離隔した位置に配置される。これにより、インナパネル4の膜振動の振幅抑制効果が高まり、スピーカ6の音質がさらに向上する。
図3に示すように、補強材10のうち車両前後方向の両端辺には、補強材10の内側に向かって略垂直に突設されたフランジ部15が形成される。フランジ部15は、第一固定部11,第二固定部14,補強面部12,13のそれぞれの縁端を折り曲げた鍔状の部位である。これにより、第一固定部11,第二固定部14,補強面部12,13といった各面部の剛性が向上する。
また、第一固定部11,第二固定部14,補強面部12,13の全面に渡って、補強材10の内側に向かって膨出した形状のリブ19が形成される。このリブ19は、補強材10を板厚方向にプレス加工して形成される。その成形形状は、補強材10の内側に向かって突出した突起部分が紐状に連設されたような形状である。これにより、補強材10の車幅方向に対する剛性がさらに向上する。
フランジ部15のうち、V字型の谷部20に対応する箇所は、水平方向の荷重に対して補強材10が折れ曲がりやすくなるように欠成される。同様に、第一固定部11と第一補強面部12との接続部に対応する箇所や、第二補強面部13と第二固定部14との接続部に対応する箇所も欠成される。これらの欠成箇所のうち、第一補強面部12のフランジ部15と第二補強面部13のフランジ部15とを分離するものを第一切り欠き部16と呼び、他を第二切り欠き部17と呼ぶ。
図3に示すように、これらの第一切り欠き部16,第二切り欠き部17は、車両前後方向に対をなすように配置される。つまり、第一切り欠き部16は、谷部20における車両前後方向の両端(前端及び後端)に設けられる。また、第二切り欠き部17は、第一固定部11の下端(第一固定部11と第一補強面部12との接続部)における車両前後方向の両端(前端及び後端)と、第二固定部14の下端(第二補強面部13と第二固定部14との接続部)における車両前後方向の両端(前端及び後端)とに設けられる。
第一切り欠き部16,第二切り欠き部17の隙間寸法は、水平方向の荷重に対する補強材10の変形形状に応じて設定される。例えば、補強材10を車幅方向に押し縮めようとすると、第一補強面部12と第二補強面部13とのなす角度が小さくなるように補強材10が変形しうる。これに対して、第一固定部11と第一補強面部12とのなす角度は大きくなり、第二補強面部13と第二固定部14とのなす角度も大きくなる。
これらのことから、第一切り欠き部16の隙間寸法は、第一補強面部12のフランジ部15と第二補強面部13のフランジ部15とが、補強材10の変形時に干渉しない程度に大きく設定しておくことが好ましい。反対に、第二切り欠き部17の隙間寸法は小さく設定しておいても機能的に支障がなく、例えば単純に切れ目を入れておくだけでも十分な効果が期待できる。したがって、第一切り欠き部16の隙間寸法は、第二切り欠き部17の隙間寸法よりも大きく設定することが好ましい。
[2.作用,効果]
(1)上記の車両用ドアの補強構造では、補強材10の第一固定部11と第二固定部14との間がV字型断面の補強面部12,13で接続される。これにより、スピーカ6の周囲の剛性を高めることができ、スピーカ6の音響性能を向上させることができる。
一方、ドア2に水平方向の荷重が作用した場合には、略V字型の補強面部12,13が下方へ屈曲,座屈するため、補強面部12,13を介してインナパネル4側に伝達される荷重を減少させることができる。したがって、インナパネル4やスピーカ6の車室内への進入を防止することができ、乗員保護性を向上させることができる。
(2)上記の補強構造では、補強面部12,13の縁端にフランジ部15が形成される。これにより、補強面部12,13の剛性やスピーカ6の周囲の剛性を高めることができ、スピーカ音質の更なる向上を図ることができる。また、フランジ部15を設けることで、補強面部12,13の平面部分での折れ曲がりが生じにくくなる。つまり、ドア2に水平方向の荷重が作用した場合には、補強面部12,13が谷部20(V字型の折れ線近傍)で折れ曲がりやすくなるため、意図しない変形を抑制することができ、乗員保護性をさらに向上させることができる。
(3)上記の補強構造では、フランジ部15のうち、谷部20に対応する箇所に、車両前後方向に一対の第一切り欠き部16が設けられる。これにより、ドア2に水平方向の荷重が作用した場合に、補強面部12,13の谷部20での屈曲,座屈を促すことができ、乗員保護性をさらに向上させることができる。また、このような屈曲,座屈によって第一補強面部12と第二補強面部13とのなす角度が小さくなったとしても、第一補強面部12のフランジ部15と第二補強面部13のフランジ部15とが干渉しにくくなる。したがって、意図しない変形を抑制することができ、乗員保護性をさらに向上させることができる。
(4)上記の補強構造では、フランジ部15のうち、二つの固定部11,14と補強面部12,13との接続部に対応する箇所に、車両前後方向に一対の第二切り欠き部17が設けられる。これにより、例えば第一補強面部12は第一固定部11との境界部分で折れ曲がりやすくなり、第二補強面部13は第二固定部14との境界部分で折れ曲がりやすくなる。つまり、ドア2に水平方向の荷重が作用した場合であっても、第一固定部11とインナパネル4との溶接や第二固定部14とインパクトバー8との溶接が切れにくくなる。したがって、インナパネル4とアウタパネル3との間の固定状態を維持しやすくすることができ、乗員保護性をさらに向上させることができる。
(5)上記の補強構造では、スピーカ6よりもドア2の中央側に補強材10が配置される。すなわち、補強材10の第一固定部11は、スピーカ6よりもドア2の中央側においてインナパネル4に固定される。これにより、例えば補強材10をインナパネル4の周縁部の近傍に配置した場合や、アウタパネル3とインナパネル4との重合箇所の近傍に配置した場合と比較して、インナパネル4の膜振動を効果的に抑制することができ、スピーカ6の音響性能をさらに向上させることができる。
(6)上記の補強構造では、アウタパネル3及びインナパネル4の周縁部間にインパクトバー8の両端部が挟み込まれて固定される。また、補強材10の第二固定部14は、そのインパクトバー8に対して固定される。このような構造により、車体の圧壊抵抗力を向上させつつ、スピーカ6の周囲の補強を実現することができ、かつ、乗員保護性も向上させることができる。
また、アウタパネル3に対して直接的に第二固定部14を固定するのと比較して、補強材10の車幅方向寸法を短縮することができ、スピーカ6の周囲の剛性を高めることができる。さらに、インパクトバー8が内蔵されている、既存の車両用ドアへの適用が容易であり、アウタパネル3の外観に影響を与えることなく補強材10を追加することができるというメリットもある。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、車両1の左右両側面のドア2に関する補強構造について詳述したが、例えば補強材10をハッチバックドアの内部に取り付けることも可能である。少なくとも、インナパネル4とアウタパネル3との間にスピーカ6が配置された車両用ドアであれば、上述の実施形態と同様の補強構造を適用することが可能である。
なお、補強材10の第一固定部11は、インナパネル4に対して直接的に固定されていてもよいし、何らかの部材(例えば、スピーカ6をインナパネル4に取り付けるためのキャリアプレート)を介して間接的に固定されてもよい。同様に、第二固定部14は、アウタパネル3に対して直接的に固定されてもよく、何らかの部材(例えば、車両用ドアを補強するリンフォース部材)を介して間接的に固定されてもよい。何れの構造においても、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
また、上述の実施形態では、補強面部12,13の縦断面形状が略V字状に形成されたものを例示したが、補強面部12,13の具体的な形状はこれに限定されない。補強面部12,13は、少なくとも下方に向かって膨出した形状であればよく、例えば上方に向かって開いたU字状に形成してもよいし、W字状やM字状に形成してもよい。このように、水平方向の荷重に対して「くの字」に屈曲しやすい断面形状を採用することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
1 車両
2 ドア
2A ウィンドウフレーム
2B ドアボディ
3 アウタパネル
4 インナパネル
4A 開口部
5 ドアトリム
6 スピーカ
7 ウィンドウガラス
8 インパクトバー
9 スピーカグリル
10 補強材
11 第一固定部
12 第一補強面部(補強面部)
13 第二補強面部(補強面部)
14 第二固定部
15 フランジ部
16 第一切り欠き部
17 第二切り欠き部
19 リブ
20 谷部

Claims (5)

  1. スピーカを内蔵する車両用ドアの補強構造であって、
    前記スピーカが取り付けられるインナパネルに対して固定された第一固定部と、
    前記インナパネルよりも車両外側のアウタパネルに対して固定された第二固定部と、
    前記第一固定部と前記第二固定部との間を接続する面状であって上方に向かって開いたV字型の縦断面形状に形成され、下方へ向かって膨出する補強面部と、
    前記補強面部の縁端から前記補強面部に垂直な方向に向かって突設されたフランジ部と、
    前記フランジ部のうち前記V字型の谷部に対応する箇所を欠成してなる第一切り欠き部と
    を備えたことを特徴とする、車両用ドアの補強構造。
  2. 前記フランジ部のうち前記補強面部と前記第一固定部及び前記第二固定部との接続部に対応する箇所を欠成してなる第二切り欠き部
    を備えたことを特徴とする、請求項記載の車両用ドアの補強構造。
  3. スピーカを内蔵する車両用ドアの補強構造であって、
    前記スピーカが取り付けられるインナパネルに対して固定された第一固定部と、
    前記インナパネルよりも車両外側のアウタパネルに対して固定された第二固定部と、
    前記第一固定部と前記第二固定部との間を接続する面状に形成され、下方へ向かって膨出する補強面部と、
    前記補強面部の縁端から前記補強面部に垂直な方向に向かって突設されたフランジ部と、
    前記フランジ部のうち前記補強面部と前記第一固定部及び前記第二固定部との接続部に
    対応する箇所を欠成してなる第二切り欠き部と
    を備えたことを特徴とする、車両用ドアの補強構造。
  4. 前記第一固定部が、前記スピーカよりも前記車両用ドアの中央側に配置される
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の車両用ドアの補強構造。
  5. 前記第二固定部が、前記車両用ドアに内蔵されるインパクトバーを介して前記アウタパネルに固定される
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の車両用ドアの補強構造。
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