JP6992491B2 - 表示装置、表示方法、およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、座標系を表示するための表示装置、表示方法及びその制御プログラムに関する。
従来、表示装置の画面に設定したX,Y,Zの座標系(3次元座標系)において、立体図形を描画する図形描画装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005-182125号公報
前記図形描画装置において、表示装置の画面に設定したX,Y,Zの座標系(3次元座標系)の特定点(例えば、原点O(0,0,0))が、例えば、特に、画面に表示されている座標範囲内に位置しているが、画面に描画した立体図形の座標からは大きく離れていたり、前記画面に表示されている座標範囲外に位置していたりする場合、画面に表示されている座標範囲に対し、特定点が何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握することが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置を分かり易く表示することが可能な表示装置、表示方法及びその制御プログラムを提供することである。
本発明に係る表示装置は、少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示に関連して描画し、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させる制御部、を備えている。
本発明の実施形態に係る表示装置10としてのグラフ関数電卓10Fの外観構成を示す正面図。 本発明の実施形態に係る表示装置10としてのタブレット端末10Tの外観構成を示す正面図。 前記表示装置10(10F/10T)の電子回路の構成を示すブロック図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能により設定された3D空間Adの原点Oが当該3D空間Adの外側に位置する場合の3つのパターン(面共有/辺共有/点共有)を説明する図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能により3D空間Adに対して実施する第1の特定点相対位置識別表示を説明する図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能に従い表示される、(A)3D空間設定画面Gv、(B)原点表示設定画面Gs、(C)3Dグラフ式入力画面Gfの一例を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理を示すフローチャート。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が点共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が点共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する第1の特定点相対位置識別表示の他の実施例を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その1)を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その2)を示す図。 前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例を示す図である。 前記表示装置10の第2実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能に応じた3D空間Adに対する特定点相対位置識別表示の一例を示す図である。 前記表示装置10の第3実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能に応じた3D空間Adに対する特定点相対位置識別表示の一例を示す図である。
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の実施形態に係る表示装置10としてのグラフ関数電卓10Fの外観構成を示す正面図である。
図1Bは、本発明の実施形態に係る表示装置10としてのタブレット端末10Tの外観構成を示す正面図である。
前記表示装置10は、前記グラフ関数電卓10Fやタブレット端末10Tとして構成する他、3次元座標系に図形を描画する3Dグラフ(図形)表示制御プログラムが実装されたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タッチパネル式PDA(personal digital assistants)、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成することができる。
なお、前記グラフ関数電卓10Fのような物理的なキー(ボタン)が実装されていない前記タブレット端末10Tのような表示装置10は、前記グラフ関数電卓10Fのキーと同様なソフトウェアキーボードを表示出力部12の画面に表示し、このソフトウェアキーボードに対する入力操作に応じて処理を実行する。
前記グラフ関数電卓10Fは、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、このグラフ関数電卓10の本体正面にはキー入力部11および表示出力部12が設けられる。
前記キー入力部11には、数値や数式を入力したり計算の実行を指示したりするための数値・演算記号キー群111、各種の関数を入力したりメモリ機能を立ち上げたりするための関数機能キー群112、各種動作モードのメニュー画面を表示させたり動作モードの設定を指示したりするためのモード設定キー群113、前記表示出力部12の表示画面内に表示画面の下端に沿って表示された各種の機能を1回のキー操作で立ち上げるためのファンクションキー群114、前記表示出力部12に表示されたカーソルの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー115が備えられる。
前記数値・演算記号キー群111としては、[0]~[9](数値)キー、[+][-][×][÷](四則記号)キー、[EXE](実行)キー、[AC](クリア)キーなどが配列される。
前記関数機能キー群112としては、[log](対数)キー、[sin](サイン)キー、[cos](コサイン)キー、[tan](タンジェント)キーなどが配列される。
前記モード設定キー群113としては、[MENU](メニュー)キー、[SHIFT](シフト)キー、[OPTN](オプション)キーなどが配列される。
前記ファンクションキー群114としては、[F1]キー~[F6]キーが配列される。
なお、前記数値・演算記号キー群111、関数機能キー群112、前記モード設定キー群113、前記ファンクションキー群114のキーは、[SHIFT]キーが操作された後に続けて操作されることで、そのキートップに記載されたキー機能ではなく、そのキーの上方に記載されたキーとして機能できるようになっている。例えば、[SHIFT]キー操作後に[AC]キーが操作(以下、[SHIFT]+[AC]キーと記す。)されると[OFF](電源オフ)キーとなる。[SHIFT]+[MENU]キーは[SET UP](セットアップ)キー、[SHIFT]+[F3]キーは[V-Window](ビューウインドウ)キーとなる。
前記グラフ関数電卓10Fの表示出力部12は、ドットマトリクス型の液晶表示ユニットであり、入力操作を受け付け可能には構成されていない。前記タブレット端末10Tの表示出力部12は、その最外面にタッチパネルが一体化して設けられていて、入力操作を受け付け可能に構成されている。
図1A、図1Bは、表示出力部12の画面に設定された3次元座標系である3D空間(ビューウインドウ)Ad(ここでは、Xmin~Xmax:1~5、Ymin~Ymax:-3~3、Zmin~Zmax:-3~3)において、入力を受け付けた数式が「Z=XY」であった場合に、これに対応する3DグラフFPを前記表示出力部12の3Dグラフ画面Gdに描画して表示させた状態を示す。
前記3D空間(ビューウインドウ)Adとして設定した座標(Xmin~Xmax:1~5、Ymin~Ymax:-3~3、Zmin~Zmax:-3~3)において、その原点O(0,0,0)は、当該3D空間Adの外側(ここでは、3D空間Adを示すY軸方向線Ya,YbとZ軸方向線Za,Zbとに囲まれた面を共有する外側の空間(面共有空間))に位置する。
本実施形態では、3DグラフFPに対する原点Oとの位置関係を分かり易くするため、以下(1)(2)(3)に説明する識別表示を実施する(図7A,図7B参照)。
(1)3D空間Adを示す12本の線(X軸方向線Xa,Xb,Xc,Xd、Y軸方向線Ya,Yb,Yc,Yd、Z軸方向線Za,Zb,Zc,Zd)のうち、X値、Y値、Z値が何れも最小になる3D空間最小点Mを起点とする3本(3次元方向)のX軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaに対して、それぞれ赤R、緑G、青Bの表示色を割り当て、前記原点Oに近いほど濃色で遠いほど薄色になる赤グラデーション表示Rgr、緑グラデーション表示Ggr、青グラデーション表示Bgrを実施する。以下、本明細書では、それぞれ4つのX軸方向線、Y軸方向線、および、Z軸方向線を互いに区別しない場合、X軸方向線X、Y軸方向線Y、および、Z軸方向線Zと呼称する。
(2)原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する面(Y軸方向線Ya,YbとZ軸方向線Za,Zbとに囲まれた面)の当該原点Oから垂線を下した位置に、当該原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークPを赤色で表示させる。なお、原点Oの位置する空間(面共有空間、線共有空間、点共有空間)については、後述する。
(3)原点Oの位置する空間と共有する面(Y軸方向線Ya,YbとZ軸方向線Za,Zbとに囲まれた面)の当該原点Oから垂線を下した位置から、当該原点Oの方向を示す原点方向矢印Vを表示させる。
なお、(1)に説明したX軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaに対する赤、青、緑のグラデーション表示Rgr、Ggr、Bgrによる第1の特定点相対位置識別表示と、(2)に説明した原点方向マークPによる第2の特定点相対位置識別表示と、(3)に説明した原点方向矢印Vによる第3の特定点相対位置識別表示とは、何れか1種類の特定点相対位置識別表示を行なうだけでもよいし、図示したように3種類、または何れか2種類の特定点相対位置識別表示を組み合わせて行なってもよい。
また、原点Oは、表示してもよいし表示しなくてもよい。表示出力部12の画面に設定された3次元座標系において、原点Oが、前記表示出力部12の3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲外に位置する場合は、原点Oを表示できない。
これにより、3Dグラフ(図形)FPを描画した3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adの外側に離れていたり、さらに離れて3Dグラフ画面Gdの外側に位置していたりする場合でも、画面に表示されている当該3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
なお、図1A等に示したように、図1A等を正面視したときに、3D空間Adのうちの左下の頂点が3D空間最小点Mであり、一般的な3次元座標系の表現と類似している場合であっても、3D空間Adに対する原点O(0,0,0)の相対位置はわかりにくい。しかしながら、この3D空間Adを360°全方位に回転可能に操作できるように、この3Dグラフ(図形)描画機能が設計されていて、3D空間Adのうちの他の頂点が3D空間最小点Mであった場合や、3D空間Adの各面が傾いていたりする場合には、3D空間Adに対する原点O(0,0,0)の相対位置は、より一層わかりにくい。上記の構成によれば、これらのようなわかりにくい場合においても、画面に表示されている当該3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
ここで、本実施形態の表示装置10における3Dグラフ描画処理の概略について説明する。
本実施形態の3Dグラフ描画処理には、3Dグラフ(図形)の表面をポリゴン(グリッド)の集合としてモデル化する描画手法を用いる。
すなわち、3Dグラフ(図形)を描画するための数式とそのパラメータに従って、描画対象となる図形の面を構成する座標列が演算処理されて算出され、算出された座標列間を縦横に結ぶ線により細分割されて生成される各ポリゴン(グリッド)の領域(単位描画領域)を塗りつぶした面として描画することで、前記3Dグラフ(図形)を表示させる。
図2は、前記表示装置10(10F/10T)の電子回路の構成を示すブロック図である。
前記表示装置10の電子回路は、前記キー入力部11および表示出力部12に加えて、コンピュータであるCPU21と、メモリ22と、記録媒体読取部24、通信部25とを備えている。
前記CPU21は、メモリ22に記憶されている3Dグラフ(図形)表示制御プログラム22aに従い回路各部の動作を制御し、キー入力部11からのキー入力信号に応じた各種の演算処理を実行する。この3Dグラフ表示制御プログラム22aは、メモリ22に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体23から記録媒体読取部24を介してメモリ22に読み込まれて記憶されたものであってもよい。この3Dグラフ表示制御プログラム22aは、ユーザがキー入力部11の操作によって書き換えできないようになっている。
前記メモリ22には、このようなユーザ書き換え不可能な情報の他に、ユーザが書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、前記キー入力部11によりキー入力されたキーコードのデータが順次入力され、これにより構成される数式のデータや表データ、グラフデータ等が記憶されるエリアが確保されている。
また、前記メモリ14の書き換え可能なデータを記憶するエリアには、V-Windowデータエリア22b、3Dグラフ式データエリア22c、原点表示設定データエリア22d、3Dグラフ描画データエリア22e、表示データエリア22fが確保されている。
前記V-Windowデータエリア22bには、前記[V-Window](ビューウインドウ)キーの操作によって表示出力部12に表示される3D空間設定画面Gv(図5(A)参照)において、ユーザ操作に応じて入力された(又は予め設定された)3Dグラフ(図形)描画のための3D空間Ad(Xmin,max/Ymin,max/Zmin,max)のデータとグリッド(ポリゴン)の分割数(grid)のデータが記憶される。
前記3Dグラフ式データエリア22cには、前記[MENU](メニュー)キーの操作に従い表示される動作メニュー(図示せず)から3Dグラフ(図形)を描画するためのアイコン[3D-Graph]を選択して表示出力部12に表示される3Dグラフ式入力画面Gf(図5(C)参照)において、ユーザ操作に応じて入力されたグラフ式とそのパラメータのデータが記憶される。なお、前記3Dグラフ式入力画面Gfに従い入力されるグラフ式は、予め設定された複数のグラフ式の中からユーザ操作に応じて指定されたグラフ式が入力されるものでもよい。
前記原点表示設定データエリア22dには、前記3D空間設定画面(図5(A)参照)の内容をスクロールして表示される原点表示設定画面Gs(図5(B)参照)において、ユーザ操作に応じて入力された(又は予め設定された)特定点相対位置識別表示のためのデータが記憶される。
本実施形態において、前記特定点相対位置識別表示のためのデータとは、前記第1~第3の特定点相対位置識別表示の種類を指定するデータを含み、第1の特定点相対位置識別表示を指定した場合、X軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaの各々に対し表示色を指定するデータも含む。
前記3Dグラフ描画データエリア22eには、前記3Dグラフ式データエリア22cに記憶された3Dグラフ(図形)のグラフ式とそのパラメータのデータに基づいて、3Dグラフ(図形)の描画データ(図形の面をグリッド(多角形)の集合で構成する各グリッドの頂点座標)のデータが記憶される。
前記表示データエリア22eは、前記表示出力部12を構成する液晶表示ユニットの表示サイズに対応したメモリエリアを有し、このメモリエリアには、前記液晶表示ユニットに表示させるべき表示データがビットマップデータ(ここでは前記3D空間Adを表すデータと特定点相対位置識別表示を表すデータと3Dグラフ(図形)の描画データとに応じて展開したカラーのビットマップデータ)として記憶される。
図3は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能により設定された3D空間Adの原点Oが当該3D空間Adの外側に位置する場合の3つのパターン(面共有/辺共有/点共有)を説明する図である。
3D空間Adの外側の空間は、平行六面体(立方体)形状である3D空間Adの境界を構成する6つの矩形(正方形)を含む6つの平面により、便宜上、下記の3種類のいずれかの類型にそれぞれが分類される、26個の空間に互いに区切ることができる。前記3D空間設定画面(図5(A)参照)に従い設定された3D空間Adの原点Oが3D空間Adの外側に存在する場合、原点Oは、これらの26個の空間のうちのいずれか少なくとも1つの空間に属する。なお、本明細書では、3種類のうちのいずれかの類型に分類される各空間のことを「共有空間」と称する。また、原点Oが26個の空間のうちの2つ以上の空間に属する場合、それら2つ以上の空間のいずれか1つの空間に属するものとみなせる。
第1の類型の共有空間は、図3(A)に示すように、3D空間Adを構成する6面体の各面を共有して隣接する6方向の面共有空間M1~M6である。以下、本明細書では、面共有空間M1~M6の何れかに原点Oが存在する場合を、面共有パターンと呼称する。
第2の類型の共有空間は、図3(B)に示すように、3D空間Adを構成する6面体の各辺を共有して隣接する12方向の辺共有空間H1~H12である。以下、本明細書では、辺共有空間H1~H12の何れかに原点Oが存在する場合を、辺共有パターンと呼称する。
第3の類型の共有空間は、図3(C)に示すように、3D空間Adを構成する6面体の各頂点を共有して隣接する8方向の点共有空間T1~T8である。以下、本明細書では、点共有空間T1~T8の何れかに原点Oが存在する場合を、点共有パターンと呼称する。
前記図1A、図1Bを参照して説明した3D空間Adに対応する原点Oの場合は、当該3D空間AdのY軸方向線Ya,YbとZ軸方向線Za,Zbとに囲まれた面を共有する面共有空間に位置する面共有パターンに相当する。当該面共有パターンに相当する場合も含めて、辺共有パターンに相当する場合と、点共有パターンに相当する場合とにおける第1~第3の特定点相対位置識別表示については、本表示装置10の動作説明において後述する。
図4は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能により3D空間Adに対して実施する第1の特定点相対位置識別表示を説明する図である。
ここでは、3D空間AdのX,Y,Zの各軸方向線のうち、X軸方向線Xに実施した第1の特定点相対位置識別表示を例にして説明する。
第1の特定点相対位置識別表示は、3D空間Adを構成する辺であるX軸方向線Xに、当該3D空間Adの原点Oに近いほど濃色となり遠いほど薄色になるグラデーション表示grとして実施する。
すなわち、3D空間Adと原点Oとの位置関係が、Xmin<0<Xmaxを満たす場合は、図4(A)に示すように、X軸方向線Xの“X=0”の位置Px(0,Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、両端((Xmin,Ymin,Zmin)と(Xmax,Ymin,Zmin))に向かって薄色になるグラデーション表示grとする。3D空間Adと原点Oとの位置関係が0<Xminを満たす場合は、図4(B)に示すように、X軸方向線Xの一端Px(Xmin(<0),Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、他端(Xmax,Ymin,Zmin)が最も薄色になるグラデーション表示grとする。3D空間Adと原点Oとの位置関係がXmax<0を満たす場合は、図4(C)に示すように、当該軸Xの一端Px(Xmax(<0),Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、他端(Xmin,Ymin,Zmin)が最も薄色になるグラデーション表示grとする。
このように構成された表示装置10(10F/10T)は、前記CPU21が前記3Dグラフ表示制御プログラム22aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような3Dグラフ(図形)描画機能を実現する。
次に、前記構成の表示装置10(10F/10T)の動作について説明する。
図5は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画機能に従い表示される、(A)3D空間設定画面Gv、(B)原点表示設定画面Gs、(C)3Dグラフ式入力画面Gfの一例を示す図である。
図6は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理を示すフローチャートである。
図7Aは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図である。
図7Bは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図である。
ユーザ操作に応じて、図5(A)に示すように、表示出力部12に表示させた3D空間設定画面Gvにおいて、ユーザ操作に応じて入力された(又は予め設定された)3D空間Ad(Xmin,max/Ymin,max/Zmin,max)とグリッド(ポリゴン)の分割数(grid)が設定されると、当該3D空間Adの設定データがメモリ22内のV-Windowデータエリア22bに記憶される(ステップS1)。
ここでは、3D空間Ad(Xmin~Xmax:1~5、Ymin~Ymax:-3~3、Zmin~Zmax:-3~3)に設定されたと仮定する。
ユーザ操作に応じて、図5(B)に示すように、表示出力部12に表示させた原点表示設定画面Gsにおいて、ユーザ操作に応じて(又は予め設定された)、特定点相対位置識別表示の種類(第1~第3の特定点相対位置識別表示の何れか又は組み合わせ)が設定されると(第1の特定点相対位置識別表示を設定した場合、X軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaの表示色も設定される)、当該特定点相対位置識別表示のための設定データがメモリ22内の原点表示設定データエリア22dに記憶される(ステップS2)。
ここでは、第1~第3の特定点相対位置識別表示の3種類の組み合わせが設定され、X軸方向線Xaの表示色が赤R、Y軸方向線Yaの表示色が緑G、Z軸方向線Zaの表示色が青Bに設定されたと仮定する。
ユーザ操作に応じて、図5(C)に示すように、表示出力部12に表示させた3Dグラフ式入力画面Gfにおいて、ユーザ操作に応じた任意のグラフ式(又は予め設定されたグラフ式)が入力されると、当該入力されたグラフ式(ここでは「Z=XY」)のデータがメモリ22内の3Dグラフ式データエリア22cに記憶される(ステップS3)。
そして、[EXE]キーの操作により3Dグラフ(図形)の描画の実行が指示されると(ステップS4(Yes))、V-Windowデータエリア22bから読み出された3D空間Adの設定データと、原点表示設定データエリア22dから読み出された特定点相対位置識別表示のための設定データと、3Dグラフ式データエリア22cから読み出されたグラフ式のデータ「Z=XY」とに基づいて、図7Aに示すように、3D空間Adと、第1の特定点相対位置識別表示(赤グラデーション表示Rga,緑グラデーション表示Gga,青グラデーション表示Bga)と、第2の特定点相対位置識別表示(原点方向マークP)と、第3の特定点相対位置識別表示(原点方向矢印V)と、3DグラフFPと、を描画した3Dグラフ画面Gdが表示出力部12に表示される(ステップS5)。
具体的には、3D空間Adの設定データ(Xmin~Xmax:1~5、Ymin~Ymax:-3~3、Zmin~Zmax:-3~3)に基づいて、数値範囲1~5のX軸方向線Xa,Xb,Xc,Xcと、数値範囲-3~3のY軸方向線Ya,Yb,Yc,Ydと、数値範囲-3~3のZ軸方向線Za,Zb,Zc,Zdとからなる3D空間(ある範囲)Adが描画される。また、特定点相対位置識別表示のための設定データ(第1~第3の特定点相対位置識別表示の3種類の組み合わせ/X軸方向線Xa;赤R、Y軸方向線Ya;緑G、Z軸方向線Za;青B)に基づいて、第1の特定点相対位置識別表示(X軸方向線Xaの赤グラデーション表示Rga、Y軸方向線Yaの緑グラデーション表示Gga、Z軸方向線Zaの青グラデーション表示Bga)と、第2の特定点相対位置識別表示(原点Oが存在する面共有空間と3D空間Adとの共有面に対し当該原点Oから垂線を下した位置である原点方向マークP)と、第3の特定点相対位置識別表示(上記の原点方向マークPから原点Oへの方向を示すベクトルである原点方向矢印V)と、が描画される。そして、グラフ式のデータ「Z=XY」に基づいて、当該グラフ式「Z=XY」に対応する3DグラフFPが描画される。ここで、図7A、および、図7Bでは、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内に原点Oが存在しているので、原点方向矢印Vは、原点方向マークPを始点とし、原点Oを終点とした矢印で表現されている。3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲外に原点Oが存在している場合には、原点方向マークPを始点とし、かつ、原点方向マークPおよび原点Oを通る直線の方向に延びる矢印であって、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内の点を終点とした矢印で表現してもよい。
なお、図7Bは、図7Aと同様に、3D空間Adの原点Oの位置が面共有パターンに相当する場合であって、前記第1の特定点相対位置識別表示(Rga、Gga、Bga)と、第2の特定点相対位置識別表示(原点方向マークP)と、第3の特定点相対位置識別表示(原点方向矢印V)とを見易くするために、3DグラフFPを省略して示している。
図8Aは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図である。
図8Bは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図である。
3D空間Adの原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合、原点Oに近いほど濃色で遠いほど薄色になるX軸方向線Xaの赤グラデーション表示Rgaと、Y軸方向線Yaの緑グラデーション表示Ggaと、Z軸方向線Zaの青グラデーション表示Bgaとにより、第1の特定点相対位置識別表示が実施される。一方、原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する辺(ここでは、Z軸方向線Za)に対し当該原点Oから垂線を下した位置である特定点相対位置マークPを、当該原点Oに最も近い位置であることを示す点として表示することにより、第2の特定点相対位置識別表示が実施される。また、上記の原点方向マークPから原点Oへの方向を示すベクトルである原点方向矢印Vを表示することにより、第3の特定点相対位置識別表示を実施する。ここで、図8A、および、図8Bでは、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内に原点Oが存在しているが、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲外に原点Oが存在している場合には、原点方向マークPを始点とし、かつ、原点方向マークPおよび原点Oを通る直線の方向に延びる矢印であって、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内の原点Oとは異なる点を終点とした矢印で表現される。
なお、図8Bは、図8Aと同様に、3D空間Adの原点Oの位置が辺共有パターンに相当する場合であって、前記第1の特定点相対位置識別表示(Rga、Gga、Bga)と、第2の特定点相対位置識別表示(原点方向マークP)と、第3の特定点相対位置識別表示(原点方向矢印V)とを見易くするために、3DグラフFPを省略して示している。
図9Aは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が点共有空間に位置する場合の3Dグラフ(図形)の表示状態を示す図である。
図9Bは、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adの原点Oの位置が点共有空間に位置する場合の第1~第3の特定点相対位置識別表示の表示状態を示す図である。
3D空間Adの原点Oの位置が点共有空間に位置する場合、原点Oに近いほど濃色で遠いほど薄色になるX軸方向線Xaの赤グラデーション表示Rgaと、Y軸方向線Yaの緑グラデーション表示Ggaと、Z軸方向線Zaの青グラデーション表示Bgaとにより、第1の特定点相対位置識別表示が実施される。一方、原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する点(ここでは、X軸方向線XaとY軸方向線YaとZ軸方向線Zaとの頂点)に対し当該原点Oから垂線を下した位置である原点方向マークPを、当該原点Oに最も近い位置であることを示す点として表示することにより、第2の特定点相対位置識別表示が実施される。また、上記の原点方向マークPから原点Oへの方向を示すベクトルである原点方向矢印Vを表示することにより、第3の特定点相対位置識別表示を実施する。ここで、図9A、および、図9Bにおいても、図8A、および、図8Bと同様、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内に原点Oが存在しているが、原点方向マークPを始点とし、かつ、原点方向マークPおよび原点Oを通る直線の方向に延びる矢印であって、3Dグラフ画面Gdに表示可能な座標範囲内の原点Oとは異なる点を終点とした矢印で表現されている。
なお、図9Bは、図9Aと同様に、3D空間Adの原点Oの位置が点共有パターンに相当する場合であって、前記第1の特定点相対位置識別表示(Rga、Gga、Bga)と、第2の特定点相対位置識別表示(原点方向マークP)と、第3の特定点相対位置識別表示(原点方向矢印V)とを見易くするために、3DグラフFPを省略して示している。
図10は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する第1の特定点相対位置識別表示の他の実施例を示す図である。
前記図1A、図1B、図7A~図9Bを参照して説明した第1の特定点相対位置識別表示の実施例では、3D空間Adを示す12本の線(X軸方向線Xa,Xb,Xc,Xd、Y軸方向線Ya,Yb,Yc,Yd、Z軸方向線Za,Zb,Zc,Zd)のうち、X値、Y値、Z値が何れも最小になる3D空間最小点Mを起点とする3本(3次元方向)のX軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaに対して、それぞれ赤R、緑G、青Bの表示色を割り当て、前記原点Oに近いほど濃色で遠いほど薄色になる赤グラデーション表示Rgr、緑グラデーション表示Ggr、青グラデーション表示Bgrを実施した。
これに対し、第1の特定点相対位置識別表示の他の実施例では、図10に示すように、3D空間Adを示す12本の線のうち、4本全てのX軸方向線Xa,Xb,Xc,Xdに対して赤グラデーション表示Rgrを実施し、4本全てのY軸方向線Ya,Yb,Yc,Ydに対して緑グラデーション表示Ggrを実施し、4本全てのZ軸方向線Za,Zb,Zc,Zdに対して青グラデーション表示Bgrを実施する構成としてもよい。
これによれば、3D空間Adの原点Oが存在する方向をさらに明確に表現できるようになる。
なお、図10で示す他の実施例では、図示を分かり易くするため、3D空間Adの原点Oが当該3D空間Ad内の中央に位置する場合、すなわち、Xmin<0<Xmax、Ymin<0<Ymax、Zmin<0<Zmaxである場合を示し、X軸方向線Xa,Xb,Xc,Xd、Y軸方向線Ya,Yb,Yc,Yd、Z軸方向線Za,Zb,Zc,Zdの何れも、その中央が濃色になり両端が薄色になるように表示される。
図11は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その1)を示す図である。
前記図1A、図1B、図7A,図7Bを参照して説明した第2の特定点相対位置識別表示の実施例では、3D空間Adに対する原点Oの位置が面共有パターンに相当する場合に、当該原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する面(ここでは、Y軸方向線Ya,YbとZ軸方向線Za,Zbとに囲まれた面)に対し当該原点Oから垂線を下した位置に、当該原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークPを赤色で表示させる構成とした。
これに対し、第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その1)では、図11に示すように、原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する面に表示させた原点方向マークPに加えて、当該面に平行な座標軸(ここでは、Y軸線とZ軸線)の座標値が正の部分(ここでは、Y>0とZ>0)に対応する写像線分Ly,Lzを、例えば点線により表示させる構成としてもよい。
これによれば、原点方向マークPを表示させた3D空間Adの面を分かり易く表示させ、原点Oが存在する方向をさらに明確に表現できるようになる。さらには、3Dグラフ画面Gdにおける座標軸の正の向きもわかりやすくなる。
図12は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が面共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その2)を示す図である。
図12に示すように、第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例(その2)では、原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する面に表示させた原点方向マークPに加えて、当該面自体を、例えば薄色に色付けしたり点線を描画したりして識別表示Hさせる。
これによれば、原点方向マークPを表示させた3D空間Adの面を、さらに分かり易く表示させ、原点Oが存在する方向をさらに明確に表現できるようになる。
図13は、前記表示装置10の3Dグラフ(図形)描画処理に従い設定された3D空間Adに対する原点Oの位置が辺共有空間に位置する場合の第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例を示す図である。
前記図8A,図8Bを参照して説明した第2の特定点相対位置識別表示の実施例では、3D空間Adに対する原点Oの位置が辺共有パターンに相当する場合に、当該原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する辺(ここでは、Z軸方向線Za)の当該原点Oから垂線を下した位置に、当該原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークPを赤色で表示させる構成とした。
これに対し、第2の特定点相対位置識別表示の他の実施例では、図13に示すように、原点Oの位置する空間と3D空間Adとが共有する辺(ここでは、Z軸方向線Za)に表示させた原点方向マークPに加えて、当該辺(Z軸方向線Za)自体を、例えば他の辺よりも太線にして識別表示Hさせる。
これによれば、原点方向マークPを表示させた3D空間Adの辺を、分かり易く表示させ、原点Oが存在する方向をさらに明確に表現できるようになる。なお、識別表示Hは、原点方向マークPが存在する辺(Z軸方向線Za)が、他の辺と区別できればよいので、太線に限らず、当該辺を点滅表示したり、予め定めた目立ちやすい色を使って描画したりしてもよい。
したがって、前記構成の表示装置10の第1実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能によれば、3D空間Adを示す12本の線(X軸方向線Xa,Xb,Xc,Xd、Y軸方向線Ya,Yb,Yc,Yd、Z軸方向線Za,Zb,Zc,Zd)のうち、X値、Y値、Z値が何れも最小になる3D空間最小点Mを起点とする3本(3次元方向)のX軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaに対して、それぞれ赤R、緑G、青Bの表示色を割り当て、前記3D空間Adの原点Oに近いほど濃色で遠いほど薄色になる赤グラデーション表示Rgr、緑グラデーション表示Ggr、青グラデーション表示Bgr(第1の特定点相対位置識別表示)を実施する。
これにより、3Dグラフ(図形)FPを描画した3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adの外側に離れていたり、さらに離れて3Dグラフ画面Gdの外側に位置していたりする場合でも、画面に表示されている3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
しかも、3D空間Adの3D空間最小点Mを起点とする3本(3次元方向)のX軸方向線Xa、Y軸方向線Ya、Z軸方向線Zaに対して、原点Oの方向を示す赤グラデーション表示Rgr、緑グラデーション表示Ggr、青グラデーション表示Bgr(第1の特定点相対位置識別表示)を施すことで、この3D空間Adを360°全方位に回転可能に操作できるように、この3Dグラフ(図形)描画機能が設計されていて、3D空間Adのうちの他の頂点が3D空間最小点Mであった場合や、3D空間Adの各面が傾いていたりする場合でも、当該3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
また、前記構成の表示装置10の第1実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能によれば、3D空間Adに対する原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adと面を共有する外側の空間(面共有空間)にある場合は、当該3D空間Adの前記面共有空間と共有する面の前記原点Oから垂線を下した位置に、原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークP(第2の特定点相対位置識別表示)を表示させる。また、前記3D空間Adに対する原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adと辺を共有する外側の空間(辺共有空間)にある場合は、当該3D空間Adの前記辺共有空間と共有する辺の前記原点Oから垂線を下した位置に、原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークP(第2の特定点相対位置識別表示)を表示させる。また、前記3D空間Adに対する原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adと頂点を共有する外側の空間(点共有空間)にある場合は、当該3D空間Adの前記点共有空間と共有する点(頂点)に、原点Oに最も近い位置であることを示す原点方向マークP(第2の特定点相対位置識別表示)を表示させる。
これによれば、前記第1の特定点相対位置識別表示を実施した場合と同様に、画面に表示されている3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
また、前記構成の表示装置10の第1実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能によれば、前記3D空間Adに対する原点O(0,0,0)が、前記面共有空間、辺共有空間、点共有空間の何れに位置する場合でも、前記原点方向マークP(第2の特定点相対位置識別表示)を表示させた面または辺または頂点の位置から原点Oへの方向を示すベクトルである原点方向矢印V(第3の特定点相対位置識別表示)を表示させる。
これによれば、前記第1、第2の特定点相対位置識別表示を実施した場合と同様に、画面に表示されている3D空間Adに対し、原点Oが何れの方向に存在するのかを、ユーザは、直観的に把握できるようになる。
(第2実施形態)
図14は、前記表示装置10の第2実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能に応じた3D空間Adに対する特定点相対位置識別表示の一例を示す図である。
3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adの外側の空間(面共有空間または辺共有空間または点共有空間)にある場合、図14に示すように、当該3D空間Adの中央点Cpから原点Oの方向を示す原点方向矢印Vcを表示させてよい。
また、3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adの外側の空間(面共有空間または辺共有空間または点共有空間)にある場合、図14に示すように、前記3D空間Adの中央点Cpと原点Oとを結ぶ線分(原点O迄の距離に相当)Lを表示させてよい。
さらに、3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Adの外側の空間(面共有空間または辺共有空間または点共有空間)にある場合、図14に示すように、当該3D空間Adの中央点Cpと原点Oとを結ぶ直線と、X軸方向線Xa,XbおよびZ軸方向線Za,Zdに囲まれた面との交点をPsとし、当該交点Psを始点とし、始点Psから原点Oの方向を示す原点方向矢印Vsを表示させてよい。第2実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能では、上述のように識別表示することで、第1実施形態と同様に、3D空間Adに描画した3Dグラフ(図形)FPに対する原点Oとの位置関係を直観的に把握できるように構成することができる。
(第3実施形態)
図15は、前記表示装置10の第3実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能に応じた3D空間Adに対する特定点相対位置識別表示の一例を示す図である。
第3実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能では、3D空間Adの原点O(0,0,0)が、当該3D空間Ad内にある場合でも、当該3D空間Adの中央点Cpから原点Oの方向を示す原点方向矢印Vcを表示させることで、原点Oの位置を直観的に把握できるように構成する。なお、原点Oの表示は行っても行わなくてもよい。
以上のように、前記表示装置10の第1~第3実施形態の3Dグラフ(図形)描画機能によれば、その何れの実施形態においても、例えば、3D空間AdのX軸方向線(Xa,Xb,Xc,Xd)、Y軸方向線(Ya,Yb,Yc,Yd)、Z軸方向線(Za,Zb,Zc,Zd)に対する軸名や目盛り数値などの表示を行なわなくても、原点Oの位置を直観的に把握できるようになる。
なお、前記各実施形態においては、3次元座標系内の原点O(0,0,0)を特定点として、当該3次元座標系内の3D空間(ある範囲)Adに対する当該特定点の相対位置を表示したが、特定点は原点O(0,0,0)に限らず、任意の特定点S(Sx,Sy,Sz)であってよい。
具体的には、特定点がS(Sx,Sy,Sz)≠(0,0,0)である場合、第1の特定点相対位置識別表示は、次のように実施される。まず、Xmin<Sx<Xmaxを満たす場合は、図4(A)と同様、X軸方向線Xの“X=Sx”の位置Px(Sx,Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、両端((Xmin,Ymin,Zmin)と(Xmax,Ymin,Zmin))に向かって薄色になるグラデーション表示grとする。3D空間Adと原点Oとの位置関係がSx<Xminを満たす場合は、図4(B)と同様、X軸方向線Xの一端Px(Xmin(<Sx),Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、他端(Xmax,Ymin,Zmin)が最も薄色になるグラデーション表示grとする。3D空間Adと原点Oとの位置関係がXmax<Sxを満たす場合は、図4(C)と同様、当該軸Xの一端Px(Xmax(<Sx),Ymin,Zmin)が最も濃色で、かつ、他端(Xmin,Ymin,Zmin)が最も薄色になるグラデーション表示grとすることができる。
また、特定点がS(Sx,Sy,Sz)≠(0,0,0)である場合、特定点Sが存在する面共有空間、線共有空間、または、点共有空間と3D空間Adとの共有面、共有線、または、共有点に対し、当該特定点Sから垂線を下した位置である特定点方向マークPを、第2の特定点方向識別表示として表示することができる。
さらに、特定点がS(Sx,Sy,Sz)≠(0,0,0)である場合、上記の特定点方向マークPから特定点Sへの方向を示すベクトルである特定点方向矢印Vを、第3の特定点方向識別表示として表示することができる。
また、前記各実施形態においては、3次元座標系内の原点O(0,0,0)を特定点として、当該3次元座標系内の3D空間(ある範囲)Adに対する当該特定点の相対位置を表示したが、座標系の次数は1次元または2次元であってもよい。
また、前記各実施形態において記載した表示装置10による各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示す3Dグラフ(図形)描画処理やこれに伴う特定点相対位置識別表示のための各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、表示機能を備えた電子機器のコンピュータ(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した3Dグラフ(図形)描画機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記プログラムのデータを、表示機能を備えた電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した3Dグラフ(図形)描画機能を実現することもできる。
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させる制御部、
を備える表示装置。
[2]
前記ある範囲は、前記座標系の前記少なくとも1つの軸の各座標値の範囲によって定められる、
[1]に記載の表示装置。
[3]
前記ある範囲は、前記少なくとも1つの軸毎に、前記各座標値の上限値及び下限値の少なくとも一方を示す1以上の線分により示される、
請求項2に記載の表示装置。
[4]
前記1以上の線分毎に、前記特定点までの距離、又は、前記特定点の座標値との差が異なる部分が、視覚的に互いに異なるように識別表示される、
[3]に記載の表示装置。
[5]
前記1以上の線分のうちのいずれか1つの線分における前記特定点からの距離が最も近い部分か、前記1以上の線分により画定されるいずれか1つの面における前記特定点からの距離が最も近い部分か、又は、前記1以上の線分により画定される立体の頂点のいずれかを特定するように、識別表示される、
[3]または[4]に記載の表示装置。
[6]
前記識別表示は、前記ある範囲に対する前記特定点の方向、及び、前記ある範囲内のいずれかの点から前記特定点までの距離の、少なくとも一方を表す、
[1]ないし[5]の何れかに記載の表示装置。
[7]
前記特定点は、前記座標系の原点である、
[1]ないし[6]の何れかに記載の表示装置。
[8]
電子機器の制御部により、
少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させるようにした、表示方法。
[9]
電子機器のコンピュータを、
少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させる、手段として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
10 …表示装置
10F…グラフ関数電卓
10T…タブレット端末
11 …キー入力部
12 …表示出力部
21 …CPU
22 …メモリ
22a…3Dグラフ表示制御プログラム
22b…V-Windowデータエリア
22c…3Dグラフ式データエリア
22d…原点表示設定データエリア
22e…3Dグラフ描画データエリア
22f…表示データエリア
23 …外部記録媒体
24 …記録媒体読取部
25 …通信部
30 …Webサーバ
N …通信ネットワーク
Ad…3D空間
FP…3Dグラフ(図形)
Rgr,Ggr,Bgr…赤,緑,青グラデーション表示(第1の特定点相対位置識別表示)
P …原点方向マーク(第2の特定点相対位置識別表示)
V …原点方向矢印(第3の特定点相対位置識別表示)

Claims (18)

  1. 少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示に関連して描画し、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させる制御部、
    を備える表示装置。
  2. 前記ある範囲は、前記座標系の前記少なくとも1つの軸の各座標値の範囲によって定められる、
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記ある範囲は、前記少なくとも1つの軸毎に、前記各座標値の上限値及び下限値の少なくとも一方を示す1以上の線分により示される、
    請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記1以上の線分毎に、前記特定点までの距離、又は、前記特定点の座標値との差が異なる部分が、視覚的に互いに異なるように識別表示される、
    請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記1以上の線分のうちのいずれか1つの線分における前記特定点からの距離が最も近い部分か、前記1以上の線分により画定されるいずれか1つの面における前記特定点からの距離が最も近い部分か、又は、前記1以上の線分により画定される立体の頂点のいずれかを特定するように、識別表示される、
    請求項3または請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記識別表示は、前記ある範囲に対する前記特定点の方向、及び、前記ある範囲内のいずれかの点から前記特定点までの距離の、少なくとも一方を表す、
    請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の表示装置。
  7. 前記特定点は、前記座標系の原点である、
    請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
  8. 前記座標系は、三つの軸により特定される三次元座標系であり、
    前記ある範囲は、前記三つの軸の各座標値の範囲によって定められる範囲である、
    請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の表示装置。
  9. 前記識別表示は、前記ある範囲を示す表示の表示態様を、前記相対位置に対応させて部分的に異ならせることを含む。
    請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の表示装置。
  10. 前記識別表示は、前記1以上の線分上の色変化により実現され、
    前記色変化は、前記1以上の線分上の各点の座標値と前記特定点の座標値との差によるものである、
    請求項3に記載の表示装置。
  11. 前記識別表示は、前記1以上の線分により画定されるいずれか1つの面上の一点と前記特定点とを結ぶ直線の一部と、前記ある範囲から前記特定点への向きを示す矢印と、を含む、
    請求項3に記載の表示装置。
  12. 前記識別表示は、前記1以上の線分のうちのいずれか1つの線分上の前記特定点から垂線を下した位置から、又は、前記1以上の線分により画定されるいずれか1つの面上の前記特定点から垂線を下した位置から、又は、前記1以上の線分により画定される立体の頂点から、当該特定点の方向を示す方向矢印である、
    請求項3に記載の表示装置。
  13. 前記ある範囲は、前記三つの軸の各座標値の範囲によって定められる6面体により表示され、
    前記特定点の位置する空間が、前記6面体の各面のうちのいずれか1つの面を共有して隣接する6方向の面共有空間である場合には、前記識別表示は、当該共有の面における前記特定点からの距離が最も近い部分、及び/又は、当該共有の面上の前記特定点から垂線を下した位置から当該特定点の方向を示す方向矢印であり、
    前記特定点の位置する空間が、前記6面体の各辺のうちのいずれか1つの辺を共有して隣接する12方向の辺共有空間である場合には、前記識別表示は、当該共有の辺における前記特定点からの距離が最も近い部分、及び/又は、当該共有の辺上の前記特定点から垂線を下した位置から当該特定点の方向を示す方向矢印であり、
    前記特定点の位置する空間が、前記6面体の各頂点のうちのいずれか1つの頂点を共有して隣接する8方向の点共有空間である場合には、前記識別表示は、当該共有の頂点、及び/又は、当該共有の頂点、から垂線を下した位置から当該特定点の方向を示す方向矢印である、
    請求項8に記載の表示装置。
  14. 前記座標系は、三つの軸により特定される三次元座標系であり、
    前記ある範囲は、前記三つの軸の各座標値の範囲によって定められる範囲であり、
    前記識別表示は、前記1以上の線分により画定されるいずれか1つの面における前記特定点からの距離が最も近い部分に加えて、当該いずれか1つの面に平行な座標軸の座標値が正の部分に対応する写像線分を含む、
    請求項3に記載の表示装置。
  15. 前記ある範囲は、前記三つの軸の各座標値の範囲によって定められる6面体により表示され、
    前記特定点が、前記6面体の外側の空間にある場合には、前記識別表示は、前記6面体の中央点と前記特定点とを結ぶ直線と、前記6面体の各面のうちのいずれか1つの面との交点から前記特定点の方向を示す方向矢印を含む、
    請求項8に記載の表示装置。
  16. 前記ある範囲は、前記三次元座標系内に回転可能に表示される、
    請求項8に記載の表示装置。
  17. 電子機器の制御部により、
    少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示に関連して描画し、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させるようにした、表示方法。
  18. 電子機器のコンピュータを、
    少なくとも1つの軸により特定される座標系内の特定点の、当該座標系内のある範囲に対しての相対位置に対応した識別表示を、前記ある範囲を示す表示に関連して描画し、前記ある範囲を示す表示とともに、表示部によって表示させる、手段として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
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