JP6990050B2 - 開缶用タブ及び缶蓋 - Google Patents
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Description
なお、切離し片の面方向を水平に配置した場合には、切離し片の基端部が缶蓋本体のパネル面に接触することで上向きに押し戻された際に、切離し片の先端部がタブパネルの上面から飛び出るおそれがある。この場合には、開缶用タブの上面側に飛び出た部分が外部と接触しやすくなるため、開缶前の状態で切離し片が不用意に切り離されるおそれがある。
本実施形態の缶蓋101は、例えば飲料缶等の缶に用いられる、いわゆるステイオンタブ方式の缶蓋であり、図5~図7に示すように、缶蓋本体2と、この缶蓋本体2に取り付けられた開缶用タブ1とにより構成される。また、このように構成される缶蓋101は、図8に示すように、内容物を充填した缶胴本体3の開口端部に巻締められることにより、缶胴本体3の内部を密閉した缶201が製造される。なお、図示は省略するが、缶胴本体3は有底筒状に形成されている。これらの缶胴本体3、缶蓋本体2及び開缶用タブ1は、それぞれアルミニウム合金により形成されている。
リベット25は、パネル部21の上面をリング状に圧印するコイニング加工を施して、パネル部21の中心部を上方に張り出させることにより形成されている。
また、これらリベット25と指掛け凹部26との間には、ディンプルと称される凸部29が形成されている。凸部29は、パネルデボス23の上面に突出し、開缶用タブ1の幅方向に間隔をおいて2つ形成されている。この凸部29に、開缶用タブ1の外側縁部が引っ掛かることで、開缶用タブ1がリベット25周りへ回転移動することを防止できる。
以下、工程順に説明する。
孔あけ工程(S11)では、図4のS11の位置に示すように、リベット孔15、固着部12の回りのU字状のスロット13、押下部(タブノーズ)16の先端形成用の材料逃がし孔72、連結片18を形成するためのキャリーストリップホール74、及びパイロット孔75等が形成される。このうち、リベット孔15、スロット13、材料逃がし孔72は開缶用タブ1の中心線L上に配置され、キャリーストリップホール74は中心線Lを介して左右対称に2個ずつ形成され、その2個のキャリーストリップホール74の間に連結片18が形成されるようになっている。また、材料逃がし孔72は、平面視がほぼ二等辺三角形状に形成され、開缶用タブ1の中心線Lに沿って先端から後端に向けて漸次幅を減少させるように形成されている。
タブパネル加工工程(S12)では、図4のS12の位置に示すように、凹状のタブパネル14を形成する。この図4に示すように、タブパネル14は、先の孔あけ工程(S11)で形成された2個の連結片18とリベット孔15に対して同じ側に形成され、かつ、これら2個の連結片18がタブパネル14に対してシート材70の順送り方向の両側(図4において中心線Lを介して左右対称)となるように形成される。言い換えれば、2か所のキャリーストリップホール74の間にタブパネル14が配置されるように形成される。このタブパネル14を形成する場合、絞り加工となるので、周囲の材料をタブパネル14内に引き込むようにして成形される。なお、タブパネル加工工程(S12)の際には、次に述べる外径抜き工程(S13)がまだ施されていないので、シート材70がタブパネル14の成形部分の周囲に十分な広さで存在する。このため、タブパネル14の成形時の縮み変形を適切に拘束でき、しわの発生が防止される。
外形抜き工程(S13)では、図4のS13の位置に示すように、中心線Lを介して左右2か所に2個ずつ設けられているキャリーストリップホール74の2個の間(連結片18)を除いて、タブ本体11を展開してなるタブ素材61の外縁を切断する。この外形抜き工程により、タブ素材61は、キャリーストリップホール74の2個の間に形成される各連結片18によりシート材70のキャリア部71に連結された状態となる。また、この時点では、タブ素材61は、タブパネル14を除いて、平坦な形状である。
カール工程(S14,S15)は、さらに端曲げ工程(S14)と折り返し工程(S15)とを備えている。
(端曲げ工程)
端曲げ工程(S14)は、図4のS14の位置に示すように、外形抜きされたタブ素材61の周縁部を裏側にわずかに折り曲げるとともに、U字状のスロット13の付近を押圧して、そのスロット13により囲まれた部分(固着部)12をタブ素材61の周縁部より押し下げた位置に配置する。
折り返し工程(S15)は、図4のS15の位置に示すように、タブ素材61の端曲げされた周縁部を、端曲げされた部分よりもさらに内側から裏側に向かって90°折り曲げ、次いでカール形状に折り返す。タブパネル14の周辺においては、タブパネル14のリベット孔15側を除く三方、つまりタブパネル14の両側部及び先端部(引上部17)が連結片18の部分を除いてカール形状となる。
このカール工程(S14,S15)を経ることにより、タブパネル14以外は平板状であったタブ素材61の周縁部が折り返されて開缶用タブ1の輪郭がほぼ形成される。
切離し片加工工程(S16)は、図4のS16の位置に示すように、タブパネル14内に、一部の連結部42を残して切り込み線53を形成し、連結部42を介してタブ本体11に連結された切離し片41を形成する。この際、切離し片41を、基端部41bから先端部41aにかけて下向きに傾斜して形成するとともに、切離し片41の先端部41aを周囲のタブパネル14(凹面部14c)の上面よりも下側にして形成する。また、切離し片加工工程(S16)では、切離し片41の加工とともに、引上部17をさらに押し潰すなどの形状を整える加工もなされる。
例えば、上記実施形態では、切り込み線53をタブパネル14の平らな凹面部(底面部)14cに形成したが、切り込み線53をタブパネル14の斜面部14sに形成してもよい。
2 缶蓋本体
3 缶胴本体
11 タブ本体
12 固着部
13 スロット
14 タブパネル
14c 凹面部
14s 斜面部
15 リベット孔
16 押下部
17 引上部
18 連結片
19 周縁部
21 パネル部
22 カウンターシンク部
23 パネルデボス
24 スコア
25 リベット
26 指掛け凹部
27 開口片
28 インナービード
29 凸部
41 切離し片
41a 先端部
41b 基端部
42 連結部
51 第1切り込み線
52 第2切り込み線
53 切り込み線
61 タブ素材
70 シート材
71 キャリア部
72 材料逃がし孔
74 キャリーストリップホール
75 パイロット孔
101 缶蓋
201 缶
t1 切離し片の板厚
V1 垂直距離
L 中心線
Claims (3)
- 外形形状を形成するタブ本体の中央付近に設けられる缶蓋本体のリベットに固着される固着部と、
前記タブ本体の先端部に設けられて前記缶蓋本体の開口片を押し下げて開口させるための押下部と、
該押下部に対して前記タブ本体の前記固着部を挟んだ反対側に設けられて前記押下部を押し下げるために前記缶蓋本体が引き上げられる引上部と、
前記引上部と前記固着部との間に設けられて下面側に向けて凸となるように上面側が凹状に形成されたタブパネルとを備え、
前記タブパネル内に、一部の連結部を残して切り込み線により切り離された切離し片が形成されており、
前記連結部が前記タブパネルの前記引上部側に配設されており、
前記切離し片が前記引上部側の基端部から前記押下部側の先端部にかけて下向きに傾斜して配置され、該先端部が前記切離し片の周囲の前記タブパネルの上面よりも下側に配置されていることを特徴とする開缶用タブ。 - 前記切離し片の先端部の上面から該切離し片の周囲の前記タブパネルの上面までの垂直距離が、該切離し片の板厚の3倍以下の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の開缶用タブ。
- 缶蓋本体と請求項1又は2に記載の前記開缶用タブとを備えることを特徴とする缶蓋。
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JP2017126334A JP6990050B2 (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 開缶用タブ及び缶蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017126334A JP6990050B2 (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 開缶用タブ及び缶蓋 |
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