JP6989588B2 - 一置換コハク酸無水物の使用 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー組成物の押出しに関連する一置換コハク酸無水物の使用、及び加工中のポリマーの分解を減少させる方法に関する。
今日では、プラスチックの材料は軽く、強く、容易に加工され、壊れないので、多くの製品がプラスチックで作られている。しばしば、これらの製品は一度だけ使用される使い捨て品又は製品である。主に、これらのプラスチック製品は、様々な合成樹脂から製造され、したがって生分解性でない。例えば、ポリ塩化ビニル製のビニール袋は、微生物の作用による生分解性ではなく、廃棄物焼却プラントで焼却する必要がある。さらに、そのようなビニール袋は自然界で軽率に廃棄されることが多く、化学的分解を受けずに半永久的に土壌に残り、動物、ヒトの健康及び安全性、及び環境にとって深刻な脅威となることが多い。
何年もの間、プラスチック材料を他の異なる材料、特に生分解性ポリマーで置き換えることによってこの状況を改善しようと試みられている。生分解性ポリマーは、意図された目的の後に分解して、ガス、水、バイオマス及び無機塩のような天然の副生成物をもたらす特定の種類のポリマーである。これらのポリマーは、天然及び合成の両方で見出され、大部分がエステル、アミド及びエーテル官能基からなる。それらの特性及び分解メカニズムは、それらの正確な構造によって求められる。そのような製品及び材料は、従来技術において数年間知られている。例えば、WO95/20615号には、生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、及びこれらのコポリマーを含むプラスチック製品が開示されている。前述のコポリマーは堆肥化可能であり、したがって堆肥化施設で処理することができる。さらなる生体分解性プラスチックは、例えば、WO2013/169174号又はUS2014/0134380号から従来技術で既知である。
別の既知の生分解性ポリマーは、ポリ乳酸又はポリラクチド(PLA)である。PLAは、再生可能資源、例えば、トウモロコシデンプン、タピオカ根、チップ若しくはデンプン、又はサトウキビ由来の生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステルである。乳酸のキラルな性質のために、いくつかの異なる形態のポリラクチドが存在する。例えば、ポリ−L−ラクチド(PLLA)はL,L−ラクチド(L−ラクチドとしても知られている)の重合から生じる生成物である。2010年には、PLAは世界のあらゆるバイオプラスチックの2番目に高い消費量を有していた。しかし、そのような生分解性ポリマーの製造は、しばしば非常に困難で費用がかかる。
ポリマーの特性を変えるのと同様に、安全なポリマー及び原料を得るために、ポリマー材料に粒状充填剤を組み込むことは、従来技術において知られている。そのような充填剤を配合することによって、より少ないポリマーが使用され、したがって、ポリマー組成物中への充填剤の組み込みにより、ポリマー材料の減少がもたらされ得る。これにより、ポリマー製品の最終価格を低下させることができる。さらに、ポリマー材料の特性を変更及び/又は改良するために、充填剤がしばしば使用される。例えば、ポリマーの色を変えるために充填剤が添加される。あるいは、ポリマーの化学的及び機械的特性を変化させる目的で、例えば、軟化温度、ヤング率、衝撃強度又は引張強度を変化させるために充填剤が添加される。
上記したように、充填剤は、より高価なバインダー材料の消費を低下させるために、又は混合された材料のいくつかの特性をより良好にするために、プラスチックのような材料に添加される別個の粒子である。最も重要な充填剤の中で、炭酸カルシウムは最大の市場規模を有し、主にプラスチック分野で使用されている。
ポリ乳酸のような生分解性ポリマー及び炭酸カルシウムのような充填剤を含む材料は、多くの文献に記載されている。例えば、WO2013/190274A2号は、バイオポリマー及び粒状無機充填剤を含む組成物について言及する。バイオポリマーはポリ乳酸であることができ、粒状無機充填剤は、そのようなバイオポリマーの生分解性を促進する焼成粘土を含む。
WO2012/094758A1号は、鎖運動性添加剤及び鉱物充填剤を含むポリ乳酸樹脂組成物について言及する。鉱物充填剤の例としては、タルク、シリカ、ケイ酸塩、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、雲母、珪灰石、カオリン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
WO2012/018327号は、ポリ(乳酸)を含む高耐熱性ポリマー組成物及び高耐熱性ポリマー組成物の製造方法について言及する。このポリマー組成物は、ポリ(乳酸)、脂肪族ポリエステル、及び有機被覆された炭酸カルシウムを含む。
WO2015/185533号は、ポリマー組成物の総重量に基づいて少なくとも20.0重量%の少なくとも1種の生分解性ポリマー樹脂と、ポリマー組成物の総重量に基づいて0.1〜20.0重量%ポリエチレン及び/又はポリプロピレンから選択される少なくとも1種のポリオレフィンと、ポリマー組成物の総重量に基づいて5.9〜60.0重量%の、少なくとも1種のポリオレフィン及び少なくとも1種の生分解性ポリマー樹脂中に分散された無機充填材とを含む。充填材は、アルカリ無機充填材であることができる。
WO2010/001268A2号は、生分解性包装フィルムについて言及し、フィルムは、ブレンドの約10重量%〜約60重量%の量の少なくとも1種の熱可塑性デンプン、ブレンドの約1重量%〜約30重量%の量の1種のポリ乳酸、ブレンドの約20重量%〜約70重量%の量の少なくとも1種の脂肪族−芳香族コポリエステル、及びブレンドの約1重量%〜約25重量%の量の少なくとも1種の充填剤を含み、ポリ乳酸及び充填剤の総重量百分率に対する脂肪族−芳香族コポリエステル及び熱可塑性デンプンの総重量百分率の比が約1〜約10であるブレンドを含む。
EP2554358A1号は、ポリ乳酸及び無機充填剤を含む生分解性である透湿性かつ防水性のフィルムについて言及する。無機充填剤は、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及びタルクからなる群から選択される。
US2012/0288650A1号は、i)成分i〜iiの総重量に基づいて、75〜100重量%の脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとする生分解性ポリエステル;ii)成分i〜iiの総重量に基づいて、0〜25重量%のポリ乳酸;iii)成分i〜vの総重量に基づいて、10〜25重量%の炭酸カルシウム;iv)成分i〜vの総重量に基づいて、3〜15重量%のタルク;v)成分i〜vの総重量に基づいて、0〜1重量%の、エポキシ基を含み、スチレン、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをベースとするコポリマー;vi)成分i〜vの総重量に基づいて、0〜2重量%の2−(4,6−ビスビフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(2−エチル−(n)−ヘキシルオキシ)フェノールを含む生分解性ポリエステルフィルムについて言及する。
炭酸カルシウムがポリ乳酸を含むポリマー組成物に組み込まれる場合に観察される一般的な欠点は、これらのポリマー組成物の機械的又は流動学的特性が悪化することである。ポリ乳酸のような生分解性ポリマーに炭酸カルシウムを組み込むと、特により高いメルトフローレートがもたらされる。これは、加熱時にポリマーがより流動性になる(このことはポリマーの分子量の低下又はポリマーの加水分解の指標となる)ことを意味する。ポリマーが液体/流体になりすぎると、これは、通常の加工だけでなく、リサイクル処理中にポリマーの加工についての問題又は欠点を意味する。
したがって、上記の技術的問題に対処し、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の高温での熱安定性及び加工性を特に改善することを可能にする技術的解決法に対するこの分野での必要性が未だ存在する。さらに、改良された機械的特性、特に低下したメルトフローレートを有する、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物に対する必要性が依然として存在する。
国際公開第95/20615号 国際公開第2013/169174号 米国特許出願公開第2014/0134380号明細書 国際公開第2013/190274号 国際公開第2012/094758号 国際公開第2012/018327号 国際公開第2015/185533号 国際公開第2010/001268号 欧州特許出願公開第2554358号明細書 米国特許出願公開第2012/0288650号明細書
したがって、上記の問題に対処し、特にポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の加工中の安定性、特に熱安定性を改善する技術的解決法を提供することが本発明の目的である。さらなる目的は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の特に高温での加工中の加工性を容易にすることである。本発明の別の目的は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の機械的特性、特にメルトフローレートを改善することである。
上記及び他の目的は、請求項1に規定された主題によって解決される。
本発明の有利な実施形態は、相当する従属請求項に規定される。
本発明の1つの態様によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が使用されて、加工中のポリマーの分解を減少させ、及び/又はそのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートを、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに(即ち、存在させずに)同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下させる。
本発明者らは、驚くべきことに、本発明によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の安定性、特に熱安定性は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物をポリマー組成物の配合前又は配合中に使用すると、著しく改善できることを見出した。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、ポリマー組成物の加工性が、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物をポリマー組成物の配合前又は配合中に使用する場合に容易にされ得ることを見出した。さらに、本発明によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の機械的特性、特にメルトフローレートを改善することができる。特に、これは、ポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することによって達成される。
本発明の別の態様によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の加工中のポリマー分解を減少させる、及び/又はDIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートを少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下させる方法が提供され、該方法は
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供すること、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供すること、及び
c) 少なくとも一種の一置換コハク酸無水物を提供すること、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させること、及び
e) 工程d)の接触成分を配合すること
を含む。
本発明の別の態様によれば、以下の工程:
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
c) 少なくとも一種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
e) 工程d)の接触成分を配合する工程
を含む方法によって得ることができるポリマー組成物の、衛生用品、医療用品、ヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等における使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、以下の工程:
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
c) 少なくとも一種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
e) 工程d)の接触成分を配合する工程
を含む方法によって得ることができるポリマー組成物を含む物品であって、衛生用品、医療用品、ヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品から選択される該物品が提供される。
本発明の有利な実施形態は、相当する従属請求項に規定される。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30及び分岐基の場合はC3〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖、分岐、脂肪族及び環状基から選択される基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物、好ましくはエチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物、及び/又は少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物、好ましくはエテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物である。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に存在するという点でポリマー組成物の配合前に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が使用される。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を、混合下で、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物と接触させるという点で、ポリマー組成物の配合中に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が使用される。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも0.1重量%の量で、好ましくは0.1〜4.0重量%の量で、より好ましくは0.1〜3.0重量%の量で、さらにより好ましくは0.2〜2.0重量%の量で、さらにより好ましくは0.3〜1.5重量%の量で、最も好ましくは0.4〜1.2重量%の量でポリマー組成物中に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分はポリ乳酸のみからなる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は、ポリマー成分の総重量に基づいて、少なくとも0.005重量%の量で、好ましくは0.01〜5.0重量%の量で、より好ましくは0.02〜1.0重量%の量で、さらにより好ましくは0.03〜0.8重量%の量で、さらにより好ましくは0.05〜0.5重量%の量で、最も好ましくは0.07〜0.3重量%の量でポリマー組成物中に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、重質炭酸カルシウム、好ましくは大理石、石灰石、ドロマイト及び/又はチョーク、沈降炭酸カルシウム、好ましくはバテライト、カルサイト及び/又はアラゴナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは炭酸カルシウム含有材料は重質炭酸カルシウムである。
本発明の別の実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、i)0.1μm〜10μmの範囲、好ましくは0.25μm〜7μmの範囲、より好ましくは0.5μm〜5μmの範囲、最も好ましくは0.7μm〜4μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び/又はii)≦15μm以下、好ましくは≦12.5μm、より好ましくは≦10μm、最も好ましくは≦7.5μmのトップカット(d98)、及び/又はiii)ISO 9277:2010に従って、窒素及びBET法で測定された、0.5〜150m/g、好ましくは1〜60m/g、より好ましくは1.5〜15m/gの比表面積(BET)、及び/又はiv)少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.02重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.03重量%〜0.3重量%、最も好ましくは0.04重量%〜0.15重量%の残留総水分含有量を有する。
本発明の別の実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、ポリマー成分の総重量に基づいて、0.1〜85重量%の量で、好ましくは3〜50重量%の量で、より好ましくは5〜40重量%の量で、最も好ましくは10〜30重量%の量でポリマー組成物中に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物は、着色顔料、染料、ワックス、潤滑剤、酸化及び/又はUV安定剤、酸化防止剤及びタルク等の他の充填剤等のさらなる添加剤を含むことができる。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物の破断点における引張り歪みは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%増加する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物のメルトフローレートは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定して、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下する。
本発明の別の実施形態によれば、接触工程d)では、第一に、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、工程c)の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物無水物と、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層が工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に形成されるという点で、接触させ、第2に、この表面処理された炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、ポリ乳酸と接触させる。
図面の説明
CE1及び20重量部の充填剤の充填を有する実施例のメルトフローレートの値のグラフを示す。 CE1及び10重量部の充填剤の充填を有する実施例のメルトフローレートの値のグラフを示す。 比較例CE1〜CE5及び発明例E1〜E5の破断点における引張り歪みの値のグラフを示す
本発明の目的に関し、以下の用語は以下の意味を有することが理解されるべきである。
ジヒドロ−2,5−フランジオン、無水コハク酸又は酸化スクシニルとも呼ばれる「コハク酸無水物」という用語は、分子式Cを有し、コハク酸の酸無水物であり、CAS番号108−30−5で知られている。
本発明の意味における「一置換コハク酸無水物」という用語は、一つの水素原子が別の置換基で置換されているコハク酸無水物を指す。
本発明の意味における「少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の塩反応生成物」という用語は、炭酸カルシウム含有充填材を1種以上の一置換コハク酸無水物と接触させることによって得られる生成物を指す。塩反応生成物は、適用された一置換コハク酸無水物から形成された一置換コハク酸と、炭酸カルシウム含有充填材の表面に位置する反応性分子との間で形成される。
本発明による「配合」という用語は、異なる原料の均質なブレンドを達成するために少なくとも1種のポリマー成分を溶融状態又は軟化状態で少なくとも1種の添加剤、例えば、炭酸カルシウム含有充填材と混合及び/又はブレンドしてポリマー又はプラスチック配合物を調製することを指す。分散及び分配混合は、ポリマー成分が溶融状態又は軟化状態にあるが、分解温度未満である温度で行われる。配合方法は当業者に知られており、例えば、二軸スクリュー押出機又は共混練機を用いた押出によって配合することができる。
本明細書で使用されるように、「ポリマー」という用語は、一般にホモポリマー及びコポリマー、例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー及び交互共重合体、並びにそれらのブレンド及び変性物を含む。ポリマーは、非晶質ポリマー、結晶性ポリマー、又は半結晶性ポリマー、即ち、結晶画分及び非晶質画分を含むポリマーであることができる。結晶化度はパーセントで明記され、示差走査熱量測定(DSC)によって求めることができる。非晶質ポリマーは、そのガラス転移温度によって特徴付けられることができる。結晶性ポリマーは、その融点によって特徴付けられることができる。半結晶性ポリマーは、そのガラス転移温度及び/又はその融点によって特徴付けられることができる。
本発明の意味における「ガラス転移温度」という用語は、ガラス転移が起こる温度を指し、ガラス転移は非晶質材料(又は半結晶性材料内の非晶質領域)における硬くて比較的脆い状態から溶融状態又はゴム状状態への可逆的な転移である。ガラス転移温度は、存在する場合、材料の結晶状態の融点よりも常に低い。本発明の意味における「融点」という用語は、固体が大気圧で固体から液体に変化する温度を指す。融点では、固相及び液相が平衡状態で存在する。ガラス転移温度及び融点は、ISO 11357により10℃/分の加熱速度で求められる。
「生分解性」ポリマーという用語は、バクテリア又は他の生物、例えば、真菌の助けを借りて分解及び処分することができるポリマーを指す。
本発明による「ポリマー組成物」という用語は、ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸、及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含む組成物を指す。
本発明による「ポリ乳酸」という用語は、式Iを繰り返し単位として含むポリマーを指す。
Figure 0006989588
乳酸はキラルであり、したがって、2つの光学異性体を指す。1つはL−(+)−乳酸又は(S)−乳酸として知られ、もう1つ、即ち、その鏡像は、D−(−)−乳酸又は(R)−乳酸である。これらの2つの等量の混合物は、DL−乳酸又はラセミ乳酸と呼ばれる。このキラリティーのために、例えば、PLLA(ポリ−L−乳酸)、PDLA(ポリ−D−乳酸)及びPDLLA(ポリ−DL−乳酸)のような異なる種類のポリ乳酸が知られている。
本発明の目的に関し、「炭酸カルシウム含有充填材」又は「炭酸カルシウム含有材料」という用語は、炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%の炭酸カルシウムを含む材料を指す。
本発明の意味における「重質炭酸カルシウム」(GCC)は、石灰石、大理石又はチョークのような天然源から得られ、湿式及び/又は乾式処理、例えば、粉砕、ふるい分け及び/又は分画によって、例えば、サイクロン又は分級機によって加工された炭酸カルシウムである。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、水性環境下での二酸化炭素と水酸化カルシウム(水和石灰)との反応後の沈降によって、又は水中でのカルシウム源及び炭酸塩源からの沈降によって一般に得られる合成材料である。さらに、沈降炭酸カルシウムは、水性環境中で、例えば、カルシウム及び炭酸塩、塩化カルシウム及び炭酸ナトリウムを導入する生成物であることもできる。PCCは、バテライト、カルサイト又はアラゴナイトの結晶形を有することができる。PCCは、例えば、EP2447213A1号、EP2524898A1号、EP2371766A1号、EP2840065A1号又はWO2013/142473A1号に記載されている。
「乾燥」又は「乾燥した」材料という用語は、炭酸カルシウム含有材料重量の総重量に基づいて、0.001〜0.5重量%の間の水を有する材料であると理解される。水の%(「含水量」に等しい)は、重量測定により求められる。本発明の意味における「乾燥」とは、炭酸カルシウム含有材料の含水量が炭酸カルシウム含有材料重量の総重量に基づいて、0.001〜0.5重量%の範囲になるまで加熱することを意味する。
粒状材料、例えば、本明細書の炭酸カルシウム含有材料の「粒径」は、粒径dの分布によって説明される。ここで、値dは、粒子のx重量%がd未満の直径を有する直径を表す。これは、例えば、d20値が、全粒子の20重量%がその粒径よりも小さい粒径であることを意味する。したがって、d50値は、重量メジアン粒径であり、即ち、全粒子の50重量%がこの粒径より大きく、残りの50重量%がこの粒径より小さい。本発明の目的に関し、粒径は、他に示されない限り、重量メジアン粒径d50として明記される。d98値は、全粒子の98重量%がその粒径より小さい粒径である。d98値は「トップカット」とも指定される。粒径は、マイクロメリティクス・インストルメント社(Micromeritics Instrument Corporation)のSedigraph(商標) 5100又は5120装置を用いて求めた。この方法及び装置は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を求めるために一般に使用される。0.1重量%Naの水溶液中で測定を行った。試料は高速撹拌機を用いて分散され、超音波処理された。
本発明の意味における炭酸カルシウム含有材料の「比表面積(SSA)」は、炭酸カルシウム含有材料の表面積をその質量で割ったものとして規定される。本明細書中で使用されるように、比表面積は、BET等温線(ISO 9277:2010)を用いた窒素ガス吸着によって測定され、m/gで明記される。
本発明の目的に関し、「粘度」又は「ブルックフィールド粘度」という用語は、ブルックフィールド粘度を指す。ブルックフィールド粘度はブルックフィールドRVスピンドルセットの適切なスピンドルを使用して24℃±3℃、100 rpmでブルックフィールドDV−IIIウルトラ粘度計で測定され、mPa・sで明記される。スピンドルが試料に挿入されると、100rpmの一定の回転速度で測定が開始される。報告されたブルックフィールド粘度の値は、測定開始から60秒後に表示された値である。当業者の技術的知識に基づいて、当業者は、ブルックフィールドRVスピンドルセットから測定すべき粘度範囲に適したスピンドルを選択するであろう。例えば、200〜800mPa・sの間の粘度範囲に対してはスピンドル番号3を使用することができ、400〜1600mPa・sの間の粘度範囲に対してはスピンドル番号4を使用することができ、800〜3200mPa・sの間の粘度範囲に対してはスピンドル番号5を使用することができ、1000〜2000000mPa・sの間の粘度範囲に対してはスピンドル番号6を使用することができ、4000〜8000000mPa・sの間の粘度範囲に対してはスピンドル番号7を使用することができる。
本願の目的に関し、「水不溶性」材料は、100gの該材料を100gの脱イオン水と混合し、0.2mmの孔径を有するフィルターで20℃で濾過して濾液を回収する場合に、濾液100gを周囲圧力で95〜100℃で蒸発させた後に、0.1g以下の回収固体材料を提供する材料として規定される。「水溶性」材料は、100gの該材料を100gの脱イオン水と混合し、0.2mmの孔径を有するフィルターで20℃で濾過して濾液を回収する場合に、濾液100gを周囲圧力で95〜100℃で蒸発させた後に、0.1gを超える回収固体材料を提供する材料として規定される。
本発明の意味における「懸濁液」又は「スラリー」は、不溶性固体及び溶媒又は液体、好ましくは水及び場合によりさらなる添加剤を含み、通常大量の固体を含み、したがってそれが形成される液体よりも粘性であり、高密度であることができる。
本発明の目的に関し、液体組成物の「固形分」は、全ての溶媒又は水が蒸発した後に残っている材料の量の尺度である。
本発明による「メルトフローレート」又は「MFR」、「メルトマスフローレート」、「メルトフローインデックス」又は「メルトインデックス」は、溶融したプラスチックの流動の容易さの尺度であり、g/10分で表現される。典型的なメルトフロー装置は、小型で使用が容易であり、当業者に知られている。本発明によれば、メルトフローレートは、手順Aを用いてDIN EN ISO 1133−1:2011に従って測定される。顆粒形状のポリマー組成物は、210℃まで加熱することによって流体にされ、内径2.095mm、長さ8mmを有するキャピラリーダイを通ってシリンダーから強制的に流出させられる。押出ピストンには、2.16kgの自重が負荷される。MFRは標準条件下で得られる。
本発明による「破断点における引張歪み」又は「極限引張強度」は、このような方法で材料を破壊するのに必要な単位面積当たりの力(MPa又はpsi)の尺度である。破断点における引張歪みを求めるための典型的な装置は、当業者に知られている。破断点における引張歪みは、DIN EN ISO 527:2012に従って求めることができるが、他の試験方法も利用できる。本発明によれば、DIN EN ISO 527−2/1BA/50:2012に従って破断点における引張歪みが測定され、これは、試料が試験において50mm/分の速度で裂かれることを意味する。本発明の試験片は、試料の厚さが1.9±2mmであり、測定長さが25×5mmであることを除いて、形状1BAを有する。破断点における引張歪みは、標準条件下で得られる。
本発明による「標準条件」という用語は、298.15K(25℃)の温度及び正確に100000Pa(1バール、14.5psi、0.98692気圧)の絶対圧力を指す標準周囲温度及び圧力(SATP)を指す。
「含む(comprising)」という用語が本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、それは主要な機能的に重要な又は機能的にそれほど重要でない他の規定されていない要素を排除するものではない。本発明の目的に関し、「からなる」という用語は、用語「含む」の好ましい実施形態であると考えられる。以下、ある群が少なくとも一定数の数の実施形態を含むと規定される場合、これは、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるものとする。
「含む(including)」又は「有する(having)」という用語が使用されるときはいつでも、これらの用語は上記で規定したように「含む(comprising)」と同等であることを意味する。
単数名詞に言及する際に、不定冠詞又は定冠詞、例えば、「a」、「an」又は「the」が使用される場合、特に明記されない限り、その名詞の複数形を含む。
「得ることができる」又は「規定することができる」及び「得られた」又は「規定された」のような用語は、互換的に用いられる。例えば、文脈上他に明確に他の意味を指示しない限り、これは「得られた」という用語が、例えば、実施形態が、例えば、「得られた」という用語に一連の工程によって得られなければならないことを示すことを意味するものではないが、そのような限定された理解は、好ましい実施形態として「得られた」又は「規定された」という用語に常に含まれる。
本発明によれば、一置換コハク酸無水物は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び、充填剤として炭酸カルシウム含有材料とを含むポリマー組成物の安定性、特に熱安定性を改善し、及び/又はそのようなポリマー組成物の加工性を容易にし、及び/又はそのようなポリマー組成物の機械的特性、特にメルトフローレートを改善するために、ポリマー組成物の配合前又は配合中に使用することができることがわかった。したがって、本発明によれば、加工中のポリマーの分解を低減し、及び/又はDIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定される、そのような配合されたポリマー組成物のメルトフローレートを、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物なしで同じ方法で処理された同じポリマー組成物を比較して、少なくとも10%減少させるために、ポリマー成分としてポリ乳酸及び、充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料とを含むポリマー組成物の配合前又は配合中の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の使用が提供される。
以下では、請求項1に請求されたポリマー組成物の配合前又は配合中の一置換コハク酸無水物の本発明による使用についての詳細及び好ましい実施形態をより詳細に説明する。
本発明によるポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び、充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料とを含む。
<少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料>
本発明のポリマー組成物は、充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含む。
「少なくとも1種の」炭酸カルシウム含有材料という表現は、1種以上の、例えば、2種又は3種の炭酸カルシウム含有材料がポリマー組成物中に存在し得ることを意味する。好ましい実施形態によれば、ただ1種の炭酸カルシウム含有材料がポリマー組成物中に存在する。
本発明の好ましい実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、重質炭酸カルシウム(GCC)、好ましくは大理石、石灰石、ドロマイト及び/又はチョーク、沈降炭酸カルシウム、好ましくはバテライト、カルサイト及び/又はアラゴナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料は重質炭酸カルシウムである。
天然又は重質炭酸カルシウム(GCC)は、石灰石又はチョーク等の堆積岩から採掘された、又は変成大理石の岩石、卵殻又は貝殻からの天然に存在する形態の炭酸カルシウムから製造されると理解される。炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトの3種類の結晶多形として存在することが知られている。最も一般的な結晶多形であるカルサイトは、最も安定な結晶形の炭酸カルシウムであると考えられている。それほど一般的ではないアラゴナイトは、別個の又はクラスター化された針斜方晶構造を有する。バテライトは、最も稀な炭酸カルシウム多形であり、一般に不安定である。重質炭酸カルシウムは、ほぼ独占的にカルサイト多形を有し、これは三方晶菱面体晶と言われ、最も安定な形態の炭酸カルシウム多形を表す。本願の意味における炭酸カルシウムの「供給源」という用語は、それから炭酸カルシウムが得られる天然の鉱物材料を指す。炭酸カルシウムの供給源は、炭酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩等のさらなる天然成分を含むことができる。
一般に、天然の重質炭酸カルシウムの粉砕は、乾式又は湿式粉砕工程であることができ、例えば、粉砕が主として二次体との衝突から生じるような条件の下で、任意の従来の粉砕装置によって、即ち、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロールクラッシャー、遠心衝撃ミル、垂直ビードミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー(de−clumper)、ナイフカッター、又は当業者に知られた他のそのような装置の1つ以上で行うことができる。炭酸カルシウム含有鉱物材料が湿式粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料を含む場合、粉砕工程は、自生粉砕が行われるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕、及び/又は当業者に知られた他のそのような処理によって行うことができる。このようにして得られた湿式処理された重質炭酸カルシウム含有鉱物材料は、周知の方法、例えば、乾燥前の凝集、濾過又は強制蒸発によって洗浄及び脱水することができる。乾燥の後続の工程(必要であれば)は、噴霧乾燥のような単一の工程で、又は少なくとも2つの工程で行うことができる。そのような鉱物材料は、不純物を除去するための選鉱工程(浮選、漂白又は磁気分離工程等)を受けることも一般的である。
本発明の一実施形態によれば、天然又は重質炭酸カルシウム(GCC)の供給源は、大理石、チョーク、石灰石、ドロマイト又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、重質炭酸カルシウムの供給源は大理石、より好ましくはドロマイト大理石及び/又はマグネサイト系(magnesitic)大理石である。本発明の一実施形態によれば、GCCは乾式粉砕によって得られる。本発明の別の実施形態によれば、GCCは、湿式粉砕及びその後の乾燥によって得られる。
本発明の意味における「ドロマイト」は、CaMg(CO(「CaCO・MgCO」)の化学組成を有する炭酸カルシウム含有鉱物、即ち、炭酸カルシウム−マグネシウム−鉱物である。ドロマイト鉱物は、ドロマイトの総重量に基づいて、少なくとも30.0重量%のMgCO、好ましくは35.0重量%を超える、より好ましくは40.0重量%を超えるMgCOを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、炭酸カルシウムは、1種類の重質炭酸カルシウムを含む。本発明の別の実施形態によれば、炭酸カルシウムは、異なる供給源から選択される2種以上の重質炭酸カルシウムの混合物を含む。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、一般に水性環境中での二酸化炭素と水酸化カルシウムの反応に続く沈降、又は水中でのカルシウム及び炭酸塩イオン源の沈降、又は溶液からのカルシウムイオン及び炭酸イオン、例えば、CaCl及びNaCOの混合による沈降によって得られる合成材料である。PCCを製造するさらなる考えられる方法は、石灰ソーダ法、又はPCCがアンモニア製造の副産物であるソルベイ法である。沈降炭酸カルシウムは、3つの主要な結晶形、即ち、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトで存在し、これらの結晶形の各々に多くの異なる多形(晶癖)が存在する。カルサイトは、偏三角面体(S−PCC)、菱面体(R−PCC)、六角柱状、ピナコイド状、コロイド状(C−PCC)、立方体及び角柱状(P−PCC)等の典型的な晶癖を有する三方構造を有する。アラゴナイトは、双晶六角柱状結晶、薄い細長い角柱状、湾曲したブレード状、鋭いピラミッド状、チゼル状の結晶、枝分かれしたツリー、及びサンゴ又は虫のような形態の多様な取り合わせの典型的な晶癖を有する斜方晶系構造である。バテライトは六方晶系に属する。得られたPCCスラリーを機械的に脱水し、乾燥させることができる。
本発明の一実施形態によれば、沈降炭酸カルシウムは、好ましくはアラゴナイト、バテライト又はカルサイト鉱物結晶形又はそれらの混合物を含む沈降炭酸カルシウムである。
本発明の一実施形態によれば、炭酸カルシウムは、1種の沈降炭酸カルシウムを含む。本発明の別の実施形態によれば、炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの異なる結晶形及び異なる多形から選択される1種以上の沈降炭酸カルシウムの混合物を含む。例えば、少なくとも1種の沈降炭酸カルシウムは、S−PCCから選択される1種のPCC及びR−PCCから選択される1種のPCCを含むことができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料は重質炭酸カルシウム、好ましくは乾式粉砕炭酸カルシウムである。別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料は大理石である。
少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材中の炭酸カルシウムの量は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、例えば、少なくとも95重量%、より好ましくは97〜100重量%の間、さらにより好ましくは98.5〜99.95重量%の間であることが理解される。
少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、好ましくは粒状材料の形態であり、製造される生成物の種類に含まれる材料に従来使用されているような粒度分布を有することができる。本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、0.1〜10μmの範囲の重量メジアン粒径d50値を有する。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、0.5μm〜5μm、好ましくは0.7μm〜4μmの重量メジアン粒径d50を有する。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料、好ましくは重質炭酸カルシウムは、≦15μmのトップカット(d98)を有することができる。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料は、≦12.5μm、好ましくは≦10μm、最も好ましくは≦7.5μmのトップカット(d98)を有することができる。
本発明の別の実施形態によれば、重質炭酸カルシウム及び/又は沈降炭酸カルシウムの比表面積は、ISO 9277:2010に従って窒素及びBET法を用いて測定された0.5〜150m/g、好ましくは1〜60m/g、最も好ましくは1.5〜15m/gであることができる。
少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材に応じて、一実施形態による少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.3重量%、最も好ましくは0.04〜0.15重量%の残留総水分含有量を有することができる。
例えば、湿式粉砕され、乾燥された炭酸カルシウムが少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材として使用される場合、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の残留総水分含有量は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.1重量%、最も好ましくは0.04〜0.08重量%である。PCCが少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材として使用される場合、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の残留総水分含有量は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填剤材の総乾燥重量に基づいて、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.2重量%、最も好ましくは0.05〜0.15重量%である。
本発明の一実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、0.1μm〜10μmの範囲、好ましくは0.25μm〜7μmの範囲、より好ましくは0.5μm〜5μmの範囲、最も好ましくは0.7μm〜4μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び≦15μm、好ましくは≦12.5μm、より好ましくは≦10μm、最も好ましくは≦7.5μmのトップカット(d98)及びISO 9277:2010に従って窒素及びBET法で測定された0.5〜150m/g、好ましくは1〜60m/g、より好ましくは1.5〜15m/gの比表面積(BET)、及び少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.02重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.03重量%〜0.3重量%、最も好ましくは0.04重量%〜0.15重量%の残留総水分含有量を有する。
本発明の実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、0.1μm〜10μm、好ましくは0.25μm〜7μm、より好ましくは0.5μm〜5μm、最も好ましくは0.7μm〜4μmの重量メジアン粒径d50値、及びISO 9277:2010に従って窒素及びBET法で測定された0.5〜150m/g、好ましくは1〜60m/g、より好ましくは1.5〜15m/gのBET比表面積を有する乾式粉砕炭酸カルシウム、好ましくは大理石である。
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、0.7μm〜4μm、例えば、2.6μmの重量メジアン粒径d50値、及びISO 9277:2010に従って窒素及びBET法で測定された1.5〜15m/g、例えば、2.6m/gのBET比表面積を有する乾式粉砕炭酸カルシウム、好ましくは大理石である。
本発明の一実施形態によれば、さらなる表面コーティングが炭酸カルシウム含有材料の表面上に存在する。
<ポリ乳酸>
本発明のポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸を含む。
本発明による「ポリ乳酸」という用語は、式Iを繰り返し単位として含むポリマーを指す。
Figure 0006989588
化学式CHCH(OH)COHを有する乳酸は、天然及び合成の両方で製造される白色の水溶性固体又は透明液体である有機化合物である。乳酸はキラルであり、したがって2つの光学異性体を指す。1つはL−(+)−乳酸又は(S)−乳酸として知られ、他方、即ち、その鏡像は、D−(−)−乳酸又は(R)−乳酸である。これらの2つの等量の混合物は、DL−乳酸又はラセミ乳酸と呼ばれる。乳酸は吸湿性である。DL−乳酸は水と混和し、約17〜18℃であるその融点を超えるとエタノールと混和する。D−乳酸及びL−乳酸は53℃というより高い融点を有する。乳酸は、当業者に知られており、例えば、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)、シーザー・アンド・ロレッツ社(Caesar & Loretz GmbH)、ネーチャーワークス(NatureWorks)からBiopolymer 2003Dの商品名で、又は他の既知の供給業者から市販されている。
当業者に知られているポリ乳酸(PLA)を製造するためのいくつかの工業的経路が存在する。一般に、PLAを製造するために2つの主モノマーが使用される。選択肢1は、溶液中、溶融物中、又は懸濁液としての種々の金属触媒を用いた環状ジエステルラクチドの開環重合である。金属触媒反応は、PLAのラセミ化を引き起こす傾向があり、出発材料(通常はトウモロコシデンプン)と比較してその立体規則性を低下させる。PLAを製造するための別の経路は、200℃の温度未満で乳酸モノマーを直接縮合させることである。しかし、この反応は、縮合(エステル化)工程毎に1当量の水を生成し、これは水が、低分子量材料をもたらす連鎖移動を引き起こすので望ましくない。したがって、直接縮合は、乳酸がPLAオリゴマーにまずオリゴマー化される段階的な様式で行われることが好ましい。その後、溶融物中又は溶液として重縮合が行われ、ここで短いオリゴマー単位が組み合わされて高分子量ポリマー鎖を得る。エステル交換よりも重縮合を優先させるためには、真空の適用又は共沸蒸留による水の除去が重要である。ポリ乳酸を製造するための方法及び処理は、例えば、US7,507,561号、EP2607399号又はWO2004/057008号に開示されている。
乳酸のキラリティーに起因して、例えばPLLA(ポリ−L−乳酸)、PDLA(ポリ−D−乳酸)及びPDLLA(ポリ−DL−乳酸)のような異なる種類のポリ乳酸が知られている。本発明の一実施形態によれば、ポリ乳酸はPLLAである。本発明の別の実施形態によれば、ポリ乳酸はPDLAである。本発明の別の実施形態によれば、ポリ乳酸はPDLLAである。一実施形態によれば、ポリ乳酸は、1つの明記の種類のPLAのみ又は2種類以上のPLAの混合物からなることができる。例えば、ポリ乳酸は、PLLAとPDLLAとの混合物からなることができる。好ましい実施形態によれば、ポリ乳酸は、1つの明記の種類のPLAのみからなる。ポリ乳酸は、例えば、ポリ乳酸の総重量に基づいて、1〜10重量%の間、好ましくは4〜6重量%の間のD異性体を含むPDLLAであることができる。ポリ乳酸は、例えば、ネーチャーワークスからBiopolymer 2003Dの商品名で市販されている。
本発明の一実施形態によれば、ポリ乳酸は、ポリ乳酸と少なくとも一種のさらなるモノマーとのコポリマーである。例えば、ポリ乳酸は、ポリ乳酸とポリエチレングリコールとのコポリマーである。
好ましい実施形態によれば、ポリ乳酸はホモポリマーであり、したがって上記の式Iの繰り返し単位のみからなる。
その加工及び熱履歴に応じて、PLAは、非晶質及び半結晶性ポリマーの両方として、即ち、結晶性画分及び非晶質画分を含むポリマーとして存在し得る。半結晶性材料は、その結晶構造及び粒径に応じて、透明又は不透明及び白色に見えることがある。
一実施形態によれば、PLAは非晶質である。別の実施形態によれば、PLAは半結晶性であり、好ましくはPLAは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも50%の結晶化度を有する。さらに別の実施形態によれば、PLAは、10〜80%、より好ましくは20〜70%、最も好ましくは30〜60%の結晶化度を有する。結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて求めることができる。
本発明の一実施形態によれば、PLAは、2〜8dl/g、好ましくは2.2〜6dl/g、より好ましくは2.8〜4dl/gの固有粘度を有する。本発明との関連で使用される「固有粘度」という用語は、溶液の粘度を高める、溶液中のポリマーの能力の尺度であり、dl/gで明記される。
本発明の別の実施形態によれば、PLAは、35〜90℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは45〜65℃のガラス転移温度Tgを有する。
本発明の一実施形態によれば、PLAは5000〜200000g/mol、好ましくは10000〜100000g/mol、より好ましくは15000〜80000g/molの数平均分子量を有する。
本発明の一実施形態によれば、PLAは、0.5〜5、好ましくは0.7〜4、より好ましくは1〜3の比重を有する。本発明によれば、「比重」という用語は、基準物質の密度に対するPLAの密度の比、等価的には、同じ与えられた体積の基準物質の質量に対するPLAの質量の比である。基準物質は水である。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリ乳酸は、ポリ乳酸の総重量に基づいて、4〜6重量%の間のD異性体を含むPDLLAである。さらに、PDLLAは、1〜3の比重及び45〜65℃のガラス転移温度を有する。
<ポリマー組成物>
本発明によるポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含む。
本発明の一実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、ポリマー成分の総重量に基づいて、0.1〜85重量%の量、好ましくは3〜50重量%の量、より好ましくは5〜40重量%の量、最も好ましくは10〜30重量%の量でポリマー組成物中に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物は、着色顔料、染料、ワックス、潤滑剤、酸化及び/又はUV安定剤、酸化防止剤及びタルク等の他の充填剤等のさらなる添加剤を含むことができる。そのような添加剤は当業者に知られており、市販されている。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物はさらなるポリマー成分を含む。例えば、ポリマー組成物は、さらにポリエステル、デンプン又はデンプン誘導体、ポリカプロラクトン(PCL)、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリグリコール、ポリビニルアセテート、ポリオレフィン(相溶化剤と共に)、ポリアセタール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、高ゴム含有量ABS(50〜85%ゴム)又はそれらの混合物を含むことができる。
ポリエステルは、その主鎖にエステル官能基を含有するポリマーの種類であり、一般に重縮合反応によって得られる。ポリエステルには、角皮素のような天然に存在するポリマー及びポリカーボネート又はポリブチレートのような合成ポリマーが含まれ得る。それらの構造に応じて、ポリエステルは生分解性であることができる。本発明の意味における「生分解性」という用語は、細菌又は他の生物の助けを借りて分解(break down)又は分解(decompose)し、それによって環境汚染を回避することができる物質又は物体に関する。
一実施形態によれば、ポリエステルは、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート、ポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート若しくはそれらの混合物、又はそれらのコポリマーからなる群から選択される。そのコポリマーは、例えば、ポリ(ブチレンアジペート−コ−テレフタレート)(PBAT)であることができる。これらのポリマーのいずれも純粋な形態、即ち、ホモポリマーの形態であってもよいし、又は共重合によって及び/又は主鎖に又は主鎖の側鎖に1つ以上の置換基を付加して変性してもよい。
本発明の一実施形態によれば、ポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸、及び少なくとも1種のさらなるポリマー成分、例えば、1種又は2種又は3種のさらなるポリマー成分を含む。ポリマー組成物がポリ乳酸以外のさらなるポリマー成分を含む場合、これらのポリマーは生分解性であることが好ましい。
本発明の一実施形態によれば、ポリマー組成物中に存在するポリ乳酸対さらなるポリマー成分の比は、ポリマー成分の重量に基づいて、99:1〜20:80、好ましくは95:5〜50:50、最も好ましくは90:10〜60:40である。
好ましい実施形態によれば、ポリマー成分はポリ乳酸のみからなる。これは、ポリマー組成物が唯一のポリマー成分としてポリ乳酸を含み、したがってポリマー組成物中にさらなるポリマー成分が存在しないことを意味する。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ポリマー組成物は、ポリマー成分及び炭酸カルシウム含有充填材のみからなる。例えば、ポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸、1種のさらなるポリマー成分及び炭酸カルシウム含有充填材からなることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、ポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料のみからなる。
<少なくとも1種の一置換コハク酸無水物>
本発明によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が使用される。
「少なくとも1種の」一置換コハク酸無水物という表現は、1種以上の一置換コハク酸無水物が本発明の方法において提供され得ることを意味することが理解される。
したがって、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、1種の一置換コハク酸無水物であってもよいことに留意すべきである。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種以上の一置換コハク酸無水物の混合物であってもよい。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種の一置換コハク酸無水物のように、2種又は3種の一置換コハク酸無水物の混合物であってもよい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、1種の一置換コハク酸無水物のみからなる。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30、分岐基の場合はC3〜C30の総炭素原子数を有する任意の直鎖、分岐、脂肪族及び環状基から選択される基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC3〜C25の総炭素原子数を有する直鎖、分岐、脂肪族及び環状基から選択される基で一置換されたコハク酸無水物からなる。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖、分岐、脂肪族及び環状基から選択される基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖の脂肪族基である1つの基で一置換されたコハク酸からなる。追加的に、または代替的に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC3〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する分枝の脂肪族基である1つの基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
したがって、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30及び分枝基の場合にはC3〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖又は分枝のアルキル基である1つの基で一置換されたコハク酸無水物からなることが好ましい。
例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖アルキル基である1つの基で一置換されたコハク酸無水物からなる。追加的に、または代替的に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC3〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する分岐アルキル基である1つの基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
本発明の意味における「アルキル」という用語は、炭素及び水素から構成される直鎖又は分岐の飽和有機化合物を指す。換言すれば、「アルキル一置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含む直鎖又は分岐の飽和炭化水素鎖から構成される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の直鎖又は分枝のアルキル一置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物を含む群から選択される。
したがって、例えば、「ブチルコハク酸無水物」という用語は、直鎖及び分枝のブチルコハク酸無水物を含む。直鎖ブチルコハク酸無水物の1つの具体例は、n−ブチルコハク酸無水物である。分岐ブチルコハク酸無水物の具体例は、イソ−ブチルコハク酸無水物、sec−ブチルコハク酸無水物及び/又はtert−ブチルコハク酸無水物である。
さらに、例えば、「ヘキサデカニルコハク酸無水物」という用語は、直鎖及び分枝のヘキサデカニルコハク酸無水物を含むことが理解される。直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物の1つの具体例は、n−ヘキサデカニルコハク酸無水物である。分岐ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、12−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、11−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、10−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、9−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、8−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、7−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、6−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、5−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、4−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、3−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、2−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、1−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−エチルブタデカニルコハク酸無水物、12−エチルブタデカニルコハク酸無水物、11−エチルブタデカニルコハク酸無水物、10−エチルブタデカニルコハク酸無水物、9−エチルブタデカニルコハク酸無水物、8−エチルブタデカニルコハク酸無水物、7−エチルブタデカニルコハク酸無水物、6−エチルブタデカニルコハク酸無水物、5−エチルブタデカニルコハク酸無水物、4−エチルブタデカニルコハク酸無水物、3−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−エチルブタデカニルコハク酸無水物、1−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−ブチルドデカニルコハク酸無水物、1−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、6,12−ジメチルブタデカニルコハク酸無水物、2,2−ジエチルドデカニルコハク酸無水物、4,8,12−トリメチルトリデカニルコハク酸無水物、2,2,4,6,8−ペンタメチルウンデカニルコハク酸無水物、2−エチル−4−メチル−2−(2−メチルペンチル)−ヘプチルコハク酸無水物及び/又は2−エチル−4,6−ジメチル−2−プロピルノニルコハク酸無水物である。
さらに、例えば、「オクタデカニルコハク酸無水物」という用語は、直鎖及び分岐のオクタデカニルコハク酸無水物を含むことが理解される。直鎖オクタデカニルコハク酸無水物の1つの具体例は、n−オクタデカニルコハク酸無水物である。分岐ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、15−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、13−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、12−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、11−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、10−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、9−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、8−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、7−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、6−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、5−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、4−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、3−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、2−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、1−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、13−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、12−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、11−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、10−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、9−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、8−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、7−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、6−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、5−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、4−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、3−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、1−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルドデカニルコハク酸無水物、2−ヘプチルウンデカニルコハク酸無水物、イソオクタデカニルコハク酸無水物及び/又は1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物を含む群から選択される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、一種のアルキル一置換コハク酸無水物である。例えば、1種のアルキル一置換コハク酸無水物はブチルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルキル一置換コハク酸無水物はヘキシルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物又はオクチルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物である。
例えば、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えば、n−ヘキサデカニルコハク酸無水物、又は分岐ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えば、1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物である。例えば、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物、例えば、n−オクタデカニルコハク酸無水物、又は分岐オクタデカニルコハク酸無水物、例えば、イソオクタデカニルコハク酸無水物又は1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。
本発明の一実施形態では、1種のアルキル一置換コハク酸無水物はブチルコハク酸無水物、例えば、n−ブチルコハク酸無水物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種以上のアルキル一置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種又は3種のアルキル一置換コハク酸無水物の混合物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、置換基中にC2〜C30、分岐基の場合C3〜C30、好ましくはC3〜C25、最も好ましくはC4〜C20の総炭素原子数を有する直鎖状又は分枝のアルケニル基である1つの置換基で一置換されたコハク酸無水物からなる。
本発明の意味における「アルケニル」という用語は、炭素及び水素から構成される直鎖又は分岐の不飽和有機化合物を指す。前記有機化合物は、置換基に少なくとも1つの二重結合、好ましくは1つの二重結合をさらに含む。換言すれば、「アルケニル一置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含む直鎖又は分岐の不飽和炭化水素鎖から構成される。本発明の意味における「アルケニル」という用語は、シス及びトランス異性体を含むことが理解される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の直鎖又は分枝のアルケニル一置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
したがって、例えば、「ヘキサデセニルコハク酸無水物」という用語は、直鎖及び分枝のヘキサデセニルコハク酸無水物を含むことが理解される。直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の1つの具体例は、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、14−ヘキサデセニルコハク酸無水物、13−ヘキサデセニルコハク酸無水物、12−ヘキサデセニルコハク酸無水物、11−ヘキサデセニルコハク酸無水物、10−ヘキサデセニルコハク酸無水物、9−ヘキサデセニルコハク酸無水物、8−ヘキサデセニルコハク酸無水物、7−ヘキサデセニルコハク酸無水物、6−ヘキサデセニルコハク酸無水物、5−ヘキサデセニルコハク酸無水物、4−ヘキサデセニルコハク酸無水物、3−ヘキサデセニルコハク酸無水物及び/又は2−ヘキサデセニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチル−9−ペンタデセニルコハク酸無水物、14−メチル−2−ペンタデセニルコハク酸無水物、1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物及び/又はイソヘキサデセニルコハク酸無水物である。
さらに、例えば、「オクタデセニルコハク酸無水物」という用語は、直鎖及び分岐オクタデセニルコハク酸無水物を含むことが理解される。直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の1つの具体例は、n−オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、16−オクタデセニルコハク酸無水物、15−オクタデセニルコハク酸無水物、14−オクタデセニルコハク酸無水物、13−オクタデセニルコハク酸無水物、12−オクタデセニルコハク酸無水物、11−オクタデセニルコハク酸無水物、10−オクタデセニルコハク酸無水物、9−オクタデセニルコハク酸無水物、8−オクタデセニルコハク酸無水物、7−オクタデセニルコハク酸無水物、6−オクタデセニルコハク酸無水物、5−オクタデセニルコハク酸無水物、4−オクタデセニルコハク酸無水物、3−オクタデセニルコハク酸無水物及び/又は2−オクタデセニルコハク酸無水物である。分岐オクタデセニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチル−9−ヘプタデセニルコハク酸無水物、16−メチル−7−ヘプタデセニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物及び/又はイソオクタデセニルコハク酸無水物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物である。例えば、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物はオクテニルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、ヘキサデセニルコハク酸無水物である。例えば、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物、又は分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物である。あるいは、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、オクタデセニルコハク酸無水物である。例えば、1種のアルキル一置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、n−オクタデセニルコハク酸無水物、又は分岐オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、イソオクタデセニルコハク酸無水物又は1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物である。
本発明の一実施形態では、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、n−オクタデセニルコハク酸無水物である。本発明の別の実施形態では、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、直鎖オクテニルコハク酸無水物、例えば、n−オクテニルコハク酸無水物である。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が1種のアルケニル一置換コハク酸無水物である場合、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の総重量に基づいて、≧95重量%、好ましくは≧96.5重量%の量で存在することが理解される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種又は3種のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である場合、1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は直鎖又は分岐オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル一置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物及びそれらの混合物から選択される。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物であり、一方のアルケニル一置換コハク酸無水物は直鎖オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル一置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物及びそれらの混合物から選択される。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物であり、一方のアルケニル一置換コハク酸無水物は分枝オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル一置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物及びそれらの混合物から選択される。
例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、1種以上のヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、直鎖又は分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物、及び1種以上のオクタデセニルコハク酸無水物、例えば、直鎖又は分枝オクタデセニルコハク酸無水物を含む2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物及び直鎖オクタデセニルコハク酸無水物を含む2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、分岐ヘキサデセニルコハク酸無水物及び分岐オクタデセニルコハク酸無水物を含む2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、1種以上のヘキサデセニルコハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物、及び/又は分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物である。追加的に、または代替的に、1種以上のオクタデセニルコハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、n−オクタデセニルコハク酸無水物、及び/又は分岐オクタデセニルコハク酸無水物、例えば、イソオクタデセニルコハク酸無水物及び/又は1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物である。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である場合、一方のアルケニル一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の総重量に基づいて、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の量で存在することができる。
例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が、1種以上のヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば、直鎖又は分岐ヘキサデセニルコハク酸無水物及び1種以上のオクタデセニルコハク酸無水物、例えば、直鎖又は分岐ヘキサデセニルコハク酸無水物を含む2種以上のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である場合、1種以上のオクタデセニルコハク酸無水物は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の総重量に基づいて、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の量で存在することができる。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物であることができることが理解される。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1種のアルキル置換コハク酸無水物のアルキル置換基及び少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物のアルケニル置換基は好ましくは同じであることが理解される。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物及びエテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、プロピルコハク酸無水物及びプロペニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物及びブテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、トリイソブチルコハク酸無水物及びトリイソブテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ペンチルコハク酸無水物及びペンテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ヘキシルコハク酸無水物及びヘキセニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物及びヘプテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、オクチルコハク酸無水物及びオクテニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物及びノネニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、デシルコハク酸無水物及びデセニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ドデシルコハク酸無水物及びドデセニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物及びヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物及び直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物又は分岐ヘキサデカニルコハク酸無水物及び分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物及びオクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物及び直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の混合物又は分枝オクタデカニルコハク酸無水物及び分枝オクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物及びノナニルコハク酸無水物の混合物である。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物と少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物との間の重量比は、90:10〜10:90(重量%/重量%)の間であることができる。例えば、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物と少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物との間の重量比は、70:30〜30:70(重量%/重量%)の間又は60:40〜40:60の間であることができる。
アルケニル一置換コハク酸無水物は当業者に周知であり、例えば、ベルセン社(Bercen Inc、)、ケミラ(Kemira)又はアルベマール(Albemarle)から市販されている。
さらに知られているアルケニル一置換コハク酸無水物は、分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物(CAS番号32072−96−1)、分枝オクタデセニルコハク酸無水物(CAS番号28777−98−2)及び2,5−フランジオン、ジヒドロ−モノ−C15−20−アルケニル誘導体(CAS番号68784−12−3)である。本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、2,5−フランジオン、ジヒドロ−モノ−C15−20−アルケニル誘導体である(CAS番号68784−12−3)。
市販の一置換コハク酸無水物溶液は、任意に、さらなる化合物、例えば一置換コハク酸を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種のアルケニル一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に存在するという点でポリマー組成物の配合前に使用される。
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は、表面処理層の形態で少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に存在する。
本発明の意味における「表面処理層」又は「表面処理された充填材」という用語は、炭酸カルシウム含有充填剤材料の表面の少なくとも一部に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含むコーティング層を得るために、表面処理剤として少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と接触させられた炭酸カルシウム含有充填材を指す。そのような表面処理された炭酸カルシウム含有材料及びそれらを調製する方法は、WO2014/060286A1号に記載されている。
したがって、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填剤材の表面に形成された処理層は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又は少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と接触させて得られたその塩反応生成物を含むことが理解される。塩反応生成物は、例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の1種以上のカルシウム塩である。
したがって、表面処理された充填材は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層とを含む、好ましくはそれらからなることが理解される。処理層は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面に形成される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面の処理層は、少なくとも1種の一置換コハク酸を含み、少なくとも1種の一置換コハク酸は、塗布された少なくとも1種の一置換コハク酸無水物から形成される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面に形成された処理層は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と少なくとも1種の一置換コハク酸又は少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び任意の少なくとも1種の一置換コハク酸と接触させて得られた塩反応生成物とを含む。あるいは、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填剤材料の表面に形成された処理層は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と、少なくとも1種の一置換コハク酸と、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び任意の少なくとも1種の一置換コハク酸と接触させて得られたその塩の反応生成物とを含む。
処理層は、好ましくは、表面処理された充填材の表面の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物の総重量が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の0.1〜5mg/m、より好ましくは0.2〜4mg/m、最も好ましくは1〜4mg/mであることを特徴とする。
処理層は、好ましくは、表面処理された充填材の表面の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物の総重量が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填剤材の0.05〜1重量%/m、より好ましくは0.1〜0.5重量%/m、最も好ましくは0.15〜0.25質量%/mであることを特徴とする。
追加的に、または代替的に、表面処理された充填材生成物の処理層は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物を特定のモル比で含む。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸対塩反応生成物のモル比は、99.9:0.1〜0.1:99.9、好ましくは70:30〜90:10である。
本発明の意味において、「少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸対塩反応生成物のモル比」という用語は、その塩反応生成物中の一置換コハク酸無水物分子の分子量の合計及びその塩反応生成物中の一置換コハク酸分子の分子量の合計に対する少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の分子量の合計及び少なくとも1種の一置換コハク酸の分子量の合計を指す。
得られた表面処理された充填剤材は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.1〜4.0重量%の量、好ましくは0.1〜2.5重量%の量、より好ましくは0.1〜2重量%の量、さらにより好ましくは0.1〜1.5重量%の量、さらにより好ましくは0.1〜1重量%の量、最も好ましくは0.2〜0.8重量%の量で処理層を含むことがさらに理解される。
得られた非常に良好な結果を考慮して、本発明の好ましい一実施形態によれば、表面処理された充填材は、
a) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材であって、
i) 0.1μm〜10μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び/又は
ii) トップカット(d98)≦15μm、及び/又は
iii) ISO 9277:2010に従って窒素及びBET法を用いて測定された、0.5〜150m/gの比表面積(BET)、及び/又は
iv) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%の残留総水分含有量
を有する該炭酸カルシウム含有充填材、及び
b) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物を含む、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面の処理層
を含む。
本発明の好ましい別の好ましい実施形態によれば、表面処理された充填材は、
a) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材であって、
i) 0.1μm〜10μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び/又は
ii) トップカット(d98)≦15μm、及び/又は
iii) ISO 9277:2010に従って窒素及びBET法を用いて測定された、0.5〜150m/gの比表面積(BET)、及び/又は
iv) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%の残留総水分含有量
を有する該炭酸カルシウム含有充填材、及び
b) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物を含む、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面の処理層
を含み、表面処理された充填材は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.1〜3重量%の量で処理層を含む。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物と混合して接触させるという点で、ポリマー組成物の配合中に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が使用される。したがって、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、混合及び/又は配合前に炭酸カルシウム含有充填材の表面に存在しない。しかし、配合工程の間に、一置換コハク酸無水物の少なくとも一部は、炭酸カルシウム含有充填材の表面に位置することができる。したがって、ポリマー組成物は、配合後に、一置換コハク酸無水物、ポリマー成分としてポリ乳酸、充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材を含み、炭酸カルシウム含有充填材の一部は、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び少なくとも1種の一置換コハク酸及び/又はその塩反応生成物を含む、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面の処理層を含む。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも0.1重量%の量、好ましくは0.1〜4.0重量%の量、より好ましくは0.1〜3.0重量%の量、さらにより好ましくは0.2〜2.0重量%の量、さらにより好ましくは0.3〜1.5重量%の量、最も好ましくは0.4〜1.2重量%の量で、ポリマー組成物中に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は、ポリマー成分の総重量に基づいて、少なくとも0.005重量%の量、好ましくは0.01〜5.0重量%の量、より好ましくは0.02〜1.0重量%の量、さらにより好ましくは0.03〜0.8重量%の量で、さらにより好ましくは0.05〜0.5重量%の量、最も好ましくは0.07〜0.3重量%の量でポリマー組成物中に存在する。
本発明者らは、驚くべきことに、上記のようなポリマー組成物の配合前又は配合中に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の安定性を改善することができることを見出した。したがって、加工中のポリマーの分解が低減される。追加的に、または代替的に、そのようなポリマー組成物の加工性を容易にすることができる。また、そのようなポリマー組成物の機械的特性、特にメルトフローレートを改善することができる。
より正確には、本発明者らは、驚くべきことに、上記のようなポリマー組成物の配合前又は配合中に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートを、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下させることができることを見出した。
本発明による「少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して」という用語は、一置換コハク酸無水物を含まない比較ポリマー組成物を指す。そのことは別として、本発明によるポリマー組成物及び比較ポリマー組成物は同一であり、これはそれらが同じ化合物を含むことを意味する。さらに、これら2つのポリマー組成物は、同じ方法で処理されており、これは、配合処理及び保存処理が同一であることを意味する。
本発明の一実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、加工中のポリマーの分解が低減され、そのような配合されたポリマーの、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸、さらなるポリマー成分及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料からなるポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料からなるポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料からなるポリマー組成物の配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下し、ここで少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物は少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に存在する。
本発明の別の実施形態によれば、ポリマー組成物の破断点における引張歪みは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%増加する。
<加工中のポリマー分解を減少させる方法及び/又はメルトフローレートを低下させる方法>
本発明は、さらに、請求項1によれば加工中のポリマー分解を減少させる方法及び/又はメルトフローレートを低下させる方法を含む。より正確には、ポリマー組成物は、ポリマー成分としてポリ乳酸、及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含む。本発明の方法により、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下することができる。この方法は、a)ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及びb)充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及びc)少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、及びd)任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及びe)工程d)の接触成分を配合する工程を含む。
本発明の一実施形態によれば、加工中のポリマー分解を減少させる方法及び/又はポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定されたメルトフローレートを、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下させる方法が提供され、該方法は、
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供し、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供し、及び
c) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を提供し、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させ、及び
e) 工程d)の接触成分を配合すること
を含む。
工程a)によれば、ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸が上記で規定したように提供される。ポリ乳酸は、固体形態又は溶融形態で提供することができる。
本発明による「固体」という用語は、298.15K(25℃)の温度及び正確に100000Pa(1バール、14.5psi、0.98692気圧)の絶対圧力を指す標準周囲温度及び圧力(SATP)下で固体である材料を指す。固体は、粉末、錠剤、顆粒、フレーク等の形態であることができる。
本発明による「周囲圧力」という用語は、正確に100000Pa(1バール、14.5psi、0.98692気圧)の絶対圧力を指す標準周囲温度圧力(SATP)を指す。
本発明による「溶融」という用語は、298.15K(25℃)の温度及び正確に100000Pa(1バール、14.5psi、0.98692気圧)の絶対圧力を指す標準周囲温度及び圧力(SATP)下で溶融している又は粘性である材料を指す。
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1種のポリ乳酸は、固体の形態で、好ましくは顆粒又はペレットの形態で提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、ポリ乳酸に加えてさらなるポリマー成分が提供される。さらなるポリマー成分は、例えば、上で規定したようなポリエステルであることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸のみが提供される。
工程b)によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材が上記で規定したように提供される。炭酸カルシウム含有材料は、乾燥形態で提供することができる。
「乾燥」又は「乾燥した」材料という用語は、炭酸カルシウム含有材料重量の総重量に基づいて、0.001〜0.5重量%の間の水を有する材料であると理解される。
本発明の一実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、ポリマー成分の総重量に基づいて、0.1〜85重量%の量、好ましくは3〜50重量%の量、より好ましくは5〜40重量%の量、最も好ましくは10〜30重量%の量で提供される。
工程c)によれば、上記で規定したように少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が提供される。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも0.1重量%の全量、好ましくは0.1〜4.0重量%の量、より好ましくは0.1〜3.0重量%の量、さらにより好ましくは0.2〜2.0重量%の量、さらにより好ましくは0.3〜1.5重量%の量、最も好ましくは0.4〜1.2重量%の量で提供される。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、ポリマー成分の総重量に基づいて、少なくとも0.005重量%の量、好ましくは0.01〜5.0重量%の量、より好ましくは0.02〜1.0重量%の量、さらにより好ましくは0.03〜0.8重量%の量、さらにより好ましくは0.05〜0.5重量%の量、最も好ましくは0.07〜0.3重量%の量で提供される。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、固体形態で、又は液体として提供される。好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は液体として提供される。
本発明による液体の一置換コハク酸無水物は、適切な装置、例えば、測定セルTEZ150P−C及びCC28.7測定システムを備えたPhysica MCR300レオメーター(パール・フィジカ(Paar Physica))で、5s−1のせん断速度及び+20℃(±2℃)で測定した場合に、+20℃(±2℃)で5000未満、好ましくは2500未満、より好ましくは1000mPa・s未満、最も好ましくは500mPa・s未満の粘度を有する材料を指す。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面の表面層の形態で使用される場合、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の表面の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物の総重量が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の5mg/m未満、好ましくは4.5mg/m未満、最も好ましくは好ましくは4.0mg/m未満であるような量で提供される。例えば、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、好ましくは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物の総重量が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の0.1〜5mg/m、より好ましくは0.2〜4mg/m、最も好ましくは好ましくは1〜4mg/mであるような量で提供される。
工程d)によれば、a)、b)及びc)の成分を任意の順序で接触させる。
工程d)の接触は、混合条件下で行うことができる。
当業者は、当業者の方法の装置に従って混合条件(混合時間及び混合速度の構成等)を適合させるであろう。
例えば、混合及び均質化は、プラウシェアミキサーによって行うことができる。プラウシェアミキサーは、機械的に製造された流動床の原理によって機能する。プラウシェアブレードは、水平円筒形ドラムの内壁の近くで回転し、混合物の成分を生成物床から開放した混合空間に運ぶ。機械的に製造された流動床は、大量のバッチであろうとも非常に短時間で徹底的な混合を保証する。チョッパー及び/又は分散機は、乾いた操作で塊を分散させるために使用される。本発明の方法で使用することができる装置は、例えば、独国のゲブリュダー・レ−ディゲ・マシーネンバウ社(Gebruder Lodige Maschinenbau GmbH)から入手可能である。
本発明の別の実施形態によれば、方法の工程d)は、粉砕装置、例えば、ボールミル、ハンマーミル、ロッドミル、振動ミル、ロールクラッシャー、遠心衝撃ミル、垂直ビードミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル等で実施することができる。
工程d)は、15℃〜150℃の間の温度で、好ましくは室温で、即ち、20℃±2℃の温度で実施することができる。本発明の一実施形態によれば、方法の工程d)は、少なくとも1秒間、好ましくは少なくとも1分間、例えば、少なくとも15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間又は10時間実施される。
一実施形態によれば、工程d)は、i)工程a)のポリマー成分及び工程b)の充填材を混合する工程、及びii)工程c)の一置換コハク酸無水物を工程i)の混合物を混合する工程を含む。
別の実施形態によれば、工程d)は、i)工程a)のポリマー成分及び工程c)の一置換コハク酸無水物を混合する工程、及びii)工程b)の充填材を工程i)の混合物を混合する工程を含む。
別の実施形態によれば、工程d)は、工程a)のポリマー成分、工程c)の一置換コハク酸無水物及び工程b)の充填材を同時に一段階で混合することを含む。
別の実施形態によれば、工程d)は、i)工程a)のポリマー成分と工程c)の一置換コハク酸無水物の一部とを混合する工程、ii)工程b)の充填材と工程c)の残りの一置換コハク酸無水物とを混合する工程、及びiii)工程i)及びii)の組成物を混合する工程を含む。ポリマー成分と混合される一置換コハク酸無水物及び充填材と混合される一置換コハク酸無水物は、同じ一置換コハク酸無水物であってもよいし、又は異なる一置換コハク酸無水物であってもよい。好ましい実施形態によれば、これらの一置換コハク酸無水物は同じである。
好ましい実施形態によれば、工程d)は、i)工程b)の充填材及び工程c)の一置換コハク酸無水物を混合する工程、ii)工程a)のポリマー成分を工程i)の混合物と混合する工程を含む。より正確には、接触工程d)では、第一に、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、工程c)の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層が形成されるように接触させられ、第2に、この表面処理された炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程でポリ乳酸と接触させる。
別の好ましい実施形態によれば、工程d)は、i)工程b)の充填材と工程c)の一置換コハク酸無水物の一部とを混合する工程、及びii)工程a)のポリマー成分及び一置換コハク酸無水物の残りの部分とを工程i)の混合物と混合する工程を含む。より正確には、接触工程d)では、第一に、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、工程c)の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の一部と、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層が形成されるように接触させ、第2にこの表面処理された炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、ポリ乳酸及び一置換コハク酸無水物の残りの部分と接触させる。ポリマー成分と混合される一置換コハク酸無水物及び充填材と混合される一置換コハク酸無水物は、同じ一置換コハク酸無水物であってもよいし、又は異なる一置換コハク酸無水物であってもよい。好ましい実施形態によれば、これらの一置換コハク酸無水物は異なるものである。
接触工程d)では、まず、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、工程c)の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物又はその一部と、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層が形成されるように接触させ、接触は以下のように実施することができる。
少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、混合条件下で実施することができる。当業者は、当業者の方法の装置に従って混合条件(混合パレットの構成及び混合速度等)を適合させるであろう。
本発明の好ましい一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、連続法であることができる。この場合、一定濃度の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が提供されるように、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と一定流量で接触させることが可能である。
あるいは、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を1工程で接触させるが、ここで、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、好ましくは一度に添加される。
本発明の別の実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、バッチ法であってもよい。即ち、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を、少なくとも1種のモノ置換コハク酸無水物と2以上の工程で接触させ、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は、好ましくはほぼ等しいポーションで添加される。あるいは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を等しくないポーション、即ち、より多い及びより少ないポーションで、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材に添加することも可能である。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、バッチ法又は連続法で0.1〜5000秒間実施される。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、連続法であり、1つ又は複数の接触工程を含み、総接触時間は、0.1〜4000秒、0.5〜3000秒、最も好ましくは1〜2000秒である。
少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を実施する場合、それはほぼ室温で加工可能な粘度を特徴とすることができ、即ち、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物は液状であることができる。したがって、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が溶融するように、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触中に温度を調整することが、本発明の1つの要件である。
したがって、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触前及び/又は接触中の温度は、温度が少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の融点よりも少なくとも2℃高いように調節されることが理解される。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触前の温度は、温度が少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の融点よりも少なくとも2℃高いように調節される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触前及び/又は接触中の温度は、温度が少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の融点よりも少なくとも5℃、好ましくは少なくとも8℃、最も好ましくは少なくとも10℃高いように調節される。例えば少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触前及び/又は接触中の温度は、温度が少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の融点よりも2〜50℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは8〜30℃、最も好ましくは10〜20℃高いように調節される。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、このように200℃未満の処理温度で実施される。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、30〜200℃、好ましくは80〜150℃、最も好ましくは110〜130℃の処理温度で実施される。
少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触を実施するための処理時間は、5000秒以下の期間、好ましくは4000秒以下の期間、より好ましくは3000秒以下の期間、最も好ましくは0.1〜2000秒の期間にわたって実施される。例えば、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触は、1200秒間実施される。一般に、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と接触させる長さは、接触中に適用される処理温度によって求められる。例えば、約200℃の処理温度が適用される場合、処理時間は、例えば、約0.1と短い。約120℃の処理温度が適用される場合、処理時間は、例えば、約1200秒と長くすることができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を少なくとも1種の一置換コハク酸無水物と接触を実施する前に、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は予熱される、即ち、活性化される。即ち、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物との接触を実施する前に、50〜200℃、好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜150℃、最も好ましくは100〜130℃の温度で処理される。少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の予熱を行うための処理時間は、30分以下の期間、好ましくは20分以下の期間、より好ましくは15分以下の期間実施される。本発明の一実施形態では、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の予熱は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の接触の間に実施される温度にほぼ等しい温度で実施される。
本発明の意味における「等しい」温度という用語は、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材と少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の接触中に実施される温度より最大で20℃、好ましくは最大で15℃、より好ましくは10℃、最も好ましくは最大で5℃低い又は高い予熱温度を指す。
工程e)によれば、工程d)の接触成分が配合される。本発明による「配合」という用語は、ポリマー又はプラスチック配合物の調製を指す。配合中、工程d)の接触成分は、異なる原料の均質なブレンドを達成するために、溶融状態又は軟化状態で混合及び/又はブレンドされる。配合方法は当業者に知られている。
本発明の一実施形態によれば、配合及び均質化は、生地混練機によって実施することができる。生地混練機は、組成物、特に高粘度のものを混合及び混練することができる。生地混練機は、1つ以上のシグマ型又はZ型のブレードをボウル又は皿の内で水平に回転させることによって機能する。使用可能な装置は、例えば、ケンウッド社(Kenwood Ltd.)から入手可能である。
本発明の別の実施形態によれば、配合及び均質化は、押出機、例えば、単軸又は二軸スクリュー押出機によって実施することができる。押出機は、組成物を混合及び配合することができる。押出機は、ハウジング内の1つ以上のネジを回転させることによって機能する。使用され得る装置は、ベースユニット及び押出機を含むことができる。例えば、ベースユニットはサーモ・サイエンティフィック(Thermo Scientific)のHaake Polylab OSであることができ、押出機はサーモ・サイエンティフィックのRheomex CTW 100 OSであることができる。
本発明の別の実施形態によれば、配合及び均質化は、実験室コンパウンダーによって実施することができる。実験室コンパウンターは、組成物を混合及び混練することができる。使用され得る装置は、ベースユニット、コンパウンダー、及び混練機を含むことができる。例えば、ベースユニットはHaake Polylab OSであり、コンパウンターはHaake Rheomix 600 OSであり、混練機はRoller Roters 600であり、これらは全てサーモ・サイエンティフィックのものである。RheoDrive7は、試験結果を評価するためのソフトウェアとして使用することができる。
本発明の別の実施形態によれば、配合及び均質化は、双ロールミルによって実施することができる。双ロールミルは組成物を混合及び混練することができる。典型的なロールミルは独国のドクター・コリン社(Dr. Collin GmbH)のWalzwerk 150x400である。
方法の工程e)は、15℃〜150℃の間の温度、好ましくは室温で、即ち、20℃±2℃の温度で実施することができる。本発明の一実施形態によれば、方法の工程e)は、少なくとも1秒間、好ましくは少なくとも1分間、例えば、少なくとも15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間又は10時間実施される。
別の実施形態によれば、工程e)では、熱及び圧力が加えられ得る。熱及び圧力は連続して加えてもよい。好ましい実施形態では、熱及び応力は同時に加えられる。別の好ましい実施形態では、熱及び/又は圧力の異なる工程が連続して加えられる。
例えば、熱及び圧力条件は、ホットプレス手順によって行うことができる。ホットプレスのために、プレス処理の間に追加的に加熱することができる任意の圧力装置を使用することができる。加熱は、例えば、誘導加熱又は間接抵抗加熱によって実施することができる。ホットプレスの間、モールドの温度を制御するために、モールドプレートを水冷によって冷却することができる。使用可能な装置は、例えば、独国のドクター・コリン社から入手可能である。
ホットプレスは、15℃〜220℃の間の温度、好ましくは50℃〜220℃の間の温度、より好ましくは70℃〜220℃の間の温度、最も好ましくは210℃の温度で実施することができる。ホットプレスは、2バール〜400バールの間の圧力、好ましくは10バール〜350バールの間の圧力、より好ましくは15バール〜300バールの間の圧力、最も好ましくは15バール〜250バールの間の圧力で実施することができる。
本発明の一実施形態によれば、ホットプレスは、少なくとも1秒間、好ましくは少なくとも50秒間、又は少なくとも100秒間、120秒間、160秒間、180秒間、200秒間又は240秒間実施される。
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の方法により、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の安定性、特に熱安定性を改善できることを見出した。したがって、そのようなポリマー組成物の加工中のポリマー分解は減少する。追加的に、または代替的に、そのようなポリマー組成物の加工性を容易にすることができる。追加的に、または代替的に、そのようなポリマー組成物の機械的特性、例えば、メルトフローレートを、本発明の方法によって改善することができる。
より正確には、本発明者らは、驚くべきことに、本発明による方法により、加工中のポリマー分解が低減され、及び/又はポリマー成分としてポリ乳酸及び少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を含むポリマー組成物の、DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)により測定されたメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%低下することを見出した。
本発明による方法による本発明の別の実施形態によれば、ポリマー成分としてポリ乳酸及び少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材を含むポリマー組成物の破断点における引張歪みは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物と比較して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%、最も好ましくは少なくとも300%増加する。
<本発明による物品>
本発明の別の態様は、以下の工程:
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
c) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
e) 工程d)の接触成分を配合する工程
を含み、物品が、衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等を含む群から選択される方法によって得ることができるポリマー組成物を含む物品を対象とする。
工程a)〜c)によれば、上記で規定したように、ポリマー成分としての少なくとも1種のポリ乳酸、充填剤としての少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が提供される。
工程d)及びe)によれば、上記で規定したように、a)、b)及びc)の成分を任意の順序で接触させ、工程d)の接触成分を配合する。
この物品は、衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等を含む群から選択される。
好ましくは、衛生用品は、吸収衛生用品、例えば、乳児用おむつ(diaper)又はおむつ(nappy)、女性用衛生用品、大人用失禁製品、脱毛ストリップ、包帯及び創傷包帯、使い捨てのバス及びフェイスタオル、使い捨てスリッパ及び履物、トップシート又はカバーストック(coverstock)、消費者用フェイスマスク、レッグカフ、獲得/分配層、コアラップ、バックシート、ストレッチイヤー、ランディングゾーン、ダスティング層及び締結システム;及びワイプ、例えば、ウェットワイプ、スキンケアワイプ、ベビーワイプ、フェイシャルワイプ、クレンジングワイプ、手及び身体ワイプ、ウェットティッシュ、個人衛生ワイプ、女性用衛生ワイプ、抗菌ワイプ及び薬用ワイプを含む群から選択される。
好ましくは、医療用品及びヘルスケア製品は、滅菌可能な医療用品、医療包装、外科用使い捨てキャップのようなキャップ、保護衣料品、手術用ガウン、外科用マスク及びフェイスマスク、外科用手術着、外科用カバー、外科用ドレープ、ラップ、パック、スポンジ、包帯、ワイプ、ベッドリネン、汚染制御ガウン、検査用ガウン、実験用コート、隔離ガウン、経皮薬剤送達、シュラウド、アンダーパッド、手順パック、ヒートパック、オストミーバッグライナー、固定テープ、インキュベーターマットレス、滅菌ラップ(CSRラップ)、創傷ケア、コールド/ヒートパック、パッチなどの薬物送達システムを含む群から選択される。
好ましくは、フィルター製品は、ガソリンフィルター、オイルフィルター、エアフィルター、ウォーターフィルター、コーヒーフィルター、ティーバッグ、製薬産業フィルター、鉱物加工フィルター、液体カートリッジ及びバッグフィルター、真空バッグ、アレルゲン膜及び不織層を有するラミネートを含む群から選択される。
好ましくは、ジオテキスタイル製品は、土壌安定剤及び道路下敷、土台安定剤、侵食制御、運河建設、排水システム、ジオメンブレン保護、霜よけ、農業マルチ、池及び運河の水障壁、排水タイルの砂侵入障壁及び埋め立てライナーを含む群から選択される。
好ましくは、農業及び園芸製品は、作物カバー、植物保護、シードブランケット、雑草防除布、温室シェーディング、根防除袋、生分解性植物ポット、毛細管マット及びランドスケープファブリックを含む群から選択される。
好ましくは、衣料品、履物及び手荷物製品は、オーバーコート、襟、フェーシング、ウエストバンド、ラペル等の前面のような芯材、使い捨ての下着、靴ひもアイレット補強材、運動靴及びサンダル補強材及びインナーソールライニング等のような靴要素、バッグ要素、結合剤、組成物及び(洗浄)ケア標識を含む群から選択される。
好ましくは、包装製品は、乾燥剤パッケージング、吸着剤パッケージング、ギフトボックス、ファイルボックス、不織布バッグ、本カバー、郵便封筒、エクスプレス封筒、宅配便などのような芯材を含む群から選択される。
好ましくは、家庭用及び工業用製品は、研磨剤、ポケットスプリングのためのポケットクロス、分離層、スプリングカバー、トップカバー、キルト裏地、羽毛布団カバー、枕カバー等のベッドリネン、ブラインド/カーテン、小さな敷物、カーペットタイル、バスマット等のカーペット/カーペット裏地、被覆及び分離材料、洗剤パウチ、布柔軟剤シート、床、内側ライニング、クッション用リバースファブリック、ダストカバー、スプリングカバー、プルストリップ等のような家具/室内装飾、モップ、テーブルリネン、ティー及びコーヒーバッグ、真空掃除バッグ、壁カバーリング、家庭用ケア用ワイプ、床用ケア用ワイプ、クリーニングワイプ、ペットケア用ワイプ等のワイプ、自動車建築、ケーブルラッピング、土木工事、濾過包装、防護服、プライマリ及びセカンダリカーペット裏地、複合材、海洋セイルラミネート、テーブルカバーラミネート、チョップドストランドマット、機械刺繍用の裏地/安定剤、気孔率が必要な包装、ファイバーグラスバッティングのような断熱材、枕、クッション、室内装飾の詰め物のような詰め物、キルト又は掛布団の中の中綿、消費者及び医療用フェイスマスク、郵便封筒、防水シート、テント及び輸送(木材、スチール)ラップ、フットカバーとカバーオールのような使い捨て衣料品、耐候性の家庭用ラップを含む群から選択される。
好ましくは、建設用製品は、ハウスラップ、アスファルトオーバーレイ、道路及び鉄道ベッド、ゴルフ及びテニスコート、壁カバー裏地、音響壁被覆材、屋根材及びタイル下敷、土壌安定剤及び道路下敷、土台安定剤、侵食防御、運河建築、排水システム、ジオメンブレン保護、霜よけ、農業マルチ、池及び運河の水障壁、排水タイルの砂侵入障壁を含む群から選択される。
<配合されたポリマー組成物の使用>
本発明の別の態様は、衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等における、以下の工程:
a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
c) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
e) 工程d)の接触成分を配合する工程
を含む群から選択される方法によって得ることができるポリマー組成物の使用を対象とする。
工程a)〜c)によれば、上記で規定したように、ポリマー成分としての少なくとも1種のポリ乳酸、充填剤としての少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が提供される。
工程d)及びe)によれば、上記で規定したように、a)、b)及びc)の成分を任意の順序で接触させ、工程d)の接触成分を配合する。
ポリマー組成物は、衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等に使用される。
以下の実施例は、本発明をさらに説明することができるが、例示された実施形態に本発明を限定することを意味するものではない。
<測定方法>
以下の測定方法を使用して、実施例及び請求項に示されたパラメーターを評価する。
<粒状材料の粒径分布(直径<Xの粒子の質量%)及び重量メジアン直径(d50)>
本明細書で使用され、当技術分野で一般的に規定されているように、「d50」値を、マイクロメリティクス・インストルメント社のSedigraph(商標) 5100を用いて行われた測定に基づいて求め、粒子質量の50%(中央値)が、明記された値に等しい直径を有する粒子によって占められるサイズとして規定する。
この方法及び装置は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を求めるために一般に使用される。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で行う。試料を、高速攪拌機及び超音速を使用して分散する。
<材料のBET比表面積>
本明細書を通して、鉱物充填剤の比表面積(m/gで表される)は、当業者に周知(ISO 9277:1995)のBET法(吸着ガスとして窒素を使用)を用いて求める。鉱物充填剤の全表面積(mで表される)を、処理前の鉱物充填剤の比表面積と質量(g)との積算によって得る。
<表面処理層の量>
炭酸カルシウム含有充填材上の処理層の量を、未処理の炭酸カルシウム含有充填材のBET及び表面処理に使用された一置換コハク酸無水物の量から理論的に計算する。炭酸カルシウム含有充填材に添加された一置換コハク酸無水物の100%が、炭酸カルシウム含有充填材の表面の表面処理層として存在すると仮定する。
<メルトフローレート>
「メルトフローレート」は、インストロン(Instron)製のCEASTメルトフローモジュラーライン装置で求める。装置及び測定方法は当業者に知られている。メルトフローレートは、手順Aを用いてDIN EN ISO 1133−1:2011に従って求める。測定されるポリマー試料は、顆粒又は1mm〜5mmの長さを有するペレットの形態である。6〜9gの量を測定に使用する。試料の測定は、2.095mmの内径及び8.00mmの長さを有する毛細管ダイを使用して、2.16kgの公称荷重で210℃で行う。負荷のない予熱を300秒間行い、測定長さは20mmである。
メルトフローレートは標準条件下で得る。本発明による「標準条件」という用語は、298.15K(25℃)の温度及び正確に100000Pa(1バール、14.5psi、0.98692気圧)の絶対圧力を指す標準周囲温度及び圧力(SATP)を指す。全ての測定は、調製後に同様の条件下で保存された試料に対して実施する。
<破断点における引張歪み>
ツビック・ロエル(Zwick Roell)のAllround Z020牽引装置で「破断点における引張歪み」を求める。装置及び測定方法は当業者に知られている。破断点における引張歪みは、DIN EN ISO 527 2/1BA/50:2012に従って、0.1MPaの必然性で50mm/分の速度で求める。本発明の試験片は、試料の厚さが1.9±2mmの間であり、測定長さが25×5mmであることを除いて、形状1BAを有する。
破断点における引張歪みは標準条件下で得る。全ての測定は、調製後に同様の条件下で保存された試料に対して実施する。
<材料>
<炭酸カルシウム含有充填材>
<炭酸カルシウム含有充填材1(粉末1)>
粉末1は、イタリアの乾式粉砕炭酸カルシウム(d50=2.6μm、d98=15μm、BET比表面積=2.6m/g)である。
<炭酸カルシウム含有充填材2(粉末2)>
粉末2は、イタリアのステアリン酸処理した乾式粉砕炭酸カルシウム(d50=2.6μm、d98=15μm、BET比表面積=2.6m/g)である。
<炭酸カルシウム含有充填材3(粉末3)>
ミキサー(Somakon MP−LBミキサー、ゾマコン・フェルファーレンステークニク(Somakon Verfahrenstechnik)、独国)に、イタリアからの乾式粉砕炭酸カルシウム(d50=2.6μm、d98=15μm、BET比表面積=2.6m/g)1.00kgを入れ、10分間(2000rpm、120℃)攪拌して調整する。その後、CaCO 100重量部に対して0.8重量部のASA 1を混合物に添加する。次いで、撹拌及び加熱をさらに20分間続ける(120℃、2000rpm)。その後、混合物を冷却させ、流動性のある粉末を回収する(粉末3)。
<炭酸カルシウム含有充填材4(粉末4)>
ミキサー(Somakon MP−LBミキサー、ゾマコン・フェルファーレンステークニク、独国)に、イタリアからの乾式粉砕炭酸カルシウム(d50=2.6μm、d98=15μm、BET比表面積=2.6m/g)1.00kgを入れ、10分間(2000rpm、120℃)攪拌して調整する。その後、CaCO 100重量部に対して0.4重量部のASA 1を混合物に添加する。次いで、撹拌及び加熱をさらに20分間続ける(120℃、2000rpm)。その後、混合物を冷却させ、流動性のある粉末を回収する(粉末4)。
<炭酸カルシウム含有充填材5(粉末5)>
ミキサー(Somakon MP−LBミキサー、ゾマコン・フェルファーレンステークニク、独国)に、イタリアからの乾式粉砕炭酸カルシウム(d50=2.6μm、d98=15μm、BET比表面積=2.6m/g)1.00kgを入れ、10分間(2000rpm、120℃)攪拌して調整する。その後、CaCO 100重量部に対して1.2重量部のASA 1を混合物に添加する。次いで、撹拌及び加熱をさらに20分間続ける(120℃、2000rpm)。その後、混合物を冷却させ、流動性のある粉末を回収する(粉末5)。
<ポリマー成分>
ポリマー成分として使用されるポリ乳酸は、ネーチャーワークスからBiopolymer 2003Dの商品名で市販されている。ポリ乳酸は、ポリ乳酸の総重量に基づいて、4.6重量%のD異性体を含むPDLLAである。さらに、PDLLAは、1.24の比重、及び55〜60℃のガラス転移温度を有する。PDLLAは、ポリ乳酸の総重量に基づいて、0.21重量%の残留モノマー含有率を有する。
<一置換コハク酸無水物>
<ASA 1>
一置換アルケニルコハク酸無水物(2,5−フランジオン、ジヒドロ−、モノ−C15−20−アルケニル誘導体(CAS番号68784−12−3)は、主に分枝したオクタデセニルコハク酸無水物(CAS#28777−98−2)及び主に分枝したヘキサデセニルコハク酸無水物(CAS#32072−96−1)のブレンドである。ブレンドの80%超過が分岐オクタデセニルコハク酸無水物である。ブレンドの純度は>95重量%である。残留オレフィン含有率は3重量%未満である。
<ポリマー配合調製物>
配合されたポリマー組成物は、2段階合成で調製する。
第1の工程では、ポリマー成分ポリ乳酸を、双ロールミル(Collin 150、Walzwerk 150×400、独国)に添加し、その後PLAが溶融した後に炭酸カルシウム含有充填材を添加する。一置換コハク酸無水物は、炭酸カルシウム含有充填材の表面に存在することができ、及び/又はその後に別々に添加してもよい。組成物の配合は、以下の表1に示す条件を用いて、120gの材料(充填剤+ポリマー+ASA)の総量で行う。
Figure 0006989588
均質な混合物を得た後、溶融物をロールから取り出し、11分(他に指示がない限り)というロールミル上の合計配合時間の間再び添加する(3回繰り返した)。
第2の工程では、配合したポリマー組成物をプレス(Collin P300P、ドクター・コリン、独国)で処理する。配合されたポリマー組成物約90gを片に切断し、2枚の金属板の間でプレスして、以下の寸法、即ち、169×169×2mmのシートを得る。使用したプレスプログラムを、以下の表2に示す。
Figure 0006989588
配合は26±2℃、40〜50%rHの室内で行う。
使用した材料の量及び配合したポリマー組成物の配合は、以下の表3に示す。
Figure 0006989588
<配合したポリマー組成物のメルトフローレート分析>
比較例CE1〜CE5及び発明例E1〜E5のメルトフローレートを以下の表4に示す。さらに、上記のような配合条件で処理されていない供給業者から受け取った純ポリ乳酸のメルトフローレートをCE6とする。
Figure 0006989588
実施例から分かるように、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合されたポリマー組成物のメルトフローレートを低下させることができる。より正確には、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、19.9%〜60.4%の間、メルトフローレートを低下させることができる。測定結果を図1及び2にもグラフを使って視覚化する。
<配合したポリマー組成物の破断点における引張歪み>
比較例CE1〜CE5及び発明例E1〜E5の破断点における引張歪みを以下の表5に示す。全ての示された結果は、少なくとも5回の試験の平均値である。
Figure 0006989588
実施例から分かるように、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中に、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を使用することにより、そのような配合したポリマー組成物の破断点における引張歪みを増加させることができる。より正確には、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、118%〜375%の間、破断点引張歪みを増加させることができる。測定された結果を図3にもグラフを使って視覚化する。

Claims (23)

  1. ポリマー成分としてポリ乳酸、及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物の配合前又は配合中の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物の使用であって、
    少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物からなる群から選択される、及び/又は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択され、
    加工中のポリマーの分解を低減し、及び/又はDIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定された、そのような配合されたポリマー組成物のメルトフローレートを、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理された同じポリマー組成物を比較して、少なくとも10%低下させるための使用。
  2. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に存在するように、ポリマー組成物の配合前に使用される、請求項に記載の使用。
  3. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物が、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を、混合下で、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物と接触させるように、ポリマー組成物の配合中に使用される、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも0.1重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項1からのいずれか一項に記載の使用。
  5. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、少なくとも1種の炭酸カルシウム含有充填材の総乾燥重量に基づいて、0.1〜4.0重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項に記載の使用。
  6. ポリマー成分がポリ乳酸のみからなる、請求項1からのいずれか一項に記載の使用。
  7. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、ポリマー成分の総重量に基づいて、少なくとも0.005重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項1からのいずれか一項に記載の使用。
  8. 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物が、ポリマー成分の総重量に基づいて、0.01〜5.0重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項に記載の使用。
  9. 炭酸カルシウム含有材料が、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の使用。
  10. 重質炭酸カルシウムが、大理石、石灰石、ドロマイト及び/又はチョークから選択され、及び/又は、沈降炭酸カルシウムがバテライト、カルサイト及び/又はアラゴナイトからなる群から選択される、請求項に記載の使用。
  11. 炭酸カルシウム含有材料が、
    i) 0.1μm〜10μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び/又は
    ii) ≦15μmのトップカット(d98)、及び/又は
    iii) ISO 9277:2010に従って、窒素及びBET法で測定された、0.5〜150m/gの比表面積(BET)、及び/又は
    iv) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%の残留総水分含有量
    を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 炭酸カルシウム含有材料が、
    i) 0.25μm〜7μmの範囲の重量メジアン粒径d50値、及び/又は
    ii) ≦12.5μmのトップカット(d98)、及び/又は
    iii) ISO 9277:2010に従って、窒素及びBET法で測定された、1〜60m/gの比表面積(BET)、及び/又は
    iv) 少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.02重量%〜0.5重量%の残留総水分含有量
    を有する、請求項11に記載の使用。
  13. 炭酸カルシウム含有材料が、ポリマー成分の総重量に基づいて、0.1〜85重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 炭酸カルシウム含有材料が、ポリマー成分の総重量に基づいて、3〜50重量%の量でポリマー組成物中に存在する、請求項13に記載の使用。
  15. ポリマー組成物が、着色顔料、染料、ワックス、潤滑剤、酸化及び/又はUV安定剤、酸化防止剤及びタルク等の他の充填剤等のさらなる添加剤を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。
  16. ポリマー組成物の破断点における引張歪みは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、少なくとも40%増加する、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
  17. ポリマー組成物の破断点における引張歪みは、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、少なくとも100%増加する、請求項16に記載の使用。
  18. DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定された、ポリマー組成物のメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、少なくとも15%低下する、請求項1から17のいずれか一項に記載の使用。
  19. DIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定された、ポリマー組成物のメルトフローレートが、少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を含まない同じポリマー組成物と比較して、少なくとも20%低下する、請求項18に記載の使用。
  20. 加工中のポリマー分解を減少させる、及び/又はDIN EN ISO 1133−1:2011(手順A、2.16kg、210℃、顆粒)に従って測定された、ポリマー成分としてポリ乳酸及び充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を含むポリマー組成物のメルトフローレートを少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を用いずに同じ方法で処理した同じポリマー組成物と比較して、少なくとも10%低下させる方法であって、該方法は
    a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供すること、及び
    b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供すること、及び
    c) 少なくとも一種の一置換コハク酸無水物を提供すること、
    d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させること、及び
    e) 工程d)の接触成分を配合すること
    を含み、
    少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物からなる群から選択される、及び/又は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される、
    法。
  21. 接触工程d)では、第一に、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、工程c)の少なくとも1種の一置換コハク酸無水物無水物と、工程b)の少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料の表面に少なくとも1種の一置換コハク酸無水物及び/又はその塩反応生成物を含む処理層が形成されるように接触させ、及び第2に、この表面処理された炭酸カルシウム含有材料を、混合下で、1つ以上の工程で、ポリ乳酸と接触させる、請求項20に記載の方法。
  22. 衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等における、以下の工程:
    a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
    b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
    c) 少なくとも1種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
    d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
    e) 工程d)の接触成分を配合する工程、ここで
    少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物からなる群から選択される、及び/又は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される
    を含む方法によって得ることができるポリマー組成物の使用。
  23. 以下の工程:
    a) ポリマー成分として少なくとも1種のポリ乳酸を提供する工程、及び
    b) 充填剤として少なくとも1種の炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、及び
    c) 少なくとも一種の一置換コハク酸無水物を提供する工程、
    d) 任意の順序でa)、b)及びc)の成分を接触させる工程、及び
    e) 工程d)の接触成分を配合する工程、ここで
    少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物及びそれらの混合物からなる群から選択される、及び/又は、少なくとも1種のアルキル一置換コハク酸無水物が、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、及びそれらの混合物を含む群から選択される
    を含む方法によって得ることができるポリマー組成物を含む物品であって、衛生用品、医療用品及びヘルスケア製品、フィルター製品、ジオテキスタイル製品、農業及び園芸製品、衣料品、履物及び手荷物製品、家庭用及び工業用製品、包装製品、建設用製品等から選択される、物品。
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