JP6988819B2 - 画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本開示は、画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。具体的には、例えば水面やガラスなど反射面の内部の被写体を撮影した画像から、反射光成分を除去した鮮明な被写体画像を生成する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。
ガラスや水面など、光の一部を透過し、一部を反射する反射面を介して被写体が存在する場合、カメラを用いて反射面内部の被写体を撮影すると、撮影画像に反射面からの反射成分が映り込み、反射面を介した被写体、すなわちガラスを介した被写体や、水中の被写体が鮮明に撮影できないという問題がある。
こうした問題を解決する手法として、偏光フィルタ(偏光板)をカメラの撮像素子と被写体の間に配置し、偏光フィルタで反射成分を除去して、反射成分を含まない光成分のみを撮像素子に受光させて鮮明な被写体画像を撮影する手法がある。
例えば、特許文献1(特開2016−126410号公報)は、偏光フィルタを介して撮影した偏光フィルタ適用画像と、通常の撮影処理によって撮影した輝度画像の2種類の画像を併せて取得可能なカメラを用い、反射光が低減された偏光フィルタ適用画像を利用することで、車のフロントガラスの奥に存在する運転者のより鮮明な画像を取得する構成を開示している。
また、特許文献2(特開2007−086720号公報)は、撮影対象の複数の異なる偏光方向の輝度情報を取得し、各偏光方向の輝度に正弦波をあてはめ、その正弦波の最小値を選択することで、被写体前方のガラス面等の反射面からの反射光を除去した画像を取得する構成を開示している。
特開2016−126410号公報 特開2007−086720号公報
上述のように、偏光フィルタを利用することで被写体の手前側にあるガラス等の反射面の映り込み画像の撮像素子に対する入力を低減し、被写体を鮮明に撮像する方法がある。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された方式では、偏光フィルタが固定されており、特定の条件、すなわち、偏光フィルタによって、反射光成分の入力が遮断される特定の撮影角度でのみしか期待する反射光除去効果が得られないという問題がある。
具体的には、路上に設置したカメラで車を撮影するような場合、カメラに対して斜めに車が走行していると、偏光フィルタの遮断方向と反射光のS波の方向が一致せず十分な反射光の除去効果が得られない。
また、上記の特許文献1、特許文献2において開示された構成は、いずれも反射面の垂直方向に相当する面方向と、カメラの視線方向が成す角度が、特定の角度(ブリュースター角)に一致、またはその近傍であるという特定の条件を満たす場合にのみ効果を発揮する構成であり、この特定の条件を満たさない場合には、反射光の除去効果は得られないという問題がある。
このように、偏光フィルタを用いて、水面やガラス面などの反射光を除去した画像を撮影しようとする場合、反射面の垂直方向に相当する面方向と、カメラの視線方向が成す角度を特定の角度(ブリュースター角)に一致、またはその近傍に設定するという特定の条件下で、画像を撮影することが必要となる。
しかし、この手法では、撮影対象とする被写体を、特定の方向から撮影することが必要となり、様々な自由なアングルでの画像撮影ができなくなるという問題が発生する。
本開示は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、上述したブリュースター角によって限定されてしまう特定方向の撮影画像のみならず、様々な方向から撮影した画像から反射光成分を除去することを可能とした画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本開示の第1の側面は、
異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力部と、
前記画像入力部の取得画像の撮影方向と反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を取得する角度入力部と、
前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離部と、
を有する画像処理装置にある。
さらに、本開示の第2の側面は、
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像入力部が、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力ステップと、
角度入力部が、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力する角度入力ステップと、
反射成分分離部が、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離ステップと、
を実行する画像処理方法にある。
さらに、本開示の第3の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像入力部に、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得させる画像入力ステップと、
角度入力部に、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力させる角度入力ステップと、
反射成分分離部に、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去させる反射成分分離ステップと、
を実行させるプログラムにある。
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な画像処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本開示の一実施例の構成によれば、様々な方向の撮影画像から反射成分光を除去可能とした画像処理装置、および方法が実現される。
具体的には、例えば、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力部と、取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、強度透過率および強度反射率計算部に出力する角度入力部と、反射角を適用してS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する計算部と、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、画像入力部の取得画像から反射光成分を除去する反射成分分離部を有する。これらの処理により、様々な反射角の撮影画像からの反射光成分除去を可能とした。
本構成により、様々な方向の撮影画像から反射成分光を除去可能とした画像処理装置、および方法が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
反射面からの反射光の影響が発生する画像撮影構成の一例について説明する図である。 反射成分が反射面で反射した時の、入射光を構成するS波とP波それぞれの反射率について説明する図である。 偏光フィルタの設定角度である偏光板角度と、偏光フィルタを透過する透過光の輝度との関係を示すグラフを示す図である。 異なる屈折率を持つ界面に光が入射し、反射する様子について説明する図である。 第2領域から、反射面を通過して第1領域に飛び出す透過光(拡散光)の偏光について説明する図である。 反射光と透過光のS波とP波それぞれの値と入射角との関係を示す図である。 反射光と透過光の双方の光を入射するカメラの視点から観察した時の偏光の様子について説明する図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 偏光画像を取得する画像入力部の一例について説明する図である。 偏光画像を取得する画像入力部の一例について説明する図である。 偏光画像を取得する画像入力部の一例について説明する図である。 偏光画像を取得する画像入力部の一例について説明する図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 反射角算出を行うジャイロを搭載したカメラの例につい説明する図である。 画像処理装置であるカメラが人の眼を撮影し、虹彩に映り込んだ反射を除去することを想定した例について説明する図である。 デプスマップを利用して被写体の各点における面方向を算出する処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 方位角および天頂角について説明する図である。 方位角および天頂角について説明する図である。 方位角および天頂角について説明する図である。 方位角の算出処理例について説明する図である。 方位角の算出処理例について説明する図である。 天頂角の算出処理例について説明する図である。 天頂角の算出処理例について説明する図である。 天頂角の算出処理例について説明する図である。 方位角、天頂角、カメラ角の対応関係例について説明する図である。 天頂角の算出処理例について説明する図である。 方位角、天頂角、反射面傾き角の対応関係例について説明する図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 本開示の画像処理装置の一実施例の構成を示す図である。 画像処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本開示の画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
1.反射面からの反射光の影響が発生する画像撮影構成の一例と、用語の定義について
2.偏光フィルタを適用して反射面からの反射光を除去する処理の原理と課題について
3.反射角の角度に応じた画像処理による反射光除去処理について
4.任意の撮影方向の画像から反射光成分を除去した画像を生成する画像処理装置と画像処理方法について
5.その他の実施例について
5−1.屈折率入力部を省略した構成例
5−2.ジャイロセンサを利用した角度入力部の例
5−3.被写体に応じた角度入力処理を実行する角度入力部の例
5−4.デプスセンサを有する角度入力部の例
5−5.反射除去結果呈示部を持つ実施例
5−6.生成画像の画素の輝度に基づいて反射角を推定する実施例
5−7.カメラ装着センサから取得するカメラ姿勢情報を用いて天頂角を算出し、天頂角を入射角(=反射角)として利用する実施例
6.画像処理装置のハードウェア構成例について
7.本開示の画像処理装置を適用した応用例について
8.本開示の構成のまとめ
[1.反射面からの反射光の影響が発生する画像撮影構成の一例と、用語の定義について]
まず、図1を参照して、反射面からの反射光の影響が発生する画像撮影構成の一例と、用語の定義について説明する。
図1は、反射面からの反射光が発生する画像撮影構成の一例を説明する図である。
図1において、カメラ10は、水面やガラス面等の反射面51の奥側の魚を被写体20として撮影する。
図1では、水面やガラス面等の反射面51の上側のカメラ10のある領域をカメラ側領域、反射面51の下側の被写体(=魚)20のある領域を被写体領域として示している。
撮影処理は、カメラ側領域の光源30、例えば太陽、あるいは室内光等の光源30の下で行う。
反射面51は、水面やガラスなどの面であり、光源30からの光の一部を透過し、一部を反射する。なお、反射面51は、例えば透明な物質や反透明な物質によって構成される。
このような設定で、カメラ10による画像撮影を行う場合、反射面51に撮影方向を向けているカメラ10には、以下の(a),(b)2種類の光が入力される。
(a)被写体20の被写体画像に相当する透過光(拡散光)Lt
(b)反射面51の反射面画像に相当する反射光Lr
(a)被写体20の被写体画像に相当する透過光(拡散光)Ltは、光源30の光(入射光Lx)が、水面やガラスなどの反射面51を透過し、反射面51内部の被写体20(=魚)から反射する光から構成される被写体20の画像に相当する光である。
(b)反射面51の反射面画像に相当する反射光Lrは、水面やガラスなどの反射面51に映り込んだ光源等の外界の景色画像に相当する光である。
カメラ10には、これら2種類の光が入力する。
結果として、カメラ10は、これら2つの光の重畳画像を撮影することになる。
従って、カメラ10の撮影画像は、本来の撮影対象である被写体20(=魚)の画像に、水面やガラスなどの反射面51からの反射光画像が重なった画像となり、反射面からの反射光画像の成分が多い場合には、被写体20(=魚)画像が不鮮明になる。
図1において、被写体20(=魚)画像に相当する光は、水面やガラスなどの反射面51の内部(図の下側)から、外部(図の上側=カメラ側)に向けて示す実線として示している。
図1において、カメラ10に対する入力光として示す透過光(または拡散光)Ltである。
一方、面やガラスなどの反射面51からの反射光画像に相当する光は、図1において、カメラ10に対する入力光として点線で示す反射光Lr(=反射成分)である。
なお、反射光Lr(=反射成分)に相当する光線が反射面51で反射する前の状態を入射光Lxと呼び、反射面51による反射成分に相当する光線が反射光Lrである。
また、反射光Lr(=反射成分)が反射面51に入射して反射する経路が成す面を「入射面52」と呼ぶ。
図に示す入射光Lx、反射光Lr、透過光Ltは、いずれも2つの光成分、P波(またはP偏光)とS波(またはS偏光)を有する。
光は電磁波であり、進行方向に対して直交して振動する電界と磁界によって構成される。
電界が入射面に平行に振動する光成分、すなわち入射面51に平行な偏光方向の光をP波(P偏光)と呼ぶ。
一方、電界が入射面に垂直に振動する光成分、すなわち入射面51に垂直な偏光方向の光をS波(S偏光)と呼ぶ。
反射面51に直交する線を法線55とよび、法線55の反射光Lr側に向かう方向を法線方向または面方向と呼ぶ。法線方向(面方向)は、図1中の垂直上方向の矢印の向きである。
法線55と入射光Lxが成す角度を入射角と呼ぶ。
法線55と反射光Lrが成す角度を反射角と呼ぶ。反射角と入射角は、図1に示すように、同一の角度αとなる。
前述したように、カメラ10の撮影画像は、本来の撮影対象である被写体20(=魚)の被写体画像に、水面やガラスなどの反射面51に映り込んだ反射光画像が重なった画像となり、反射光成分が多いと、被写体20(=魚)の鮮明な画像が得られなくなる。
なお、反射面の垂直方向に相当する面方向と、カメラの視線方向が成す角度を特定の角度(ブリュースター角)に一致、またはその近傍に設定するという特定の条件下で、偏光フィルタを適用して画像を撮影することで反射光を除去した画像を撮影することが可能である。
しかし、この手法では、撮影対象とする被写体を、特定の方向から撮影することが必要となり、様々な自由なアングルでの画像撮影ができなくなるという問題が発生する。
以下、偏光フィルタを適用した撮影処理とその問題点について説明する。
[2.偏光フィルタを適用して反射面からの反射光を除去する処理の原理と課題について]
次に、図2以下を参照して、偏光フィルタを適用して反射面からの反射光を除去する処理の原理と課題について説明する。
図2は反射成分が反射面で反射した時の、入射光Lxを構成するS波とP波それぞれの反射率を示した図である。
横軸が、入射光Lxの入射角α(=反射角)、縦軸が反射率(反射光強度/入射光強度)である。
RsがS波の反射率、RpがP波の反射率である。
RsとRpは、反射光Lrに含まれるS波とP波の量と言い換えることもできる。
図2のグラフの縦軸に示す反射率は、横軸に示す入射角(α)によって異なることが分かる。なお、反射面51の屈折率によっても反射率は変化する。図2は、図1に示す反射面51が、ある特定の屈折率を有する場合の例を示している。
図2に示すグラフから理解されるように、入射角(=反射角)αが、約70度の辺りに着目すると、P波の反射率がほぼゼロとなっていることが分かる。
このように、
P波の反射率≒0
となる入射角をブリュースター角と呼ぶ。
すなわち、入射角(=反射角)αを、ブリュースター角に設定すると、反射光にはP波の成分は含まれず、S波のみとなる。
従って、反射面51に対するカメラ10の方向をブリュースター角に設定して反射光のP波を除去し、さらに、カメラ10に偏光フィルタを装着し、反射光のS波を遮断する方向に偏光フィルタを回転させると、偏光フィルタによって反射光のS波も除去することができる。
すなわち、このような設定で、画像を撮影すれば、反射面51からの反射光のP波とS波、すなわち全ての反射成分を取り除くことが可能となり、透過光の成分のみからなる画像(透過成分画像)を鮮明に撮影することができる。
図1の例では、被写体20(魚)の鮮明な画像を撮影することができる。
なお、このようなブリュースター角と偏光フィルタを用いた反射成分除去手法は、前述の特許文献1(特開2016−126410号公報)にも記載された従来から、よく知られた手法である。
なお、この方法では、カメラ10に装着した偏光フィルタを反射光のS波を遮断するように調整する必要があるが、偏光フィルタを回して複数回撮影するなどの方法で、3方向以上の偏光方向の画像を取得して、これらの画像を合成することでも反射成分を取り除いた画像を生成することができる。
図3は偏光フィルタの設定角度である偏光板角度と、偏光フィルタを透過する透過光の輝度との関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、輝度Iは、偏光板角度に応じて変化し、偏光板角度に応じた輝度変化は、正弦波となる。
偏光フィルタ(偏光板)を介した透過光の観測輝度をIpolとしたとき、
観測輝度をIpolは、以下の(式1)によって示される。
Figure 0006988819
なお、上記(式1)において、各パラメータは以下の意味を持つ。
pol:偏光フィルタ(偏光板)を介した観測輝度
θpol:回転させた偏光フィルタ(偏光板)の角度
φ:観測光の位相
Imax,Imin:cos関数の振幅の上限と下限
図3に示すグラフにおいて、輝度がIminとなる角度が、S波を遮断する偏光フィルタの角度、すなわちブリュースター角である。
上記(式1)に含まれる未知数は、以下の3種類がある。
φ:観測光の位相
Imax,Imin:cos関数の振幅の上限と下限
これらの3つの未知パラメータを算出するためには、偏光フィルタを回して3種類以上の角度で輝度、すなわち(Ipol)を取得する。
この3つの輝度に正弦波をフィッティングすることで3つの未知数、すなわち正弦波モデルパラメータであるImin、Imax、φを得ることができる。
これは、上記(式1)について3つの連立方程式を設定して、3つの未知数を算出する処理に相当する。
すなわち、カメラ10に装着した偏光フィルタを回して3種類以上の異なる角度で撮影した画像を取得し、上記(式1)の未知のパラメータ、Imin、Imax、Φを算出することができる。
ここで、輝度Iminは、S波を遮断して得られる輝度に相当する。
このように、カメラ10に装着した偏光フィルタを、S波を遮断するように調整して1回撮影するか、あるいは、偏光フィルタを回して複数回撮影するなどの方法で、3方向以上の偏光方向の画像を取得して、これらの画像を利用した未知パラメータの算出により、反射成分を取り除いた画像を生成することもできる。
しかし、これらの処理は、反射角をほぼブリュースター角に設定して撮影した場合にのみ利用可能な処理である。
すなわち、上述した処理によって反射成分を取り除いた画像は、カメラを特定の方向に向けた撮影した特定方向の画像のみとなる。
反射角がブリュースター角から離れた角度の場合は、図2から分かるように、反射光にはS波とP波いずれの成分も含まれているので、どのように偏光フィルタを回しても反射光を全て除去することはできない。
このように、反射光成分を除去した鮮明な被写体画像を撮影するためには、カメラの撮影方向がブリュースター角によって限定される一方向に制限されてしまう。
すなわち、反射面の垂直方向に相当する面方向と、カメラの視線方向が成す角度を特定の角度(ブリュースター角)に一致、またはその近傍に設定するという特定の条件下で、画像を撮影することが必要となる。
このように、この手法は、撮影対象とする被写体を、特定の方向から撮影することが必要であり、様々な自由なアングルでの画像撮影ができなくなるという問題が発生する。
本開示の画像処理装置は、この問題を解決し、上述したブリュースター角によって限定されてしまう特定方向の撮影画像のみならず、様々な方向から撮影した画像から反射光成分を除去または削減して、鮮明な被写体画像(透過光画像、または透過光成分画像)を取得する処理を行う。
以下、この処理の詳細について説明する。
[3.反射角の角度に応じた画像処理による反射光除去処理について]
以下、反射角の角度に応じた画像処理を実行して、様々な方向の撮影画像から反射成分を除去する処理について説明する。
図4は、異なる屈折率を持つ界面に光が入射し、反射する様子を示した図である。
図4において、反射面70の上部領域を第1領域、下部領域を第2領域とする。
図1を参照して説明した入射面52が、図4の平面(紙面)に相当する。
図4に示す入射光のP波は、電界が入射面(図4平面)に平行に振動する光成分であり、図4に示す入射光のS波は、電界が入射面に垂直に振動する光成分である。
図4に示す反射面70によって区分された第1領域と第2領域は、異なる屈折率を有する領域である。
第1領域の屈折率をn
第2領域の屈折率をn
とする。さらに、
入射光の入射角(=入射光反射角)をα、
拡散光の入射角をβとする。
この時、スネルの法則より、それぞれの値は以下の(式2)を満たすことが知られている。
Figure 0006988819
さらに、フレネルの公式より、鏡面反射におけるS波とP波それぞれの振る舞いを示す振幅反射率は、以下の(式3)のように示すことができる。
Figure 0006988819
上記(式3)において、
rsは、反射成分のS波振幅反射率、
rpは、反射成分のP波振幅反射率、
である。
また、反射光の光強度対応の反射率を示す強度反射率は、上記(式3)で算出される振幅反射率の2乗で表すことができる。
ここで、第2領域の第1領域に対する相対屈折率nを、
n=n/n
とおき、スネルの法則を用いて、上記(式3)を、反射成分中の各波の光強度、すなわち、
反射成分に含まれるS波の光強度Rs
反射成分に含まれるP波の光強度Rp
これらの値の算出式を求めると、以下の(式4)として表すことができる。
Figure 0006988819
続いて、図4に示す第2領域から、反射面70を通過して第1領域に飛び出す透過光(拡散光)の偏光について説明する。
この透過光は、第2領域内の被写体画像を形成する光となる。図1に示す例では、被写体20(魚)の画像を構成する光に相当する。
図5は、第2領域から、反射面70を通過して第1領域に飛び出す透過光(拡散光)の偏光について説明する図である。
領域設定と、各領域の屈折率は図4と同様の設定である。
第1領域の屈折率をn
第2領域の屈折率をn
とする。
さらに、第2領域から発せられる入射光の入射角(=入射光反射角)をβ、
第2領域から、反射面70を通過して第1領域に飛び出す透過光(拡散光)の屈折角をαとする。
この時、これらの各パラメータn,n,α、βは、先に説明したスネルの法則(式2)を満たす。
さらに、フレネルの公式より、透過光(拡散光)のS波とP波それぞれの振る舞いを示す振幅透過率は、以下の(式5)のように示すことができる。
Figure 0006988819
上記(式5)において、
tsは、透過光(拡散光)のS波振幅透過率、
tpは、透過光(拡散光)のP波振幅透過率、
である。
また、透過光の光強度対応の透過率を示す強度透過率Ts、Tpは、以下の(式6)で表すことができる。
Figure 0006988819
ここで、第2領域の第1領域に対する相対屈折率nを、
n=n/n
とおき、スネルの法則を用いて、上記(式5)を、透過成分中の各波の光強度、すなわち、
透過光に含まれるS波の光強度Ts
透過光に含まれるP波の光強度Tp
これらの値の算出式を求めると、以下の(式7)として表すことができる。
Figure 0006988819
上述した、反射光と透過光のS波とP波それぞれの値を入射角ごとにプロットすると、図6に示すグラフが得られる。図6には以下の2つのグラフを示している。
(A)反射光の入射角と反射率との対応関係データ
(B)透過光の入射角と透過率との対応関係データ
なお、図6に示すグラフは、第1領域と第2領域の相対屈折率(n=n/n)が、1.6の場合の例である。
図6に示す2つのグラフのいずれにおいても、S波とP波とでは、入射角に対する強度変化の態様が異なっていることが理解される。
すなわち、このふるまいの違いが反射光において無偏光の光が偏光する要因である。この偏光光の違いは人間の目や通常のイメージセンサでは取得できない。光の偏光の様子を観測するためには偏光子や偏光フィルタが使用されるが、以下では偏光フィルタをカメラの前に配置したときに観測される光の強度に関して説明する。
まず、屈折率の異なる2つの領域の境界の境界面(反射面)において反射する反射光と、境界面(反射面)を透過する透過光、各々の反射前、および透過前の入射光の強度を以下の強度とする。
反射光の反射前の入射光の光の強度をI
透過光の透過前の入射光の光の強度をI
これらの光強度とする。
この時、反射光と、透過光のS波と、P波の強度は前記の強度をS波とP波それぞれ半分に分けた上で、上記で説明した強度反射率や強度透過率を乗算した値となるので、以下に示す(式8)として表すことができる。
Figure 0006988819
図7は、反射光と透過光の双方の光を入射するカメラの視点から観察した時の偏光の様子を示している。
図7は、図7(参考図)に示すように、カメラ側から見たカメラに対する入射光の解析図である。
図7平面の手前にカメラがあり、図7平面の奥側から透過光と反射光の双方を含む観測光が、カメラに入力する。観測光は、カメラに垂直な入射面に沿って進む。
図7に示す入射面の線は、図7の平面に垂直方向に広がる平面であり、この入射面に沿って図7の奥側から手前側(カメラ側)に向けて光が進行する。
カメラに入射する光である観測光には、透過光と反射光の双方が含まれる。
図7には、透過光と反射光からなる観測光に含まれるP波とS波の強度をそれぞれ実線の矢印で示している。
図7に示すP波81、S波82である。
カメラの前に偏光フィルタを配置したとき、その透過偏光方向が図7に二重線で示した透過偏光方向85であったとする。
なお、この透過偏光方向85の入射面からの傾き角度をτとする。
偏光フィルタを透過し、カメラにおいて観測されるP波とS波の強度は図7に点線で示した強度となる。
図7に示すフィルタ透過光のP波成分86、フィルタ透過光のS波成分87である。
図7に示すフィルタ透過光のP波成分86は、入射面に平行なP波81のベクトルの偏光フィルタの透過偏光方向85の成分に相当する。
また、図7に示すフィルタ透過光のS波成分87は、入射面に垂直なS波82のベクトルの偏光フィルタの透過偏光方向85の成分に相当する。
このような関係に基づいて、偏光フィルタを透過し観測される反射光の強度I polは、以下の(式9)によって表すことができる。
Figure 0006988819
同様に偏光フィルタを透過し観測される透過光の強度I polは、以下の(式10)によって表すことができる。
Figure 0006988819
さらに、カメラによって観測される光の強度は透過光と反射光を加算したものであるから、この透過光と反射光を含むカメラの観測光の強度Ipolは、以下の(式11)によって表すことができる。
Figure 0006988819
ここで、カメラと偏光フィルタの透過偏光方向と入射面の方向の関係を考える。
カメラで取得される画像平面の水平方向をX軸、垂直方向をY軸とした時の、Y軸と偏光フィルタの透過偏光方向の相対的な角度は容易に取得できるが、入射面の方向は容易には取得できない。
すなわち、図7を参照して説明した「入射面」と、「偏光フィルタの透過偏光方向」との角度τが不明である。
そこで、カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と偏光フィルタの透過偏光方向の相対的な角度をθとし、Y軸と入射面の方向の相対的な未知の角度をΦとすると、上記の(式11)は以下の(式12)のように書き換えることができる。
Figure 0006988819
反射角および相対屈折率が既知の場合、すでに説明してきたように、
反射光の光強度対応の反射率を示す強度反射率Rs、Rpと、
透過光の光強度対応の透過率を示す強度透過率Ts、Tp、
これらの値については、先に説明した(式4)、(式7)を適用して計算することができる。
また、カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と偏光フィルタの透過偏光方向の相対的な角度θは、カメラに装着した偏光フィルタの設定角度に従って決定される角度であり、偏光フィルタの設定角度に基づいて算出できる。
従って、上記の(式12)は、
反射光の反射前の入射光の光の強度:I
透過光の透過前の入射光の光の強度:I
カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と入射面の方向の相対的な角度:Φ、
これらの3つの未知数を持つ三変数の関数と考えることが可能である。
3つの未知数を持つ式から、3つの未知数を導くためには、3種類の式からなる連立方程式を得ればよい。
このためには、カメラに装着した偏光フィルタの回転等による偏光方向制御により、角度θを3種類以上の異なる設定として画像撮影を行う。すなわち、カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と偏光フィルタの透過偏光方向の相対的な角度θを少なくとも三通りに変化させて撮影処理を実行して、上記(式12)のIpolの値、すなわち、カメラの観測光強度Ipolの値を取得する。
この処理によって、3種類の式からなる連立方程式を取得し、この連立方程式を解くことで上記(式12)の3つの未知数、すなわち、
反射光の反射前の入射光の光の強度:I
透過光の透過前の入射光の光の強度:I
カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と入射面の方向の相対的な角度:Φ、
これらの未知数の値を算出することができる。
ここで、透過光の透過前の入射光の光の強度:I
このIが、カメラの撮影画像に含まれる透過光成分に相当する。従って、このIの値を画素値として設定した画像を生成することで、透過光のみからなる画像、すなわち、反射光と透過光を含む観察画像から反射光成分を除去した透過光のみからなる画像を生成することが可能となる。
なお、
反射光の光強度対応の反射率を示す強度反射率Rs、Rpと、
透過光の光強度対応の透過率を示す強度透過率Ts、Tp、
これらの値の算出式である先に説明した(式4)、(式7)には、相対屈折率n=n/nと、反射角αが含まれる。
これらの相対屈折率nや反射角αについては、撮影環境に応じて各値を取得することが好ましい。
あるいは、多くの物質の空気との相対屈折率nは1.5〜1.6であるので、n=1.5〜1.6とした設定で演算を行ってもよい。
例えば、空気の屈折率=nと、水やガラス等の物質の屈折率nとの比である相対屈折率n=n/nの値は、n=1.5〜1.6であり、水中やガラス内の被写体を撮影する場合には、相対屈折率n=1.5〜1.6として演算を行っても大きな誤差が発生することはない。
反射角αについては、反射面が水平である場合には、例えばカメラの撮影角度を検出するジャイロ等のセンサから取得することも可能である。
以下、具体的な画像処理装置と画像処理方法の実施例について、説明する。
[4.任意の撮影方向の画像から反射光成分を除去した画像を生成する画像処理装置と画像処理方法について]
図8以下を参照して、任意の撮影方向の画像から反射光成分を除去した画像を生成する画像処理装置と画像処理方法について説明する。
図8は、本開示の画像処理装置の一実施例構成を示す図である。
図8に示す画像処理装置100は、画像入力部101、角度入力部102、屈折率入力部103、強度透過率/強度反射率計算部104、反射成分分離部105を有する。
画像処理装置100は、例えば図1に示す環境で撮影した画像、すなわち、反射光と透過光を含む観察光から構成される画像を入力して、この入力画像から、反射光成分を除去した透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成する。
画像入力部101は、複数方向の異なる偏光画像を入力する。
具体的には、例えば、偏光フィルタの設定されたカメラの偏光フィルタを回転させて撮影した3種類以上の異なる偏光画像を入力する。
あるいは、各画素単位で異なる偏光フィルタを積層した撮像素子を適用した1枚の撮影画像を入力してもよい。この撮像素子構成については、後段で説明する。
以下では、偏光フィルタの設定されたカメラの偏光フィルタを回転させて撮影した3種類以上の異なる偏光画像を入力した場合の処理について説明する。
画像入力部101は、複数の偏光方向の異なる偏光画像を入力し、入力画像を反射成分分離部105に入力する。
反射成分分離部105は、強度透過率/強度反射率計算部104において計算された強度透過率と、強度反射率に基づき、取得された画像から反射成分を分離して、透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成して出力する。
強度透過率/強度反射率計算部104は、角度入力部102および屈折率入力部103から入力された、各撮影画像(シーン)における被写体の反射角α、および相対屈折率n=n/nに基づき、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。
なお、強度透過率/強度反射率計算部104については、反射成分分離部105と別の独立した構成とすることなく、反射成分分離部105内の一構成要素としてもよい。
このような構成では、反射成分分離部105内の強度透過率/強度反射率計算部104が、角度入力部102および屈折率入力部103から反射角α、および相対屈折率n=n/nを入力して、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。さらに、同じ反射成分分離部105において、この計算結果に基づき、画像入力部101の取得画像から反射成分を分離して、透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成して出力する。
以下、各部の詳細を説明する。
画像入力部101は、複数の異なる方向の偏光画像を取得する。複数方向の偏光画像とは、カメラの前に偏光フィルタを配置して撮影する際に、偏光フィルタを異なる方向に回転させて複数枚撮影することで得られる複数の画像を意味する。
複数の偏光画像を取得する方法としては様々な手段が考えられる。
複数の偏光画像を取得する方法の一例について、図9を参照して説明する。
例えば図9に示すように、3台以上の複数のカメラa,120,カメラb,130,カメラc,140を配置する。さらに各カメラa〜c,120〜140の前面に異なる方向の偏光フィルタ121a,131a,141aを配置して、画像撮影を行うことで各カメラa〜c,120〜140の撮像素子122a〜142cには、複数の異なる方向の偏光画像が撮影される。
この場合、例えばカメラa120の偏光フィルタa121の設定角度(透過偏光方向に相当)を0度に設定し、カメラb130の偏光フィルタb131の設定角度を60度に設定し、カメラc140の偏光フィルタc141の設定角度を120度に設定して、同時に画像を撮影する。この撮影処理により、3つの異なる偏光方向の偏光画像を撮影することができる。
なお、上述した偏光フィルタの設定角度は、一例であり、3つの角度が全て異なっていればどのような角度の組み合わせでも良い。また、カメラが4台以上であっても構わない。
複数方向の偏光画像を取得する手段としては、図10に示すカメラ150を利用した方法も考えられる。
カメラ150は複数回、時分割で画像を撮影する。カメラ150には、回転することが可能な回転可能偏光フィルタ151が装着されている。
回転可能偏光フィルタ151は、カメラ150の各回の撮影毎に、所定角度回転する。
例えば、図に示すように各撮影タイミングt1,t2.t3において、回転可能偏光フィルタ151は異なる角度に設定される。例えば、1回の回転で45度回転する。このカメラ150を用いて3回の画像撮影を行うことで、複数方向の偏光画像を取得することができる。
本実施例では、このような方法で3方向の偏光画像を取得する場合を考える。
すなわち、
透過偏光方向=0度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI とし、
透過偏光方向=45度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI 45とし、
透過偏光方向=90度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI 90とする。
さらに、図11に示すような偏光画像撮影カメラ160を用いて画像を撮影してもよい。
図11に示す偏光画像撮影カメラ160は、特殊なイメージセンサ、すなわち偏光子積層撮像素子162を搭載している。
偏光子積層撮像素子162は、撮像素子を構成する各画素単位で異なる偏光方向を持つ偏光フィルタ(偏光子)を積層した構成を持つ。
偏光子積層撮像素子162を構成する各画素には、それぞれ特定方向に偏光した光だけを通過させる光フィルタとして機能する偏光子が設けられている。偏光子の下に偏光子を通過した光を受光する光電変換素子が設けられている。
偏光子積層撮像素子162を構成する各画素に設定される偏光子は、例えば2×2=4画素を一単位として、これら4画素が、それぞれ異なる偏光方向の光のみを通過させる構成となっている。
図11右下に示す偏光子積層撮像素子162の各画素に示すハッチングが偏光方向を示す。
図11(a)偏光子積層撮像素子の偏光方向例は、偏光子積層撮像素子162の各画素の偏光方向を矢印で示した図である。
例えば、左上端の4つの画素a,b,c,dの偏光方向は以下の設定である。
画素aの偏光方向は、垂直方向(0度)であり、画素aは垂直偏光のみを受光する。
画素bの偏光方向は、右上斜め方向(45度)であり、画素bは右上斜め方向の偏光のみを受光する。
画素cの偏光方向は、右下斜め方向(135度)であり、画素cは右下斜め方向の偏光のみを受光する。
画素dの偏光方向は、水平方向(90度)であり、画素dは水平偏光のみを受光する。
なお、上述の説明において、垂直方向、右上斜め方向、右下斜め方向、水平方向とは、カメラに対する方向であり、カメラの横方向を水平方向、カメラの縦方向を垂直方向とした場合の方向である。従って、カメラの傾きに応じて各画素の偏光方向は変化する。
図12は、図11を参照して説明した偏光子積層撮像素子162の断面構成例である。図12に示すように、偏光子積層撮像素子162の断面は、上(撮像素子表面)から下(撮像素子内部)にかけて、以下の各層が構成された積層構成を有する。
(1)シリコンレンズ、
(2)偏光子、
(3)光電変換素子、
これら(1)〜(3)の各層を有する積層構成となっている。
画像撮影によって撮像素子に入力する光は、シリコンレンズを介して、偏光子を通過し、光電変換素子によって受光される。
なお、図11、図12を参照して説明した例では、偏光子積層撮像素子162は、2×2=4画素を一単位としてそれぞれ異なる偏光方向光を通過させる構成であり、このような4画素単位の構成が繰り返し設定されて、偏光子積層撮像素子162の全画素が構成される。
偏光子積層撮像素子162は、2×2=4画素単位で、4つの異なる偏光方向の偏光画像を撮影する構成であり、4つの異なる偏光画像を得ることができる。
なお、1つの偏光画像は、4画素単位で1つのみの画素値を有するので、他の3画素には同一画素値を設定する。この処理により、解像度は低下するが4つの異なる偏光画像を1回の撮影処理で取得することができる。
なお、図11に示す例は、4画素単位で4つの偏光画像を取得可能な撮像素子の構成であるが、偏光方向は3方向以上であればよく、また偏光方向の設定も図11に示す例に限らず、様々な方向の設定が可能である。
図8に示す画像処理装置100の画像入力部101は、例えば図9、図10、あるいは図11〜図12を参照して説明したカメラによって撮影された3種類以上の異なる偏光画像を取得して、反射成分分離部105に入力する。
角度入力部102は、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する反射角(α)を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
画像の各画素に対応する反射角の取得方法には様々なものが考えられるが、例えば入力画像の撮影を行うカメラの撮影角度に応じてユーザ(撮影者)が入力した角度データをメモリに格納し、その格納データを利用して、画像の各画素に対応する反射角を算出することが可能である。
あるいは、カメラに備えられた角度センサ等の情報を入力画像の属性情報として設定して画像とともに入力してメモリに格納し、その格納データを利用して、画像の各画素に対応する反射角を算出する構成としてもよい。
あるいは、予めメモリに45度などの規定角度情報を格納し、その角度情報を画像の各画素に対応する反射角として利用する設定としてもよい。
なお、画像を構成する画素ごとに異なる厳密な画素単位の反射角を算出してもよいが、簡易的に画像の構成画素の全て、あるいは所定領域単位の画素群単位で共通の同一の反射角を設定して利用する構成としてもよい。
角度入力部102は、例えば上記のいずれかの方法により、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する反射角(α)を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
屈折率入力部103は、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する相対屈折率を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
なお、相対屈折率は、画像の構成画素の全てに共通の値として構わない。
相対屈折率の取得方法には様々なものが考えられるが、例えば入力画像の撮影を行うユーザ(撮影者)が入力した相対屈折率(n=n/n)のデータをメモリに格納し、その格納データを利用することが可能である。
あるいは、例えば、予めメモリに1.5などの相対屈折率(n=n/n)データを格納し、その格納データを利用してもよい。
前述したように、多くの物質の空気との相対屈折率nは1.5〜1.6であるので、n=1.5、あるいはn=1.6とした固定の相対屈折率データをメモリに格納して、この格納データを利用することが可能である。
空気の屈折率は、約1.0であり、水の屈折率は、約1.33、ガラスの屈折率は、約1.4〜2.0等、物質によって屈折率は多少、異なるが、空気以外の物質の多くは、屈折率=1.3〜1.6程度の物質である。
被写体の存在する領域が水中か、ガラス内かによって、ユーザが、その領域の屈折率に応じた相対屈折率を入力する設定としてもよい。
屈折率入力部103は、例えば上記のいずれかの方法により、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する相対屈折率を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
強度透過率/強度反射率計算部104は、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する反射角および相対屈折率を取得し、画像の各画素に対応する強度透過率および強度反射率を計算する。
具体的には、画像入力部101の入力する入力画像の各画素iに対応する反射角をαとし、各画素に対応する相対屈折率をnとしたとき、強度透過率/強度反射率計算部104は、以下の各値の算出処理を実行する。
(a)画素iにおける反射光のS波の強度反射率Rs
(b)画素iにおける反射光のP波の強度反射率Rp
(c)画素iにおける透過光のS波の強度透過率Ts
(d)画素iにおける透過光のP波の強度透過率Tp
(a)画素iにおける反射光のS波の強度反射率Rs
(b)画素iにおける反射光のP波の強度反射率Rp
これらの各値は、先に説明した(式4)を利用して算出する。
さらに、
(c)画素iにおける透過光のS波の強度透過率Ts
(d)画素iにおける透過光のP波の強度透過率Tp
これらの各値は、先に説明した(式7)を利用して算出する。
なお、これら(式4)、(式7)において必要となる、
反射角(α)
相対屈折率(n=n/n)、
これらの各値は、角度入力部102、屈折率入力部103からの入力値を適用する。
強度透過率/強度反射率計算部104の算出した、入力画像の各画素iに対応する強度反射率Rs、Rpと、強度透過率Ts、Tp、これらの値は、反射成分分離部105に入力される。
反射成分分離部105は、画像入力部101から入力された入力画像の画素値を修正し、各画素の反射成分を除去した画素値を算出して、透過光成分画像110を生成する。
反射成分分離部105は、この画素値算出処理に、強度透過率/強度反射率計算部104から入力した各画素の強度透過率と強度反射率を用いる。すなわち、以下の各値を利用して、各画素の反射成分を除去した画素値を算出する。
(a)画素iにおける反射光のS波の強度反射率Rs
(b)画素iにおける反射光のP波の強度反射率Rp
(c)画素iにおける透過光のS波の強度透過率Ts
(d)画素iにおける透過光のP波の強度透過率Tp
反射成分分離部105の実行する具体的な処理例について説明する。
なお、画像入力部101から入力された入力画像は、以下の3種類の偏光画像であるとする。
透過偏光方向=0度で取得した偏光画像I
透過偏光方向=45度で取得した偏光画像I45
透過偏光方向=90度で取得した偏光画像I90
これらの3種類の偏光画像が画像入力部101から入力された入力画像である。
また、これら3つの偏光画像の画素iの画素値を以下のように定義する。
透過偏光方向=0度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI とし、
透過偏光方向=45度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI 45とし、
透過偏光方向=90度で取得した偏光画像の各画素iの画素値をI 90とする。
なお、これらの各画素値は、いずれも反射光成分と透過光成分を含む観測画素値である。
反射成分分離部105は、まず、画像入力部101から入力された3つの偏光画像I、I45、I90の各画素iにおける画素値I 、I 45、I 90を取得し、さらに、
(a)画素iにおける反射光のS波の強度反射率Rs
(b)画素iにおける反射光のP波の強度反射率Rp
(c)画素iにおける透過光のS波の強度透過率Ts
(d)画素iにおける透過光のP波の強度透過率Tp
これらの各値を取得する。
これらの値は、強度透過率/強度反射率計算部104から入力した値である。
反射成分分離部105は、これらの取得値に基づいて、以下の3つの観測画素値算出式からなる連立方程式(式13)を設定する。
Figure 0006988819
上記(式13)は、先に(式12)を参照して説明した観測画素値算出式と同様の式であり、先に説明したように、反射光成分と透過光成分を含む観測画素値の算出式である。
上記の(式13)において、
透過偏光方向=0度で取得した偏光画像の各画素iの画素値(観測画素値)をI
透過偏光方向=45度で取得した偏光画像の各画素iの画素値(観測画素値)をI 45
透過偏光方向=90度で取得した偏光画像の各画素iの画素値(観測画素値)をI 90
これらの画素値は、入力偏光画像から得られる画素値(観測画素値)であり既知である。
また、
(a)画素iにおける反射光のS波の強度反射率Rs
(b)画素iにおける反射光のP波の強度反射率Rp
(c)画素iにおける透過光のS波の強度透過率Ts
(d)画素iにおける透過光のP波の強度透過率Tp
これらの各値は、強度透過率/強度反射率計算部104から入力した値であり、既知である。
従って、上記の(式13)に含まれる未知数は、以下の3つの値である。
画素iにおける反射光の反射前の入射光の光の強度:I
画素iにおける透過光の透過前の入射光の光の強度:I
カメラ取得画像の垂直方向「Y軸」と入射面の方向の相対的な角度:Φ、
上記の(式13)は、この3つの変数(未知数)を持つ連立方程式である。
(式13)は、これら3変数に対して3つの式が存在する連立方程式であり、この連立方程式を解くことで3つの変数、I 、I 、Φを算出することができる。
ここで、透過光の透過前の入射光の光の強度:I
このI が、カメラの撮影画像に含まれる透過光成分に相当する。
反射成分分離部105は、このI の値を画素値として設定した画像を透過光成分画像110として生成して出力する。
この透過光成分画像110は、反射光と透過光を含む観察画像から反射光成分を除去した透過光成分のみからなる画像となる。
図8に示す画像処理装置は、このような処理を行うことで、カメラの設定角度、すなわち反射面に対する角度が、特定の角度(ブリュースター角)である場合に限らず、様々な方向から撮影した任意方向の画像から反射成分を取り除くことが可能となり、鮮明な被写体画像(=透過光成分画像)を生成して出力することが可能となる。
なお、上述した実施例では、画像入力部101から、3種類の異なる偏光方向の偏光画像を入力して処理を行う実施例について説明したが、入力画像として、偏光フィルタを介さない通常の撮影画像である無偏光画像と、2種類の異なる偏光方向の偏光画像を組み合わせても、上記の実施例に従った処理が可能である。
すなわち、画像入力部101からの入力画像に無偏光画像が含まれていても、反射成分を取り除くことが可能であり、鮮明な被写体画像(=透過光成分画像)を生成して出力することが可能となる。
また、前述したように、強度透過率/強度反射率計算部104は、反射成分分離部105内の構成要素としてもよい。すなわち、反射成分分離部105が、角度入力部102および屈折率入力部103から反射角α、および相対屈折率n=n/nを入力して、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。さらに、同じ反射成分分離部105において、この計算結果に基づき、画像入力部101の取得画像から反射成分を分離して、透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成して出力する構成としてもよい。
[5.その他の実施例について]
次に、上述した実施例とは異なる構成、または異なる処理を実行する実施例について説明する。
(5−1.屈折率入力部を省略した構成例)
先に図8を参照して説明した画像処理装置100は、反射角αを入力する角度入力部102と、相対屈折率(n=n/n)を入力する屈折率入力部103を有していた。
これらのパラメータ入力部から、屈折率入力部103を省略した構成も可能である。
図13に屈折率入力部103を省略した画像処理装置200の構成例を示す。
図13に示す画像処理装置200は、画像入力部101、角度入力部102、強度透過率/強度反射率計算部104、反射成分分離部105を有する。
図8を参照して説明した画像処理装置100に含まれる屈折率入力部103を持たない構成である。
図13に示す画像処理装置200も、図8に示す画像処理装置100と同様、例えば図1に示す環境で撮影した画像、すなわち、反射光と透過光を含む観察光から構成される画像を入力して、この入力画像から、反射光成分を除去した透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成する。
図13に示す画像処理装置200の強度透過率/強度反射率計算部104は、予め設定した固定の相対屈折率nに基づき強度透過率と強度反射率を計算する。
空気の屈折率は、約1.0であり、水の屈折率は、約1.33、ガラスの屈折率は、約1.4〜2.0等、物質によって屈折率は多少、異なるが、空気以外の物質の多くは、屈折率=1.3〜1.6程度の物質である。
これらのことを考慮し、図13に示す画像処理装置200の強度透過率/強度反射率計算部104は、予め設定した固定の相対屈折率n、例えば固定の相対屈折率n=1.45を用いて強度透過率と強度反射率を計算する。
なお、メモリに、透過光を出力する領域の物質に応じた相対屈折率データを格納し、画像撮影時に、その物質に応じた相対屈折率データを選択して適用する構成としてもよい。
例えば、透過光を出力する領域が水である場合は、相対屈折率n=1.33、ガラスである場合は、相対屈折率=1.5等、物質対応の屈折列データを適用する構成としてもよい。
また、前述した実施例と同様、強度透過率/強度反射率計算部104は、反射成分分離部105内の構成要素としてもよい。すなわち、反射成分分離部105が、角度入力部102および屈折率入力部103から反射角α、および相対屈折率n=n/nを入力して、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。さらに、同じ反射成分分離部105において、この計算結果に基づき、画像入力部101の取得画像から反射成分を分離して、透過光成分のみからなる透過光成分画像110を生成して出力する構成としてもよい。
(5−2.ジャイロセンサを利用した角度入力部の例)
図8、または図13に示す画像処理装置に設定される角度入力部102は、反射角αを強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
先に図8を参照して説明したように、この角度入力部102は、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する反射角(α)を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
前述したように、画像の各画素に対応する反射角の取得方法には様々なものが考えられるが、例えば入力画像の撮影を行うカメラの撮影角度に応じてユーザ(撮影者)が入力したデータをメモリに格納し、その格納データを利用することが可能である。
あるいは、カメラに備えられた角度センサ等の情報を入力画像の属性情報として設定して画像とともに入力してメモリに格納し、その格納データを利用してもよい。
あるいは、予めメモリに45度などの規定角度を格納し、その角度情報を利用する設定としてもよい。
角度入力部102は、例えば上記のいずれかの方法により、画像入力部101の入力する入力画像の各画素に対応する反射角(α)を取得し、強度透過率/強度反射率計算部104に出力する。
角度入力部102は、画像撮影を実行するカメラ自身の姿勢を計測可能なジャイロを持つ構成とすることができる。被写体の面方向が既知の場合、ジャイロで計測した自身の姿勢に基づき、被写体の面方向を計算することが可能となる。
例えば水面の反射を除去することのみを実現したい場合には、水面の面方向(法線方向)は必ず垂直であると仮定することが可能である。
例えば、図14に示すように、画像撮影を行う画像処理装置(カメラ)300に搭載したジャイロが計測した画像処理装置(カメラ)300の傾きは反射角αに等しい値となる。
このジャイロの計測した画像処理装置(カメラ)300の傾きを、角度入力部200が、強度透過率/強度反射率計算部104に出力する反射角αとして利用することができる。
(5−3.被写体に応じた角度入力処理を実行する角度入力部の例)
次に、被写体に応じた角度入力処理を実行する角度入力部102の例について説明する。
前述したように、図8、または図13に示す画像処理装置に設定される角度入力部102は、反射角αを強度透過率/強度反射率計算部104に出力する。
以下に説明する例は、撮影被写体が、予め規定した特定の被写体である場合、画像処理装置が保持する特定被写体の形状のモデルに基づいて、角度入力部102が画像の各画素対応の被写体の面方向を推定し、推定した面方向に基づいて各画素対応の反射角αを算出して、算出した反射角αを強度透過率/強度反射率計算部104に出力する処理例である。
図15を参照してこの実施例について説明する。
図15は、画像処理装置であるカメラが人の眼を撮影し、虹彩に映り込んだ反射を除去することを想定した例について説明する図である。
すなわち、画像処理装置は、メモリに特定被写体の形状モデルとして、眼球モデルを保持する。
眼球モデルとしては、図15に示すGullstrandモデル401を使用することができる。このモデルは眼球が2つの球から構成されており、小さい球が角膜402に相当する。角膜402は、中心nの小さい球である。眼球画像から虹彩403に相当する領域(図中の丸403で囲まれる領域)を認識することで、モデルを当てはめることができる。従って、例えば図15の虹彩403内の虹彩一部領域404の位置の面方向は、図15に示すように、虹彩の中心nから延びる直線として示す面方向(法線方向)405であると判定することができる。
この面方向(法線方向)と、カメラの撮影方向とのなす角度が反射角αに相当する。
カメラの撮影方向は、眼の正面方向であり、図に示す反射角αが、虹彩一部領域404の画素位置の反射角となる。
角度入力部102は、この角度αを算出し、この角度を虹彩一部領域404の画素位置に対応する反射角αとして強度透過率/強度反射率計算部104に出力する。
このように撮影画像に含まれる被写体の形状が特定できる場合は、その被写体画像の各画素位置の面方向を推定し、各画素対応の反射角を計算することができる。
角度入力部102は、このようにして、各画素対応の反射角を計算した結果を強度透過率/強度反射率計算部104に出力する構成とすることが可能である。
(5−4.デプスセンサを有する角度入力部の例)
次に、デプスセンサを有する角度入力部102の例について説明する。
前述したように、図8、または図13に示す画像処理装置に設定される角度入力部102は、反射角αを強度透過率/強度反射率計算部104に出力する。
以下に説明する例は、角度入力部102が、デプスセンサを有する構成とした実施例である。
デプスセンサとしては、例えばステレオカメラ、TOF(Time of flight)カメラ、Structured light方式のデプスセンサなどが利用可能である。
デプスセンサを有する角度入力部102は、デプスセンサによって得られる被写体距離情報を有するデプスマップを生成し、このデプスマップに記録される距離データを微分することによって被写体の各点における面方向を算出する。
さらに、算出した面方向から、被写体の各点の反射角を算出する。
図16を参照してこの実施例について説明する。
図16(a)は画像処理装置(カメラ)の撮影画像の例を示している。撮影画像501のある画素1,2を例として説明する。
画像処理装置の角度入力部102は、撮影画像の各画素単位の被写体のカメラからの距離を計測するデプスセンサを有している
図16(b)は、画素1,2について計測した距離情報の例である。
画素2の距離と、画素1の距離は、図16(b)に示すように画素2が画素1より遠方にあり、図に示すような配置にあることが、デプスセンサの計測情報によって生成されるデプスマップから判定される。
画像処理装置の角度入力部102は、図16(b)に示すような画素単位の距離情報に基づいて、図16(c)に示すように、画素1と画素2の形成する平面を推定することができる。
画像処理装置の角度入力部102は、この平面に垂直な方向を面方向(法線方向)と推定する。
法線方向と、カメラの撮影方向とのなす角度が反射角αに相当する。
図16(c)に示す反射角α,510である。
角度入力部102は、この角度αを算出し、この角度を画素1,2に対応する反射角αとして強度透過率/強度反射率計算部104に出力する。
(5−5.反射除去結果呈示部を持つ実施例)
次に、画像処理装置が、反射除去結果呈示部を持つ実施例について説明する。
図17は、反射除去結果呈示部を持つ画像処理装置600の構成例を示す図である。
図17に示す画像処理装置600は、先に図8や、図13を参照して説明したと同様の画像入力部601、角度入力部602、強度透過率/強度反射率計算部604、反射成分分離部605を有する。さらに、反射除去結果呈示部606を有する。
反射除去結果呈示部606には反射成分分離部605が生成した画像、すなわち入力画像から反射成分を除去して生成される透過成分画像が呈示される。
例えば、画像処理装置600の操作を行うオペレータは、角度入力部602に任意の角度を入力し、反射除去結果呈示部606に呈示された画像を確認し、最も良好に反射が除去された画像が呈示される角度を探索する。
なお、角度入力方法として、例えば図に示すツマミのような角度操作部610を回して角度を調整するようなユーザーインターフェースを用いる構成とすることが可能である。
(5−6.生成画像の画素の輝度に基づいて反射角を推定する実施例)
次に、生成画像の画素の輝度に基づいて反射角を推定する実施例について説明する。
図18は、本実施例の画像処理装置の構成例を示す図である。
図18に示す画像処理装置700は、先に図8や、図13を参照して説明したと同様の画像入力部701、角度入力部702、強度透過率/強度反射率計算部704、反射成分分離部705を有する。さらに、反射除去結果格納メモリ706、反射除去結果比較部707を有する。
図18に示す画像処理装置700の反射成分分離部705は、入力画像の各画素の反射角を様々な設定とした反射成分除去処理を実行し、反射除去結果画像Aを生成する。
生成した反射除去結果画像Aは、反射除去結果格納メモリ706に格納される。
次に、角度入力部702は、強度透過率/強度反射率計算部704に入力する反射角を更新する。例えば、
α←α+Δα
とする反射角更新処理を実行して、更新した反射角αを強度透過率/強度反射率計算部704に入力する。
強度透過率/強度反射率計算部704は、更新された新たな反射角αに基づいて強度透過率と、強度反射率を算出して、算出値を反射成分分離部705に出力する。
反射成分分離部705は、強度透過率/強度反射率計算部704から入力する新たな反射角αに基づく強度透過率と、強度反射率を適用して新たな反射除去結果画像Bを生成して、これを反射除去結果格納メモリ706に格納する。
反射除去結果比較部707は、反射除去結果格納メモリ706から、反射除去結果画像Aと反射除去結果画像Bを取り出し、これら2つの異なる反射角設定の画像の対応画素の輝度を比較し、輝度の小さい画素値を持つ画像を、反射除去効果の高い画像として選択して、これを反射除去結果画像Aとして、反射除去結果格納メモリ706に上書きして格納する。
この処理を繰り返し実行し、最小輝度の画素から構成される画像を生成する。
この処理を行うことで、最終的に、反射成分を最大限に除去した画素から構成される透過成分画像が反射除去結果格納メモリ706に格納されることになる。
入力画像の画素は、透過成分と反射成分を加算した輝度が設定されている。
従って、最小輝度の画素値が得られる反射角の設定で生成した画像の画素値は、反射成分が最大限除去され、透過成分のみからなる画素値であると推定される。
本実施例は、この推定処理を利用して透過成分画像を生成するものである。
図18に示す画像処理装置700の実行する処理のシーケンスについて、図19に示すフローチャートを参照して説明する。
(ステップS101)
まず、ステップS101において、角度入力部702が、初期値の反射角αを0度と設定し、強度透過率/強度反射率計算部704に入力する。
(ステップS102)
次に、強度透過率/強度反射率計算部704は、ステップS102において、角度入力部702から入力した反射角αに基づいて、以下の各値を計算する。
反射光の光強度対応の反射率を示す強度反射率Rs、Rp、
透過光の光強度対応の透過率を示す強度透過率Ts、Tp、
強度透過率/強度反射率計算部704は、これらの値を、先に説明した(式4)、(式7)を適用して計算する。
強度透過率/強度反射率計算部704は、算出値を反射成分分離部705に出力する。
(ステップS103)
次に、反射成分分離部705は、ステップS103において、強度透過率/強度反射率計算部704からの入力値(Rs・Rp・Ts・Tp)を用いて、画像を構成する各画素に関して反射成分の除去された画素値を計算して、これを処理結果Aとして、反射除去結果格納メモリ706に格納する。
なお、この画素値算出処理は、画像入力部701から入力する3種類の異なる偏光画像を用いて、先に説明した(式13)を適用した処理によって実行する。
(ステップS104)
続いて、角度入力部702は、ステップS104において、反射角αを予め規定した更新角度Δαだけ増分して、新たな反射角α=α+Δαを算出する。
なお、Δαは例えば1度等の設定とする。
角度入力部702は、この更新角度αを強度透過率/強度反射率計算部704に入力する。
(ステップS105)
次に、強度透過率/強度反射率計算部704は、ステップS105において、角度入力部702から入力した更新された反射角αに基づいて、以下の各値を計算する。
反射光の光強度対応の反射率を示す強度反射率Rs、Rp、
透過光の光強度対応の透過率を示す強度透過率Ts、Tp、
強度透過率/強度反射率計算部704は、これらの値を、先に説明した(式4)、(式7)を適用して計算する。
強度透過率/強度反射率計算部704は、算出値を反射成分分離部705に出力する。
(ステップS106)
次に、反射成分分離部705は、ステップS106において、強度透過率/強度反射率計算部704からの入力値(Rs・Rp・Ts・Tp)を用いて、画像を構成する各画素に関して反射成分の除去された画素値を計算して、これを処理結果Bとして、反射除去結果格納メモリ706に格納する。
なお、この画素値算出処理は、画像入力部701から入力する3種類の異なる偏光画像を用いて、先に説明した(式13)を適用した処理によって実行する。
(ステップS107)
次に、反射除去結果輝度比較部707は、ステップS107において、反射除去結果格納メモリ706に格納された異なる反射角設定の下で生成された処理結果Aと処理結果Bの対応画素の画素値(輝度)の比較を実行し、画素値(輝度)の小さい方の画素値を、反射成分の除去率の高い画素値であると判定し、この画素値を処理結果Aとして、反射除去結果格納メモリ706に格納済みの処理結果Aに上書きする。
(ステップS108)
次に、角度入力部702は、ステップS108において、反射角αが90度未満であるか否かを判定し、90度未満である場合は、ステップS104に戻り、反射角αの更新処理を実行し、ステップS104〜S107の処理を繰り返す。
ステップS108において、反射角αが90度未満でないと判定した場合、処理を終了する。
この終了時点で、反射除去結果格納メモリ706に格納された処理結果Aは、反射角α=0〜90度の設定で生成された反射成分除去画像中、最も小さい画素値(輝度)を持つ画像となる。この画像が、入力画像(観察画像)から反射成分を除去した透過成分画像となる。
なお、図19に示すフローは、入力画像のすべての画素に対して実行する。
この処理を行うことで、入力画像(観察画像)から反射成分を除去した透過成分画像を生成することができる。
なお、本実施例においても、前述した実施例と同様、強度透過率/強度反射率計算部704は、反射成分分離部705内の構成要素としてもよい。すなわち、反射成分分離部705が、角度入力部702から順次、更新反射角αを入力して、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。さらに、同じ反射成分分離部705において、この計算結果に基づき、画像入力部701の取得画像から反射成分を分離して、更新反射角α対応の透過光成分画像を、順次、生成して反射除去結果格納メモリ706に格納する構成としてもよい。
(5−7.カメラ装着センサから取得するカメラ姿勢情報を用いて天頂角を算出し、天頂角を入射角(=反射角)として利用する実施例)
次に、カメラ装着センサから取得するカメラ姿勢情報を用いて天頂角を算出して、算出した天頂角を入射角(=反射角)として利用する実施例について説明する。
図20は、本実施例の画像処理装置720の一構成例を示す図である。
図20に示す画像処理装置720は、先に図8を参照して説明した画像処理装置100とほぼ同様の構成を有するが、角度入力部102の構成が異なる。
図20に示すように、角度入力部102は、方位角算出部721、カメラ姿勢取得部722、天頂角算出部723を有する。
図20に示す画像処理装置720の角度入力部102は、天頂角を算出して、算出した天頂角を強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
強度透過率/強度反射率計算部104では、角度入力部102から入力する天頂角を、前述の実施例で説明した入射角(=反射角)αとして利用した処理を実行する。
すなわち、強度透過率/強度反射率計算部104は、角度入力部102および屈折率入力部103から入力された各撮影画像(シーン)における被写体の天頂角θv(=入射角=反射角)、および相対屈折率n=n/nに基づき、S波とP波各々の強度透過率Ts,Tp、および強度反射率Rs,Rpを計算する。
前述したように、本実施例における角度入力部102は、方位角算出部721、カメラ姿勢取得部722、天頂角算出部723を有し、天頂角算出部723は、方位角算出部721が算出する方位角と、カメラ姿勢取得部722から入力するカメラ姿勢情報を利用して天頂角を算出する。
このように、本実施例では、天頂角、方位角、カメラ姿勢を用いた処理を実行する。
まず、これらの各情報について図21を参照して説明する。
図21において、反射面70は、透明あるいは半透明なガラスなどの面である。
カメラ10は、反射面70を介して被写体(撮影対象)20を撮影する。
カメラ10の撮影方向を示すベクトルをカメラ視線ベクトルnvとする。
カメラ10にはカメラの姿勢を検出するセンサ15が備えられている。センサ15は、例えばジャイロ、IMU、加速度センサ、傾きセンサ等によって構成され、カメラ視線ベクトルnvを求めるために用いられる。
なお、IMU(Inertial Measurement Unit)は、3軸方向の角度、または角速度、加速度を検出するセンサである。
図21において、反射面70の平面をxy平面とし、反射面70の垂直方向をz軸とする。すなわち、反射面70の垂直方向であるz軸方向が、反射面の法線となる。
法線ベクトルnの方向はn=(x,y,z)=(0,0,1)として定義される。
図21に示すように、カメラ視線ベクトルnvは、カメラによる撮影方向を示すベクトルであり、カメラ10位置を起点とし、カメラ10視線方向の反射面70上における点を終点とするベクトルである。
カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、方位角Φvは、以下の(a),(b)のように定義される。
(a)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvは、天頂角対応基準軸(z軸)とカメラ視線ベクトルnvのなす角、
(b)カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvは、カメラ視線ベクトルnvの反射面(xy平面)への射影と、方位角対応基準軸(x軸)とのなす角、
カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、方位角Φvは、上記の(a),(b)のように定義する。
図21と先に説明した図1を比較して理解されるように、図21に示すカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、先に説明した図1に示す反射角α(=入射角α)は、同じ定義の角度である。
従って、先に図20を参照して説明したように、図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723の算出する天頂角θvを強度透過率/強度反射率計算部104に入力することで、強度透過率/強度反射率計算部104では、角度入力部102から入力する天頂角θvを、前述の実施例で説明した入射角(=反射角)αとして利用した処理を実行することが可能となる。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、方位角算出部721が算出する方位角と、カメラ姿勢取得部722から入力するカメラ姿勢情報を利用してカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する。
以下、このカメラ視線ベクトルnvの天頂角θv算出処理の具体例について説明する。
まず、図22、図23を参照してカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、カメラ10に装着されたセンサ15によって取得されるカメラ角θcmとの関係について説明する。
センサ15によって取得されるカメラ角θcmはカメラの傾き角度であり、センサ15を構成するジャイロやIMU等によって取得される。
図20に示す角度入力部102の構成要素であるカメラ姿勢取得部722は、このセンサ15から入力する情報を用いて、カメラ角θcmを取得して、取得したカメラ角θcmを天頂角算出部723に出力する。
図22に示すように、カメラ角θcmは、反射面70の平面(xy平面)のx軸と、反射面70の法線方向のz軸とによって構成されるxz平面と、カメラ視線ベクトルnvとのなす角である。なお、xz平面は水平面に相当する。
図22に示す例は、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvが90°(=y軸方向)ではない一般的なカメラ設定例である。
この場合、カメラ角θcmと、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvとは一致しない。
次に、図23を参照して、カメラ角θcmと、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvとが一致するカメラ設定例について説明する。
図23に示す例は、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvが90°(=y軸方向)としたカメラ設定例である。
この場合、カメラ角θcmと、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvとが一致する。
この設定の場合は、図20に示す角度入力部102の構成要素であるカメラ姿勢取得部722が取得したカメラ角θcmを、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvとして、そのまま利用可能となる。
しかし、多くの場合、図22に示すように、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvは、90°(=y軸方向)に一致することはない。
以下、このような場合において、図20に示す角度入力部102の実行する処理について説明する。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、方位角算出部721が算出する方位角Φvと、カメラ姿勢取得部722から入力するカメラ姿勢情報を利用してカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する。
まず、図24以下を参照して、方位角算出部721によるカメラ視線ベクトルnvの方位角Φv算出処理について、説明する。
図24は、カメラ10が、ガラス等の反射面70を介して被写体20を撮影する例を示す図である。
カメラ10には、反射面70を介した被写体20からの光である透過光と、カメラ10側の光が反射面70に反射した光である反射光が混在して入力する。
図20に示す角度入力部102の方位角算出部721は、画像入力部101から偏光画像を入力する。
先に説明したように、画像入力部101は、例えば図9、図10、あるいは図11〜図12を参照して説明したカメラによって撮影された3種類以上の異なる偏光画像を入力する。図20に示す角度入力部102の方位角算出部721は、画像入力部101から、これらの偏光画像を入力する。
方位角算出部721は、画像入力部101から入力する偏光画像を解析して方位角Φvを算出する。
図24に示すように、カメラ10には、反射面70を介した被写体20からの光である透過光と、カメラ10側の光が反射面70に反射した光である反射光が混在して入力する。
反射面70を介した被写体20からの光である透過光には、様々な向きの被写体からの光が含まれる。すなわち、様々な異なる偏光状態の光が混じり合った偏光となる。
しかし、反射面70に反射した光である反射光は、1つの特定の平面からなる反射面70によって反射された光であり、その反射面70の方向に応じた特定の偏光成分を多く含む偏光となる。
従って、カメラ10によって撮影される偏光画像の偏光方向の分布状況を解析することで、カメラ視線ベクトルnvに対する反射面70の方向を推定することが可能となり、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvを推定することができる。
前述したように、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvは、カメラ視線ベクトルnvの反射面(xy平面)への射影と、方位角対応基準軸(x軸)とのなす角であり、カメラ視線ベクトルnvに対する反射面70の方向から一義的に決定される。
図25は、カメラ10の撮影した偏光画像の解析によって生成したヒストグラムであり、横軸に推定方位角、縦軸に、各方位角対応の偏光の度数(偏光強度)を示すヒストグラムである。
このヒストグラムにおいて突出した度数(偏光強度)を示す方位角が、反射面70からの反射光に基づく偏光に対応するデータであると推定することができる。
図25に示す例では、方位角=120°の強度が突出しており、この120°を、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvと推定することができる。
方位角算出部721は、このように、画像入力部101から入力する偏光画像を解析してカメラ視線ベクトルnvの方位角Φvを算出する。
方位角算出部721の算出したカメラ視線ベクトルnvの方位角Φvは、天頂角算出部723に出力される。
天頂角算出部723には、以下の(a),(b)各データが入力される。
(a)方位角算出部721の算出したカメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
(b)カメラ姿勢取得部722が、センサ15から取得したカメラの傾きを示すカメラ角θcm、
天頂角算出部723は、これら(a),(b)の各データを利用してカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する。
天頂角算出部723の実行するカメラ視線ベクトルnvの天頂角θv算出処理について、図26以下を参照して説明する。
図26には、カメラ10と、xy平面上の反射面70、さらに、反射面70の法線(z軸)とx軸によって構成される水平面であるxz平面、さらに、カメラ視線ベクトルnvを示している。
カメラ視線ベクトルnvの終点である反射面70の点を点Aとし、
カメラ視線ベクトルnvの起点であるカメラ10の位置を点Cする。
カメラ視線ベクトルnvの反射面(xy平面)への射影(=EA)と、方位角対応基準軸(x軸)(=AF)とによって構成される直角三角形を三角形EAFとする。三角形EAFの頂点Aの角度が、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvとなる。なお、三角形EAFの点Fの角度は90°であり、三角形EAFは直角三角形である。
さらに、カメラ位置Cからの垂線と、xz平面との交点を点Dとし、線分CDを含み、反射面70に平行な面と、z軸との交点をBとする。
三角形CBDは、三角形EAFと同じ三角形であり、三角形CBDの頂点Bの角度が、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvとなる。なお、三角形CBDの点Dの角度は90°であり、三角形CBDは直角三角形である。
この設定において、(1)カメラ角θcm、(2)カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、(3)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvは、それぞれ以下の角度となる。
(1)カメラ角θcm、
カメラ角θcmは、カメラ10の水平面xzからの傾きを示す角度であり、図に示す三角形CADの頂点Aの角度となる。なお、三角形CADの点Dの角度は90°であり、三角形CADは直角三角形である。
(2)カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvは、カメラ視線ベクトルnvの反射面(xy平面)への射影(=EA)と、方位角対応基準軸(x軸)(=AF)とのなす角であり、図に示す三角形EAFの頂点Aの角度となる。なお、三角形EAFの点Fの角度は90°であり、三角形EAFは直角三角形である。
(3)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θv
(3)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvは、天頂角対応基準軸(z軸)(=AB)と、カメラ視線ベクトルnv(=CA)のなす角であり、図に示す三角形CABの頂点Aの角度となる。なお、三角形CABの点Bの角度は90°であり、三角形CABは直角三角形である。
カメラ視線ベクトルnvの大きさ(長さ)=1とすると、
カメラ視線ベクトルnvは、天頂角θvを頂点Aの角度とする直角三角形CABの辺CAであるので、図26に示すように、
辺ABの長さ=cosθv、
辺BCの長さ=sinθv、
となる。
次に、図27を参照して、反射面70に平行な面からなる直角三角形CBDの、辺BDとCDの長さについて考察する。
前述したように、直角三角形CBDの点Dの角度は90°であり、点Bの角度が、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvとなる。辺BCの長さは、図26を参照して説明したように、
辺BCの長さ=sinθv、
である。
従って、直角三角形CBDの、辺BDとCDの長さは、図27に示すように以下のようになる。
辺BDの長さ=sinθv・cosΦv、
辺CDの長さ=sinθv・sinΦv、
となる。
次に、図28を参照して、カメラ角θcmを含む三角形CADの、辺CDとADの長さについて考察する。
前述したように、直角三角形CADの点Dの角度は90°であり、点Aの角度が、カメラ角θcmとなる。辺CAは、カメラ視線ベクトルnvであり、長さは1である。
従って、直角三角形CADの、辺CDとADの長さは、図28に示すように以下のようになる。
辺CDの長さ=sinθcm、
辺ADの長さ=cosθcm、
となる。
ここで、辺CDの長さとして、以下の2つの三角形に基づく2つの値が算出されている。すなわち、
先に図27を参照して説明した三角形CBDに基づく算出値、
CD=sinθv・sinΦv、
さらに、
先に図27を参照して説明した三角形CADに基づく算出値、
CD=sinθcm、
これら2つの値である。
これらは、同じCDの長さを示す値であり、等しい値となる。すなわち、
CD=sinθcm=sinθv・sinΦv、
上記式が成立する。
この式に基づいて、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvについて、以下の式(式14)が成立する。
Figure 0006988819
上記(式14)は、カメラ角θcmと、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φvを用いてカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する式である。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、
方位角算出部721から、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
カメラ姿勢取得部722から、カメラ角θcm、
これらの値を入力し、上記(式14)に従って、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出して、算出したカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
先に説明したように、図21と先に説明した図1を比較して理解されるように、図21に示すカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、先に説明した図1に示す反射角α(=入射角α)は、同じ定義の角度である。
強度透過率/強度反射率計算部104では、角度入力部102から入力する天頂角を、前述の実施例で説明した入射角(=反射角)αとして利用した処理を実行する。
なお、図28に示すように、カメラ視線ベクトルnvは、辺DB,CD,BAの長さで表現可能であり、以下のように示すことができる。
nv=(x,y,z)=(DB,CD,BA)
=(sinθv・cosΦv,sinθv・sinΦv,cosθv)
また、上記(式14)に示す関係式によって示される関係を持つ、以下の3つの値、すなわち、
(1)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θv、
(2)カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
(3)カメラ角θcm、
これらの3つの角度の関係をグラフ化すると、図29に示すようなグラフとなる。
図29は、
横時に、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
縦軸に、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θv、
これらの各値を設定し、
異なる複数のカメラ角θcmの曲線を示したグラフである。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、この図29に示すグラフと同様の各角度の対応関係データを保持し、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する構成としてもよい。
すなわち、
方位角算出部721から、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
カメラ姿勢取得部722から、カメラ角θcm、
これらの値を入力し、保持した対応関係データを利用して、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する構成としてもよい。
次に、図30を参照して、反射面70が、水平面に対して垂直に設定されておらず、傾きを有する場合におけるカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvの算出処理例について説明する。
図30には、水平面に対する垂直軸に対して傾きを持って設定されたガラス等の反射板70を示している。反射面70は、垂直軸に対して傾き角度θgの傾きを有する。
この設定において、反射面70の法線ngは、
ng=(0,sinθg,cosθg)
となる。
このとき、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvは、図に示すように、
天頂角対応基準軸=反射面70の法線ngと、カメラ視線ベクトルnvのなす角となる。
従って、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvは、以下の式(式15)によって算出することができる。
θv=cos−1(ng・nv)・・・(式15)
上記(式15)は、反射面70の法線ngと、カメラ視線ベクトルnvのなす角から、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する式である。
上述したように、反射面70の法線ngは、(0,sinθg,cosθg)で゜あり、カメラ視線ベクトルnvは、先に説明した処理と同様の処理により、
nv=(sin(θv+θg)・cosΦv,sin(θv+θg)・sinΦv,cos(θv+θg))
上記の設定となる。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、
上記(式15)に従って、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出して、算出したカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを、強度透過率/強度反射率計算部104に入力する。
先に説明したように、図21と先に説明した図1を比較して理解されるように、図21に示すカメラ視線ベクトルnvの天頂角θvと、先に説明した図1に示す反射角α(=入射角α)は、同じ定義の角度である。
強度透過率/強度反射率計算部104では、角度入力部102から入力する天頂角を、前述の実施例で説明した入射角(=反射角)αとして利用した処理を実行する。
また、上記(式15)に示す関係式によって示される関係を持つ、以下の3つの値、すなわち、
(1)カメラ視線ベクトルnvの天頂角θv、
(2)カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
(3)反射面の傾き角θg、
これらの3つの角度の関係をグラフ化すると、図31に示すようなグラフとなる。
図31は、
横時に、カメラ視線ベクトルnvの方位角Φv、
縦軸に、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θv、
これらの各値を設定し、
異なる複数の反射面傾き角θgの曲線を示したグラフである。
図20に示す角度入力部102の天頂角算出部723は、この図31に示すグラフと同様の各角度の対応関係データを保持し、カメラ視線ベクトルnvの天頂角θvを算出する構成としてもよい。
なお、図20に示す角度入力部102の構成では、画像入力部101から入力する画像全体に対する処理を行う構成としているが、例えば図32に示すように、角度入力部102に領域選択部724を設定して、画像入力部101から入力する画像から、反射除去を行いたい領域のみを選択して、その選択領域に対する処理のみを行う構成としてもよい。
具体的には、マウスやタッチディスプレイ等のインタフェースを利用して、オペレータが画像中から反射面が存在する領域を選択する。方位角算出部721は、選択領域対応の方位角を算出し、天頂角算出部723は、その選択領域対応の天頂角を算出する。角度入力部102はこの選択領域対応の天頂角を後段の処理部に出力する。後段処理部は、選択領域のみの反射成分を除去する処理を実行する。
また、図33に示すように、角度入力部102に領域分割部725を設定して、各分割領域単位の処理を実行する構成としてもよい。
具体的には、例えば、領域分割部725は、画像入力部101から入力する画像を予め設定した大きさの矩形画素領域に分割する。方位角算出部721は、各分割領域対応の方位角を個別に算出する。天頂角算出部723は、各分割領域単位の天頂角を算出する。角度入力部102はこの分割領域単位の天頂角を後段の処理部に出力する。後段処理部は、各分割領域単位で、個別の天頂角を利用して反射成分を除去する処理を実行する。
[6.画像処理装置のハードウェア構成例について]
次に、図34を参照して画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。
なお、図34に示すハードウェア構成は、上述した実施例において説明した画像処理装置として利用可能なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)801は、ROM(Read Only Memory)802、または記憶部808に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明した処理を実行する。RAM(Random Access Memory)803には、CPU801が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU801、ROM802、およびRAM803は、バス804により相互に接続されている。
CPU801はバス804を介して入出力インタフェース805に接続され、入出力インタフェース805には、各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる入力部806、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部807が接続されている。なお、入力部806は画像撮像部を備えた構成してもよく、また撮像装置からの画像を入力する入力部を備えた構成としてもよい。
CPU801は、入力部806から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部807に出力する。
入出力インタフェース805に接続されている記憶部808は、例えばハードディスク等からなり、CPU801が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部809は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部、さらに放送波の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
入出力インタフェース805に接続されているドライブ810は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア811を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
[7.本開示の画像処理装置を適用した応用例について]
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図35は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図35に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図35では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図36は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図36には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920〜7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図35に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)若しくはLTE−A(LTE−Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi−Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High−definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図35の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図35に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
なお、図8や図13、図34他を用いて説明した本実施形態に係る画像処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを、いずれかの制御ユニット等に実装することができる。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
以上説明した車両制御システム7000において、図8や図13、図34他を用いて説明した本実施形態に係る画像処理装置は、図35に示した応用例の統合制御ユニット7600に適用することができる。例えば、図34に示す画像処理装置のCPU801は、図35に示す統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610、図34に示す画像処理装置のROM802,RAM803,記憶部808は、図35に示す統合制御ユニット7600の記憶部7690、図34に示す画像処理装置の通信部809は、図35に示す統合制御ユニット7600の車載ネットワークI/F7680に相当する。
また、図8や図13、図34を用いて説明した画像処理装置の少なくとも一部の構成要素は、図35に示した統合制御ユニット7600のためのモジュール(例えば、一つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。あるいは、図8や図13、図34他を用いて説明した画像処理装置が、図35に示した車両制御システム7000の複数の制御ユニットによって実現されてもよい。
[8.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力部と、
前記画像入力部の取得画像の撮影方向と反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を取得する角度入力部と、
前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離部と、
を有する画像処理装置。
(2) 前記反射成分分離部は、
前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算部と、を含み、
前記強度透過率および強度反射率計算部の計算結果であるS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記画像処理装置は、さらに、
前記反射面を境界として区分される2つの領域の相対屈折率を、前記強度透過率および強度反射率計算部に出力する屈折率入力部を有する(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記強度透過率および強度反射率計算部は、
前記角度入力部から入力する反射角と、前記屈折率入力部から入力する相対屈折率を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記画像入力部は、
偏光角度設定が異なる偏光板を装着した3以上の撮像部の撮影画像を取得する(1)〜(4)いずれかに記載の画像処理装置。
(6) 前記画像入力部は、
回転可能な偏光板を装着した撮像部の撮影画像を取得する構成であり、少なくとも3種類の異なる回転角度の偏光板の設定状態で撮影された3種類以上の偏光画像を取得する(1)〜(4)いずれかに記載の画像処理装置。
(7) 前記画像入力部は、
撮像素子の構成画素各々に、少なくとも3種類の異なる偏光角度設定の偏光子を積層した偏光子積層撮像素子により撮影された偏光画像を取得する(1)〜(4)いずれかに記載の画像処理装置。
(8) 前記角度入力部は、
前記画像入力部の取得画像を撮影する撮像部の角度検出を行うジャイロの検出情報を取得して、前記反射角を算出する(1)〜(7)いずれかに記載の画像処理装置。
(9) 前記角度入力部は、
前記画像入力部の取得画像の撮影対象である被写体の形状情報を有する被写体モデルに基づいて、前記反射角を算出する(1)〜(8)いずれかに記載の画像処理装置。
(10) 前記角度入力部は、
前記画像入力部の取得画像の撮影対象である被写体の距離情報を取得して、取得した距離情報に基づいて、前記反射角を算出する(1)〜(9)いずれかにに記載の画像処理装置。
(11) 前記画像処理装置は、さらに、
前記反射成分分離部の生成した反射光成分を除去した透過光成分画像を呈示する画像呈示部を有する(1)〜(10)いずれかに記載の画像処理装置。
(12) 前記画像処理装置は、さらに、
前記角度入力部の出力する反射角をユーザ操作により調整する角度操作部を有し、
前記角度操作部は、前記画像呈示部に呈示された透過光成分画像を観察しながら、反射成分の少ない画像が呈示されるように、反射角の設定を調整可能とした操作部である(11)に記載の画像処理装置。
(13) 前記画像処理装置は、さらに、
前記反射成分分離部が、異なる反射角設定に従って生成した複数の反射除去画像の対応画素の輝度を比較し、輝度の小さい画素値を、より多く反射光成分が除去された画素値であると判定して選択する反射除去結果輝度比較部を有する(1)〜(12)いずれかに記載の画像処理装置。
(14) 前記角度入力部は、
前記反射角を、予め規定したステップで更新し、更新反射角データを、順次、前記反射成分分離部に出力し、
前記反射成分分離部は、
前記更新反射角データを適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去した反射除去結果を生成し、
前記反射除去結果輝度比較部は、
前記反射成分分離部の生成する異なる反射角設定に従って生成した複数の反射除去画像の対応画素の輝度を比較する処理を実行する(13)に記載の画像処理装置。
(15) 前記反射成分分離部は、
前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算部を含み、
前記強度透過率および強度反射率計算部は、
前記角度入力部から、順次、入力する更新反射角データを適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算し、
前記反射成分分離部は、
前記更新反射角データに基づくS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去した反射除去結果を、順次、生成する(14)に記載の画像処理装置。
(16) 前記角度入力部は、
カメラの撮影方向を示すカメラ視線ベクトルの反射面への射影と、方位角対応基準軸とのなす角である方位角を算出する方位角算出部と、
前記画像入力部の取得画像を撮影するカメラの姿勢であるカメラ姿勢情報を取得するカメラ姿勢取得部と、
前記カメラ視線ベクトルと、天頂角対応基準軸とのなす角である天頂角を算出する天頂角算出部を有し、
前記天頂角算出部は、
前記方位角と、前記カメラ姿勢情報を入力して、前記反射角に相当する天頂角を算出する(1)〜(7)いずれかに記載の画像処理装置。
(17) 前記角度入力部は、さらに、
前記画像入力部の取得画像から、反射光成分の除去対象とする一部画像領域を選択する領域選択部を有し、
前記天頂角算出部は、
前記領域選択部において選択された画像領域対応の天頂角を算出する(16)に記載の画像処理装置。
(18) 前記角度入力部は、さらに、
前記画像入力部の取得画像の領域分割を行う領域分割部を有し、
前記天頂角算出部は、
前記領域分割部において分割された分割領域単位の天頂角を算出する(16)に記載の画像処理装置。
(19) 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像入力部が、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力ステップと、
角度入力部が、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力する角度入力ステップと、
反射成分分離部が、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離ステップと、
を実行する画像処理方法。
(20) 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像入力部に、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得させる画像入力ステップと、
角度入力部に、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力させる角度入力ステップと、
反射成分分離部に、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去させる反射成分分離ステップと、
を実行させるプログラム。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、様々な方向の撮影画像から反射成分光を除去可能とした画像処理装置、および方法が実現される。
具体的には、例えば、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力部と、取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、強度透過率および強度反射率計算部に出力する角度入力部と、反射角を適用してS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する計算部と、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、画像入力部の取得画像から反射光成分を除去する反射成分分離部を有する。これらの処理により、様々な反射角の撮影画像からの反射光成分除去を可能とした。
本構成により、様々な方向の撮影画像から反射成分光を除去可能とした画像処理装置、および方法が実現される。
10 カメラ
15 センサ
20 被写体
30 光源
51 反射面
52 入射面
100 画像処理装置
101 画像入力部
102 角度入力部
103 屈折率入力部
104 強度透過率/強度反射率計算部
105 反射成分分離部
110 透過光成分画像
120,130,140 カメラ
121,131,141 偏光フィルタ
122,132,142 撮像素子
150 カメラ
151 回転可能偏光フィルタ
152 撮像素子
160 偏光画像撮影カメラ
162 偏光子積層撮像素子
200 画像処理装置
300 カメラ
600 画像処理装置
601 画像入力部
602 角度入力部
604 強度透過率/強度反射率計算部
605 反射成分分離部
606 反射除去結果呈示部
610 角度操作部
700 画像処理装置
701 画像入力部
702 角度入力部
704 強度透過率/強度反射率計算部
705 反射成分分離部
706 反射除去結果格納メモリ
707 反射除去結果比較部
721 方位角算出部
722 カメラ姿勢取得部
723 天頂角算出部
724 領域選択部
725 領域分割部
801 CPU
802 ROM
803 RAM
804 バス
805 入出力インタフェース
806 入力部
807 出力部
808 記憶部
809 通信部
810 ドライブ
811 リムーバブルメディア

Claims (19)

  1. 異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力部と、
    前記画像入力部の取得画像の撮影方向と反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を取得する角度入力部と、
    前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離部を有し、
    前記反射成分分離部は、
    前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算部と、を含み、
    前記強度透過率および強度反射率計算部の計算結果であるS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する画像処理装置。
  2. 前記画像処理装置は、さらに、
    前記反射面を境界として区分される2つの領域の相対屈折率を、前記強度透過率および強度反射率計算部に出力する屈折率入力部を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記強度透過率および強度反射率計算部は、
    前記角度入力部から入力する反射角と、前記屈折率入力部から入力する相対屈折率を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像入力部は、
    偏光角度設定が異なる偏光板を装着した3以上の撮像部の撮影画像を取得する請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像入力部は、
    回転可能な偏光板を装着した撮像部の撮影画像を取得する構成であり、少なくとも3種類の異なる回転角度の偏光板の設定状態で撮影された3種類以上の偏光画像を取得する請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像入力部は、
    撮像素子の構成画素各々に、少なくとも3種類の異なる偏光角度設定の偏光子を積層した偏光子積層撮像素子により撮影された偏光画像を取得する請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記角度入力部は、
    前記画像入力部の取得画像を撮影する撮像部の角度検出を行うジャイロの検出情報を取得して、前記反射角を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記角度入力部は、
    前記画像入力部の取得画像の撮影対象である被写体の形状情報を有する被写体モデルに基づいて、前記反射角を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記角度入力部は、
    前記画像入力部の取得画像の撮影対象である被写体の距離情報を取得して、取得した距離情報に基づいて、前記反射角を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記画像処理装置は、さらに、
    前記反射成分分離部の生成した反射光成分を除去した透過光成分画像を呈示する画像呈示部を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 前記画像処理装置は、さらに、
    前記角度入力部の出力する反射角をユーザ操作により調整する角度操作部を有し、
    前記角度操作部は、前記画像呈示部に呈示された透過光成分画像を観察しながら、反射成分の少ない画像が呈示されるように、反射角の設定を調整可能とした操作部である請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像処理装置は、さらに、
    前記反射成分分離部が、異なる反射角設定に従って生成した複数の反射除去画像の対応画素の輝度を比較し、輝度の小さい画素値を、より多く反射光成分が除去された画素値であると判定して選択する反射除去結果輝度比較部を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記角度入力部は、
    前記反射角を、予め規定したステップで更新し、更新反射角データを、順次、前記反射成分分離部に出力し、
    前記反射成分分離部は、
    前記更新反射角データを適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去した反射除去結果を生成し、
    前記反射除去結果輝度比較部は、
    前記反射成分分離部の生成する異なる反射角設定に従って生成した複数の反射除去画像の対応画素の輝度を比較する処理を実行する請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記反射成分分離部は、
    前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算部を含み、
    前記強度透過率および強度反射率計算部は、
    前記角度入力部から、順次、入力する更新反射角データを適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算し、
    前記反射成分分離部は、
    前記更新反射角データに基づくS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去した反射除去結果を、順次、生成する請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記角度入力部は、
    カメラの撮影方向を示すカメラ視線ベクトルの反射面への射影と、方位角対応基準軸とのなす角である方位角を算出する方位角算出部と、
    前記画像入力部の取得画像を撮影するカメラの姿勢であるカメラ姿勢情報を取得するカメラ姿勢取得部と、
    前記カメラ視線ベクトルと、天頂角対応基準軸とのなす角である天頂角を算出する天頂角算出部を有し、
    前記天頂角算出部は、
    前記方位角と、前記カメラ姿勢情報を入力して、前記反射角に相当する天頂角を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  16. 前記角度入力部は、さらに、
    前記画像入力部の取得画像から、反射光成分の除去対象とする一部画像領域を選択する領域選択部を有し、
    前記天頂角算出部は、
    前記領域選択部において選択された画像領域対応の天頂角を算出する請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 前記角度入力部は、さらに、
    前記画像入力部の取得画像の領域分割を行う領域分割部を有し、
    前記天頂角算出部は、
    前記領域分割部において分割された分割領域単位の天頂角を算出する請求項15に記載の画像処理装置。
  18. 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
    画像入力部が、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得する画像入力ステップと、
    角度入力部が、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力する角度入力ステップと、
    反射成分分離部が、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去する反射成分分離ステップを実行し、
    前記反射成分分離ステップにおいて、
    前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算処理を実行するステップと、
    前記強度透過率および強度反射率計算処理の計算結果であるS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去するステップを実行する画像処理方法。
  19. 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
    画像入力部に、異なる偏光方向の偏光画像、または無偏光画像からなる少なくとも3種類の画像を取得させる画像入力ステップと、
    角度入力部に、前記画像入力ステップにおける取得画像の撮影方向と、反射面の法線方向に相当する面方向との成す角度である反射角を、反射成分分離部に出力させる角度入力ステップと、
    反射成分分離部に、前記画像入力部で取得した少なくとも3種類の画像と前記角度入力部から取得した反射角とに基づいて前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去させる反射成分分離ステップを実行させ、
    前記反射成分分離ステップにおいて、
    前記反射角を適用して、S波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を計算する強度透過率および強度反射率計算処理を実行するステップと、
    前記強度透過率および強度反射率計算処理の計算結果であるS波およびP波各々の強度透過率と強度反射率を適用して、前記画像入力部が取得した画像から反射光成分を除去するステップを実行させるプログラム。
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