JP6988548B2 - ファンモータの製造方法、ファンモータ及び掃除機 - Google Patents

ファンモータの製造方法、ファンモータ及び掃除機 Download PDF

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Description

本発明は、ファンモータの製造方法、ファンモータ及び掃除機に関する。
ファンモータは、モータの回転軸であるシャフトにファンを備えたものである。特許文献1に記載のロータコア組立体では、シャフトの一端にロータコア、他端にファンが取り付けられており、ロータコアとファンの間にベアリングが2個配置されている。両ベアリングの外輪は、同一部品のスリーブで保持されるため、両ベアリングの軸芯がずれにくく、軸ずれによるモータの振動を抑制できる。
特開2010−196707号
モータの振動抑制のためにロータ及びファンの重心位置のずれを精度よく修正することが知られているが、ロータ及びファンの重心位置のずれを完全に無くすことは困難である。特許文献1に記載のロータコア組立体では、ベアリングを用いたモータの振動抑制を行っているが、モータの回転を高速化すると、ロータコア及びファンの僅かな重心位置のずれにより、モータの回転時にロータコア及びファンに生じる遠心力が大きくなり、この遠心力によってモータに振動が発生するという問題がある。
一般に、ロータ及びファンの重心位置のずれによって生じる遠心力は、回転速度の2乗に比例し、回転速度が高速になるほどモータの振動は極端に大きくなる。したがって、ロータ及びファンの重心位置のずれによって生じるモータの振動は、モータの回転の高速化の大きな障害になっている。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、モータの高速回転時において、ロータ及びファンの重心位置のずれによって生じるモータの振動を抑制することを目的としている。
本発明のファンモータの製造方法は、モータの回転軸にファンを設けたファンモータの製造方法であって、回転軸となるシャフトの一端にロータを取り付ける工程と、回転軸方向内径側にステータが取り付けられたモータのフレームに、ロータがステータと対向する位置で回転可能となるようシャフトを取り付ける工程と、シャフトの他端にファンを取り付ける工程と、を備え、ロータには、回転軸の回転中心からロータの重心位置に至る方向を示す第一の目印が付され、ファンには、回転中心からファンの重心位置に至る方向を示す第二の目印が付されており、ロータまたはファンの取り付けは、モータの固有モードにより決定される、前記第一の目印及び前記第二の目印の位置関係に基づき行われることを特徴とする。
本発明のファンモータは、回転軸となるシャフトと、シャフトの一端に取り付けられ、回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第一の目印を外周面表面に有するロータと、回転軸方向内径側にステータが取り付けられ、ロータがステータと対向する位置で回転可能となるようシャフトが取り付けられたフレームと、を有するモータと、回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第二の目印を外周面表面に有し、モータの固有モードにより決定される、前記第一の目印及び前記第二の目印の位置関係に基づき前記シャフトの他端に取り付けられたファンと、を備える。
本発明の掃除機は、ケースと、ファンモータと、ケースの一端に設けられ、ファンモータが発生させる気流によって、空気及び塵埃を吸引する吸引口と、ケースの他端に設けられ、ファンモータが発生させる気流によって、空気を排出する排気口と、吸引口とファンモータとの間のケース内に設けられた、塵埃を集める集じん室と、集じん室とファンモータとの間及びファンモータと排気口との間にそれぞれ設けられ、吸引口から吸引した空気中の塵埃を取り除くフィルタと、を備える。
本発明に係るファンモータの製造方法は、ロータ及びファンに僅かな重心位置のずれがある場合でも、マーカによってロータ及びファン重心位置方向を正確に把握することができるため、ロータ重心位置方向に対して、ファン重心位置方向を簡単に調整して組むことができる。
本発明に係るファンモータは、ロータ及びファンの重心位置のずれにより発生する振動を抑制することができる。
本発明に係る掃除機は、ロータ及びファンの重心位置のずれによって生じるファンモータの振れおよび振動による機械の破損を防止して、騒音問題を解消することができる。
本発明の実施の形態1に係るファンモータの概略を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの概略を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータのファンの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの工程フロー図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの製造方法を例示する断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの製造方法を例示する断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの製造方法を例示する断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの製造方法を例示する断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの製造方法を例示する断面図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの揺れを例示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの揺れを例示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの第一の目印と第二の目印との位置関係に対するファンの振幅の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るファンモータの第一の目印と第二の目印との位置関係に対するファンの振幅の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係るファンモータの概略を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係るファンモータの製造方法を例示する説明図である。 本発明の実施の形態2に係るファンモータの製造方法を例示する説明図である。 本発明の実施の形態3に係るファンモータの概略を示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る掃除機の模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るファンモータを示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るファンモータの構造を示す断面図であり、図1のA−A断面図である。以下、図1,2を用いて説明する。ファンモータ100は、モータ10の回転軸であるシャフト1にファン3を備えたものである。モータ10は、略円筒状のフレーム5の回転軸方向内径側に設けられたステータ7と、回転軸であり出力軸であるシャフト1と、シャフト1の一端に取り付けられたロータ2とを備える。ロータ2は、ステータ7に対向する位置でシャフト1及びベアリング4を介してフレーム5に回転可能に取り付けられている。なお、ロータ2は、シャフト1を介してフレーム5に回転可能に取り付けられていればよく、ここでは、スムーズに回転するようにベアリング4を用いたが、フレーム5に設けられた孔にシャフト1を差し込むだけでもよい。
シャフト1は、円柱形状または棒状である。また、シャフト1は、軟磁性材料で作られることによって、磁気回路のリラクタンスを減少させている。しかしながら、変形例として、非磁性材料を、シャフト1に使用してもよい。
ロータ2は、円筒形であり、硬磁性材料または軟磁性材料で作られている。ロータ2は、回転軸方向に積層された積層鉄心である。
ロータ2は、接着剤または圧入等で固定される。また、ロータ2は外周面に第一の目印(切削痕X)を有する。第一の目印として設けられた切削痕Xは、シャフト1の回転軸を起点として重心位置に至る径方向の、ロータ2の外周面表面から回転軸方向に向う切り込み(切り欠き)である。したがって、切削痕Xは、ロータ重心位置方向を示すことができる。ここで、ロータ重心位置方向とは、シャフト1の回転軸の回転中心からロータ2の重心位置に至る方向と定義する。ロータ2の切削工程に関しては、後述する。なお、ロータ2は、シャフト1に一体形成される構成とすることもできる。
図3は、実施の形態1に係るファンモータのファンの斜視図である。ファン3は、シャフト1に接着剤、ナット結合、または圧入等で固定されている。ファン3は、円盤状のディスク部31と複数の羽根を有する羽根車部32とで構成されている。ディスク部31と羽根車部32とは一体成型されファン3を構成している。羽根車部32は、斜流ファンの形状である。
ファン3は、ディスク部31の外周面に第二の目印(切削痕Y)を有している。第二の目印として設けられた切削痕Yは、シャフト1の回転軸を起点として重心位置に至る径方向の、ファン3の外周面表面から回転軸方向に向う切り込み(切り欠き)である。したがって、切削痕Yは、ファン重心位置方向を示すことができる。ここで、ファン重心位置方向とは、シャフト1の回転軸の回転中心からファン3の重心位置に至る方向と定義する。前述のファン3の切削工程に関しては、後述する。
ロータ重心位置方向を示すロータ2の切削痕Xに対して、ファン重心位置方向を示すファン3の切削痕Yが、シャフト1の回転軸の径方向において、同一方向あるいは逆方向、つまり180°方向に位置するように、ロータ2とファン3はシャフトに取り付けられている。切削痕Xに対する切削痕Yの位置関係の選定方法の詳細は後述する。
ベアリング4は、回転軸方向においてロータ2側から、第2軸受部43、予圧部42、第1軸受部41の順番で配置される。第1軸受部41および第2軸受部43にて、ファンモータ100の軸受40が構成される。予圧部42は、第1軸受部41、および、第2軸受部43に予圧を印加する。予圧部42は、弾性部材、例えば、ばねで構成されており、所定のばね定数を有することで、第1軸受部41、および、第2軸受部43に所定の予圧を印加する。
第1軸受部41は、ハウジング部6の底部61とゴムワッシャ62との間に挟まれており、ゴムワッシャ62が第1軸受部41の外輪を加圧する。よって、第1軸受部41は、ゴムワッシャ62の摩擦力と、ハウジング部6の底部61が第1軸受部41を押し付けている力とで、第1軸受部41の外輪は回転しないように固定される。
第2軸受部43は、予圧部42と接触して形成され、予圧部42の予圧により第2軸受部43の外輪が加圧される。第2軸受部43は、ハウジング部6の内側壁との間において接着部材8を介して固定される。接着部材8は、第2軸受部43とハウジング部6の内側壁とが固定できる接着剤であればどのような素材を使用してもよい。
これにより、ベアリング4の滑り、あるいはベアリング4内部の劣化を防止しつつ、過剰ではない予圧荷重が付与されるため、ベアリング4の寿命を延ばすことができる。また、一対のベアリング4を精度よく位置決めすることによって、ロータ2とステータ7の回転軸のずれ(芯ずれ)を防止し振動を抑制することができる。
一対のベアリング4を保持するハウジング部6を有するフレーム5は、モータ10の筐体であり、プレスあるいはダイキャストにより成形した後に、切削加工することで高精度に仕上げることができ、ベアリング4をハウジング部6に対して精度よく整列するように挿入することができる。また、ハウジング部6は、シャフト1が貫通する底部61を有する。
ステータ7は、フレーム5に予め固定される。ステータ7は、その内周面がロータ2の外周面と対向する位置にくるように固定されている。また、ステータ7は、積層鉄心にコイルが巻回された構造である。
次に、実施の形態1に係るファンモータの製造方法について説明する。図4は、実施の形態1に係るファンモータの工程フロー図である。
ステップS1において、プレス機等で帯状の電磁鋼板から鋼板片を所定枚数打ち抜き、所定枚数の鋼板片をカシメにより積層してステータコアを構成する。
ステップS2において、ステータコアの外周に樹脂材の絶縁部品を一体成型する。あるいは、別部品として予め成型された絶縁部品をステータコアの外周に組み合わせてもよい。
ステップS3において、ステータコアに外装された絶縁部品の外周にコイルを巻回してステータ7を形成する。
ステップS4において、旋盤で丸棒材料を所定の長さ、外径に加工して、シャフト1を形成する。
ステップS5において、シャフト1の一端に、ロータ2を取り付ける。図5は、シャフトへのロータの取り付け工程を示す図である。図5のように、ロータ2にはホール11が設けられており、シャフト1をホール11内に圧入する。また、ホール11内へのシャフト1の取り付けは、すきまばめでもよく、このとき、すきまに接着剤を注入して、ロータ2とシャフト1を接着固定する。圧入の方が接着固定より組立てが容易であり、ロータ2とシャフト1の組立精度も高いが、ロータ2が脆性破壊するおそれがあるため、ファンモータ100の仕様に合わせて製造方法を選定する必要がある。また、ロータ2の材質がプラスチックマグネットのような樹脂部材の場合は、シャフト1にロータ2を一体成型することができ、組立てが容易であり、かつ高い精度が得られる。
ステップS6において、シャフト1の一端に取り付けられたロータ2の切削を行う。ロータ2の切削方法の詳細は後述する。なお、ロータ2の切削は、ステップS5のロータ2の取り付け前に予め行う構成とすることもできる。
ステップS7において、切削痕を有するロータ2が取り付けられたシャフト1に、ベアリング4を取り付ける。図6は、切削痕を有するロータ2が取り付けられたシャフト1に、ベアリング4を圧入した図である。ベアリング4は、シャフト1にロータ2が配置されていない側から第2軸受部43、予圧部42、ゴムワッシャ62、第1軸受部41の順番で挿入して形成する。この際、第2軸受部43と第1軸受部41とはシャフト1に対して圧入となる公差寸法で挿入する。
ステップS8において、ファン3の成形を行う。
ステップS9において、ファン3の切削を行う。ファン3の切削方法の詳細は後述する。
ステップS10において、切削痕を有するロータ2とベアリング4とが取り付けられたシャフト1に、ステータ7を備えたフレーム5を取り付ける。図7は、切削痕を有するロータ2とベアリング4とが取り付けられたシャフト1に、ステータ7を備えたフレーム5を取り付けた図である。
第2軸受部43の外周面に接着部材8を塗布し、シャフト1のロータ2が配置されていない側からフレーム5を挿入する。この時、第1軸受部41はゴムワッシャ62によりハウジング部6の底部61に接触しており、ゴムワッシャ62とハウジング部6の底部61とで第1軸受部41の外輪を加圧し、第1軸受部41の外輪が回転しないように固定される。そして、第2軸受部43に塗布された接着部材8をハウジング部6の内側壁に接着させる。
また、第2軸受部43に塗布される接着部材8の量は、第2軸受部43とハウジング部6と径方向の間を隙間なく充填でき、さらに、この隙間から溢れ出ない量にて塗布される。また、接着部材8が溢れ出ないようにするために、第2軸受部43の回転軸方向のシャフト1にロータ2が配置されていない側の半分の箇所のみに接着部材8を塗布する場合も考えられる。また、接着部材8は、第2軸受部43の外周面の周方向に間隔を隔てて複数箇所、例えば、4箇所に塗布する場合も考えられる。
ステップS11において、切削痕を有するロータ2と、ベアリング4と、ステータ7を備えたフレーム5と、が取り付けられたシャフト1の他端に切削痕を有するファン3を取り付ける。図8は、シャフトにファンを取り付けた図である。ロータ2の切削痕Xとファン3の切削痕Yとを目印としてシャフト1にロータ2が配置されていない側からファン3を取り付ける。シャフト1にファン3を取り付ける場合、切削痕Xと切削痕Yの位置関係が予め決められた好適な位置関係となるように取り付ける。図8では、切削痕Xと切削痕Yを同一方向に取り付けた例を示している。切削痕Xと切削痕Yの切削方法及び位置関係の決定方法については後述する。
次に、ステップS6の工程であるロータ2の切削方法の詳細を説明する。
図9は、ロータのロータアンバランス量を測定し、測定したロータアンバランス量に基づき、ロータの切削を行っている工程を示す図である。ここで、ロータアンバランス量とは、回転軸中心とロータの重心との距離すなわち偏心量にロータの質量を掛けた値である。
図9(a)に示すように、シャフト1を支持台12に載せ、ロータ2の外周にベルト13を引っ掛け、ベルト13を外部から駆動してロータ2を回転させる。また、ベルト13は、ロータ2ではなくシャフト1に引っ掛けてもよいが、ロータ2の外周面の方がベルトとの接触面積が大きいため、スリップが生じにくいというメリットがある。
ロータ2をベルト13により一定速度で回転させ、ロータ2回転時のロータ2の振動を、支持台12に設置したセンサによって測定する。測定された振動加速度を、ロータ2のロータアンバランス量へと換算する。換算されたロータアンバランス量に応じて、図9(b)に示すようにエンドミル等の刃物14を用いてロータ2を切削する。
振動加速度からロータのアンバランス量へ換算は、校正用のロータに試しおもりを取付けたときの振動加速度を測定することで求めることができる。
ロータ2の切削量は、換算されたロータアンバランス量がX(mg)であり、ロータ2の密度がY(mg/cm)である場合、目標切削量はX(mg)となり、目標切削量の切削体積量はX/Y(cm)となる。
ファンモータ100のロータ2を設けた側を上部、ファン3を設けた側を下部とする場合、ロータ2の切削開始位置は、ロータ2の長手方向上端部の外周面表面とロータ2の上面との境界(角)からのロータ重心位置方向であり、シャフト方向に切削量がX/Y(cm)となるように切削を行う。切削は、面取り加工であり、切削形状は、例えばC面取りである。ロータ2の重心位置は、ロータ2の切削によって回転軸により近接する位置へと移動する。
ロータ2の切削量は、ロータアンバランス量に応じて決定される。実施の形態1に係るファンモータ100では、ロータアンバランス量から換算されたロータ2の長手方向上端部の外周面表面のロータ重心位置方向に、切削後のロータ2の重心位置が回転軸と一致する切削量(目標切削量)よりも少ない切削量の切削を行う。
ロータ2の重心位置のずれは微少であるため、目標切削量分の切削を行うと、切削誤差によって目標切削量よりも多く切削してしまうおそれがある。切削誤差によって目標切削量よりも多く切削を行ってしまった場合は、ロータ2の重心位置が、回転軸に対してロータ2の切削を行った方向から、回転軸に対してロータ2の切削を行っていない方向へと移動してしまい、切削痕がある方向と、切削後のロータ重心位置方向とが異なる状態が生じてしまう。
そこで、ロータ2に対して、ロータ2の重心位置が回転軸と一致する切削量よりも少ない切削量の切削を行うことによって、回転軸に対して切削痕が位置する径方向(切削方向)にロータの重心位置があることを明確にする。
ファンモータ100では、切削痕Xが切削後もロータ重心位置方向を示す必要がある。しかし、切削によって10%程度の切削誤差が発生することを鑑みると、目標切削量を超過する切削を行わないために、ロータ2の重心位置が回転軸と一致する切削量よりも少ない切削量として、目標切削量の90%以下の切削を行うことが望ましい。また、切削痕Xは、ロータ重心位置方向を示すために、切削による誤差を考慮して、切削痕Xをロータ2の重心位置の目印として用いることができる程度の切削量として少なくとも目標切削量の10%以上の切削を行う必要がある。したがって、ロータ2の重心位置が回転軸と一致する切削量よりも少ない切削量として、目標切削量の10%以上90%以下の切削量の範囲が好適である。
つまり、目標切削量以下の切削を行うことによって、ロータ2の重心位置が、回転軸に対して切削方向にあるため、ロータ2の切削痕Xがロータ重心位置方向を示す目印となる。また、ロータ重心位置方向のマーキングのためにロータ2の切削後にロータアンバランス量を再度測定することも不要のため、生産性を落とすことなくマーキング用の装置等のコストを削減することができる。
また、ファンモータのロータが、同一の金型を用いて製造される場合には、成型時の加工誤差によるロータの重心位置のずれは、個々のロータ間でほぼ同傾向を示す。そのため、同一の金型を用いて製造される場合には、ロータの切削位置と切削量を予め予想することが可能で、個々のロータに対し、重心位置のずれを一つずつ測定する手間を省くことが可能となる。
次に、ステップS9の工程であるファン3の切削方法の詳細を説明する。
ロータ2の場合と同様に、ファン3のファンアンバランス量の測定の結果から、ファン3の切削位置と切削量を決定する。なお、ファンアンバランス量とは、回転軸中心とファンの重心との距離すなわち偏心量にファンの質量を掛けた値である。ファン3に対する切削は、切削によって、ファン3が発生させる風量、風向が影響を受けないようにファン3のディスク部31に対して行う。
ファン3の切削量は、換算されたファンアンバランス量に応じて決定される。実施の形態1に係るファンモータ100では、ファンアンバランス量から換算されたファン3のディスク部31に切削後のファン3の重心位置が回転軸と一致する切削量(目標切削量)よりも少ない切削量の切削を行う。
実施の形態1に係るファンモータ100では、切削痕Yが切削後もファン重心位置方向を示す必要がある。しかし、切削によって10%程度の切削誤差が発生することを鑑みると、目標切削量を超過する切削を行わないために、ファン3の重心位置が回転軸と一致する切削量よりも少ない切削量として、目標切削量に対して90%以下の切削を行うことが望ましい。また、切削痕Yは、ファン重心位置方向を示すために、切削による誤差を考慮して、切削痕Yをファン3の重心位置の目印として用いることができる程度の切削量として、目標切削量に対して10%以上の切削を行う必要がある。したがって、ファン3の重心位置が回転軸と一致する切削量よりも少ない切削量として、目標切削量の10%以上90%以下の切削を行う必要がある。
以上、切削を用いた重心位置のずれ修正について述べてきたが、金型の目印を付す位置に対応する空間を切削量相当分埋めることにより、切削した場合と同様な効果が得られる。この場合には、切削工程が不要となり、製造工程及び製造時間の削減が可能となる。
また、ファンモータのファンが、同一の金型を用いて製造される場合には、成型時の加工誤差によるファンの重心位置のずれは、個々のファン間でほぼ同傾向を示す。そのため、同一の金型を用いて製造される場合には、ファンの切削位置と切削量を予め予想することが可能で、個々のファンに対し、重心位置のずれを一つずつ測定する手間を省くことが可能となる。
次に、ステップS11の工程である、切削痕を有するロータ2と、ベアリング4と、ステータ7を備えたフレーム5と、が取り付けられたシャフト1の他端にファン3を取り付ける際の、ロータ2及びファン3のそれぞれの切削痕X,Yの位置関係の決定方法についての詳細を説明する。
なお、ロータ2及びファン3のそれぞれの切削痕X,Yの位置関係の決定は、ファンモータ100の組み立ての前に予め行う。
シャフト1にファン3を取り付ける場合、ロータ2に設けられたロータ重心位置方向を示す切削痕Xに対してファン3に設けられたファン重心位置方向を示す切削痕Yが好適な位置関係ではない場合、ファンモータ100に振動が発生するおそれがある。次に、ロータ2の重心位置とファン3の重心位置の位置関係が好適でない場合に発生するファンモータ100の振動について説明する。
ロータ2及びファン3の重心位置のずれによって発生するファンモータ100の振動は、ファンモータ100のモデル解析によって求めることができる。実施の形態1に係るファンモータ100では、予め、ファンモータ100のモデルを用いた解析によって振動の特性を求めている。なお、ファンモータにおける振動特性は、市販の有限要素解析ソフトウェア、数値解析ソフトウェア等を用いたシミュレーションにより求めることができるのはいうまでもない。
実施の形態1に係るファンモータ100の解析方法では、実施の形態1に係るファンモータ100の3Dモデルを作成し、解析ソフトに取り込み、モデルのメッシュ分割を行う。モーダル解析によって、ファンモータ100の固有振動数と固有振動数における固有モードを計算する。
図10、図11は、本発明の実施の形態1に係るファンモータの固有モードでの揺れを例示した説明図である。
図10では、ロータ2及びファン3の重心位置のずれにより、不釣り合い(アンバランス)による遠心力が作用することによって、フレーム5のハウジング部6の底部61を支点として、ファン3が触れ回る様相を例示している。シャフト1の剛性が高い場合に図10に示す揺れが生じる。シャフト1の剛性が高い場合とは、固有モードの振動に対してシャフト1が曲がらない場合を指す。
図11は、ハウジング部6の構造が異なるフレーム5を用いた場合に、ロータ2及びファン3の重心位置のずれにより発生する遠心力の違い(差、ばらつき)によって、フレーム5のハウジング部6の底部61を支点として、シャフト1の曲げ振動が生じる様相を例示している。シャフト1の剛性が低い場合に図11に示す揺れが生じる。シャフト1の剛性が低い場合とは、固有モードの振動に対してシャフト1が曲がる場合を指す。
ファンモータ100に生じる振動は、図10、図11に例示した振動のいずれかであり、ファンモータ100のモデル解析によって、実施の形態1に係るファンモータ100の振動特性を予め把握することができる。したがって、シャフト1にファン3を取り付ける際の、ロータ重心位置方向に対する、ファン重心位置方向を以下のように決定することができる。
ファンモータ100の固有モードに関する解析の結果、シャフト1の剛性が高く図10に例示すようにファン3が触れ回る場合の切削痕Xと切削痕Yの好適な位置関係について説明する。図12は、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差に対するファンの振幅の関係を解析した結果を示す図である。図12の横軸は、基準直線に対する中心軸と切削痕Yとを結ぶ直線の位相差(deg)であり、縦軸は、ファンの振幅(μm)である。図12の破線は、ロータ2及びファン3に切削を行わずに測定を行った際の解析結果を示している。
図12に示すように、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は、同一方向から±90°未満の範囲において破線よりもファンの振幅が低減されていることが確認できる。また、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は、同一方向から±30°未満の範囲の場合に、破線よりもファンの振幅を1/2にまで低減できるため、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は同一方向から±30°未満の範囲の場合がより好ましい。
シャフト1の剛性が高く図10に例示すようにファン3が触れ回る場合は、図12に示すように、ロータ重心位置方向に対するファン重心位置方向が、回転軸に対して同一方向の場合に最も振動を抑制することができる。
ファンモータ100の固有モードに関する解析の結果、シャフト1の剛性が低く図11に例示すようにシャフト1の曲げ振動が生じる場合の切削痕Xと切削痕Yの好適な位置関係について説明する。図13は、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差に対するファンの振幅の関係を解析した結果を示す図である。図13の横軸は、基準直線に対する中心軸と切削痕Yとを結ぶ直線の位相差(deg)であり、縦軸は、ファンの振幅(μm)である。図13の破線は、ロータ2及びファン3に切削を行わずに測定を行った際の解析結果を示している。
図13に示すように、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は、180°方向から±90°未満の範囲において破線よりもファンの振幅が低減されていることが確認できる。また、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は、180°方向から±30°未満の範囲の場合に、破線よりもファンの振幅を2(μm)低減できるため、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向の位相差は180°方向から±30°未満の範囲の場合がより好ましい。
シャフト1の剛性が低く図11に例示すようにシャフト1の曲げ振動が生じる場合は、図13に示すように、ロータ重心位置方向に対するファン重心位置方向が、回転軸に対して180°方向の場合に最も振動を抑制することができる。
したがって、予めファンモータ100の固有モードに関する解析を行い、解析の結果によって、ロータ重心位置方向に対して、ファンモータ100の振動を低減することができるファン重心位置方向を決定することができる。
実施の形態1に係るファンモータ100において、ロータ2に設けられた切削痕Xは、ロータ重心位置方向を示し、ディスク部31に設けられた切削痕Yは、ファン重心位置方向を示している。したがって、ファンモータの固有モードに関する解析に基づき、切削痕を同方向もしくは逆方向となるように組み立てることが可能となり、ロータ重心位置方向に対して、ファン重心位置方向を簡単に調整して組むことができる。
また、切削痕Xの切削量をロータ2の重心位置を回転軸と一致させるべく調整された切削量に対して10%以上90%以下の切削量とし、切削痕Yの切削量をファン3の重心位置を回転軸と一致させるべく調整された切削量に対して10%以上90%以下の切削量とすることで、ロータ2及びファン3の重心位置が、それぞれ回転軸に対して切削方向にあるため、ロータ2及びファン3の切削痕X,Yがそれぞれロータ重心位置方向及びファン重心位置方向を示す目印となる。したがって、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向のマーキングのためにロータ2及びファン3の切削後にロータアンバランス量,ファンアンバランス量をそれぞれ再度測定することも不要のため、生産性の向上を図ることができ、マーキング用の装置等のコストを削減することができる。
実施の形態1に係るファンモータ100の製造方法は、ロータ2及びファン3に僅かな重心位置のずれがある場合でも、切削痕によってロータ重心位置方向とファン重心位置方向を正確に把握することができるため、ロータ重心位置方向に対して、ファン重心位置方向を簡単に調整して組むことができる。
実施の形態1に係るファンモータ100は、ロータ及びファンの重心位置のずれにより発生する振動を抑制することができる。
実施の形態2.
発明の実施の形態2に係るファンモータ200の製造方法について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する製造方法については、その説明を省略し、製造方法の異なる部分のみを説明する。
実施の形態2に係るファンモータ200では、ロータ2及びファン3の重心位置のずれを修正するために目標切削量の切削を行い、切削後に再度ロータ2及びファン3の重心位置方向を測定して、第一の目印として切削痕Xの代わりにロータ重心位置方向を示すマーカ201と、第二の目印として切削痕Yの代わりにファン重心位置方向を示すマーカ202とを設け、ロータ2及びファン3の重心位置の方向の目印とする。マーカ201及びマーカ202は、インクまたはレーザーによるマーキングであり、印字とすることができる。インクによるマーキングとは、例えば、ペン等を用いたマーキングである。レーザーによるマーキングとは、例えば、高出力レーザー装置を用いた焼付け加工である。マーキングを印字で行った場合は、ロータ2及びファン重心位置方向を示す目印となるだけではなく、製造日時や材料ロットを同時に印字することでトレーザビリティとしての機能を持たせることもできる。なお、高出力レーザー装置を用いたマーキングは、ファンモータによって適宜選択可能であり、例えば、点を付すマーキング、矢印を付すマーキング等とすることができる。
図14は、本発明の実施の形態2に係るファンモータの断面図である。図14において、図2と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略し、実施の形態1のファンモータ100と構成および動作の異なる部分のみを説明する。実施の形態2に係るファンモータ200では、実施の形態1に記載の方法を用いて、ロータ2に対する目標切削量を算出する。実施の形態2に係るファンモータ200では、ロータ2に対して目標切削量での切削を行う。目標切削量の切削を行うため、ロータ2の重心位置のずれを精度よく修正することができるが、ロータ2の重心位置は、切削誤差によって切削方向と異なるおそれがある。したがって、ロータ2の切削後に、実施の形態1に記載の方法を用いて、ロータ重心位置方向を再度測定し、ロータ2の外周面表面のロータ重心位置方向に、切削痕Xの代わりにマーカ201を設ける。ファン3においてもロータ2と同様に目標切削量での切削後にファン重心位置方向を再度測定し、ファン3のファン重心位置方向に切削痕Yの代わりにマーカ202を設ける。
図15は、本発明の実施の形態2に係るファンモータの製造方法を例示する説明図である。図15に示すように、ロータ2にマーカ装置210を用いてマーカ201を設ける。なお、ロータ重心位置方向を示すマーカ201は、ロータ2の外周面表面ではなく、シャフト1に設けてもよい。シャフト1の他端側にマーカ201を設けると、シャフト1の他端にファン3を取り付ける工程の際に、ロータ重心位置方向を示すマーカ201とファン重心位置方向を示すマーカ202が近い位置となるため、より簡単に組み立てることができる。
図16は、本発明の実施の形態2に係るファンモータの製造方法を例示する説明図である。図16に示すように、マーカ装置210を用いてマーカ202を設ける。ロータ2の場合と同様に、ファン3も実施の形態1に記載の方法を用いて、ファン3に対する目標切削量を算出し、目標切削量の切削を行う。目標切削量の切削後に実施の形態1に記載の方法を用いて、ファン重心位置方向を再度測定し、切削痕Yの代わりにマーカ装置210を用いてマーカ202を設ける。
マーカ201及びマーカ202を設ける方法は、ペン等を用いたインクによるマーキング、高出力レーザー装置を用いた焼付け加工によるマーキングがある。インクによるマーキングは、マーカ装置210が比較的安価であるが、その後の工程で熱処理があった場合にインクが消えるおそれがある。また、搬送時にマーキング位置をこすってしまってインクが消えるおそれがあるため、その後の工程で取り扱いに留意する必要がある。一方、高出力レーザー装置を用いた焼付け加工によるマーキングは、マーカ装置210が比較的高価であるが、その後の工程でマーカが消えるおそれがない。
実施の形態2に係るファンモータ200は、ロータ2及びファン3の重心位置のずれを修正するために目標切削量の切削を行い、切削後に再度ロータ2及びファン3の重心位置方向を測定して、ロータ重心位置方向及びファン重心位置方向にマーカを設け、ロータ2及びファン3の重心位置の目印とする。実施の形態2に係るファンモータ200は、切削後に再度ロータ2及びファン3の重心位置のずれを測定する必要があるが、マーカによるトレーザビリティとしての機能を持たせることができる。
実施の形態3.
発明の実施の形態3に係るファンモータ300の製造方法について説明する。なお、実施の形態1、2と同一または対応する製造方法については、その説明を省略し、製造方法の異なる部分のみを説明する。
実施の形態3に係るファンモータ300では、ロータ2及びファン3に対する切削を行わずに、第一の目印として切削痕Xの代わりにロータ重心位置方向を示すマーカ201と、第二の目印として切削痕Yの代わりにファン重心位置方向を示すマーカ202とを設け、ロータ2及びファン3の重心位置の目印とする。
図17は、本発明の実施の形態3に係るファンモータの構造を示す断面図である。図16において、図2と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略し、実施の形態1のファンモータ100と構成および動作の異なる部分のみを説明する。実施の形態3に係るファンモータ300は、図17に示すように、ロータ2にロータ重心位置方向を示すマーカ201と、ファン3にファン重心位置方向を示すマーカ202とを備えている。なお、ロータ重心位置方向を示すマーカ201は、ロータ2の外周面表面ではなく、シャフト1に設けてもよい。
実施の形態3に係るファンモータ300では、実施の形態1に記載の方法を用いて、ロータ2及びファン3の重心位置方向を算出し、実施の形態2に記載の方法を用いて、マーカ201及びマーカ202を設ける。
実施の形態3に係るファンモータ300では、ロータ重心位置方向示すマーカ201及びファン重心位置方向を示すマーカ202に基づき、ファンモータ300の組み立てを行う。
実施の形態3に係るファンモータ300は、切削によってロータ2及びファン3の重心位置のずれを修正しない。ロータ2及びファン3の重心位置のずれが、切削による修正を行わなくても微少である場合には、マーカ201及びマーカ202に基づく組立てだけで、ファンモータの振動を抑制することができる。したがって、実施の形態3に係るファンモータ300は、ロータ2及びファン3に対する切削工程が必要ないため、製造コストを削減することができる。
実施の形態4.
実施の形態1から3に係るファンモータを適用した一例として、ファンモータを搭載した掃除機の模式図を図18に示す。実施の形態4に係る掃除機400は、ケース401と、ケース401内に設けられたファンモータ100と、ケース401の一端に設けられたファンモータ100が発生させる気流によって、空気及び塵埃を吸引する吸引口402と、吸引口402とファンモータ100との間のケース401内に設けられた、吸引口402によって吸引された塵埃を集める集じん室403と、集じん室403とファンモータ100との間及びファンモータ100と排気口405との間のケース401内にそれぞれ設けられ、吸引口402によって吸引した空気中の塵埃を取り除くフィルタ404と、ケース401の他端に設けられ、フィルタ404によって塵埃が取り除かれた空気を排出する排気口405と、を備える。図18では、実施の形態1に係るファンモータ100を適用した図を示す。
掃除機400は、ファンモータ100が発生させる気流によって、吸引口402から空気及び塵埃を吸引する。吸引口402から吸引された塵埃は、集じん室403に集められる。集じん室403とファンモータ100との間及びファンモータ100と排気口405との間のケース401内にそれぞれ設けられたフィルタ404によって塵埃が取り除かれた空気が排気口405から排出される。
実施の形態1から3に係るファンモータを搭載した掃除機400は、前述の実施の形態1から3で説明した効果を奏するため、実施の形態4に係る掃除機400では、ロータ2及びファン3の重心位置のずれによって生じるファンモータの振れおよび振動による機械の破損を防止して、騒音問題を解消することができる。
なお、本発明は、実施の形態1から4で説明した形状に限定されるものでなく、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100,200,300 ファンモータ、1 シャフト、2 ロータ、3 ファン、4 ベアリング、5 フレーム、6 ハウジング部、7 ステータ、8 接着部材、11 ホール、12 支持台、13 ベルト、14 刃物、31 ディスク部、32 羽根車部、40 軸受、41 第1軸受部、42 予圧部、43 第2軸受部、61 底部、62 ゴムワッシャ、201,202 マーカ、210 マーカ装置、400 掃除機、401 ケース、402 吸引口、403 集じん室、404 フィルタ、405 排気口。

Claims (16)

  1. モータの回転軸にファンを設けたファンモータの製造方法であって、
    前記回転軸となるシャフトの一端にロータを取り付ける工程と、
    前記回転軸方向内径側にステータが取り付けられた前記モータのフレームに、前記ロータが前記ステータと対向する位置で回転可能となるよう前記シャフトを取り付ける工程と、
    前記シャフトの他端に前記ファンを取り付ける工程と、
    を備え、
    前記ロータには、前記回転軸の回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向を示す第一の目印が付され、前記ファンには、前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向を示す第二の目印が付されており、
    前記ロータまたは前記ファンの取り付けは、前記モータの固有モードにより決定される、前記第一の目印及び前記第二の目印の位置関係に基づき行われる
    ことを特徴とするファンモータの製造方法。
  2. 前記第一の目印は、前記回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向の、前記ロータの外周面表面に設けられ、前記第二の目印は、前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向の、前記ファンの外周面表面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のファンモータの製造方法。
  3. 前記シャフトの剛性が高い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、同一方向から±90°以内の範囲となるように決定され、
    前記シャフトの剛性が低い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、180°方向から±90°以内の範囲となるように決定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のファンモータの製造方法。
  4. モータの回転軸にファンを設けたファンモータの製造方法であって、
    前記回転軸となるシャフトの一端にロータを取り付ける工程と、
    前記回転軸方向内径側にステータが取り付けられた前記モータのフレームに、前記ロータが前記ステータと対向する位置で回転可能となるよう前記シャフトを取り付ける工程と、
    前記シャフトの他端に前記ファンを取り付ける工程と、
    を備え、
    前記ロータには、前記回転軸の回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向を示す第一の目印が付され、前記ファンには、前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向を示す第二の目印が付されており、
    前記ロータまたは前記ファンの取り付けは、前記モータの固有モード、並びに、前記第一の目印及び前記第二の目印に基づき行われ、
    前記シャフトの剛性が高い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、同一方向から±30°以内の範囲となるように決定され、
    前記シャフトの剛性が低い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、180°方向から±30°以内の範囲となるように決定されることを特徴とするァンモータの製造方法。
  5. 前記第一の目印及び前記第二の目印は、マーカであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のファンモータの製造方法。
  6. 前記第一の目印及び前記第二の目印は、切削痕であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のファンモータの製造方法。
  7. 前記第一の目印を示す切削痕の切削量は、予め測定された回転軸中心と前記ロータの偏心量に前記ロータの質量を掛けた値であるロータアンバランス量に基づき決定され、
    前記第二の目印を示す切削痕の切削量は、予め測定された回転軸中心と前記ファンの偏心量に前記ファンの質量を掛けた値であるファンアンバランス量に基づき決定されることを特徴とする請求項に記載のファンモータの製造方法。
  8. 前記第一の目印を示す切削痕の切削量を前記ロータアンバランス量の10%以上90%以下とし、前記第二の目印を示す切削痕の切削量を前記ファンアンバランス量の10%以上90%以下とすることを特徴とする請求項に記載のファンモータの製造方法。
  9. 前記回転軸の回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向の、前記ロータの外周面から回転軸方向に前記ロータアンバランス量の切削を行い、切削後に前記回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向を再測定する工程と、再測定された前記回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向に基づき前記回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向の、前記ロータの外周面に第一の目印を設ける工程と、
    前記回転軸の回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向の、前記ファンの外周面から回転軸方向に前記ファンアンバランス量の切削を行い、切削後に前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向を再測定する工程と、再測定された前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向に基づき前記回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向の、前記ファンの外周面に第二の目印を設ける工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のファンモータの製造方法。
  10. 回転軸となるシャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられ、前記回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第一の目印を外周面表面に有するロータと、前記回転軸方向内径側にステータが取り付けられ、前記ロータが前記ステータと対向する位置で回転可能となるよう前記シャフトが取り付けられたフレームと、を有するモータと、
    前記回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第二の目印を外周面表面に有し、前記モータの固有モードにより決定される、前記第一の目印及び前記第二の目印の位置関係に基づき前記シャフトの他端に取り付けられたファンと、
    を備えるファンモータ。
  11. 前記第一の目印は、前記回転軸の回転中心から前記ロータの重心位置に至る方向の、前記ロータの外周面表面に設けられ、前記第二の目印は、前記回転軸の回転中心から前記ファンの重心位置に至る方向の、前記ファンの外周面表面に設けられることを特徴とする請求項10に記載のファンモータ。
  12. 前記シャフトの剛性が高い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、同一方向から±90°未満の範囲となるように決定され、
    前記シャフトの剛性が低い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、180°方向から±90°未満の範囲となるように決定されることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のファンモータ。
  13. 回転軸となるシャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられ、前記回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第一の目印を外周面表面に有するロータと、前記回転軸方向内径側にステータが取り付けられ、前記ロータが前記ステータと対向する位置で回転可能となるよう前記シャフトが取り付けられたフレームと、を有するモータと、
    前記回転軸を起点として重心位置に至る径方向を示す第二の目印を外周面表面に有し、前記モータの固有モード、並びに、前記第一の目印及び前記第二の目印に基づき前記シャフトの他端に取り付けられたファンと、を備え、
    前記シャフトの剛性が高い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、同一方向から±30°以内の範囲となるように決定され、
    前記シャフトの剛性が低い場合は、前記第一の目印に対する前記第二の目印の径方向の位置が、180°方向から±30°以内の範囲となるように決定されることを特徴とするァンモータ。
  14. 前記第一の目印及び前記第二の目印は、マーカであることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のファンモータ。
  15. 前記第一の目印及び前記第二の目印は、切削痕であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のファンモータ。
  16. ケースと、
    前記ケース内に設けられた請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のファンモータと、
    前記ケースの一端に設けられ、前記ファンモータが発生させる気流によって、空気及び塵埃を吸引する吸引口と、
    前記ケースの他端に設けられ、前記ファンモータが発生させる気流によって、前記空気を排出する排気口と、
    前記吸引口と前記ファンモータとの間の前記ケース内に設けられた、前記塵埃を集める集じん室と、
    前記集じん室と前記ファンモータとの間及び前記ファンモータと前記排気口との間にそれぞれ設けられ、前記吸引口から吸引した空気中の塵埃を取り除くフィルタと、
    を備える掃除機。
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