JP5413792B2 - 回転機械支持装置 - Google Patents
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Description
前記回転機械をバネを介して支持する支持体を備え、
前記バネは、固体材料に対し、第1の水平方向に深さを持つ第1の溝と、該第1の水平方向と交差する第2の水平方向に深さを持つ第2の溝とが入れられたものであり、
第1および第2の溝の各々は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通している、ことを特徴とする回転機械支持装置が提供される。
このように、鉛直方向にはバネ定数・剛性を高いので、回転機械支持装置で回転機械を支持した状態で、バランス修正加工を行う場合に、特別な固定機構を用いなくとも、鉛直方向位置の加工位置が安定する。なお、バネを介して回転機械を支持するので、支持体で発生する外乱振動の影響を遮断でき、上述の締結ネジのトルクによる影響も排除することができる。
第3の溝は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通している。
前記6次元の剛性振動モードの設定は次の通りである。即ち、第1の水平方向(例えば水平左右方向)に関する回転機械支持装置の振動特性(1次モード)は、第1の水平方向に入れられている溝(図5の例では、溝3b、3c)により調節可能であり、第2の水平方向(例えば水平前後方向)に関する回転機械支持装置の振動特性(2次モード)は、第2の水平方向に入れられる溝(図5の例では、溝3a、3d)により調節可能であり、鉛直方向に関する回転機械支持装置の振動特性(3次モード)は、高いバネ定数の振動モードとなるかまたは上述の略S字状の部分により調節可能であり、第2の水平方向を向く中心軸(ロール軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の振動特性(4次モード)は、高いバネ定数の振動モードとなるかまたは第1の水平方向に間隔を置いて位置する前記バネに形成する上述の略S字状の部分により調節可能であり、鉛直方向を向く中心軸(ヨー軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の振動特性(5次モード)は、第1の水平方向または第2の水平方向に間隔を置いて位置する前記バネ(より詳しくは、図5の例では、これらバネ10の溝3a〜3d)により与えられ、第1の水平方向を向く中心軸(ピッチ軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の振動特性(6次モード)は、高いバネ定数の振動モードとなるかまたは第2の水平方向に間隔を置いて位置する前記バネに形成する上述の略S字状の部分により調節可能である。
図2は、図1に示す各バネ10の構成図である。図2(A)は図2(B)の2A−2A線矢視図であり、図2(B)は図2(A)の2B−2B線矢視図であり、図2(C)は図2(A)の2A−2A線矢視図であり、図2(D)は図2(A)の2D−2D線矢視図であり。
また、図1では、図2に示すバネ10を、回転軸2に対して左右対称となるように左右方向(図1(A)の左右)の2箇所に配置し、これら1対のバネ10を、前後対称となるように前後方向(図1(A)の紙面と垂直な方向)の2箇所に配置している。
上記本発明の回転機械支持装置20では、前記回転機械5をバネ10を介して支持する支持体7を備え、前記バネ10は、金属の固体材料1(例えば、柱状の固体材料)に対し、第1の水平方向に深さを持つ第1の溝3a、3dと、該第1の水平方向と交差する第2の水平方向に深さを持つ第2の溝3b,3cとが入れられたものであり、第1および第2の溝3a〜3dの各々は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料1を貫通しているので、第1の溝3a、3dの幅と深さを変えることで、第1の水平方向におけるバネ定数を容易かつ自在に設定することができ、第2の溝3b,3cの幅と深さを変えることで、第2の水平方向におけるバネ定数を容易かつ自在に設定することができ、しかも、鉛直方向にはバネ定数・剛性を高く維持することができる。
また、図6は、「取付部材6+回転機械5」の重心位置と各バネ10の理想的な位置関係を示す平面図である。図6に示すように、より好ましくは、各バネ10を頂点とする矩形の対角線の交点に「取付部材6+回転機械5」の重心を位置させる。さらに、回転軸2は、「取付部材6+回転機械5」の重心位置と同じ高さにあるとよい。また、取付部材6の重心を下げるため、左右のバネ10の間における取付部材6の部分は、図1(A)のように下方に延びているのがよい。
図7は、張出部6aに対する各バネ10の取り付け方を示す。図7のように、X方向とY方向の2方向から、ボルト4を締付けてバネ10を取付部材6に固定するのが好ましい。このようすると、回転機械5の回転アンバランス量を計測する時に、取付部材6が振動しても、張出部6aがバネ10に対して滑らず、張出部6aをバネ10に対して確実に固定できる。なお、ボルト4を付ける方向は、X方向とY方向の2方向だけでよく、Z方向(回転機械5の軸方向)のボルトは省略することができる。すなわち、アンバランス量計測時、取付部材6はX方向とY方向には振動するが、Z方向にはあまり振動しないからである。
図8は、上述した回転機械支持装置20を用いたアンバランス量計測装置を示す。図8(B)は、図8(A)の破線で囲んだ部分における取付部材6内部を示す透視図である。
この実施例では、回転機械5は車両用過給機であり、回転機械支持装置20により車両用過給機5を支持した状態で、車両用過給機5の回転アンバランス量を計測する。
図8(B)において、車両用過給機5の(実機のものではない)試験用タービンハウジング13がボルト15により上述の取付部材6に固定されるとともに。車両用過給機5の軸受ハウジング17が油圧クランプ18により剛性部材19を介して取付部材6に押し付けられている。これにより、車両用過給機5が取付部材6に取り付けられている。なお、符号22は、油圧クランプ18の油圧シリンダを示す。油圧シリンダ22は取付部材6に固定されている。
図8(A)は図1(B)に対応し、この実施例では、上述の実施形態と同様に、回転機械支持装置の4つの前記バネ10により取付部材6を介して車両用過給機5を支持している。この実施例における回転機械支持装置20の他の構成は、上述の実施形態と同じであってよい。なお、図9は、図8(A)の構成をコンプレッサ側の上方から見た詳細斜視図である。
図8の状態で、回転アンバランス量を計測する。具体的には、タービンインペラ27に流体を供給して回転軸2を回転駆動し、回転軸2の回転速度が所定値に達したら、加速度ピックアップ11で回転軸2の加速度(即ち、振動)を検出しつつ、回転角検出器12により回転軸2の回転角を検出する。これにより、例えば演算器14が、どの回転角でどの程度の加速度(振動)が生じているかを検出する。この検出データを回転アンバランス量のデータとする。なお、加速度ピックアップ11は、好ましくは、張出部6aに取り付けられており、さらに好ましくは、回転軸2と同じ高さに位置する。
回転アンバランス量の計測が終了したら、車両用過給機5を回転機械支持装置20から取り外すことなく、回転バランス修正を行う。具体的には、図8(B)に対応する図10のように、回転アンバランス量の計測データに基づいてナット25の一部をエンドミルなどの加工装置29により除去することで、回転バランス修正を行うことができる。この時、回転軸2が回転してしまわないように、コレットチャックなどの把持装置31によりタービンインペラ27側の回転軸2先端部を把持しておく。把持装置31は、タービン排気口16から、試験用タービンハウジング13の内部に入れることができる。
Claims (4)
- 回転駆動される回転軸を有する回転機械を支持する、回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置であって、
前記回転機械をバネを介して支持する支持体を備え、
前記バネは、固体材料に対し、第1の水平方向に深さを持つ第1の溝と、該第1の水平方向と交差する第2の水平方向に深さを持つ第2の溝とが設けられたものであり、
第1および第2の溝の各々は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通しており、
前記回転機械支持装置が前記回転機械を支持している状態における前記回転機械支持装置の固有振動数が、前記回転機械の使用回転周波数の範囲外に設定されている、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。 - 前記溝はスリット状である、ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 前記固体材料には、深さ方向が第1の溝と反対方向となる第3の溝が形成されており、かつ、第1および第3の溝は、鉛直方向に間隔をおいて設けられており、
第3の溝は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。 - 所定の水平左右方向に間隔を置いて配置された1対の前記バネが、該水平左右方向と直交する水平前後方向の2箇所に設けられており、
前記回転機械支持装置が前記回転機械を支持している状態における、第1の水平方向に関する回転機械支持装置の固有振動数、第2の水平方向に関する回転機械支持装置の固有振動数、鉛直方向に関する回転機械支持装置の固有振動数、第1の水平方向を向く中心軸の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の固有振動数、鉛直方向を向く中心軸の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の固有振動数、および第2の水平方向を向く中心軸の周りの回転方向に関する回転機械支持装置の固有振動数は、いずれも前記回転機械の使用回転周波数の範囲外になるように、前記溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
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