JP6988546B2 - 活性エネルギー線硬化型塗料 - Google Patents

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Description

本発明は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液及び活性エネルギー線硬化型塗料に関する。
塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂基材に良好に付着すること、一般的な有機溶剤に可溶であることから、塗料用バインダーとして使用される。
ポリオレフィン樹脂基材への付着性が高い低塩素化度の塩素化ポリオレフィン樹脂は、柔らかいため、単独で塗料用バインダーとして用いることは難しく、一般的には(メタ)アクリル系樹脂と併用される。しかし、低塩素化度の塩素化ポリオレフィン樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂との相溶性が高くない。
上記二種類の樹脂を相溶させるため、低分子量のロジン等を併用する方法がある。しかし、この方法では、低分子量の成分が増えるため、塗膜物性が低下する問題がある。
そこで、塩素化ポリオレフィン樹脂を(メタ)アクリル変性する、つまり(メタ)アクリル系化合物をグラフト重合することにより、付着性及び塗膜物性の向上を目指すことが多い。
特許文献1には、エステル系、ケトン系、アルコール系、非芳香族炭化水素系の1種以上から構成される有機溶剤と、アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、多孔質性の樹脂粒子と、脂肪酸アミドとを特定の割合で含み、チキソトロピックインデックス(TI値)が2.5〜5.0である塗料が提案されている。
特開2014−208841号公報
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の溶液やこれを含む塗料を貯蔵(輸送を含む)する際には、高温になることがある。例えば赤道付近を通る船の船倉では60℃付近になることがある。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液やこれを含む塗料は、貯蔵安定性、特に高温での貯蔵安定性が低く、貯蔵中に溶剤不溶の高分子塊(ブツ)が発生したり、増粘やゲル化を引き起こす問題がある。
ブツや増粘、ゲル化が発生する原因は以下のように考えられる。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液やこれを含む塗料には、(メタ)アクリル変性に用いた(メタ)アクリル系化合物の一部が未反応のまま残存している。
また、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂のベースとなるポリオレフィン樹脂の製造方法として、有機金属触媒を用いてオレフィンを重合する方法がある。この場合、得られるポリオレフィン樹脂は有機金属触媒を含み、このポリオレフィン樹脂をベースとして製造された(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂も有機金属触媒を含むこととなる。この有機金属触媒が、樹脂中に残存する(メタ)アクリル系化合物の意図しない重合を引き起こし、ブツや増粘、ゲル化を発生させる。
活性エネルギー線硬化型塗料の場合には、さらに多くの(メタ)アクリル系化合物が含まれるため、上記の問題がより顕著に現れる。
なお、特許文献1には、脂肪酸アミドにより塗料溶液に揺変性を付与できること、この作用により塗料を低温及び高温の環境に放置しても塗料液内で相分離及び凝集物の発生が起こり難くなることが記載されている。
しかし、特許文献1では、ブツや増粘、ゲル化の問題について検討されていない。また、脂肪酸アミドは、比較的低分子量のワックス状であり、塗膜物性を低下させる原因となる。
本発明は、高温で貯蔵してもブツや増粘、ゲル化が発生しにくく、物性の良好な塗膜を形成できる(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液及び活性エネルギー線硬化型塗料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
〔1〕(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、アセチルアセトンとを含む(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液。
〔2〕前記アセチルアセトンの含有量が、前記(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上である前記〔1〕の(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液。
〔3〕(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、(メタ)アクリル系化合物と、アセチルアセトンとを含む活性エネルギー線硬化型塗料。
〔4〕前記アセチルアセトンの含有量が、前記(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上である前記〔3〕の活性エネルギー線硬化型塗料。
本発明によれば、高温で貯蔵してもブツや増粘、ゲル化が発生しにくく、物性の良好な塗膜を形成できる(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液及び活性エネルギー線硬化型塗料を提供できる。
〔(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液〕
本発明の(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液(以下、「本樹脂溶液」とも記す。)は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、アセチルアセトンとを含む。
本明細書及び特許請求の範囲において、「(メタ)アクリル」はアクリル又はメタクリルを示す。「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」も同様である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素化ポリオレフィン樹脂に(メタ)アクリル系化合物がグラフト重合された共重合樹脂である。
塩素化ポリオレフィン樹脂としては、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
(メタ)アクリル系化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
塩素化ポリオレフィン樹脂にグラフト重合される(メタ)アクリル系化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂としては、塩素化ポリエチレン樹脂に(メタ)アクリル系化合物がグラフト重合された塩素化ポリエチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂に(メタ)アクリル系化合物がグラフト重合された塩素化ポリプロピレン−(メタ)アクリル共重合樹脂等が挙げられる。
本樹脂塗料に用いられる(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂は、有機金属触媒を含む。有機金属触媒は典型的には塩素化ポリオレフィン樹脂に由来する。有機金属触媒を用いてオレフィンを重合すると、得られるオレフィン樹脂は有機金属触媒を含み、このポリオレフィン樹脂を塩素化した塩素化ポリオレフィン樹脂も有機金属触媒を含む。有機金属触媒としてはバナジウム触媒、メタロセン触媒、有機アルミニウム系触媒等が挙げられる。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂は、有機金属触媒を用いてオレフィンを重合して得られたポリオレフィン樹脂を塩素化して得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に(メタ)アクリル系化合物をグラフト重合することによって製造できる。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂として市販品を用いてもよい。有機金属触媒を含む(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の市販品としては、例えば、日本製紙株式会社のスーパークロン(登録商標)224Hが挙げられる。
アセチルアセトンは、本樹脂溶液の貯蔵安定性を向上させる。また、アセチルアセトンは、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂を溶解する溶剤としても機能する。
本樹脂溶液は、溶剤としてアセチルアセトンのみを含んでいてもよく、アセチルアセトン以外の他の溶剤をさらに含んでいてもよい。
他の溶剤としては、トルエン、キシレン(о−、p−、m−)、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の溶剤は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の溶解性に優れる点で、炭化水素系溶剤を含むことが好ましい。
他の溶剤は、アセチルアセトンよりも低沸点の溶剤(以下、「低沸点溶剤」ともいう。)を含むことが好ましい。本樹脂溶液や本樹脂溶液を含む塗料を基材に塗装して塗膜を形成する際には、乾燥して溶剤を除去する。アセチルアセトンの沸点は140℃と比較的高い。低沸点溶剤を含むことで、乾燥の負荷を低減できる。
低沸点溶剤の沸点は、60〜120℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。沸点は、大気圧(1atm)における値である。
低沸点溶剤は、炭化水素系溶剤でもよく、炭化水素系溶剤以外の溶剤でもよい。
低沸点溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
<本樹脂溶液中の各成分の含有量>
本樹脂溶液中、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の含有量は、本樹脂溶液100質量%中、20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の含有量が前記下限値以上であると、十分な溶解性が確保でき、前記上限値以下であると、樹脂溶液の流動性がより優れるのでハンドリングしやすい。
アセチルアセトンの含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。アセチルアセトンの含有量が前記下限値以上であると、高温での貯蔵時のブツや増粘、ゲル化の発生を十分に抑制できる。
アセチルアセトンの含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1.0〜10質量部がさらに好ましい。
炭化水素系溶剤の含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、100〜300質量部が好ましく、150〜250質量部がより好ましい。炭化水素系溶剤の含有量が前記下限値以上であると、十分な溶解性が確保できる。
本樹脂溶液は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、アセチルアセトンと、必要に応じて他の溶剤とを混合することにより調製できる。
本樹脂溶液の用途は特に限定されない。例えば、本樹脂溶液をそのまま塗料としてもよい。本樹脂溶液と他の材料とを混合して塗料としてもよい。他の材料としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物、イソシアネート、メラミン、エポキシ樹脂等の硬化性成分、他の樹脂材料、光重合開始剤、添加剤、相溶化剤等が挙げられる。
本樹脂溶液にあっては、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂とともにアセチルアセトンを含むため、貯蔵安定性に優れ、高温で貯蔵してもブツや増粘、ゲル化が発生しにくい。
また、アセチルアセトンは、本樹脂溶液やこれを含む塗料を塗装して塗膜を形成する際に揮発させることができる。アセチルアセトンが塗膜中に残存しないことで、塗膜物性(耐摩耗性等)が低下せず、目的とする塗膜物性が十分に発現する。
したがって、本樹脂溶液やこれを含む塗料によれば、塗膜物性の良好な塗膜を形成できる。
アセチルアセトンによってブツや増粘、ゲル化の発生を抑制できる理由は以下のように考えられる。
アセチルアセトンは、本樹脂溶液中で、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂に含まれる有機金属触媒と錯体構造を形成し、有機金属触媒を不活性化させる。そのため、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂中に残留する(メタ)アクリル系化合物が有機金属触媒の作用によって重合することを抑制できる。
〔活性エネルギー線硬化型塗料〕
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料(以下、「本塗料」とも記す。)は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、(メタ)アクリル系化合物と、アセチルアセトンとを含む。
(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂は、前記と同様であり、好ましい態様も同様である。
(メタ)アクリル系化合物は、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリル系化合物を含むことが好ましい。多官能性(メタ)アクリル系化合物を含むことによって、耐熱性や耐水性に優れる塗膜を形成できる。
多官能性(メタ)アクリル系化合物は、モノマーでもよくオリゴマーでもよい。
(メタ)アクリル系化合物は、1分子中に3個以上(好ましくは3〜6個)の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリル系化合物を含むことがより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリル系化合物と、1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能性(メタ)アクリル系化合物とを併用してもよい。
分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能性(メタ)アクリル系化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート等が挙げられる。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリル系化合物としては、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
また、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリル系化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネートと、ポリオールと、水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応物である。
ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコール、多価アルコールとアジピン酸等の多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリルレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系化合物は、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能性(メタ)アクリル系化合物を含んでいてもよい。
単官能性(メタ)アクリル系化合物としては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本塗料は、必要に応じて、アセチルアセトン以外の他の溶剤をさらに含んでいてもよい。他の溶剤としては、前記と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本塗料は、必要に応じて、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂以外の他の樹脂成分をさらに含んでいてもよい。他の樹脂成分によって、塗膜の基材に対する付着性を高めたり、本塗料に含まれる各成分の相溶性を高めたり、塗膜の収縮を軽減したりできる。
他の樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル変性、エポキシ変性、ウレタン変性、無水マレイン酸変性、ロジン変性、脂肪酸変性等の変性ポリエステル樹脂も挙げられる。
アルキド樹脂としては、純アルキッド樹脂や、長油変性、中油変性、単油変性、シリコーン変性、アクリル変性、エポキシ変性、ウレタン変性、メラミン変性等の変性アルキッド樹脂等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂としては、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体、アルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体等が例示できる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なであればよく、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
これらの樹脂成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本塗料は、必要に応じて、光重合開始剤をさらに含んでいてもよい。
光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線の照射により(メタ)アクリル系化合物の重合を開始できるものであれば特に制限されない。例えば商品名として、イルガキュア(登録商標)149、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア1000、イルガキュア1800(以上、BASFジャパン社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、カヤキュアDETX−S、カヤキュアEPA、カヤキュアDMBI(以上、日本化薬社製)、バイキュア55(アクゾノーベル社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本塗料は、必要に応じて、上記以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
他の成分としては、通常の塗料に用いられる添加剤を適宜使用でき、例えば光増感剤、光促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、表面調整剤、可塑剤、顔料、染料、顔料沈降防止剤等が挙げられる。
<本塗料中の各成分の含有量>
本塗料中、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の含有量は、本塗料100質量%中、10.0〜30.0質量%が好ましく、15.0〜25.0質量%がより好ましい。(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂の含有量が前記下限値以上であると、溶解性がより優れ、前記上限値以下であると、ハンドリング性がより優れる。
(メタ)アクリル系化合物の含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、30〜150質量部が好ましく、40〜130質量部がより好ましい。(メタ)アクリル系化合物の含有量が前記下限値以上であると、塗膜の耐摩耗性がより優れ、前記上限値以下であると、塗膜の基材に対する付着性がより優れる。
アセチルアセトンの含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。(メタ)アクリル系化合物の含有量が(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対して50質量部以上である場合には、アセチルアセトンの含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、2.0質量部以上がさらに好ましい。アセチルアセトンの含有量が前記下限値以上であると、高温での貯蔵時のブツや増粘、ゲル化の発生を十分に抑制できる。
アセチルアセトンの含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、0.5〜50.0質量部が好ましく、1.0〜20.0質量部がより好ましく、2.0〜20.0質量部がさらに好ましい。
炭化水素系溶剤の含有量は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、100〜300質量部が好ましく、150〜250質量部がより好ましい。炭化水素系溶剤の含有量が前記下限値以上であると、流動性が向上する。
低沸点溶剤の含有量は、アセチルアセトンに対し、30〜150質量%が好ましく、50〜120質量%がより好ましい。低沸点溶剤の含有量が前記下限値以上であると、塗膜形成時の乾燥の負荷を軽減でき、前記上限値以下であると、塗装時の平滑性を向上できる。
光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル系化合物100質量部に対し、10〜20質量部が好ましい。光重合開始剤の含有量が前記下限値以上であると、硬化性がより優れる。
添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。
本塗料は、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、(メタ)アクリル系化合物と、アセチルアセトンと、必要に応じて他の溶剤、他の樹脂成分、光重合開始剤、添加剤等を混合することにより調製できる。
本塗料を基材表面に塗装すると、塗膜付き基材が得られる。
基材の材質としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂等のプラスチックが挙げられる。(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂はポリオレフィン樹脂への付着性に優れることから、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
本塗料は、例えば、以下の手順で塗装できる。まず、スプレー塗装法、刷毛塗り法、ローラ塗装法、カーテンコート法、フローコート法、浸漬塗り法等の塗布方法により、本塗料を基材上に塗布する。次いで、熱風乾燥炉等で加熱乾燥し、アセチルアセトン等の溶剤を除去して塗膜(乾燥膜)を形成する。次いで、前記塗膜に対し、100〜3000mJ/cm程度(日本電池株式会社製「UVR−N1」による測定値)の紫外線をヒュージョンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いて1〜10分間程度照射し、前記塗膜を硬化させる。活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、ガンマ線等も使用できる。
硬化後の塗膜(硬化膜)の厚さは、例えば5〜30μmであってよい。
本塗料にあっては、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂及び(メタ)アクリル系化合物とともにアセチルアセトンを含むため、貯蔵安定性に優れ、高温で貯蔵してもブツや増粘、ゲル化が発生しにくい。
また、アセチルアセトンは、本塗料を塗装して塗膜を形成する際に揮発させることができる。アセチルアセトンが塗膜中に残存しないことで、塗膜物性(耐摩耗性、耐湿性、耐水性等)が低下せず、目的とする塗膜物性が十分に発現する。
したがって、本塗料によれば、塗膜物性の良好な塗膜を形成できる。
アセチルアセトンによってブツや増粘、ゲル化の発生を抑制できる理由としては、前記のとおり、アセチルアセトンが、(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂に含まれる有機金属触媒と錯体構造を形成し、有機金属触媒を不活性化させることが考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例12〜16は参考例である。
<実施例1〜11、比較例1>
表1〜表2に従って各材料を配合し、活性エネルギー線硬化型塗料を調製した。表1〜表2中、各材料の配合量の単位は質量部である。
<実施例12〜16、比較例2>
表3に従って各材料を配合し、樹脂溶液を調製した。表3中、各材料の配合量の単位は質量部である。
<貯蔵安定性の評価>
調製した活性エネルギー線硬化型塗料及び樹脂溶液をそれぞれ60℃で15日間貯蔵した。貯蔵後の活性エネルギー線硬化型塗料及び樹脂溶液それぞれにおけるブツの発生具合を粒ゲージにて測定し、目視にて増粘、ゲル化を以下の基準で貯蔵安定性を評価した。結果を表1〜3に示す。
〇:ブツや増粘、ゲル化は見られなかった。
△:直径1.0μm未満のブツが見られたが、直径1.0μm以上のブツは見られなかった。もしくは増粘が見られたが使用に支障はない範囲であった。
×:直径1.0μm以上のブツが見られた。もしくは使用に支障のある増粘やゲル化が見られた。
Figure 0006988546
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表1〜3中の各記号は、以下の材料を示す。
KAYARAD TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製)。
ダイヤビームUK−6053:ウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製)。
スーパークロン224H:(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式会社製)。
テスポール1105:ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ化成株式会社製)。
BYK−307:シリコーン系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製)。
イルガキュア149:光重合開始剤(ビー・エー・エス・エフジャパン株式会社製)。
イルガキュア651:光重合開始剤(ビー・エー・エス・エフジャパン株式会社製)。
実施例の活性エネルギー線硬化型塗料及び樹脂溶液は、アセチルアセトンを含まない比較例の活性エネルギー線硬化型塗料及び樹脂溶液に比べて、貯蔵時のブツや増粘、ゲル化の発生が抑制されていた。
また、アセチルアセトンは、塗膜の形成時に揮発させることができる。そのため、アセチルアセトンは塗膜中に残存せず、塗膜物性(耐摩耗性、耐湿性、耐水性等)を低下させない。したがって、実施例の活性エネルギー線硬化型塗料及び樹脂溶液により、塗膜物性に優れた塗膜を形成できる。

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、(メタ)アクリル系化合物と、アセチルアセトンとを含む活性エネルギー線硬化型塗料。
  2. 前記アセチルアセトンの含有量が、前記(メタ)アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上である請求項に記載の活性エネルギー線硬化型塗料。
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