JP2018070844A - エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法 - Google Patents

エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法 Download PDF

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啓統 藤井
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Abstract

【課題】環境に適合した難燃性を確保するとともに、透明性、密着性及び耐汚染性などの他の塗膜特性を両立させることができる、エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】エネルギー線硬化型コーティング組成物を、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートと、リン酸含有(メタ)アクリレートと、コロイダルシリカと、を含有するようにする。【選択図】なし

Description

本明細書は、エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法に関する。
従来より、塗料などのコーティング組成物における難燃性向上に対する要請がある。塗料への難燃性への付与は、一般には、難燃剤の添加によって対処される。例えば、難燃効果の観点から、従来は、ハロゲン系難燃剤が汎用されてきた。
しかしながら、環境に対する負荷の観点等から、ハロゲン系難燃剤に替えて非ハロゲン系難燃剤の適用が試みられてきている。非ハロゲン系難燃剤としては、金属の水酸化物、メラミンシアヌレートなどの樹脂に分散させる粒子状難燃剤が知られている(特許文献1、2)。また、ホスファゼンやリン酸アンモニウムなど樹脂に溶解可能な難燃剤も知られている(特許文献3)。
特開2006−43974号公報 特開2001−131447号公報 特開2014−77113号公報
しかしながら、粒子状難燃剤は、塗膜を白色化させる傾向があり、塗膜の透明性を確保することが困難であった。一方、ホスファゼン等の樹脂溶解性難燃剤は、透明性を確保できるが、塗膜の耐汚染性を十分に確保するのが困難であった。
さらに、本発明者らによれば、非ハロゲン系難燃剤を用いた塗料において、エネルギー線硬化型バインダーを用いて耐汚染性を付与すると、金属などの無機材料面への密着性が低下する場合があることがわかった。
以上のように、非ハロゲン系難燃剤を塗料に適用するとき、難燃性、透明性、密着性及び耐汚染性など、塗料に求められる各種特性をバランス良く充足することが困難であった。
本明細書は、環境に適合した難燃性を確保するとともに、透明性、密着性及び耐汚染性などの他の塗膜特性を両立させることができる、エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、非ハロゲン系難燃剤について検討したところ、難燃性を発揮する構造を有する多官能(メタ)アクリレートを用いるとともに、リン酸含有(メタ)アクリレートとコロイダルシリカとを用いることで、金属などの無機材料表面への良好な密着性、透明性及び耐汚染性が両立しうるという知見を得た。本明細書は、かかる知見に基づいて以下の手段を提供する。
(1)エネルギー線硬化型コーティング組成物であって、
ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートと、
リン酸含有(メタ)アクリレートと、
コロイダルシリカと、
を含有する、組成物。
(2)前記ホスフィンオキシド化合物は、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドを含む、(1)に記載の組成物。
(3)前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり3個以上6個以下の(メタ)アクリロイル基を有する、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートを、前記組成物の全固形分量100質量部に対して50質量部以上95質量部以下含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)前記リン酸含有(メタ)アクリレートを、前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)前記コロイダルシリカを、前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して5質量部以上50質量部以下含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)コーティング膜を備える物品であって、
前記コーティング膜は、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートとリン酸含有(メタ)アクリレートとを含むモノマー組成物の重合体と、コロイダルシリカと、を含有する、物品。
本明細書の開示は、エネルギー線硬化型コーティング組成物及びコーティングを備える物品に関する。本明細書に開示されるエネルギー線硬化型コーティング組成物(以下、本コーティング組成物ともいう。)によれば、硬化膜の難燃性と、透明性、密着性及び耐汚染性などの他の硬化膜特性を両立させることができる。
本明細書の開示を限定するものではないが、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートが難燃性に貢献することができるほか、本多官能(メタ)アクリレートによる架橋形成が耐汚染性に貢献していると推測される。さらに、リン酸含有(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの架橋形成によって硬化膜の難燃性と耐汚染性に貢献するとともに、金属などの無機材料と水素結合等の非共有結合性結合による密着性に貢献しているものと推測される。さらに、コロイダルシリカは、硬化膜の応力を緩和して金属などの無機材料表面への密着性の補助しているものと推測される。以下、本明細書の開示に関する実施形態を詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとを包含している。また、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基とメタクリロイル基とを包含している。
(エネルギー線硬化型コーティング組成物)
(ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレート)
本コーティング組成物は、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレート(以下、本多官能(メタ)アクリレートともいう。)を含有している。以下、ホスフィンオキシド化合物及び多官能(メタ)アクリレートについて説明する。なお、「ホスフィンオキシド化合物に由来する構造」とは、多官能(メタ)アクリレートの二重結合の炭素原子にホスフィンオキシド化合物のリン原子が結合してリン−炭素一重結合が形成されるとともに、ホスフィンオキシド化合物の水素原子が脱離した構造等ということができる。
(ホスフィンオキシド化合物)
ホスフィンオキシド化合物は、例えば、ジエチルホスファイト、ジ−n−プロピルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジエチルホスフィンオキシド、ジ−n−プロピルホスフィンオキシド、ジ−n−ブチルホスフィンオキシド、ジヘキシルホスフィンオキシド等が挙げられる。また、難燃性、化合物の安定性より、好ましいP−H結合を有する化合物として、下記式(1)又は(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018070844
Figure 2018070844
式(1)及び(2)中、R、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜10の芳香族炭化水素基を、m、nはそれぞれ0〜5を表すことができる。例えば、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。炭素数1〜10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
例えば、好ましいホスフィンオキシド化合物の1つとして、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光株式会社 商品名 HCA)が挙げられる。また、好ましい他のホスフィンオキシド化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,5−ジメチルフェニル)フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
(多官能(メタ)アクリレート)
多官能アクリレートは、2官能以上の(メタ)アクリレート、すなわち、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであって、ホスフィンオキシド化合物に付加できるものあればよく、特に限定するものではない。多官能(メタ)アクリレートとしては、公知の多官能(メタ)アクリレートから適宜選択して用いることができるほか、硬化膜の特性等の観点から適宜合成等により取得することができる。
2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下、POと略す)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−プロピレングリコール−ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、EO変性グリセロール(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(EO)或いは(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
4官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5又は6官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレートベース・多官能(メタ)アクリレートの混合物等が挙げられる。さらに、7官能以上の(メタ)アクリレートを用いることもできるし、10官能程度の(メタ)アクリレートを用いることができる。
こうした多官能(メタ)アクリレートを単独で又は適宜組み合わせて用いることができる。硬化膜の難燃性及び耐汚染性のほか、硬化性の観点から、1分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基、また好ましくは同4個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、また好ましくは同5個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、また好ましくは同6個程度の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを用いることができる。また、8個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、より好ましくは7個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。多官能(メタ)アクリレートは、異なる官能性(例えば、5個及び6個の(メタ)アクリロイル基を有する)の(メタ)アクリレートの混合物であってもよい。本発明者らによれば、10官能基程度の(メタ)アクリレートを用いると硬化膜の難燃性が却って低下する傾向があることを確認している。
好ましい多官能アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレートから選択される1種又は2種以上が挙げられる。
本多官能(メタ)アクリレートにおけるホスフィンオキシド化合物の付加量は特に限定するものではないが、例えば、本多官能(メタ)アクリレートが有する(メタ)アクリロイル基1当量に対して、0.1当量以上0.7当量以下の範囲とすることができる。好ましくは0.2当量以上0.5当量以下である。0.1当量未満では十分な難燃性が得られず、0.7当量を超えると硬化膜の密着性や耐汚染性が低下する。
例えば、多官能(メタ)アクリレートとして6個の(メタ)アクリロイル基有する多官能(メタ)アクリレートを用いて、当該(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基1当量に対して0.2当量となるようにホスフィンオキシド化合物量を調整して合成したとき、得られる本多官能(メタ)アクリレートは、概して、1個以下程度のホスフィンオキシド化合物を有する一方、概して5個以下程度の(メタ)アクリロイル基を備えることができる。換言すれば、こうして得られる本多官能(メタ)アクリレートは、全体として平均すると1分子あたり1個程度のホスフィンオキシド化合物を有するとともに、同5個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの混合物となる。
また、例えば、5個以上8個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートに対して、ホスフィンオキシド化合物の付加量を(メタ)アクリロイル基1当量あたり0.1〜0.7当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させることができる。このとき得られる本多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり0.5個以上6個以下程度のホスフィンオキシド化合物を有し、平均して1分子あたり1個以上又は2個以上7個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。同様に、0.2〜0.5当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させたときには、平均して1分子あたり1個以上4個以下程度のホスフィンオキシド化合物を有し、平均して1分子あたり2個又は3個以上6個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。
また、5個以上7個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートに対して、ホスフィンオキシド化合物の付加量を(メタ)アクリロイル基1当量あたり0.1〜0.7当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させることができる。このとき得られる本多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり0.5個以上6個以下程度のホスフィンオキシド化合物と、平均して1分子あたり1個又は2個以上6個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。同様に、0.2〜0.5当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させたときには、本多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり1個以上4個以下程度のホスフィンオキシド化合物と、平均して1分子あたり2個又は3個以上6個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。
また、5個以上6個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートに対して、ホスフィンオキシド化合物の付加量を(メタ)アクリロイル基1当量あたり0.1〜0.7当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させることができる。このとき得られる本多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり0.5個以上4個以下程度のホスフィンオキシド化合物と、平均して1分子あたり1個又は2個以上5個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。同様に、0.2〜0.5当量となるようにホスフィンオキシド化合物を反応させたときには、本多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり1個以上3個以下程度のホスフィンオキシド化合物と、平均して1分子あたり2個又は3個以上5個以下程度の(メタ)アクリロイル基を有することができる。
なお、本多官能(メタ)アクリレートにおけるホスフィンオキシド化合物の付加量又は(メタ)アクリロイル基の個数(平均値を含む)は、本多官能(メタ)アクリレートの合成時における両者の量に基づいて算出することができる。また、本多官能(メタ)アクリレートを、1H−NMRによって分析して、ホスフィンオキシド化合物を同定するほか、分子量測定やJISK0070−1992(化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法)規定の方法で、よう素価を測定することにより、決定することができる。
本多官能(メタ)アクリレートは、例えば、その全質量に対して1質量%以上8質量%以下のリンを含有することができる。好ましくは2質量%以上6質量%以下である。1質量%未満では十分な難燃性が発現せず、8質量%を超えると他の樹脂成分の相溶性が低下したり、粘度が高すぎて取り扱い作業性が低下することがある。
ホスフィンオキシド化合物を備える本多官能(メタ)アクリレートは、上記したホスフィンオキシド化合物と多官能(メタ)アクリレートとを、公知のマイケル付加反応によって付加させることで取得することができる。これにより、多官能(メタ)アクリレートの二重結合の炭素原子にホスフィンオキシド化合物のリン原子が結合してリン−炭素一重結合が形成されるとともに、ホスフィンオキシド化合物の水素原子が脱離した構造(ホスフィンオキシド化合物に由来する構造)を備える多官能(メタ)アクリレートを取得できる。
反応の方法としては一般的な方法を用いることができ、反応容器内で両者を攪拌混合しながら加熱すればよく、触媒は特に必要としない。反応は乾燥空気を吹き込みながら行い、温度は50℃〜180℃、好ましくは100℃〜140℃、反応時間は0.5時間〜50時間である。温度が低すぎると反応の進行が遅く時間を浪費し、温度が高すぎると(メタ)アクリロイル基の重合反応が進行してゲル物が生成してしまう。反応時にメチルイソブチルケトン等、原料の溶解性や反応温度に応じて反応に不活性な溶剤を適宜選択して用いることができる。なお、反応の追跡及び終了は、GPC等によってホスフィンオキシド化合物のピークの有無で判断することができる。
本コーティング組成物に含まれる本多官能(メタ)アクリレートは、所望の難燃性及び硬化膜としての硬度とすることができる量であれば良く、例えば、本コーティング組成物の固形分量100質量部に対して、50質量部以上95質量部以下の範囲内で含有することが好ましい。また、例えば、60質量部以上95質量部以下であることが好ましく、また例えば、70質量部以上95質量部以下であることが好ましく、また例えば、80質量部以上90質量部以下であることが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの含有量がこうした範囲であると、十分に硬化が進行するとともに、良好な難燃性とともに、耐汚染性などの他の硬化膜特性を得ることができる。
また、例えば、同様の観点から、本多官能(メタ)アクリレートは、特に限定するものではないが、本コーティング組成物の本多官能(メタ)アクリレート及びリン酸含有(メタ)アクリレートを含むモノマーの総質量100質量部に対して70質量部以上99質量部以下とすることができる。また例えば、80質量部以上99質量部以下とすることができ、さらに例えば、90質量部以上99質量部以下とすることができる。樹脂固形分量に対してこうした範囲で本多官能(メタ)アクリレートを含有することで、硬化膜に対して必要な難燃性とともに他の硬化膜特性を付与することができる。
(リン酸含有(メタ)アクリレート)
リン酸含有(メタ)アクリレートとしては、分子中に、少なくとも1つのリン酸基を含有するとともに、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであれば、特に限定することなく用いることができる。なお、リン酸含有(メタ)アクリレートは、リン酸の3つの水素原子の全て又は一部が各種(メタ)アクリレートで置換されたリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルの形態をとることができる。
こうしたリン酸含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、リン酸(メタ)アクリレートのほか、2−(メタ)アクリルロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシプブチルアシッドホスフェートなどのアルキル変性リン酸(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ブチロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、バレロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、プロピオラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレートなどのラクトン環変性リン酸(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートにあっては、各種ラクトンが1〜10個程度付加重合した構造を有することができる。また、これらのリン酸含有モノマーにおいては、各種のラクトン又はその付加物は、(メタ)アクリレートのカルボキシル基の酸素原子又は(メタ)アクリレートにエステル結合したヒドロキシエチル基などの低級ヒドロキシアルキル基の酸素原子に対して結合することができる。
カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレートとしては、例えば、以下に示す式で表される2−ヒドロキシエチルメタクリレート−ε−カプロラクトン付加物−リン酸エステルなどが挙げられる。以下の式中、nは、1以上の整数であり、例えば、10以下であり、好ましくは2以上は5以下程度である。
Figure 2018070844
また、リン酸含有(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ブチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレートなどのアルキレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートにあっては、各種オキサイドが1〜10個程度付加重合した構造を有することができる。また、これらのリン酸含有(メタ)アクリレートにおいては、各種のオキサイド又はその付加物は、(メタ)アクリレートのカルボキシル基の酸素原子又は(メタ)アクリレートにエステル結合した低級ヒドロキシアルキル基の酸素原子に対して結合することができる。
アルキレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレートとしては、例えば、以下に示す式で表されるメタクリレートプロピレンオキサイド付加物−リン酸エステルなどが挙げられる。以下の式中、nは、1以上の整数であり、例えば、10以下であり、好ましくは2以上5以下程度である。
Figure 2018070844
本コーティング組成物に含まれるリン酸含有(メタ)アクリレートの量は、硬化膜に対して所望の難燃性とともに被コーティング面に対する密着性や耐汚染性等を付与することができるものあれば良く、特に限定するものではない。例えば、リン酸含有(メタ)アクリレートは、本コーティング組成物の固形分量100質量部に対して0.5質量以上5質量以下含有することができる。また、例えば、1質量部以上3質量部以下とすることができき、リン多官能(メタ)アクリレートの含有量がこうした範囲であると、十分に硬化が進行するとともに、他成分であるコロイダルシリカとともに密着性を発揮させることができる。
また、同様の観点から、リン酸含有(メタ)アクリレートは、本コーティング組成物の本多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対しても、特に限定するものではないが、1質量部以上5質量部以下程度とすることができる。また例えば、1.5質量部以上3質量部以下とすることができる。さらに例えば、2質量部以上3質量部以下とすることができる。
(その他の(メタ)アクリレート)
本コーティング組成物は、本多官能(メタ)アクリレート及びリン酸含有(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレートを含むことができる。かかる(メタ)アクリレートは、被コーティング面の種類、硬化膜の種類、求められるコーティング膜の特性等に基づいて当業者であれば適宜選択できる。本多官能(メタ)アクリレート、リン酸含有(メタ)アクリレート及びその他の(メタ)アクリレートは、本コーティング組成物におけるモノマー組成物を構成することができる。
その他の(メタ)アクリレートとしては、特に限定するものではなく、公知の(メタ)アクリレートから適宜選択される。例えば、被コーティング面との密着性の観点からは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、硬化膜の特性のコントロールの観点からは、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート等を挙げることができる。また、その他のビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
本コーティング組成物におけるその他の(メタ)アクリレートの含有量は特に限定するものではなく、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、その他の(メタ)アクリレートは、本コーティング組成物の固形分量100質量部に対して0.5質量以上10質量以下含有することができる。また、例えば、1質量以上8質量以下とすることができ、さらに、例えば、1質量以上5質量以下とすることができる。
同様の観点から、その他の(メタ)アクリレートの含有量は本コーティング組成物の本多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して0.5質量上10質量下含有することができる。また、例えば、1質量以上8質量以下とすることができ、さらに、例えば、1質量以上5質量以下とすることができる。
(コロイダルシリカ)
コロイダルシリカとしては、特に限定することなく、有機溶媒等を分散媒として用いてシリカ粒子を分散させた分散液を用いることができる。シリカ粒子の粒子径は特に限定しないが、被コーティング面への密着性の確保及び硬化膜の透明性等の観点から、例えば、5〜100nm程度とすることができ、また、例えば、10nm〜20nm程度とすることができる。また、シリカ粒子には、必要に応じて分散安定性を向上させるなどの観点から、加水分解性シラン化合物で修飾されていてもよい。すなわち、シリカ粒子の表面のシラノール基に対してシラン化合物の加水分解性基が縮合されていてもよい。かかる、シラン化合物は、特に限定するものではないが、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
分散媒の種類も特に限定するものではないが、本多官能(メタ)アクリレートやリン酸含有(メタ)アクリレートの溶解性等を考慮すると、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等の疎水性溶媒を用いることができる。なお、水のほか、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の親水性溶媒を含有していてもよい。また、分散液におけるシリカの固形分量も特に限定するものではないが、10〜40質量%程度の範囲で適宜選択することができる。
当業者は、適切なコロイダルシリカを、適宜商業的に入手できるほか、必要に応じて調製することができる。また、コロイダルシリカとしては、種々のコロイダルシリカを、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本コーティング組成物中におけるコロイダルシリカ(固形分)の含有量は、被コーティング面への硬化膜の密着性等の観点から適宜選択され特に限定するものではない。例えば、コロイダルシリカの固形分量は、本コーティング組成物の固形分量100質量部に対して5質量部以上50質量部以下含有することができる。また、例えば、5質量部以上40質量部以下とすることができ、さらに、例えば、5質量部以上30質量部以下とすることができる。コロイダルシリカの含有量がこうした範囲であると、十分に硬化が進行するとともに、被コーティング面に対する密着性を十分に発揮させることができる。
また、上記と同様の観点から、コロイダルシリカは、本コーティング組成物の本多官能(メタ)アクリレート100質量部に対しても、特に限定するものではないが、5質量部以上50質量部以下程度とすることができる。また例えば、5質量部以上40質量部以下とすることができる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、アクリル系のコーティング組成物に用いられる光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチルエステル等のアルキルフェノン類;1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアミノアルキルフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキシド類等を用いることができる。
光重合開始剤の本コーティング組成物における含有量は、特に限定するものではないが、例えば、本コーティング組成物の固形分量100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、また例えば、1質量部以上8質量部以下であることが好ましくは、また例えば、1質量部以上5質量部以下であり、さらに例えば、1質量部以上3質量部以下であることが好ましい。光重合開始剤の量が少なすぎると硬化性が悪化するおそれがあり、多すぎると硬化物表面の硬度が低下する場合がある。
同様の観点から、光重合開始剤を、本コーティング組成物の本多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、また例えば、1質量部以上8質量部以下であることが好ましくは、また例えば、1質量部以上5質量部以下であり、さらに例えば、1質量部以上3質量部以下であることが好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、本コーティング組成物に含まれる多官能(メタ)アクリレート、リン酸含有(メタ)アクリレート、コロイダルシリカ及び光重合開始剤を均一に溶解する又は分散するものであれば特に限定されるものではない。溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、シクロペンタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類;水などを挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種又は2種以上の混合物を使用することができる。例えば、ケトン類からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本コーティング組成物における溶剤の添加量は、特に限定するものではなく、例えば、スプレーコート、ロールコート、グラビアコート、ディップコートなどの本コーティング組成物の被コーティング面への適用方法に応じた固形分濃度となるように適宜設定される。例えば、本コーティング組成物の固形分濃度を、10質量%以上80質量%以下程度とすることができる量を用いることが好ましい。また例えば、30質量%以上70質量%以下とする量を用いることが好ましく、また、例えば、40質量%以上70質量%以下とする量を用いることが好ましい。こうした範囲であると、例えば、エアスプレー法を用いるときなどにおいて良好な硬化膜を得ることができる。
(その他)
本コーティング組成物は、本多官能(メタ)アクリレートによってその硬化に難燃性を付与することができるが、必要に応じて適宜公知の難燃剤を含むこともできる。こうした難燃剤としては特に限定するものではないが、例えば、リン酸アンモニウム、プロポキシフォスファゼン、アミドフォスファゼン、フェノキシフォスファゼン等のホスファゼン化合物、メラミンシアヌレートなどのシアヌレート化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等が挙げられる。
本コーティング組成物は、必要に応じて、顔料、染料、金属酸化物微粒子、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、熱線反射・吸収性付与剤、可撓性付与剤、帯電防止剤、防汚性付与剤、撥水性付与剤等を本コーティング組成物の効果に悪影響を与えない範囲内で添加することができる。
本コーティング組成物は、こうした各成分を混合し、撹拌することにより製造することができる。撹拌には、塗料等に用いられる一般的な撹拌装置を適宜選択することができる。
本コーティング組成物に、適切にエネルギー線を照射することにより、本コーティング組成物中の、少なくとも本多官能(メタ)アクリレートとリン酸含有(メタ)アクリレートとを含むモノマー組成物を重合させて硬化膜を得ることができる。かかる硬化膜は、本多官能(メタ)アクリレート同士並びに本多官能(メタ)アクリレートとリン酸含有(メタ)アクリレートとが重合した共重合体を含むことができ、本多官能(メタ)アクリレートが3官能以上であると、架橋構造を有する共重合体を含むことができる。この硬化膜によれば、難燃性を発揮するホスフィンオキシドに由来する構造を備えるとともに、リン酸含有(メタ)アクリレート及びコロイダルシリカによって被コーティング面への密着性が確保され、さらに、耐汚染性、透明性にも優れる硬化膜を提供することができる。
(コーティング膜を備える物品:コーティング物品)
本明細書に開示される、コーティング膜を備える物品(以下、単に、本コーティング物品ともいう。)は、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートとリン酸含有(メタ)アクリレートとの重合体と、コロイダルシリカと、を含有する、コーティング膜(硬化膜)を備えることができる。本コーティング組成物を以下に示すようにして硬化して得られる硬化膜は、難燃性に優れるとともに、他の硬化膜特性も両立することができる。
コーティング膜は、各種基材の少なくとも一方の面に本コーティング組成物を供給することによって製造することができる。ここで、基材としては、特に限定するものではないが、金属、セラミックス、ガラスなどの無機材料、プラスチック、木材系などのリグノセルロース系材料などの有機材料及びこれらの複合材料や積層体などが挙げられる。
本コーティング組成物は、金属などの無機材料のコーティング面にも良好な密着性を示すことから、無機材料又は無機材料と有機材料との複合材料を被コーティング面として備える基材に適用することが好ましい。なかでも、金属材料を含む又は金属材料からなるコーティング面を備える基材に適用することが好ましい。なお金属材料を含むコーティング面を備える基材としては、当該表面を有していればよく、当該表面以外の基材部分、典型的には表面より内部側の主材は、金属材料を含んでいなくてもよい。金属材料含有被コーティング面を含む層としては、特に限定するものではないが、例えば、金属板、金属蒸着膜、スパッタリング膜、金属溶射膜、金属ペーストの印刷による金属膜糖等が挙げられる。なお、基材における被コーティング面は、少なくとも部分的に必要に応じて粗面化等の物理的又はその他の化学的処理が行われたものであってもよい。
本コーティング組成物は、こうした基材の各種表面に、塗料等に一般的に用いられる、スプレー塗工、ディップコート塗工、スピンコート塗工、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの方法によって供給することができる。
本コーティング組成物を基材に供給後、好ましくはエネルギー線照射によって硬化を実施する。エネルギー線は、電子線、放射線、紫外線、赤外線、マイクロ波等からなる群から選ばれる1種以上を用いることができ、特に紫外線を用いることが好ましい。エネルギー線照射時には窒素雰囲気で実施することによって硬化障害を抑制したり、空気下で実施することで硬化制御を行ってもよい。雰囲気の酸素濃度の好ましい範囲は100ppm〜50体積%、更に好ましくは0.1〜21体積%である。
エネルギー線硬化に先立ち、基材を加熱してもよい。加熱は組成物中の溶剤の揮散を助け又は留去させて、硬化後に密着性に優れた強靭な膜を得ることに寄与する場合がある。加熱温度は、特に限定するものではないが、例えば、60℃以上90℃以下とすることができ、また例えば、70℃以上90℃以下等とすることができる。加熱時間は、3分以上10分以下であることが好ましい。
本コーティング組成物の硬化のための硬化温度、硬化エネルギー線量は限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下でエネルギー線を照射するのが好ましい。好ましくは40〜150℃、より好ましくは60〜120℃、更に好ましくは70〜90℃で溶剤成分を揮発させた後に、例えば、100〜3,000mJ/cm2、また例えば、200〜2,000mJ/cm2、また例えば、400〜1,500mJ/cm2、また例えば、500〜1,000mJ/cm2のエネルギー線を照射することにより実施することができる。温度とエネルギー線量は独立に設定できるが、上記の好ましい条件を組み合わせたものがより好ましい。具体的には80℃、800mJ/cm2で実施することが好ましい。
硬化膜の厚みは、特に制限はなく、使用用途により適宜選択すればよいが、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、十分な難燃性や、他の硬化膜の特性を確保するために、5μm以上10μm以下が好ましい。膜厚は、塗工方法上の工夫によって適宜調整することができる。
本明細書によれば、本コーティング物品の製造方法も提供される。すなわち、この製造方法は、本コーティング組成物を基材表面に供給する工程と、前記基材表面上の本コーティング組成物中の溶剤を必要に応じて乾燥した後本コーティング組成物を硬化させる工程と、を備えることができる。
(硬化膜の難燃性)
本コーティング組成物を硬化して得られる硬化膜は、良好な難燃性を備えることができる。実施例に示す難燃性の評価方法に基づいて硬化膜の難燃性の評価結果を利用することで難燃性を規定できる。例えば、本コーティング組成物を用いて200mm×50mmのポリプロピレン板上に硬化膜(厚み10μm)を作製し、一晩室温下で静置した後、得られた硬化膜を剥離してフィルムとし、このフィルムにつき、実施例に示す難燃性の評価方法と同様に各5回ずつ評価して、各サンプルのt1+t2が10秒以下であり、t1+t2の5回総和が50秒以下であり、t2+t3が30秒以下であり、標線への到達がなく、脱脂綿の着火がない、であることが好ましい。
(硬化膜の透明性)
本コーティング組成物を硬化して得られる硬化膜は、良好な透明性を有することができる。実施例に示す透明性の評価方法に基づいて硬化膜のヘイズ(曇価、Haze)の評価結果を利用したヘイズ値を規定することができる。ヘイズは一般に膜厚が大きいほど大きくなる。硬化膜(膜厚10μm)のヘイズが2.0%以下、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下を満たすものが好ましい。塗膜のヘイズは、濁度計(ヘイズメーター)NDH4000(日本電色工業(株)製)で測定した値とすることができる。
(硬化膜の密着性)
本コーティング組成物を硬化して得られる硬化膜は、良好な密着性、特に金属などの無機材料を含む被コーティング面に対する密着性を有することができる。実施例における一次密着性及び温水試験の評価結果の双方又はいずれかを用いて難燃性を規定することができる。すなわち、硬化膜(厚み10μm)の一次密着性が、8点以上又は10点であることが好ましい。また、その硬化膜の温水試験による密着性が8点以上又は10点であることが好ましい。
(硬化膜の耐汚染性)
本コーティング組成物を硬化して得られる硬化膜は、良好な耐汚染性を有することができる。実施例における日焼け止め剤耐性を用いて耐汚染性を規定することができる。すなわち、硬化膜(厚み10μm)において、日焼け止め剤の痕跡が全くないことが好ましい。
以下、本コーティング組成物及びその製造方法を具現化した実施例を挙げて説明するが、本コーティング及びその製造方法はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は、それぞれ質量部及び質量%を表すものとする。
[ホスフィンオキシド化合物が付加された多官能(メタ)アクリレートの製造]
ホスフィンオキシド化合物である9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA、三光株式会社製)21.4部、多官能(メタ)アクリレートであるジペンタエリストールペンタアクリレートとジペンタエリストールヘキサアクリレートとの混合物(日本化薬株式会社、KAYARAD DPHA)44.5部、p−メトキシフェノール0.1部及びメチルイソブチルケトン(MIBK)34.0部を良く混合した得た混合物を、120℃に8時間維持することで、HCAを付加させた多官能(メタ)アクリレート(HCA付加多官能(メタ)アクリレート、以下、化合物Aとも称する。)を含むMIBK溶液(固形分66%)を得た。反応追跡はGPC(HLC−8329GPC、東ソー株式会社)にて行い、RIにてHCA由来のピークが消失した時間を反応終点とした。
[エネルギー線硬化型コーティング組成物の製造]
(実施例1)
HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)を含むMIBK溶液(固形分66%)61.3部、リン酸含有モノマー:カプロラクトン変性リン酸モノマー0.9部、コロイダルシリカ:コロイダルシリカ分散コロイド溶液37.2部(固形分40%)、及び光重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.6部、を混合し、800rpmにて30分間撹拌し、エネルギー線硬化型コーティング組成物を得た。
(実施例2〜実施例4)
HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)、リン酸含有モノマー、コロイダルシリカ及び光重合開始剤を表1に示す組成とする以外は、実施例1に準じて、エネルギー線硬化型コーティング組成物を得た。
(比較例1〜6)
HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)に替えて付加物のない多官能(メタ)アクリレート(日本化薬株式会社、KAYARAD DPHA)を用いるほか、表1に組成とする以外は、実施例1に準じてエネルギー線硬化型コーティングを得た。
(比較例7〜10)
HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)を用いるほか、表1に示す組成とする以外は、実施例1に準じて、エネルギー線硬化型コーティング組成物を得た。
これらのコーティング組成物の製造に用いた化合物の詳細は以下のとおりである。
(1)多官能(メタ)アクリレート
・ジペンタエリストールペンタアクリレートとジペンタエリストールヘキサアクリレートとの混合物、日本化薬株式会社 KAYARAD DPHA
(2−1)リン酸含有モノマー
・カプロラクトン変性リン酸モノマー、東邦化学株式会社 PM−2CL
・2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、共栄社化学株式会社 ライトエステルP−2M
(2−2)その他のモノマー
・メタクリル酸
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学株式会社 KBM−503
(3)コロイダルシリカ
・オルガノシリカゾル、日産化学株式会社 MEK−ST−40(固形分40%)
(4)光重合開始剤
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF製、Irgacure 184
・1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、BASF製、Irgacure OXE01
(5)難燃剤
・9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA)、三光株式会社
・ホスファゼン化合物、大塚化学株式会社 SPB−100
・メラミンシアヌレート、 堺化学株式会社 MC−2010N
・水酸化マグネシウム、神島化学株式会社 マグシーズS−6
(6)重合禁止剤
・p−メトキシフェノール
(7)溶剤
・メチルイソブチルケトン(MIBK)
Figure 2018070844
Figure 2018070844
Figure 2018070844
(硬化膜の作製)
実施例1〜5及び比較例1〜10の各コーティング組成物をエアスプレーにて以下に示す各種評価項目に応じた以下の基材上に塗装した。塗布後80℃で5分間加熱し溶剤を留去させ、UVコンベア装置(アイグラフィックス社製 ECS−4011GX、岩崎電気製高圧水銀ランプ EYE UV LAMP H04−L41)にて紫外線を照射(積算光量800mJ/cm)し、硬化膜(膜厚10μm)を得た。なお、評価に用いた基材に形成した硬化膜の膜厚は、評価に用いた各基材とブリキ基材とを並べて配置して、これらの基材に対して均一にエアスプレー塗装し、上記方法で硬化後、電気誘導式の膜厚計(株式会社ケット科学研究所製 LZ−300J、Feプローブ使用)にて、ブリキ基材上に作製した塗膜の膜厚を測定し、これを同時に硬化膜を作成した以下の各基材の膜厚とした。
ステンレス鋼板:SUS316、TP技研株式会社
ポリカーボネイト板(透明):TP技研株式会社
ポリプロピレン板:TP技研株式会社
(硬化膜の評価方法)
各硬化膜について、塗工性、一次密着性、透明性、温水試験、難燃性及び日焼け止め剤耐性(耐汚染性)について以下のとおり評価を行った。結果を表1に併せて示す。
(1)塗工性
得られたコーティング組成物中に析出物に由来する粗粒が存在するか、目視にて評価した。評価は、以下の基準に基づいて行った。
観察結果 評 価
粗粒なし ○
粗粒あり ×
(2)透明性
ポリカーボネイト板(透明)上に形成した硬化膜をHAZE METER NDH4000(日本電色工業株式会社)にて全光線透過率とヘイズ値とを測定した。
(3)一次密着性
ステンレス鋼板SUS316上に形成した硬化膜をカッターナイフで1mm×1mmの升目を100個作り、その上からセロハンテープで塗膜を引き剥がした時の基板上に残った升目の個数を調べ、密着性を評価した。評価結果はJIS K5400−8.5に従って、以下のように0〜10点で記載した。
Figure 2018070844
(4)温水試験
ステンレス鋼板SUS316上に形成した硬化膜を85℃の温水中に浸漬し30分間維持した。その後硬化膜を取り出し、2時間後、一次密着の評価方法と同様に密着性を評価した。評価結果はJIS K5400−8.5に従って、一次密着性と同様の基準で記載した。
(5)難燃性
200mm×50mmのポリプロピレン板上に硬化膜を作成し、一晩室温下で静置した。得られた硬化膜を剥離してフィルムとした。フィルムの長辺が地面に対して垂直となるように、フィルムをクランプで固定し、下端から125mmの位置に標線を引いた。フィルムの下端から300mm下方に脱脂綿を置いた。着火したライターをフィルム下端中央部に3秒間接炎し、離炎後の燃焼時間(t1)を測定した。消炎したらすぐに再度3秒間接炎し、離炎後の燃焼時間(t2)と火種時間(t3)を測定した。また、上記試験によって標線より上まで燃焼到達の有無や脱脂綿を着火させるような燃焼落下物の有無も観察した。以上の試験は各サンプルに対して5点ずつ行った。試験の結果を以下のように分類した。難燃性の高さは ◎>○>△>× の順となる。
Figure 2018070844
(6)日焼け止め剤耐性(耐汚染性)試験
ステンレス鋼板SUS316上に形成した硬化膜にジョンソンエンドジョンソン社製日焼け止め剤のNeutrogena Ultra shear DRY-TOUCH SUNBLOCK SPF45を2gで直径2cmの円になるように塗り広げ、湿度90%以上の環境下65℃にて90時間静置した。次いで、硬化膜から日焼け止め剤を水洗除去、風乾し、目視にて痕跡の有無を確認した。評価結果は以下の基準で記載した。
観察結果 評 価
痕跡全くなし ○
痕跡あり ×
(実施例1〜4)
表1に示すように、HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)、リン酸含有モノマー及びコロイダルシリカを含有する実施例1〜4のコーティング組成物は、塗工性、透明性、密着性(一次密着性及び温水試験における密着性)、難燃性及び耐汚染性を備えていた。
(比較例1、2)
これに対して、比較例1及び2のコーティング組成物は、HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)も難燃剤も含有しないため、難燃性を有していない。しかしながら、比較例1の組成物は、リン酸含有モノマーもコロイダルシリカも含有しないが、比較例2の組成物は、これらを含有するために、密着性と汚染耐性が良好であった。すなわち、これらの結果から、リン酸含有モノマー及びコロイダルシリカが密着性及び耐汚染性に有効であることがわかった。
(比較例3〜6)
これらの比較例のコーティング組成物は、HCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)は含有しないが、リン酸含有モノマーとコロイダルシリカを含有するとともに、公知の難燃剤(HCA、ホスファゼン化合物、メラミンシアヌレート及び水酸化マグネシウム)を含有している。比較例3〜5の組成物において、HCAを直接添加しても塗工性を満たさず(比較例3)、ホスファゼン化合物及びメラミンシアヌレートは、それ自体難燃剤であるにもかかわらず難燃性を付与することが困難であって、また、硬化膜の耐汚染性を阻害してしまい(比較例4、5)、特に、メラミンシアヌレートは、透明性(ヘイズ)も低下させてしまっていた(比較例5)。さらに、比較例6の組成物においては、水酸化マグネシウムも他の難燃剤と同様難燃性を発揮できないとともに耐汚染性も阻害するほか、硬化膜の透明性も損い、さらに、硬化膜の密着性も阻害してしまっていた(比較例6)。
これらの結果から、従来の難燃剤は、リン酸含有モノマーやコロイダルシリカの存在下では、逆に難燃性を発揮しえないこと、及び樹脂成分本来の耐汚染性も阻害するほか、粒子状難燃剤は、さらに、リン酸含有モノマーやコロイダルシリカによる硬化膜に対する密着性も阻害してしまうことがわかった。
(比較例7〜10)
これらの比較例のコーティング組成物は、いずれもHCA付加多官能(メタ)アクリレート(化合物A)を含むが、リン酸含有モノマーかコロイダルシリカのいずれかを含有していない。コロイダルシリカを含有しない比較例7の組成物では密着性が低下し、リン酸含有モノマーを含有しない比較例8の組成物では、一層密着性が低下し、耐汚染性も損なわれた。コロイダルシリカは含有するが、単なるアクリレートモノマーを含有する比較例9及び10の塗膜は、比較例8と同様に、一層密着性が低下し、耐汚染性も損なわれた。
これらの結果から、コロイダルシリカ及びリン酸含有モノマーはいずれも密着性に寄与していること、及びリン酸含有モノマーは耐汚染性にも寄与していることがわかった。

Claims (7)

  1. エネルギー線硬化型コーティング組成物であって、
    ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートと、
    リン酸含有(メタ)アクリレートと、
    コロイダルシリカと、
    を含有する、組成物。
  2. 前記ホスフィンオキシド化合物は、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートは、平均して1分子あたり3個以上6個以下の(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートを、組成物の全固形分量100質量部に対して50質量部以上95質量部以下含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記リン酸含有(メタ)アクリレートを、前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記コロイダルシリカを、前記ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートの固形分量100質量部に対して5質量部以上50質量部以下含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. コーティング膜を備える物品であって、
    前記コーティング膜は、ホスフィンオキシド化合物に由来する構造を有する多官能(メタ)アクリレートとリン酸含有(メタ)アクリレートとを含むモノマー組成物の重合体と、コロイダルシリカと、を含有する、物品。
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