JP6987582B2 - 吸放湿性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は低湿度環境下での吸放湿性能に優れる吸放湿性シート及びその製造方法に関する。
従来より、空気中の湿度の調整には多くの手段がとられてきた。例えば、湿度を低くするための手段としては、身近なものとして吸湿剤を使用する方法がある。ここで、吸湿剤としては、例えば、シリカゲル、合成ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、五酸化リン等が挙げられる。また、これらの吸湿剤をパルプや繊維と共に抄き込んだり、含浸させたりしたシート(膜)やフィルターにしたものも見受けられる(例えば、特許文献1、2等)。
特開2010−115643号公報 特開2012−16645号公報
本発明者等は、冬場に室内が過乾燥となった場合においても室内の調湿が可能なように低湿度域で吸放湿し得る吸放湿性シートを開発するため、低湿度下での吸湿性に優れるA型シリカゲルを用いて吸放湿性シートを得ることを検討した。具体的には、A型シリカゲル単独ではシート状に成形することが困難なため、A型シリカゲルと吸放湿性を有する繊維であるセルロース系繊維との混抄紙により吸放湿シートを得ることを試みた。しかしながら、A型シリカゲルは抄紙過程で変質し、低湿度下での性能が低いシートしか得られないことが分かった。また、より高い吸放湿性能を得るためにA型シリカゲルを多く配合すると、混抄紙から離脱するA型シリカゲル(所謂、「粉落ち」)の量が多くなり、シートの取扱性が悪化してしまうことが分かった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、A型シリカゲルが有する低湿度下での優れた吸湿性が安定化し、低湿度下での吸放湿特性に優れた吸放湿性シートおよびその製造方法を提供することにある。また、低湿度下での吸放湿特性に優れ、しかも、A型シリカゲルの粉落ちの問題もない、吸放湿性シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、A型シリカゲルをシート化した際のシートの吸放湿特性が、酸性条件下で混抄紙を作成することにより安定化することを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成し得たものであり、その特徴は以下の通りである。
[1] セルロース系繊維を少なくとも含む繊維およびA型シリカゲルを含有し、繊維とA型シリカゲルの合計量に対するA型シリカゲルの含有量が40重量%以上である吸放湿性シートであって、JIS P 8133−1:2013に準拠して測定されるシートのpHが6以下であることを特徴とする吸放湿性シート。
[2] 測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上である、上記[1]記載のシート。
[3] シートを40℃、90%RHの恒温恒湿器内に1ヶ月保管後に測定した測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上である、上記[1]又は[2]記載のシート。
[4] セルロース系繊維およびA型シリカゲルを含む混抄紙を含んでなる、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のシート。
[5] A型シリカゲルとセルロース系繊維の含有量比(A型シリカゲル:セルロース系繊維)が重量比で40:60〜60:40である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のシート。
[6] セルロース系繊維を少なくとも含む繊維およびA型シリカゲルを含有し、繊維とA型シリカゲルの合計量に対するA型シリカゲルの含有量が40重量%以上である吸放湿性シートを製造する方法であって、
紙料調製工程と、ウェットパートおよびドライヤーパートを含む抄紙工程とを有し、前記紙料調製工程において酸性アルミニウム塩を添加して、pHが4.0〜6.0のスラリーを調製することを特徴とする、吸放湿性シートの製造方法。
本発明によれば、低湿度下での吸放湿特性に優れた吸放湿性シートを得ることができる。従って、例えば、冬場の過乾燥になった室内空間等の特に低湿度環境下での調湿性能が要求される吸放湿性シートとして好適に使用することができる。
図1は実施例1のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図2は実施例2のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図3は実施例3のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図4は実施例4のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図5は実施例5のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図6は比較例1のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図7は比較例2のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。 図8は比較例3のシートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線を示す図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即してより具体的に説明する。なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「0.01〜5」は0.01以上5以下を表す。
本発明の吸放湿性シートは、セルロース系繊維を少なくとも含む繊維およびA型シリカゲルを含有する吸放湿性シートであり、JIS P 8133−1:2013に準拠して測定したシートのpHが6以下であることが主たる特徴である。すなわち、シート(紙層)内でA型シリカゲルが酸性下に置かれることから経時的なA型シリカゲルの変質が防止され、シートの低湿度環境下での吸放湿特性が安定化し、低湿度環境下でも優れた調湿性能が得られる。シートのpHは5以下であることがより好ましい。シートのpHが6を超えると、シート(紙層)内でA型シリカゲルが酸性下に置かれた状態でなくなるため、経時的にA型シリカゲルが変質し、シートの低湿度環境下での吸放湿特性が低下してしまう。なお、当該pHの下限は特に限定されないが、4以上が好ましい。
シート中のA型シリカゲルとセルロース系繊維の含有量比(A型シリカゲル:セルロース系繊維)は重量比で40:60〜60:40が好ましく、45:55〜55:45がより好ましい。
また、本発明の吸放湿性シートは、測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上を示し、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上を示す。特に、シートを40℃、90%RHの恒温恒湿器内に1ヶ月保管後に測定した、シートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上を示し、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上を示す。
シートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量は好ましくは60cm(STP)/g以上であり、より好ましくは70cm(STP)/g以上である。当該相対圧0.2における水蒸気吸着量の上限は特に制限はされないが、好ましくは110cm(STP)/g以下である。
また、シートの測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.5における水蒸気吸着量は好ましくは160cm(STP)/g以上であり、より好ましくは170cm(STP)/g以上である。当該相対圧0.5における水蒸気吸着量の上限は特に制限はされないが、好ましくは250cm(STP)/g以下である。
本発明でいう「水蒸気吸脱着等温線」とは、一定容積内の気体圧力の変化量から気体の状態方程式を用いて吸着量を求める定容量法によって測定される水蒸気吸脱着等温線のことであり、横軸は平衡圧力Pを飽和水蒸気圧Pで割った相対圧(P/P)を示し、0〜1の値を採る。縦軸は水蒸気吸着量「cm(STP)/g]を示す。この測定には、例えば、日本ベル(株)製の高精度ガス/蒸気吸着量測定装置「BELSORP−max」などを使用することができる。
後述の比較例から明らかなように、低湿度下での吸湿性に優れるA型シリカゲルを比較的多量に使用し、吸放湿性を有する繊維であるセルロース系繊維と組み合わせて混抄して紙層を形成すれば、得られるシートは製造直後は低湿度環境下において優れた吸放湿特性を示す。しかし、シートの低湿度環境下での優れた吸放湿特性は経時安定性を有せず、シートを保存(保管)すると低湿度環境下でのシートの吸放湿特性は大きく低下し、測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上であっても、相対圧0.5における水蒸気吸着量は150cm(STP)/g未満しか示さないものになってしまう。
本発明の吸放湿性シートは、前述のとおり、A型シリカゲルをシート化した際のシートの吸放湿特性が、酸性条件下で混抄紙を作製することにより安定化することを見出したことから為し得たものであり、具体的には、紙料調製工程と、ウェットパートおよびドライヤーパートを含む抄紙工程とを経て製造することができる。すなわち、紙料調製工程において、A型シリカゲル及びセルロース系繊維とともに紙料を酸性にするための薬剤として酸性アルミニウム塩を過剰量加えて酸性の紙料を調製することにより、A型シリカゲルが有する低湿度下での優れた吸湿性が抄紙後に生成する紙層内において安定化され、それによって、最終的に得られる混抄紙を含むシートは、低湿度下において優れた吸放湿性能を示し、しかも、その優れた低湿度下での吸放湿性能が経時においても持続するものとなる。
本発明で使用するA型シリカゲルは平均粒子径が2〜200μmであることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましい。また、BET(Brunauer,Emmett,Teller)比表面積が650〜800m/gであることが好ましい。また、平均細孔直径が20〜25Åであることが好ましい。
A型シリカゲルの平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、A型シリカゲルの粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。
A型シリカゲルの平均細孔直径は、窒素吸着測定により得られた窒素吸着等温線をBET法で解析することにより求められたBET比表面積と全細孔容積から、下記の式により求めることができる。
平均細孔直径=4×全細孔容積(cm3/g)÷BET比表面積(m2/g)
セルロース系繊維としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、木綿、麻、ケナフ、イネ、ワラ、レーヨン、キュプラ、カルボキシメチルセルロース繊維、ジエチルアミノエチルセルロース繊維などが挙げられる。好ましいセルロース系繊維は、使用形態、価格および取り扱い易さの点から木材パルプ、レーヨン、木綿である。
本発明の吸放湿性シートには、繊維として、セルロース系繊維以外の他の繊維も使用することができる。例えば、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維といった熱融着性のある化学繊維を加えることで、最終的に得られるシートの強度を高める効果が得られる。特に、ポリエステル繊維が好適である。セルロース系繊維以外の他の繊維を使用する場合、他の繊維の配合量はセルロース系繊維に対して5〜20重量%程度(すなわち、セルロース系繊維100重量部に対して5〜20重量部程度)が好適である。5重量%未満では他の繊維を配合することの効果が得られにくく、20重量%を越えると、シートの製造工程における湿潤紙力の低下の傾向となる。
本発明の吸放湿性シートにおいて、A型シリカゲルの含有量は、セルロース系繊維を含む繊維とA型シリカゲルの合計量に対して40重量%以上であり、好ましくは45重量%以上である。また、好ましくは60重量%以下であり、より好ましくは55重量%以下である。
本発明の吸放湿性シートの厚さは、特に限定はされないがシートを加工する際の加工のしやすさの観点から、0.1〜1.5mmが好ましく、0.2〜1.0mmがより好ましい。
本発明の吸放湿性シートの坪量も、特に限定はされないが、シートの強度の観点から、60g/m以上が好ましく、100g/m以上がより好ましい。また、坪量が高くなりすぎると、シート内部に存在するA型シリカゲルの吸放湿性能を十分に発揮することができない傾向となることから、700g/m以下が好ましく、600g/m以下がより好ましい。
本発明の吸放湿性シートの製造方法は特に限定はされないが、以下の方法で製造するのが、得られるシートの低湿度下での吸放湿性能の経時安定性およびシートの取扱性(A型シリカゲルの粉落ち防止等)の点から好ましい。
すなわち、本発明の吸放湿性シート製造方法は、特に、紙料調製工程と、ウェットパートおよびドライヤーパートを含む抄紙工程とを経ることによって紙層を形成することを含む方法が好適であり、紙料調製工程では、スラリーに酸性アルミニウム塩を添加して、pHが4.0〜6.0のスラリーを調製する。即ち、水、セルロース系繊維及びA型シリカゲルとともに酸性アルミニウム塩を添加してpHが4.0〜6.0のスラリー(紙料)を調製する。スラリーのpHが4.0未満では製造設備の腐食が生じる恐れがある。この紙料調製工程において、A型シリカゲルとセルロース系繊維の混合比(A型シリカゲル:セルロース系繊維)は重量比で40:60〜60:40が好ましく、45:55〜55:45がより好ましい。また、セルロース系繊維およびA型シリカゲルの合計量は水に対して1.0〜3.0重量%程度が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5重量%程度(すなわち、水100重量部に対して1.0〜3.0重量部程度が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5重量部程度)である。硫酸アルミニウムの配合量はスラリーのpHを4.0〜6.0とするための必要量であり、セルロース系繊維およびA型シリカゲルの合計量に対して0.1〜6.0重量%程度が好ましく、より好ましくは0.4〜4.0重量%程度である。
本発明における「酸性アルミニウム塩」とは、水に溶解したとき液性が酸性を示すアルミニウム塩を意味し、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機酸塩や、酢酸アルミニウム等の有機酸塩を挙げることができる。酸性アルミニウム塩は1種または2種以上を使用することができる。本発明の目的からは、無機酸塩が好ましい。
なお、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸や有機酸を添加してpHが4.0〜6.0のスラリーを調製できるが、後述の比較例に示されるように、そのようなスラリーを使用して得られるシートのpHが6を超え、吸放湿特性の安定したシートを得ることができない。
セルロース系繊維以外の他の繊維を含むシートを製造する場合、セルロース系繊維とともに他の繊維を配合してスラリー(紙料)を調製する。また、スラリー(紙料)には、必要に応じて、ポリアクリル酸エステルやポリアクリルアミドなどの高分子凝集剤を配合することができる。
抄紙工程におけるウェットパートは、紙料調製工程で調製されたスラリーをワイヤーの上に流しかけて紙層を形成し、必要に応じて紙層を2本のロールの間に通して加圧し脱水を行う工程である。ワイヤーの形式には、長網、円網などがあり、これらを組み合わせた多層の紙層としても良く、特に限定はされないが、坪量が高い紙を製造するという観点から、円網が好ましい。
ドライヤーパートは、通常、ウェットパートで得られた紙層をヤンキードライヤー、シリンダードライヤー、エアドライヤーなどを用いて水分を蒸発させて乾燥させる工程である。ドライヤーの種類については、特に限定はされないが、坪量の高い紙を乾燥させるという観点から、シリンダードライヤーが好ましい。
図1〜5は後述の実施例1〜5の吸放湿性シートの25℃における水蒸気吸脱着等温線を示し、図6〜図8は後述の比較例1〜3の吸放湿性シートの25℃における水蒸気吸脱着等温線を示す。各図はシートの製造直後、シートの製造後通常保管1ヶ月後、シートの製造後通常保管2ヶ月後、及びシートの製造後加速保管1ヶ月後に測定された水蒸気吸脱着等温線を含む。「通常保管」とはシートをポリエチレン製の袋で密封して常温常湿下で保管したこと、「加速保管」とは40℃、90%RHの恒温恒湿器内でシートを保管したことを意味する。
図6〜8に示されるように、比較例1〜3の吸放湿性シートは、低湿度下での吸湿性に優れるA型シリカゲルを使用しており、いずれも、製造直後は、測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線において、相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上を示し、特に、比較例1、2の吸放湿性シートは、製造直後のシートをポリエチレン製の袋で密封して2ヶ月保管した後も、25℃での水蒸気吸脱着等温線において、相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上を示しているが、製造直後のシートを40℃、90%RHの恒温恒湿器内(すなわち、高温高湿下)で1ヶ月保管する加速保管をした場合は、いずれも、相対圧0.2における水蒸気吸着量は50cm(STP)/g以上であるが、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/gより小さくなり、低湿度下での優れた吸放湿性を示さないことがわかる。これに対し、実施例1〜5の吸放湿性シートは、図1〜5に示されるように、シートの製造後通常保管1ヶ月後、シートの製造後通常保管2ヶ月後、シートの製造後40℃、90%RHの恒温恒湿器内(すなわち、高温高湿下)で1ヶ月保管する加速保管をした場合も、製造直後と同様に、シートは相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上を示しており、低湿度下での優れた吸放湿性能の経時安定性に優れた、吸放湿性シートであることが分かる。
本発明の吸放湿性シートは、例えば、調湿用パネル、給水を必要としない加湿ユニット等に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下の記載において「部」は特に断らない限り「重量部」を意味する。
(実施例1)
A型シリカゲル粉末(平均粒子径:45μm、BET比表面積:760m/g、平均細孔直径:22Å)50部、パルプ45部、ポリエステル繊維5部を水中に分散させてスラリー溶液とし、硫酸アルミニウムを添加してスラリー溶液のpHを4.0に調整した。その後、ウェットパートおよびドライヤーパートを含む抄紙工程を経て、A型シリカゲル混抄紙からなる厚さが1.0mm、坪量が508g/mのシートを得た。
(実施例2)
硫酸アルミニウムを用いてスラリー溶液のpHを5.0に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(実施例3)
硫酸アルミニウムを用いてスラリー溶液のpHを5.5に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(実施例4)
硫酸アルミニウムの代わりに塩化アルミニウムを用いてスラリー溶液のpHを4.0に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(実施例5)
硫酸アルミニウムの代わりに硝酸アルミニウムを用いてスラリー溶液のpHを4.0に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(比較例1)
硫酸アルミニウムの代わりに硫酸を用いてスラリー溶液のpHを4.0に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(比較例2)
硫酸アルミニウムの代わりにクエン酸を用いてスラリー溶液のpHを4.0に調整したこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
(比較例3)
スラリー溶液のpHを調整しなかったこと以外は実施例1と同様にしてA型シリカゲル混抄紙からなるシートを得た。
上記で得られた実施例および比較例のシートの水抽出液pH測定を、JIS P 8133−1:2013に準じて行った。具体的には、試料2.0gを20℃〜25℃のイオン交換水100mLに1時間浸し、抽出液をガラス繊維濾紙で濾過したのち1moL/L塩化カリウム溶液2mLを加え、pHメーターでpHを測定した。測定した結果を表1に示す。
Figure 0006987582
さらに、上記で得られた実施例および比較例のシートの25℃における水蒸気吸脱着等温線を測定した。測定した結果を図1〜図8に示す。ここで、横軸は平衡圧力Pを飽和水蒸気圧Pで割った相対圧(P/P)を示し、縦軸は水蒸気吸着量[cm(STP)/g]を示す。また、図1〜図8における通常保管とは、製造直後のシートをポリエチレン製の袋で密封した形で保管した状態のことを示し、加速保管とは、通常の保管状態に対する加速試験を想定した40℃90%RHに設定した恒温恒湿器の中で保管した状態のことを示す。
図1〜5と図6〜8の対比から、本発明の吸放湿性シートは、低湿度下での優れた吸放湿性能を有し、かつ、かかる低湿度下での優れた吸放湿性能の経時安定性に優れた吸放湿性シートであることが分かる。

Claims (4)

  1. セルロース系繊維を少なくとも含む繊維、A型シリカゲルおよび酸性アルミニウム塩を含有し、繊維とA型シリカゲルの合計量に対するA型シリカゲルの含有量が40重量%以上である混抄紙である吸放湿性シートであって、
    JIS P 8133−1:2013に準拠して測定される吸放湿性シートのpHが6以下であり、
    吸放湿性シートを40℃、90%RHの恒温恒湿器内に1ヶ月保管後に測定した測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上であり、および
    A型シリカゲルとセルロース系繊維の含有量比(A型シリカゲル:セルロース系繊維)が重量比で40:60〜60:40であることを特徴とする、吸放湿性シート。
  2. A型シリカゲルの平均粒子径が45〜80μmである、請求項1記載の吸放湿性シート。
  3. セルロース系繊維を少なくとも含む繊維、A型シリカゲルおよび酸性アルミニウム塩を含有し、繊維とA型シリカゲルの合計量に対するA型シリカゲルの含有量が40重量%以上である混抄紙である吸放湿性シートを製造する方法であって、
    JIS P 8133−1:2013に準拠して測定される吸放湿性シートのpHが6以下であり、
    吸放湿性シートを40℃、90%RHの恒温恒湿器内に1ヶ月保管後に測定した吸放湿性シートの、測定温度25℃での水蒸気吸脱着等温線の相対圧0.2における水蒸気吸着量が50cm(STP)/g以上、かつ、相対圧0.5における水蒸気吸着量が150cm(STP)/g以上であり、並びに
    該方法は、紙料調製工程と、ウェットパートおよびドライヤーパートを含む抄紙工程とを有し、前記紙料調製工程において酸性アルミニウム塩を添加して、pHが4.0〜6.0のスラリーを調製し、および前記紙料調製工程において、A型シリカゲルとセルロース系繊維の混合比(A型シリカゲル:セルロース系繊維)が重量比で40:60〜60:40であることを特徴とする、方法。
  4. A型シリカゲルの平均粒子径が45〜80μmである、請求項記載の方法。
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