JP6987511B2

JP6987511B2 - マンゴー葉抽出物

Info

Publication number: JP6987511B2
Application number: JP2017034026A
Authority: JP
Inventors: 浩義森山
Original assignee: セファムインコーポレイテッド; 宮武義男
Priority date: 2017-02-24
Filing date: 2017-02-24
Publication date: 2022-01-05
Anticipated expiration: 2037-02-24
Also published as: JP2018138535A

Description

本発明は、マンゴー葉の抽出物に関する。より具体的には、マンゴー葉の抽出物を含む便通改善剤、食品、飲料などに関する。

マンゴー（Mangifera indica）は、ウルシ科マンゴー属の常緑高木の植物であり、古くから主として果実が食用とされている。果実に関しては抗酸化作用や抗菌作用、抗ウィルス作用が知られている（特許文献１参照）。しかしながら、マンゴーの他の部位に関する報告は少なく、未だ研究の余地が残されている。

特開平９−２１６８３６号公報

そこで、本願発明はマンゴーの果実ではない部位について、新規な用途を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明は、マンゴーの葉抽出物を有効成分とする便通改善用組成物からなる。また、マンゴーの葉抽出物を有効成分とする便通改善剤からなる。また、マンゴーの葉抽出物を含有する便通改善用飲料からなる。また、マンゴーの葉からなる便通改善用の茶用組成物からなる。また、マンゴーの葉からなる便通改善用組成物からなる。

本発明はマンゴーの葉、特に抽出物に、便通改善作用を見いだして完成されたものである。便通改善の語は、便秘の改善を含む概念であり、排便の回数の増加による改善効果（排便促進効果）を意味する。特に女性は、排卵後から月経前までの時期に多く分泌される黄体ホルモンの影響により、腸の蠕動運動が弱くなり、便秘になりやすいとされる。しかしながら、現在の公知の治療剤又は治療法の効果には個人差があるため、これら治療剤又は治療法によっても未だ改善が認められない場合も多くある。したがって、本願発明によれば、便通改善のための新たな素材を提供することが可能となる。

本発明で使用するマンゴーは、アーウィン種、キーツ種、カラバオ種など、ウルシ科マンゴー属のマンゴーが広く含まれる。本願で利用するマンゴーの「葉」は、緑葉部分を意味し、葉身全体又はその一部を使用することができるものであるが、製造工程において葉丙が含まれていても良い。また、炒るなどの加熱工程や、発酵などの加工工程が施された葉を使用しても良い。「組成物」は液体及び個体のいずれの形態も含み、食用及び薬剤用のいずれをも少なくとも含む。

本願発明の葉の抽出溶媒としては、水を用いる。しかしながら、有機溶媒を含んだ混合溶媒を排除する趣旨ではない。有機溶媒としては、アルコール、特に典型的にはエタノールが挙げられる。抽出温度・時間は特に限定されないが、殺菌や安全性の観点から、沸騰した水で数十秒以上、好ましくは数分以上抽出することが好ましい。

本願発明の組成物又は飲料の製造工程においては、一般的な処理手段に従い、洗浄・乾燥・粉砕したマンゴーの葉を使用することができる。この処理済みのマンゴーの葉を、そのまま便通改善用組成物又は茶用組成物として提供し、使用者にて抽出を行い、抽出物を飲用に処する使用方法が挙げられる。さらに、マンゴーの葉の抽出物を、液体として、またはその液体を乾燥させて、粉末・錠型・カプセル状など、所望の態様にて提供することが可能である。より具体的には、マンゴーの葉の抽出物を便通改善用の飲料又は食品として、例えば茶飲料として提供することが可能である。さらに、抽出物を粉末・錠型・カプセル状などとし、これらを経口用の便通改善剤として提供することも可能である。なお、抽出物を粉末・錠型・カプセル等とする工程は、添加物の追加工程を含め、公知の様々な手段を採用することができるものであり、特に限定はされない。また、本願発明の効果を奏する限り、他の植物や抽出物、その他の添加物と混合することも可能である。

本発明によれば、自然由来で安全性の高い、便通改善のための新たな素材を提供することが可能となる。

本発明の実施の一例として、沖縄産アーウィン種のマンゴーの木から採取したマンゴー葉身１００％の葉を、洗浄及び乾燥の後、各0.1〜1.5mm程度に粉砕し、５ｇを１日分として、メッシュフィルター包装袋に収納した。

被験者において、当該包装袋使用し、１日１袋を、５００ccの水で１０分沸かし、飲用として１日２回（朝・昼・夜のうち２回）の摂取を７日間継続し、その結果の回答を得た。回答の選択肢及び結果については、下記の通りである。
（１）摂取時期：朝・昼・夜のうちいずれか２回を記入し
（２）摂取感想：味と香りを５段階評価
味：１．非常においしい、２．おいしい、３．普通、４．まずい、５．その他
香り：１．非常に良い、２．良い、３．普通、４．悪い、５．その他
（３）摂取結果：便通と回数を評価
便通：１．非常に便秘ぎみ、２．便秘ぎみ、３．普通、４．便がゆるい、５．下痢ぎみ、６．その他
回数：１．毎日１回、２．２日１回、３．３日１回、４．４日１回、５．その他
（４）その他備考・感想

被験者１４０代女性
実験前便通便秘気味（２日１回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・普通，香り・普通
摂取結果通常の便通へ改善（１日１回〜数回）
備考摂取前は市販の薬を使用していたが、効き過ぎにより胃に痛みがあった。摂取４日〜５日で効果を実感した。胃への負担がなく、自然な感覚であった。

被験者２５０代女性
実験前便通非常に便秘気味（３日１回）
摂取時期毎日（朝・昼又は夜）
摂取感想味・おいしい，香り・良い
摂取結果通常の便通へ改善（１日１回〜数回）
備考摂取前は市販の薬を使用していた３日か４日に１度使用していた。改善が著しいため、各１回分の包装袋又はメッシュフィルターパックを希望。

被験者３５０代女性
実験前便通便秘気味（３日１回）
摂取時期毎日（朝・昼）
摂取感想味・おいしい，香り・良い
摂取結果通常の便通へ改善（１日１回）
備考摂取前は市販の薬を使用していたが、それらは徐々に効果が薄くなると感じていた。５日目から便自体の質も改善した。２日分作り置きしても効果があると感じた。改善が著しいため、各１回分の粉末又はメッシュフィルターパックを希望。

被験者４２０代女性
実験前便通便秘気味（３日１回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・おいしい，香り・非常に良い
摂取結果通常の便通へ改善（１日１回）
備考味も香りも良く、自然に便秘が解消されたと感じる。１日２回以上に分けて飲んでも良いと感じる。

被験者５５０代女性
実験前便通便秘気味（４日１回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・普通，香り・普通
摂取結果便通が改善（２日１回）
備考苦みも残らず、おいしいと感じた。腹痛もおこらず、自然に便秘が改善されたと感じる。

被験者６１０代女性
実験前便通非常に便秘気味（３日１回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・普通，香り・普通
摂取結果便通が改善（２日１回）

被験者７４０代女性
実験前便通非常に便秘気味（月に３〜４回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・普通，香り・普通
摂取結果４日目に便通。それから２日目に再度便通へと改善。
備考冷やして飲む方が飲みやすいと感じた。１週間の試験だが、便秘が解消しており、効果があると感じた。

被験者８６０代女性
実験前便通便秘気味（２日１回）
摂取時期毎日（朝・夜）
摂取感想味・普通，香り・良い
摂取結果便通が改善（１日１回〜２回）。
備考摂取前は市販の薬を使用していたが、腸もみをしないと便通がない時もあった。毎日便通があり、便通自体も穏やかに感じた。

以上の結果から、それまで他の便通改善剤を使用していた被験者や、症状の厳しい被験者のいずれに対しても、顕著な便通改善効果が認められた。さらに、いずれの被験者においても、アレルギー症状や腹痛などの副作用が生じることもなかった。また、味及び香り、便通時の感覚についても違和感を覚えた被験者はいなかった。したがって、本発明は年齢を問わず摂取が可能であり、安定的な継続使用にも適しており、風味も良く副作用の少ない、新たな便通改善手段を提供することを可能にするものである。

Claims

マンゴーの葉のみの水抽出物からなり、当該水抽出物のみを有効成分とする便通改善剤又は便通改善用食品組成物。
マンゴーの葉の細断物または粉末と、当該細断物又は粉末が水抽出可能に封入された包装袋又はメッシュフィルターからなる、便通改善剤。