JP6986353B2 - 教科書用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、学校教育等で日々使用されている教科書や参考書等を用途とする教科書用紙及びその製造方法に関するものである。
教科書や参考書等は、毎日のように持ち運ぶものであるため、軽量化が望まれている。したがって、教科書用紙は、まず、低坪量であることが求められる。特に近年では、坪量75g/m2以下の低坪量化が目指されている。また、低坪量化するにあたっては、ビジュアル化の推進に伴う高精細な印刷への対応も犠牲にされてはならない。さらに、教科書や参考書等は、様々な文字や表、記号、図形等を書き込んで使用するものである。したがって、教科書用紙は、筆記適性、特に鉛筆やシャーペンでの筆記適性、消しゴム等による消し適性に優れることが求められる。加えて、教科書や参考書等は、使用するにあたって頻繁にページ捲りを繰り返すものである。したがって、教科書用紙は、高精細な印刷に対応していながらページ捲りが行い易いこと、ページ捲りを繰り返しても紙がへたらないこと、耐折強度に優れること等が求められる。このような要求のもと、従来の教科書用紙には、次のような問題が存在している。
すなわち、教科書用紙を低坪量化すると、用紙の強度、特に表面強度が低下し、筆記適性や消し適性が低下する。また、教科書用紙を低坪量化すると、印刷不透明度、白紙不透明度等の印刷適性、手肉感、特にページの捲り易さなどが低下し、また、紙がへたり易くなる。この点、印刷不透明度の低下対策としては、原料パルプに内添する無機填料を増量する方法が存在する。しかるに、無機填料を増量すると、教科書用紙の表面強度が低下してしまい、頻繁なページ捲りによる紙粉の発生や、筆記適性、消し適性の低下等の問題が生じる。特に高精細な印刷への対応から基紙の表裏に塗工層を設けた場合、塗工層を構成する成分や表面処理によって筆記適性、消し適性の低下等の問題が生じ易くなる。
また、原料パルプとして機械パルプを配合又は増配し、用紙を嵩高にして印刷不透明度や、白紙不透明度、手肉感等を向上させる方法も存在する。しかるに、機械パルプを配合又は増配すると、紙力強度が低下し、頻繁なページ捲りによる紙粉の発生や、筆記適性、消し適性の低下等の問題が生じる。
そこで、特許文献1は、黒顔料及び蛍光増白染料を含有する印刷用紙を提案する。同文献は、この提案によると、不透明度が良好であり、かつオフセット印刷にも耐えうる表面強度を備えた印刷用紙が得られるとする。しかるに、同提案が想定する表面強度は、オフセット印刷にも耐え得るというものである。したがって、教科書用紙に要求されるような、頻繁なページ捲りや鉛筆やシャーペンによる筆記に耐え得るような表面強度を想定するものではない。
また、特許文献2は、酸化チタン及び黒着色剤を含有する坪量が70〜120g/m2の高不透明度紙を提案する。同文献は、この提案によると、低坪量でありながら、高い不透明度を有し、印刷適性にも優れた高不透明度紙が得られるとする。しかるに、同提案が言う低坪量は、70〜120g/m2であり、教科書用紙に求められている低坪量化として十分であるか疑問が残る。また、同提案は、特に封筒に適した用紙であるとしており、頻繁なページ捲りに耐え得る紙力強度等を有することは想定していない。例えば、酸化チタンは繊維間結合を阻害し、紙力強度を低下させる性質を有することから、単なる酸化チタンの含有は、教科書用紙に要求される紙力強度の充足化を困難にする。また、封筒にも筆記適性は要求されるが、封筒への筆記は、通常、ボールペン等で行われ、鉛筆やシャーペン等では行われないため、教科書用紙に要求される筆記適性とは異なる。さらに、この点に関連するが、封筒の場合は、通常、消し適性が要求されない。
特開2013−119669号公報 特開2013−256730号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、低坪量でありながら、高精細な印刷適性、紙力強度、手肉感に優れ、筆記適性や消し適性に優れた教科書用紙及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、
原料パルプ及び填料を含有する基紙と、顔料、接着剤、及び黒着色剤を含有する塗工層とを有し、
坪量が75g/m2以下であり、
絶乾基準で前記原料パルプの10〜40質量%が機械パルプであり、
前記填料として炭酸カルシウムを含有し、
前記顔料として二酸化チタン、重質炭酸カルシウム及び平板結晶構造を示す無機微粒子を含有する、
ことを特徴とする教科書用紙である
好ましくは、
前記平板結晶構造を示す無機微粒子がエンジニアードクレー及びデラミネートクレーであり、
前記エンジニアードクレーのアスペクト比が10以上20未満で、前記デラミネートクレーのアスペクト比が20以上である。
本発明によると、低坪量でありながら、高精細な印刷適性、紙力強度、手肉感に優れ、筆記適性や消し適性に優れた教科書用紙及びその製造方法となる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本形態は、本発明を実施するための一例である。本発明の範囲は、本形態の範囲に限定されない。
本形態の教科書用紙は、原料パルプ及び填料を含有する基紙と、顔料、接着剤、及び黒着色剤を含有する塗工層とを有する。以下では、まず、これらの各含有材料について説明し、その後に、教科書用紙について説明する。
(基紙:原料パルプ)
原料パルプは、絶乾状態での全原料パルプを基準(100質量%)として機械パルプを、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%、特に好ましくは20〜30質量%含有する。機械パルプの含有量を以上の範囲内とするのは、次の理由による。
すなわち、機械パルプの含有量(配合量)を増やすと、基紙の嵩高さが増す。したがって、得られる教科書用紙の白紙不透明度が向上し、手肉感が得られる。また、機械パルプを含有すると、鉛筆やシャーペンでの筆記において適度なクッション性が得られ、優れた筆記感を得ることができる。なお、鉛筆やシャーペンの芯は、例えば、黒鉛、カーボンブラック等の着色材に、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルト等の結合材を加え、更に必要に応じて所要の溶剤及び可塑剤を添加して、これらを混練し、この混練物を線状体に押出成形した後、焼成し、得られた焼成芯の開気孔中に動植物油、スピンドル油、流動パラフィン等の鉱油、シリコーン油、変性シリコーン油、ワックス類などの油脂類等を含浸させることで製造することができる。
もっとも、機械パルプの含有量を増やすと、同時に、紙力強度及び印刷適性が低下し、また、紫外線等の光線によって褪色し易くなる(以下、これらの問題を、単に「機械パルプ増配による問題」ともいう。)。この点をより詳細に説明すると、機械パルプは、原料木材を機械的に磨砕することで得られるパルプであるため、微細な繊維と微細でない繊維とが混在している。したがって、機械パルプの含有量を増やすと、紙力強度、特に表面強度や耐折強度が低下する。表面強度が低下すると、紙粉が発生し易くなり、また、筆記適性や消し適性が低下する。さらに、微細な繊維と微細でない繊維とが混在すると、インクの含浸量が過多となる。したがって、印刷適性、例えば印刷不透明度やインク濃度が低下し、高精細な印刷を行った際の印刷再現性が問題になる。以上の理由から、機械パルプの含有量を前記範囲内とするものである。
機械パルプとしては、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、及びリファイナーメカニカルパルプ(RMP)の中の少なくともいずれか一種を使用するのが好ましく、サーモメカニカルパルプを使用するのがより好ましい。機械パルプとしてサーモメカニカルパルプを使用すると、前記機械パルプ増配による問題点を最も緩和することができる。サーモメカニカルパルプは、原料木材を予め加熱することで柔軟化し、その後に機械的に磨砕することで得られるパルプである。したがって、サーモメカニカルパルプは、パルプ繊維の損傷が比較的少なく、また、繊維長が比較的均一化している。
機械パルプ以外の原料パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)等のグランドパルプ(GP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、機械パルプを元来多く含有する茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、更紙古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解・脱墨古紙パルプや離解・脱墨・漂白古紙パルプなどの中から一種を又は複数種を選択して使用することができる。
なお、化学パルプを製造する際の漂白方法については特に限定がない。したがって、例えば、塩素ガスのような分子状塩素を使用して漂白した化学パルプも使用することができる。ただし、環境保護の観点から、分子状塩素を使用しないで漂白した無塩素漂白(ECF)パルプを使用するのが好ましく、二酸化塩素のような塩素化合物をも使用しないで漂白した無塩素漂白(TCF)パルプを使用するのがより好ましい。
(基紙:填料)
本形態の基紙は、填料の一部又は全部として炭酸カルシウムを含有する。填料として炭酸カルシウムを含有すると、前記機械パルプ増配による問題が緩和される。
填料としての炭酸カルシウムとしては、カルサイト系炭酸カルシウム又はアラゴナイト系炭酸カルシウムが毬栗状に凝集又結晶化してなる毬栗状の軽質炭酸カルシウム(以下、単に「毬栗状の軽質炭酸カルシウム」ともいう。)と、重質炭酸カルシウムとを含有させるのが好ましい。毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、多孔性に富み、BET比表面積が広い。したがって、塗工層に使用する接着剤との絡み合いが強く、塗工層の成膜性が向上する。結果、得られる教科書用紙の筆記適性や消し適性、耐折強度等が向上する。また、毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、通常の炭酸カルシウムよりも吸油量が多く、オフセットインク等のインクを基紙の表面で素早く吸収する。したがって、坪量を75g/m2以下の低坪量にしても、十分な印刷不透明度を確保することができる。さらに、毬栗状の軽質炭酸カルシウムを重質炭酸カルシウムと併用すると、紡錘型、柱状、キュービック型、針状等の軽質炭酸カルシウムを併用する場合と比較して前記機械パルプ増配による問題がより緩和されるほか、得られる教科書用紙の白色度が向上する。
毬栗状の軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムの含有質量比は、好ましくは1:1〜1:3、より好ましくは1:1.5〜1:2.5特に好ましくは1:1.7〜1:2.2である。毬栗状の軽質炭酸カルシウムの含有質量比が低過ぎると、十分な不透明度の確保が困難に成るとともに、鉛筆等による筆記適性が劣るとの問題が生じるおそれがある。他方、毬栗状の軽質炭酸カルシウムの含有質量比が高過ぎると、表面強度が低下する。結果、頻繁なページ捲り等に耐えがたくなり、紙粉の発生や粉落ち、更には印刷作業時の作業性低下に繋がるおそれがある。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、吸油量が、好ましくは60〜150ml/100gである。吸油量が60ml/100g未満であると、印刷不透明度が低下し、また、インクの滲みが生じ易くなる。他方、吸油量が150ml/100gを超えると、印刷インク中のビヒクル成分が基紙に過度に浸透し、印刷濃度が不十分になるおそれがある。このような観点から、吸油量は、より好ましくは65ml/100g以上、特に好ましくは70ml/100g以上である。また、吸油量は、より好ましくは145ml/100g以下、特に好ましくは140ml/100g以下である。なお、吸油量は、JIS K 5101−13−1に記載の「顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法」に準拠して測定した値をいう。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、BET比表面積が、好ましくは5〜15m2/gである。BET比表面積が5m2/g未満であると、凝集構造における空隙が少な過ぎ、インク吸収性が不十分になるおそれがある。また、BET比表面積が5m2/g未満であると、前述した塗工層に使用する接着剤との絡み合い効果が不十分になるおそれもある。他方、BET比表面積が15m2/gを超えると、インク(特にコールドセット型オフセットインク)の乾燥性が低下し、擦れ汚れや印刷の裏移りが生じるおそれがある。また、BET比表面積が15m2/gを超えると、填料分散液の希釈粘度が高くなり過ぎ、操業性が低下するおそれがある。これらの問題は、一定の期間内に大量の印刷を行う必要がある教科書用紙の大きな問題の1つである。このような観点から、BET比表面積は、より好ましくは6m2/g以上、特に好ましくは7m2/g以上である。また、BET比表面積は、より好ましくは14m2/g以下、特に好ましくは13m2/g以下である。なお、BET比表面積は、全自動BET比表面積測定装置(型番:フロソーブ2300、(株)島津製作所製)にて測定した値をいう。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、体積平均粒子径が、好ましくは1.0〜10.0μmである。体積平均粒子径が1.0μm未満であると、当該毬栗状の軽質炭酸カルシウムがパルプ繊維間に入り込み、基紙の嵩高さが低下し、機械パルプ増配による効果が減殺されるおそれがある。他方、体積平均粒子径が10.0μmを超えると、当該毬栗状の軽質炭酸カルシウムとパルプ繊維との接触面積が狭くなる。したがって、紙力強度や印刷適性の低下につながるおそれがある。このような観点から、体積平均粒子径は、より好ましくは1.8μm以上、特に好ましくは2.0μm以上である。また、体積平均粒子径は、より好ましくは9.6μm以下、特に好ましくは9.5μm以下である。なお、体積平均粒子径は、サンプル10mgをメタノール溶液8mlに添加し、超音波分散機(出力:80W)で3分間分散させた分散溶液について、粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計、日機装(株)製)にて測定した値をいう。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、アスペクト比が、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.4以下、特に好ましくは3.3以下である。アスペクト比を3.5以下にすると、印刷不透明度及び印刷適性が向上する。他方、毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、アスペクト比が、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.4以上、特に好ましくは2.8以上である。アスペクト比を2.0以上にすると、紙力強度の低下を抑えることができる。なお、アスペクト比とは、粒子の長径と粒子の短径との比(長径/短径)をいう。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、填料全体に対する含有割合が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。含有割合を5質量%以上にすると、印刷不透明度等の印刷適性、筆記適性や消し適性、白色度などが向上する。他方、毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、填料全体に対する含有割合が、好ましくは45質量%以下、より好ましくは43質量%以下、特に好ましくは42質量%以下である。含有割合を45質量%以下にすると、基紙を構成する機械パルプとの相乗効果で教科書用紙の不透明性を向上しながら、填料を含有することによる引張り強度や引裂き強度等の紙質強度の低下を抑制する効果が得られる。
毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、例えば、次の方法によって得ることができる。
すなわち、水酸化カルシウムに二酸化炭素含有気体を反応させて、紡錘型や柱状の安定なカルサイト型結晶構造の炭酸カルシウムを得る過程において、あるいは準安定なアラゴナイト型結晶構造の炭酸カルシウムを得る過程において、二酸化炭素含有気体の供給方法を調整したり、脱水、乾燥、熱処理を施す際に、縮合リン酸や、その金属塩等の添加剤を添加したりすることで得ることができる。これらの処理を施すことで、紡錘型や柱状の結晶構造が凝集・結晶化して毬栗状になる。
この点、カルサイト型結晶構造の炭酸カルシウムは、他の結晶構造の炭酸カルシウムよりも安定しており、天然にも石灰石として存在する。また、カルサイト型結晶構造の炭酸カルシウムは、人工的には、例えば、天然の石灰石を高温で酸化カルシウムと二酸化炭素とに分解し(不純物の除去作用あり)、この分解によって得られた酸化カルシウムを水に入れて水酸化カルシウムとし(消和)、その後に各種条件(例えば、温度、濃度、攪拌の程度等。)を制御しながら二酸化炭素を吹き込むことで得ることができる。この際の反応式は、次のとおりである。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2
一方、アラゴナイト型結晶構造の炭酸カルシウムも、その製法は前記カルサイト型結晶構造の炭酸カルシウムの製法とほぼ同じであり、前記各種条件を調節することで得ることができる。具体的には、例えば、消石灰及び水を攪拌混合して石灰乳を調製し、さらに各種条件(例えば、添加速度、添加時間、温度等。)を制御しながら炭酸ソーダ添加して苛性化反応させることで得ることができる。この際の反応式は、次のとおりである。
Na2CO3+CaO+H2O→CaCO3+2NaOH
前述したように、本形態においては、填料として毬栗状の軽質炭酸カルシウムと共に重質炭酸カルシウムを含有する。重質炭酸カルシウムを含有することで、基紙の嵩高さが増す。したがって、例えば、鉛筆やシャーペンでの筆記適性、インク(特にコールドセット型インク)の着肉性、白紙不透明度、印刷不透明度等の印刷適性等が向上する。
重質炭酸カルシウムは、体積平均粒子径が、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.45μm以上、特に好ましくは1.60μm以上である。体積平均粒子径が1.0μm以上であると、抄紙時における原料パルプ中からの過度の脱落を抑えることができ、紙粉発生の抑制や不透明度向上に効果的である。他方、重質炭酸カルシウムは、体積平均粒子径が、好ましくは2.00μm以下、より好ましくは1.95μm以下、特に好ましくは1.90μm以下である。体積平均粒子径が2.00μmを超えると、重質炭酸カルシウムは元来硬度が高い鉱物であることから、抄紙設備においてパルプ繊維を劣化させてしまい、紙質強度の低下を招くおそれがある。なお、体積平均粒子径の測定方法は、前述した毬栗状の軽質炭酸カルシウムの場合と同様である。
重質炭酸カルシウムは、その中で粒子径が2.00μm以下であるものの体積割合が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。体積割合が70質量%未満であると、基紙に隙間が多く形成され、例えば、白紙不透明度や白色度が低下するおそれがある。ただし、体積割合が95質量%を超えると、パルプ繊維間の大きな隙間を埋めることができなくなり、例えば、白紙不透明度や白色度が低下するおそれがある。したがって、体積割合は、好ましくは95質量%以下である。なお、重質炭酸カルシウムは、複数種類の重質炭酸カルシウムを混合することで、以上の体積平均粒子径や体積割合の条件を満たすようにしてもよい。
填料としては、以上の毬栗状の軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムのほかに、例えば、ホワイトカーボン、カオリン、エンジニアードカオリン、クレー、デラミネートクレー、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、サチンホワイト等の無機填料や有機填料を、単独で又は2種類以上を選択して含有させることができる。
填料の内添量は、基紙の灰分含有量に換算すると、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、特に好ましくは7質量%以上である。灰分含有量が5質量%未満であると、印刷不透明度及び白色度が十分に高まらないおそれがある。他方、填料の内添量は、基紙の灰分含有量に換算すると、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。灰分含有量を5質量%以上、10質量%以下とすることで、表面強度の低下を抑えることができ、例えば、紙粉の発生や、筆記適性、消し適性の低下を抑えることができる。灰分含有量が10質量%を超えると、表面強度の低下を抑えることができないおそれがあるほか、例えば、基紙の剛性が十分に高まらず、また、紙揃え性が低下するおそれがある。表面強度の低下を抑えることができれば、例えば、紙粉の発生や、筆記適性、消し適性の低下を抑えることができる。なお、灰分含有量は、JIS P 8251(2003)に準拠して測定した値をいう。
(基紙:その他)
基紙の製造方法(抄紙方法等)は、特に限定されない。ただし、好ましくは、機械パルプを含む原料パルプ等を、種箱に供給する前にオンラインのカチオンデマンド測定装置に供してカチオンデマンドを測定する。そして、この測定値に基づいて原料パルプ等に予め抄紙用添加剤を添加する(前処理)。この前処理によって、機械パルプ中の微細な繊維が効率よく歩留り、基紙の強度が高まる。また、パルプ繊維に対して填料が効果的に定着する。
なお、カチオンデマンドとは、アニオン性物質の総電荷のことである。また、アニオン性物質(アニオントラッシュ)とは、負(マイナス)に帯電した物質のことである。アニオン性物質としては、例えば、パルプ繊維(微細繊維を含む)、填料(毬栗状の軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウム等)、各種ウェットエンド製紙助剤(その他の填料、内添サイズ剤、消泡剤等)、樹脂ピッチ、溶出リグニン等が存在する。
オンラインのカチオンデマンドを測定装置としては、例えば、カチオンデマンド測定装置(型番:PCT15又はPCT20、mutek社製)等が存在する。
抄紙用添加剤としては、例えば、一般に紙力向上剤、歩留向上剤、凝結剤として使用されるものを使用することができる。これらの薬品は、製紙用薬品として開発されており、パルプ繊維に対する定着性等が良好である。これらの薬品の中には、無機分子で主に構成されるもの、有機高分子で主に構成されるものが存在する。ただし、有機高分子で主に構成されるものを使用する方がより好ましい。
無機分子で主に構成される抄紙用添加剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾルなどの中から一種又は二種以上を選択して使用することができる。
有機高分子で主に構成される抄紙用添加剤としては、例えば、イオン性ポリマー、すなわち、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、ポリイオンコンプレックス等の中から一種又は二種以上を選択して使用することができる。また、澱粉類やその誘導体も好適に使用することができる。具体的には、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、澱粉類、グアーガム、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、キトサン、アルギン酸及びその誘導体などの中から一種又は二種以上を選択して使用することができる。ただし、ポリアクリルアミド系ポリマー、澱粉類を使用するのがより好ましく、ポリアクリルアミド系ポリマーを使用するのが特に好ましい。
澱粉類としては、例えば、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の中から一種又は二種以上を選択して使用することができる。生澱粉の原料としては、例えば、コーン、タピオカ、ポテト等を例示することができる。
ポリアクリルアミド系ポリマーとしては、分子量100万以上であるものが好ましく、両性であり、カチオンリッチであるものが好ましい。以上に例示した抄紙用添加剤は、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
抄紙用添加剤の添加量は、原料パルプ(絶乾質量)に対して、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは6〜13質量%、特に好ましくは7〜11質量%である。以上の範囲内での抄紙用添加剤の添加により、基紙の強度を効果的に高めることができる。
(塗工層:顔料)
顔料としては、二酸化チタン、重質炭酸カルシウムと、少なくとも2種類の平板結晶構造を示す無機微粒子、好ましくはエンジニアードクレー及びデラミネートクレーを含有する。
二酸化チタンの体積平均粒子径(一次粒子径)は、好ましくは0.2〜1μm、より好ましくは0.3〜0.8μm、特に好ましくは0.4〜0.7μmである。体積平均粒子径が0.2μm未満であると、二酸化チタンは凝集し易い性質を有するが故に不透明性向上効果が低下するおそれがある。他方、体積平均粒子径が1μmを超えると、塗工液中での分散性が低下し、不透明性向上効果が低下するおそれがある。
二酸化チタンの体積平均粒子径(一次粒子径)は、後述する顔料としての重質炭酸カルシウムの体積平均粒子径(一次粒子径)の、好ましくは0.1〜0.5倍、より好ましくは0.2〜0.4倍、特に好ましくは0.2〜0.3倍である。二酸化チタン及び重質炭酸カルシウムの体積平均粒子径比を以上の範囲内にすると、歩留り及び白紙不透明度が向上する。すなわち、平均粒子径比を以上の範囲内にすると、相対的に粒子径が大きい重質炭酸カルシウムの表面を相対的に粒子径が小さい二酸化チタンが覆う(付着する)ようになる。したがって、二酸化チタンの繊維間結合を阻害する作用が抑制される。また、二酸化チタンの光散乱能が効果的に発揮されて白紙不透明度が高まる、歩留りが高まる等の効果も得られる。なお、二酸化チタンの体積平均粒子径は、日機装株式会社製粒度分布測定装置マイクロトラック−MT3000で測定した値をいう。また、重質炭酸カルシウムの体積平均粒子径は、填料として使用する炭酸カルシウムの場合と同様である。
二酸化チタンとしては、製紙用のものを適宜使用することができる。
二酸化チタンの結晶構造は、例えば、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型等のいずれの結晶構造であってもよい。ただし、アナターゼ型又はルチル型であるのが好ましい。より好ましくは、モース硬度が5.5〜6.0のルチル型と対比して比較的柔らかいアナターゼ型である。このアナターゼ型は、鉛筆やシャーペンの芯との適合性に優れるため、筆記適性及び消し適正が共に向上する。
また、発明者らの知見によると、モース硬度が5を超える顔料を顔料全体に対して8〜12質量%含有させ、モース硬度が3〜5の顔料を顔料全体に対して35〜55質量%含有させ、モース硬度が3未満の顔料を35〜55質量%含有させると、筆記適正及び消し適正が共に向上し、加えて高精細な印刷適性も向上する。
二酸化チタン以外の顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の中から一種又は二種以上を選択して使用することができる。
ただし、本形態においては、アスペクト比が異なる少なくとも2種類の平板結晶構造を示す無機微粒子を使用するのが好ましく、平板結晶構造を示す無機微粒子としてデラミネートクレー及びエンジニアードクレーを使用し、加えて重質炭酸カルシウムを使用するのがより好ましい。デラミネートクレー及びエンジニアードクレー並びに重質炭酸カルシウムを使用すると、表面平滑性、柔軟性、印刷適性が向上する。また、デラミネートクレー及びエンジニアードクレーを併用することで、基紙の被覆性が良好になり、高いインキ着肉性及び印刷光沢度が得ることができる。したがって、少量の使用でも教科書用紙においては高精細な印刷を施す上で好適である。なお、平板結晶構造とは、晶癖が平板状の無機粒子を意味し、六角形の薄板状を呈するクレーが代表例として挙げられる。
デラミネートクレーのアスペクト比は、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、特に好ましくは50以上である。アスペクト比が20以上であると、インク、特にオフセットインクのインク吸収性に優れる。また、アスペクト比が30以上であると、得られる教科書用紙の光沢性が増す。さらに、アスペクト比が50以上であると、デラミネートクレーと共に塗工層に含有させる二酸化チタンや黒着色剤が基紙に過度に浸透するおそれがなくなる。
エンジニアードクレーのアスペクト比は、好ましくは10以上、20未満である。アスペクト比が10から20未満のエンジニアードクレーをよりアスペクト比の高いデラミネートクレートと併用すると、良好な印刷光沢を得ることができる。なお、デラミネートクレー及びエンジニアードクレーのアスペクト比とは、粒子の長径と粒子の短径との比(長径/短径)をいう。
デラミネートクレーの体積平均粒子径は、好ましくは1.0〜2.0μm、より好ましくは1.2〜1.8μm、特に好ましくは1.3〜1.6μmである。体積平均粒子径が1.0μm以上であると、塗工液中における分散性に優れるため、塗工層が均質化する。他方、平均粒子径が2.0μm以下であると、塗工層の強度低下が防止され、また、塗工層表面の摩擦係数が抑えられる。結果、教科書用紙として日々捲られたり、折れが生じたりしても、教科書用紙としての品質が過度に劣化するおそれがない。また、平均粒子径が2.0μm以下であると、筆記適性や消し適性の点でも、好都合である。
エンジニアードクレーの体積平均粒子径は、好ましくは0.3〜6.5μm、より好ましくは0.5〜6.0μm、特に好ましくは1.0〜5.0μmである。体積平均粒子径が0.3μm未満であると、印刷光沢が悪化する。他方、体積平均粒子径が6.5μmを超えると、塗工性が悪化し操業上問題が生じる場合がある。なお、デラミネートクレー及びエンジニアードクレーの体積平均粒子径は、レーザー粒径分布測定装置(レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−2200型、標準屈折率(1)、(株)島津製作所製)にて測定した値をいう。
デラミネートクレーは、粒子径2.0μm以上のものの含有割合が、好ましくは30〜45質量%、より好ましくは28〜43質量%、特に好ましくは26〜41質量%である。粒子径2.0μm以上のものの含有割合が30質量%以上であれば、カレンダー処理において塗工層がへたばるのが防止され、また、塗工層の密度が必要以上に高くなるのが防止される。結果、得られる教科書用紙の筆記適性や耐折強度が向上する。他方、粒子径2.0μm以上のものの含有割合が45質量%以下であれば、得られる教科書用紙のインク吸収性が十分なものとなり、ミッシングドットの発生が抑制される。
全顔料中のデラミネートクレー及びエンジニアードクレーの含有割合は、いずれも好ましくは35〜55質量%である。この範囲であると、本発明の課題を解決するうえで好適である。
一方、重質炭酸カルシウムとしては、基紙に含有させる填料としての重質炭酸カルシウムと同様のものを使用することができる。ただし、塗工層に重質炭酸カルシウムを含有させる目的は、鉛筆やシャーペン等の筆記用具による筆記適正と消し適正とを確保するためである。この観点から、塗工層に含有させる顔料としての重質炭酸カルシウムとしては、例えば、工場のオンサイトで製造される乾燥処理を経ない比較的に微粒子の凝集が少ない湿式重質炭酸カルシウムを使用するのが好ましい。
顔料としての重質炭酸カルシウムは、体積平均粒子径が、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.2μm以上、特に好ましくは1.4μm以上である。体積平均粒子径が1.0μm以上であると、塗工液中での重質炭酸カルシウムの分散性を確保することができ、鉛筆等による筆記においてかすれ等の問題が生じ難くなる。他方、顔料としての重質炭酸カルシウムは、体積平均粒子径が、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.9μm以下、特に好ましくは1.8μm以下である。体積平均粒子径が2.0μmを超えると、過度に鉛筆やシャーペン等の芯の磨耗が生じ、教科書用紙の汚損に繋がるおそれがあり、また、消し適正も低下するおそれがある。なお、顔料としての重質炭酸カルシウムの体積平均粒子径の測定方法は、前述した填料としての重質炭酸カルシウムの測定方法と同様である。また、重質炭酸カルシウム及び二酸化チタンの体積平均粒子径(一次粒子径)の比については、前述したとおりである。
デラミネートクレー及び重質炭酸カルシウムの含有質量比は、好ましくは10:40〜10:60、より好ましくは10:45〜10:55、特に好ましくは10:45〜10:50である。デラミネートクレーの含有質量比が低過ぎると、教科書用紙に求められる高精細な印刷適性が不十分になるおそれがある。他方、デラミネートクレーの含有質量比が高過ぎると、デラミネートクレーは扁平な構造を有するため、筆記性が劣りカスレ等の問題が生じるおそれがある。
(塗工層:接着剤)
接着剤は、顔料や黒着色剤等を基紙の表面に定着させる役割を有する。
接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス又は共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、変性澱粉、カチオン化澱粉、エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、デキストリン等の天然高分子系接着剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)などの中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
ただし、接着剤としては、澱粉等の天然高分子系接着剤又はラテックス類を使用するのが好ましく、酸化澱粉を使用するのがより好ましい。接着剤として酸化澱粉を使用すると、塗工層の柔軟性が高まり、従って得られる教科書用紙の柔軟性が高まる。なお、接着剤がブタジエンをモノマーとして含むと、得られる重合体の柔軟性が増す。
酸化澱粉としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム等による酸化反応によって、分子中にカルボキシル基等が導入されたものを使用することができる。
酸化澱粉の質量平均分子量は、好ましくは5万〜10万、より好ましくは6万〜9万、特に好ましくは6万〜8万である。酸化澱粉の質量平均分子量を5万〜10万にすると、塗工液の粘性が好適な範囲となり、塗工性が高まる。したがって、塗工層が均質化する。また、質量平均分子量を5万〜10万にすると、澱粉の基紙への浸透が低減し、白紙不透明度を高く保つことができる。ちなみに、ヒドロキシエチル化澱粉の場合であれば、質量平均分子量は、好ましくは1万〜300万、より好ましくは2万〜200万、特に好ましくは3万〜100万である。なお、澱粉の質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)に準拠して測定した値をいう。
澱粉のB型粘度(50℃、7%)は、好ましくは100〜10000mPa・s、より好ましくは200〜3000mPa・s、特に好ましくは300〜2500mPa・sである。澱粉のB型粘度を100mPa・s以上にすると、塗工液が基紙に過度に浸透するおそれがなくなり、基紙の表面に塗工層が確実に形成される。
顔料100質量部に対する接着剤の含有量は、好ましくは7〜13質量部、より好ましくは8〜12質量部、特に好ましくは9〜11質量部である。含有量を7〜13質量部にすると、柔軟な塗工層を形成することができる。結果、得られる教科書用紙の柔軟性も高まる。
(塗工層:黒着色剤)
黒着色剤としては、染料系及び顔料系のいずれをも使用することができる。染料系の黒着色剤としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、アゾ系直接染料等を使用することができる。顔料系の黒着色剤としては、有機顔料及び無機顔料のいずれをも使用することができる。以上の黒着色剤は、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、鉄黒等の中から1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、黒着色剤としては、カーボンブラックを使用するのがより好ましい。カーボンブラックを使用すると、色むらが生じ難く、また、作業性が向上する。カーボンブラックは、定着性に優れるとの利点もある。
黒着色剤は、白紙不透明度を高めるためには有効であるが、白色度を低下させるおそれもある。したがって、黒着色剤は、得られる教科書用紙の白色度が不十分になることがないよう、その添加量に留意し、また、適宜、白色顔料と組み合わせて使用するのが好ましい。
黒着色剤の添加量は、二酸化チタン5〜20質量部に対して、好ましくは2.5〜10質量部、より好ましくは3〜8質量部、特に好ましくは4〜6質量部である。黒着色剤の添加量が2.5〜10質量部であれば、白紙不透明度と白色度とのバランスがとれる。この点、黒着色剤の添加量が2.5質量部未満であると、二酸化チタンを多量に含有させなければならなくなる。他方、黒着色剤の添加量が10質量部を超えると、蛍光増白剤等を多量に含有させなければならなくなり、得られる教科書用紙の紙力が低下し、また、コストが増加する。
(塗工層:その他)
塗工層は、基紙の一方又は両方の表面(表面及び裏面)、好ましくは両方の表面に設ける(積層する)ことができる。塗工層を設けることで、印刷適性の向上を図ることができる。加えて、筆記適性や消し適性の改善も図ることができる。
塗工層は、例えば、基紙に塗工液を塗工することで形成することができる。当該塗工液は、サイズプレスやロッドメタリングサイズプレス等を使用して塗工することができる。ただし、例えば、ゲートロールコータ、ブレードコータ等のフィルムトランスファーコータを使用して塗工するのが好ましく、ゲートロールコータを使用して塗工するのがより好ましい。塗工液は、基紙表面の凹凸に沿って塗工(輪郭塗工)しないと、被覆性が不十分になり、例えば、オフセットインクを使用して多色オフセット印刷した場合に、インク濃度、インクセット性、インク着肉性等の印刷適性が不十分になるおそれがある。また、筆記適性や消し適性も不十分になるおそれがある。したがって、フィルムトランスファーコータを使用して塗工するのが好ましい。特に、ゲートロールコータを使用すると塗工液に急激なせん断力がかからないので、高速であっても均質な塗工層を形成することができる。加えて、接着剤としてチキソトロピカル性を有するエステル変性澱粉を使用した場合は、塗工液が塗工時には流動性を示すが、塗工後には流動性が抑制されて基紙に浸透し難くなる。したがって、基紙の表面に塗工層が設計通りに形成されるようになる。
塗工層は、顔料、接着剤、及び黒着色剤を含有するが、顔料及び接着剤を主成分とする。なお、主成分とは、固形分換算で塗工層全体の、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上であることをいう。
塗工層には、必要により、顔料、接着剤、及び黒着色剤以外の助剤を含有させることができる。助剤としては、例えば、蛍光増白剤、消泡剤、着色剤、保水剤等を例示することができる。
(教科書用紙)
本形態の教科書用紙は、坪量が、好ましくは60g/m2以上、より好ましくは65g/m2以上である。坪量が60g/m2未満であると、印刷不透明度や紙力が不十分になるおそれがある。また、坪量は、好ましくは75g/m2以下、より好ましくは70g/m2以下、特に好ましくは68g/m2以下である。坪量が75g/m2を超えると、本発明の課題に反する。なお、坪量は、JIS P 8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、灰分が、好ましくは7.0%以上、より好ましくは7.2%以上、特に好ましくは7.5%以上である。灰分が7.0%未満であると、インクセット性が不十分になり、インクの裏移りやインクの擦れが生じるおそれがある。また、灰分は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは13.5%以下、特に好ましくは12.0%以下である。灰分が15.0%を超えると、高速印刷において断紙トラブルが生じ易く、印刷操業性が低下するおそれがある。また、灰分が15.0%を超えると、基紙の抄紙工程においても断紙トラブルが生じ易く、生産性が低下するおそれがある。加えて、基紙の製造工程において系内の汚れが生じ易くなる。なお、灰分は、JIS P 8251に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、白色度が、好ましくは70〜75%、より好ましくは75〜85%、特に好ましくは80〜85%である。白色度が70%未満であると、印刷前の白紙外観が不十分であるとされるおそれがあり、また、印刷後の見映えも不十分であるとされるおそれがある。なお、白色度は、JIS P 8148に記載の「紙及びパルプのISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、白紙不透明度が、好ましくは90〜94%、より好ましくは91〜94%、特に好ましくは92〜93%である。白紙不透明度が90%未満であると、印刷前の白紙外観が不十分であるとされるおそれがあり、また、印刷後の見映えも不十分であるとされるおそれがある。なお、白紙不透明度は、JIS P 8149に記載の「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)」に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、印刷不透明度が、白紙不透明度よりも、好ましくは0.5〜2.0%、より好ましくは0.8〜2.0%、特に好ましくは1.0〜2.0%高い。なお、印刷不透明は、JIS P 8149に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、密度が、好ましくは0.90〜1.00g/cm3、より好ましくは0.92〜0.98g/cm3、特に好ましくは0.93〜0.97g/cm3である。なお、密度は、JIS P 8118に記載の「厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した値をいう。
本形態の教科書用紙は、平滑度(ベック平滑度)が、好ましくは250〜450秒、より好ましくは280〜420秒、特に好ましくは310〜390秒である。平滑度が250秒未満又は450秒超であると、筆記適性や消し適性が不十分であるとされるおそれがある。平滑度は、例えば、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー設備で平坦化処理を施すことによって調節することもできる。なお、平滑度は、JIS P 8119に記載の「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して測定した値をいう。
(用途)
本明細書において、教科書用紙とは、学校や塾等で日々使用されている教科書や参考書等を用途とするものをいう。ただし、教科書や参考書等は、あくまで一例であり、例えば、問題集、ガイダンス、カタログ、パンフレットなどと言われるものも含む。要は、文字や表、図形、記号等が印刷されるため印刷適性に優れることが要求されるが、鉛筆やシャーペン等の筆記用具による書き込みも想定されるため筆記適性にも優れることが要求される用紙である。この点で、通常の書籍用紙等とは、求められるものが異なる。また、この筆記適性に関連して、消しゴム等によって一度書き込まれた文字等が消されることも想定されるため消し適性も要求される。この消し適性が要求される点で、封筒などとは大きく異なる。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明の範囲は、本実施例に限定されるものではない。
まず、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、上白系古紙パルプ(DIP)、及び填料(毬栗状軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウム)をそれぞれ表1に示す割合で配合、調整してパルプスラリーを得た。次に、得られたパルプスラリーに、凝集剤を添加し、長網型抄紙機にて抄紙して基紙を得た。次に、この基紙の表裏面(両面)に、片面塗工量が18g/m2となるように塗工液を塗工して教科書用紙を得た。塗工液は、顔料、接着剤、及び黒着色剤を、それぞれ表1に示す割合で配合した。このようにして得られた教科書用紙について、以下の方法にて物性及び特性を調べた。結果は、表2に示した。
(坪量)
JIS P 8124に準拠して測定した。
(灰分)
JIS P 8251に準拠して測定した。
(白色度)
JIS P 8148に準拠して測定した。
(白紙不透明度)
JIS P 8149に準拠して測定した。
(印刷不透明度)
オフセット印刷機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)で、オフセット印刷用インク(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)のインク量を変えて印刷し、印刷面反射率が9%のときの、印刷前の裏面反射率に対する印刷後の裏面反射率の比率:
(印刷後の裏面反射率/印刷前の裏面反射率)×100(%)
を求め、印刷不透明度とした。なお、これら反射率の測定には、分光白色度測色機(スガ試験機(株)製)を使用した。
(濃度、消去率)
JIS S 6005:2007に規定の画線機を使用した画線方法に従い、パイロット製(NEOX GRAPHITE)鉛筆芯0.5mm濃度Bを使用して、次の測定を行なった。
濃度:画線紙を蛍光分光濃度計FD−7(コニカミノルタ製)で4箇所濃度測定した。
消去率:JIS S 6050−2008に記載のプラスチック字消しの消し能力(消字率)試験に準拠し、E(消字率:=消去率)=(1−M/C)×100〔M:摩消部の濃度、C:着色部の濃度〕により、消去率(5往復)を測定した。消しゴムとしては、三菱鉛筆社製(EP−60)を使用した。
(筆記感)
シャーペンにパイロット製(NEOX GRAPHITE)鉛筆芯0.5mm濃度Bを装填し、原稿用紙に正の字を筆記して、筆記感の官能評価を行った。評価基準(10回の平均値)は、以下のとおりとした。
(評価基準)
◎:スムーズに筆記でき、非常に良い。
○:特に問題なく良い。
△:若干ひっかかりがある。
×:ひっかかりがあり悪い。
(濃さ(官能評価))
上記筆記感の場合と同様に筆記して、筆記した字の濃さの官能評価を行った。評価基準(10回の平均値)は、以下のとおりとした。
(評価基準)
◎:色むら無く、非常に良い。
○:特に問題なく良い。
△:若干、色むらがある。
×:色むらがあり悪い。
(インク濃度)
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、金属ロールとゴムロールとの間隙に、オフセット印刷インク(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製、インキ使用量:0.85ml)を塗布した後、30rpmの速度で印刷し(試験片:CD方向50mm、MD方向100mm)、恒室状態(JIS P 8111に記載の「紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態」に準拠)で24時間乾燥した。この印刷サンプルについて、無作為に選択した印刷部位25箇所のインキ濃度をマクベス濃度計にて測定し、これらの平均値を求めた。なお、このインク濃度が1.2未満では、例えば、オフセット印刷において、インク濃度が不十分とされるおそれがある。他方、インク濃度が1.4を超えると、インク濃度は十分なものの、印刷不透明度の低下と、裏移りの問題が生じるおそれがある。
(特性1:インクセット性)
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、新聞用インク(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にてベタ印刷した後、得られた印刷物の印刷面にコート紙を重ねて一定圧力で圧着した。コート紙表面へのインクの転移状況を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:コート紙表面全体に全く汚れが生じていない。
○:コート紙表面の一部に僅かに汚れが生じているが、実用上問題がない。
△:コート紙表面全体に汚れが認められ、実用に適さない。
×:コート紙表面全体の汚れが著しい。
(特性2:インク着肉性)
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インク(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて連続10000部の印刷を行った。得られた印刷物について、画像の鮮明さ及び濃淡むらを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:画像が鮮明で濃淡むらが全くなく、インキ着肉性に優れる。
○:画像が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好であり、実用上問題がない。
△:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡むらがあり、インキ着肉性が良好でなく、実用に適さない。
×:全体的に、画像が不鮮明で濃淡むらが著しく、インキ着肉性に劣る。
(特性3:表面強度)
JIS K 5701−1に記載の「平版インキ−第1部:試験方法」に準拠し、転色試験機(型番:RI−1型、石川島産業機械(株)製)を使用し、インキタック18の1回刷りの条件で印刷した。教科書用紙表面の「取られ」を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:教科書用紙表面全体に全く「取られ」がない。
○:教科書用紙表面の一部に僅かに「取られ」が生じているが、実用上問題がない。
△:教科書用紙表面全体に「取られ」が認められ、実用に適さない。
×:教科書用紙表面全体の「取られ」が著しい。
(特性4:インク吸収むら)
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インク(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて印刷を行った。得られた印刷物について、インク濃度むらを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:インク濃度むらが全くなく、均一で鮮明な画像である。
○:インク濃度むらが殆どなく、均一な画像であり、実用上問題がない。
△:一部に、インク濃度むらが認められ、画像が不鮮明な箇所があり、実用に適さない。
×:全体的に、インク濃度むらが著しく、不鮮明な画像である。
Figure 0006986353
Figure 0006986353
本発明は、学校教育等で日々使用されている教科書や参考書等を用途とする教科書用紙及びその製造方法として利用することができる。

Claims (5)

  1. 原料パルプ及び填料を含有する基紙と、顔料、接着剤、及び黒着色剤を含有する塗工層とを有し、
    坪量が75g/m2以下であり、
    絶乾基準で前記原料パルプの10〜40質量%が機械パルプであり、
    前記填料として炭酸カルシウムを含有し、
    前記顔料として二酸化チタン、重質炭酸カルシウム及び平板結晶構造を示す無機微粒子を含有
    前記平板結晶構造を示す無機微粒子がエンジニアードクレー及びデラミネートクレーであり、
    前記エンジニアードクレーのアスペクト比が10以上20未満で、前記デラミネートクレーのアスペクト比が20以上である、
    ことを特徴とする教科書用紙。
  2. 前記填料としての炭酸カルシウムとして、カルサイト系炭酸カルシウム又はアラゴナイト系炭酸カルシウムが毬栗状に凝集又結晶化してなる毬栗状の軽質炭酸カルシウムと、重質炭酸カルシウムとを含有し、
    前記毬栗状の軽質炭酸カルシウム及び前記重質炭酸カルシウムの含有質量比が、1:1〜1:3であり、
    前記毬栗状の軽質炭酸カルシウムは、JIS K 5101−13−1に準拠して測定した吸油量が60〜150ml/100g、BET比表面積が5〜15m2/g、体積平均粒子径が1.0〜10.0μmである、
    請求項1に記載の教科書用紙。
  3. 記デラミネートクレー及び前記重質炭酸カルシウムの含有質量比が、10:40〜10:60である、
    請求項1又は請求項2に記載の教科書用紙。
  4. 坪量が70g/m2以下、
    紙厚が60〜80μm、
    密度が0.9〜1.1g/m3
    引張り強度の縦が3.4kN/m以上、
    引張り強度の横が1.2kN/m以上、
    引張り強度の縦及び横の積が5.0〜10.0、
    引裂き強度の横に対する縦の比が0.80〜0.98、
    クラーク剛度の横に対する縦の比が0.4〜0.6、
    耐折強度の横に対する縦の比が30〜60、
    白色度が78%以上、
    不透明度が88%以上である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の教科書用紙。
  5. 原料パルプ及び填料を含有する基紙の一方又は両方の表面に、顔料、接着剤、及び黒着色剤を含有する塗工層を設けるものとし、
    坪量を75g/m2以下とし、
    絶乾基準で前記原料パルプの10〜40質量%を機械パルプとし、
    前記填料として炭酸カルシウムを含有させ、
    前記顔料として二酸化チタン、重質炭酸カルシウム及び平板結晶構造を示す無機微粒子を含有させ、
    前記平板結晶構造を示す無機微粒子としてアスペクト比が10以上20未満のエンジニアードクレー及びアスペクト比が20以上のデラミネートクレーを使用する、
    ことを特徴とする教科書用紙の製造方法。
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