JP7552084B2 - 紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙の製造方法に関する。
一般的に紙は、パルプ繊維を水中に懸濁させたパルプスラリーから製造され、パルプスラリーには、パルプ繊維の他に必要に応じて各種薬剤が添加される。このような薬剤としては、歩留向上剤、紙力増強剤、填料、サイズ剤、粘剤等が主に使用されている。V
近年は、物流コストの削減等を目的として、紙の軽量化が検討されている。紙の軽量化の取り組みの一つとして、紙の白色度、不透明性、紙力等を向上する目的で填料と呼ばれる無機粒子(填料)の含有率を高め、高灰分とすることが挙げられる。
例えば、特許文献1には、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、紙料の調製工程のときに、填料をポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、該填料スラリーを添加することを特徴とする抄紙方法が開示されている。特許文献2には、抄紙工程において予め、填料に水溶性あるいは水分散性のカチオン性ポリマーを填料に対して1.0~10.0(重量)%加えて分散させ、これを紙力増強剤として、アニオン性ポリマーをパルプに対して0.1~0.7(重量)%加えたパルプスラリーに添加することを特徴とする、填料の前処理による紙の表面強度を向上させる抄紙方法が開示されている。
また、特許文献3には、優れた紙力を得るため炭酸カルシウムとアクリルアミド系共重合物を混合処理する、製紙用複合填料の製造方法が開示されている。ここでは、複合填料をパルプスラリーに添加して抄造することで填料内添紙を製造している。なお、いずれの文献においても炭酸カルシウムは1種類のみが用いられている。
特開2014-19995号公報 特開昭55-163298号公報 特開2016-102265号公報
上述したように炭酸カルシウムをポリマーで処理した複合填料を使用することで紙の白色度や不透明性、紙力を高めることが検討されている。しかしながら、従来技術においては、複合填料を用いた場合に、紙の強度が低下する場合があり問題となっていた。また、従来技術においては、高灰分紙を製造しようとした場合に、マシン汚れが頻発する場合があるため、改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高強度な紙を製造する方法において、紙の製造工程における抄紙系内での汚れを低減することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、第1の軽質炭酸カルシウムと、第2の軽質炭酸カルシウムと、両性ポリマーとを含むパルプスラリーを得る工程において、パルプと水を含む分散液に、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加し、その後に第2の軽質炭酸カルシウムを添加することにより、紙の強度を高めつつ、紙の製造工程における抄紙系内での汚れを低減できることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] パルプスラリーを得る工程と、パルプスラリーを抄紙する工程を含み、灰分を10~35質量%含む紙の製造方法であって、
パルプスラリーは、第1の軽質炭酸カルシウムと、第2の軽質炭酸カルシウムと、両性ポリマーとを含み、第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径よりも小さく、
パルプスラリーを得る工程は、パルプと水を含む分散液に、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加する工程を含む、紙の製造方法。
[2] 紙の灰分は22質量%以上である、[1]に記載の紙の製造方法。
[3] 第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、0.5μm以上3.0μm未満であり、第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位が-80~-15mVである、[1]又は[2]に記載の紙の製造方法。
[4] 第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、3.0~8.0μmであり、第2の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位が-15mVよりも大きい、[1]~[3]のいずれかに記載の紙の製造方法。
[5] 両性ポリマーの添加量は、第1の軽質炭酸カルシウム100質量部に対して0.1~2.0質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の紙の製造方法。
[6] 両性ポリマーは、ポリアクリルアミドである、[1]~[5]のいずれかに記載の紙の製造方法。
[7] 灰分は、軽質炭酸カルシウムを含み、軽質炭酸カルシウムの含有量は、灰分の全質量に対して80質量%以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の紙の製造方法。
[8] 紙の縦方向の比引張強度が40~60Nm/gであり、横方向の比引張強度が35~55Nm/gである、[1]~[7]のいずれかに記載の紙の製造方法。
[9] 紙の表面の軽質炭酸カルシウムの分布画像を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて組成像を取得し、画像解析ソフトIOMate2007を用いて白黒二値化した場合、白色面積率が、5~30%である、[1]~[8]のいずれかに記載の紙の製造方法。
本発明の製造方法によれば、紙の強度を高めつつ、紙の製造工程における抄紙系内での汚れを低減することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(紙の製造方法)
本発明は、パルプスラリーを得る工程と、パルプスラリーを抄紙する工程を含み、灰分を10~35質量%含む紙の製造方法に関する。ここで、パルプスラリーは、第1の軽質炭酸カルシウムと、第2の軽質炭酸カルシウムと、両性ポリマーとを含み、第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径よりも小さい。また、パルプスラリーを得る工程は、パルプと水を含む分散液に、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加する工程を含む。本発明では、パルプスラリーを得る工程において、粒子径の小さい第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加することにより、紙の強度を維持しつつ、さらに、抄紙系内での汚れ(マシン汚れ等)の発生を抑制することができる。
従来、パルプスラリーを得る工程では、紙の白色度や不透明性を高めるために軽質炭酸カルシウムを添加している。しかし、軽質炭酸カルシウムを添加した場合、紙の強度が低下したり、軽質炭酸カルシウムが紙の表面に析出することで、マシン汚れが発生する場合があり問題となっていた。そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、軽質炭酸カルシウムを含む紙の製造方法について鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、一次平均粒子径が異なる2種類の軽質炭酸カルシウムを併用し、さらに、2種類の軽質炭酸カルシウムの内、粒子径が小さい軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーを予め混合してから、パルプスラリーに添加するという手法を見出した。そして、驚くべきことに、このような手法により製造された紙においては、強度が維持され、かつ、マシン汚れが低減されることを発見した。
本発明の紙の製造方法におけるパルプスラリーを得る工程では、パルプと水を含む分散液に、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加する工程を含み、さらにその後に、第2の軽質炭酸カルシウムを添加する工程を含むことが好ましい。すなわち、パルプスラリーを得る工程は、パルプと水を含む分散液に、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を添加する工程(A)と、該工程(A)の後に、第2の軽質炭酸カルシウムを添加する工程(B)とを含むことが好ましい。また、パルプスラリーを得る工程では、後述するような任意成分をさらに混合する工程を含んでいてもよく、これら任意成分の添加順序は特に限定されるものではない。
第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を得る工程では、第1の軽質炭酸カルシウムを含む水溶液に両性ポリマーを添加し、混合液を得る。この場合、第1の軽質炭酸カルシウムを含む水溶液中における第1の軽質炭酸カルシウムの含有量は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、第1の軽質炭酸カルシウムを含む水溶液中における第1の軽質炭酸カルシウムの含有量は、50質量%以下であることが好ましい。第1の軽質炭酸カルシウムの含有量を上記範囲内とすることにより、第1の軽質炭酸カルシウムのポリマー処理を効率よく行うことができる。なお、ポリマー処理された第1の軽質炭酸カルシウムは、複合填料とも呼ばれる。
第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を得る工程で、第1の軽質炭酸カルシウムを含む水溶液に両性ポリマーを添加すると、第1の軽質炭酸カルシウムがポリマー処理され、第1の軽質炭酸カルシウムの粒子径が増大する。ポリマー処理された第1の軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は3~20μmとなることが好ましい。
パルプスラリーを抄紙する工程(以下、抄紙工程ともいう)では、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法等の抄紙方法を任意に採用できる。中でも、パルプスラリーを抄紙する工程では、中性抄紙法もしくはアルカリ性抄紙法を採用することが好ましい。抄紙機としては、ツインワイヤー式抄紙機、ギャップフォーマー式抄紙機、長網抄紙機、円網抄紙機、オントップ型抄紙機、ヤンキー抄紙機等を用いることができる。中でも、抄紙工程では、ツインワイヤー式抄紙機又はギャップフォーマー式抄紙機を用いることが好ましく、ギャップフォーマー式抄紙機を用いることが特に好ましい。ツインワイヤー式抄紙機やギャップフォーマー式抄紙機は、原料を2枚のワイヤーに挟みながら走行させることにより、上下両方に脱水する型式の抄紙機である。このため、原料はその両側でほぼ均等に脱水され、脱水速度が高められる。すなわち、ツインワイヤー式抄紙機やギャップフォーマー式抄紙機では高速抄紙が可能となり、かつ得られた紙の裏表間の風合いの差が小さくなるという利点がある。
本発明の紙の製造工程においては、紙の表面強度を向上させたり、接着剤との接着性を高めるため、紙の表面に平滑化処理を施してもよい。このような平滑化処理は、例えば加圧可能なリール間で紙を加圧処理することにより実施することができる。また、平滑化処理を施す際に、紙の表面に接するロールは平滑な表面を有し、加熱可能な金属製ロールがあることが好ましい。
また、平滑化処理は、紙を抄紙する過程で、例えば一対の金属製ロールを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(マシンカレンダーによるカレンダー処理)、金属製ロールと樹脂製ロールとを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(ソフトカレンダーによるカレンダー処理)、又はヤンキードライヤーによる乾燥処理等により実施することもできる。このような製造方法とすることにより、紙の表面の平滑性が向上し、より高精度な印刷が可能となる。
(紙)
本発明は、上述した製造方法で製造された紙に関するものであってもよい。本発明の製造方法で得られる紙は高強度である。具体的には、紙の縦方向の比引張強度は、40Nm/g以上であることが好ましく、42Nm/g以上であることがより好ましく、44Nm/g以上であることがさらに好ましい。紙の縦方向の比引張強度は、60Nm/g以下であることが好ましい。また、紙の横方向の比引張強度は、35Nm/g以上であることが好ましく、37Nm/g以上であることがより好ましく、40Nm/g以上であることがさらに好ましく、42Nm/g以上であることが特に好ましい。紙の横方向の比引張強度は、55Nm/g以下であることが好ましい。なお、紙の比引張強度は、JIS P 8113:2006に準拠し測定して得られる値である。
紙の灰分は、10質量%以上であればよく、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、22質量%以上であることが特に好ましい。また、紙の灰分は、35質量%以下であることが好ましく、33質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。このように、本発明の製造方法で得られる紙は高灰分紙であることが好ましい。なお、灰分の含有量は、JIS P 8251に記載の灰分試験方法(525℃燃焼法)によって測定される値である。
ここで、灰分は、軽質炭酸カルシウムを含む。この場合、軽質炭酸カルシウムの含有量は、灰分の全質量に対して80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。軽質炭酸カルシウムの含有量を上記範囲内とすることにより、印刷適性に優れた紙を安価に製造することが可能となる。
紙の坪量は特に限定されないが、20g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることがより好ましい。また、紙の坪量は200g/m以下であることが好ましく、170g/m以下であることがより好ましく、150g/m以下であることがさらに好ましい。
紙の厚みは特に限定されないが、25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、35μm以上であることがさらに好ましい。また、紙の厚みは250μm以下であることが好ましく、225μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法で得られる紙は、軽質炭酸カルシウムを含む。ここで、紙の表面の軽質炭酸カルシウムの分布画像を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて組成像を取得し、画像解析ソフトIOMate2007を用いて白黒二値化した場合、白色面積率は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、12%以上であることがさらに好ましい。また、白色面積率は、30%以下であることが好ましい。紙の表面の白色面積率を上記範囲内とすることによりマシン汚れをより効果的に低減することが可能となる。
上述した白色面積率は、紙の表面の組成において軽質炭酸カルシウム部分を白色、パルプ部分を灰色として観察し、二値化処理することで算出される値である。具体的には、まず、紙の表面を電子顕微鏡を用いて観察し、組成像を得る(1シート辺り、4画像以上)。ここで、組成像は、紙の表面の組成を反映したものであり、本明細書においては、軽質炭酸カルシウム部分を白色、パルプ部分を灰色として観察する。そして、得られた組成像を画像解析ソフトIOMate2007(株式会社アイ・スペック社製)を用いて、二値化処理する。二値化処理の条件において、閾値は、炭酸カルシウム由来の分布の中央値+炭酸カルシウム由来の分布の標準偏差とする。二値化処理後の画像から、白色部のピクセル数、画像全体のピクセル数を測定し、下記式より白色面積率を算出する。
白色面積率(%)=白色部のピクセル数/画像全体のピクセル数×100
(軽質炭酸カルシウム)
本発明の製造方法で得られる紙は、2種類の軽質炭酸カルシウムを含む。具体的には、一次平均粒子径の異なる、第1の軽質炭酸カルシウムと第2の軽質炭酸カルシウムを含む。ここで、第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径よりも小さい。また、第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位は-80~-15mVであり、第2の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位は-15mVよりも大きい。
第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、0.5μm以上であることが好ましく、0.7μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることがさらに好ましい。また、第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、3.0μm未満であることが好ましく、2.8μm以下であることがより好ましく、2.5μm以下であることがさらに好ましい。ここで、第1の軽質炭酸カルシウムの粒子径は、第1の軽質炭酸カルシウムの30質量%スラリーの粒度分布をレーザー回折 粒度分布測定装置(MT 3300II マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定する。そして、メジアン径(頻度の累積が50%となる粒子径)を一次平均粒子径とする。
第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位は、-80mV以上であることが好ましく、-70mV以上であることがより好ましく、-60mV以上であることがさらに好ましい。また、第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位は、-15mV以下であることが好ましい。第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位を上記範囲内とすることにより、第1の軽質炭酸カルシウムと両性ポリマーの混合物を得る工程において、ポリマー処理の効率を高めることができる。なお、第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位はJIS Z 8836:2017 電気泳動光散乱(ELS)法に準拠し測定した値である。
第1の軽質炭酸カルシウムの含有量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。また、第1の軽質炭酸カルシウムの含有量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、45質量部以下であることが好ましく、42質量部以下であることがより好ましく、40量部以下であることがさらに好ましい。第1の軽質炭酸カルシウムの含有量を上記範囲内とすることにより、ポリマー処理による紙力維持の効果をより効果的に高めることができる。
第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、3.0μm以上であることが好ましく、3.5μm以上であることがより好ましく、4.0μm以上であることがさらに好ましい。また、第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、8.0μm以下であることが好ましく、7.5μm以下であることがより好ましく、7.0μm以下であることがさらに好ましい。ここで、第2の軽質炭酸カルシウムの粒子径は、第2の軽質炭酸カルシウムの30質量%スラリーの粒度分布をレーザー回折 粒度分布測定装置(MT 3300II マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定する。そして、メジアン径(頻度の累積が50%となる粒子径)を一次平均粒子径とする。
第2の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位は、-15mVよりも大きいものであることが好ましい。なお、第2の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位はJIS Z 8836:2017 電気泳動光散乱(ELS)法に準拠し測定した値である。
第2の軽質炭酸カルシウムの含有量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。また、第2の軽質炭酸カルシウムの含有量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、45質量部以下であることが好ましく、42質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましい。第2の軽質炭酸カルシウムの含有量を上記範囲内とすることにより、ポリマー処理による紙力維持の効果をより効果的に高めることができる。
第1の軽質炭酸カルシウムと第2の軽質炭酸カルシウムの質量比は、3:7~7:3であることが好ましく、4:6~6:4であることがより好ましい。第1の軽質炭酸カルシウムと第2の軽質炭酸カルシウムの質量比を上記範囲内とすることにより、ポリマー処理による紙力維持の効果をより効果的に高めることができる。
(両性ポリマー)
本発明の製造方法で得られる紙は、両性ポリマーを含む。本明細書において、両性ポリマーとは、一分子中にアニオン基とカチオン基の両方を有するポリマーである。両性ポリマーは、パルプスラリー中において、軽質炭酸カルシウムを被覆することで、軽質炭酸カルシウムの一部を凝集させる機能を有する。これにより、軽質炭酸カルシウムをある程度以上含む紙においてもその強度を維持することができる。
両性ポリマーの重量平均分子量は100万以上であることが好ましく、150万以上であることがより好ましく、200万以上であることがさらに好ましい。また、両性ポリマーの重量平均分子量は1000万以下であることが好ましく、800万以下であることがより好ましく、700万以下であることがさらに好ましい。両性ポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。
両性ポリマーは、ポリアクリルアミドであることが好ましい。ポリアクリルアミドは、モノマーとアクリルアミドとを重合することで得られるポリマーである。ポリアクリルアミドはイオン性モノマーと非イオン性モノマーを重合して得られるものであることが好ましく、分岐状の構造をもつものであることがより好ましい。
両性ポリマーの添加量は、第1の軽質炭酸カルシウムの100質量部添加量に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。また、両性ポリマーの添加量は、第1の軽質炭酸カルシウムの100質量部添加量に対して、2.0質量部以下であることが好ましく、1.8質量部以下であることがより好ましく、1.5質量部以下であることがさらに好ましい。両性ポリマーの添加量を上記範囲内とすることにより、紙の強度をより効果的に高めることができる。さらに、両性ポリマーの添加量を上記範囲内とすることにより、マシン汚れをより効果的に抑制することができる。
(パルプ原料)
パルプスラリーを得る工程では、まず、パルプと水を含む分散液を得る。本発明で用いることのできるパルプとしては、例えば、広葉樹由来のパルプ、針葉樹由来のパルプ、非木材由来のパルプを挙げることができる。広葉樹クラフトパルプとしては、例えば、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ等を挙げることができる。また、針葉樹クラフトパルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、針葉樹亜硫酸パルプ等を挙げることができる。
また、本発明の紙に含まれるパルプには、アカシア由来の広葉樹パルプが含まれることが好ましい。アカシア由来の広葉樹パルプの含有量は、パルプの原材料全体の質量に対して30質量%以上であることが好ましい。アカシア由来の広葉樹パルプの含有量は、パルプの原材料全体の質量に対して30~100質量%であればよく、50~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましい。アカシア由来のパルプの含有量を上記範囲内とすることにより、静摩擦係数の小さい紙を製造することができる。さらに、アカシア由来の広葉樹パルプの含有量を上記範囲内とすることにより、製造工程における紙の乾燥時間を短縮することができる。
アカシア由来のパルプとしては、例えば、Acacia mangium(アカシアマンギューム)、A.auriculiformis(アカシアアウリカルフォルミス)、A.catechu(アカシアカテキュー)、A.decurrens(アカシアデカレンス)、A.holosericea(アカシアホロセリシア)、A.leptocarpa(アカシアレプトカルパ)、A.maidenii(アカシアマイデニアイ)、A.mearnsii(アカシアメランシー)、A.melanoxylon(アカシアメラノキシロン)、A.neriifolia(アカシアネリフォーラ)、A.silvestris(アカシアシリベストリス)、又はA.peregrinalis(アカシアペレグリナリス)等やこれらの交雑種(hybrid:ハイブリッド)であるアカシアから得られるパルプを用いることができる。
本発明では、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプに加えて、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、または離解・脱墨・漂白古紙パルプ、あるいはケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを用いることができる。なお、紙の全質量に対する古紙パルプの含有率は、30質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明で用いるパルプ原料のフリーネスは350~650mlCSFであることが好ましい。パルプスラリーを得る工程の前には、必要に応じて、上記フリーネスとなるように叩解工程を設けてもよい。なお、フリーネスとは、JIS-P8220に準拠して標準離解機にて試料を離解処理した後、JIS-P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
(任意成分)
本発明では、上述した軽質炭酸カルシウムや両性ポリマーに加えて、他の内添薬品や填料等を加えてもよい。内添薬品としては、例えば、澱粉等の紙力増強剤、ポリアマイド等の濾水度歩留り向上剤、消泡剤、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料等の公知の種々のものを挙げることができる。
また、パルプスラリーには、内添薬品として、水溶性アルミニウム化合物を添加してもよい。水溶性アルミニウム化合物は、紙力増強剤やサイズ剤等を紙中に定着させるための定着剤として機能する。水溶性アルミニウム化合物としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸バンド等が挙げられる。
さらに、パルプスラリーには、内添薬品として、内添サイズ剤を添加してもよい。内添サイズとしては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等を挙げることができる。内添サイズ剤を添加することで、紙の耐水性を高め、印刷適性を高めることができる。
填料としては、上述した軽質炭酸カルシウムの他に、タルクが含まれていてもよい。タルクは、含水ケイ酸マグネシウム(3MgO・4SiO・HO)を主成分とするものである。また、填料には、タルク以外の填料が含まれていてもよい。タルク以外の無機填料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、カオリン、デラミネーテッドカオリン、水和ケイ酸塩、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、若しくは水酸化亜鉛等の無機顔料や尿素・ホルマリン樹脂微粒子、若しくは微小中空粒子等の有機顔料を挙げることができる。また、古紙や損紙等をパルプ原料として用いた場合には、これらに含まれる填料も含有することができる。なお、無機填料は2種以上を混合して用いてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
原料となるパルプとして、CSF400mLの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を用いた。パルプ100質量部(絶乾質量)に対し0.5質量部の硫酸バンド(硫酸アルミニウム18水和物)と、1.2質量部のカチオン化澱粉(P-3Y、ピラースターチ株式会社製)を添加し、パルプ濃度が0.5質量%になるよう希釈した。希釈後のパルプスラリーに、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し0.14質量部のアルケニル無水コハク酸(荒川化学株式会社製)を添加した。
別の容器において、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し16質量部分の軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-121、一次平均粒子径1.7μm、奥多摩工業株式会社製)を準備し、水で30質量%に希釈した。この希釈液中に含まれる軽質炭酸カルシウム(a)100質量部(絶乾質量)に対し0.5質量部の両性ポリマー(化合物A、両性ポリアクリルアミド 星光PMC株式会社製)を添加し、3分間攪拌した。このようにポリマー処理した軽質炭酸カルシウム(a)を、パルプ濃度0.5質量%のパルプスラリーに添加した。続いてパルプ100質量部(絶乾質量)に対し、12質量部の軽質炭酸カルシウム(b)(タマパールTP-NPF、一次平均粒子径5.0μm、奥多摩工業株式会社製)を、パルプ濃度0.5質量%のパルプスラリーに添加した。続けて、パルプスラリーに、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し0.02質量部の歩留剤(ND-300、ハイモ株式会社製)を添加し、日本工業規格JIS P8222に準拠し、角型手抄きマシンで抄紙して坪量60g/mの手抄き紙を得た。
<実施例2>
混合溶液における両性ポリマー(化合物A)の添加量を軽質炭酸カルシウム(a)100質量部(絶乾質量)に対し1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<実施例3>
混合溶液における両性ポリマー(化合物A)の添加量を軽質炭酸カルシウム(a)100質量部(絶乾質量)に対し0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<実施例4>
実施例1において軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-121、一次平均粒子径1.7μm、奥多摩工業株式会社製)を、軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-221BM、一次平均粒子径2.8μm、奥多摩工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<実施例5>
実施例1において軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-121、一次平均粒子径1.7μm、奥多摩工業株式会社製)を、軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-121SA、一次平均粒子径1.1μm、奥多摩工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<比較例1>
両性ポリマー(化合物A)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<比較例2>
両性ポリマー(化合物A)の代わりにカチオン性ポリマー(化合物B、カチオン性ポリアクリルアミド、星光PMC株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<比較例3>
両性ポリマー(化合物A)の代わりにアニオン性ポリマー(化合物C、アニオン性ポリアクリルアミド、星光PCM株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<比較例4>
軽質炭酸カルシウム(a)の添加量をパルプ100質量部(絶乾質量)に対し22質量部、軽質炭酸カルシウム(b)の添加量をパルプ100質量部(絶乾質量)対し18質量部とした以外は、実施例1と同様にして、手抄き紙を得た。
<比較例5>
実施例1における希釈後のパルプスラリーに、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し0.14質量部のアルケニル無水コハク酸(ファイブラン、荒川化学株式会社製)を添加した。
別の容器において、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し12質量部分の軽質炭酸カルシウム(b)(タマパールTP-NPF、一次平均粒子径5.0μm、奥多摩工業株式会社製)を準備し、水で30質量%に希釈した。この希釈液中に含まれる軽質炭酸カルシウム(b)100質量部(絶乾質量)に対し0.5質量部の両性ポリマー(化合物A、両性ポリアクリルアミド、星光PMC株式会社製)を添加し、3分間攪拌した。このようにポリマー処理した軽質炭酸カルシウム(b)をパルプ濃度0.5質量%のパルプスラリーに添加した。続いてパルプ100質量部(絶乾質量)に対し、16質量部の軽質炭酸カルシウム(a)(タマパールTP-121、一次平均粒子径1.7μm、奥多摩工業株式会社製)を、パルプ濃度0.5質量%のパルプスラリーに添加した。続けて、パルプスラリーに、パルプ100質量部(絶乾質量)に対し0.02質量部の歩留剤(ND-300、ハイモ株式会社製)を添加し、日本工業規格JIS P8222に準拠し、角型手抄きマシンで抄紙して坪量60g/mの手抄き紙を得た。
(評価)
<粒子径>
軽質炭酸カルシウムの30質量%スラリーの粒度分布をレーザー回折 粒度分布測定装置(MT 3300II マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定し、メジアン径(頻度の累積が50%となる粒子径)を一次平均粒子径とした。
<ゼータ電位の測定>
軽質炭酸カルシウムの30質量%スラリーのゼータ電位をJIS Z 8836:2017 電気泳動光散乱(ELS)法に準拠し測定した。
<紙中の灰分量の測定>
実施例及び比較例で得られた紙の紙中の灰分量は、JIS P 8251に準拠し測定した。
<紙中灰分中の軽質炭酸カルシウムの割合>
JIS P 8251に準拠し、実施例及び比較例で得られた紙を灰化した後、その灰分の粒度分布をレーザー回折 粒度分布測定装置(MT3000II、マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定し、粒子径が1μm以上11μm未満のものを軽質炭酸カルシウム、11μm以上~16μm未満ものをタルクとして、軽質炭酸カルシウムの割合を算出した。
<比引張強度の測定方法>
実施例及び比較例で得られた紙の比引張強度は、JIS P 8113:2006に準拠し測定した。
<SEM画像の二値化>
実施例及び比較例で得られた紙の表面を電子顕微鏡を用いて下記条件で観察し、組成像を得た(1シート辺り、4画像以上)。組成像は、試料の組成を反映したものである。本実施例においては、軽質炭酸カルシウム部分を白色、パルプ部分を灰色として観察した。
<電子顕微鏡観察条件>
・分析装置 走査型電子顕微鏡 (S-3600N 株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)
・観察画像 反射電子像(組成像)
・倍率 100~150倍
・加速電圧 15.0kV
得られた組成像を画像解析ソフトIOMate2007(株式会社アイ・スペック社製)を用いて、二値化処理した。二値化処理の条件は以下のとおりとした。
<二値化処理条件>
・閾値 炭酸カルシウム由来の分布の中央値+炭酸カルシウム由来の分布の標準偏差
二値化処理後の画像から、白色部のピクセル数、画像全体のピクセル数を測定し、白色面積率を算出した。
白色面積率(%)=白色部のピクセル数/画像全体のピクセル数×100
<マシン汚れの評価>
実施例及び比較例で得られた紙を240mm角に切り出し、紙の中央部に粘着フィルム(新タック化成株式会社製CPETT75/AC/T2(-R3))6cmx12cmを貼り付け、誘導加熱式テストカレンダー(熊谷理機工業株式会社製35F-FC-200C)でカレンダー処理を実施した。
<カレンダー条件>
・温度:30℃
・ロールの回転速度:60m/min
・加圧回数:1往復
・線圧:65kgf/cm
次いで、紙から粘着フィルムを剥がし、6cmx12cmの粘着フィルムの両端を3cm除いた粘着フィルムの中央部6cmx6cmに付着したカルシウム量(カルシウム原子のX線強度)を蛍光X線分析装置で測定し、マシン汚れの指標とした。値が小さいほど、紙表面から剥離する軽質炭酸カルシウム量が少ないことを示し、マシン汚れが少ないことを意味する。
<蛍光X線分析 測定条件>
・分析装置:Rigaku社製走査型蛍光X線分析装置 ZSX Primus IV
・測定サンプル:直径27mm
・X線管球:Rhターゲット4kW
・励起光エネルギー:40kV-75mA
・測定線:Ca-KA
・2θ角ピーク:113.130deg
・測定時間:0.1sec(110-116deg)
Figure 0007552084000001
実施例で得られた紙においては、大きな強度低下がなく、製造工程におけるマシン汚れが軽減した。

Claims (5)

  1. パルプスラリーを得る工程と、前記パルプスラリーを抄紙する工程を含み、灰分を10~35質量%含む紙の製造方法であって、
    前記パルプスラリーは、第1の軽質炭酸カルシウムと、第2の軽質炭酸カルシウムと、両性ポリマーとを含み、前記第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、前記第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径よりも小さく、
    前記第1の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、0.5μm以上3.0μm未満であり、前記第1の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位が-80~-15m∨であり、
    前記第2の軽質炭酸カルシウムの一次平均粒子径は、4.0~8.0μmであり、前記第2の軽質炭酸カルシウムのゼータ電位が-15m∨よりも大きく、
    前記第1の軽質炭酸カルシウムの添加量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、5質量部以上45質量部以下であり、
    前記第2の軽質炭酸カルシウムの添加量は、紙に含まれるパルプ100質量部に対して、5質量部以上45質量部以下であり、
    前記両性ポリマーはポリアクリルアミドであり、
    前記両性ポリマーの添加量は、前記第1の軽質炭酸カルシウム100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下であり、
    前記パルプスラリーを得る工程は、パルプと水を含む分散液に、前記第1の軽質炭酸カルシウムと前記両性ポリマーの混合物を添加する工程を含む、紙の製造方法。
  2. 前記紙の灰分は22質量%以上である、請求項1に記載の紙の製造方法。
  3. 前記灰分は、軽質炭酸カルシウムを含み、前記軽質炭酸カルシウムの含有量は、前記灰分の全質量に対して80質量%以上である、請求項1又は2に記載の紙の製造方法。
  4. 前記紙の縦方向の比引張強度が40~60Nm/gであり、横方向の比引張強度が35~55Nm/gである、請求項1~のいずれか1項に記載の紙の製造方法。
  5. 前記紙の表面の軽質炭酸カルシウムの分布画像を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて組成像を取得し、画像解析ソフトIOMate2007を用いて白黒二値化した場合、白色面積率が、5~30%である、請求項1~のいずれか1項に記載の紙の製造方法。
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