JP6984057B1 - 犠牲陽極埋設方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、下記特許文献2に示すような基礎構造が知られている。この基礎構造は、土壌中に埋設され、かつ内部に杭鉄筋が配置されたコンクリート製の杭と、少なくとも一部が土壌中に埋設された鋼製の基礎部と、少なくとも一部が杭と基礎部との間に配置された絶縁部材と、を備える。
しかしながら、電気防食に用いる犠牲陽極は水平にした状態で埋設することが一般的である。このため、犠牲陽極を電気防食の効果が安定する箇所に埋設しようとすると周囲の地盤も幅広く掘削する必要がある。よって、掘削に要する手間及び掘削機を用いるための費用に支障をきたす課題があった。
更に、建築物の構成品の点数や配置によっては、地盤を幅広く掘削しようとすると前記構成品の配置に影響を及ぼす場合がある。あるいは、犠牲陽極自体が建築物の構成品に干渉する可能性があることから、建築物の地下において犠牲陽極を水平に埋設することが困難であるといった課題があった。
本発明に係る犠牲陽極埋設方法は、建築物の地下に埋設される鋼製基礎梁を防食する際に用いる犠牲陽極の埋設方法であって、前記犠牲陽極を縦穴に鉛直に埋設することを特徴とする。
更に、犠牲陽極を水平に埋設するための穴を掘削する場合と比較して、周囲の鋼製基礎梁等に影響を与えることなく、より深く穴を掘削することができる。よって、犠牲陽極をより深い場所に埋設することができる。よって、土壌中の電気抵抗が小さい箇所に埋設することで、より電気防食の効果を大幅に向上することができる。
また、犠牲陽極を鉛直に埋設することで、上述のように比較的深い場所に犠牲陽極を埋設することができる。ここで、土壌中に犠牲陽極を埋設するとき、地表から深い位置ほど電気抵抗が小さくなる。よって、土壌中の電気抵抗が小さい箇所に犠牲電極を打設することができる。これにより、上述の作用効果をより顕著なものにすることができる。
図1に示すように、犠牲陽極Aは棒状の部材である。犠牲陽極Aの一方の端部には、導通ケーブルCが接続されている。犠牲陽極Aには、主にマグネシウム合金陽極が好適に用いられる。また、犠牲陽極Aは、例えば、布袋の内部に収容された前記マグネシウム合金陽極の周囲に、陽極電位の安定化などの役割を有するバックフィルが充填され、直径150〜200mm、長さ1200mdの円柱状に成形されたものが好適に用いられる。
図1に示すように、本実施形態に係る犠牲陽極Aは、縦穴H1に埋設される。このとき、犠牲陽極Aの一方の端部が上側に、他方の端部が縦穴H1の底側になるように配置される。つまり、本実施形態の埋設方法において、犠牲陽極Aは、縦穴H1に鉛直に埋設される。なお縦穴H1とは、鉛直方向の深さが、水平方向の幅よりも大きい穴のことを意味する。また、犠牲陽極Aが鉛直に埋設されることは、犠牲陽極Aの長手方向が鉛直方向に対して、例えば15度前後の傾斜角度をもって傾斜している場合なども含まれる。
この電気防食において、犠牲陽極Aは、他方の端部が建築物の鋼製基礎梁11をはじめとした基礎部材(例えば、フーチング)の下端以下に埋設されることが好ましい。これにより、1つの犠牲陽極Aによって導通する鋼製基礎梁11の範囲を大きくすることで、設置する犠牲陽極Aを必要最小限とする。
縦穴H1の直径は、犠牲陽極Aの直径の1.5〜3倍(300〜600mm)程度とすることが好ましい。上述の範囲において、現場における施工性等を考慮して適宜決定する。また、縦穴H1の深さは、上述のように、犠牲陽極Aの他方の端部が建築物の鋼製基礎梁11をはじめとした基礎部材の下端以下に埋設されることが好ましい。
ここで、本実施形態における鋼製基礎梁11は、下端が深さ1m程度になるように埋設される。このため、縦穴H1の深さは、深さ1〜2.5m程度の範囲で掘削されることが好ましい。また、縦穴H1には、犠牲陽極Aと共に導通ケーブルCのみ埋設可能とすることが好ましい。例えば、縦穴H1の容積は、犠牲陽極Aの500〜1900%程度とすることが好ましい。これにより、縦穴H1の大きさを必要最小限とすることに担保する。
導通ケーブルCは、一方の端部が犠牲陽極Aの一方の端部に接続される。また、他方の端部は、接続箱30に接続されている(後述する)。導通ケーブルCには、公知のものが適宜選択の上用いられることが好ましい。
表1は、土壌内において犠牲陽極Aを配置した深さと、抵抗値との関係を示す。表1に示すように、土壌内の深さ(測定深度)が深くなるにつれて、抵抗値が減少していることがわかる。すなわち、土壌内の深さが深い方が、より防食電流が流れやすくなる。
また、図4は、図3において配置した防食回路100を示すものである。図4に示すように、防食回路100は、主回路10と、測定回路20と、接続箱30と、を備える。
第1電極1は、第1接続箱31において測定回路20及びターミナル12等とともに集約される犠牲陽極Aである。(後述する)。
第2電極2は、第2接続箱32に集約される犠牲陽極Aである。第2接続箱32においては、第2電極2のみが集約される(後述する)。
接続線5は、防食回路100において各構成部品間を接続する。特に、第1接続箱31と第1電極1、ターミナル12及び測定回路20との間や、第2接続箱32と第2電極2との間を接続する。
渡り線4及び接続線5には、例えば、公知の導通ケーブルCが好適に用いられる。
ターミナル12は、鋼製基礎梁11と第2接続箱32との間に設けられる。これにより、ターミナル12は、鋼製基礎梁11と第2接続箱32との間における電位を測定する。測定された電位は、測定回路20において測定された電位とともに、防食回路100における抵抗値の解析に用いられる。
亜鉛照合電極21は、土中に埋設して電位を測定する。プローブ電極22は、防食対象となる鋼製基礎梁11に絶縁性の高い被膜が施されている場合に、測定した電位の誤差を除去する役割を有する。またプローブ電極22は、実際に防食回路100に防食電流が流れていることを確認する役割も有する。
亜鉛照合電極21及びプローブ電極22は、いずれも公知のものが好適に用いられる。
第1接続箱31は、第1電極1と、測定回路20の亜鉛照合電極21及びプローブ電極22と、ターミナル12と、に接続された接続線5を集約する。第1接続箱31と第2接続箱32とは、渡り線4によって接続さえている。
第2接続箱32は、主に第2電極2に接続された接続線5のみを集約する。
更に、犠牲陽極Aを水平に埋設するための穴を掘削する場合と比較して、周囲の鋼製基礎梁11等に影響を与えることなく、より深く穴を掘削することができる。よって、犠牲陽極Aをより深い場所に埋設することができる。よって、土壌中の電気抵抗が小さい箇所に埋設することで、より電気防食の効果を大幅に向上することができる。
また、犠牲陽極Aを鉛直に埋設することで、上述のように比較的深い場所に犠牲陽極Aを埋設することができる。ここで、土壌中に犠牲陽極Aを埋設するとき、地表から深い位置ほど電気抵抗が小さくなる。よって、土壌中の電気抵抗が小さい箇所に犠牲電極を打設することができる。これにより、上述の作用効果をより顕著なものにすることができる。
例えば、第1電極1及び第2電極2は、鋼製基礎梁11において複数設けてもよい。
A 犠牲陽極
C 導通ケーブル
H1 縦穴
Claims (3)
- 建築物の地下に埋設される鋼製基礎梁を防食する際に用いる犠牲陽極の埋設方法であって、
前記犠牲陽極を、鉛直方向の深さが水平方向の幅よりも大きい縦穴に鉛直に埋設し、
前記犠牲陽極は、前記建築物における前記鋼製基礎梁の下端以下に埋設され、
前記鋼製基礎梁は、平面視において前記鋼製基礎梁の構成要素が重ならない領域を備え、
前記犠牲陽極は、前記領域に設けられた前記縦穴に埋設させることを特徴とする、
犠牲陽極埋設方法。 - 前記犠牲陽極は、前記鋼製基礎梁の平面視における中央に埋設することを特徴とする、
請求項1に記載の犠牲陽極埋設方法。 - 前記犠牲陽極を埋設する縦穴の直径が、前記犠牲陽極の直径の1.5倍以上3倍以下で、前記縦穴の深さが1m以上2.5m以下であり、
前記縦穴には、前記犠牲陽極と共に導通ケーブルのみを埋設可能なことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の犠牲陽極埋設方法。
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