JP6983497B2 - 偏光フィルム、液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
偏光子の両面に、水系接着剤層を介して、第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルムを有する偏光フィルムであって、
前記第1透明保護フィルムは、透湿度(p1)が370〜430g/m2/24hであり、
前記前記第2透明保護フィルムは、透湿度(p2)が1〜15g/m2/24hあることを特徴とする偏光フィルム、に関する。
前記液晶セルの視認側の偏光フィルムとして、前記偏光フィルムが、当該偏光フィルムの第1透明保護フィルムが視認側、第2透明保護フィルムが液晶セル側になるように配置されていることを特徴とする液晶パネル、に関する。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなどが挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。
前記のように、第1透明保護フィルム(b1)には、透湿度(p1)が370〜430g/m2/24hであるものを用いる。前記透湿度(p1)は水系接着剤を用いて偏光フィルムを製造する場合に、当該接着剤の乾燥不足によって、偏光フィルムの偏光機能が低下する観点から、390〜410g/m2/24hであるのが好ましい。前記透湿度(p1)が370g/m2/24h未満の場合には加湿環境下での耐久性が十分ではなく、偏光度の低下を十分に抑制することができない。一方、前記透湿度(p1)が430g/m2/24hを超える場合にも、加湿環境下での耐久性が十分ではなく、偏光度の低下を十分に抑制することができない
透明保護フィルムの厚みは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜200μm程度である。特に1〜100μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、さらには5〜80μmの薄型の場合に好適である。
前記第1、第2透明保護フィルム(b1,b2)と偏光子(a)は、水系接着剤層(c1,c2)を介して積層される。
前記第1、第2透明保護フィルム(b1,b2)と偏光子(a)は、水系接着剤層(c1,c2)の他に、さらに易接着層、下塗り層(プライマー層)などの介在層を介して積層することができる。
前記粘着剤層の形成には、適宜な粘着剤を用いることができ、その種類について特に制限はない。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などがあげられる。
本発明の偏光フィルム(P)は、図2に示すように、液晶セル(C)の視認側の偏光フィルムとして好適に用いられて、液晶パネルを形成する。本発明の偏光フィルム(P)は、第1透明保護フィルム(b1)が視認側、第2透明保護フィルム(b2)が液晶セル(C)側になるように配置される。液晶パネルでは、液晶パネルの背面側にも偏光フィルムが配置されるが、当該偏光フィルムに特に制限はない。
液晶表示装置には、上記液晶パネルが用いられ、必要に応じて照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成される。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。また、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させながらPVA系樹脂フィルムの長さが元長の2.0倍となるように一軸延伸を行った。次いで、0.3重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=0.5/8)の30℃のヨウ素溶液中に浸漬し、PVA系樹脂フィルムの長さが元長の3.0倍となるように一軸延伸しながら染色した。その後、6ホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液中で、PVA系樹脂フィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。さらに、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥し、厚さ12μmの偏光子を得た。
≪表面処理層付き透明保護フィルム(b1−1)≫
基材フィルム(b11):厚み25μmのトリアセチルセルロースフィルムにケン化処理を施したものを用いた。当該基材フィルムの透湿度は1200g/m2・24hであった。
アクリル系ハードコート樹脂(大日本インキ化学工業(株)製,ユニディック17−813)をイソプロピルアルコールに分散させた固形分濃度25重量%の塗工液を前記基材フィルム(b11)の片面に塗布し、80℃で2分間乾燥させ、さらに紫外線処理することにより、厚さ7μmのハードコート層(鉛筆硬度3H)を形成し、ケン化処理を施して用いた。得られた表面処理層付き透明保護フィルム(b1−1)の厚みは32μm、透湿度は400g/m2・24hであった。
表面処理層付き透明保護フィルム(b1−1)において、基材フィルム(b11)の代わりに、厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムにケン化処理を施したもの(当該基材フィルムの透湿度は650g/m2・24hであった)を用いたこと以外は、同様の操作を行った。得られた表面処理層付き透明保護フィルム(b1−2)の厚みは47μm、透湿度は350g/m2・24hであった。
フィルム(b2‐1):厚さ13μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン社製:ZEONOR)にコロナ処理を施して用いた。当該フィルム(b2‐1)の透湿度は12g/m2・24hであった。
フィルム(b2‐2):厚さ23μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン社製:ZEONOR)にコロナ処理を施して用いた。当該フィルム(b2‐2)の透湿度は5g/m2・24hであった。
JIS Z0208に記載の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に基づいて測定した。
上記偏光子(厚み12μm)の両面に、水系接着剤層の厚さが0.1μmになるようにポリビニルアルコール系接着剤を塗布しながら、上記第1透明保護フィルム(b1−1:表面処理層を設けていない側)および第2透明保護フィルム(b21)を貼合せたのち、50℃で5分間の乾燥を行って偏光フィルムを作製した。
実施例1において、偏光子の種類(厚み)、第1、2透明保護フィルムの種類を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。
(アクリル系ポリマー(A1)の調製)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート74.8部、フェノキシエチルアクリレート23部、N−ビニル−2−ピロリドン1.5部、アクリル酸0.3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.4部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー]混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)160万、Mw/Mn(数平均分子量)=3.7のアクリル系ポリマー(A)の溶液を調製した。
各例で得られた偏光フィルムの第2透明保護フィルム側を、上記の粘着剤層を介してガラスに貼り合わせたものをサンプルとした。当該サンプルを、85℃/85%R.H.の恒温恒湿機に500時間投入した。投入前と投入後の偏光フィルムの偏光度を、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製のV7100)を用いて測定し、偏光度の変化量ΔP(%)=(投入前の偏光度(%))−(投入後の偏光度(%))、を求めた。偏光度の変化量ΔPは、0.05%以下であることが好ましく、さらには0.03%以下であることが好ましく、さらには0.02%未満であることが好ましい。
なお、偏光度Pは、2枚の同じ偏光フィルムの第2透明保護フィルム側(ガラス側)同士を両者の透過軸が平行となるように重ね合わせた場合の透過率(平行透過率:Tp)および、両者の透過軸が直交するように重ね合わせた場合の透過率(直交透過率:Tc)を以下の式に適用することにより求められるものである。偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
各透過率は、グランテラープリズム偏光子を通して得られた完全偏光を100%として、JIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値で示したものである。測定波長は、波長410nmであった。得られた410nmにおける直交透過率を光学特性評価の指標とした。
a 偏光子
b1 第1透明保護フィルム
b11 基材フィルム
b12 表面処理層
b2 第2透明保護フィルム
A 粘着剤層
C 液晶セル
Claims (8)
- 偏光子の両面に、水系接着剤層を介して、第1透明保護フィルムおよび第2透明保護フィルムを有する偏光フィルムであって、
前記第2透明保護フィルムの厚みが10〜25μmであり、
前記第1透明保護フィルムは、透湿度(p1)が370〜430g/m2/24hであり、
前記第2透明保護フィルムは、透湿度(p2)が1〜15g/m2/24hであり、
前記透湿度(p1)と前記透湿度(p2)との比(p1/p2)が33〜90を満足し、
前記透湿度は、JIS Z0208に記載の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に基づいて測定されることを特徴とする偏光フィルム。 - 前記偏光子の厚みが5〜25μmであることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルム。
- 前記第1透明保護フィルムが、セルロース系樹脂フィルムを有することを特徴とする請求項1または2記載の偏光フィルム。
- 前記第1透明保護フィルムが、表面処理層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルム。
- 前記第1透明保護フィルムの厚みが25〜47μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光フィルム。
- 前記第2透明保護フィルムが、環状オレフィン系樹脂フィルムを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光フィルム。
- 液晶セル、並びに、前記液晶セルの視認側および背面側に偏光フィルムが配置された液晶パネルであって、
前記液晶セルの視認側の偏光フィルムとして、請求項1〜6のいずれかに記載の偏光フィルムが、当該偏光フィルムの第1透明保護フィルムが視認側、第2透明保護フィルムが液晶セル側になるように配置されていることを特徴とする液晶パネル。 - 請求項7記載の液晶パネルが用いられていることを特徴とする液晶表示装置。
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