JP6983170B2 - 接着剤層を備えたポリ乳酸ポリマー系フィルム - Google Patents

接着剤層を備えたポリ乳酸ポリマー系フィルム Download PDF

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Description

PLA系フィルムとフィルム上に配置された(例えば感圧)接着剤の層とを含む、テープ又はシートなどの物品が記載される。
一実施形態では、PLA系フィルムは、半結晶性ポリ乳酸ポリマーと、少なくとも25℃のガラス転移温度(Tg)を有するポリビニルアセテートポリマーなどの第2のポリマーと、可塑剤とを含む。
いくつかの実施形態では、テープ又はシートは、低接着性バックサイズ又は剥離ライナーを更に含む。物品は、様々な最終用途に好適なものであり得る。一実施形態では、テープは塗料マスキングテープである。別の実施形態では、テープはフロアマーキングテープである。
冷却中にシャープな結晶化ピーク発熱を示す、核形成剤を含む組成物の代表的なDSCプロファイルである。 冷却中に結晶化ピーク発熱を示さなかった、核形成剤を含まない組成物の代表的なDSCプロファイルである。 実施例12の動的粘弾性測定結果を示す図である。 実施例16の動的粘弾性測定結果を示す図である。
本明細書に記載の物品は、ポリ乳酸(「PLA」)ポリマーフィルムを備える。乳酸は、コーンスターチ又は甘蔗糖の細菌発酵によって得られた再生可能材料であり、よって天然の、又は言い換えれば「バイオマス」材料と考えられる。乳酸には、L−乳酸((S)−乳酸としても知られる)及びD−乳酸((R)−乳酸としても知られる)の2種類の光学異性体がある。
Figure 0006983170
乳酸のポリエステル化により、ポリ乳酸ポリマーが生成する。
より典型的には、乳酸は、典型的には、以下に示すように、環状ラクチドモノマーに変換され、ラクチドは開環重合する。
Figure 0006983170
結果として得られるポリマー材料は、典型的にはポリラクチドポリマーと呼ばれる。
結晶化度、ひいては多くの重要な特性は、使用されるL環状ラクチドモノマーに対する、D及び/又はメソ−ラクチドの比によって主に調節される。同様に、乳酸の直接ポリエステル化によって調製されたポリマーでは、結晶化度は、L−乳酸から誘導された重合単位に対する、D−乳酸から誘導された重合単位の比によって主に調節される。
本明細書に記載の物品のフィルムは、一般に、単独で、又は非晶質PLAポリマーと組み合わせて、半結晶性PLAポリマーを含む。半結晶性PLAポリマー及び非晶質PLAポリマーは両方とも、一般に、低濃度の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド)とともに、高濃度の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド)を含む。
半結晶性PLAポリマーは、典型的には、少なくとも90、91、92、93、94、又は95wt%(重量%)の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド)、及び10、9、8、7、6、又は5重量%以下の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。更にその他の実施形態では、半結晶性PLAポリマーは、少なくとも96重量%の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド)、及び4、3、又は2重量%未満の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。同様に、フィルムは、フィルム中の半結晶性PLAポリマーの濃度に応じて、更に低濃度の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。例えば、フィルム組成物が、約2重量%のD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチドを有する、半結晶性PLAを15重量%含む場合、フィルム組成物は、約0.3重量%のD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチドを含む。フィルムは、一般に、9、8、7、6、5、4、3、2、1.5、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1重量%以下の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。半結晶性PLAの好適な例としては、Natureworks(登録商標)Ingeo(登録商標)4042D及び4032Dが挙げられる。これらのポリマーは、約200,000g/モルの分子量Mw、約100,000g/モルのMn、及び約2.0の多分散度を有すると文献に記載されている。
あるいは、半結晶性PLAポリマーは、少なくとも90、91、92、93、94、又は95重量%の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド)、及び10、9、8、7、6、又は5重量%以下の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。更にその他の実施形態では、半結晶性PLAポリマーは、少なくとも96重量%の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド)、及び4、3、又は2重量%未満の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。同様に、フィルムは、フィルム中の半結晶性PLAポリマーの濃度に応じて、更に低濃度の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。例えば、フィルム組成物が、約2重量%のL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチドを有する、半結晶性PLAを15重量%含む場合、フィルム組成物は、約0.3重量%の、L−ラクチド及び/又はメソ−ラクチドを含む。フィルムは、一般に、9、8、7、6、5、4、3、2、1.5、1.0、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1重量%以下の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。このような半結晶性PLAの例は、「Synterra(登録商標)PDLA」として入手可能である。
フィルム組成物は、半結晶性PLAとブレンドした非晶質PLAポリマーを更に含んでもよい。非晶質PLAは、典型的には、90重量%以下の、L−乳酸から誘導された重合単位、及び10重量%より多い、D乳酸から誘導された重合単位(例えばD−乳酸ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。いくつかの実施形態では、非晶質PLAは、少なくとも80又は85重量%の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド)を含む。いくつかの実施形態では、非晶質PLAは、20又は15重量%以下の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。好適な非晶質PLAとしては、Natureworks(登録商標)Ingeo(登録商標)4060Dグレードが挙げられる。このポリマーは、約180,000g/モルの分子量Mwを有することが文献に記載されている。
あるいは、非晶質PLAは、典型的には、90重量%以下の、D−乳酸から誘導された重合単位、及び10重量%より多い、L乳酸から誘導された重合単位(例えばL−乳酸ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。いくつかの実施形態では、非晶質PLAは、少なくとも80又は85重量%の、D−乳酸から誘導された重合単位(例えばD−ラクチド)を含む。いくつかの実施形態では、非晶質PLAは、20又は15重量%以下の、L−乳酸から誘導された重合単位(例えばL−ラクチド及び/又はメソ−ラクチド)を含む。
PLAポリマーは、好ましくは、210℃、質量2.16kgで、25、20、15、又は10g/分以下のメルトフローレート(ASTM D1238に従って測定される。)を有する「フィルムグレード」ポリマーである。いくつかの実施形態では、PLAポリマーは、210℃で10又は9g/分未満のメルトフローレートを有する。メルトフローレートは、PLAポリマーの分子量に関連している。PLAポリマーは、典型的には、ポリスチレン標準物質を用いてゲル浸透クロマトグラフィによって決定される、少なくとも50,000g/モル、75,000g/モル、100,000g/モル、125,000g/モル、150,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する。いくつかの実施形態では、分子量(Mw)は、400,000g/モル、350,000g/モル又は300,000g/モル以下である。
PLAポリマーは、典型的には、約25〜150MPaの範囲の引張強度、約1000〜7500MPaの範囲の引張弾性率、及び少なくとも3、4、又は5から約10又は15%までの範囲の引張伸びを有する。いくつかの実施形態では、PLAポリマーの破断点引張強度は少なくとも30、35、40、45又は50MPaである。いくつかの実施形態では、PLAポリマーの引張強度は125、100又は75MPa以下である。いくつかの実施形態では、PLAポリマーの引張弾性率は少なくとも1500、2000、2500又は3000MPaである。いくつかの実施形態では、PLAポリマーの引張弾性率は7000、6500、6000、5500、5000、又は4000MPa以下である。このような引張及び伸び特性は、ASTM D882によって決定することができ、典型的には、このようなPLAポリマーの製造業者又は供給業者から報告されている。
PLAポリマーは一般に、以下の実施例に記載されている通り示差走査熱量測定(DSC)により決定することができる、約50〜65℃の範囲のガラス転移温度Tgを有する。いくつかの実施形態では、Tgは少なくとも51、52、53、54又は55℃である。
半結晶性PLAポリマーは、典型的には、140〜175℃、180℃、185℃又は190℃の範囲の(例えばピーク)融点を有する。いくつかの実施形態では、(例えばピーク)融点は少なくとも145、150又は155℃である。PLAポリマーは、典型的には、半結晶性PLAを、単独で、又は非晶質PLAポリマーと組み合わせて含み、180、190、200、210、220又は230℃の温度で溶融加工することができる。
一実施形態では、PLAポリマーは結晶化してステレオコンプレックスを形成することができる(Macromolecules,1987,20(4),pp 904〜906)。PLAステレオコンプレックスは、PLLA(主としてL−乳酸又はL−ラクチド単位から重合したPLAホモポリマー)を、PDLA(主としてD−乳酸又はD−ラクチド単位から重合したPLAホモポリマー)とブレンドすると形成される。PLAのステレオコンプレックス結晶は、この結晶の融点が210〜250℃の範囲であるため興味深い。ステレオコンプレックスPLA結晶の融解温度が高くなると、PLA系材料の熱安定性が高向上する。PLAステレオコンプレックス結晶により、PLAホモポリマーの結晶体が有効に核生成することも知られている(Polymer,Volume 47,Issue 15,12 July 2006,Page 5430)。この核生成効果は、PLA系材料の全体の結晶化度を増加させ、ひいては材料の熱安定性が向上する。
フィルム組成物は、典型的には、半結晶性PLAポリマー又は半結晶性PLAと、非晶質PLAとのブレンドを、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、少なくとも40、45又は50重量%の量で含む。PLAポリマーの総量は、典型的には、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量の、90、85、80、75、又は70重量%以下である。
フィルム組成物が半結晶性PLAと非晶質PLAとのブレンドを含む場合、半結晶性PLAの量は、典型的には、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、少なくとも5、10、15又は20重量%である。いくつかの実施形態では、非晶質PLAポリマーの量は、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、10、15、25又は30重量%から、50、55又は60重量%以下の範囲である。非晶質PLAポリマーの量は、結晶性ポリマーの量より多くもよい。
フィルム組成物は、ポリビニルアセテートポリマーなどの第2のポリマーを更に含む。第2のポリマーは、可塑剤の濃度(下記の実施例に記載の試験方法によって決定される)を可塑剤の移行(plasticizer migration)なしで増加させることができるように、PLAと可塑剤との相溶性を改善できる。
第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーは、少なくとも25、30、35又は40℃のTgを有する。第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーのTgは、典型的には80、75、70、65、60、55、50又は45℃以下である。
第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーは、典型的には、少なくとも50,000g/モル、75,000g/モル、100,000g/モル、125,000g/モル、150,000g/モル、175,000g/モル、200,000g/モル、225,000g/モル又は250,000g/モルの、重量又は数平均分子量(ポリスチレン標準物質を用いたサイズ排除クロマトグラフィにより決定される)を有する。いくつかの実施形態では、分子量(Mw)は、2,000,000g/モル、1,500,000g/モル、1,000,000g/モル、750,000g/モル、500,000g/モル、450,000g/モル、400,000g/モル、350,000g/モル又は300,000g/モル以下である。いくつかの実施形態では、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの分子量は、PLAポリマーの分子量より高い。一実施形態では、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーは、10〜50又は100mPasの範囲の、20℃での10重量%のエチルアセテート溶液中での粘度を有するものとして特徴付けることができる。別の実施形態では、第2の(例えばポリビニル)アセテートポリマーは、5〜20mPasの範囲の、20℃での5重量%のエチルアセテート溶液中での粘度を有するものとして特徴付けることができる。
いくつかの有利な実施形態では、第2のポリマーはポリビニルアセテートポリマーである。ポリビニルアセテートポリマーは、典型的にはホモポリマーである。しかし、ポリビニルアセテートポリマーのTgが前述の範囲内であるという条件で、ポリマーは、比較的低濃度の、他のコモノマーから誘導された繰り返し単位を含んでもよい。他のコモノマーとしては、例えば、アクリル酸及びメチルアクリレートなどのアクリルモノマー、ビニルクロライド及びビニルピロリドンなどのビニルモノマー、並びにエチレンなどのC〜Cアルキレンモノマーが挙げられる。ポリビニルアセテートポリマーの、他のコモノマーから誘導された繰り返し単位の総濃度は、典型的には、10、9、8、7、6、又は5重量%以下である。いくつかの実施形態では、ポリビニルアセテートポリマーの、他のコモノマーから誘導された繰り返し単位の総濃度は、典型的には、4、3、2、1又は0.5重量%以下である。ポリビニルアセテートポリマーは、典型的には、低レベルに加水分解されている。ビニルアルコール単位に加水分解されたポリビニルアセテートポリマーの重合単位は、一般に、ポリビニルアセテートポリマーの、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1又は0.5モル%以下である。
ポリビニルアセテートポリマーは、商品名VINNAPAS(登録商標)(Wacker)、及び商品名VINAVIL(Vinavil Americas Corporation(West Chicago,IL))、をはじめとして、様々な供給元から市販されている。PLAと組み合わせる前、このようなポリビニルアセテートポリマーは、(例えば白色の)固体粉末又は無色のビーズ形態であることが多い。いくつかの実施形態では、ポリビニルアセテートポリマー(PLAポリマーと組み合わせる前は例えば粉末)は水再分散性ではない。
単一の第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー又は2種以上の第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの組み合わせを利用することができる。
本明細書に記載のフィルム組成物中に存在する第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの総量は、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%であり、かつ典型的には約50、45、又は40重量%以下である。いくつかの実施形態では、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの濃度は、少なくとも15又は20重量%の量で存在する。
いくつかの実施形態では、フィルム組成物は、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、又は20℃未満のTgを有し、80℃で24時間経時劣化させた(実施例に記載されている試験方法に従って)場合に可塑剤の移行を呈さない。この特性は、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーが含まれることに起因する。
フィルム組成物は、可塑剤を更に含む。フィルム組成物中の可塑剤の総量は、典型的には、PLAポリマー、第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、約5重量%〜約35、40、45又は50重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、可塑剤の濃度は、フィルム組成物の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15重量%である。
PLAを可塑化可能な様々な可塑剤が、当該技術分野において記載されている。可塑剤は一般に25℃で液体であり、典型的には、約200g/モル〜10,000g/モルの範囲の分子量を有する。いくつかの実施形態では、可塑剤の分子量は5,000g/モル以下である。他の実施形態では、可塑剤の分子量は、4,000、3,000、2,000又は1,000g/モル以下である。可塑剤の様々な組み合わせを利用することができる。
可塑剤は、好ましくは、1つ以上のアルキルエステル基若しくは脂肪族エステル基又はエーテル基を含む。典型的には、多官能性エステル及び/又はエーテルが好ましい。これらとしては、アルキルリン酸エステル、ジアルキルエーテルジエステル、トリカルボン酸エステル、エポキシ化油及びエステル、ポリエステル、ポリグリコールジエステル、アルキルアルキルエーテルジエステル、脂肪族ジエステル、アルキルエーテルモノエステル、クエン酸エステル、ジカルボン酸エステル、植物油及びそれらの誘導体、並びにグリセリンのエステルが挙げられる。このような可塑剤には一般に、芳香族基及びハロゲン原子がなく、生分解性であることが予期される。このような可塑剤は、通常、C〜C10の炭素鎖長を有する、直鎖又は分枝アルキル末端基を更に含む。
一実施形態では、可塑剤は、以下の式(I)
Figure 0006983170

[式中、
Rは独立して、同じであっても又は異なっていてもよいアルキル基であり、
R’はH又は(C〜C10)アシル基である。]で表されるバイオ系クエン酸系可塑剤である。
Rは、典型的には、独立して、C〜C10の炭素鎖長を有する直鎖又は分枝アルキル基である。いくつかの実施形態では、RはC〜C又はC〜C直鎖アルキル基である。いくつかの実施形態では、R’はアセチルである。他の実施形態では、少なくとも1つのRは、C以上の炭素鎖長を有する分枝アルキル基である。いくつかの実施形態では、分枝アルキル基は8以下の炭素鎖長を有する。
代表的なクエン酸系可塑剤としては、例えば、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリヘキシルシトレート、アセチルトリヘキシルシトレート、トリオクチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート、ブチリルトリヘキシルシトレート、アセチルトリス−3−メチルブチルシトレート、アセチルトリス−2−メチルブチルシトレート、アセチルトリス−2−エチルヘキシルシトレート、及びアセチルトリス−2−オクチルシトレートが挙げられる。他の代表的なクエン酸系可塑剤は、Vertellus Specialties,Incorporated(Indianapolis,IN)から商品名CITROFLEX A−4 PLASTICIZERで入手可能なアセチルトリ−n−ブチルシトレートである。
別の実施形態では、可塑剤は、ポリエチレングリコール骨格及びエステルアルキル末端基を含む。ポリエチレングリコール部分の分子量は、典型的には少なくとも100、150又は200g/モル、かつ1,000g/モル以下である。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール部分は、900、800、700、又は600g/モル以下の分子量を有する。例としては、Hallstar(Chicago,IL)から商品名「TegMeR(登録商標)809」で入手可能なポリエチレングリコール(400)ジ−エチルヘキサノエート、及びHallstar(Chicago,IL)から商品名「TegMeR(登録商標)804」で入手可能なテトラエチレングリコールジ−エチルヘキサノエートが挙げられる。
別の実施形態では、可塑剤は、Eastman(Kingsport,TN)からAdmex(登録商標)6995として市販されているものなど、ポリマーアジペート(すなわち、アジピン酸から誘導されたポリエステル)として特徴付けることができる。
別の実施形態では、可塑剤は、米国特許第8,158,731号に記載されているものなど、置換又は非置換の脂肪族ポリエステルであり、本明細書に参照により組み込まれる。
いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステル可塑剤は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及び/又はセバシン酸から誘導し得る繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリマーブレンドのポリエステルは、1,3−プロパンジオール及び/又は1,2−プロパンジオールから誘導し得る繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリマーブレンドのポリエステルは、1−オクタノール、1−デカノール、及び/又はそれらの混合物から誘導し得る1つ又は2つの停止剤単位を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリマーブレンドのポリエステルは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及び/又はセバシン酸から誘導し得る繰り返し単位と、1,3−プロパンジオール及び/又は1,2−プロパンジオールから誘導し得る繰り返し単位と、1−オクタノール、1−デカノール、及び/又はそれらの混合物から誘導し得る1つ又は2つの停止単位とを含む。
いくつかの実施形態では、脂肪族ポリエステル可塑剤は、以下の式
Figure 0006983170

[式中、nは1〜1000でありRは、共有結合及び1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換の脂肪族炭化水素基からなる群から選択され、Rは1〜20個の炭素原子を有する置換又は非置換の脂肪族炭化水素基であり、Xは、−OH、−OC−R−COH及び−OC−R−COからなる群から選択され、Xは、−H、−R−OH、及びRからなる群から選択され、Rは1〜20個の炭素原子を有する置換又は非置換の脂肪族炭化水素基である。]を有する。いくつかの実施形態では、ポリエステルは上記式を有し、ただし、Xが−OH又は−OC−R−COHである場合、XはRである。
繰り返し単位の数nは、脂肪族ポリエステル可塑剤が前述の分子量を有するように選択される。
いくつかの実施形態では、R、R及び/又はRはアルキル基である。Rアルキル基は、例えば、1〜18個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、2〜7個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、及び/又は3個の炭素原子を有し得る。例えば、Rは、−(CH−、−(CH−、−(CH−及び−(CH−からなる群から選択することができる。Rアルキル基は、例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、2〜7個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、及び/又は3個の炭素原子を有し得る。例えば、Rは、−(CH−、−CHCH(CH)−及び−CH(CH)CH−からなる群から選択することができる。Rアルキル基は、例えば、1〜20個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、2〜16個の炭素原子、3〜14個の炭素原子、4〜12個の炭素原子、6〜12個の炭素原子、8〜12個の炭素原子、及び/又は8〜10個の炭素原子を有し得る。例えば、Rはまた、−(CHCH及び−−(CHCHを含む混合であってもよい。
いくつかの実施形態では、Rは、1〜10個の炭素を有するアルキル基であり、Rは1〜10個の炭素を有するアルキル基であり、Rは1〜20個の炭素を有するアルキル基である。他の実施形態では、Rは、2〜6個の炭素を有するアルキル基であり、Rは2〜6個の炭素を有するアルキル基であり、Rは8〜12個の炭素を有するアルキル基である。更に他の実施形態では、Rは、2〜4個の炭素を有するアルキル基であり、Rは2〜3個の炭素を有するアルキル基であり、Rは8〜10個の炭素を有するアルキル基である。なおも他の実施形態では、Rは、−(CH−、−(CH−、−(CH−及び−(CH−からなる群から選択され、Rは、−(CH−、−CHCH(CH)−及び−CH(CH)CH−からなる群から選択され、Rは、−(CHCH及び−(CHCHを含む混合である。
脂肪族ポリエステル可塑剤は、約0〜約20、又はそれ以上の酸価を有し得る。ポリエステルの酸価は、ポリエステルサンプル1g中の遊離酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を測定する、既知の方法によって決定することができる。
酸価が低い可塑剤は、典型的には、フィルムの貯蔵寿命安定性及び/又は耐久性のために好ましい。いくつかの実施形態では、可塑剤の酸価は、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1以下であることが好ましい。
脂肪族ポリエステル可塑剤は、約0〜約110、例えば、約1〜約40、約10〜約30、約15〜約25、約30〜約110、約40〜約110、約50〜約110、及び/又は約60〜約90の水酸基価を有し得る。ポリエステルはまた、約110より高い水酸基価を有し得る。ポリエステルの水酸基価は、ASTM試験方法D4274に記載されている方法などの、水酸基を測定する既知の方法により決定できる。
1つの代表的な脂肪族ポリエステル可塑剤は、Hallstar(Chicago,IL)から商品名HALLGREEN R−8010(登録商標)として入手可能である。
いくつかの実施形態では、可塑剤コンパウンドは、典型的には、水酸基をほとんど又は全く有さない。いくつかの実施形態では、可塑剤コンパウンドの総重量に対する水酸基の重量%パーセントは10、9、6、7、6、5、4、3、2、1重量%以下である。いくつかの実施形態では、可塑剤コンパウンドは水酸基を含有しない。よってこの実施形態では、可塑剤はグリセロールでも水でもない。
結晶化速度を加速するために、核形成剤もまたPLAフィルム組成物中に存在してよい。好適な核形成剤としては、例えば無機鉱物、有機化合物、有機酸及びイミドの塩、PLAの加工温度より高い融点を有する微細化結晶性ポリマー、並びに前述のものの2つ以上の組み合わせが挙げられる。好適な核形成剤は、典型的には、少なくとも25nm、又は少なくとも0.1ミクロンの平均粒径を有する。2種以上の異なる核形成剤の組み合わせを使用してもよい。
有用な核形成剤の例としては、例えば、タルク(含水ケイ酸マグネシウム−HMg(SiO又はMgSi10(OH))、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛、サッカリンナトリウム塩、ケイ酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、チタン酸カルシウム、芳香族スルホン酸塩誘導体、窒化ホウ素、銅フタロシアニン、フタロシアニン、サッカリンナトリウム塩、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
有機核形成剤が存在する場合、核形成剤は、典型的には、フィルム組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.1、0.15又は0.2重量%から、約1、2、3、4又は5重量%以下の範囲の濃度である。核形成剤が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛及びタルクなどの無機酸化物充填剤である場合、濃度はより高くてもよい。
一実施形態では、核形成剤は、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸マグネシウム、4−tert−ブチルフェニルホスホン酸二ナトリウム、及びジフェニルホスフィン酸ナトリウムなどのリン含有芳香族有機酸の塩として特徴付けることができる。
1つの有利な核形成剤は、以下の化学式
Figure 0006983170

を有するフェニルホスホン酸亜鉛であり、日産化学工業から商品名「Ecopromote」で入手可能である。
いくつかの実施形態では、無機充填剤を使用して、保管及び輸送中にフィルムの層又はロールがブロッキング又はスティッキングするのを防ぐことができる。無機充填剤としては、表面改質されているか、又はされていないかのいずれかの、粘土及び鉱物が挙げられる。例としては、タルク、ケイソウ土、シリカ、マイカ(雲母)、カオリン、二酸化チタン、パーライト、及びウォラストナイトが挙げられる。
有機バイオマテリアル充填剤としては、改質されているか、又はされていないかのいずれかの、様々な林産物及び農産物が挙げられる。例としては、セルロース、コムギ、デンプン、変性デンプン、キチン、キトサン、ケラチン、農産物から誘導されたセルロース系材料、グルテン、穀粉及びグアーガムが挙げられる。「穀粉」という用語は、一般に、1種の同じ植物資源に由来するタンパク質含有画分及びデンプン含有画分を有するフィルム組成物に関し、タンパク質含有画分及びデンプン含有画分は互いに分離されてない。穀粉中に存在する典型的なタンパク質は、グロブリン、アルブミン、グルテニン、セカリン、プロラミン、グルテリンである。典型的な実施形態では、フィルム組成物は、穀粉などの有機バイオマテリアル充填剤をほとんど又は全く含まない。よって、有機バイオマテリアル充填剤(例えば、穀粉)の濃度は、典型的には、全フィルム組成物の10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1重量%未満である。
いくつかの実施形態では、フィルムは、脂肪酸誘導体などのブロッキング防止剤を含む。1つの好適なブロッキング防止剤は、Sukano Polymers Corporation(Duncan,SC)から商品名SUKANO DCS 511で入手可能なものなど、PLAポリマー、5〜10重量%の脂肪酸誘導体及び20〜40重量%のシリカの混合物である。
フィルムは、1種以上の従来の添加剤を任意に含有してもよい。添加剤としては、例えば、抗酸化剤、安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、加工助剤、静電気防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、充填剤(例えばケイソウ土)、艶消し剤、難燃剤(例えばホウ酸亜鉛)、顔料(例えば二酸化チタン)などが挙げられる。充填剤又は顔料のいくつかの例としては、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機酸化物、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、金属粉末、雲母、黒鉛、タルク、セラミック微小球、ガラス又はポリマービーズ又は気泡、繊維、デンプンなどが挙げられる。
存在する場合、添加剤の量は、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4又は0.5重量%であり得る。いくつかの実施形態では、添加剤の量は、全フィルム組成物の25、20、15、10又は5重量%以下である。他の実施形態では、添加剤の濃度は、全フィルム組成物の40、45、50、55又は約65重量%以下の範囲であり得る。
フィルムがモノリシックフィルムである場合、フィルムの厚さは、典型的には、少なくとも10、15、20、又は25ミクロン(1mil)〜500ミクロン(20mil)厚である。いくつかの実施形態では、フィルムの厚さは2500、2000、1500、1000、800、400、300、200、150又は50ミクロン以下である。フィルムは、特に50milより厚い厚さでは、枚葉の形態であってもよい。(例えばより薄い)フィルムは、ロール品の形態であってもよい。
フィルムが多層フィルムのフィルム層である場合、多層フィルムは、典型的には前述の通りの厚さを有する。しかし、フィルム層の厚さは、10ミクロン未満であってもよい。一実施形態では、本明細書に記載のフィルム組成物を含むフィルム層は外層であり、すなわち換言すればスキン層である。スキン層の上に第2のフィルム層が配置される。第2のフィルム層は、典型的にはスキン層と異なる組成を有する。
本明細書に記載のフィルム組成物を調製する際、PLA、PVAcなどの第2のポリマー、可塑剤、核形成剤などは加熱され(例えば、180〜250℃)、当業者に既知の任意の好適な手段を使用して十分に混合される。例えば、フィルム組成物は、(例えば、Brabender)混合機、押出成形機、混練機などを使用して混合してもよい。
混合の後、フィルム組成物は、プロセスの規模及び利用可能な設備を考慮に入れて、既知のフィルム形成技術を使用して(例えばキャスト)フィルムに形成してもよい。いくつかの実施形態では、PLA系フィルム組成物をプレス機に送り、次に圧縮し固化して枚葉のPLAフィルムを形成する。他の実施形態では、PLA系フィルム組成物は、ダイを通して、好適な冷却温度に維持されたキャスティングロール上に押し出して、連続長のPLA系フィルムを形成することができる。いくつかの実施形態では、フィルム押出中、キャスティングロール温度を好ましくは80〜120℃に維持して、キャスティングロール上でPLAフィルムの結晶体を得る。
PLA系フィルムはアニールすることができる。アニール条件は、120°Fで約12時間から、約200°Fで約20分間までの範囲で変更することができる。いくつかの実施形態では、フィルムの貯蔵及び/又は輸送環境が十分なアニールを提供する。
本明細書に記載のPLA系フィルムは、様々な製品において使用することができる。いくつかの実施形態では、PLAフィルムは、ポリビニルクロライド(PVC)フィルムと同様の、又は更に良好な特性を有し、よってPVCフィルムの代わりに使用することができる。したがって、本明細書に記載のフィルム及び物品は、ポリビニルクロライド(PVC)フィルムもフタレート系可塑剤も含まなくてよい。
フィルム及びフィルム組成物は、実施例に記載の試験方法により決定される様々な特性を有することができる。
フィルムは、概ね、約−20℃、−15℃又は−10℃〜40℃、すなわち、PLAポリマー及び第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの両方のTg未満のガラス転移温度を有する。いくつかの実施形態では、フィルムは、少なくとも−5、−4、−3、−2、−1又は0℃のガラス転移温度を有する。いくつかの実施形態では、フィルムは、35℃又は30℃又は25℃未満のガラス転移温度を有する。いくつかの実施形態では、フィルムは、20℃、19℃又は18℃未満のガラス転移温度を有する。
フィルムは、典型的には、少なくとも約150℃又は155℃から約165℃、170℃、175℃又は180℃までの範囲の融解温度Tm1又はTm2を有する。更に、フィルム組成物は、100℃〜120℃の範囲の結晶化ピーク温度Tcを有してもよい。
正味の融解吸熱量は、融解吸熱エネルギーから結晶化発熱エネルギーを減じたものである(後述の実施例において更に詳細に記載されている通り)。フィルム組成物(すなわち、溶融プレスされてフィルムになっていない、小型混練機から採取した)の正味の融解吸熱量は、2回目の加熱走査により決定するが、一方、(例えば溶融プレスされた)フィルムの正味の融解吸熱量は、1回目の加熱走査により決定する。米国特許第6,005,068号によれば、PLAフィルムは、約10J/g未満の正味の融解吸熱量を示す場合、非晶質とみなされる。フィルムが核形成剤を含む場合などの有利な実施形態では、フィルムの正味の融解エンタルピーであるΔHnm2及びΔHnm1はそれぞれ、10、11、12、13、14又は15J/gより大きく、かつ40、39、38、37、36又は35J/g未満である。
一実施形態では、フィルムは、−10〜30℃のTg、及び前述の通りに10J/gより大きく、かつ40J/g未満の正味の融解吸熱量ΔHnm1を有する。このようなフィルムは室温で可撓性であり、図3の動的粘弾性測定(DMA)結果により示されるように、高温まで加熱する際に比較的高い機械的特性、例えば弾性率を有する。この実施形態では、フィルムは、引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱される場合、−40℃〜125℃の温度範囲で、少なくとも10MPa、かつ典型的には10,000MPa未満である(すなわち、2℃/分の速度で加熱される場合、−40〜125℃に加熱されるときに引張貯蔵弾性率は10MPa未満には低下しない)。いくつかの実施形態では、フィルムは、動的粘弾性測定により決定される引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱した場合、25℃〜80℃の温度範囲で少なくとも5、6、7、8、9又は10MPaである。対照的に、図4に示すように、フィルムが非常に低い正味の融解吸熱量を有する場合、温度が室温である23℃より高温に上昇した際、弾性率などの機械的特性は劇的に低下した。
フィルムは、後述の実施例に更に記載しているように、標準的な引張試験を利用して評価することができる。フィルムの引張強度は、典型的には少なくとも5又は10MPaであり、かつ典型的には、フィルムを製造するために利用されるPLA及び第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの引張強度未満である。いくつかの実施形態では、引張強度は、45、40、35、34、33、32、31、又は30MPa以下である。フィルムの伸びは、典型的には、フィルムを製造するために利用されるPLA及び第2の(例えばポリビニルアセテート)ポリマーの伸びより大きい。いくつかの実施形態では、伸びは、少なくとも30、40又は50%である。他の実施形態では、伸びは、少なくとも100%、150%、200%、250%又は300%である。いくつかの実施形態では、伸びは、600%又は500%以下である。フィルムの引張弾性率は、典型的には少なくとも50、100、又は150MPaである。いくつかの実施形態では、引張弾性率は、少なくとも200、250又は300MPaである。いくつかの実施形態では、引張弾性率は、1000MPa、750MPa又は650MPa以下である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPLA系フィルムは透明であり、すなわち、少なくとも90%の可視光透過率を有する。他の実施形態では、PLA系フィルムは不透明(例えば、白色)又は反射性であり、典型的には、バッキング又は中間層として利用される。
本明細書に記載のPLA系フィルムは、バッキング、中間層(すなわち、最外層間の層)、又は(例えば感圧)接着テープ若しくはシートの(例えば透明な)カバーフィルムなどの、任意の層としての使用に好適である。一実施形態では、PLA系フィルム及び(例えば感圧)接着テープの両方が透明である。
PLA系フィルムは、隣接する感圧接着剤層とより良好に接着させるために、通常の表面処理に供してもよい。表面処理としては、例えば、オゾンへの曝露、火炎への曝露、高圧電撃曝露、電離放射線処理、及び他の化学的又は物理的な酸化処理が挙げられる。化学的表面処理としてはプライマーが挙げられる。好適なプライマーの例としては、塩素化ポリオレフィン、ポリアミド、米国特許第5,677,376号、同第5,623,010号に開示されている変性ポリマー、並びに国際公開第98/15601号及び国際公開第99/03907号に開示されているもの、並びに他の変性アクリルポリマーが挙げられる。一実施形態では、プライマーは、3M Companyから「3M(登録商標)Primer 94」として入手可能な、アクリレートポリマー、塩素化ポリオレフィン及びエポキシ樹脂を含む、有機溶媒系プライマーである。
天然又は合成のゴム系感圧接着剤、アクリル感圧接着剤、ビニルアルキルエーテル感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、ポリエステル感圧接着剤、ポリアミド感圧接着剤、ポリα−オレフィン、ポリウレタン感圧接着剤、及びスチレンブロックコポリマー系感圧接着剤などの様々な(例えば感圧)接着剤を、PLA系フィルムに適用することができる。感接着剤は一般に、室温(25℃)で動的粘弾性測定により測定することができる、1Hzの周波数での3×10ダイン/cm未満の貯蔵弾性率(E’)を有する。
ある実施形態では、感圧接着剤は、天然ゴム系である場合があり、これは、天然ゴムエラストマー(複数可)が、接着剤のエラストマー成分の少なくとも約20重量%を、構成することを意味する(充填剤、粘着付与剤などを全く含まない)。更なる実施形態では、天然ゴムエラストマーは、接着剤のエラストマー成分の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約80重量%を構成する。いくつかの実施形態では、天然ゴムエラストマーは、1つ以上のブロックコポリマー熱可塑性エラストマー(例えば、Kraton Polymers(Houston,TX)から商品名KRATONで入手可能な一般的種類)と混合され得る。特定の実施形態では、天然ゴムエラストマーは、少なくとも1つの粘着付与樹脂とともに、天然ゴムエラストマーと組み合わせて、スチレン−イソプレンラジカルブロックコポリマーと混合してもよい。この種類の接着剤組成物は、米国特許公開第2003/0215628号(Maら)において更に詳細に開示されており、参照により組み込まれる。
感圧接着剤は、有機溶媒系、水性エマルション、(例えば米国特許第6,294,249号に記載されているものなどの)ホットメルト、感熱性、並びに化学線(例えば電子ビーム、紫外線)硬化性感圧接着剤であってもよい。感熱接着剤は、感圧接着剤について先に記載したのと同じ分類のものから調製することができる。しかし、それらの成分及び濃度は、接着剤が感圧性ではなく感熱性であるか、又はこれらの組み合わせになるように選択される。
いくつかの実施形態では、この接着剤層は、再配置可能な接着剤層である。用語「再配置可能」とは、少なくとも初期において、接着能を実質的に損なわずに、基材に繰り返し接着し、取り外すことが可能であることを指す。再配置可能な接着剤は通常、少なくとも初期において、従来の強力な粘着性のPSAの剥離強度よりも低い、基材表面に対する剥離強度を有する。好適な再配置可能な接着剤としては、両方ともMinnesota Mining and Manufacturing Company(St.Paul,Minnesota,USA)により製造されたCONTROLTAC Plus Filmブランド及びSCOTCHLITE Plus Sheetingブランドで使用される接着剤の種類が挙げられる。
接着剤層は、構造化接着剤層、又は少なくとも1つの微細構造化表面を有する接着剤層も有し得る。このような構造化接着剤層を含むフィルム物品を、基材表面に適用すると、チャネル又は同様構造のネットワークがフィルム物品と基材表面との間に存在する。このようなチャネル又は同様構造の存在により、接着剤層を通って水平方向に空気が通り抜けることができ、これにより、適用中のフィルム物品及び表面基材の下から空気は逃げることができる。
トポロジー的構造化接着剤はまた、再配置可能な接着剤を提供するのにも使用され得る。例えば、比較的大規模な接着剤エンボス加工によって、感圧接着剤/基材接触面積が永続的に低減することにより、感圧接着剤の接着強度も低減することが記載されている。様々なトポロジーとしては、凹面及び凸面のV字溝、ダイヤモンド、カップ、半球、コーン、噴火口形、及びその他の3次元形状で、接着剤層の底表面よりも有意に小さな上表面を有するものが挙げられる。一般に、これらのトポロジーは、平滑な表面の接着剤層に比べ、より低い剥離接着値を有する、接着シート、フィルム及びテープを提供する。多くの場合において、このトポロジー的構造化表面の接着剤はまた、接触時間の増加に伴う接着の構築が遅いことも示されている。
微細構造化接着表面を有する接着剤層には、接着表面の機能部分全体にわたって均一に分布し、かつ接着表面から外向きに突出した、接着剤又は複合接着剤「ペグ」が含まれ得る。このような接着剤層を備えたフィルム物品は、基材表面上に配置したときに、再配置可能なシート材料を提供する(米国特許第5,296,277号を参照)。このような接着剤層は、保管及び加工中に接着剤ペグを保護するため、一致した微細構造化剥離ライナーも必要とする。微細構造化接着表面の形成は、例えば、対応する微細エンボス加工パターンを有する剥離ライナー上に、接着剤をコーティングすることによって、又は、国際公開第98/29516号に記載されているように、対応する微細エンボス加工パターンを有する剥離ライナーに対して、接着剤(例えばPSA)を圧迫することによって、達成することもできる。
望ましい場合は、接着剤層は、複数の接着剤サブ層を含み、組み合わせた接着剤層アセンブリを提供することができる。例えば、接着剤層には、連続的又は不連続なPSAの被覆層又は再配置可能な接着剤とともに、ホットメルト接着剤のサブ層を含み得る。
アクリル感圧接着剤は、溶液重合、塊状重合、又は乳化重合などのフリーラジカル重合技術によって製造することができる。アクリルポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトポリマーなどの任意の種類のものであってよい。重合は、一般に使用される重合開始剤及び連鎖移動剤のいずれを用いてもよい。
いくつかの実施形態では、アクリル(例えば感圧)接着剤は、i)フリーラジカル重合性溶媒モノマー、及びii)1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された重合単位を含む溶質(メタ)アクリルポリマーを含む、シロップを含む。典型的な実施形態では、シロップが、少なくとも1つの架橋性モノマーを含み、又は(メタ)アクリル溶質ポリマーが、少なくとも1つの架橋性モノマーから誘導された重合単位を含む。
アクリル(例えば感圧)接着剤物品は、a)前述の通りのシロップを提供することと、b)本明細書に記載のPLA系フィルムにシロップを適用することと、c)適用されたシロップに照射し、それにより接着剤組成物を架橋させることと、によって調製できる。得られた接着剤は、放射線硬化(例えば、感圧)接着剤として特徴付けることができる。
重合は、エチルアセテート、トルエン及びテトラヒドロフランなどの、シロップ組成物の成分の官能基と非反応性である溶媒が存在しない状態で、行うことが好ましい。溶媒は、ポリマー鎖中への様々なモノマーの組み込み速度に影響を及ぼし、ポリマーが溶液からゲル化又は沈殿するため、一般に低分子量をもたらす。したがって、(例えば、感圧)接着剤は、非重合性有機溶媒を含まなくてもよい。
シロップが紫外線照射により硬化される場合、シロップは光開始剤を更に含む。有用な光開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、商品名IRGACURE 651又はESACURE KB−1光開始剤(Sartomer Co.(West Chester,PA))で入手可能な2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤及びジメチルヒドロキシアセトフェノンなどの置換アセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換α−ケトール、2−ナフタレン−スルホニルクロライドなどの芳香族スルホニルクロライド、並びに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシ−カルボニル)オキシムなどの光活性オキシムが挙げられる。これらのうちで特に好ましいものは、置換アセトフェノンである。
(例えば感圧)接着剤(例えばシロップ)には、モノマー成分(複数可)を重合させるために、280〜425nmの範囲にUVA最大値を有する、活性化紫外線を照射することができる。紫外光源は、様々な種類であり得る。ブラックライトなどの低光度光源は、概ね、0.1又は0.5mW/cm(ミリワット/平方センチメートル)〜10mW/cm(例えばElectronic Instrumentation & Technology,Inc.(Sterling,VA)によって製造されたUVIMAP UM365L−S放射計を用いて、United States National Institute of Standards and Technologyによって承認された手順に従って測定されるとき)の範囲の強度をもたらす。高光度光源は、概ね、10、15又は20mW/cmより大きく、最高450mW/cm又はそれ以上の範囲の強度をもたらす。いくつかの実施形態では、高強度光源は、最高500、600、700、800、900又は1000mW/cmの強度をもたらす。モノマー成分(複数可)を重合させる紫外光は、発光ダイオード(LED)、ブラックライト、中圧水銀ランプなど又はこれらの組み合わせなどの様々な光源によってもたらされ得る。モノマー成分(複数可)はまた、Fusion UV System Inc.から入手可能なより高強度の光源を用いて重合することもできる。重合及び硬化のためのUV曝露時間は、使用される光源(複数可)の強度に応じて変更することができる。例えば、低強度光源を用いた完全硬化は、約30〜300秒の範囲の曝露時間で達成することができるが、高強度光源による完全硬化は、約5〜20秒の範囲のより短い曝露時間で達成することができる。高強度光源による部分硬化は、典型的には、約2秒〜約5又は10秒の範囲の曝露時間で達成することができる。アクリル感圧接着剤は、1〜14個の炭素原子、好ましくは平均4〜12個の炭素原子を含有する(例えば非第三級)アルコールから誘導された、1つ以上の(メタ)アクリレートエステルモノマーの重合単位を含む。モノマーの例としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−プロピルヘプタノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノールなどの非第三級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかとの、エステルが挙げられる。
アクリル感圧接着剤は、1つ以上の低Tg(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含み、すなわち、反応してホモポリマーを形成したときの(メタ)アクリレートモノマーは、0℃以下のTを有する。いくつかの実施形態では、低Tgモノマーは、−5℃以下、又は−10℃以下のTを有する。これらのホモポリマーのTgは、多くの場合、−80℃以上、−70℃以上、−60℃以上又は−50℃以上である。
低Tgモノマーは、次の式
C=CRC(O)OR
[式中、RはH又はメチルであり、Rは、1〜22個の炭素を有するアルキル、又は2〜20個の炭素及び酸素若しくは硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有するヘテロアルキルである。]を有し得る。アルキル基又はヘテロアルキル基は、直鎖、分枝、環状、又はこれらの組み合わせであり得る。
例示的な低Tgモノマーとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソトリデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、及びドデシルアクリレートが挙げられる。
低Tgヘテロアルキルアクリレートモノマーとしては、2−メトキシエチルアクリレート及び2−エトキシエチルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
典型的な実施形態では、アクリル感圧接着剤は、6〜20個の炭素原子を含む、アルキル基を有する、少なくとも1つの低Tgモノマーである重合単位を含む。いくつかの実施形態では、低Tgモノマーは、7個又は8個の炭素原子を含む、アルキル基を有する。例示的なモノマーとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及び、2−オクチル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸と再生可能資源から誘導されたアルコールとのエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
アクリル感圧接着剤は、典型的には、重合単位の総重量(すなわち、無機充填剤又は他の添加剤を除く)に基づいて、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90重量%以上の、0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含む。
アクリル感圧接着剤は、少なくとも1つの高Tgモノマーを更に含んでもよく、すなわち、(メタ)アクリレートモノマーは反応してホモポリマーを形成する場合に0℃より高いTgを有する。高Tgモノマーは、より典型的には、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、又は40℃より高いTgを有する。高Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、3,3,5トリメチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリルアミド及びプロピルメタクリレート又は組み合わせが挙げられる。
アクリル感圧接着剤は、極性モノマーの重合単位を更に含んでもよい。代表的な極性モノマーとしては、例えば、酸官能性モノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸)、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレート)モノマー、窒素含有モノマー(例えばアクリルアミド)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、アクリル感圧接着剤は、少なくとも0.5、1、2又は3重量%、かつ典型的には10重量%以下の、アクリルアミドなどの極性モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸などの酸官能性モノマーの重合単位を含む。
感圧接着剤は、必要に応じて1種以上の好適な添加剤を更に含んでもよい。添加剤の例は、架橋剤(例えば多官能性(メタ)アクリレート架橋剤(例えばTMPTA)、エポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤、メラミン架橋剤、アジリジン架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、フェノール変性テルペン並びにロジンのグリセロールエステル及びロジンのペンタエリスリトールエステルなどのロジンエステル、並びにC5及びC9炭化水素粘着付与剤)、増粘剤、可塑剤、充填剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、静電気防止剤、界面活性剤、均染剤、着色剤、難燃剤、及びシランカップリング剤である。
いくつかの実施形態では、(例えば感圧)接着剤は、国際公開第2014/172185号に記載されているような(メタ)アクリレート基及びC〜C20オレフィン基を含む、架橋性モノマーを含み、本明細書に参照により組み込まれる。オレフィン基は、直鎖、分枝、又は環状であってよく、場合により置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、オレフィン基は、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニオール(メタ)アクリレート、ファルネソール(メタ)アクリレート及びウンデセニル(メタ)アクリレートなどのC〜C12オレフィン基である。
別の実施形態では、(例えば、感圧)接着剤は、国際公開第2015/157350号に記載されているようなアリル、メタリル、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの末端基を含む、架橋性モノマーを含み、本明細書に参照により組み込まれる。
(例えば、感圧)接着剤層は、様々な一般的なコーティング方法、(例えばグラビア)ローラーコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、(例えばロータリ又はスリット)ダイコーティング、(例えばホットメルト)押出コーティング、及び印刷によって、フィルム上に配置することができる。接着剤は、本明細書に記載のPLAフィルムに直接適用してもよく、又は剥離ライナーを使用して転写コーティングしてもよい。剥離ライナーを使用する場合は、接着剤は、ライナー上にコーティングしてフィルムに積層するか、又は、フィルム上にコーティングしてその後に接着剤層に剥離ライナーが適用される。接着剤層は、連続層として、又はパターン化不連続層として、適用することができる。接着剤層は、典型的には、約5〜50μmの厚さを有する。
剥離ライナーは、典型的には、オルガノシリコーン化合物、フルオロポリマー、ポリウレタン及びポリオレフィンなどの低表面エネルギー化合物でコーティング又は変性された、紙又はフィルムを含む。この剥離ライナーはまた、接着剤をはじく化合物を添加したか、又は添加していない、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリエステルから製造されたポリマーシートであり得る。上述のように、剥離ライナーは、接着剤層に対して構造を付与するための、微細構造化又は微細エンボス加工パターンを有し得る。
いくつかの実施形態では、シート又はテープ物品は、シート又はテープ1がロールになったときに、感圧接着剤の最も外側の(露出)表面が低接着性バックサイズに接触するように、PLAバッキングの第1の主面上に設けられた低接着性バックサイズを備える。
様々な低接着性バックサイズ組成物、例えばシリコーン、ポリエチレン、ポリカルバメート、ポリアクリルなどが当該技術分野で記載されている。
低接着性バックサイズの組成物(例えば、感圧接着剤の組成物と組み合わされる)は、適切なレベルの剥離をもたらすように選択される。いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、ちょうど米国特許公開第2014/0138025号に記載されているようにその上に配設された塗料を定着させる能力を、高めることもできる。
低接着性バックサイズに含むために好適であり得る、例示的な材料の一般的な分類としては、例えば、(メタ)アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ビニルエステルポリマー、ビニルカルバメートポリマー、フッ素含有ポリマー、シリコーン含有ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、有機溶媒系溶液又は水性エマルションである。
いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、アクリル接着剤と同じ(メタ)アクリレートモノマーから調製され得るアクリル組成物を含み得る。しかし、低接着性バックサイズ組成物は、典型的には、低濃度の、オクタデシルアクリレートなどの低Tgモノマーと、高濃度の、アクリル酸などの高Tgモノマーとを含む。いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、オクタデシルアクリレートなどの低Tgモノマーの重合単位を40、45又は50重量%〜約60重量%の範囲で含む。本明細書に記載された低接着性バックサイズに関する重量%は、別段の記載がない限り、有機溶媒又は水性溶媒を全く含まない総固形分に対してである。
このような組成物は、米国特許第3,011,988号(Luedkeら)に更に詳述されており、参照によりに組み込まれる。
いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、例えば、結晶性ポリマーセグメントを生じる大量のモノマー単位を含む組成物において、識別可能な結晶融点(T)を含む場合がある。このようなTは、Tの代わりに、又はこれと一緒に存在し得る。いくつかの実施形態では、T(存在する場合)は、例えば、20℃〜60℃の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、少なくともいくつかの(メタ)アクリル酸基を含み得る。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリル酸基の濃度は、2、3、4又は5重量%〜10、15又は20重量%の範囲である。
いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、シリコーン含有材料を含み得る。様々な実施形態では、このような材料は、非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)側鎖を有するシリコーン主鎖、シリコーン側鎖を有する非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)主鎖、シリコーン単位及び非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)単位を含むコポリマー主鎖などを含み得る。シリコーンポリ尿素材料、シリコーンポリ尿素ポリウレタン材料、シリコーンポリオキサミド材料、シロキサンイニファータ誘導組成物などがまた好適であり得る。
ある実施形態では、低接着性バックサイズのシリコーン含有材料は、式I
Figure 0006983170

の一般式を有する、ビニル官能性シリコーンマクロマーの反応生成物を含む。
ある実施形態では、低接着性バックサイズのシリコーン含有材料は、式IIa、IIb、若しくはIIc
Figure 0006983170

の一般式を有する、メルカプト官能性シリコーンマクロマー、又はこれらの組み合わせの反応生成物を含む。
メルカプト官能性シリコーンマクロマー、及びこのようなマクロマーを使用する低接着性バックサイズ組成物の製造の更なる詳細は、米国特許第5,032,460号(Kantnerら)に見出すことができ、本明細書に参照により組み込まれる。
様々な実施形態では、上記のシリコーンマクロマーのいずれかが、メタ(アクリル)モノマー、及び/又は任意の他のビニルモノマーと組み合わせて使用され得る。このようなモノマーは、例えば、上記のガラス転移温度の範囲のいずれかを達成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、(例えば式IIaの)シリコーンマクロマーは、全反応物の15〜35重量%で使用され得、反応物の残部は、少なくとも1つの高T(メタ)アクリルモノマー、少なくとも1つの低T(メタ)アクリルモノマー、及び少なくとも1つの(メタ)アクリル酸モノマーを含む。特定の実施形態では、低Tモノマーはメチルアクリレートであり、高Tモノマーはメチルメタクリレートであり、(メタ)アクリル酸モノマーはメタクリル酸である。更なる実施形態では、このような組成物において、(例えば式IIaの)シリコーンマクロマーは、約20〜30重量%で使用される。
シリコーンマクロマーを含むいくつかの実施形態では、低接着性バックサイズは、2、3、4又は5重量%〜10、15又は20重量%の範囲の(メタ)アクリル酸基を含む。
感圧接着剤及び低接着性バックサイズ(存在する場合)の成分は、典型的には、表面への良好な接着をもたらすように選択されるが、(例えば目に見える)残留物を残すことなく中程度の力で除去可能である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のフィルムは、第2のバッキングなどの第2の層上に配置されているか、又は第2の層に(例えば、接着剤を用いて)結合され得る。第2のバッキングは、接着剤とPLA系フィルムとの間に配置されていてもよく、及び/又は第2のバッキングは、PLA系フィルムの反対側の主表面上に配置されていてもよい。
バッキングは、様々な可撓性及び非可撓性(例えば予備成形されたウェブ)の基材を含むことができ、それには、ポリマーフィルム、金属箔、発泡体、紙、及びこれらの組み合わせ(例えば、金属化ポリマーフィルム)が挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン(例えば二軸配向)、ポリエチレン(例えば高密度又は低密度)、ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)、ポリビニルブチラール、ポリイミド、ポリアミド、フルオロポリマー、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、エチルセルロース、及びポリ乳酸(PLA)などのバイオ系材料が挙げられる。
別の実施形態では、PLA系フィルム又はバッキングは、金属又は金属酸化物層を更に備えることができる。金属の例としては、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、パラジウム、亜鉛、スズ、ニッケル、銀、銅、金、インジウム、ステンレス鋼、クロム、チタンなどが挙げられる。金属酸化物層に用いられる金属酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウムなどが挙げられる。これらの金属及び金属酸化物は、単独で、又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。これらの金属及び/又は金属酸化物の層は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、及びCVD(Chemical Vapor Deposition)などの公知の方法により形成することができる。金属及び/又は金属酸化物層の厚さは、典型的には、5nm以上、100又は250nm以下の範囲である。
バッキングの厚さは、典型的には、少なくとも10、15、20又は25ミクロン(1ミル)、かつ典型的には500ミクロン(20ミル)以下の厚さである。いくつかの実施形態では、バッキングの厚さは、400、300、200又は100ミクロン以下である。バッキング及びフィルム全体は、典型的には、ロール品(roll good)の形態であるが、枚葉の形態であってもよい。
いくつかの実施形態では、第2の(例えばバッキング)層は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリ(メタ)アクリルポリマー、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー)樹脂などの熱可塑性ポリマーである。いくつかの実施形態では、第2のバッキングは、少なくとも90%の可視光透過率を有する透明フィルムである。
いくつかの実施形態では、フィルム及び/又は第2のバッキングは適合している。「適合」とは、フィルムを湾曲部若しくは突起の周りに引き延ばせるよう、又はフィルムを破損若しくは剥離することなく凹みに押し入れられるように、基材表面上の湾曲部、凹み又は突起に適応可能であるように、フィルム又はフィルム層が十分に柔軟かつ可撓性であることを意味する。また、適用後にフィルムが基材表面から剥離又は遊離(ポップアップと呼ばれる)しないことが望ましい。
好適で適合している第2のバッキングとしては、例えば、ポリビニルクロライド(PVC)、可塑化ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロポリマーなどが挙げられる。例えば、熱可塑性ポリウレタン及びセルロースエステルを含め、他のポリマーブレンドも場合により好適である。
いくつかの実施形態では、フィルムは、テープを、テープの湾曲部分の引き延ばされた領域の引裂きなしに略平坦な平面にある(例えば曲率半径7.5cmの)連続的な湾曲形状に湾曲させることができることを意味する、「横方向に湾曲可能」となるように十分に適合している。横方向に湾曲可能なテープの例が、米国特許公開第2014/0138025号の図15に示されている。
接着剤でコーティングされた物品は、平滑表面及び粗面の両方に対して良好な接着を呈することができる。様々な粗面が知られており、例えば、「ノックダウン(knock down)」及び「オレンジピール」などのテクスチャのある乾燥壁、シンダーブロック、粗い(例えばブラジル)タイル並びにテクスチャのあるセメントが挙げられる。ステンレス鋼、ガラス、及びポリプロピレンなどの平滑な表面は、光干渉法(optical inferometry)により測定できる平均表面粗さ(Ra)が100nm未満であるのに対し、粗面は、平均表面粗さ(Ra)が1ミクロン(1000nm)、5ミクロン、又は10ミクロンよりも大きい。シールセメントは止水剤の厚さに応じて粗面又は平滑表面を有し得る。セメント止水剤は、典型的には、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ケイ酸ナトリウム又はメチルメタクリレートを含む。
本明細書のテープ又はシート物品は、レーン及び安全マーキング、色分け、摩耗保護、マスキング、シール、スプライシングなどの様々な最終用途に利用することができる。
いくつかの実施形態では、物品は、(例えば、塗料)マスキングテープ又はシートである。このようなテープを表面の所望の部分に適用し、続いて表面の隣接部分を所望通りに塗装することができる(塗料という用語は、本明細書では幅広く用いられ、任意のコーティング、プライマー、ニス、ラッカー及び同様のものを包含する。)。任意の好適な時点で(例えば、塗料が望ましい程度まで乾燥した後)、テープを表面から取り除くことができる。いくつかの実施形態では、低接着性バックサイズの組成は、スプレー、ブラシ、ロールなどで適用することができる液体塗料を保持及び定着する、テープ1の能力を向上させるように選択され得る。このような塗料は、例えば、ラテックス、又は米国特許公開第2014/0138025号に記載されている油性のものであり得る。
別の実施形態では、物品は、典型的には(例えばシール)セメント又は他の床板表面に接着されるフロアマーキングテープである。本明細書で記載されたPLAバッキングを備えたフロアマーキングテープは、(下記の実施例で更に詳細に記載される。)位置保持試験に従う試験を7週間行った後、その位置を保持していることが分かった。PLAバッキングを備えたテープは、ポリビニルクロライド系バッキングを備えた市販のテープに匹敵する、位置保持力を有する。
本発明は、以下の態様を包含する。
(項目1)
フィルムを備えた物品であって、前記フィルムが、
半結晶性ポリ乳酸ポリマーと、
少なくとも25℃のTgを有するポリビニルアセテートポリマーと、
可塑剤と、
前記フィルム上に配置された接着剤の層と、
を含む、物品。
(項目2)
テープ又はシートである、項目1に記載の物品。
(項目3)
前記接着剤が、感圧接着剤である、項目1又は2に記載の物品。
(項目4)
前記ポリビニルアセテートポリマーが、75,000g/モル〜750,000g/モルの範囲の分子量を有する、項目1〜3のいずれかに記載の物品。
(項目5)
前記ポリビニルアセテートポリマーが、20℃で10%酢酸エチル溶液中に溶解される場合に、前記ポリビニルアセテートポリマーは10〜50mPa sの範囲の粘度を有する、項目1〜4のいずれかに記載の物品。
(項目6)
前記ポリビニルアセテートポリマーが、ポリ乳酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー及び可塑剤の総量に基づいて、10〜50重量%の範囲の量で存在する、項目1〜5のいずれかに記載の物品。
(項目7)
前記ポリビニルアセテートポリマーが、50又は45℃以下のガラス転移温度を有する、項目1〜6のいずれかに記載の物品。
(項目8)
前記可塑剤が、ポリ乳酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー及び可塑剤の総量に基づいて、5〜35重量%の範囲の量で存在する、項目1〜7のいずれかに記載の物品。
(項目9)
核形成剤を、約0.01重量%〜約1重量%の範囲の量で更に含む、項目1〜8のいずれかに記載の物品。
(項目10)
前記フィルムが、
i)前記フィルムは、80℃で24時間経時劣化させたときに可塑剤の移行を呈さない、
ii)前記フィルムは、30℃、25℃又は20℃未満のTgを有する、
iii)前記フィルムは、1回目の加熱走査で10、11、12、13、14又は15より大きく、かつ40J/g未満の、正味の融解吸熱量ΔH nm1 を有する、
iv)前記フィルムは、50%〜600%の引張伸びを有する、
v)前記フィルムは、50MPa〜750MPaの引張弾性率を有する、
vi)前記フィルムは、動的粘弾性測定により決定される引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱した場合、−40℃〜125℃の温度範囲で少なくとも10MPaである、
viii)前記フィルムは、動的粘弾性測定により決定される引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱した場合、25℃〜80℃の温度範囲で少なくとも5、6、7、8、9又は10MPaである
という、特性のうちのいずれか1つ又は組み合わせにより更に特徴付けられる、項目1〜9のいずれかに記載の物品。
(項目11)
前記接着剤が、溶媒系接着剤又はホットメルト接着剤である、項目1〜10のいずれかに記載の物品。
(項目12)
前記接着剤が、天然ゴム系感圧接着剤、合成ゴム系感圧接着剤、又はアクリル感圧接着剤を含む、項目1〜11のいずれかに記載の物品。
(項目13)
プライマーが、前記フィルムと前記接着剤層との間に配置されている、項目1〜12のいずれかに記載の物品。
(項目14)
低接着性バックサイズ又は剥離ライナーが、前記接着剤として、前記フィルムの反対側の主表面上に配置されている、項目1〜13のいずれかに記載の物品。
(項目15)
前記低接着性バックサイズがシリコーン含有材料を含む、項目14に記載の物品。
(項目16)
前記物品は、前記テープが7.5cmの曲率半径で横方向に湾曲可能であるように適合している、項目1〜15のいずれかに記載の物品。
(項目17)
フロアマーキングテープである、項目1〜16のいずれかに記載の物品。
(項目18)
塗料マスキングテープである、項目1〜16のいずれかに記載の物品。
(項目19)
前記アクリル感圧接着剤が、(メタ)アクリル酸と再生可能資源から誘導されたアルコールとのエステルを含む、項目12に記載の物品。
(項目20)
前記エステルが2−オクチル(メタ)アクリレートである、項目19に記載の物品。
(項目21)
前記アクリル感圧接着剤が、光開始剤を含む放射線硬化接着剤である、項目12、19及び20のいずれかに記載の物品。
(項目22)
フィルムを備えた物品であって、前記フィルムが、
半結晶性ポリ乳酸ポリマーと、
少なくとも25℃のTgを有する第2のポリマーと、
前記フィルムの少なくとも15重量%の量の可塑剤と、
前記フィルム上に配置された接着剤の層と、
を含み、
前記フィルムは、80℃で24時間経時劣化させたときに可塑剤の移行を呈さない、物品。
(項目23)
前記物品が、項目1〜21のいずれか又は組み合わせにより更に説明される、項目22に記載の物品。
以下の実施例は、本発明の更なる特徴及び実施形態を説明するために記載される。特に断らない限り、部は全て重量部である。
材料
PLAであるIngeo4032D(「4032」)及びIngeo 4060D(「4060」)は、Natureworks,LLCから購入した。ポリビニルアセテート「PVAc」は、Wackerから商品名「Vinnapas(登録商標)UW4FS」で入手した。Ecopromote核生成剤は、日産化学工業から入手した。Sukano PLA DCS511スリップ/ブロッキング防止マスターバッチ及びSukano PLACC S513TiOマスターバッチは、Sukano Polymers(USA)から入手した。
使用する市販の可塑剤としては、Citroflex A4(Vertellus Performance Materials)、Hallstarから商品名それぞれ「TegMer 809」及び「TegMer 804」で入手可能な、PEG400ジ−エチルヘキソネート(di−ethylhexonate)及びテトラエチレングリコールジ−エチルヘキソネートエステル可塑剤、Eastmanから商品名「Admex6995」で入手可能なポリエステル可塑剤(分子量3200のポリマーアジペート)が挙げられる。
サンプル調製−溶融混練
DSM Xplore(登録商標)15cm二軸小型混練機において、100RPM、200℃で10分間、PLA、PVAc、可塑剤及び核生成剤を混合し、次に混合チャンバの弁を開けて、サンプルを回収することにより、サンプルを調製した。混練したサンプルを80℃での経時劣化試験及びDSC特性評価に供し、引張試験用に溶融プレスしてフィルムにした。
経時劣化試験
混練したサンプル(0.2g)をシンチレーションバイアルに入れて閉め、経時劣化試験中に可塑剤が蒸発するのを防ぎ、80℃のオーブン中で24時間経時劣化させた。次いで、80℃で経時劣化させた後、可塑剤の移行があるかどうかを確かめるために、サンプル表面を検査した。表面が濡れているか、又は油っぽいサンプルは不合格とみなし、表面が乾いているサンプルは合格とみなした。
DSC−示差走査熱量測定
各サンプルのガラス転移温度、結晶化温度、融解温度などは、特に指定がない限り、TA Instruments Differential Scanning Calorimeterを使用して、ASTM D3418−12に従って測定した。1回目の加熱走査で各サンプル(4〜8mg)を10℃/分で−60から200℃まで加熱し、2分間保持して熱履歴を消去し、次いで、1回目の冷却走査で10℃/分で−60℃まで冷却し、2回目の加熱走査で10℃/分で200℃まで加熱した。2回目の加熱走査を使用して、組成物及びフィルムのTgを決定した。様々なパラメータを、以下に定義する通りDSCから得た。
−ASTM D3418−12においてTmgと記載されている、2回目の加熱走査の中間温度を指す。
−ASTM D3418−12においてTpcと記載されている、1回目の冷却走査の結晶化ピーク温度を指す。
m1及びTm2−ASTM D3418−12においてそれぞれTpmと記載されている、1回目及び2回目の加熱走査の融解ピーク温度を指す。
組成物が結晶化する能力は、2回目の冷却走査中に形成される結晶性材料と関連する、以下の式
ΔHnm2=ΔHm2−ΔHcc2
[式中、ΔHm2は2回目の加熱走査の融解吸熱量を質量で正規化した(mass normalized)エンタルピーであり、ΔHcc2は2回目の加熱走査の結晶化発熱量を質量で正規化したエンタルピーである(ASTM D3418−12の第11節に記載の通り)。]を用いて算出された正味の融解吸熱量ΔHnm2を算出することによって決定された。核形成剤を含む組成物では、ΔHcc2は検出されなかったため、ΔHnm2=ΔHm2であった。
正味の融解吸熱量ΔHnm1は、(例えば溶融プレスにより調製された)フィルムにおける結晶化度と関連する。ΔHnm1は、以下の式
ΔHnm1=ΔHm1−ΔHcc1
[式中、ΔHm1は1回目の加熱走査の融解吸熱量を質量で正規化したエンタルピーであり、ΔHcc1は1回目の加熱走査の結晶化発熱量を質量で正規化したエンタルピーである(ASTM D3418−12の第11節に記載の通り)。]を用いて算出した。核形成剤を含むフィルムでは、ΔHcc1は検出されなかったため、ΔHnm1=ΔHm1であった。
発熱量及び吸熱量に関連するエンタルピーの絶対値(すなわち、ΔHm1、ΔHm2、ΔHcc1及びΔHcc2)を計算に用いた。
溶融プレス
混練したサンプルを、10mil厚のスペーサーを間に挟んで、2枚のテフロンシートの間に入れた。テフロンシートを金属シートの間に挟んだ。サンプルを間に挟んだ金属シートを、液圧プレス機(Carverから入手可能)の圧盤の間に置き、圧盤を340°Fまで加熱した。各サンプルを加圧せずに8分間予熱し、次いで300ポンド/平方インチの加圧下で5分間プレスした。次いで、金属プレートをCarverプレス機から取り出し、放冷した。溶融プレスしたフィルムを、DSC特性評価及び引張試験に供した。
引張試験
溶融プレスしたサンプルを0.5インチ幅のストリップに切断した。Instron4501引張試験機を使用して、室温で引張試験を行った。最初のグリップ距離は1インチであり、引張速度は1インチ/分又は100%ひずみ/分であった。試験結果を、3〜5個のサンプル複製の平均として報告した。引張強度(名目上)、弾性率及び破断点伸びパーセントは、ASTM D882−10の11.3及び11.5に記載されている通り決定した。
動的粘弾性測定(DMA)
TA Instrumentsから「DMA Q800」として入手可能なフィルム引張固定治具を用いて、動的粘弾性測定(DMA)を行って、温度の関数として、フィルムの物理的特性を評価した。サンプルを、2℃/分の速度、1ラジアン/秒の周波数及び0.1%の引張ひずみで、−40℃の温度から140℃まで加熱した。
180度剥離強度試験方法
接着剤の幅0.5インチ(約1.3cm)×長さ6インチ(約15cm)のストリップを、ローラーを使用してステンレス鋼製パネル上に積層した。23℃/50%RHの条件のCTH(恒温恒湿)室における滞留時間は10分であった。剥離強度測定は、180度剥離モードを使用して12インチ/分(in/min)(約30cm/分)で行った。6回の測定値の平均としてデータを記録した。
実施例及び対照例(「C」で示す)の組成物において使用した成分のそれぞれの重量%を表1に示す。例えば、実施例8は、ポリ乳酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー、及び可塑剤の総重量に基づいて、70重量%のPLA4032、15重量%のPVAc、15重量%のCitroflex A4を含有する。実施例8は、組成物の総重量に基づいて、0.2重量%のEcopromoteを更に含有していた。組成物のTg及び経時劣化の結果もまた、以下の通り表1において報告する。
Figure 0006983170
表1に示されるように、比較例C1、C4及びC5は経時劣化試験に合格したが、比較例C2、C3、C6及びC7は経時劣化試験に不合格であった。サンプルのTgは25℃まで低下し得る(比較C5により示されるように)が、それでも25℃以上では経時劣化試験に合格する(比較例C6及びC7により示されるように)。組成物がPLA、可塑剤及びPVAcを含んでいた場合、Tgは25℃より低温まで低下し、かつ経時劣化試験に合格し得る。
実施例及び対照例(「C」で示す)の組成物において使用されている成分のそれぞれの重量%、DSCの結果を以下の表2に示す。
Figure 0006983170
実施例12の組成物の代表的なDSCプロファイルを図1に示す。このDSCプロファイルは、冷却中のシャープな結晶化ピーク発熱を示す。図2に示すように、実施例16の組成物は、冷却中に結晶化を全く示さない。
溶融プレスしたフィルムの実施例及び対照例(「C」で示す)を調製するための組成物に使用されている成分のそれぞれの重量%、これらのフィルムのDSC及び引張試験の結果を以下の表3に示す。
Figure 0006983170
表3のフィルムのTgもまた、DSCにより測定すれば、表2の組成物と同じであり得た。実施例12及び16は、前述の動的粘弾性測定に従って試験した。実施例12の結果を図3に示し、実施例16の結果を図4に示す。
前述のフィルムは、(例えばバッキングとして)本明細書に記載のPLAフィルムを含む様々な接着剤でコーティングされたテープ及びシート物品に利用できる。
実施例22(EX−22)
44.8重量%のPLA4032、35重量%のPVAc、20重量%のCitroflex A4及び0.2重量%のEcopromoteを含有する実施例17のフィルム片を、97重量%のイソオクチルアクリレート及び3重量%のアクリルアミドから得られた、重量平均分子量が約1,000,000g/モルの、1mil厚のポリアクリレート感圧接着剤を用いて室温でオーバーラミネートした。続いて、(180度の剥離強度試験方法を使用した)180度の剥離強度が25インス/インチ(oz/in)(約27N/dm)と測定された。剥離試験中、ポリアクリレート接着剤はPLA系バッキングとよく接着し、ステンレス鋼パネルから接着剤がきれいに剥離することが観察された。
下表4に、下記の実施例に利用される追加の成分について記載する。
Figure 0006983170
実施例23(EX−23)PLA/PVAcフィルムの調製
25mm二軸押出成形機を溶融ブレンド及びキャストフィルム押出成形に使用した。押出成形機への原材料の供給。PLA4032樹脂、ECOMPROMOTEマスターバッチ(PLA4032中20重量%)及びDCS511を33:1:1(PLA4032:ECOPROMOTE:DCS511)の重量比で一緒にドライブレンドし、17.5lbs/時(約7.9kg/時)の速度で押出成形機のゾーン1内に供給した。PVAc粉末を、第2のフィーダを用いて押出成形機のゾーン1内に3.75lbs/時(約1.7kg/時)の速度で供給した。CITROFLEX A4可塑剤を、押出成形機のゾーン3内に3.75lbs/時(約1.7kg/時)の速度で供給した。押出成形機のゾーン4に真空引き(約1kPa〜2kPa)を適用した。ポリマー溶融物を、スロットダイを通して押出成形し、2.5mil(約64mm)厚のフィルムを形成した。フィルムを、70°F(21℃)の温度を有するキャストホイールと接触させて急冷し、次いでアニールのために210°F〜220°F(99℃〜104℃)の温度を有するひと続きの加温ロールに通して結晶化させた。アニールされたフィルムをおよそ室温(約23℃〜25℃)まで冷却した後、3インチ(約7.6cm)直径のコアに巻き付けてロールを形成した。詳細な押出成形条件は表5に要約した通りであった。
Figure 0006983170
最終組成物は以下を含んでいた。
Figure 0006983170
実施例24(EX−24)低接着性バックサイズ(「LAB」)層、プライマー及びホットメルト接着剤を有する、PLA/PVAcフィルムを備えたテープ
EX−23のPLA/PVAcフィルムを、プライマー、低接着性バックサイズ(「LAB」)コーティング、及びホットメルトアクリル接着剤を適用することによってテープロールにした。EX−23のPLA/PVAcフィルムの両面に、約50ダイン/cmのダインレベルまでの従来の方法及び装置を用いた空気コロナ処理を使用して、プライマーとLABとの結合を改善した。
剥離特性のため、溶媒系シリコーンアクリレート低接着性バックサイズ(LAB)を使用した。LABは、60/10/5/25の比のMA/MMA/MAA/KF−2001から製造された。この反応は、米国特許公開第2014/0138025号の実施例(例えば、表2のLAB−Si−R)に記載されているものと概ね同様の手順を用いて、メチルエチルケトン中で行った。LABを、約1.2ガロン/1000sqyds(約5.4リットル/1000m)の使用率で直接グラビアロールを使用してPLA/PVAcフィルムバッキングに適用し、150°F(約66℃)で乾燥した。
プライマー層(3M TAPE PRIMER94)を、約1.5ガロン/1000sqyds(約6.8リットル/1000m)の使用率で直接グラビアロールを使用してPLA/PVAcフィルムに適用した後、150°F(約66℃)で乾燥した。
ホットメルトアクリルPSA(米国特許第6,294,249号の実施例1の記載と概ね同様の手順を用いて調製され、98.25重量部のIOA、1.75重量部のAA、0.015重量部のIOTG、0.15重量部のIRGACURE 651、及び0.04重量部のIRGACURE 1076を含む。)をPLAフィルムバッキングのプライマー側の上にコーティングした。ホットメルトアクリル接着剤は、マスキングテープの性能を改善するために、UV安定剤、抗酸化剤、電子線助剤(スコーチ遅延型TMPTA)、DOTP可塑剤、及び粘着付与樹脂を含有していた。二軸押出成形機を使用して、成分をブレンドし、ホットメルトアクリル接着剤混合物を、回転ロッドダイを介してPLA/PVAcフィルムバッキングに9.5グレイン/24sqi(40g/m)のコーティング重量でコーティングした。コーティングされた接着剤に4.0Mradの線量で低電圧電子線を照射して、実施例24の硬化テープを得た。
次に、コーティングされたPLA/PVAcバッキングを、スコアスリット技術によりテープロールに変換した。
引張試験
INSTRON3365を使用して、実施例24のテープ(上記のLAB、プライマー及び接着剤コーティングをPLA/PVAcフィルムに添加した後)に引張試験を行った。最初のグリップ距離は2インチ(約5.1cm)であり、引張速度は2インチ/分(約5.1cm/分)であった。試験結果は、3〜5つのサンプルの複製の平均として報告した。引張強度(名目上)、弾性率及び破断点伸びパーセントは、ASTM D882−10の11.3及び11.5に記載されている通り決定された。
Figure 0006983170
180度剥離強度試験方法
実施例24のPLA/PVAcテープを、2kgのローラーを用いてステンレス鋼パネル上に積層した。23℃/50%RHに調節したCTH(恒温恒湿)室における滞留時間は10分であった。剥離強度測定は、180度剥離モードを使用して12インチ/分(約30cm/分)で行った。結果を、5回の測定の平均としてまとめた。
ステンレス鋼プレートに対するPLA/PVAcテープの180度剥離強度を測定したところ、11oz/in(約12N/dm)であった。剥離試験中、ポリアクリレート接着剤はPLA/PVAcテープバッキングによく接着し、ステンレス鋼パネルから接着剤がきれいに剥離されることが観察された。
PLA/PVAcテープ(1インチ幅、すなわち、約2.5cm幅)は適合しており、またステンレス鋼プレートによく接着しながらも、例えば、約6インチ(15cm)の直径、すなわち換言すれば3インチ(7.5cm)の曲率半径を有する円に手で湾曲させることによって明らかになるように、横方向に十分に湾曲することができた。
実施例25−PLA/PVAcフィルムの調製
約0.029インチ(0.0737cm)の厚さを有する白色のPLA/PVAcフィルムを、EX−23に記載のものと同様の押出成形条件を用いて調製した。フィルムは表7に列挙した組成を有していた。
Figure 0006983170
フロアマーキングテープの調製
粘着付与され、架橋されたスチレン−ブタジエンゴム系感圧接着剤(PSA)を剥離ライナー上に溶媒コーティングし、乾燥させた後、室温及び20ポンド/平方インチ(138キロパスカル)の圧力にて、上述の先に調製したPLA系フィルムの片面に積層した。得られたテープ物品は、剥離ライナーと、約0.002インチ(51μm)の厚さを有するスチレン−ブタジエンゴム系PSAと、PLA系バッキングとを順に有していた。
位置保持試験
摩耗したシールコンクリート製工業用床の1区画のごみを掃除し、布及びイソプロピルアルコール溶液で洗浄した。2インチ(5.1センチメートル)幅×18インチ(45.7センチメートル)長のテープサンプルを、壁に垂直な床に適用した。赤色の油性マジックを使用して、テープの長手方向縁部に沿って床をマークした。
次に、以下のように位置保持試験を行った。1800ポンド(816.5kg)のポリエチレン樹脂で満たされた段ボール箱を積んだ、50ポンド(22.7kg)の木製パレットを載せた、重量1040ポンド(472kg)の電動フォークリフトを、フロアマーキングテープの上を前後の各方向に25回ずつ走らせた。フォークリフトはテープの長手方向縁部に沿ってテープを横切った。合計50回の通過を完了した後、パレットを床に降ろし、フォークリフトがテープをその長手方向の縁部に沿って横切った状態で、テープ上にパレットを1回押した。これを週に1回、7週間繰り返した。
比較テープAは、2インチ(5.1センチメートル)の幅及び約60milの厚さを有する市販の工業用フロアマーキングテープである。このテープは、ポリビニルクロライドのバッキング及びその上にゴム系接着剤を有していた。これを位置保持特性について試験した。テープサンプルは、7週間の試験後であってもその位置を保持することが判明した。
実施例25
上述のように調製したフロアマーキングテープを位置保持特性について試験した。テープサンプルは、7週間の試験後であってもその位置を保持することが判明した。
実施例25は、比較テープAの好適な代替物であると考えられる。
実施例26(EX−26)PLA/PVAcフィルムの調製
25mm二軸押出成形機を溶融ブレンド及びキャストフィルム押出成形に使用した。PLA4032樹脂、ECOMPROMOTEマスターバッチ(PLA4032中20重量%)並びにSUKANO DC S511スリップ/ブロッキング防止剤及びSUKANO PLA CC S513TiOマスターバッチを一緒に乾式ブレンドし、押出成形機のゾーン1内に供給した。ポリビニルアセテート粉末を、第2のフィーダを用いて押出成形機のゾーン1内に供給した。CITROFLEX A4可塑剤を、押出成形機のゾーン3内に供給した。ポリマー溶融物を、スロットダイを通して押出成形し、4mil(約102mm)厚のフィルムを形成した。フィルムを、直ちに70°F(21℃)の温度を有するキャストホイールと接触させて急冷し、次いでアニールのために225°F〜230°F(107℃〜110℃)の温度を有するひと続きの加温ロールに通して結晶化させた。アニールされたフィルムをおよそ室温まで冷却した後、コアに巻き付けてロールを形成した。詳細な押出成形条件は表8に列挙した。
Figure 0006983170
実施例27(EX−27)
1)1620gの2−OA、2)180gのAA、3)0.72g(0.04phr)のIRGACURE 651、及び4)36gのシトロネリルアクリレート(CTA、調製については国際公開第2014/172185号(Lipscombら)参照、本明細書に参照により組み込まれる。)を、1ガロン(3.8リットル)ジャーに入れて感圧接着剤を調製した。モノマーの混合物を窒素で10分間パージし、次いで低強度紫外線に曝露し、コーティング可能プレポリマーシロップを調製した。次に追加の2.9g(0.15phr)のIRGACURE651を加えた。次いで、プレ接着剤配合物をEX−26のPLA/PVAcフィルム上に2mil(約50μm)の厚さでコーティングし、366mJ/cmのUVA光及び113mJ/cmのUVC光に1分間曝露することによって窒素下で硬化した。
EX−27の180度剥離強度を測定するために、洗浄と1回のアセトンすすぎに続く3回のヘプタンすすぎ、及び乾燥によりステンレス鋼(SS)プレートを準備した。接着テープサンプルを、2.54cm幅×20cm長(1インチ×8インチ)に切断した。これらのサンプルを、12.7cm(5インチ)の長さをプレートに接触させた状態で、露出している接着剤によりステンレス鋼プレートに接着させ、2kgのゴムローラーの各方向に2回通してローラー押圧した。サンプルを23℃/50%RHで15分間滞留させた後、IMASS剥離試験機を用いて、30.5cm/分(12インチ/分)の速度で180°の角度にて剥離接着試験を行った。結果はオンス/インチ(oz/in)で記録され、ニュートン/デシメートル(N/dm)にも換算された。EX−27については、結果は表9に列挙する通りであった。
Figure 0006983170

Claims (10)

  1. 品であって、
    結晶性ポリ乳酸ポリマー
    少なくとも25℃のTgを有するポリビニルアセテートポリマー、及び
    可塑剤
    を含むフィルムと、
    前記フィルム上に配置された接着剤の層と、
    を含む、物品。
  2. テープ又はシートである、請求項1に記載の物品。
  3. 前記接着剤が、感圧接着剤である、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記ポリビニルアセテートポリマーが、75,000g/モル〜750,000g/モルの範囲の分子量を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
  5. 前記ポリビニルアセテートポリマーが、20℃で10重量となるよう酢酸エチル中に溶解される場合に、前記ポリビニルアセテートポリマーは10〜50mPasの範囲の粘度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
  6. 前記ポリビニルアセテートポリマーが、ポリ乳酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー及び可塑剤の総量に基づいて、10〜50重量%の範囲の量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
  7. 前記可塑剤が、ポリ乳酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー及び可塑剤の総量に基づいて、5〜35重量%の範囲の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
  8. 前記フィルムが、核形成剤を、フィルムの総重量に基づいて0.01重量%〜重量%の範囲の量で更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
  9. 前記フィルムが、
    i)前記フィルムは、80℃で24時間経時劣化させたときに可塑剤の移行を呈さない、
    ii)前記フィルムは、30℃未満のTgを有する、
    iii)前記フィルムは、1回目の加熱走査で10J/gより大きく、かつ40J/g未満の、正味の融解吸熱量ΔHnm1を有する、
    iv)前記フィルムは、50%〜600%の引張伸びを有する、
    v)前記フィルムは、50MPa〜750MPaの引張弾性率を有する、
    vi)前記フィルムは、動的粘弾性測定により決定される引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱した場合、−40℃〜125℃の温度範囲で少なくとも10MPaである、
    vii前記フィルムは、動的粘弾性測定により決定される引張貯蔵弾性率が、2℃/分の速度で加熱した場合、25℃〜80℃の温度範囲で少なくとも5MPaである
    という、特性のうちのいずれか1つ又は組み合わせにより更に特徴付けられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の物品。
  10. フロアマーキングテープ又は塗料マスキングテープである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
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