JP6983088B2 - 燃料ガス供給装置 - Google Patents
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Description
つまり、内燃機関の負荷が急増した際には、貯留部に予め貯留されている燃料ガスが内燃機関に供給され、かつ、内燃機関の負荷が急減した際には、燃料ガス生成部から供給される燃料ガスのうちの余剰分が貯留部に貯留されることになる。
前記原料ガス供給部からの前記原料ガスの供給量を制御する原料ガス供給制御部が、前記内燃機関の負荷が大きくなるほど原料ガス供給量を多くする形態で基準供給量を求め、且つ、前記燃料ガス生成部から前記内燃機関に供給される前記燃料ガスを貯留する貯留部の実圧力を前記負荷が大きくなるほど小さくなるように定めた運転目標圧力にすべく、前記運転目標圧力と前記実圧力との差分値に基づいて前記基準供給量を補正する形態で目標供給量を求めて、前記原料ガスの供給量を前記目標供給量に制御するように構成されている点にある。
そして、原料ガス供給部から燃料ガス生成部に供給される原料ガスの供給量が、求められた目標供給量となるように制御される。
尚、目標供給量を求めて原料ガスの供給量を制御することは、設定制御周期で繰り返し行われることになる。
ちなみに、貯留部にバッファタンクを備えさせる場合においては、バッファタンクに貯留する燃料ガスの貯留量が制御されることによって、バッファタンクの容量を小さくしながらも、内燃機関の負荷の急増や急減に適切に対処できるため、バッファタンクの小容量化によって、装置全体の小型化を図ることができる。
前記原料ガス供給制御部が、前記水蒸気供給部から供給される前記水蒸気の水蒸気圧力が前記運転目標圧力よりも高い基準蒸気圧力よりも高くない場合には、前記実圧力を前記運転目標圧力よりも低い低目標圧力にすべく、前記低目標圧力と前記実圧力との差分値に基づいて前記基準供給量を補正する形態で前記目標供給量を求めるように構成されている点にある。
そして、原料ガス供給部から燃料ガス生成部に供給される原料ガスの供給量が、求められた目標供給量となるように制御される。
つまり、運転目標圧力は、通常運転状態の水蒸気供給部からの水蒸気の水蒸気圧力に基づいて定めた基準蒸気圧力よりも低く設定することになるが、基準蒸気圧力に近い値に設定することになる。
これにより、運転目標圧力を高圧に維持させることによって、燃料ガスを内燃機関の負荷変動に対する応答性の良い高圧状態で供給できるようにすることになる。
尚、低目標圧力は、運転目標圧力に較べて、燃料ガスを内燃機関の負荷変動に対する応答性の良い高圧状態で供給できないものとなるが、内燃機関の運転を継続させることができる燃料ガスの圧力に基づいて設定されることになる。
尚、目標供給量を求めて原料ガスの供給量を制御することは、設定制御周期で繰り返し行われることになる。
しかしながら、この場合には、貯留部の実圧力が内燃機関の負荷が大きいときに対応する小さな値の運転目標圧力に保たれているときに、水蒸気供給部から供給される水蒸気の水蒸気圧力が、運転目標圧力よりも十分に高いのにも拘わらず、基準蒸気圧力よりも高くない状態となって、貯留部の実圧力を運転目標圧力よりも低い低目標圧力に保つ状態に不必要に移行することになる等、貯留部の実圧力を運転目標圧力に保つ状態から低目標圧力に保つ状態に移行し易くなる虞がある。
そこで、基準蒸気圧力を内燃機関の負荷が大きくなるほど小さくなるように定めることによって、貯留部の実圧力を運転目標圧力よりも低い低目標圧力に保つ状態に移行することを極力回避させるのである。
その後、生成した混合ガス中に含まれる水素、一酸化炭素が、再合成部においてメタンを再合成する反応に供されるため、混合ガス中に含まれる水素、一酸化炭素濃度が低下して、メタンガス濃度が増加するため、メタン濃度の高い燃料ガスを得られる。
(燃料ガス供給装置の全体構成)
図1に示すように、燃料ガス供給装置には、重質炭化水素ガスを原料ガスFとして供給する原料ガス供給部1、原料ガス供給部1から原料ガス供給ライン2を通して供給される原料ガスを改質処理してメタンを主成分として含有する燃料ガスNを生成する燃料ガス生成部H、燃料ガスNを消費する内燃機関の一例としてのガスエンジンGE、燃料ガス生成部HとガスエンジンGEとの間に設けられて燃料ガスNを貯留するバッファタンクBT、及び、原料ガス供給部1からの原料ガスFの供給量を制御する原料ガス供給制御部CFが設けられている。
原料ガス供給ライン2には、原料ガスFの供給量を調整する供給量制御弁3が設けられ、加えて、ガスエンジンGEの排熱を利用して原料ガスFを予熱する予熱部5が設けられている。つまり、ガスエンジンGEの排ガスを予熱部5に導く予熱流路6が設けられている。
また、燃料ガス生成部Hからの燃料ガスNをバッファタンクBTに供給する燃料ガス排出路L5には、燃料ガスNを冷却する燃料ガス冷却部9が設けられている。
圧力制御部CAは、圧力調整弁8を制御して、ガスエンジンEに供給する燃料ガスNの供給圧力KPを目標供給圧力MKに調整するものであって、図7に示すように、ガスエンジンEの負荷(以下、エンジン負荷Eと呼称)が大きくなるほど、目標供給圧力MKを大きく設定して、供給圧力KPを目標供給圧力MKに調整するように構成されている。
尚、図7においては、エンジン負荷Eを運転レート[%]として記載する。
ちなみに、エンジン負荷Eを示す情報は、例えば、ガスエンジンEにて発電機を駆動する場合には、発電負荷に相当する情報であり、また、燃料ガスNの供給圧力KPを示す情報は、圧力調整弁8の下流側の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)にて検出される情報である。
そして、圧力制御部CAは、エンジン負荷Eと圧力関係情報とに基づいて、目標供給圧力MKを求め、供給圧力KPが目標供給圧力MKとなるように、圧力調整弁8の開度を制御するように構成されている。
燃料ガス生成部Hには、改質装置10及び脱硫装置20が装備されている。
改質装置10が、原料ガスFの分解反応を行い、メタンを含有する混合ガスを生成する混合ガス生成部11と、原料ガスFの分解反応に基づき生成する混合ガスに含まれる一酸化炭素及び水素からメタンを再合成する再合成部12とを備える形態に構成されている。
すなわち、予熱部5にて予熱された原料ガスFを、脱硫装置20を通過させて改質装置10の混合ガス生成部11に供給する原料ガス供給路L1が設けられている。
また、原料ガス供給路L1のうちの、脱硫装置20にて脱硫された後の原料ガスFを流動させる供給路部分が、混合ガス生成部11に接続される状態で設けられている。
ちなみに、再合成部12からの燃料ガスNが、上述の如く、燃料ガス排出路L5を通してバッファタンクBTに導かれることになり、かつ、燃料ガス冷却部9が、燃料ガスNを冷却して凝縮水を除去するように構成されている。
水蒸気混合部50には、ボイラ等から構成される水蒸気供給部40が接続されて、水蒸気供給部40から供給される水蒸気が原料ガスFに対して混合されるように構成されている。
改質装置10は、混合ガス生成部11を上部に備え且つ再合成部12を下部に備える状態で一体形成されている。
混合ガス生成部11には、脱硫装置20にて脱硫された原料ガスFを受け入れて改質触媒による改質処理(水蒸気改質処理)を行う断熱反応容器11Aが備えられている。
断熱反応容器11Aの内部には、改質触媒が充填されており、断熱反応容器11Aの内部が、改質処理(水蒸気改質処理)に適した所定の温度、圧力に管理されている。
つまり、再合成部12の外壁とチューブ状反応部11aとの間、及び、隣接するチューブ状反応部11a同士の間に、相互に連通する空間が形成されている。なお、この空間は、断熱反応容器11Aの内部とは連通しないように構成されている。
尚、上述の熱交換部11bの空間は、熱交換路L2として機能することになり、この熱交換路L2は、原料ガスFを改質装置10に供給するものであるから、原料ガス供給路L1の一部としても機能することになる。
つまり、内部冷却部11cが、再合成部12の外壁とチューブ状反応部11aとの間及び隣接するチューブ状反応部11a同士の間の空間を通して、冷却用の水を流動させて水蒸気を生成するように構成されている。
改質装置10の再合成部12の熱交換部11bから排出された水蒸気を含む原料ガスFは、脱硫装置20を通流して脱硫処理されることになる。尚、原料ガス供給路L1における熱交換部11bの熱交換路L2から脱硫装置20に至るまでの流路部分を、脱硫路L3と呼称する。
脱硫装置20は、脱硫触媒を充填した脱硫反応容器を備え、脱硫路L3が脱硫装置20の上部に接続される。
脱硫装置20を経由した水蒸気を含む原料ガスFは、原料ガス供給路L1を通して混合ガス生成部11に導入される。
原料ガス供給部1から供給される原料ガスFは、予熱部5にてガスエンジンGEからの高温の排ガスにより予熱され、リサイクルガス及び水蒸気が添加される。その後、原料ガスFは、再合成部12の一部を利用して構成された熱交換部11bによる加熱により、さらに昇温する。
昇温した原料ガスFは、再合成部12の上部から脱硫路L3に排出され、脱硫路L3を通して脱硫装置20に供給されて、脱硫処理される。
生成された混合ガスは反応熱により高温(例えば、450℃を超えて520℃以下)に達しており、混合ガス中に含まれる水素、一酸化炭素濃度はやや高くなる。
原料ガス供給制御部CFが、エンジン負荷Eが大きくなるほど原料ガス供給量を多くする形態で基準供給量M1を求め(図2参照)、且つ、燃料ガス生成部HからガスエンジンGEに供給される燃料ガスNを貯留する貯留部Jの実圧力RPをエンジン負荷Eが大きくなるほど小さくなるように定めた運転目標圧力MPにすべく、実圧力RPと運転目標圧力MPとの差分値SPに基づいて基準供給量M1を補正する形態で目標供給量MFを求めるように構成されている。
そして、原料ガス供給制御部CFが、供給量制御弁3の開度を調節して、原料ガスFの供給量を目標供給量MFに制御するように構成されている。
以下、基準供給量M1を実圧力RPと運転目標圧力MPとの差分値SPに基づいて補正して目標供給量MFを求め、原料ガスFの供給量を求めた目標供給量MFに制御する処理を、基準運転処理と略称する。
そして、原料ガス供給制御部CFが、供給量制御弁3の開度を調節して、原料ガスFの供給量を目標供給量MFに制御するように構成されている。
以下、基準供給量M1を実圧力RPと低目標圧力LPとの差分値SPに基づいて補正して目標供給量MFを求め、原料ガスFの供給量を求めた目標供給量MFに制御する処理を、補助運転処理と略称する。
また、水蒸気供給部40から供給される水蒸気の水蒸気圧力JPとして、水蒸気供給部40から水蒸気混合部50に供給される水蒸気の圧力を圧力センサ(図示せず)にて検出して、検出した水蒸気圧力JPを原料ガス供給部CFに入力するように構成されている。
原料ガス供給制御部CFには、各種の情報を記憶する記憶部Dが接続され、この記憶部Dには、エンジン負荷Eと基準供給量M1との関係を示す負荷関連情報(図2参照)、エンジン負荷Eと運転目標圧力MPとの関係を示す圧力関連情報(図3参照)、及び、上述した差分値PSと補正供給量M2との関係を示す差分値関連情報(図4参照)が記憶されている。
また、補正供給量M2は、差分値PSの絶対値が大きいほど多くする状態で求められることになる。
そして、原料ガス供給制御部CFは、基準供給量M1と補正供給量M2とを加算して目標供給量MFを求め、供給量制御弁3の開度を調節して、原料ガスFの供給量を目標供給量MFに制御することになる。
ちなみに、バッファタンクBTの容量を十分に小さくすると、エンジン負荷Eが急減した際に、燃料ガスNを外部に排出することになるが、エンジン負荷Eが大きいときの運転目標圧力MPを低く設定するものであるから、燃料ガスNの外部排出量を少なくできる。
上述した記憶部Dに、エンジン負荷Eと低目標圧力LPとの関係を示す低圧力関連情報(図5参照)、及び、上述した低圧側差分値SLと補正供給量M2との関係を示す低圧側差分値関連情報(図6参照)が記憶されている。
また、補正供給量M2は、差分値SLの絶対値が大きいほど多くする状態で求められることになる。
そして、原料ガス供給制御部CFは、基準供給量M1と補正供給量M2とを加算して目標供給量MFを求め、供給量制御弁3の開度を調節して、原料ガスFの供給量を目標供給量MFに制御する。
上述の如く、原料ガス供給制御部CFが、基準運転処理に加えて補助運転処理を行うことによって、水蒸気圧力JPが変動しても、ガスエンジンGEに対して燃料ガスNを供給する状態を継続することができる。
そして、補助運転処理が実行されているときに、水蒸気圧力JPが基準蒸気圧力KPより高い場合に復帰すると、補助運転処理から、タンク内圧力TP(実圧力RP)を運転目標圧力MPに制御する基準運転処理に復帰することになる。
以下別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、LPG船に搭載した内燃機関としてのガスエンジンGEに燃料ガスNを供給する場合について例示したが、本発明の燃料ガス供給装置は、その他の種々の目的で装備される内燃機関に対する燃料ガスNの供給に適用できるものである。
この場合には、低目標圧力LPを目標供給圧力MKよりも高い一定の圧力に設定することになる。
10 改質装置
11 混合ガス生成部
12 再合成部
CF 原料ガス供給制御部
GE 内燃機関
H 燃料ガス生成部
Claims (5)
- 重質炭化水素ガスである原料ガスを改質処理してメタンを主成分として含有する燃料ガスを生成する燃料ガス生成部と、当該燃料ガス生成部に前記原料ガスを供給する原料ガス供給部と、前記燃料ガスを消費する内燃機関とが設けられた燃料ガス供給装置であって、
前記原料ガス供給部からの前記原料ガスの供給量を制御する原料ガス供給制御部が、前記内燃機関の負荷が大きくなるほど原料ガス供給量を多くする形態で基準供給量を求め、且つ、前記燃料ガス生成部から前記内燃機関に供給される前記燃料ガスを貯留する貯留部の実圧力を前記負荷が大きくなるほど小さくなるように定めた運転目標圧力にすべく、前記運転目標圧力と前記実圧力との差分値に基づいて前記基準供給量を補正する形態で目標供給量を求めて、前記原料ガスの供給量を前記目標供給量に制御するように構成されている燃料ガス供給装置。 - 前記燃料ガス生成部が、前記改質処理として、水蒸気供給部から供給される水蒸気により水蒸気改質処理を実行するように構成され、
前記原料ガス供給制御部が、前記水蒸気供給部から供給される前記水蒸気の水蒸気圧力が前記運転目標圧力よりも高い基準蒸気圧力よりも高くない場合には、前記実圧力を前記運転目標圧力よりも低い低目標圧力にすべく、前記実圧力と前記低目標圧力との差分値に基づいて前記基準供給量を補正する形態で前記目標供給量を求めるように構成されている請求項1記載の燃料ガス供給装置。 - 前記基準蒸気圧力が、前記負荷が大きくなるほど小さくなるように定められている請求項2記載の燃料ガス供給装置。
- 前記低目標圧力が、前記負荷が大きくなるほど大きくなるように定められている請求項2又は3記載の燃料ガス供給装置。
- 前記燃料ガス生成部が、前記原料ガスを脱硫処理する脱硫装置と、前記脱硫装置にて脱硫処理された前記原料ガスを改質触媒により前記水蒸気改質してメタンに分解する分解反応を行い、メタンを含有する混合ガスを生成する混合ガス生成部、及び、当該混合ガスに含まれる一酸化炭素及び水素から触媒によりメタンを再合成する再合成部を備えた改質装置と、を備える形態に構成されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料ガス供給装置。
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