JP6981567B1 - バッテリケース及びこれを用いた蓄電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のケースが積み重ねられた構造を有する改良されたバッテリケースを提供する。【解決手段】バッテリケースは、下部ケース10及び上部ケース20とこれらを連結する連結部材60とを備える。下部ケース10及び上部ケース20を構成する第1筐体11及び第2筐体21はいずれも、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有する。連結部材60は、下部ケース10の第1天板12と上部ケース20の第2底板23の間に空間が形成されるよう両者を連結する。これにより、第1筐体11及び第2筐体21の防水性が高められるとともに、上下方向への機械的強度が高いことから、積み重ねた場合の強度が不足することもない。しかも、下部ケース10と上部ケース20の間に空間が形成されるよう連結されることから、下部ケース10と上部ケース20の間における熱伝導も生じにくい。【選択図】図1

Description

本発明はバッテリケースに関し、特に、各種モジュールを収容する下部ケースと上部ケースが積み重ねられた構造を有するバッテリケースに関する。また、本発明は、このようなバッテリケースを用いた蓄電池システムに関する。
特許文献1及び2に示すように、蓄電池システムは、バッテリモジュールや制御ボックスなどの各種モジュールがバッテリケースに収容された構成を有している。しかしながら、大型の蓄電池システムには多くのモジュールが含まれることから、全てのモジュールを単一のバッテリケースに収容すると、全体の重量が重くなりすぎ、運搬や設置作業が困難となる。このため、大型の蓄電池システムにおいては、複数のバッテリケースを用い、これら複数のバッテリケースを積み重ねて使用する方法が考えられる。
特開2013−105723号公報 特開2015−225703号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているように、一般的なバッテリケースは、正面、背面、両側面、天面及び底面からなる6面がそれぞれ異なるパーツからなり、これらを組み合わせることによってバッテリケースが形成されることから、防水性の確保が問題になるとともに、積み重ねた場合の強度が不足するおそれがあった。また、積み重ねられたバッテリケース間における熱の伝導により、蓄電池システム全体が高熱になるおそれもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のケースが積み重ねられた構造を有する改良されたバッテリケース及びこれを用いた蓄電池システムを提供することである。
本発明によるバッテリケースは、バッテリモジュールを収容するためのバッテリケースであって、上下に開口部を有する四角柱筒状の第1筐体、第1筐体の上部開口部を閉塞する第1天板及び第1筐体の下部開口部を閉塞する第1底板を含む下部ケースと、上下に開口部を有する四角柱筒状の第2筐体、第2筐体の上部開口部を閉塞する第2天板及び第2筐体の下部開口部を閉塞する第2底板を含む上部ケースと、下部ケースの第1天板と上部ケースの第2底板を連結する連結部材とを備え、第1筐体及び第2筐体はいずれも、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有し、連結部材は、下部ケースの第1天板と上部ケースの第2底板の間に空間が形成されるよう、両者を連結することを特徴とする。また、本発明による蓄電池システムは、上記のバッテリケースと、下部ケースに収容されたバッテリモジュールと、上部ケースに収容された制御ボックスとを備える。
本発明によれば、下部ケース及び上部ケースの筐体がいずれも一枚の長方形板状部材を筒状に成形した構造を有していることから、つなぎ目が少なく、高い防水性を得ることが可能となる。しかも、このような筒状構造を有する筐体は、上下方向への機械的強度が高いことから、積み重ねた場合の強度が不足することもない。しかも、下部ケースの第1天板と上部ケースの第2底板の間に空間が形成されるよう連結されることから、下部ケースと上部ケースの間における熱伝導も生じにくい。
本発明において、連結部材は、第1天板及び第2底板の第1の辺と、第1天板及び第2底板の第1の辺と平行な第2の辺に設けられていても構わない。これによれば、第1天板と第2底板の間に形成される空間は、第1及び第2の辺と直交する第3及び第4の辺において開口することから、空気の流通が促進される。この場合、第1及び第2の辺は短辺であっても構わない。これによれば、第1天板と第2底板の間に形成される空間に長辺側から空気が流通することから、放熱効果が高められる。
本発明において、第2底板は、第1及び第2の辺から第1天板に向かって積層方向に突出する突出部と、突出部の先端を第1天板と平行な方向に折り返した折り返し部とを有し、連結部材は、第1天板と折り返し部の間に位置する水平部と、水平部に対して垂直な垂直部とを有するL字型構造を有し、第1天板と連結部材は、折り返し部と水平部を連結することにより互いに固定され、第2底板と連結部材は、突出部と垂直部を連結することにより互いに固定されていても構わない。これによれば、下部ケースと上部ケースを強固に連結することが可能となる。
本発明によるバッテリケースは、第1及び第2筐体の背面又は側面を覆う電線管カバーをさらに備え、下部ケースは、第1筐体の背面又は側面に設けられ、電線管を通すための第1貫通保護部材を有し、上部ケースは、第2筐体の背面又は側面に設けられ、電線管を通すための第2貫通保護部材を有し、電線管カバーは、電線管、第1貫通保護部材及び第2貫通保護部材を覆うものであっても構わない。これによれば、下部ケースと上部ケースを積み重ねた後に、両者を配線によって接続することができ、施工性が向上する。この場合、下部ケースは記第1貫通保護部材を囲む筒状の第1カバー部材をさらに有し、上部ケースは第2貫通保護部材を囲む筒状の第2カバー部材をさらに有し、電線管カバーは、第1及び第2カバー部材の開口部を閉塞するものであっても構わない。これによれば、より高い防水性を得ることが可能となる。貫通保護部材としては、グロメット、PF管コネクタ、ケーブルグランド等を用いることができる。また、第1貫通保護部材と第2貫通保護部材を接続する結合管を設けて、結合管の内部に電線管を通しても構わない。
このように、本発明によれば、下部ケースと上部ケースが積み重ねられた構造を有するバッテリケース及びこれを用いた蓄電池システムにおいて、防水性、機械的強度及び信頼性を確保することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態による蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。 図2は、蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。 図3は、蓄電池システム1の略透視斜視図である。 図4は、蓄電池システム1の略透視斜視図である。 図5Aは、蓄電池システム1に電線管カバー50を装着した状態を示す略透視側面図である。 図5Bは、蓄電池システム1に電線管カバー50を装着した状態の変形例を示す略透視斜視図である。 図6は、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。 図7は、連結部材60による下部ケース10と上部ケース20の連結方法を説明するための略斜視図である。 図8は、連結部材60による下部ケース10と上部ケース20の連結方法を説明するための略断面図である。 図9は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するためのY方向から見た略透視正面図である。 図10は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するためのX方向から見た略透視側面図である。 図11は、本発明の第2の実施形態による蓄電池システムにおいて、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。 図12は、開口部12aの周辺の構造の第1の例を説明するための略断面図である。 図13は、開口部12aの周辺の構造の第2の例を説明するための略断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1及び図2は本発明の第1の実施形態による蓄電池システム1の外観を示す略斜視図である。また、図3及び図4は蓄電池システム1の略透視斜視図であり、図5Aは蓄電池システム1に電線管カバー50を装着した状態を示す略透視側面図である。
図1〜図5Aに示すように、本発明の第1の実施形態による蓄電池システム1は、下部ケース10及び上部ケース20からなるバッテリケースと、下部ケース10に収容されたバッテリモジュールB1,B2と、上部ケース20に収容されたバッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dとを有している。下部ケース10に2つのバッテリモジュールB1,B2を収容しているのは、バッテリモジュールB1,B2の重量が大きいからであり、上部ケース20に制御ボックスH及びコンバータ回路Dを収容しているのは、制御ボックスH及びコンバータ回路Dの発熱が大きいからである。下部ケース10は、土台に固定するための固定金具14を有している。上部ケース20は下部ケース10に積み重ねられるとともに、2つの連結部材60を用いて下部ケース10に固定されている。図3に示すように、バッテリモジュールB1〜B3はX方向にオフセットして収容されており、これにより下部ケース10及び上部ケース20の内部には、スペースSが形成される。スペースSは、後述する作業スペースとして用いられるとともに、動力線や信号線などのケーブルを通す収容スペースとしても用いられる。
下部ケース10は、上下(Z方向)に開口部を有する四角柱筒状の第1筐体11と、第1筐体11の上部開口部を閉塞する第1天板12と、第1筐体11の下部開口部を閉塞する第1底板13とを含む。同様に、上部ケース20は、上下(Z方向)に開口部を有する四角柱筒状の第2筐体21と、第2筐体21の上部開口部を閉塞する第2天板22と、第2筐体21の下部開口部を閉塞する第2底板23とを含む。第1筐体11及び第2筐体21はいずれも、一枚の長方形板状部材、例えばカラー鋼板と呼ばれる先塗装材が折り曲げ加工された部材であり、長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有し、Z方向に延在する巻締め部11a,21aにおいて巻締め加工されることにより、全体として上下に開口部を有し内部空洞で四面を有する四角柱筒状を有している。
このように、本実施形態によるバッテリケースは、一枚の金属板が筒状に折り曲げ加工されてなる第1筐体11及び第2筐体21を用いていることから、巻締め部11a,21a以外につなぎ目が存在せず、高い防水性を得ることが可能となる。しかも、一枚の金属板が筒状に加工されていることから、比較的厚みの薄い金属板を用いた場合であっても、Z方向における十分な機械的強度を得ることが可能となる。ここで、第1筐体11及び第2筐体21の四面は、XZ面を構成する正面及び背面と、YZ面を構成する両側面からなる。XZ面を構成する正面及び背面は、YZ面を構成する両側面よりも面積が大きい。つまり、X方向が長辺、Y方向が短辺である。
3つのバッテリモジュールB1〜B3は、制御ボックスHを介してコンバータ回路Dに接続されている。コンバータ回路Dは、直流電圧を一定に保つためのDCDCコンバータであり、動作によって大きな熱を発生させる。コンバータ回路Dが発生する熱は、上部ケース20の背面に設けられたヒートシンク41によって放熱される。また、上部ケース20の内部においては、コンバータ回路Dを熱分離壁42で覆うことにより、バッテリモジュールB3や制御ボックスHへの熱伝導が抑制される。
図5Aに示すように、下部ケース10を構成する第1筐体11の背面には、電線管51を通すための貫通保護部材31が設けられている。また、上部ケース20を構成する第2筐体21の背面には、電線管51〜53を通すための貫通保護部材32〜34が設けられている。貫通保持部材31〜35は、第1筐体11又は第2筐体21の開孔の縁が電線管51と接触するのを防止する目的で開孔に嵌め込む部材であり、図5Aに示す例ではグロメットを用いている。電線管51の内部には、バッテリモジュールB1,B2と制御ボックスHを接続する動力線及び信号線が収容される。また、電線管52,53の内部には、コンバータ回路Dと外部のパワーコンディショナーを接続する動力線及び信号線がそれぞれ収容される。これら貫通保護部材31〜34及び電線管51〜53は、第1及び第2筐体11,21の背面に設けられた電線管カバー50によって覆われる。これにより、下部ケース10と上部ケース20を積み重ねた後に、両者を配線によって接続することができ、施工性が向上する。また、電線管カバー50によって簡易的に防水されることから、信頼性や耐久性が向上するだけでなく、デザイン性も高められる。また、貫通保護部材31と32を接続する結合管37を設け、結合管37の内部に電線管51を通すことによって電線管51を保護しても構わない。
或いは、変形例である図5Bに示すように、第1筐体11の側面及び第2筐体21の側面にそれぞれ貫通保護部材35,36を設けるとともに、貫通保護部材35,36をそれぞれ囲む筒状のカバー部材54,55を用いても構わない。図5Bに示す例では、貫通保護部材35,36としてグロメットを用いている。カバー部材54,55はX方向の両側に開口する筒状体であり、XY壁面とXZ壁面を有している。カバー部材54,55の一方の開口部は、それぞれ第1筐体11の側面及び第2筐体21の側面によって閉塞される。そして、カバー部材54,55の壁面に設けたガイド又は貫通孔に電線管51を通し、これによってバッテリモジュールB1,B2と制御ボックスHを接続しても構わない。電線管カバー50を下部ケース10及び上部ケース20に装着すると、カバー部材54,55の他方の開口部が電線管カバー50によって閉塞され、防水性が高められる。なお、貫通保護部材31〜36としてグロメットを用いることは必須でなく、PF管コネクタやケーブルグランド等を用いても構わない。
図6は、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。
図6に示すように、下部ケース10を構成する第1天板12には、Y方向に延在する両短辺に連結部材60が固定されている。連結部材60は、XZ断面がL字型構造を有する金属部品であり、図7及び図8に示すように、XY面を有する水平部61と、YZ面を有する垂直部62を有している。ここで、第2底板23は、Y方向に延在する短辺から第1天板12に向かってZ方向に突出する突出部23aと、突出部23aの先端をX方向における内側に折り返した折り返し部23bとを有しており、一対の連結部材60の内側に突出部23a及び折り返し部23bを嵌合させることにより、上部ケース20が位置決めされる。これにより、連結部材60の水平部61は、第1天板12と折り返し部23bの間に位置し、連結部材60の垂直部62は、突出部23aとX方向に重なる。そして、第1天板12と連結部材60は、第1天板12と水平部61をネジ64によって連結することにより互いに固定され、第2底板23と連結部材60は、突出部23aと垂直部62をネジ63によって連結することにより互いに固定される。また、第1天板12と水平部61は、ネジ64に代えて或いはネジ64に加えて、防水両面テープ65によって固定しても構わない。
かかる構成により、下部ケース10と上部ケース20を容易に固定することができるため、バッテリモジュールB1,B2が収容された下部ケース10と、バッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dが収容された上部ケース20を用意し、両者を積み重ねることによって、蓄電池システム1を設置することが可能となる。しかも、連結部材60を用いて下部ケース10と上部ケース20を連結すると、第1天板12と第2底板23の間には、垂直部62の高さに相当する空間が形成される。このため、主にコンバータ回路Dから発生する熱が下部ケース10に伝達にしにくくなるとともに、X方向に延在する長辺側から空気が流通することから、放熱効果が高められる。
図9及び図10は、バッテリモジュールB1,B2を下部ケース10に固定する方法を説明するための図であり、図9はY方向から見た略透視正面図、図10はX方向から見た略透視側面図である。
図9に示すように、下部ケース10を構成する第1底面13には、金属などからなる固定部品71,72が固定されている。固定部品71は、XZ断面がL字型構造を有し、Y方向に延在している。固定部品71は、Y方向から見てZ方向に延在する垂直部の一方の端部(下端)が第1底面13に固定され、垂直部の他方の端部(上端)からX方向に延在する水平部は、バッテリモジュールB1,B2に向かって突出している。固定部品72は、Y方向に延在する板状体であり、スペースSに配置されている。固定部品72は、XY面が第1底面13に固定されている。
一方、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面S3の下部には、金属などからなる固定部品81,82が固定されている。固定部品81は、YZ側面S3の下部に固定されており、XZ断面がL字型構造を有し、Y方向に延在している。固定部品81は、Z方向に延在する垂直部のYZ面がバッテリモジュールB1,B2のYZ側面S3に固定され、垂直部の端部から第1筐体11の一方の側面S1に向かってX方向に突出する水平部が固定部品71と嵌合する。固定部品82は、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面S4の下部に固定されており、XZ断面がL字型を有し、Y方向に延在している。固定部品82は、YZ面がバッテリモジュールB1,B2のYZ側面S4に固定され、X方向に突出する部分が固定部品72にネジ止めされ、これにより第1底面13に固定される。固定部品82のネジ止めは、固定部品72及び第1底面13の両方に対して行うことにより、固定部品82と第1底面13を直接的に固定しても構わないし、固定部品72に対して行うことにより、固定部品82と第1底面13を間接的に固定しても構わない。
そして、下部ケース10の内部にバッテリモジュールB1,B2を収容する際には、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面S3が第1筐体11の一方のYZ側面S1と向かい合い、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面S4が第1筐体11の他方のYZ側面S2と向かい合うよう収容した後、バッテリモジュールB1,B2をX方向にスライドさせる。これにより、第1底面13と固定部品71の水平部の間に固定部品81の水平部が挿入され、L字型の固定部品81がL字型の固定部品71に嵌合する。その後、スペースSに電動工具90を入れて固定部品72,82をネジ止めする。これにより、バッテリモジュールB1,B2は、下部ケース10の内部に確実に固定される。このように、バッテリモジュールB1,B2の一方のYZ側面については、ネジ止めを行うことなく固定部品71,81の嵌合により位置決めし、バッテリモジュールB1,B2の他方のYZ側面については、ネジ止めによって固定を行っていることから、電動工具90を用いた片側からの作業によってバッテリモジュールB1,B2の固定が完了する。このため、第1筐体11のYZ側面S1とバッテリモジュールB1,B2の側面S3のX方向における距離W1を、第1筐体11のYZ側面S2とバッテリモジュールB1,B2の側面S4のX方向における距離W2よりも十分に狭くすることができ、小型化が図られる。上部ケース20におけるバッテリモジュールB3の固定についても同様に行うことができる。
このように、本実施形態においては、バッテリモジュールB1〜B3の収容位置をオフセットさせることにより形成されるスペースSを利用してバッテリモジュールB1〜B3の固定作業を行うことが可能である。また、メンテナンス時や交換時においても、固定部品72,82のネジ止めを外すことにより、バッテリモジュールB1〜B3を容易に取り外すことが可能である。
<第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態による蓄電池システムにおいて、下部ケース10に上部ケース20を積層する前の状態を示す略透視斜視図である。
図11に示すように、第2の実施形態においては、下部ケース10を構成する第1天板12に開口部12aが設けられている。開口部12aは、動力線及び信号線などのケーブルを通すための穴であり、スペースSと重なる位置に設けられている。このため、本実施形態においては、図2等に示す貫通保護部材31は不要である。
図12は、開口部12aの周辺の構造の第1の例を説明するための略断面図である。
図12に示す第1の例では、上部ケース20の第2底板23に開口部23cが設けられており、開口部23cの周囲は、絞り加工等により下部ケース10に向かって第2底板23を変形させた筒状の突出部24dを構成する。筒状部材である突出部24dは、第1天板12と第2底板23の間に位置し、Z方向から見て開口部12a,23cを取り囲む。また、第1天板12と第2底板23の間には、開口部12a,23cと重なる位置に成形品100が配置される。成形品100は樹脂や金属などからなり、防水両面テープ103などを用いて第1天板12の外面に接着される平板部101と、筒状の突出部102を有している。突出部102は、先端ほど径が縮小する形状を有しており、筒状の突出部23dに挿入される。突出部23dの先端と成形品100の平板部101の間には、防水性を確保するためのクッション部材110が設けられる。
このような構成により、下部ケース10内のバッテリモジュールB1,B2に接続されたケーブル120は、開口部12a,23cを介して上部ケース20内に引き出すことができる。つまり、下部ケース10と上部ケース20を積み重ねる前に、下部ケース10内のケーブル120を開口部12aから引き出すとともに、成形品100及びクッション部材110を装着し、この状態で下部ケース10の第1天板12と上部ケース20の第2底板23が向かい合うよう、下部ケース10に上部ケース20を積み重ねる。これにより、ケーブル120の先端に設けられたコネクタ130は、上部ケース20のスペースS内に露出するため、コネクタ130をハンドリングすることにより、制御ボックスHに容易に接続することが可能となる。突出部102の先端部の径は、ケーブル120が下部ケース10内に落下しないよう、コネクタ130の径よりも小さいことが好ましい。
このように、図12に示す例では、上部ケース20の第2底板23に開口部23cを設けるとともに、絞り加工された筒状の突出部24dを設け、突出部23dの先端と成形品100の間にクッション部材110を介在させている。これにより、部品点数を抑えつつ防水性を確保し、且つ、下部ケース10に収容されたバッテリモジュールB1,B2と上部ケース20に収容された制御ボックスHを内部で直接接続することが可能となる。しかも、開口部23cはスペースSに設けられていることから、作業性も高められる。また、突出部23aのZ方向における高さなどに応じて成形品100の形状やサイズを変更することにより、確実に防水を行うことが可能となる。尚、図12に示す例では、下部ケース10に向かって第2底板23を変形させた突出部24dを用い、突出部23dの先端をクッション部材110に押し当てることによって防水性を確保しているが、これとは逆に、上部ケース20に向かって第1天板12を変形させた筒状部材を用い、筒状部材の先端をクッション部材110に押し当てることによって防水性を確保しても構わない。
図13は、開口部12aの周辺の構造の第2の例を説明するための略断面図である。
図13に示す第2の例では、上部ケース20の第2底板23に筒状の突出部24dを設ける代わりに、成形品150が追加されている。成形品150は樹脂や金属などからなり、防水両面テープ153などを用いて第2底板23の内面に接着される平板部151と、筒状部材を構成する突出部152を有している。また、成形品100の代わりに成形品140が用いられている。成形品140は樹脂や金属などからなり、第1天板12の外面に接着される平板部141と筒状の突出部142を有している。突出部142は、筒状の突出部152に挿入される。突出部152の先端と成形品140の平板部141の間には、防水性を確保するためのクッション部材110が設けられる。筒状である突出部152の底部はコネクタ130の収容部を構成しており、これにより、ケーブル120の下部ケース10内への落下が防止されるとともに、上部ケース20を下部ケース10に積み重ねる際に、ケーブル120やコネクタ130が邪魔になることがない。
このような構成により、上部ケース20の第2底板23を絞り加工することなく、図12に示す第1の例と同様の効果を得ることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、下部ケース10に2つのバッテリモジュールB1,B2を収容し、上部ケース20にバッテリモジュールB3、制御ボックスH及びコンバータ回路Dを収容しているが、下部ケース10及び上部ケース20に収容するモジュールの数及び種類については特に限定されない。また、上記実施形態では2つのケース10,20を積み重ねているが、3つ以上のケースを積み重ねることによって蓄電池システムを構成しても構わない。
1 蓄電池システム
10 下部ケース
11 第1筐体
11a 巻締め部
12 第1天板
12a 開口部
13 第1底面
14 固定金具
20 上部ケース
21 第2筐体
21a 巻締め部
22 第2天板
23 第2底面
23a 突出部
23b 折り返し部
23c 開口部
23d 突出部
31〜36 貫通保護部材
37 結合管
41 ヒートシンク
42 熱分離壁
50 電線管カバー
51〜53 電線管
54,55 カバー部材
60 連結部材
61 水平部
62 垂直部
63,64 ネジ
65 防水両面テープ
71,72,71,81 固定部品
90 電動工具
100 成形品
101 平板部
102 突出部
103 防水両面テープ
110 クッション部材
120 ケーブル
130 コネクタ
140 成形品
141 平板部
142 突出部
150 成形品
151 平板部
152 突出部
153 防水両面テープ
B1〜B3 バッテリモジュール
D コンバータ回路
H 制御ボックス
S スペース

Claims (12)

  1. バッテリモジュールを収容するためのバッテリケースであって、
    上下に開口部を有する四角柱筒状の第1筐体と、前記第1筐体の上部開口部を閉塞する第1天板と、前記第1筐体の下部開口部を閉塞する第1底板とを含む下部ケースと、
    上下に開口部を有する四角柱筒状の第2筐体と、前記第2筐体の上部開口部を閉塞する第2天板と、前記第2筐体の下部開口部を閉塞する第2底板とを含む上部ケースと、
    前記下部ケースの前記第1天板と前記上部ケースの前記第2底板を連結する連結部材と、を備え、
    前記第1筐体及び前記第2筐体はいずれも、一枚の長方形板状部材の互いに平行な二辺を付き合わせて固定した構造を有し、
    前記連結部材は、前記下部ケースの前記第1天板と前記上部ケースの前記第2底板の間に空間が形成されるよう、両者を連結することを特徴とするバッテリケース。
  2. 前記連結部材は、前記第1天板及び前記第2底板の第1の辺と、前記第1天板及び前記第2底板の前記第1の辺と平行な第2の辺に設けられることを特徴とする請求項1に記載のバッテリケース。
  3. 前記第1及び第2の辺は短辺であることを特徴とする請求項2に記載のバッテリケース。
  4. 前記第2底板は、前記第1及び第2の辺から前記第1天板に向かって積層方向に突出する突出部と、前記突出部の先端を前記第1天板と平行な方向に折り返した折り返し部とを有し、
    前記連結部材は、前記第1天板と前記折り返し部の間に位置する水平部と、前記水平部に対して垂直な垂直部とを有するL字型構造を有し、
    前記第1天板と前記連結部材は、前記折り返し部と前記水平部を連結することにより互いに固定され、
    前記第2底板と前記連結部材は、前記突出部と前記垂直部を連結することにより互いに固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のバッテリケース。
  5. 前記第1及び第2筐体の背面又は側面を覆う電線管カバーをさらに備え、
    前記下部ケースは、前記第1筐体の前記背面又は側面に設けられ、電線管を通すための第1貫通保護部材を有し、
    前記上部ケースは、前記第2筐体の前記背面又は側面に設けられ、前記電線管を通すための第2貫通保護部材を有し、
    前記電線管カバーは、前記第1貫通保護部材及び前記第2貫通保護部材を覆うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバッテリケース。
  6. 前記第1及び第2貫通保護部材は、グロメットであることを特徴とする請求項5に記載のバッテリケース。
  7. 前記第1及び第2貫通保護部材は、PF管コネクタであることを特徴とする請求項5に記載のバッテリケース。
  8. 前記第1及び第2貫通保護部材は、ケーブルグランドであることを特徴とする請求項5に記載のバッテリケース。
  9. 前記第1貫通保護部材と前記第2貫通保護部材を接続する結合管をさらに備え、前記結合管の内部に電線管を通すことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のバッテリケース。
  10. 前記下部ケースは、前記第1貫通保護部材を囲む筒状の第1カバー部材をさらに有し、
    前記上部ケースは、前記第2貫通保護部材を囲む筒状の第2カバー部材をさらに有することを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載のバッテリケース。
  11. 前記電線管カバーは、前記第1及び第2カバー部材の開口部を閉塞することを特徴とする請求項10に記載のバッテリケース。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のバッテリケースと、前記下部ケースに収容されたバッテリモジュールと、前記上部ケースに収容された制御ボックスとを備える蓄電池システム。
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