<第一実施形態>
第一実施形態は、複数の波源を備える空中給電型アンテナ装置についての実施形態である。
[構成と動作]
図4乃至図6は、第一実施形態のアンテナ装置の第一の例であるアンテナ装置500aの構成を表す概念図である。
図4は、アンテナ装置500aを波源側から見た場合を想定した図である。図5は、アンテナ装置500aの図4に表す矢印901aの向きを見た場合を想定した図である。図6は、アンテナ装置500aの図4に表す矢印901bの向きを見た場合を想定した図である。なお、図5では、図4に表す中継素子221乃至244並びに波源121及び122は図示を省略してある。また、図6においては、図4に表す、中継素子212乃至214及び222乃至224及び232乃至234及び242乃至244並びに波源112及び122は、図示を省略してある。
アンテナ装置500aは、中継アレイ200aと、4つの波源である波源111乃至122とを備える。
中継アレイ200aは、16個の中継素子である中継素子211乃至244を備える。
中継素子211乃至244の各々(各中継素子)は、図4に表すように、第一方向911aに4つ配列した列が、第一方向911aと垂直な第二方向911bに4列配列している。各中継素子は、図4に表すように等距離に配置され、図示しない部材により固定されている。各中継素子の向きは互いに等しい。隣り合う二つの中継素子間の距離は、第一方向911a、第二方向911b、共に、距離L/3である。ここで、距離Lは、中継素子の第一方向911aの設置範囲である、第一方向911aの最左端の中継素子と最右端の中継素子との距離である。ここで、本明細書では、中継素子の設置範囲は、中継素子の備える受信用アンテナの中心部の設置範囲をいうものとする。距離Lは、中継素子の第二方向911bの設置範囲である、第二方向911bの最上端の中継素子と最下端の中継素子との距離でもある。
4つの波源111乃至122は、中継アレイ200aにおける各中継素子の配列面と平行に、互いに等しい素子の向きで配列し、図示しない部材により互いに固定されている。
各波源が配置された平面と各中継素子が配置された面との距離は、図1乃至図3に表す波源100と各中継素子が配置された面と等しいものとする。
隣り合う二つの波源の間の距離(波源の電波を放射する部分の中心部間の距離)は、図4に表す第一方向911a及び第二方向911b共に距離L/2である。また、波源111及び112の各々と中継素子211乃至214の列との距離は、図4に表す見方において、L/4である。また、波源111及び121の各々と中継素子211乃至241の列との距離は、図4に表す見方において、L/4である。また、波源121及び122の各々と中継素子241乃至244の列との距離は、図4に表す見方においてL/4である。また、波源122及び112の各々と中継素子214乃至244の列との距離は、図4に表す見方においてL/4である。
各波源は、図5及び図6に表す見方において、左向きに拡散する電波を放出する。
波源111から中継素子211に入射する電波802aの、図5に表す見方における入射角、及び、波源112から中継素子214に入射する電波803aの図5に表す見方における入射角は共に角度θ5である。波源111から中継素子211に入射する電波802aの、図6に表す見方における入射角、及び、波源121から中継素子241に入射する電波804aの、図6に表す見方における入射角も、角度θ5である。
波源111から中継素子212に入射する電波802bの、図5に表す見方における入射角、及び、波源112から中継素子213に入射する電波803bの、図5に表す見方における入射角は、共に角度θ6である。波源111から中継素子221に入射する電波802eの、図6に表す見方における入射角、及び、波源121から中継素子231に入射する電波804bの、図6に表す見方における入射角も、角度θ6である。
波源111から中継素子213に入射する電波802cの、図5に表す見方における入射角、及び、波源112から中継素子212に入射する電波803cの、図5に表す見方における入射角は、共に角度θ7である。波源111から中継素子231に入射する電波802fの、図6に表す見方における入射角、及び、波源121から中継素子221に入射する電波804cの、図6に表す見方における入射角も、角度θ7である。
波源111から中継素子214に入射する電波802dの図5に表す見方における入射角、及び、波源112から中継素子211に入射する電波803dの、図5に表す見方における入射角は、共に角度θ8である。波源111から中継素子241に入射する電波802gの、図6に表す見方における入射角、及び、波源121から中継素子211に入射する電波804dの、図6に表す見方における入射角も、角度θ8である。
角度θ5、θ6、θ7及びθ8は、図5及び図6に表す見方において、θ6、θ5、θ7、θ8の順に大きな角度である。
このように、各中継素子には、複数の波源からの電波が入射する。そして、各中継素子に入射する電波の入射角のうち、その中継素子において大きい方の入射角は、角度θ5と角度θ6のいずれかである。角度θ5は角度θ6より小さいので、各中継素子に入射する二つの電波の入射角のうち大きい方の入射角、の最小値は、角度θ5である。
一方、一般的なアンテナ装置である、図1乃至図3に表すアンテナ装置500における、各中継素子への入射角の最小値は、角度θ1である。
角度θ5は、角度θ1よりも大きい。
そのため、アンテナ装置500aは、入射角が比較的小さい中継素子も、図1乃至図3に表すアンテナ装置500と比較して、大きな、波源からの入力電力を得る。そのため、アンテナ装置500aは、入射角が比較的小さい中継素子も、図1乃至図3に表すアンテナ装置500と比較して、大きな、出力電波を放出し得る。 ここで、図4乃至図6に表す各波源は、外部から入力される信号を処理部により処理した送信用電力から変換された電波を図4乃至図6に表す中継アレイ200aに向けて無線空間に放出する。各波源の前記処理部への接続構造には、以下の図7乃至図9に表す各場合が想定され得る。
図7は、図4乃至図6に表す各波源の処理部への第一の接続構造例である接続構造171aを表す図である。
接続構造171aは、波源100と処理部156aとを備える。
処理部156aは、外部から入力された信号を送信用電力信号に変換する。処理部156aは、当該送信用電力を、波源100aに供給する。
波源100aは、図4乃至図6に表す波源111乃至122の各々の例である。波源100aは、例えば、電波送信用のアンテナである。接続構造171aにおいては、波源100aは処理部156aに接続されている。波源100aは、処理部156aが送付する電力を電波に変換し、当該電波を無線空間に放出する。
図8は、図4乃至図6に表す各波源の処理部への第二の接続構造例である接続構造171bを表す図である。
接続構造171bは、波源111a乃至122aと、給電経路161と、処理部156bとを備える。
処理部156bは、外部から入力された信号を送信用電力信号に変換する。処理部156bは、当該送信用電力を、給電経路161を通じて波源100aに供給する。
波源111a乃至122aは、図4乃至図6に表す波源111乃至122の例である。波源111a乃至122aの各々は、送信用アンテナである。波源111a乃至122aの各々は、処理部156bからの共通の給電経路である給電経路161を通じて処理部156bから供給される電力を電波に変換し、当該電波を無線空間に放出する。
図9は、図4乃至図6に表す各波源の処理部への第三の接続構造例である接続構造171cを表す図である。
接続構造171cは、処理部156cと、変換部181aと、導波路176とを備える。
処理部156cは、外部から入力された信号を送信用電力信号に変換する。処理部156cは、当該送信用電力を、変換部181aに供給する。
変換部181aは、処理部156cから供給される電力を電波に変換し、当該電波を導波路176の右端部に入力する。
導波路176は、右端部から入力された電波を左端部である波源111b乃至122bの各々から無線空間に放出する。波源111b乃至122bの各々は、導波路176の端部(左端部)である。波源111b乃至122bは、図4乃至図6に表す波源111乃至122の例である。
導波路176は、例えば、導波管やSIWである。ここで、SIWは、Substrate Integrated Waveguideの略である。
図9に表すように伝送経路に導波路を用いた場合には、伝送損失を低減することが可能になる。
図10は、図4乃至図6に表す各中継素子の例である中継素子250の構成を表す概念図である。
中継素子250は、アンテナ251a及び251bと処理部272とを備える。
アンテナ251bは、受信用アンテナである。アンテナ251bは、図4乃至図6に表す各波源から送付された電波である第一電波を第一電力信号に変換する。当該第一電力信号は処理部272に送付される。処理部272は、前記第一電力信号に対し所定の処理を行い、処理後の電力信号である第二電力信号を生成する。前記所定の処理は、例えば、移相処理である。処理部272は、前記第二電力信号を、アンテナ251aに入力する。
アンテナ251aは送信用アンテナである。アンテナ251aは、処理部272から入力された前記第二電力信号を第二電波に変換する。前記第二電波は、無線空間に放出される。
なお、上記のような中継素子250の例は、例えば、非特許文献1に開示がある。
以上は、第一方向に4つの中継素子が配列した列を前記第一方向に垂直な第二方向に4列配置した中継アレイを有するアンテナ装置についての説明である。しかしながら、中継素子の配列数、及び、波源の数は、任意の複数である。
以下に、本実施形態のアンテナ装置の他の例をいくつか紹介する。
図11は、本実施形態のアンテナ装置の第二の例であるアンテナ装置500eの構成を表す概念図である。図11は、アンテナ装置500eを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500eは、中継アレイ200aと、6個の波源である波源111乃至132を備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。
波源111乃至132は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面である第一配置面に平行であり、図11に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、各波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111及び112の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第一方向911aに配置されている。
波源121及び122の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第一方向911aに配置されている。
波源131及び132の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第一方向911aに配置されている。
波源111、121及び131の各々は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
波源112、122及び132の各々は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500eの各中継素子において、いずれかの波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図12は、本実施形態のアンテナ装置の第三の例であるアンテナ装置500fの構成を表す概念図である。図12は、アンテナ装置500fを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500fは、中継アレイ200aと、5個の波源である波源111乃至131を備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。
波源111乃至131は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面である図示しない第一配置面に平行であり、図12に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、各波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111、121及び131の各々は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
また、波源112及び122は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第二方向911bに配置されている。
波源111、121及び131の列と波源112及び122の列との第一方向911aの距離は、距離L/2である。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500fの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子でも、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図13は、本実施形態のアンテナ装置の第四の例であるアンテナ装置500gの構成を表す概念図である。図13は、アンテナ装置500gを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500gは、中継アレイ200aと、9個の波源である波源111乃至133を備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。
波源111乃至133は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面である図示しない第一配置面に平行であり、図13に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、各波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111、121及び131の各々は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
また、波源112、122及び132は、隣り合う波源同士の距離が距離L/2になるように、第二方向911bに配置されている。
また、波源113、123及び133は、隣り合う波源同士の距離が距離L/2になるように、第二方向911bに配置されている。
隣り合う、第二方向の波源の列同士の第一方向911aの距離は、距離L/3である。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500gの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図14は、本実施形態のアンテナ装置の第五の例であるアンテナ装置500hの構成を表す概念図である。図14は、アンテナ装置500hを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500hは、中継アレイ200bと、6個の波源である波源111乃至132を備える。
中継アレイ200bにおいて、中継素子211、221、231及び241は、隣り合う中継素子同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに、各中継素子の向きが等しくなるように、中継素子の配置面である第一配置面に配置されている。
また、中継素子212、222、232及び242は、隣り合う中継素子同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに、各中継素子の向きが等しくなるように、中継素子の配置面である第一配置面に配置されている。
また、中継素子213、223、233及び243は、隣り合う中継素子同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに、各中継素子の向きが等しくなるように、中継素子の配置面である第一配置面に配置されている。
また、中継素子211、221、231及び241の配列と、中継素子212、222、232及び242の配列と、中継素子213、223、233及び243の配列とは、隣り合う配列同士の第一方向911aの距離が距離L/3である。
波源111乃至132は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面(第一配置面)に平行であり、図14に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111、121及び131の各々は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
また、波源112、122及び132は、隣り合う波源同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに配置されている。
波源111、121及び131の列と波源112、122及び132の列との第一方向911aの距離は、距離M/2である。ここで、Mは、第一方向の最左端の中継素子の配列である中継素子211、221、231及び241の配列と、第一方向の最右端の中継素子の配列である中継素子213、223、233及び243の配列との第一方向911aの距離である。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500hの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図15は、本実施形態のアンテナ装置の第六の例であるアンテナ装置500iの構成を表す概念図である。図15は、アンテナ装置500hを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500iは、中継アレイ200cと、2個の波源である波源111及び121を備える。
中継アレイ200cにおいて、中継素子211、221、231及び241は、隣り合う中継素子同士の距離が距離L/3になるように、第二方向911bに、各中継素子の向きが等しくなるように、中継素子の配置面である第一配置面に配置されている。
波源111及び121は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面(第一配置面)に平行であり、図15に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111及び121の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第二方向911bに配置されている。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500iの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図16は、本実施形態のアンテナ装置の第七の例であるアンテナ装置500jの構成を表す概念図である。図16は、アンテナ装置500jを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500jは、中継アレイ200dと、2個の波源である波源111及び121を備える。
中継アレイ200dにおいて、中継素子211、221、231、241、251及び261は、隣り合う中継素子同士の距離が距離L/5になるように、第二方向911bに、中継素子の配置面である第一配置面に配置されている。当該配置の際の各中継素子の向きは等しい。
中継素子212、222、232、242、252及び262、中継素子213、223、233、243、253及び263、並びに、中継素子214、224、234、244、254及び264についても同様である。中継素子215、225、235、245、255及び265、並びに、中継素子216、226、236、246、256及び266についても同様である。第一方向911aに隣り合う中継素子の第二方向の配列の距離は、距離L/5である。
波源111及び121は、中継アレイ200dにおける中継素子の配置面(第一配置面)に平行であり、図16に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111及び121の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第二方向911bに配置されている。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500jの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
図17は、本実施形態のアンテナ装置の第八の例であるアンテナ装置500kの構成を表す概念図である。図17は、アンテナ装置500kを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500kは、中継アレイ200aと、2個の波源である波源111及び121を備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。
波源111及び121は、中継アレイ200aにおける中継素子の配置面である図示しない第一配置面に平行であり、図17に向かって所定の距離手前にある、波源の配置面である第二配置面に、各波源の向きが等しくなるように配置されている。
波源111及び112の各々は、波源同士の距離が距離L/2になるように、第一方向911aに配置されている。ただし、波源111及び112は、図17において想定されているアンテナ装置500kの見方において上端に偏って配置されている。ただし、波源111及び112は、図17において想定されているアンテナ装置500kの見方において、中継素子が配置されている範囲の内側に位置している。
ここで、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そして、アンテナ装置500kの各中継素子において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。
[効果]
第一実施形態のアンテナ装置において、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最大値よりも小さい。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、ある波源からの電波の入射角が最も小さいその入射角を特定したとする。その場合において、特定した入射角は、いずれの中継素子においても、波源が一つの場合の各中継素子におけるある波源からの電波の入射角の最小値よりも大きい。ただし、各波源の配置された面と各中継素子の配置された面との距離は、波源が一つの場合と等しいものとする。そのため、第一実施形態のアンテナ装置の各中継素子は、同一中継素子における各波源からの入射角の最大値、が最も小さい中継素子においても、波源が一つの場合と比較して、より大きな、波源からの電波による受信電力を得ることができる。従い、第一実施形態のアンテナ装置は、波源との距離が一定の平面上に形成された所定の中継素子における出力の低さを改善し得る。
そのため、第一実施形態のアンテナ装置は、波源が一つの場合のアンテナ装置の各中継素子と比較して、波源と中継アレイとの距離を短くすることによる小型化が可能である。
<第二実施形態>
第二実施形態は、異なる複数の波源から入射する電波の影響を除去し得るアンテナ装置に関する実施形態である。
[構成と動作]
図18乃至図20は本実施形態のアンテナ装置の第一の例であるアンテナ装置500bの構成を表す概念図である。図18は、アンテナ装置500bを波源側から見た場合を想定した図である。また、図19はアンテナ装置500bの図21に表す矢印901aの向きを見た場合を想定した図である。また、図20はアンテナ装置500bの図21に表す矢印901bの向きを見た場合を想定した図である。なお、図19においては、中継素子211乃至214以外の中継素子、波源121及び122、並びに導体板301cは図示を省略してある。また、図20においては、中継素子211、221、231及び241以外の中継素子、波源112及び122、並びに導体板301dは図示を省略してある。
アンテナ装置500bは、中継アレイ200aと、波源111乃至122と、導体板301a乃至301dとを備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。また、波源111乃至122の説明は、図4に表す波源111乃至122の説明と同じである。ただし、以下の説明と先の説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
波源111と中継素子211、212、221及び222との組合せと、波源112と中継素子213、214、223及び224との組合せの間には、位置906aから位置906bまで続く平板状の導体板である導体板301aが設けられている。
波源111と中継素子211、212、221及び222との組合せと、波源121と中継素子231、232、241及び242との組合せの間には、位置906aから位置906cまで続く平板状の導体板である導体板301bが設けられている。
波源121と中継素子231、232、241及び242との組合せと、波源122と中継素子233、234、243及び244との組合せの間には、位置906aから位置906dまで続く平板状の導体板である導体板301cが設けられている。
波源112と中継素子213、214、223及び224との組合せと、波源122と中継素子233、234、243及び244との組合せの間には、導体板301dが設けられている。導体板301dは、位置906aから位置906eまで続く平板状の導体板である。
導体板301a乃至301dの各々は、例えば、金属板である。
導体板301a及び301bにより、波源111から放出された電波は、中継素子211、212、221及び222のみに到達する。例えば、図19に表すように、波源111から放出された電波803c及び802dは導体板301aにより遮断され、中継素子213及び214には到達しない。また、図20に表すように、波源111から放出された電波802f及び802gは導体板301cにより遮断され、中継素子231及び241には到達しない。
同様にして、波源121から放出された電波は、導体板301b及び301cにより、中継素子231、232、241及び242のみに到達する。また、波源122から放出された電波は、導体板301b及び301cにより、中継素子231、232、241及び242のみに到達する。また、波源112から放出された電波は、導体板301a及び301dにより、中継素子213、223、214及び224のみに到達する。
以上により、アンテナ装置500bにおいては、各中継素子に入力される電波は、一つの波源から放出されたものに限られる。一つの中継素子に距離の異なる複数の波源から電波が到達すると、位相の異なる複数電波の干渉等により、信号の振幅や位相のムラができる場合がある。その結果、アンテナゲインの低下やサイドローブの増加が生じ得る。アンテナ装置500bは、そのような、悪影響を抑え得る。
図21は、第二実施形態のアンテナ装置の第二の例であるアンテナ装置500cの構成を表す図である。図21は、アンテナ装置500cを波源側から見た場合を想定した図である。
アンテナ装置500cは、図18に表すアンテナ装置500bが備える構成に加えて、導体板301e乃至301lを備える。
導体板301e乃至301lの各々は、例えば、金属板である。
波源111と中継素子211、212、221及び222との組合せは、周囲を導体板301a、301b、301e及び301fにより囲まれている。これにより、波源111から放出される電波は中継素子211、212、221及び222以外の中継素子には到着しない。
また、波源121と中継素子231、232、241及び242との組合せは、周囲を導体板301b、301c、301g及び301hにより囲まれている。これにより、波源112から放出される電波は中継素子231、232、241及び242以外の中継素子には到着しない。
また、波源122と中継素子233、234、243及び244との組合せは、周囲を導体板301c、301d、301i及び301jにより囲まれている。これにより、波源122から放出される電波は中継素子233、234、243及び244以外の中継素子には到着しない。
また、波源112と中継素子213、223、214及び224との組合せは、周囲を導体板301a、301d、301k及び301lにより囲まれている。これにより、波源112から放出される電波は中継素子213、223、214及び224以外の中継素子には到着しない。
以上により、アンテナ装置500cにおいて、各中継素子に入力される電波は、一つの波源から放出されたものに限られる。一つの中継素子に距離の異なる複数の波源から電波が到達すると、位相の異なる複数電波の干渉等により、信号の振幅や位相のムラができる場合がある。その結果、アンテナゲインの低下やサイドローブの増加が生じ得る。アンテナ装置500cは、そのような、悪影響を抑え得る。
図22乃至図24は本実施形態のアンテナ装置の第三の例であるアンテナ装置500dの構成を表す概念図である。図22は、アンテナ装置500dを波源のさらに手前側から見た場合を想定した図である。また、図23はアンテナ装置500dの図22に表す矢印901aの向きを見た場合を想定した図である。また、図24はアンテナ装置500dの図22に表す矢印901bの向きを見た場合を想定した図である。なお、図23においては、中継素子211乃至214以外の中継素子、波源121及び122、並びに導体板301cは図示を省略してある。また、図24においては、中継素子211、221、231及び241以外の中継素子、波源121及び122、並びに遮蔽材306b及び306cは図示を省略してある。
アンテナ装置500dは、中継アレイ200aと、波源111乃至122と、遮蔽材306a乃至306dとを備える。
中継アレイ200aの説明は、図4に表す中継アレイ200aの説明と同じである。また、波源111乃至122の説明は、図4に表す波源111乃至122の説明と同じである。ただし、以下の説明と先の説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
遮蔽材306a乃至306dの各々は、導体で形成された、底面のないピラミッド状の部材である。
波源111と中継素子211、212、221及び222との組合せの周囲は、遮蔽材306aの底面部分を除き遮蔽材306aで覆われている。これにより、波源111から放出される電波は中継素子211、212、221及び222以外の中継素子には到着しない。
また、波源121と中継素子231、232、241及び242との組合せは、遮蔽材306bの底面部分を除き遮蔽材306bで覆われている。これにより、波源121から放出される電波は中継素子231、232、241及び242以外の中継素子には到着しない。
また、波源122と中継素子233、234、243及び244との組合せは、遮蔽材306cの底面部分を除き遮蔽材306cで覆われている。これにより、波源122から放出される電波は中継素子233、234、243及び244以外の中継素子には到着しない。
また、波源112と中継素子213、214、223及び224との組合せは、遮蔽材306dの底面部分を除き遮蔽材306dで覆われている。これにより、波源112から放出される電波は中継素子213、214、223及び224以外の中継素子には到着しない。
以上により、アンテナ装置500dにおいては、各中継素子に入力される電波は、一つの波源から放出されたものに限られる。一つの中継素子にその中継素子との間の距離の異なる複数の波源から電波が到達すると、位相の異なる複数電波の干渉等により、波の振幅や位相のムラができる場合がある。その結果、アンテナゲインの低下やサイドローブの増加が生じ得る。アンテナ装置500dは、そのような、悪影響を抑え得る。
図示は省略するが、遮蔽材306a乃至306dの各々は、底面を欠くピラミッド状の形状の一部を欠く形状であっても構わない。また、遮蔽材306a乃至306dの各々は、底面を欠く円錐状であっても構わない。また、遮蔽材306a乃至306dの各々は、底面を欠く円錐状の形状の一部を欠く形状であっても構わない。
[効果]
本実施形態のアンテナ装置は、まず、第一実施形態のアンテナ装置と同様な効果を奏し、それに加えて次の効果を奏する。
本実施形態のアンテナ装置は、導体で仕切ることにより、一つの中継装置に入力される電波を一つの波源からのものに限られるようにする。一つの中継素子に距離の異なる複数の波源から電波が到達すると、位相の異なる複数電波の干渉等により、信号の振幅や位相のムラができる場合がある。その結果、アンテナゲインの低下やサイドローブの増加が生じ得る。前記アンテナ装置は、そのような、悪影響を抑え得る。
<第三実施形態>
本実施形態は、異なる偏波を放出し得るアンテナ装置に関する実施形態である。
[構成と動作]
図25は、本実施形態のアンテナ装置の例であるアンテナ装置500mの構成を表す概念図である。なお、図25に表す各構成の位置関係は、実際の各構成の位置関係を必ずしも表さないものとする。
アンテナ装置500mは、中継アレイ200と、導波路176a及び176bと、処理部156とを備える。
導波路176a及び176bは、例えば、導波管やSIWである。ここで、SIWは、Substrate Integrated Waveguideの略である。
導波路176aの左側端部のうち図25で最上部に位置するものと、導波路176bの左側端部のうち図25で最上部に位置するものとの組合せは、波源111である。
導波路176aの左側端部のうち図25で二番目に上部に位置するものと、導波路176bの左側端部のうち図25で二番目に上部に位置するものとの組合せは、波源112である。
導波路176aの左側端部のうち図25で三番目に上部に位置するものと、導波路176bの左側端部のうち図25で三番目に上部に位置するものとの組合せは、波源121である。
導波路176aの左側端部のうち図25で最下部に位置するものと、導波路176bの左側端部のうち図25で最下部に位置するものとの組合せは、波源122である。
中継アレイ200における各中継素子の配列は、例えば、図4乃至図6に表す中継アレイ200aにおける各中継素子の配列である。
波源111乃至122の配列は、例えば、図4乃至図6に表す波源111乃至122の配列である。
導波路176aの右端部は処理部156の発生部186aに接続されている。また、導波路176bの右端部は処理部156の発生部186bに接続されている。
処理部156は、発生部186a及び186bと、副処理部166とを備える。
副処理部166は、外部からの入力信号により電力信号を発生する。当該電力信号は、発生部186a及び186bの各々に供給される。
副処理部166は、発生部186a及び186bの各々への電力信号の供給を時系列で切り替える場合も想定される。また、発生部186a及び186bの各々への電力信号の供給を同時に行う場合も想定され得る。
発生部186aは、副処理部166から供給された電力信号を、第一の偏波の電波信号に変換する。変換された第一偏波の電波信号は、導波路176aの右端部に入力される。これにより、各波源は、第一の偏波の電波信号を放出する。
発生部186aは、副処理部166から供給された電力信号を、第二の偏波の電波信号に変換する。変換された第二偏波の電波信号は、導波路176bの右端部に入力される。これにより、各波源は、第二の偏波の電波信号を放出する。
前記第一の偏波及び前記第二の偏波は、例えば、垂直偏波と水平偏波である。あるいは、前記第一の偏波及び前記第二の偏波は、例えば、右旋円偏波と左旋円偏波である。
なお、図25に表す中継アレイ200の備える各中継素子としては、周知の、垂直偏波と水平偏波のいずれに対しても、右旋円偏波と左旋円偏波のいずれに対しても、等しい処理を行う透過器を用いる。
当該透過器が、仮に、非特許文献1が開示するものであるとする。その場合、当該透過器は入射波により金属パターンを励振し共振器として動作させることで移相量を制御する。前記透過器において、入力された垂直偏波は、前記金属パターンを垂直方向に励振し、一定の移相量を持って再放射(透過)される。一方、水平偏波は、前記金属パターンを水平方向に励振し同様に一定の移相量を持って再放射される。従い、透過器への入力電波が垂直偏波であるか水平偏波であるかにより移送量に違いが出ないようにする必要がある。
前記金属パターンの形状を4回回転対称にすることにより、垂直偏波であるか水平偏波であるかによる移送量の違いを抑えることが可能になる。垂直方向と水平方向で前記金属パターンの励振のされ方が等しくなるためである。
一方、円偏波は、垂直偏波と水平偏波の合成波である。そのため、前記金属パターンの形状を4回回転対称にすることにより、右旋円偏波の移相量と左旋円偏波の移相量も等しくすることができる。
図25で表す場合のように電波の伝送経路を導波路により形成した場合には、伝送損失を低減することが可能になる。
発生部186a及び186bとしては、周知の垂直偏波と水平偏波と共用のアンテナや、周知の右旋円偏波と左旋円偏波共用のアンテナを用いることができる。
[効果]
本実施形態のアンテナ装置は、まず、第一実施形態のアンテナ装置と同様の効果を奏する。それに加えて、本実施形態のアンテナ装置は、異なる二つの偏波を放出し得る。
<第四実施形態>
本実施形態は、電波の放出方向の調整が可能なアンテナ装置に関する実施形態である。
[構成と動作]
図26は、本実施形態のアンテナ装置の例であるアンテナ装置500lの構成を表す概念図である。
アンテナ装置500lは、中継アレイ200lと、移動装置401と、基体421と、波源111及び121とを備える。
中継アレイ200lは、中継素子211乃至241と部材406とを備える。
各中継素子は、部材406により、等しい向きに固定されている。
移動装置401は、部材411と416とを備える。移動装置401は部材416の面916e上を、部材411を、面916eの面内方向に移動させることが可能である。移動装置401としては、例えば、市販のX−Yステージを用いることができる。
部材406の面916aは、基体421の面916bに固定されている。
波源111及び121は、移動装置401の部材411の面916dに、波源の向きが互いに等しくなるように固定されている。
上記により、アンテナ装置500lは、各中継素子の位置を固定した状態で、波源111及び121を、中継アレイとの距離を一定に保ったまま、図26の上下方向や図面に垂直な方向に移動させることができる。
各中継素子と各波源との上記動作による相対位置の変化により中継アレイが図26の左方に放出する電波の放出角度は変化する。
中継アレイの各中継素子は、一般に、波源からの電波が中継後の放出方向の正面方向で等位相となるように個々の中継記の移相量を調整する。波源の位置が変わり、入射角度が変わると各透過器に入射する波の間で空間的な位相差が生じる。放出する電波の放出角度が変化するのは、この位相差の分だけ、中継アレイを通過後の電波の干渉条件が変わりビーム放出角度が全体として変わるためである。
アンテナ装置500lは、上記により、電波の放出角度を調整し得る。
なお、アンテナ装置500lにおいては、中継素子211乃至241のいずれについても、角に、仮に一つの波源を面916d上に設置した場合の前記角の最大値よりも大きいものがある場合が、波源の移動範囲に含まれる。前記角は、各波源と結んだ直線と各中継素子の配置された面とがなす角である。
[効果]
本実施形態のアンテナ装置は、第一実施形態のアンテナ装置と同様の効果を備える。それに加えて、本実施形態のアンテナ装置は、中継アレイからの電波放出角度の調整が可能である。
以上の実施形態の説明では、各中継素子が平面上に形成されているアンテナ装置の例について説明した。しかしながら、本発明のアンテナ装置の各中継素子は、曲面上に形成されていても構わない。
ただし、各中継素子が曲面上に形成されている場合よりも平面上に形成されている場合の方が、一般的に、アンテナ装置の設計や製造が容易である。
なお、中継素子が曲面上に形成されている場合の、波源からの電波が曲面となす角である入射角は、中継素子が形成されている点において前記曲面に接する平面と前記電波の入射方向とがなす角度である。さらに、中継素子が曲面上の所定の面積を持つ範囲に形成されている場合の前記点は、中継素子の受信用アンテナに係る前記曲面上の設置範囲の重心である。
また、以上の実施形態の説明では、各中継素子は等間隔で直線状に配列しているアンテナ装置の例について説明した。しかしながら、本発明のアンテナ装置の各中継素子の配列は直線状で無くても構わない。また、本発明のアンテナ装置の各中継素子の配列は不規則な間隔のものであっても構わない。さらには、各中継素子は、配列していなくても構わない。
ただし、各中継素子が配列している場合の方が配列していない場合よりも、アンテナ装置の設計が容易である。
さらには、配列が等間隔の場合の方が、アンテナ装置の設計が一層容易である。
さらには、配列がマトリクス状の場合の方が、アンテナ装置の設計が一層容易である。
図27は、実施形態のアンテナ装置の最小限の構成であるアンテナ装置500xの構成を表すブロック図である。
アンテナ装置500xは、波源群100xと、中継素子群200xとを備える。
波源群100xは、第一複数個が第一面に配置され各々が第一電波を出力する図示しない波源からなる。
中継素子群200xは、第二複数個が前記第一面に平行な第二面に配置され各々が受信した前記第一電波に所定の処理を行い第二電波として出力する図示しない中継素子からなる。
前記中継素子のいずれについても、前記波源の各々と結んだ直線と前記第一面とがなす角に、前記第二面の点と前記波源の各々とを結んだ直線と前記第一面とのなす角のうち最小のものであって前記点を選んで最大化されたもの、よりも大きいものがある。
仮に波源を一つしか設置しない場合は、その波源を、前記最大化のために選ばれた点に設置した場合が、所定の中継素子の出力低下を最も抑えられる。
アンテナ装置500xは、前記中継素子のいずれについても、角に、前記第二面の点と前記波源の各々とを結んだ直線と前記第一面とのなす角のうち最小のものであって前記点を選んで最大化されたもの、よりも大きいものがある。ここで、前記角は、前記波源の各々と結んだ直線と前記第一面とがなす角である。そのため、アンテナ装置500xは、所定の中継素子における出力の低さを改善し得る。
そのため、アンテナ装置500xは、前記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で更なる変形、置換、調整を加えることができる。例えば、各図面に示した要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
また、前記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
第一複数個が第一面に配置され各々が第一電波を出力する波源からなる波源群と、
第二複数個が前記第一面に平行な第二面に配置され各々が受信した前記第一電波に所定の処理を行い第二電波として出力する中継素子からなる中継素子群と、を備え、
前記中継素子のいずれについても、前記波源の各々と結んだ直線と前記第一面とがなす角に、前記第二面の点と前記波源の各々とを結んだ直線と前記第一面とのなす角のうち最小のものであって前記点を選んで最大化されたもの、よりも大きいものがある、アンテナ装置。
(付記A2)
前記第二面が平面である、付記A1に記載されたアンテナ装置。
(付記A3)
前記配置が、配列によるものである、付記A1又は付記A2に記載されたアンテナ装置。
(付記A4)
前記波源の第一方向の配列である第一配列における隣り合う二つの前記波源の間の距離が、前記第二面における前記中継素子群の前記第一方向の設置範囲の距離を、前記第一配列における前記波源の配列数である第一配列数で除した値に略等しい、付記A3に記載されたアンテナ装置。
(付記A5)
前記波源の、前記第一方向に略直角の方向である第二方向の配列である第二配列における隣り合う二つの前記波源の間の距離が、前記第二面における前記中継素子群の前記第二方向の設置範囲の距離を、前記第二配列における前記波源の配列数である第二配列数で除した値に略等しい、付記A4に記載されたアンテナ装置。
(付記A6)
前記配置が前記第二面にマトリクス状にされている、付記A3乃至付記A5のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A7)
前記配置が、第四複数の列と前記第二複数を前記第四複数で除した数の行とからなるものである、付記A6に記載されたアンテナ装置。
(付記A8)
前記第一複数個の波源の各々が、入力端が一つで出力端が前記第五複数の出力端の導波路の、前記出力端である、付記A1乃至付記A7のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A9)
前記第五複数が前記第一複数である、付記A8に記載されたアンテナ装置。
(付記A10)
前記第一複数個の前記波源のうちの任意の一つの前記波源と、第一数の前記中継素子との組合せと、前記第一複数個の前記波源のうちのその一つの前記波源、以外の前記波源、及び、前記第一数の前記中継素子、以外の前記中継素子、との間に導電材が設置され、前記第一数の前記中継素子に含まれるいずれの前記中継素子についても、その前記中継素子に入射した前記波源の各々からの電波と前記第二面とがなす角に、前記最大化されたものよりも大きいものがある、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A11)
前記導電材が、前記組合せの周りを囲うように形成された、付記A10に記載されたアンテナ装置。
(付記A12)
前記導電材の形状が、底面を欠くピラミッド状である、付記A10及び付記A11のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A13)
前記導電材の形状が、底面を欠く円錐状である、付記A8及び付記A9のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A14)
前記波源の各々が、第一の偏波と第二の偏波とを出力する、付記A1乃至付記A13のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A15)
前記波源の各々が、前記第一の偏波と前記第二の偏波とを時系列で切り替えて出力する、付記A14に記載されたアンテナ装置。
(付記A16)
前記波源の各々が、前記第一の偏波を出力する第一の導波路の出力端と、前記第二の偏波を出力する第二の導波路の端部との組合せである、付記A14及び付記A15のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A17)
前記波源のうちの少なくとも一つが、前記第二面に平行に、前記中継素子群に対し相対的に移動する、付記A1乃至付記A16のうちのいずれか一に記載されたアンテナ装置。
(付記A18)
前記波源のいずれもが、前記第二面に平行に、前記中継素子群に対し相対的に移動する、付記A17に記載されたアンテナ装置。
(付記A19)
前記処理が移相である、付記A1乃至付記A18のうちのいずれか一に記載された付記A1に記載されたアンテナ装置。