JP2000223926A - フェーズドアレーアンテナ装置 - Google Patents

フェーズドアレーアンテナ装置

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JP2000223926A
JP2000223926A JP11022639A JP2263999A JP2000223926A JP 2000223926 A JP2000223926 A JP 2000223926A JP 11022639 A JP11022639 A JP 11022639A JP 2263999 A JP2263999 A JP 2263999A JP 2000223926 A JP2000223926 A JP 2000223926A
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JP
Japan
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antenna element
layer
phased array
antenna
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JP11022639A
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English (en)
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Tsunehisa Marumoto
恒久 丸本
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NEC Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/44Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the electric or magnetic characteristics of reflecting, refracting, or diffracting devices associated with the radiating element
    • H01Q3/46Active lenses or reflecting arrays
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/0087Apparatus or processes specially adapted for manufacturing antenna arrays

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェーズドアレーアンテナ装置の軽量化を図
る。 【解決手段】 2次放射部20のすべての第1アンテナ
素子24および移相ユニット26が単層または多層化さ
れた同一基板に組み込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1次放射部により
空間を通して2次放射部に給電を行う空間給電方式を用
いたフェーズドアレーアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のフェーズドアレーアンテ
ナ装置に、例えば特開平8−274531号公報記載の
ものがある。図30は、このフェーズドアレーアンテナ
装置の構成を示す模式図である。
【0003】1次放射部510は、分配合成器511
と、M(Mは2以上の整数)個の送受信モジュール51
2と、M個の1次側アンテナ素子513とにより構成さ
れたアクティブフェーズドアレーアンテナである。分配
合成器511には、給電部501から送信信号が供給さ
れる。この分配合成器511は供給された送信信号をM
分配して、各送受信モジュール512に出力する。各送
受信モジュール512は、増幅器と移相器を内蔵してお
り、分配合成器511により分配供給された送信信号を
増幅するとともに位相制御して、対応する1次側アンテ
ナ素子513に出力する。各1次側アンテナ素子513
は、入力された送信信号を、対向配置された2次放射部
520に向けて放射する。
【0004】2次放射部520は、N(Nは2以上の整
数)個の給電側アンテナ素子521と、N個の送受信モ
ジュール522と、N個の放射側アンテナ素子523と
により構成されたアクティブフェーズドアレーアンテナ
である。各給電側アンテナ素子521は、1次側アンテ
ナ素子513により空間に放射された送信信号を一度受
信し、対応する送受信モジュール522に出力する。各
送受信モジュール512は、増幅器と移相器を内蔵して
おり、給電側アンテナ素子521により受信された送信
信号を増幅するとともに位相制御して、対応する放射側
アンテナ素子523に出力する。各放射側アンテナ素子
523は、入力された送信信号を、外部空間に放射す
る。
【0005】したがって、給電部501から出力された
送信信号は、1次放射部510の分配合成器511によ
り各送受信モジュール512に分配供給され、増幅と位
相制御を受けた後、各1次側アンテナ素子513から2
次放射部520に向けて放射される。各1次側アンテナ
素子513から放射された送信信号は空間合成される。
空間合成された送信信号は、2次放射部520の各給電
側アンテナ素子521に受信されることにより、空間給
電がなされる。各給電側アンテナ素子521に受信され
た送信信号は、各送受信モジュール522で増幅と位相
制御を受けた後、各放射側アンテナ素子523から放射
される。これにより、送受信モジュール522による制
御に応じた方向にビームが形成される。なお、受信時に
は、送信時と逆の順序を追って、受信信号が生成され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のフェーズドアレ
ーアンテナ装置では、放射側アンテナ素子523、送受
信モジュール522、給電側アンテナ素子521の各1
個ずつでユニットが構成され、N個のユニットが平面状
に配列されることにより2次放射部520が形成され
る。2次放射部520を構成するにあたり、各送受信モ
ジュール522を差込形式で支持する機構が必要にな
る。
【0007】高利得のフェーズドアレーアンテナを実現
する場合、2次放射部520に多数のユニットが必要に
なる。このため、送受信モジュール520も多数必要に
なるので、送受信モジュール520の支持機構にも強い
強度が要求される。したがって、フェーズドアレーアン
テナを高利得化しようとすると、支持機構が重くなり、
ひいてはフェーズドアレーアンテナ装置全体が重くなっ
てしまうという問題があった。これにより、フェーズド
アレーアンテナ装置の可搬性が悪くなってしまう。特
に、フェーズドアレーアンテナ装置を人工衛星に搭載し
て使用する場合、その重量は衛星の打ち上げコストに大
きく影響するため、上記の問題は深刻であった。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、フェーズドアレーア
ンテナ装置の軽量化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明によるフェーズドアレーアンテナ装置で
は、2次放射部は、アレー状に配列されかつアンテナの
外部空間に放射を行う複数個の第1アンテナ素子と、こ
れらの第1アンテナ素子と電磁結合されかつ各第1アン
テナ素子への高周波信号の位相を制御して出力する複数
個の第1移相器と少なくとも備え、各第1アンテナ素子
および各第1移相器が単層または多層化された同一基板
に組み込まれていることにより特徴づけられる。
【0010】また、2次放射部は、各第1アンテナ素子
と異なる層にアレー状に配列されるとともに各第1移相
器と電磁結合されかつ1次放射部の放射を受信して高周
波信号を各第1移相器に出力する複数個の第2アンテナ
素子を備え、これらの第2アンテナ素子は、各第1アン
テナ素子および各第1移相器とともに基板上に形成され
ているようにしてもよい。また、前述したフェーズドア
レーアンテナ装置で、1次放射部は、2次放射部の第1
アンテナ素子が形成されている側に配置されていてもよ
い。
【0011】また、2次放射部は、すべての第1アンテ
ナ素子が形成された第1アンテナ素子層と、すべての第
1移相器が形成された位相制御層とを含む多層構造を有
している。あるいは、2次放射部は、すべての第1アン
テナ素子が形成された第1アンテナ素子層と、すべての
第1移相器が形成された位相制御層と、すべての第2ア
ンテナ素子が形成された第2アンテナ素子層とを含む多
層構造を有している。
【0012】この場合、多層構造は、第1アンテナ素子
層と位相制御層との間に設けられかつ対応する第1アン
テナ素子と第1移相器とを個別に結合する第1結合層を
含む。さらに、多層構造は、位相制御層と第2アンテナ
素子層と間に設けられかつ対応する第1移相器と第2ア
ンテナ素子とを個別に結合する第2結合層を含む場合も
ある。
【0013】また、前述したフェーズドアレーアンテナ
装置は、互いに交差して配線されかつ第1移相器をそれ
ぞれ格子状に接続する複数の信号線および走査線と、こ
れら信号線および走査線をマトリクス駆動することによ
り各信号線および走査線の交点に位置する第1移相器に
対して所望の移相量を設定する信号線駆動部および走査
線選択部とを備えてもよい。また、第1移相器はそれぞ
れ、スイッチと、高周波信号が流れる第1ストリップ線
路にスイッチの動作により接続される第2ストリップ線
路とをそれぞれ備えた少なくとも1個の移相回路からな
る。
【0014】この場合、さらに、移相回路ごとに設けら
れかつ信号線および走査線を介して信号線駆動部および
走査線選択部により設定された指示に基づいて対応する
移相回路のスイッチを駆動する駆動回路とを備える。こ
の駆動回路の一構成例は、薄膜トランジスタにより構成
されている。
【0015】また、スイッチの一構成例は、第1および
第2ストリップ線路の少なくとも一方から離間して支持
されたコンタクトを電磁力で変位させることにより第1
および第2ストリップ線路をコンタクトを介して高周波
的に接続/開放するマイクロマシンスイッチからなる。
このスイッチが使用される場合、基板は、実装されたス
イッチの周囲に可動空間を備える。
【0016】一方、前述したフェーズドアレーアンテナ
装置では、1次放射部は、2次放射部に対して放射を行
う1個の第3アンテナ素子と、この第3アンテナ素子に
電磁結合されかつ高周波信号を増幅する増幅器とを備え
る。
【0017】あるいは、1次放射部は、アレー状に配列
されかつ2次放射部に対して放射を行う複数個の第3ア
ンテナ素子と、これらの第3アンテナ素子に電磁結合さ
れかつ高周波信号を増幅する複数個の増幅器と、これら
の増幅器に電磁結合されかつ増幅器のそれぞれに高周波
信号を分配する分配器とを備える。この場合、分配器の
分配比と各第3アンテナ素子への線路長とにより1次放
射部の放射パターンが制御されてもよい。
【0018】また、前述した1次放射部は、さらに、各
第3アンテナ素子ごとに設けられかつ高周波信号の振幅
を減衰させる可変減衰器を備えるようにしてもよい。さ
らに、各第3アンテナ素子ごとに設けられかつ高周波信
号の位相を制御して出力する第2移相器を備えるように
してもよい。
【0019】1次放射部が複数個の第3アンテナ素子を
備える場合、第3アンテナ素子は、2次放射部の第1ま
たは第2アンテナ素子よりも疎に配置されていてもよ
い。同じく1次放射部が複数個の第3アンテナ素子を備
える場合、1次放射部の開口面積は、2次放射部の開口
面積とほぼ同じであってもよい。
【0020】また、前述したフェーズドアレーアンテナ
装置で、1次放射部が2次放射部の第1アンテナ素子側
に配置されてる場合、2次放射部は、第1アンテナ素子
が形成された第1アンテナ素子層と、第1の誘電体層
と、第1アンテナ素子と第1移相器が個別に結合する結
合層と、第2の誘電体層と、第1移相器が形成された位
相制御層とから構成された多層構造を有している。この
場合、位相制御層の第1移相器に接続された第1ストリ
ップ線路の端部が、オープンまたはショートされてい
る。
【0021】また、前述したフェーズドアレーアンテナ
装置では、位相制御層に実装される回路が半導体製造プ
ロセスで同時に一括して形成されてもよい。あるいは、
位相制御層の基板上に、繰り返し構成された回路がチッ
プ化され実装されてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。ここでは、フェーズドア
レーアンテナを高周波信号の送信アンテナとして用いた
場合を例にして説明するが、これに限定されるものでは
なく、可逆の理より同様の動作原理から、高周波信号の
受信アンテナとして用いることも可能である。また、以
下に記載する寸法は、あくもでも30GHzにおけるア
ンテナの各部寸法の例示に過ぎず、周波数が変われば寸
法が変わるのはもちろんのこと、30GHzであっても
別の寸法で実現可能であることをあらかじめ断ってお
く。
【0023】(第1の実施の形態)図1は本発明による
フェーズドアレーアンテナ装置の第1の実施の形態の要
部構成を示す模式図であり、図1(a)は斜視図、図1
(b)はIb−Ib′断面図である。このフェーズドア
レーアンテナ装置は、1次放射部10から高周波信号を
放射して、これを2次放射部20で受信することにより
給電を行う空間給電方式を用いたフェーズドアレーアン
テナ装置である。
【0024】すなわち、1次放射部10は、2次放射部
20に給電するために、1次放射部10と2次放射部2
0との間の空間に、高周波信号を放射するものである。
2次放射部20は、1次放射部10より放射された高周
波信号を給電側面Aで一度受信し、位相制御した後、放
射側面Bから外部空間に再度放射することにより、ビー
ム放射方向を調整するフェーズドアレーアンテナであ
る。また、高周波信号の波長をλ、2次放射部の長辺の
長さをLとすると、1次放射部10と2次放射部20と
の距離Dは、 D≧2λ および D≧0.1L の両方の条件を満たすように設定される。
【0025】フェーズドアレーアンテナでは、高周波信
号を外部空間に放射する各アンテナ素子(第1アンテナ
素子)24に高周波信号を分配する手段が必要である。
この分配手段としてストリップ線路から構成される分岐
回路が従来より広く使用されているが、ストリップ線路
にはマイクロ波帯における損失が大きいという問題があ
る。すなわち、ストリップ線路は開放型の線路であるた
め放射損失が大きいという本質的な問題があるのと同時
に、周波数が高くなると導体損,誘電体損ともさらに増
大するという問題がある。したがって、アンテナ利得を
大きくするためにアンテナの開口面積を大きくしようと
すると、必然的に分岐回路の線路長が長くなるため損失
は増大し、また高周波数になるればさらに損失は大きく
なる。
【0026】これに対して、電磁波が空間を伝搬すると
きの損失は、周波数によらず極めて低い。このため、本
発明のように空間給電方式を用いることにより、各放射
側アンテナ素子24に高周波信号を低損失にて分配する
ことができる。
【0027】なお、1次放射部10と2次放射部20と
の間の空間は、図1に示すようにシールド19により外
部空間と隔離してもよい。これにより、スピルオーバに
よるサイドローブの低下が抑制される。さらに、シール
ド19の内面側に電波吸収体を貼れば、1次放射部10
と2次放射部20の間の多重反射を抑制できる。ただ
し、サイドローブに対する要求が厳しくない場合は、こ
れらのシールド19や電波吸収体は必ずしも必要ではな
い。
【0028】次に、図2および図3を参照して、図1に
示したフェーズドアレーアンテナ装置の構成を詳細に説
明する。図2は1次放射部10および給電部を示すブロ
ック図である。1次放射部10は、給電部1の出力側に
接続されている。そして、1次放射部10は、増幅器1
1と、1次側アンテナ素子(第3アンテナ素子)12と
により構成されている。このうち増幅器11は、給電部
1から出力された高周波信号の振幅を増幅して、1次側
アンテナ素子12に出力する。また、1次側アンテナ素
子12は、増幅された高周波信号により励振されて、1
次放射部10と2次放射部20との間の空間に放射す
る。
【0029】なお、1次放射部10の1次側アンテナ素
子12としては、主にホーンアンテナが使用される。こ
の他に、ヘリカルアンテナ、パッチアンテナ、ダイポー
ルアンテナ、スロットアンテナなどを利用できる。
【0030】図3は2次放射部20および制御装置を示
すブロック図である。なお、2次放射部20全体が複数
個のサブアレーで構成されている場合、各サブアレーに
図3に示す2次放射部20を適用してもよい。図1
(b)に示した2次放射部20の給電側面Aには、m×
n(m,nは2以上の整数)個の給電側アンテナ素子
(第2アンテナ素子)21がアレー状に配置されてい
る。また、放射側面Bには、各給電側アンテナ素子21
に対応して、同数の放射側アンテナ素子24が同様に配
置されている。そして、対応するアンテナ素子21と2
4とは、ストリップ線路22により結合されている。な
お、アンテナ素子21,24それぞれの配置形状は、方
形格子配列でもよく、また三角配列などその他の配列で
もよい。また、1次元的に配列されてもよい。
【0031】さらに、各ストリップ線路22の途中には
それぞれ、移相器(第1移相器)23と、これを制御す
る位相制御部25が設けられている。なお、以下では、
各アンテナ素子21,24ごとに設けられた移相器2
3、この移相器23に接続されるストリップ線路22の
一部、および位相制御部25をまとめて移相ユニット2
6という。
【0032】制御装置2は、所望のビーム放射方向に基
づき、各放射側アンテナ素子24の給電移相量を算出す
る装置である。算出された各放射側アンテナ素子24の
移相量は、制御信号2X,2Yにより制御装置2から信
号線駆動部27Xおよび走査線選択部27Yに出力され
る。信号線駆動部27Xおよび走査線選択部27Yの出
力である信号線X1〜Xmおよび走査線Y1〜Ynは、
各位相制御部25と格子状に接続されている。したがっ
て、信号線駆動部27Xおよび走査線選択部27Yにお
いて、後述するマトリクス駆動を制御信号2X,2Yに
基づいて行うことにより、各位相制御部25に対してそ
の放射側アンテナ素子24の移相量が個別に設定され
る。
【0033】また、トリガ信号Trg′は、各位相制御
部25に設定された移相量をそれぞれの移相器23に指
示出力するタイミングを決定する信号である。したがっ
て、各位相制御部25に対して個別の移相量を設定した
後、制御装置2からこのトリガ信号Trg′を出力する
ことにより、各放射側アンテナ素子24への給電移相量
をすべて同一タイミングで更新でき、ビーム放射方向を
瞬時に変更できる。なお、トリガ信号Trg′を常時出
力することにより、各放射側アンテナ素子24への給電
位相を逐次更新することも可能である。
【0034】以上説明したフェーズドアレーアンテナ装
置において、給電部1から出力された高周波信号は、1
次放射部10の増幅器11により振幅増幅された後、1
次側アンテナ素子12から放射される。そして、1次側
アンテナ素子12から放射された高周波信号が、2次放
射部20の各給電側アンテナ素子21に受信されること
により、空間給電がなされる。各給電側アンテナ素子2
1に受信された高周波信号は、各位相制御部25により
設定された移相量を各移相器23に与えられ、各放射側
アンテナ素子24から放射される。これにより、制御装
置2による制御に応じた方向にビームが形成される。
【0035】次に、図4〜図6を参照して、各アンテナ
素子21,24ごとに設けられる移相ユニット26につ
いて説明する。図4は移相ユニット26の構成を示すブ
ロック図である。ここでは、それぞれ異なる移相量18
0゜,90゜,45゜,22.5゜゜を有する4個の移
相回路23A〜23Dから移相器23が構成されてい
る。各移相回路23A〜23Dは、給電側アンテナ素子
21から放射側アンテナ素子24へ高周波信号を伝搬さ
せるストリップ線路22に接続されている。各移相回路
23A〜23Dには、スイッチ23Sがそれぞれ設けら
れている。このスイッチ23S内の各スイッチの状態を
切り換えることにより、後述するように、高周波信号に
対してそれぞれ所定の移相量を与えるものとなってい
る。
【0036】これら各移相回路23A〜23Dのスイッ
チ23Sを個別に制御する位相制御部25は、各移相回
路23A〜23Dごとに設けられた駆動回路25A〜2
5Dから構成されている。さらに、各駆動回路25A〜
25Dは、直列接続された2つのラッチ251,252
から構成されている。そのうち、ラッチ251は、入力
Dに接続された信号線Xiのレベルを、入力CLKに接
続された走査線Yiの立ち上がりタイミングでラッチす
る。また、ラッチ252は、ラッチ251の出力Qを、
入力CLKに接続されたトリガ信号Trg’の立ち上が
りでラッチし、出力Qをそれぞれ対応する移相回路のス
イッチ23Sに出力する。
【0037】図4では、1つの位相制御部25に対し
て、2本の信号線Xi1,Xi2と2本の走査線Yj
1,Yj2とを設けて、4つの駆動回路25A〜25D
に個別に各スイッチ23Sのオン/オフデータを設定し
ている。すなわち、Xi1,Yi1で移相回路23Aの
動作を制御し、Xi1,Yj2で移相回路23Bの動作
を制御し、Xi2,Yj1で移相回路23Cの動作を制
御し、Xi2,Yj2で移相回路23Dの動作を制御し
ている。
【0038】図5は位相制御部25の動作を示すタイミ
ングチャートであり、移相回路23Dに対応する駆動回
路25Dが例として示されている。図3に示した信号線
駆動部27Xは、信号線Xi1に印加する制御信号とし
て、駆動回路25Dのための信号のみならず、信号線X
i1に連なる他の駆動回路、すなわち同一位相制御部2
5の駆動回路25Cや、他の位相制御部25の駆動回路
のための信号も流している。このため、信号線電圧Xi
1′のレベルは常に変化している。一方、図3に示した
走査線選択部27Yは、周期T1の間に走査線Y11〜
Yn2を1本ずつ順次選択しているので、走査線Yj1
にパルスが加えられるのは周期T1の間に一度だけ(図
5の例では時刻t1)である。
【0039】ここで、周期T1の時刻t1に走査線電圧
Yj1′がHレベルに変化した場合、信号線電圧Xi
1′のレベル、すなわちHレベルがラッチ251の出力
Qから出力される。このラッチ251の出力Qの状態
は、走査線電圧Yj1′がLレベルに戻った後も保持さ
れる。そして、その後の時刻t2においてトリガ信号T
rg′がHレベルに変化したときに、ラッチ251の出
力Qがラッチ252の出力Qから出力されるようにな
る。このラッチ252の出力Qの状態は、トリガ信号T
rg′がLレベルに戻った後も保持される。
【0040】これにより、移相回路23Dのスイッチ2
3Sは時刻t2の瞬間から時刻t4(次にトリガ信号T
rg′が加わる瞬間)までオン状態に維持され、その間
はストリップ線路22を伝搬する高周波信号に22.5
゜(または−22.5゜)の移相量が与えられる。
【0041】その後の周期T2では、時刻t3において
信号線電圧Xi1′のLレベルがラッチ251に保持さ
れ、その後の時刻t4においてラッチ252に保持され
る。これにより、移相回路23Dのスイッチ23Sはオ
フ状態に維持され、ストリップ線路22を伝搬する高周
波信号への移相量が0゜の状態に戻される。
【0042】なお、図6に示すように、トリガ信号Tr
g′を常にHレベルに維持しておいてもよく、この場合
は、ラッチ251のラッチ出力Qがすぐにラッチ252
へと転送される。このようにして、各スイッチ23Sを
順次切り換えることにより、スイッチ切り換え時間にと
もなう放射ビームの瞬断を回避することができ、常に安
定した動作を確保することが可能となる。
【0043】次に、図7を参照して、2次放射部20の
構造について説明する。図7は2次放射部20の多層構
造を説明するための分解図である。これら各層は、フォ
トリソグラフィ技術または印刷技術、およびエッチング
技術によりパターン形成された後、積層されることによ
り、一体として多層化される。なお、各層の積層順序は
必ずしも図7に示した形態に限定されるものではなく、
電気的・機械的要求の条件により、削除または追加され
たり、積層順序が一部入れ替わってもよい。
【0044】給電側アンテナ素子層(第2アンテナ素子
層)31には、給電側アンテナ素子21が配置されてい
る。この給電側アンテナ素子層31は、1次放射部10
の1次側アンテナ素子12と対向する給電側面Aを構成
する。給電側アンテナ素子層31の上方には、誘電体層
32を介して結合層33(第2結合層)が設けられてい
る。この結合層33は、接地プレーンに穴、すなわち結
合スロット28が形成された導体パターンから構成され
ている。結合層33の上方には、誘電体層34を介して
位相制御層35が設けられている。この位相制御層35
には、各移相ユニット26およびこれら移相ユニット2
6を個別に制御するための配線X1〜Xm,Y1〜Yn
が設けられている。なお、結合層33により、対応する
給電側アンテナ素子21と移相ユニット26(移相器2
3)との個別の結合が容易になる。
【0045】位相制御層35の上方には、誘電体層36
を介して結合層37(第1結合層)が設けられている。
この結合層37には、結合層33と同様の結合スロット
29が形成されている。結合層37の上方には、誘電体
層38を介して放射側アンテナ素子層(第1アンテナ素
子層)39が設けられている。この放射側アンテナ素子
層39には、放射側アンテナ素子24が配置されてい
る。放射側アンテナ素子層39は、外部空間に面する放
射側面Bを構成する。なお、結合層37により、対応す
る移相ユニット26(移相器23)と放射側アンテナ素
子24との個別の結合が容易になる。
【0046】なお、図7にて示した例では、給電側アン
テナ素子21は位相制御層35と別の層、すなわち給電
側アンテナ素子層31上に形成されているが、これらの
給電側アンテナ素子21は位相制御層35上に形成され
てもよい。この場合、給電側アンテナ素子21と移相ユ
ニット26等が単層の同一基板上に形成されるので、給
電側アンテナ素子層31、結合層33および誘電体層3
2,34は不要となる。同様に、放射側アンテナ素子2
4も、位相制御層35上に形成されていてもよい。この
場合、放射側アンテナ素子24と移相ユニット26等が
単層の同一基板上に形成されるので、放射側アンテナ素
子層39、結合層37および誘電体層36,38は不要
となる。なお、給電側アンテナ素子21が位相制御層3
5上に形成されている場合、放射側アンテナ素子24は
別の層に形成されなければならない。
【0047】また、給電側アンテナ素子層31の下方お
よび放射側アンテナ素子層39の上方に、誘電体層を介
して無給電素子が形成された無給電素子層をそれぞれ設
けてもよい(図9(b),図10(b)参照)。このよ
うに無給電素子を付加することにより、広帯域化を図る
ことができる。
【0048】以上説明した2次放射部20において、1
次放射部10から放射された高周波信号は、給電側アン
テナ素子層31の各アンテナ素子21により受信され、
結合層33の各結合スロット28を介して、位相制御層
35のストリップ線路22に伝搬する。そして、移相器
23で所定の移相量が与えられ、結合層37の各結合ス
ロット29を介して、放射側アンテナ素子層39の各ア
ンテナ素子24に給電され、各アンテナ素子24から所
定のビーム方向に放射される。
【0049】2次放射部20を構成する誘電体層32,
38としては、比誘電率が1〜4程度の低誘電率の基
板、例えばプリント基板、ガラスや発泡材などの材料が
用いられる。また、これらの誘電体層32,38は、空
間(空気層)であってもよい。誘電体層34としては、
比誘電率が5〜30程度の高誘電率の基板、例えばアル
ミナなどのセラミック基板や、ガラス基板、高誘電率プ
リント基板などが用いられる。誘電体層36としては、
比誘電率が1〜11程度の誘電率の基板、例えばプリン
ト基板、セラミック基板、ガラスや発泡材などの材料が
用いられる。特に、位相制御層35には移相器23のス
イッチ23Sが形成されるため、誘電体層36として空
間(空気層)を形成してもよい。
【0050】なお、図7では簡単のため2次放射部20
を構成する各層を個々に分解して説明したが、各誘電体
層32,34,36,38にそれぞれ隣接する層、例え
ば放射側アンテナ素子層39,結合層37などは、前記
の誘電体層の片面もしくは両面にパターン形成すること
により実現できる。また、誘電体層32,34,36,
38は必ずしも単一材料で形成されている必要はなく、
複数の材料が積層された構成であってもよい。
【0051】また、2次放射部20内の整合等の条件か
ら、各誘電体層32,34,36,38の厚みは例えば
次のように設定される。 誘電体層32: 0.3mm 誘電体層34: 0.2mm 誘電体層36: 0.2mm 誘電体層38: 0.3mm その他の層31,33,35,37,39の厚みは2次
放射部20全体の厚みにほとんど影響を与えないので、
2次放射部20全体は概ね1mmの厚みで構成できる。
【0052】上述したように、図30に示した従来のフ
ェーズドアレーアンテナ装置では、各アンテナ素子52
1,523ごとに送受信モジュール522(移相器など
を内蔵)が必要であり、さらに各送受信モジュール52
2を支持するための金属製の支持機構が必要であった。
これに対して、図1に示したフェーズドアレーアンテナ
装置では、すべての移相ユニット26をすべてのアンテ
ナ素子21,24とともに図7に示すような多層構造を
有する同一基板に組み込んで2次放射部20を形成する
ことにより、従来のような支持機構が不要となる。これ
により、フェーズドアレーアンテナ装置の軽量化を図れ
る。
【0053】特に、従来の技術では、フェーズドアレー
アンテナを高利得化するにつれて、支持機構が重くな
る。このため、図7に示した2次放射部20の効果は、
高利得のフェーズドアレーアンテナ装置を構成する場合
に、特に顕著である。フェーズドアレーアンテナ装置が
軽量化されと、可搬性が向上する。また、フェーズドア
レーアンテナ装置を人工衛星に搭載して使用する場合、
人工衛星の打ち上げコストの削減も期待できる。
【0054】さらに、図7に示したように2次放射部2
0を形成することにより、従来のように多数の送受信モ
ジュール522を1個ずつコネクタ接続する必要がなく
なるので、フェーズドアレーアンテナ装置の組立・設置
を簡素化できる。
【0055】なお、2次放射部20の給電側・放射側ア
ンテナ素子21,24としては、パッチアンテナの他、
プリンテッドダイポールアンテナ、スロットアンテナ、
アパーチャ素子などを利用できる。特に、結合層33,
37の結合スロット28,29の開口部を大きくするこ
とにより、スロットアンテナとして利用できる。この場
合は、アンテナ素子層31,39を結合層33,37で
兼用できるので、アンテナ素子層31,39および誘電
体層32,38が不要となる。
【0056】また、ストリップ線路22としては、マイ
クロストリップ形の他、トリプレート形、コプレーナ
形、スロット形などの分布定数線路を利用できる。ま
た、結合スロット28,29の代わりに、位相制御層3
5のストリップ線路22と給電側・放射側アンテナ素子
21,24とを接続する導電性の給電ピンを用いて、高
周波信号を結合してもよい。また、アンテナ素子層3
1,39は平面形状に限らず、曲面形状をしていてもよ
い。
【0057】また、位相制御層35は、図8に示すよう
に、さらに多層構造を有していてもよい。この場合、各
移相ユニット26を構成する移相回路23A,23Bお
よびその駆動回路25A,25Bが層35Aに形成さ
れ、移相回路23C,23Dおよびその駆動回路25
C,25Dが層35Bに形成されてもよい。
【0058】あるいは、互いに隣接する2個の給電側ア
ンテナ素子21のうちの一方に対応する移相ユニット2
6が層35Aに形成され、他方に対応する移相ユニット
26が層35Bに形成されてもよい。このように、移相
ユニット26を多層に分けて形成することにより、1個
あたりの移相ユニット26の形成面積が広くなる。この
ため、2次放射部20の開口面積を広げることなく、移
相器23のビット数を高めることができる。
【0059】次に、図7における位相制御層35につい
て、さらに説明する。図9は位相制御層35に形成され
た1個の移相ユニット26の構成図であり、(a)はこ
の移相ユニット26の回路配置図、(b)は移相ユニッ
ト26を模式的に示す2次放射部20の断面図、(c)
は位相制御層35上に配線される信号線および走査線な
どが交差する部分の拡大断面図である。ここではスイッ
チ23Sとして、後述するマイクロマシンスイッチが用
いられている場合を示す。移相ユニット26は、アレー
状に配置された各給電側・放射側アンテナ素子21,2
4に対応して設けられており、ほぼ正方形(30GHz
のフェーズドアレーアンテナ場合、例えば5mm×5m
m)の領域(図中破線正方形参照)内に形成されてい
る。
【0060】その周部には、信号線駆動部27Xからの
信号線Xi1,Xi2、走査線選択部27Yからの走査
線Yj1,Yj2、制御装置2からのトリガ信号線Tr
g、およびスイッチ23Sの駆動電源線Vdrvが格子
状に配置されている。これら配線の内側には、結合スロ
ット28の上部位置から結合スロット29の下部位置ま
でを接続するストリップ線路22が設けられている。さ
らに、このストリップ線路22の途中には、180゜,
90゜,45゜,22.5゜の各移相回路23A〜23
Dが配置されている。各移相回路23A〜23Dの近傍
には、それぞれに対応する駆動回路25A〜25Dが配
置されている。これらの移相回路23A〜23Dと駆動
回路25A〜25Dとは、位相制御層35として、1つ
の基板(ガラス基板)上の同一面上に一括して形成され
ている。
【0061】また、スイッチ23Sの可動空間36Sを
確保するために、スペーサ36Aが設けられている。さ
らに、結合スロット28の下層の給電側アンテナ素子層
31には、直径2.5〜4mmの円形の給電側アンテナ
素子21が配置されており、結合スロット29の上層の
放射素子層39には、同じく放射側アンテナ素子24が
配置されている。
【0062】移相回路23A〜23Dのうち、180°
移相回路23Aはスイッチドライン形である。スイッチ
ドライン形は、長さの異なるストリップ線路をスイッチ
23Sで切り換えて、ストリップ線路22の線路長を変
更することにより所定の移相量を与えるものである。ま
た、90゜,45゜,22.5゜の各移相回路23B〜
23Dはローデッドライン形である。ローデッドライン
形は、ストリップ線路(第1ストリップ線路)22にス
イッチ23Sで装荷線路(第2ストリップ線路)を分岐
接続することにより、所定の移相量を与えるものであ
る。なお、移相回路23A〜23Dとして、反射形を用
いることもできる。
【0063】また、信号線X1〜Xmおよび走査線Y1
〜Ynにより、各位相制御部25(駆動回路25A〜2
5D)をそれぞれ格子状に接続し、これら信号線X1〜
Xmおよび走査線Y1〜Ynをマトリクス駆動すること
により、その交点に位置する位相制御部25に所望の移
相量を設定する。これにより、各位相制御部25を制御
するための信号配線が共用できるので、その配線数を大
幅に削減でき、これら配線に必要な面積を大幅に削減で
きる。この場合、各駆動回路25A〜25Dは、薄膜ト
ランジスタ(TFT)により構成される。なお、図9に
示した例では、位相制御層35上の配線パターンや回路
部品、すなわちスイッチ23Sや駆動回路25A〜25
Dは、半導体素子製造プロセス等を使用して同時に多数
一括にて形成されている。
【0064】2次放射部20は図9(b)に示すような
多層構造を有している。すなわち、下から上へ順に、無
給電素子21Aが形成されている無給電素子層、誘電体
層31B(厚さ1mm)、給電側アンテナ素子層31、
誘電体層32(厚さ0.3mm)、結合層33、誘電体
層34(厚さ0.2mm)、位相制御層35、誘電体層
36(厚さ0.2mm)、結合層37、誘電体層38
(厚さ0.3mm)、放射側アンテナ素子層39、誘電
体層39B(厚さ1mm)、無給電素子24Aが形成さ
れている無給電素子層が積層されている。
【0065】ここで、マイクロマシンスイッチは後述す
るように可動部であるコンタクトを有するため、この2
次放射部20のように多層基板内に位相制御層35を形
成する場合、コンタクトが自由に動作できるような可動
空間36Sを確保する必要がある。したがって、位相制
御層35と結合層37との間の誘電体層36を空間36
Sにて構成し、その高さをスペーサ36Aにより確保し
ている。
【0066】この場合、スペーサ36Aを結合スロット
29の下部に配置してもよい。これにより、通常、空き
領域となる結合スロット29の下部をスペーサ36Aの
配置領域として兼用できるので、スペーサ36Aによる
占有面積を削減できる。さらに、スペーサ36Aとし
て、アルミナなど比誘電率が6〜11程度の高誘電率の
材料を用いて、結合スロット29の下部に配置してもよ
い。この場合、結合スロット29と位相制御層35上の
ストリップ線路22とが効率よく結合される。
【0067】位相制御層35上には、例えば図9(a)
に示したように、走査線Yj1,Yj2が横方向に配線
され、信号線Xi1,Xi2、トリガ信号線Trgおよ
び駆動電源線Vdrvが縦方向に配線されている。図9
(c)に、これらの配線の交差部分35Aの拡大断面を
模式的に示す。上記の配線は、誘電体層34上に配線3
4B(走査線Yj1,Yj2に対応する)をあらかじめ
形成しておき、その上に絶縁膜34Aを誘電体層34の
全面に付与した後、配線36C(信号線Xi1,Xi
2、トリガ信号線Trgおよび駆動電源線Vdrvに対
応する)を形成することで得られる。
【0068】特に誘電体層34をガラス基板とし、位相
制御部25を薄膜トランジスタで誘電体層34上に形成
する場合、薄膜トランジスタのゲート電極を形成すると
同時に配線34Bを形成し、絶縁膜34Aとしてシリコ
ン酸化膜等をスパッタリング法にてガラス基板の全面に
付与した後、薄膜トランジスタのゲート電極、ドレイン
電極を形成すると同時に配線34Cを形成してもよい。
また、誘電体34上に縦方向および横方向の配線をあら
かじめ同時に形成しておき、これらの配線が交差する部
分については、ゼロオームのジャンパ抵抗でその干渉を
回避することも可能である。
【0069】以上、図9を引用し、すべての移相ユニッ
ト26を1つの基板上に一括形成して、位相制御層35
を構成した例について説明した。この方法によれば、小
さな開口面積でも大きい利得が得られる高周波数帯での
アンテナ、例えば30GHz以上の高周波帯に使用され
るフェーズドアレーアンテナ装置を製造する場合に、コ
ストダウンを図れる。
【0070】これに対して、図10に示すように、各移
相ユニット26間または同一移相ユニット26内におい
て、繰り返し構成された回路部をチップ化して、これを
位相制御層35上に実装する方法もある。なお本明細書
では、同一または類似の単位回路を半導体プロセス等に
より基板上に多数一括形成して単位毎に切り出し、さら
に別基板に搭載・実装するための加工を施すことをチッ
プ化と呼ぶ。この方法によれば、チップ単体での不良検
査を実施できるので、フェーズドアレーアンテナ装置全
体の歩留まりを改善できる。
【0071】特に、同一移相ユニット26内における繰
り返し構成されたチップ化する場合、例えば以下に挙げ
る回路部を単位としてチップ化できる。すなわち、 各駆動回路25A〜25D、 各駆動回路25A〜25Dおよびスイッチ23Sの
対、 各駆動回路25A〜25Dおよび各移相回路23A〜
23Dの対、 各移相ユニット26内のすべての駆動回路25A〜2
5Dとすべての移相回路23A〜23D、 である。図10(a)には、上記を単位に形成された
チップ26Aを位相制御層35に実装した例を示してい
る。
【0072】なお、図9では移相ユニット26の上面に
空間を確保していたが、図10(b)に示すように移相
ユニット26(チップ26A)の下面に空間を確保して
もよい。この場合、誘電体層34、位相制御層35およ
び誘電体層36が上下入れ替わって配置されるので、誘
電体層34と結合層37とが密着する構成となる。
【0073】また、位相制御層35と結合層33との間
の誘電体層36を空間36Sにて構成するためのスペー
サとして、図9におけるスペーサ36Aに代えて、導体
からなるスペーサ36Bを用いてもよい。図10に示す
ように、このスペーサ36Bを、誘電体層34に形成さ
れたビアホール34Vの下部に配置して、接地パター
ン、例えば結合層37の導体パターンと電気的に接続す
る。これにより、別途、接地電位を結合する手段を設け
ることなく、接地板間不要モード(パラレルプレートモ
ード)を抑制できる。
【0074】以上、図9、図10を引用して、位相制御
部25が移相器23の近傍に配置された場合について示
したが、位相制御部25は必ずしもこのように分散され
て配置される必要はなく、位相制御層35の多層構造領
域以外の外部領域にまとめて配置されていてもよい。す
なわち、図11に示すように、データ分配回路をフリッ
プチップ51で構成し、バンプ52および制御信号線5
3を介して各移相器23を駆動すればよい。この場合、
図4にて示された駆動回路25A〜25Dに相当する回
路は、フリップチップ51内に集積形成される。
【0075】次に、図12を参照して、具体的な寸法の
一例を参照しながら、スイッチ23Sの構成例について
説明する。図12はスイッチ23Sの構成例を示す斜視
図である。このスイッチ23Sは、コンタクト44によ
りストリップ線路42,43を短絡/開放するマイクロ
マシンスイッチから構成されている。
【0076】ストリップ線路42,43(高さ1μm程
度)は僅かな隙間を有して基板41上に形成されてい
る。その隙間の上部にはコンタクト44(高さ2μm程
度)がストリップ線路42,43と接離自在となるよう
に支持部材45により支持されている。ここで、コンタ
クト44の下面とストリップ線路42,43の上面との
距離は4μm程度である。したがって、基板41の上面
を基準としたコンタクト44の上面の高さ、すなわちマ
イクロマシンスイッチ全体の高さは7μm程度である。
一方、基板41上のストリップ線路42,43の隙間に
は、導体の電極46(高さ0.2μm程度)が形成され
ている。
【0077】次に、このスイッチ23Sの動作について
説明する。電極46には、駆動回路25A〜25Dの出
力電圧(例えば、10〜100V程度)が個別に供給さ
れている。ここで、電極46に正の出力電圧が印加され
た場合、これにより電極46の表面に正電荷が発生す
る。これに伴い、対向するコンタクト44の下面に、静
電誘導により負電荷が現れる。そして、両者間の静電力
(電磁力)に基づく吸引力により、コンタクト44がス
トリップ線路42,43側へ引き寄せられる。
【0078】このとき、コンタクト44の長さがストリ
ップ線路42,43の隙間よりも長いため、コンタクト
44がストリップ線路42,43の両方に接触する。こ
れにより、ストリップ線路42,43がコンタクト44
を介して、高周波的に導通状態となる。また、電極46
への出力電圧の印加が停止された場合、吸引力がなくな
るので、支持部材45によりコンタクト44が元の離間
した位置へ復元され、ストリップ線路42,43が高周
波的に非導通状態となる。
【0079】なお、以上の説明では、コンタクト44に
電圧を与えず、電極46に対して出力電圧を印加する場
合について説明したが、逆も可能である。すなわち、電
極46に電圧を与えず、コンタクト44に対して導体か
らなる支持部材45を介して駆動回路25A〜25Dの
出力電圧を印加するようにしてもよく、前述と同様の作
用が得られる。このように、給電位相の制御を行うスイ
ッチ23Sとして、マイクロマシンスイッチを用いるよ
うにしたので、PINダイオードなどの半導体デバイス
を用いる場合と比較して、半導体接合面での電力消費が
なくなり、消費電力が10分の1程度まで低減できる。
【0080】(第2の実施の形態)図13は本発明によ
るフェーズドアレーアンテナ装置の第2の実施の形態の
要部構成を示す模式図であり、図13(a)は斜視図、
図13(b)はXIIIb−XIIIb′断面図である。図1
3において、図1と同一部分には同一符号を付し、その
説明を適宜省略する。
【0081】図1に示したフェーズドアレーアンテナ装
置では1次放射部10に含まれる1次側アンテナ素子1
2および増幅器11の対が1個であるのに対して、図1
2に示したフェーズドアレーアンテナ装置は1次放射部
110が複数対の1次側アンテナ素子112および増幅
器111を有している。1次放射部110の面Cには1
次側アンテナ素子(第3アンテナ素子)112が配置さ
れており、この面Cが2次放射部20の給電側面Aに対
向している。
【0082】図14は1次放射部110を示すブロック
図である。1次放射部110は、複数個の1次側アンテ
ナ素子112と、各1次側アンテナ素子112ごとに設
けられた増幅器111と、合成分配器113とから構成
されている。
【0083】合成分配器113としては、ストリップ線
路からなる分岐回路を利用できる。この場合、2分岐を
繰り返すトーナメント方式、主線路から櫛状に徐々に分
岐させるシリーズ分配方式などが利用できる。しかし、
1次放射部110の開口面積は小さいので、合成分配器
113として分岐回路を使用しても損失は小さいし、ま
た損失が大きくても分配後に増幅器111により増幅さ
れるので、多少損失があっても大きな問題とはならな
い。なお、1次放射部110が多少重くなることが許容
できるならば、合成分配器113としてマジックTなど
の低損失な導波管合成分配回路を使用することも可能で
ある。また、1次側アンテナ素子112としては、例え
ばパッチアンテナ、ダイポールアンテナ、ホーンアンテ
ナなどを使用できる。
【0084】給電部1から入力された高周波信号は、合
成分配器113により各増幅器111に分配供給され
る。分配供給された高周波信号は、各増幅器111によ
り増幅された後、各1次側アンテナ素子112に供給さ
れ、2次放射部20に向けて放射される。ここで、1次
放射部110の放射指向特性は、各1次側アンテナ素子
112に供給される高周波信号の振幅と位相とにより決
定される。高周波信号の振幅は合成分配器113の分配
比により調整できる。また、高周波信号の位相は各1次
側アンテナ素子112への線路長により調整できる。こ
れらのパラメータを調整することにより所望の放射指向
特性が得られるので、1次放射部10の設計時に2次放
射部20の給電側面Aにおける励振振幅分布を最適に設
定することができる。
【0085】また、複数個の1次側アンテナ素子112
ごとに増幅器111を設けることにより、次の理由から
低コストで等価等方輻射電力(EIRP)を高めること
ができる。増幅器1個の出力電力の大きさには限界があ
り(例えば、30GHzにおけるSSPA(Solid Stat
e Power Amplifire )で比較的容易に達成できる出力は
2〜3W程度)、また高出力の増幅器を使用すると1次
放射部の製造コストが高くなる。しかし、1次放射部1
10に複数個の1次側アンテナ素子112を設け、それ
ぞれに通常出力の増幅器111を接続して空間で電力を
合成することにより、低コストで1次放射部110、ひ
いてはフェーズドアレーアンテナ装置全体の高電力化を
図れる。
【0086】もちろんフェーズドアレーアンテナ装置を
高電力化するために、2次放射部20のアンテナ素子2
1,24ごとに増幅器を設ける方式(アクティブフェー
ズドアレーアンテナ方式)もある。しかし、この方式で
はアンテナ素子21,24の数に応じて増幅器の数が多
くなるので、装置が高価になるうえ、2次放射部が重く
なって前述の問題が発生してしまう。これに対して、図
14に示した1次放射部110を用いることにより、2
次放射部20の各アンテナ素子21,24ごとに増幅器
を設けなくても高電力化を実現できるので、低コストで
等価等方輻射電力を高めることができる。
【0087】(第3の実施の形態)図15は本発明によ
るフェーズドアレーアンテナ装置の第3の実施の形態の
ブロック図である。図15において、図1および図13
と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略す
る。
【0088】図15に示した1次放射部210は、フェ
ーズドアレーアンテナである。すなわち、1次側アンテ
ナ素子112、増幅器111、合成分配器113の他
に、高周波信号の振幅を減衰させる可変減衰器(アッテ
ネータ)214と、高周波信号の位相を変化させる移相
器(第2移相器)215と、可変減衰器214および移
相器215にそれぞれ減衰量および移相量を設定するデ
ータ分配回路216とを有している。ただし、1次側ア
ンテナ素子112の数が少ない場合は必ずしもデータ分
配回路を設ける必要はなく、制御装置2からパラレルに
各可変減衰器214および各移相器215に信号を与え
てもよい。
【0089】増幅器111、可変減衰器214および移
相器215は、各1次側アンテナ素子112ごとに設け
られている。可変減衰器214と増幅器111とによ
り、増幅度が可変となる。移相器215としては、図3
に示した2次放射部20の移相器23と同様の構成のも
のを使用できる。1次放射部210は2次放射部20と
同様の多層構成としてもよい。また、1次アンテナ素子
112が2次放射部20のアンテナ素子21,24ほど
密に配置されない場合には、1次放射部210のすべて
の構成要素を一層に形成することもできる。
【0090】1次放射部210は、2次放射部20のビ
ーム放射方向を制御する制御装置2によって制御され
る。この場合、制御装置2には、2次放射部20で所定
の放射指向特性を得るためのデータが、予め設定されて
いる。制御装置2がこのデータを制御信号2Zとして1
次放射部210のデータ分配回路216に出力すると、
データ分配回路216はこれを制御信号216Aとして
各可変減衰器214に、制御信号216Bとして各移相
器215に分配する。これにより、各1次側アンテナ素
子112ごとに高周波信号の減衰量と移相量とが設定さ
れる。
【0091】したがって、合成分配器113により移相
器215に分配供給された高周波信号は、移相器215
に設定された移相量を受けて、可変減衰器214に出力
される。そして、可変減衰器214および増幅器111
を通過することにより、可変減衰器214に設定された
減衰量に応じた振幅にて1次側アンテナ素子112に供
給される。可変減衰器214および移相器215に設定
される減衰量および移相量は、制御装置2により変更可
能であるから、1次側アンテナ素子112の給電電力お
よび給電位相も可変となる。したがって、1次放射部2
10の放射指向特性(すなわち、2次放射部20の給電
側面Aでの励振振幅分布)を自在に変えられるので、2
次放射部20で所望の放射指向特性が得られる。
【0092】このように、1次放射部にフェーズドアレ
ーアンテナを用いることにより、利用状況に応じて2次
放射部20の放射指向特性を変更できる。周知の通り、
アレーアンテナにおいては、2次放射部20の励振振幅
分布とアンテナ利得,サイドローブレベル,ビーム幅と
の間に密接な関係がある。すなわち、2次放射部20の
励振振幅分布を一様に近づければアンテナ能率は上が
り、アンテナ利得は向上するが、ビーム幅が細くなり、
またサイドローブレベルが上昇する。一方、2次放射部
20の励振振幅にテーパをつける、つまり2次放射部2
0の中心付近の励振振幅係数を大きくし、2次放射部2
0の周縁部に近づくにつれて励振振幅係数を小さくして
いけば、ビーム幅が太くなり、サイドローブレベルが下
がるが、アンテナ能率が低下してアンテナ利得が減少し
てしまう。
【0093】したがって、図15に示したフェーズドア
レーアンテナ装置を例えば衛星通信の地球局として使用
する場合、晴天時には他の衛星との干渉を抑圧するため
低サイドローブ(低利得)で運用し、雨天時には降雨減
衰によりサイドローブレベルが高くても干渉が比較的少
ないので高利得(高サイドローブ)で運用するようにで
きる。また、例えば、運用開始時には太ビーム幅(低利
得)で衛星をサーチ・捕捉し、本運用時には高利得(細
ビーム幅)でシステム利得を確保するようにできる。
【0094】なお、図15に示した1次放射部210
は、高周波信号の振幅および位相の両方を制御するもの
であるが、移相器215を用いずに振幅のみを制御する
ようにも構成できるし、可変減衰器214を用いずに位
相のみを制御するようにも構成できる。1次放射部21
0による制御が高周波信号の振幅および位相の一方であ
っても、2次放射部20の放射指向特性を変更できる。
【0095】(第4の実施の形態)図16は本発明によ
るフェーズドアレーアンテナ装置の第4の実施の形態の
要部構成を示す模式図であり、図16(a)は斜視図、
図16(b)はXVIb−XVIb′断面図である。図16
において、図1および図13と同一部分には同一符号を
付し、その説明を適宜省略する。図16に示した1次放
射部310は、1次放射部110,210の開口面積を
大きくしたものである。したがって、1次放射部310
は振幅および位相が固定のアレーアンテナであってもよ
いし、振幅および位相の少なくとも一方が可変のアレー
アンテナであってもよい。
【0096】このように、開口面の広い1次放射部31
0を用いれば、多くの1次側アンテナ素子112を配置
できるので、各1次側アンテナ素子112にごとに増幅
器111を設けることにより、1次放射部110,21
0よりも更に高電力化を実現できる。
【0097】次に、1次放射部をフェーズドアレーアン
テナで構成した場合に得られる特性についてのシミュレ
ーション結果を示す。ここでは、第3および第4の実施
の形態に対応して、1次側アンテナ素子112の素子数
が少ない場合(ケースA)と多い場合(ケースB)とで
シミュレーションを行った。
【0098】まず、1次側アンテナ素子112の素子数
が少ない場合(ケースA)について説明する。図17は
ケースAにおける1次放射部210および2次放射部2
0の設定条件を示す説明図である。なお、図17(b)
の2次放射部20には、正確な素子数が示されていな
い。2次放射部20の開口寸法を255mm×255m
mとし、給電側および放射側アンテナ素子21,24の
素子数を51×51=2601個とする。このとき、各
アンテナ素子21,24は、素子間隔5mmで方形格子
配列されているものとする。
【0099】また、1次放射部210の1次側アンテナ
素子112の素子数を5個とし、素子間隔dを4.5m
mとする。この1次放射部210は、2次放射部20の
開口面の中央部から180mm離間して配置されている
ものとする。ここで、図17(c)に示すように、1次
放射部21の各1次側アンテナ素子112のうち、中央
のアンテナ素子112を素子と定義し、素子の周り
のアンテナ素子112を素子と定義する。
【0100】表1は、1次放射部210に与えられる励
振条件と、それにより得られる諸特性の計算値とを示す
表である。表1において、励振条件は、素子に対する
相対値で表された素子の励振係数(振幅・位相)で表
されている。ケースA1では素子に対する素子の振
幅,位相をそれぞれ20dB,0゜とし、ケースA2で
は0dB,0゜とし、ケースA3では−10dB,−6
0゜とする。そして、各ケースA1〜A3について2次
放射部20の給電側面Aにおける励振振幅分布と、放射
側面Bからの放射指向特性とを計算する。
【0101】
【表1】
【0102】図18〜図20はそれぞれ、各ケースA1
〜A3についての励振振幅分布を示すグラフである。ケ
ースA1では、図18に示すように、2次放射部20の
励振振幅分布に大きなテーパがついている。しかし、1
次放射部210の励振条件をケースA2のように変える
と、図19に示すように励振振幅分布のテーパが小さく
なり、一様に近づく。その結果、表1に示すように、開
口能率は−1.09dBから−0.54dBに改善され
る。さらに、励振条件をケースA3のように変えると、
図20に示すように励振振幅分布がいっそう一様に近づ
く。その結果、表1に示すように、開口能率も−0.1
4dBにまで改善される。このように、1次放射部21
0の励振条件を操作することにより、2次放射部20の
励振振幅分布を調整できる。
【0103】一方、図21は、ビーム方向がアンテナ正
面方向となるよう移相ユニット26が設定されたときの
2次放射部20の放射指向特性を示すグラフであり、
(a)〜(c)はそれぞれケースA1〜A3についての
放射指向特性を示している。なお、図21に示された各
グラフは右側のみが示されているが、各グラフは左右対
称である。ケースA1の励振条件にしたがって励振振幅
分布のテーパを大きくした場合、前述したように開口能
率は低いが、図21(a)に示すように、ビーム幅が太
く、サイドローブレベルが低い放射指向特性が得られ
る。また、開口能率を改善するよう、励振条件をケース
A2およびケースA3のようにして、励振振幅分布を一
様に近づけると、図21(b),(c)に示すように、
ビーム幅が細くなり、サイドローブレベルが上昇する。
【0104】このように、1次放射部210の励振条件
を操作して、2次放射部20の励振振幅分布を調整する
ことにより、サイドローブを犠牲にして開口能率を最優
先にしたり、あるいは逆に開口能率を犠牲にしてサイド
ローブを低減させることができるので、状況に応じて所
望の放射指向特性を得ることができる。
【0105】なお、ケースA2では、ケースA1と同じ
位相を与えるとともに、ケースA1とは異なる振幅を与
えている。図18,19および図21(a),(b)
は、1次放射部210の各1次側アンテナ素子112に
与える振幅のみで、2次放射部20の励振振幅分布およ
び放射指向特性を制御できることを示している。
【0106】次に、1次側アンテナ素子112の素子数
が多い場合(ケースB)について説明する。図22はケ
ースBにおける1次放射部310および2次放射部20
の設定条件を示す説明図である。なお、図22(b)で
は正確な素子数が示されていない。2次放射部20の開
口寸法を135mm×135mmとし、給電側および放
射側アンテナ素子21,24の素子数を27×27=7
29個とする。このとき、各アンテナ素子21,24
は、素子間隔5mmで方形格子配列されているものとす
る。
【0107】また、1次放射部310の開口寸法を11
0mm×110mmとし、1次側アンテナ素子112の
素子数を11×11=121個とする。このとき、アン
テナ素子112は、素子間隔d=10mmで方形格子配
列されているものとする。したがって、ケースBでは1
次放射部310の開口寸法は2次放射部20の開口寸法
とほぼ同程度の大きさであるが、アンテナ素子の密度は
2次放射部20より疎となっている。さらに、この1次
放射部310は、2次放射部20の開口面の中央部から
120mm離間して配置されているものとする。ここ
で、図22(c)に示すように、1次放射部310の各
1次側アンテナ素子112のうち、中央のアンテナ素子
112を素子と定義し、素子の周りのアンテナ素子
112を素子と定義し、同様に素子〜素子を定義
する。
【0108】表2は1次放射部310に与えられる励振
条件を示す表である。ここで、励振条件は、素子に対
する相対値で表された素子〜素子の励振係数(振幅
・位相)で表されている。
【0109】
【表2】
【0110】1次放射部310に与える励振条件を表2
に示すケースB1〜B3にしたがって変化させ、各ケー
スB1〜B3について2次放射部20の給電側面Aにお
ける励振振幅分布と、放射側面Bにおける放射指向特性
とを計算した。これにより得られた諸特性の計算結果を
表3に示す。
【0111】
【表3】
【0112】図23〜図25はそれぞれ、各ケースB1
〜B3についての励振振幅分布を示すグラフである。ケ
ースB1では、図23に示すように、2次放射部20の
励振振幅分布に大きなテーパがついている。しかし、1
次放射部310の励振条件をケースB2、さらにケース
B3のように変えるにしたがって、図24および図25
に示すように励振振幅分布のテーパが小さくなり、一様
に近づく。
【0113】また図26は、ビーム方向がアンテナ正面
方向となるよう移相ユニット26が設定されたときの2
次放射部20の放射指向特性を示すグラフであり、
(a)〜(c)はそれぞれケースB1〜B3についての
放射指向特性を示している。なお、図26に示された各
グラフは右側のみが示されているが、各グラフは左右対
称である。ケースB1の励振条件にしたがって励振振幅
分布のテーパを大きくすると、表3および図26(a)
に示すように、開口能率は低いが、ビーム幅が太く、サ
イドローブレベルが低い放射指向特性が得られる。しか
し、励振条件をケースB2およびケースB3のようにし
て、励振振幅分布を一様に近づけるにしたがって、表3
および図26(b),(c)に示すように開口能率は改
善するが、ビーム幅が細くなり、サイドローブレベルが
上昇する。
【0114】このように、1次放射部の素子数が多い場
合(ケースB)でも、素子数が少ない場合と同様に、2
次放射部20の励振振幅分布および放射指向特性を調整
できることがわかる。したがって、本発明では、1次放
射部210,310の素子数に関係なく、2次放射部2
0の励振振幅分布および放射指向特性を制御できるとい
える。
【0115】(第5の実施の形態)図27は本発明によ
るフェーズドアレーアンテナ装置の第5の実施の形態の
構成図であり、(a)は要部斜視図、(b)は分解図で
ある。図27において、図1および図7と同一部分には
同一符号を付し、その説明を適宜省略する。以上では、
透過形空間給電フェーズドアレーアンテナを例にして本
発明を説明してきたが、本発明は反射形空間給電フェー
ズドアレーアンテナにも適用できる。
【0116】反射形では、図27(a)に示すように、
1次放射部10が2次放射部120の放射側面Bの側に
配置される。また、2次放射部120の多層構造は図7
とは異なり、図27(b)に示すように、放射側アンテ
ナ素子層39、誘電体層38、結合層37、誘電体層3
6、位相制御層35のみから構成される。
【0117】図28は2次放射部120および制御装置
2を示すブロック図である。また、図29は位相制御層
35に形成された1個の移相ユニット26の構成図であ
り、(a)はこの移相ユニット26の回路配置図、
(b)は移相ユニット26を模式的に示す2次放射部1
20全体の断面図、(c)は位相制御層35上に配線さ
れる信号線および走査線などが交差する部分の拡大断面
図である。ここではスイッチ23Sとして、図12に示
したマイクロマシンスイッチが用いられている場合を示
す。なお、図28および図29において、図3および図
9と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略
する。
【0118】移相ユニット26は、図9と同様、ほぼ正
方形(30GHzのフェーズドアレーアンテナ場合、例
えば5mm×5mm)の領域(図中破線正方形参照)内
に形成されている。また、その周部には、信号線駆動部
27Xからの信号線Xi1,Xi2、走査線選択部27
Yからの走査線Yj1,Yj2、制御装置2からのトリ
ガ信号線Trg、およびスイッチ23Sの駆動電源線V
drvが格子状に配置されている。ここで、図27に示
したフェーズドアレーアンテナ装置が前述の図1に示し
たフェーズドアレーアンテナ装置と異なるのは、結合ス
ロット28と給電側アンテナ素子21が除かれ、ストリ
ップ端部22Aでストリップ線路(第1ストリップ線
路)22が止まっている点である。
【0119】次いで、この実施の形態における高周波信
号の流れを説明する。1次放射部10から放射された高
周波信号は、放射側アンテナ素子層39上の各アンテナ
素子24により一度受信され、結合層37を介して位相
制御層35上の各移相器23′へそれぞれ結合される。
高周波信号は各々の移相器23′により位相制御された
のち、ストリップ端部22Aに到達する。ストリップ端
部22Aはオープンまたはショート(接地)端子となっ
ており、高周波信号はストリップ端部22Aでほぼ全反
射される。ストリップ端部22Aで反射された高周波信
号は再び各移相器23′により位相制御を受けた後、結
合層37を介して再び各アンテナ素子24へと伝搬し、
それぞれのアンテナ素子24から所定のビーム方向に放
射される。
【0120】このように、高周波信号は各移相器23′
を往復で2回通過するので、各移相器23′の移相量は
透過形と比べて1/2となる。例えば4ビットの移相器
23′を移相回路で構成するならば、各移相回路の移相
量はそれぞれ90゜,45゜,22.5゜,11.25
゜となる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、各第
1アンテナ素子と各第1移相器と単層またはを多層化さ
れた同一基板に組み込んで、2次放射部を構成する。あ
るいは、これらに加えて各第2アンテナ素子を同一基板
に組み込んで、2次放射部を構成する。したがって、従
来のような第1移相器などをモジュール化したものを一
体支持するための機構が必要ない。上記の各素子を配置
する基板は、金属製のモジュール支持機構よりも軽いの
で、装置全体の軽量化を図れる。このため、本発明によ
れば、フェーズドアレーアンテナ装置の可搬性を向上で
きる。
【0122】また、第1アンテナ素子と第1移相器とを
それぞれ異なる層に形成して、2次放射部を多層構成と
する。あるいは、第1アンテナ素子と第1移相器と第2
アンテナ素子とをそれぞれ異なる層に形成して、2次放
射部を多層構成とする。これにより位相制御層には、第
1アンテナ素子および第2アンテナ素子が形成されなく
なる。このため、第1移相器を形成する面積を広くとれ
るので、高周波数帯(例えば、30GHz以上)でも良
好なフェーズドアレーアンテナを実現できる。
【0123】また、第1アンテナ素子層と位相制御層と
の間に、対応する第1アンテナ素子と第1移相器とを個
別に結合する第1結合層を配置する。これにより、第1
アンテナ素子と第1移相器との結合が容易になる。さら
に、位相制御層と第2アンテナ素子層との間に、対応す
る第1移相器と第2アンテナ素子とを個別に結合する第
2結合層を配置する。これにより、第1移相器と第2ア
ンテナ素子との結合が容易になる。また、第1移相器に
含まれるスイッチとしてマイクロマシンスイッチを用い
ることにより、半導体デバイスからなるスイッチを用い
るよりも、消費電力を低減できる。
【0124】また、信号線および走査線により各第1移
相器をそれぞれ格子状に接続し、これら信号線および走
査線をマトリクス駆動することにより、その交点に位置
する第1移相器に所望の移相量を設定する。これによ
り、各第1移相器を制御するための信号配線を共用で
き。したがって、その信号配線数を大幅に削減できるの
で、これら配線に必要な面積を大幅に削減できる。
【0125】また、1次放射部に複数個の第3アンテナ
素子を設け、さらに各第3アンテナ素子ごとに増幅器を
設けることにより、高電力化を図れる。これにより、2
次放射部をアクティブアレーアンテナとすることなく高
電力化を実現できるので、安価にEIRPを向上でき
る。
【0126】また、1次放射部の増幅器のそれぞれに可
変減衰器を接続することにより、第3アンテナ素子に供
給される高周波信号の振幅を可変制御可能とする。ま
た、各第3アンテナ素子に対して第2移相器を設けるこ
とにより、高周波信号の位相を制御可能とする。これに
より、2次放射部の放射指向特性を変更できるようにな
るので、フェーズドアレーアンテナ装置の利用条件に応
じて、最適な放射指向特性を選択できる。
【0127】また、位相制御層に実装される回路を半導
体製造プロセスで同時に一括して形成する。これによ
り、小さな開口面積でも大きい利得が得られる高周波数
帯でのフェーズドアレーアンテナ装置を安価に製造でき
る。また、位相制御層の基板上に、繰り返し構成された
回路をチップ化して実装する。これにより、フェーズド
アレーアンテナ装置全体の歩留まりを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明によるフェーズドアレーアンテ
ナ装置の第1の実施の形態の要部構成を示す模式図であ
る。
【図2】 1次放射部10および給電部を示すブロック
図である。
【図3】 2次放射部および制御装置を示すブロック図
である。
【図4】 移相ユニットの構成を示すブロック図であ
る。
【図5】 位相制御部の動作を示すタイミングチャート
であり
【図6】 位相制御部の他の動作を示すタイミングチャ
ートであり
【図7】 2次放射部の多層構造を説明するための分解
図である。
【図8】 2次放射部の他の多層構造を説明するための
分解図である。
【図9】 位相制御層に形成された1個の移相ユニット
の構成図である。
【図10】 位相制御層に形成された1個の移相ユニッ
トの他の構成図である。
【図11】 位相制御層の他の構成例を示す模式図であ
る。
【図12】 スイッチの構成例を示す斜視図である。
【図13】 本発明によるフェーズドアレーアンテナ装
置の第2の実施の形態の要部構成を示す模式図である。
【図14】 1次放射部110を示すブロック図であ
る。
【図15】 本発明によるフェーズドアレーアンテナ装
置の第3の実施の形態のブロック図である。
【図16】 本発明によるフェーズドアレーアンテナ装
置の第4の実施の形態のブロック図である。
【図17】 ケースAにおける1次放射部210および
2次放射部の設定条件とを示す説明図である。
【図18】 ケースA1についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図19】 ケースA2についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図20】 ケースA3についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図21】 ケースA1〜A3についての2次放射部の
放射側面における放射指向特性を示すグラフである。
【図22】 ケースBにおける1次放射部310および
2次放射部の設定条件とを示す説明図である。
【図23】 ケースB1についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図24】 ケースB2についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図25】 ケースB3についての2次放射部の給電側
面における励振振幅分布を示すグラフである。
【図26】 ケースB1〜B3についての2次放射部の
放射側面における放射指向特性を示すグラフである。
【図27】 本発明によるフェーズドアレーアンテナ装
置の第5の実施の形態の構成図である。
【図28】 図27に示したフェーズドアレーアンテナ
装置の2次放射部および制御装置を示すブロック図であ
る。
【図29】 図27に示したフェーズドアレーアンテナ
装置の位相制御層に形成された1個の移相ユニットの構
成図である。
【図30】 従来のフェーズドアレーアンテナ装置の構
成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…給電部、2…制御装置、10,110,210,3
10…1次放射部、11,111…増幅器、12,11
2…1次側アンテナ素子、20,120…2次放射部、
21…給電側アンテナ素子、22,42,43…ストリ
ップ線路、23,23′,215…移相器、23A〜2
3D…移相回路、23S…スイッチ、24…放射側アン
テナ素子、25…位相制御部、25A〜25D…駆動回
路、26…移相ユニット、26A…チップ、27X…信
号線駆動部、27Y…走査線選択部、28,29…結合
スロット、31,39…アンテナ素子層、32,34,
36,38…誘電体層、33,37…結合層、35…位
相制御層、36A,36B…スペーサ、36S…空間、
41…基板、44…コンタクト、45…支持部材、46
…電極、113…合成分配器、214…可変減衰器、2
16…データ分配回路、251,252…ラッチ。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次放射部により空間を通して2次放射
    部に給電を行う空間給電方式を用いたフェーズドアレー
    アンテナ装置において、 前記2次放射部は、 アレー状に配列されかつ前記アンテナの外部空間に放射
    を行う複数個の第1アンテナ素子と、 これらの第1アンテナ素子と電磁結合されかつ前記各第
    1アンテナ素子への高周波信号の位相を制御して出力す
    る複数個の第1移相器と少なくとも備え、 前記各第1アンテナ素子および各第1移相器が単層また
    は多層化された同一基板に組み込まれていることを特徴
    とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記2次放射部は、 前記各第1アンテナ素子と異なる層にアレー状に配列さ
    れるとともに前記各第1移相器と電磁結合されかつ前記
    1次放射部の放射を受信して前記高周波信号を前記各第
    1移相器に出力する複数個の第2アンテナ素子を備え、 これらの第2アンテナ素子は、 前記各第1アンテナ素子および各第1移相器とともに前
    記基板上に形成されていることを特徴とするフェーズド
    アレーアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記1次放射部は、 前記2次放射部の前記第1アンテナ素子が形成されてい
    る側に配置されていることを特徴とするフェーズドアレ
    ーアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または3において、 前記2次放射部は、 すべての前記第1アンテナ素子が形成された第1アンテ
    ナ素子層と、 すべての前記第1移相器が形成された位相制御層とを含
    む多層構造を有していることを特徴とするフェーズドア
    レーアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記2次放射部は、 すべての前記第1アンテナ素子が形成された第1アンテ
    ナ素子層と、 すべての前記第1移相器が形成された位相制御層と、 すべての前記第2アンテナ素子が形成された第2アンテ
    ナ素子層とを含む多層構造を有していることを特徴とす
    るフェーズドアレーアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、 前記多層構造は、 前記第1アンテナ素子層と位相制御層との間に設けられ
    かつ対応する前記第1アンテナ素子と第1移相器とを個
    別に結合する第1結合層を含むことを特徴とするフェー
    ズドアレーアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記多層構造は、 前記位相制御層と前記第2アンテナ素子層と間に設けら
    れかつ対応する前記第1移相器と第2アンテナ素子とを
    個別に結合する第2結合層を含むことを特徴とするフェ
    ーズドアレーアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか1項において、 互いに交差して配線されかつ前記第1移相器をそれぞれ
    格子状に接続する複数の信号線および走査線と、 これら信号線および走査線をマトリクス駆動することに
    より前記各信号線および走査線の交点に位置する前記第
    1移相器に対して所望の移相量を設定する信号線駆動部
    および走査線選択部とを備えることを特徴とするフェー
    ズドアレーアンテナ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項において、 前記第1移相器はそれぞれ、 スイッチと、前記高周波信号が流れる第1ストリップ線
    路に前記スイッチの動作により接続される第2ストリッ
    プ線路とをそれぞれ備えた少なくとも1個の移相回路か
    らなることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記移相回路ごとに設けられかつ前記信号線および前記
    走査線を介して前記信号線駆動部および前記走査線選択
    部により設定された指示に基づいて対応する前記移相回
    路の前記スイッチを駆動する駆動回路とを備えることを
    特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記駆動回路は、 薄膜トランジスタにより構成されていることを特徴とす
    るフェーズドアレーアンテナ装置。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11いずれか1項におい
    て、 前記スイッチは、 前記第1および第2ストリップ線路の少なくとも一方か
    ら離間して支持されたコンタクトを電磁力で変位させる
    ことにより前記第1および第2ストリップ線路を前記コ
    ンタクトを介して高周波的に接続/開放するマイクロマ
    シンスイッチからなることを特徴とするフェーズドアレ
    ーアンテナ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記基板は、 実装された前記スイッチの周囲に可動空間を備えること
    を特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13いずれか1項におい
    て、 前記1次放射部は、 前記2次放射部に対して放射を行う1個の第3アンテナ
    素子と、 この第3アンテナ素子に電磁結合されかつ高周波信号を
    増幅する増幅器とを備えることを特徴とするフェーズド
    アレーアンテナ装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13いずれか1項におい
    て、 前記1次放射部は、 アレー状に配列されかつ前記2次放射部に対して放射を
    行う複数個の第3アンテナ素子と、 これらの第3アンテナ素子に電磁結合されかつ高周波信
    号を増幅する複数個の増幅器と、 これらの増幅器に電磁結合されかつ前記増幅器のそれぞ
    れに前記高周波信号を分配する分配器とを備えることを
    特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記分配器の分配比と前記各第3アンテナ素子への線路
    長とにより前記1次放射部の放射パターンが制御される
    ことを特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  17. 【請求項17】 請求項15において、 前記1次放射部は、 さらに、前記各第3アンテナ素子ごとに設けられかつ前
    記高周波信号の振幅を減衰させる可変減衰器を備えるこ
    とを特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  18. 【請求項18】 請求項15または17において、 前記1次放射部は、 さらに、前記各第3アンテナ素子ごとに設けられかつ前
    記高周波信号の位相を制御して出力する第2移相器を備
    えることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  19. 【請求項19】 請求項15〜18において、 前記1次放射部の前記第3アンテナ素子は、 前記2次放射部の前記第1または第2アンテナ素子より
    も疎に配置されていることを特徴とするフェーズドアレ
    ーアンテナ装置。
  20. 【請求項20】 請求項15〜18において、 前記1次放射部の開口面積は、 前記2次放射部の開口面積とほぼ同じであることを特徴
    とするフェーズドアレーアンテナ装置。
  21. 【請求項21】 請求項3において、 前記2次放射部は、 前記第1アンテナ素子が形成された第1アンテナ素子層
    と、 第1の誘電体層と、 前記第1アンテナ素子と前記第1移相器が個別に結合す
    る結合層と、 第2の誘電体層と、 前記第1移相器が形成された位相制御層とから構成され
    た多層構造を有することを特徴とするフェーズドアレイ
    アンテナ装置。
  22. 【請求項22】 請求項21において、 前記位相制御層の第1移相器に接続された第1ストリッ
    プ線路の端部がオープンまたはショートされていること
    を特徴とするフェーズドアレイアンテナ装置。
  23. 【請求項23】 請求項4〜7、21、22いずれか1
    項において、 前記位相制御層に実装される回路が半導体製造プロセス
    で同時に一括して形成されることを特徴とするフェーズ
    ドアレイアンテナ装置。
  24. 【請求項24】 請求項4〜7、21、22いずれか1
    項において、 前記位相制御層の基板上に、繰り返し構成された回路が
    チップ化され実装されることを特徴とするフェーズドア
    レイアンテナ装置。
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