JP2006245917A - 高周波基板 - Google Patents

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丈泰 藤島
Kazuyuki Sakiyama
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Hiroshi Sugano
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Abstract

【課題】 基板を再設計することなく、素子の制御により接地層の特性を変更できる高周波基板を提供する。
【解決手段】 本発明の高周波基板は、信号線路101と、誘電体層102と、導体層103と、電気的結合素子105から構成され、前記導体層は複数の導体セル104に分割されている。前記電気的結合素子により前記導体セル間を結合して前記導体層を形成し、例えば導体層にスロットを作成する。前記電気的結合素子を制御することにより、前期導体層に設けるスロットの形状と位置などの特性を変更することができる。従って、本発明の高周波基板を利用することにより、例えば放射指向性を可変できるアンテナが設計できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波などの高周波電磁波を利用した装置に用いられる導体層を有する高周波デバイス(高周波基板)に関する。
接地導体中に設けられたスロットは、電気ダイポールと等価なアンテナとして電磁波を輻射することが知られている。低姿勢で簡便な構造であるため、多層基板間の電磁気的結合や、放射器への給電などに利用することができ、例えば通信用途の無線装置の高周波回路などへ利用されている。
一方、スロットを既存のアンテナ技術と併用して、アンテナ特性を改変する技術として、例えば、特許文献1などがある。この特許文献1に開示されている技術の概要を図10(a)及び(b)に示す。マイクロストリップパッチアンテナ701において、接地層703にスロット707を設け、そのスロット707を接地層703の中心に対し非対称に接地層703にスロット707を設けることで、帰還電流のバランスを崩してコモンモードの電流を発生させることができ、無指向性化および高周波数帯域化を達成するというものである。
特開2000−196341号公報
マイクロストリップ線路の接地層に設けたスロットは、その形状と大きさ、および給電線路との位置関係により、その共振周波数とモード、放射Q、給電線路との結合度が決定される。従来のスロット設計においては、あらかじめ、仕様に合わせてスロットの形状と位置などを理論計算により求めて決定する必要があった。そのため、広帯域に安定した伝送特性を有するマイクロストリップ線路から給電するスロットであっても、基板の作成後の使用条件の変更に応じて、スロットの共振周波数や給電線路との結合度などを変更することは困難であった。
上記の特許は、スロットをパッチアンテナと併用して、放射特性などを制御する画期的な技術であるが、図10(a)、(b)の設計では、スロットとパッチアンテナの形状と位置関係が固定的であるため、基板の作成後にこれらの形状パラメータを変更することは困難であった。
本発明では、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、使用条件の変更に応じて、基板を作成後でも特性を簡便に可変できるスロットを作成可能な高周波基板を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、特性可変なスロットを設計可能な高周波基板を利用した、放射特性が可変なアンテナ基板の設計方法を提供することにある。
本発明の基板は、誘電体層、導体層、信号線路、電気的結合素子から構成される。導体層は2個以上のセルに静電的に分割され、導体セル間を電気的結合素子で結合することで構成される。このセルと、電気的結合素子で形成する導体層の形状により、面内の任意の位置に所定のスロットを形成することができる。
最良の実施形態において、前記導体層を接地として利用したマイクロストリップ線路などの平面基板を形成する。前記基板を使用した実施例として、前記誘電体層の前記導体層に対向する面上に信号線路とパッチアンテナを形成し、マイクロストリップ線路で給電する。パッチアンテナは主モード(TM01)で励起するものとする。前記導体層の前記セル間の周期は、放射する電磁波の実効波長の4分の1である。単独のセルの形状は正方形であり、パッチアンテナの主モード(TM01)におけるE面、H面と導体セルの各辺の方向が同一であるように配列される。導体セルの辺の長さとセル間の間隔の比は、9対1以上である。また、セル間の電気的結合は、導体セルの各辺の中央部を電気的結合素子で結合して実現する。電気的結合素子としては、例えばチップキャパシタなどが利用できる。
具体的には、上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、誘電体層と、導体層と、信号線路と、電気的結合素子とから構成され、
前記信号線路は前記誘電体層の一面上に形成され、
外部装置と信号の入出力を行うポートを有し、
前記導体層は良導性の金属からなり、
前記誘電体層の他方の面上に形成され、
外部装置の接地導体と接続するポートを有し、
不連続に分割された2個以上の導体セルから構成され、
前記導体セル間を前記電気的結合素子により結合したことを特徴とする、導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい多角形からなり、
前記多角形が同一平面上を周期的に配列していることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記導体層を構成する前記導体セルは、周期性を持たずに配列していることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい正方形であることを特徴とする、第2態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい正六角形であることを特徴とする、第2態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記電気的結合素子は、導体セル間を導通させる金属パターンであることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記電気的結合素子は、チップキャパシタであることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記電気的結合素子は、半導体素子であることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第9態様によれば、前記半導体素子である前記電気的結合素子は、PINダイオードであることを特徴とする、第8態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第10態様によれば、前記半導体素子である前記電気的結合素子は、RFスイッチであることを特徴とする、第8態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第11態様によれば、前記電気的結合素子は、MEMSスイッチであることを特徴とする、第1態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第12態様によれば、第1態様〜第11態様に記載された基板において、1つ以上の線路パターンを有し、
前記線路パターンは、前記導体層に対して前記誘電体層の相異なる面上に形成され、
前記線路パターンと前記導体層にてマイクロストリップ線路を形成したことを特徴とする、第1態様〜第11態様のいずれか1つに記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第13態様によれば、第12態様に記載された高周波基板において、パッチを有し、
前記パッチは方形もしくは円形の金属パターンからなり、
前記線路パターンと同一の面に形成され、
前記パッチは前記線路パターンと電気的に結合していることを特徴とする、第12態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の第14態様によれば、第13態様に記載された高周波基板において、非給電パッチを有し、
前記非給電パッチは方形もしくは円形の金属パターンからなり、
前記線路パターンと同一の面に形成され、
前記非給電パッチは前記線路パターンと直流的に導通していないことを特徴とする、第13態様に記載の導体層を有する高周波基板を提供する。
本発明の高周波基板によれば、基板作成後の使用条件の変更に応じて、スロットの形状と位置などの特性を変更することができる。また、給電線路や放射器など周囲の素子との電磁気的関係を変化させることにより、放射指向性などの特性を制御することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
マイクロストリップ線路などの一面の広がった導体層(べた接地)を有する基板において、位置と形状の可変性を有するスロットが作成可能な基板とし、しかも、所定の周波数においては給電線路を損失なく信号が通過するためには、導体層を所定の条件にしたがってあらかじめ設計すればよい。本願発明者は、上記の条件を満足させるために導体層の設計に課せられる条件を求め、本発明を想到するに至った。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照しながら、本発明による第1の実施形態にかかる高周波基板を説明する。図1(a)は本第1実施形態の高周波基板における導体層を示す図であり、図1(b)はB1−B2における断面図である。
図1に示されるように、本第1実施形態の導体層103は、誘電体層102上に構成した導体セル104と導体層周縁部108から構成され、これらは電気的結合素子105によって互いに結合されている。
導体セル104を利用して導体層103を形成する方法を図1と図9(a)を利用して説明する。図1は、等しい形状・大きさの正方形のパターンを導体セル104として碁盤の目状に配列する例である。図9(a)では正方形の一辺をcellx、導体セルの間隔をcellsとしているため、縦及び横方向の配列周期はcellp(=cellx+cells)となる。このように単独のパターンを周期的に配列する場合、配列周期が使用する伝送信号の波長(実効波長;以下同様)の4分の1以下である必要がある。この場合の導体セル間の電気的結合は、図9(a)のように正方形パターンの導体セルの辺の中点間を結合しても良いし、又は、正方形パターンの頂点付近を相互に結合しても良い。また、正方形パターンの配列のさせ方も、碁盤の目に似た配列ばかりでなく、行や列ごとにずらす配列も可能であり、場合に応じて導体セル間の結合を行う。なお、導体層周縁部108は、必ずしも必要ではないが、外部装置の接地部分と静電的に連続した領域が必要な場合に有用である。
また、その他の導体層103の導体セル104への分割方法の例としては、長方形、正三角形、正六角形などの任意の正多角形により誘電体層102の面上を埋め尽くすように設計することも可能である。正六角形でパターンを作成した場合を図2に示す。また、図示しないが、円形などの曲線を含む形状をパターンに選ぶことも可能であるし、それぞれが異なる形状の導体セルであっても一面上をほぼ覆い尽くすことができ、セル間を素子により電気的に結合することができればよい。これらのそれぞれにおいて、特有の配列の対称性を有するため、特有の形状のスロットが設計可能となる。
ただし、どのような場合においても、低損失で信号が伝搬するためには、導体セルの配列周期が所望の電磁波の波長の1/4以下でなければならない。導体セルの形状が異なるものを配列する場合は、平均的な導体セルの配列周期と、配列周期の分散が所定の条件を満たさなければならない。
一例を示すと、上記の正方形パターンの碁盤の目状配列からなる導体層を接地として使用した単純なマイクロストリップ線路を作成した場合に、配列周期が4分の1波長に相当する伝送信号が、べた接地基板に作成したマイクロストリップ線路と比較して0.2デシベル程度、挿入損失が増大した(線路長およそ10cmの場合)。同じ条件において導体セルの配列周期が8分の3波長に相当する短波長側の伝送信号は数デシベル以上の挿入損失となるため使用が困難となり、長波長側の信号での使用が望ましい。
ただしこれらは、接地導体層を構成する導体セルの形状、配列周期、間隔などのパラメータに依存しているため、状況に応じて使用する信号が伝送できる条件になるよう接地層の設計に留意する必要がある。
また、導体セルを周期的に配列しない場合は、伝送信号の波長の制限に関して、この限りではない。
導体セルの大きさと導体セル間の間隔の比は、その比が大きい(面内を導体部分が占める割合が大きい)ほど、伝送信号の群遅延の増大を小さく抑えることができる。また、この遅延を利用した回路設計も可能である。群遅延を積極的に利用しない場合、例えば導体セルとして正方形パターンを採用し、各々の導体セルを一定の配列周期で碁盤の目状に配列する前記の例に関して図9(a)を用いて説明する。導体セルの一辺cellxと導体セル間隔cellsの比は9対1以上であれば、セル周期が4分の1波長に対応する伝送信号の群遅延が10%程度となるため許容範囲と考えられる。導体セルの一辺と導体セル間隔の比をさらに小さくすると、郡遅延が増大するため、使用が困難となる場合がある。ただし、接地導体層に設けたスロットからの放射を利用する場合、セル間隔が狭すぎると開口面積が広く取れず、放射効率の面で不利となるため、適切な値に設計する必要がある。従って、cellxとcellsの比は95:5程度までが望ましいと考えられる。
また、導体セルを配列する領域の広さに関して述べる。図1のような導体セルのパターンと、図3に示したようなパッチアンテナで給電する場合、接地導体層に形成したスロットとパッチアンテナとの距離が離れすぎると結合が弱くなるため望ましくない。誘電体層の厚さを無視すると、図3の場合では、導体セルの配列周期を4分の1波長とする信号において、給電素子であるパッチアンテナ106からの距離が1波長以下となるのは補助円C1の内側である。補助円C1の内側であればスロットとの結合を利用することができる。
誘電体層としては、高周波回路において一般的に使用される低誘電損失な材料が望ましい。例えば、テフロン(登録商標)、セラミック、ガリウム砒素などの半導体、ガラエポ樹脂などが利用できるが、使用する周波数帯における誘電損失に応じて使い分ける必要がある。導体層103を構成する導体セル103および導体層周縁部108は低損失な良導体を使用することが望ましく、銅やアルミニウムなどの材料で実施可能である。電気的結合素子105は、導体セルと同様に金属パターンとしてあらかじめ形成するか、各種電子部品を用いることで実施可能である。電子部品を利用する場合は、使用する周波数帯において低損失である素子が必要である。例えば、キャパシタなどのチップ部品や半導体素子などが考えられる。また、上記で述べた金属パターンと各種電子部品を併用して利用することも可能である。
前記の導体層103に、スロット107を設けた際のスロットへの給電方法の一例を図3に示す。図3では、前記導体層103をマイクロストリップ線路の接地層として利用し、誘電体層102の接地導体層103に対向する面上に給電線路101とパッチアンテナ106を設けている。B1−B2における断面図は図1(b)と同様である。ほかの給電方法としては、図3においてパッチアンテナを設けずに給電線路の先端を開放端とすることでも実施可能である。また、図示しないが、給電線路101の先端が複数に分岐したり、パッチを複数設けるなど応用が可能である。また、複数の給電線路を設けることも可能である。また、接地層付コプレーナ線路やトリプレート・ストリップ線路の構成が可能である。また、外部からホーンアンテナなどで給電することも可能である。
接地層付コプレーナ線路とトリプレート・ストリップ線路を利用する方式の断面図を図12(a)と(b)に示す。図12(a)の接地層付コプレーナ線路の場合、コプレーナ線路の中心導体101と同一面上に設けた接地層103−2に対して、誘電体層102−1の対面側に設けた接地導体層103−1を、導体セル104−1と電気的結合素子105−1および導体層周縁部108−1で構成する。図12(b)のトリプレート・ストリップ線路の場合、第1の誘電体層102−1の下に導体セル104−1と導体層周縁部108−1からなる導体層103−1を設け、給電線路101に対して反対側に第2の誘電体層102−2を積層し、同様に第2の誘電体層の上に導体セル104−2と導体層周縁部108−2からなる導体層103−2を設けることで構成する。図12(b)の構成では、2層の導体層に形成したスロットを介して、上下両面方向に電磁波を放射することが可能である。
前記の接地導体層を利用してスロットを形成する方法について図4(a)から(f)を用いて説明する。例として、正方形パターンの導体セル104を碁盤の目状に並べた場合を考える。図4(a)は導体セル間が全て電気的結合素子105により結合されている状態を示す。この状態から、中央の電気的結合素子を外すと図4(b)、(c)に示す形状のスロット107(くし型スロット)が形成される。同様に、図4(d)に示した9個の導体セル間が全て結合された状態から、中央の導体セルに結合された4個の電気的結合素子を外すと図4(e)、(f)に示す形状のスロット109(井形スロット)と、中央のオープンセル110が形成される。オープンセル110の単独の共振周波数と井形スロット109の共振周波数はそろわないが、オープンセル上を誘起された電流が流れることにより井形スロット109の共振周波数が決定される。
下記では、特にくし型スロットや井形スロットの共振を利用した効果について述べているため、多数の隣接する電気的結合素子を外すことでオープンセルを多数作成し、作成したオープンセル間を接続することにより、連結されたオープンセルからなる素子に任意の共振周波数を持たせて利用することも可能である。
前記のようなスロット作成を実現する方法を以下に示す。第1の方法では、あらかじめ、導体セル間の電気的結合用として、容易に後の加工が可能な大きさと形状の金属パターンを形成して導体セル間を静電的に結合しておき、基板作成後に導体セル間の結合を切り離したい部分の電気的結合用金属パターンをレーザー加工などで除去する。この場合は、前記の「電気的結合用の金属パターン」が電気的結合素子として機能すると考える。これにより、電気的結合用の金属パターンが除去された部分には、例えば図4に示したようなスロットが形成される。
第2の方法では、キャパシタなどチップ素子を電気的結合素子として用いて導体セル間の結合を行う。このとき、利用する電磁波の周波数に応じて、チップ素子のインピーダンスを考慮する必要がある。チップ素子の大きさは1.0mm×0.5mm×0.5mmなどのものを利用することができる。素子の大きさに応じて、導体セルの設計も制限を受けるが、前記の大きさの素子ならば所定の周波数範囲では適切に利用が可能である。
第3の方法は、SPST(Single Pole Single Throw)−RF(Radio Frequency)スイッチやMEMS(Micro Electro−Meachanical System)スイッチなどの能動素子を利用して導体セル間の電気的結合を行う方法である。ほかにも、PINダイオードや、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチを利用した結合も実施可能である。これらでは素子の特性に応じて、チップ素子に比べ高い周波数まで使用できる場合がある。ただし、制御信号の入力線路などを別途設ける必要がある。
チップ素子や能動素子を利用して設計する場合は、使用する素子の利用可能周波数範囲により、本件の利用可能周波数範囲も制限を受ける。また、高い周波数で共振するスロットを作成しようとすれば、上記の素子の制限に加えて、微細で精細な基板のパターニングおよび実装に関するプロセスが必要になる。
いずれの場合も、接続部分の電気的結合素子のインピーダンスにより、反射が生じ、伝送特性が劣化する場合があるため、低損失であることに加え、入出力インピーダンスが適切な素子を選択する必要がある。
図4に示した方法で形成される2種類のスロットの大きさと導体セルの配列周期について、図9に示す。電気的結合素子105の大きさを無視できるほど小さいものと仮定すると、図9(b)に示したように、くし型スロット107は、最長部分の長さが導体セルの配列周期(cellp)の2倍となる。このスロットは特有の形状を有するため、最長部が同等の長さ(cellp)を有する直線状のスロットと比較して共振周波数が低下している特徴を有する。
また、導体セル間をチップキャパシタなどの容量素子で結合した場合、形成されるスロットの共振周波数は、使用した電気的結合素子のリアクタンスに依存する。従って、バラクタダイオードなど可変容量素子で導体セル間を結合して、スロットを形成した場合、結合容量を変化させることにより、スロットの共振周波数を変化させることが可能である。
なお、十分低いインピーダンスを有する電気的結合素子を用いる限りにおいて、図4に示したような正方形導体セルを碁盤の目状に配列した導体層を利用する場合は、図4(a)〜(c)で形成するくし型スロットの共振波長は、導体セルの配列周期を4分の1波長とする伝送信号の波長と近似的に等しくなる。従って、図4(c)および(f)で形成するスロットは、前記の導体層を接地して利用するマイクロストリップ線路を伝搬する伝送信号で励起できる。
図4などで示す正方形導体セルの碁盤の目状配列の利点は、電気的結合素子を1個外すか、導体セルの周囲を4個外すのみの簡単な手続きで、導体セルの配列周期を4分の1波長とする信号と共振するスロットを作成できる点にある。長方形セルや正六角形セルなどにおいても、同様に配列周期で決定される特有の周波数で共振するスロットを簡便に作成できるという利点がある。また、正方形、および長方形セルの碁盤の目配列の場合では、直線的に連続したスロットを作成できるが、正六角形セルの場合では不可能である。
また、図4には示さないが、複数個の隣接する電気的結合素子を開放して形成されるスロットは、図4(c)および(f)よりも低い共振周波数を持つと考えられる。これらの周波数に相当する信号は、前記の導体セルの配列周期を4分の1波長とする信号より長波長の信号となるため、前記の導体層を接地として利用するマイクロストリップ線路を伝搬することができる。従って、上記の複数個の隣接する電気的結合素子を開放して形成されるスロットは、前記のマイクロストリップ線路を伝搬してきた信号で共振を励起することが可能である。
主に、スロットの共振について述べてきたが、伝送する信号に対して非共振の形状として、伝送信号と相互作用させることも可能である。
また、同一の形状の導体セルを周期的に配列する構造について述べてきたが、本発明は、基板の作成後に導体層の電気的結合素子を制御して、例えばスロットを作成するものであるから、導体セルは必ずしも全て同一形状を取る必要はなく、配列が必ずしも周期的である必要はない。その一例を図11に示す。図11は、形状がそれぞれ異なる導体セル104を配列して導体層103を形成する面全体を覆い、電気的結合素子105で導体セル間を結合した高周波基板の平面図である。図11の場合でも、接地層に作成できるスロットの形状と位置に関して自由度は高い。ただし、伝送できる信号の周波数や、作成できるスロットの位置や共振周波数などについて、上記の例えば図1のような導体セルが周期的に配列した高周波基板と同等な議論が困難となるため、その基板に応じた検討をその都度行って使用する必要がある。
(実施例1)
以下、本発明の本第1実施形態の高周波基板を用いて接地層に作成したスロットとパッチアンテナを有する基板に関して、反射特性と放射指向性の電磁界シミュレーションおよび実測の結果を実施例1として示す。
本実施例1においては、基板材の誘電率は2.17、大きさは140mm×140mm×1.6mm、給電線路の線路幅は5.2mm、パッチアンテナはベタ接地の条件において5.0GHzでTM01モードにて共振する正方形である(20mm×20mm)。この場合、マイクロストリップ線路の実効波長はおよそ44mmである。
接地導体層は、周辺部に外部と結合した周縁部を設け、その内側に10×10の正方形型セルのアレーを成形した。各セルの大きさは9.2mm×9.2mm、セル間の間隔は0.8mmであるため、セルの配列周期は10mmとなる。これは、パッチアンテナの共振波長(実効波長)のほぼ4分の1である。
シミュレーションと測定は、パッチアンテナと給電線路の周辺の直下に相当する領域の接地導体層の導体セル間を全て電気的結合素子で結合したもの(A)と、パッチアンテナのほぼE面方向に周囲から開放した1セルを設けたもの(B)について行った。電気的結合素子としては、1pFチップキャパシタ(1.0mm×0.5mm×0.5mm)を並列に2個、各導体セルの辺の中点を結合するようにはんだ付けして使用した。これらの接地導体層のパターンを図5(a)、(b)に示す。
なお、シミュレーションの結果、主モード(TM01)におけるパッチアンテナ106単独の共振周波数は、ベタ接地基板において5.0GHzであった。また、導体セルを1pFチップキャパシタで結合して生成した実験と同一条件の導体層を使用した基板での計算では、共振周波数は4.9GHzであった。また、図5(b)の導体層に形成されている、図4(f)に示す井形スロット109を、導体セルを1pFチップキャパシタで結合して生成した実験と同一条件の導体層内に形成した場合4.8GHzで共振を励起することができた。
シミュレーションと測定における反射損失の測定結果を図6(a)および(b)に示す。シミュレーションの結果、図6(a)より、スロットを設けた(B)の反射損失の極小点を与える周波数は、スロットを持たない(A)のそれと比べておよそ100MHz高周波側へシフトしている。またQが非常に低下している。実測結果図6(b)によると、(B)は(A)と比べ、共振のQが低下しており、反射損失の極小点を与える周波数は低周波側へシフトしている。図6(a)と(b)を比較すると、(A)と(B)の間で共振周波数のシフトする方向は異なるが、帯域など共振状態の変化の様子は非常に似ており、実験結果(b)をシミュレーション(a)により確認することができた。これから、スロットを設けたことにより系の共振の状態が変化し、それに伴い共振周波数と帯域が変わることが確かめられた.なお、共振周波数や反射損失、帯域などのシミュレーションと実測結果の差は、実験に使用した基板の誘電率、素子のキャパシタンスの理想値からのズレや、実装のばらつきなどの要因によるものであると考えられる。
シミュレーションと実測における放射利得の測定結果を図7(E面の結果)および図8(H面の結果)に示す。E面(図7(a)にてシミュレーション結果を示し、図7(b)にて実測結果を示す)で比較すると、(A)の指向性のメインローブは仰角345度方向であるが、(B)の指向性は仰角270〜0度の利得が低下し、20〜90度方向の利得が増大している。実測結果は、シミュレーションとビーム形状が異なるが、主な理由は基板の形状が有限であることによるエッジ効果などのためであり、スロットを設けたことによる上記の傾向はシミュレーションと同様である。H面(図8(a)にてシミュレーション結果を示し、図8(b)にて実測結果を示す)では、上半球では共に仰角0度方向への指向性が表れている点は、(A)(B)で共通であるが、下半球への指向性は(B)の方が強く出る傾向は、シミュレーションと実測で一致した傾向である。従って、スロットを設けたことにより、ビームの指向性を変える効果があることが確認された。
以上のように、基板の作成後に接地層の形状を可変できる高周波基板を利用すれば、使用環境の変化に対応して、スロットの形状と位置などの特性を変更することができる。この基板を利用してマイクロストリップパッチアンテナを作成すれば、放射指向性などを可変できるアンテナが実現する。
(第2実施形態)
次に、図13を参照しながら、本発明による第2の実施形態にかかる高周波基板を説明する。図13(a)は本第2実施形態の高周波基板における接地導体層に給電線路とパッチを重ねて示した平面図であり、図13(b)はD1−D2における断面図である。
図13(a)、(b)に示すように、上記第1実施形態と同様に、本第2実施形態の導体層203は、誘電体層202上に構成した導体セル204と導体層周縁部208から構成され、これらを電気的に結合する素子(電気的結合素子)としてPINダイオード211と金属のパターン212を用いている。図13(a)、(b)のような構成にすることで、パッチを基本モードで励起する場合のH面に相当する方向に、PINダイオードでON(導通)/OFF(開放)が可能な4セル構成の井形スロットを設けることができる。図13(b)に示したように、スロットの内側を構成するセルにフィード線213が接続され、それらはスイッチ214に接続される。スイッチはセルとDC電源の電位差を制御する。DC電源と接地導体層周縁部の基準電位は共通化する。これにより、DC電源よりPINダイオードに順バイアスを印加したセルは周囲のセルと導通するためスロットを形成せず周囲の導体層と一体化して働く。PINダイオードに逆バイアスを印加すると、低容量での結合となるため、内側のセルが周囲から開放されてスロットが形成される。
これによりスロットを形成したり消失させたりすることができるため、パッチとスロットが電磁結合を行う配置とし、スロットの共振周波数とパッチの共振周波数を適切な関係となるように設計することにより、主にH面内におけるパッチアンテナ206の放射指向性を制御することができる。つまり、パッチの共振周波数に対して、スロットの共振周波数を高くすれば、スロット共振器は導波器として働くため、放射指向性はスロットの方向へチルトする。逆に、スロットの共振周波数を低くすれば、スロット共振器は反射器として働き、放射指向性はスロットの反対側へチルトする。ただし、パッチの共振周波数との差を大きくし過ぎると導波器、反射器としての効果が消失するため、ビームは真上を向くようになる。
なお、本第2実施形態以降では、PINダイオードを用いた特性可変効果の例を示していくが、セル間を接続する素子はPINダイオードに限るものではなく、RFスイッチやMEMSスイッチに置き換えても同等の効果が見込める。
(第3実施形態)
上記第2実施形態ではスロットのフィード線213を基板下方に基板の厚さ方向に出していたが、フィード線を基板の面内方向に這わせるような構成も考えられる。図14(a)及び(b)に示す本第3実施形態にかかる高周波基板のように、接地導体層のセル構造を利用して、スロットの内側を構成するセルの一部から導体層の周縁部の手前までDC的に接続し、周縁近傍のセルからフィード線を出すことも可能である。このようにすることで、フィード線と基板下方向へ放射する電磁波の結合を軽減することができる。この際、スロットの内側のセルとPINダイオードを介したスロットの外側の周囲のセルをDC的に分離し、かつ高周波的には接続状態とするために、キャパシタ305を利用することができる。また、スロットの内側を構成するセルからDC的に接続する場所は、スロットが共振する際に電界が弱くなる箇所に選ぶ必要がある。このような本第3実施形態の構成により、上記第2実施形態とほぼ同等なスロットを形成し、ON/OFFが可能になる。しかし、スロットの内側のセルを導体層周縁部のセルまで連続としなければならないため、構成の自由度が低く、またスロットを基板の中心から放射方向に多段化することが困難になるという欠点がある。なお、図14(a)は、本第2実施形態の高周波基板における接地導体層の平面図であり、図14(b)はE1−E2における断面図である。
(実施例2)
本第3実施形態に準じた構成における試作測定の結果を実施例2として図16に示す。基板材の誘電率は2.17、大きさは140mm×140mm×0.8mm、給電線路の線路幅は2.5mm、パッチアンテナは34mm×34mm(2.4GHzで基本モード共振)である。
接地導体層は、周辺部に外部と結合した周縁部を設け、その内側に縦10行、横10列の正方形型セルのアレーを設けた。各セルの大きさは9.7mm×9.7mm、セル間の間隔は2.3mmであるため、セルの配列周期は12mmとなる。これは、パッチアンテナの共振波長(実効波長)のほぼ7分の1である。PINダイオードはアジレントテクノロジー社のHSMP389Bを用い、キャパシタには1005サイズの1pFチップキャパシタを2個並列接続して用いた。
なお、以下では、本アンテナのような構成を図15(a)の模式図で表す。すなわち、図15(a)は、パッチアンテナの下に碁盤の目状に配列した縦10行、横10列の正方形導体セルがあり、その中でPINダイオードによりスロット(1および2)を形成した位置を円環と数字で模式的に図中に表す。つまり、図15(a)はパッチのH面方向の両側にスロット(1および2)を設けた状態を示し、図15(b)は、右側のスロット2のPINダイオードに逆バイアスを印加してスロットを形成した状態を示す。
また、図15(a)及び(b)には以下の測定結果で示す放射指向性の方位角φと基板の位置の関係を示している。例えば、φ=0(度)はE面、φ=90(度)はH面を示す。矢印の方向は、放射指向性図の仰角90度の方向を示す。
図16は、図15(b)の状態のH面内放射指向性利得を、スロットを形成しない状態と比較した測定結果である。順バイアス状態を黒マーク(塗りつぶしマーク)、逆バイアス状態を白抜きマークで表す。スロットを設けたことにより、H面内において指向性がスロットを設けた方向へチルトしている様子が読み取れる。これは、給電素子であるパッチに対し、スロット共振器が導波器として作用したことを示している。パッチとスロットの位置と互いの共振周波数を制御することにより、このような放射指向性の可変化が可能となる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4の実施形態にかかる高周波基板について、図17(a)に示す高周波基板の平面図、及び図17(b)に示すF1−F2線断面図を用いて以下に説明する。上記第2実施形態及び上記第3実施形態においてはH面内での指向性制御の例を示したが、同等の機能を有するスロットをパッチの周囲に多数設けることにより、より多方向の指向性可変を行うことができる。図17(a)に示すように、本第4実施形態の高周波基板においては、方位角φ=0(度)、45(度)、90(度)、135(度)、225(度)、270(度)、315(度)の7方向にスロットの設計を行ったものである。これらのスロットの制御により多様な放射指向性が実現する。このときは、設けたスロットのそれぞれにフィード線403とスイッチ404を配することにより、スロット部分のセル間の開放/導通を制御することができる。図17(b)はF1−F2間の断面であるため、スイッチ404からフィード線403を介した導体セル204への接続を2箇所しか示していないが、それぞれのスイッチに対応して異なるスロットに対応するセルへフィード線を接続する。
(実施例3)
本第4実施形態に準じた設計におけるシミュレーション結果を実施例3として、図21から図28に示す。本実施例3においては、基板材の誘電率は2.17、大きさは140mm×140mm×0.8mm、給電線路の線路幅は2.5mm、パッチアンテナは29mm×29mm(2.7GHzで基本モード共振)である。
基板図面は図17(a)、(b)に示す通りである。接地導体層は、周辺部に外部と結合した周縁部を設け、その内側に縦10行、横10列の碁盤の目状に配列した正方形型セルのアレーを設けた。各セルの大きさは8.7mm×8.7mm、セル間の間隔は1.3mmであるため、セルの配列周期は10mmとなる。これは、パッチアンテナの共振波長(実効波長)のほぼ8分の1である。PINダイオードはアジレントテクノロジー社のHSMP389Bを用いた。
図21においては、全セルを接続した状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。図21(b)に示すように、ビームはパッチの上方向(図21(b)における0度方向;図21(b)の目盛りの数字は仰角を示す)を向いていて、E面(方位角0度)、H面(方位角90度)共に仰角0度方向に対して放射指向性は対称である。これは基本モードにおける一般的なマイクロストリップパッチアンテナの放射指向性と同一である。
図22においては、パッチのH面方向に相当する方位角270度の方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。図22(b)の方位角90度のプロットから、スロットを設けた半球(方位角270度を中心とする半球)側へ指向性がシフトし、反対側の指向性利得が抑圧されている。これは、スロット共振器がパッチに対して導波器として働いたことと、スロット自体の放射指向性から基板面内方向に相当する仰角270度方向の指向性が現れたことが原因と考えられる。
図23においては、パッチのE面方向に相当する方位角0度方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。図23(b)の方位角0度のプロットから、E面内のスロットを設けた側(仰角90度側)よりもスロットの反対側(仰角270度)の指向性が向上している。これは、スロット共振器がパッチに対して反射器として働いたためと考えられる。
図24においては、パッチのH面とE面方向に相当する方位角270度および0度方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。図22と比較すると、方位角90度および0度のプロットがよく似ていることがわかる。また、方位角45度のプロットからわかるように、最大利得が得られるのは、方位角225度の仰角45度の方向(図では方位角45度、仰角315度の方向)であることがわかる。
図25においては、方位角225度方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときは、井形スロット共振器が反射器的に機能し、方位角0度から45度方向の仰角30度から45度の放射利得が向上している。
図26において、方位角225度および315度の方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときは、方位角0度の面内における仰角45度方向と、パッチに対して反対側の方位角180度面内における仰角45度方向(図中方位角0度、仰角315度の方向)が最大利得方向となっている。また、方位角45度、90度、135度のプロットから、方位角90度側の方が、270度側よりも放射利得が大きいことがわかる。
図27においては、方位角45度および315度方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときは方位角180度面内の仰角45度方向(図中の方位角0度、仰角315度方向)の放射利得が向上している。これは、スロット共振器1と3の効果が合成されて、方位角0度側に設けた反射器と同等な効果となるためと考えられる。従って、図23に似た指向性となっている。
図28においては、方位角45度、135度、225度および315度の方向に井形スロットを設けた状態の模式図(a)と2.8GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときはH面内の指向性が抑圧され、方位角0度および180度面内における仰角45度方向の2つのビームが現れている。
以上のように、図17(a)及び(b)に示す構成において、接地導体に設けた井形スロットを形成したり、消失させたりすることで、多様な放射指向性の可変が実現できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態にかかる高周波基板について以下に説明する。これまでの実施形態は、スロットをパッチの共振周波数の近傍で共振させることにより両者を電磁結合させ、放射指向性を変化させる例を示してきた。しかし、接地導体の利用法はこのようなスロット共振器を設けることに限定されるものではなく、本例で示すようにパッチの縮退分離素子として用いることも可能である。図18(a)は、パッチの対角方向の頂点部下(頂点1および4)の2つのセルをスロットとして開放することで、パッチの対角線方向の共振モード(電界が対角線1−4方向であるモードと、対角線2−3方向であるモードは通常縮退している)の縮退を解き共振周波数を変えて、中心周波数において円偏波を発生させる高周波基板の構成の例である。なお、図18(b)はこの様子を示す部分拡大図である。
図18(a)及び(b)に示す構成では、PINダイオードに順バイアスを印加した状態での放射電磁波は通常の直線偏波であるのに対し、PINダイオードに逆バイアスを印加してスロットを設けることにより、放射電磁波を円偏波とすることができ、従って、セル構成の接地導体層を利用して、直線偏波と円偏波を切り替える実施形態となる。また、開放するセルを頂点1および4の下のセルに選ぶか、頂点2および3の下のセルに選ぶかにより、左旋偏波と右旋偏波を可変することもできる。
(第6実施形態)
次に、パッチに対し、接地導体層のセルの分割の方向を基板面内で45度回転させたパターンを利用して円偏波を生じさせる例として、本発明の第6の実施形態にかかる高周波基板を図19に示す。この場合では、パッチ直下のセルに図19(a)のようにPINダイオード211とキャパシタ305を接続しておく。セルに印加するDC電圧を適当に選び、図19(b)のPINダイオード211−1と211−2を逆バイアス状態(セル間開放)、他の2つを順バイアス状態(導通)とすることができる。このときは、パッチの頂点1から4に向かう方向のくし型のスロット形成することができる。このスロットの形成により、パッチの対角方向の2つの共振モード(電界が対角線1−4方向であるモードと、対角線2−3であるモード)の縮退を解き、円偏波を発生させることができる。左旋、右旋の切り替えも、導通するPINダイオードと開放するPINダイオードを入れ替えることで実現できる。従ってこの構成は、円偏波の偏波可変アンテナとして利用できる。
(第7実施形態)
次に、非給電のパッチ506(寄生パッチ)を給電するパッチ206と同一面内に設け、寄生パッチの下部のセルをPINダイオードで制御することにより、寄生パッチ下部の導体層の状態を可変し、寄生パッチ506の共振周波数などを変化させ、それによりアンテナの放射指向性を変化させる例を本発明の第7の実施形態にかかる高周波基板として図20に示す。図20(a)は、パッチのE面方向に寄生パッチ506−1、H面の両側の方向に寄生パッチ506−2および506−3を配する例、図20(b)はパッチの対角線方向の4箇所に寄生パッチ506を配する例を示す。どちらの場合でも、給電パッチ206と、寄生パッチ506の共振周波数の関係、物理的な距離などを適切に設定する必要がある。また、図示しないが、寄生パッチを給電パッチから放射方向に多段に設けることも実施可能である。多段化することにより、指向性利得を向上することができる。
(実施例4)
本第7実施形態に準じた設計におけるシミュレーション結果を実施例7として、図29及び図30に示す。寄生パッチのパターンは、図20(a)と同様である。基板材の誘電率は2.17、大きさは140mm×140mm×0.8mm、給電線路の線路幅は2.5mm、給電パッチアンテナは31.0mm×31.0mm(2.7GHzで基本モード共振)、寄生パッチは30.1mm×30.1mm、給電パッチとの間隔はE面方向の寄生パッチが2.5mm、H面方向の寄生パッチが4.5mmとした。
接地導体層は、周辺部に外部と結合した周縁部を設け、その内側に縦10行、横10列の碁盤の目状に配列した正方形型セルのアレーを設けた。各セルの大きさは8.7mm×8.7mm、セル間の間隔は1.3mmであるため、セルの配列周期は10mmとなる。これは、パッチアンテナの共振波長(実効波長)のほぼ8分の1である。PINダイオードはアジレントテクノロジー社のHSMP389Bを用いた。
図29においては、H面方向の2つの寄生パッチ506−2および506−3の下に井形スロット(2および3)を設けた状態の模式図(a)と、2.7GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときは、H面方向の2つの寄生パッチの共振周波数がシフトするため、給電パッチとの電磁結合が弱くなり、E面方向の寄生パッチ506−1のみが給電パッチ206と電磁結合し、導波器として機能する。このため、図29(b)に示したように、方位角0度(E面)内でビームが仰角90度方向へチルトする。
図30においては、E面方向の寄生パッチ506−1と、H面方向の寄生パッチの一方506−2の下に井形スロット(1および2)を設けた状態の模式図(a)と、2.7GHzにおける放射指向性利得(b)を示す。このときも、井形スロットを併設した寄生パッチ506−1および506−2は共振周波数がシフトするため、給電パッチとの電磁結合が弱くなり、寄生パッチ506−3のみが給電パッチ206と結合し、導波器として機能する。このため、図30(b)に示したように、方位角90度(H面)内でビームが仰角270度方向へチルトする。
以上のように、接地導体に設けたスロットをON/OFFすることにより、寄生パッチと給電パッチの電磁結合を制御し、放射指向性を可変することができることが示された。
(第8実施形態)
今までに示した実施形態では、1つ以上の導体セル自体にPINダイオードの制御用バイアス電圧を印加していたため、セルに接続されたPINダイオードを全て同時に制御することになり、所定の導体セルを周囲の隣接するセルと導通するか、開放するかの切り替えしかできない。しかし、セル間を接続するPINダイオードを個別に制御できれば、より柔軟なスロット設計、および、接地導体を流れる電流の経路設計を行うことができる。PINダイオードを利用する場合に、素子ごとの制御を行うための構造として、本発明の第8の実施形態にかかる高周波基板を図31に示す。
図31(a)は上記高周波基板における導体セルの配列の平面図、(b)は(a)のG1−G2の断面における構造と、DC電源への接続の様子を示す模式図である。図31(a)に示すように、隣接するセル204間は、キャパシタ305、電極607−1、PINダイオード211、電極607−2、キャパシタ305を介して接続する。図13などの構造と比べ、導体セル204とPINダイオード211の間にキャパシタ305を挿入した点が異なっている。図31(b)に示すように、パッチアンテナ及び給電線路を設けた誘電体基板602−1のほかに、接地導体層を設けた基板602−2を使用し、両者をスペーサ609で接続する。PINダイオードに接続された電極607−1、607−2は、VIAホールを介して誘電体基板602−2の裏面の電極608−1、608−2へ接続される。これら裏面電極608−1、608−2の間に印加する電圧を、DC電源及びスイッチ604で制御する。このような構造をPINダイオードごとに設けることにより、それらのON/OFFを個別に制御できる。
このような構造により、より多様な形状のスロットを形成でき、アンテナからの放射指向性を柔軟に制御することができる。
本発明の高周波基板を接地導体として利用し、マイクロストリップパッチアンテナの放射特性を可変する実施形態について述べてきた。PINダイオード等のスイッチを制御して形成するスロットの位置と形状について、上記のような種々の設計理論に基づいて決定すれば、その最適化を迅速に行うことができる。特に、導体セルを小型化してその数を増やすと、より複雑な形状のスロットが形成可能になるが、無作為にスロット形状を最適化しようとすると最適化のために膨大な計算時間が必要になると予想される。むしろ、導波器/反射器利用であるとか、縮退分離素子として利用するなどの明確な指針を持って、スロットの形状探索を行う方が最適化計算を高速化でき、実用的である。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の高周波基板は、使用条件の変化に応じて接地層に設けるスロットの形状と位置などの特性を変更できるため、給電回路など周囲の素子との電気的関係を変化させることができ、例えばパッチアンテナと併用して指向性制御アンテナを実現することが可能である。さらに、スロット線路などを可変化することも可能である。
本発明の第1の実施形態における高周波基板を示す図であって(a)は平面図、(b)はB1−B2における断面図である。 本発明の第1の実施形態において、導体セルを正六角形で構成する場合の高周波基板の導体層の構成例を示すパターン図である。 本発明の第1の実施形態において、正方形の導体セルで接地層を形成する場合の高周波基板に、4分の1波長で共振するマイクロストリップパッチアンテナを併設した場合の平面透視図である。 本発明の第1の実施形態において、正方形の導体セルで導体層を形成する場合に、(a)はくし型スロットを形成する例を示す概略説明図であり、(b)は井型スロットを形成する例を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施形態における第1の実施例において、マイクロストリップパッチアンテナの接地導体層の平面図であり、(a)はスロットを形成しない場合の平面図であり、(b)は井型スロットを形成する場合の平面図である。 本発明の第1の実施形態における第1の実施例におけるマイクロストリップパッチアンテナの反射損失のシミュレーションと実測結果を示すグラフ形式の図であり、(a)はシミュレーション結果を示す図であり、(b)は実測結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態における第1の実施例において、マイクロストリップパッチアンテナのE面における放射利得のシミュレーションと実測結果を示すグラフ形式の図であり、(a)はシミュレーション結果を示す図であり、(b)は実測結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態における第1の実施例において、マイクロストリップパッチアンテナのH面における放射利得のシミュレーションと実測結果を示すグラフ形式の図であり、(a)はシミュレーション結果を示す図であり、(b)は実測結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態において、正方形の導体セルで導体層を形成する場合のセルの配列とスロットの形状と大きさに関する説明図であり、(a)はセルの配列の図であり、(b)はくし型スロットの図であり、(c)は井形スロットの図である。 従来のマイクロストリップパッチアンテナとスロットを併設するアンテナを示す図であり、(a)は平面図であり、(b)はA1−A2における断面図である。 本発明の第1の実施形態において、形状の異なる導体セルを配列して導体層を形成する高周波基板の平面図である。 本発明の第1の実施形態において、(a)は接地層付コプレーナ線路にて給電する高周波基板の断面図であり、(b)はトリプレート・ストリップ線路にて給電する高周波基板の断面図である。 本発明の第2の実施形態において、(a)はマイクロストリップパッチアンテナのH面方向にPINダイオードでスイッチできる井形スロットを設けた基板の平面図であり、(b)はDC電源との配線を含めた断面図である。 本発明の第3の実施形態における第2の実施例において、(a)はマイクロストリップパッチアンテナのH面方向にPINダイオードでスイッチできる井形スロットを設け、DCフィード線を接地層の周縁部まで接続する基板の平面図であり、(b)はDC電源との配線を含めた断面図である。 本発明の第3の実施形態における第2の実施例において、基板内のパッチアンテナと井形スロットの位置の関係を表す模式図であり、(a)はH面方向に2つの井形スロットを設ける例を示す模式図であり、(b)は1つの井形スロットを設ける例を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態における第2の実施例におけるH面内放射指向性利得の測定結果図である。 本発明の第4の実施形態において、(a)はパッチアンテナの周囲の7方向にPINダイオードでスイッチできる井形スロットを設けた基板の平面図であり、(b)はDC電源との配線を含めた断面図である。 本発明の第5の実施形態において、(a)はパッチアンテナの頂点部下の導体セルを制御することにより円偏波を発生させる基板の平面図であり、(b)はパッチ部分の拡大図である。 本発明の第6の実施形態において、(a)は接地導体のセルの分割方向をパッチアンテナの電界・磁界の方向から45度傾けてパッチ中央下のセルを制御することにより円偏波を発生させる基板の平面図であり、(b)はパッチ部分の拡大図である。 本発明の第7の実施形態において、非給電パッチ(寄生パッチ)を給電パッチと同一面内に形成し、非給電パッチの状態を接地導体のスロットで制御する基板の平面図であり、(a)は非給電パッチを、給電パッチのE面、H面方向に設けた場合の平面図であり、(b)は給電パッチのE面、H面の方向から45度の方向に設けた場合の平面図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)はスロットを設けない場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角270度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角0度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角0度方向と270度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角225度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角225度方向と315度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角45度方向と315度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第3の実施例において、(a)は方位角45度、135度、225度および315度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第7の実施形態の第4の実施例において、(a)は方位角90度および270度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第7の実施形態の第4の実施例において、(a)は方位角0度および90度方向にスロットを設ける場合の基板の模式図であり、(b)は放射指向性利得のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第8の実施形態において、(a)はセル間を接続するPINダイオードを個別に制御する基板の平面図であり、(b)はDC電源との接続を含めたG1−G2線断面図である。
符号の説明
101、201 給電線路
102、202 誘電体層
103、203 導体層
104−1〜104−M、204 導体セル
105−1〜105−N、 電気的結合素子
106、206 パッチアンテナ
107 スロット(くし型スロット)
108、208 導体層周縁部
109 スロット(井形スロット)
110 オープンセル
111 入出力ポート
211 PINダイオード
212 セル間接続用金属パターン
213 DCフィード線
214 DCスイッチ
215 DC電源
305 キャパシタ
506 非給電パッチアンテナ(寄生パッチアンテナ)
607 電極
608 裏面電極
609 スペーサ
701 パッチアンテナ
702 誘電体板
703 接地層
704 パッチ
705 給電線
706 給電点
707 スロット

Claims (14)

  1. 誘電体層と、導体層と、信号線路と、電気的結合素子とから構成され、
    前記信号線路は前記誘電体層の一面上に形成され、
    外部装置と信号の入出力を行うポートを有し、
    前記導体層は良導性の金属からなり、
    前記誘電体層の他方の面上に形成され、
    外部装置の接地導体と接続するポートを有し、
    不連続に分割された2個以上の導体セルから構成され、
    前記導体セル間を前記電気的結合素子により結合したことを特徴とする、導体層を有する高周波基板。
  2. 前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい多角形からなり、
    前記多角形が同一平面上を周期的に配列していることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  3. 前記導体層を構成する前記導体セルは、周期性を持たずに配列していることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  4. 前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい正方形であることを特徴とする、請求項2に記載の導体層を有する高周波基板。
  5. 前記導体層を構成する前記導体セルは、大きさと形状の等しい正六角形であることを特徴とする、請求項2に記載の導体層を有する高周波基板。
  6. 前記電気的結合素子は、導体セル間を導通させる金属パターンであることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  7. 前記電気的結合素子は、チップキャパシタであることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  8. 前記電気的結合素子は、半導体素子であることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  9. 前記半導体素子である前記電気的結合素子は、PINダイオードであることを特徴とする、請求項8に記載の導体層を有する高周波基板。
  10. 前記半導体素子である前記電気的結合素子は、RFスイッチであることを特徴とする、請求項8に記載の導体層を有する高周波基板。
  11. 前記電気的結合素子は、MEMSスイッチであることを特徴とする、請求項1に記載の導体層を有する高周波基板。
  12. 請求項1〜11に記載された基板において、1つ以上の線路パターンを有し、
    前記線路パターンは、前記導体層に対して前記誘電体層の相異なる面上に形成され、
    前記線路パターンと前記導体層にてマイクロストリップ線路を形成したことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の導体層を有する高周波基板。
  13. 請求項12に記載された高周波基板において、パッチを有し、
    前記パッチは方形もしくは円形の金属パターンからなり、
    前記線路パターンと同一の面に形成され、
    前記パッチは前記線路パターンと電気的に結合していることを特徴とする、請求項12に記載の導体層を有する高周波基板。
  14. 請求項13に記載された高周波基板において、非給電パッチを有し、
    前記非給電パッチは方形もしくは円形の金属パターンからなり、
    前記線路パターンと同一の面に形成され、
    前記非給電パッチは前記線路パターンと直流的に導通していないことを特徴とする、請求項13に記載の導体層を有する高周波基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009225159A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Mitsubishi Electric Corp 電磁波反射面
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