JP6980930B2 - モータ駆動装置及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに非接続状態の複数の相巻線を有する永久磁石同期モータいわゆるオープン巻線モータを駆動するモータ駆動装置及び冷凍サイクル装置に関する。
空気調和機や熱源機などの冷凍サイクル装置に搭載される圧縮機の駆動用モータとして、複数の相巻線を有する永久磁石同期モータが使用される。また、永久磁石同期モータの一例として、複数の相巻線を互いに非接続状態とした構成のオープン巻線モータ(Open-Windings Motor)が知られている。
このオープン巻線モータ(モータと略称する)を駆動するモータ駆動装置は、モータの各相巻線の一端への通電を制御する第1インバータ、モータの各相巻線の他端への通電を制御する第2インバータ、各相巻線の他端の相互間に接続される開閉器を備え、この開閉器の閉成により各相巻線を星形結線して第1インバータのみを単独でスイッチングする星形結線モード、および開閉器の開放により各相巻線を非接続状態(オープン状態)として第1インバータおよび第2インバータを互いに協調してスイッチングするオープン巻線モードを、選択的に設定する。
オープン巻線モードでは、星形結線モード時の約2倍の高レベルの電圧を各相巻線に印加することができることから、モータの速度が閾値以下の低速度運転域(低・中速度運転域ともいう)では星形結線モードを設定し、モータの速度が目標速度となるよう、第1インバータの単独のスイッチングのオン,オフデューティを制御する。モータの速度が閾値以上の高速度運転域ではオープン巻線モードを設定し、モータの速度が目標速度となるよう、第1インバータおよび第2インバータの協調のスイッチングのオン,オフデューティを制御する。このように切換えることで、高回転での運転が可能となり、幅広い運転速度範囲で高効率を得ることができる。
モータ駆動装置は、モータを停止させることなく、運転を継続しつつ星形結線モードからオープン巻線モードへ切換える場合、切換え後のオープン巻線モードにおいて星形結線モード時の1/2のオン,オフデューティを設定する。逆に、オープン巻線モードから星形結線モードへ切換える場合は、切換え後の星形結線モードにおいてオープン巻線モード時の2倍のオン,オフデューティを設定する。
特許第4906836号
オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのオン,オフデューティが50%を超えている場合、切換え後の星形結線モードにおいて100%を超えるオン,オフデューティの設定が必要となる。100%を超えるオン,オフデューティの設定は不可能であり、星形結線モードに移行することができない。
このため、オープン巻線モードのオン,オフデューティが50%以下の状態となるところに、星形結線モードへの切換え点を設定せざるを得なかった。
しかしながら、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換え点は、モータ仕様や機器(冷凍サイクル装置)の仕様及び運転状況に応じて、最も高効率になるところにすることが好ましい。したがって、オープン巻線モードのオン,オフデューティが50%を超えている状況からも円滑に星形結線モードに切り替えできることが望まれる。
本発明の実施形態の目的は、オープン巻線モードのオン,オフデューティが高い状態であっても、オープン巻線モードから星形結線モードへ確実に移行することができるモータ駆動装置及び冷凍サイクル装置を提供することである。
請求項1のモータ駆動装置は、互いに非接続状態の複数の相巻線を有するモータのモータ駆動装置であって;複数のスイッチング素子を含み、これらスイッチング素子により前記モータの各相巻線の一端への通電を制御する第1インバータと;複数のスイッチング素子を含み、これらスイッチング素子により前記モータの各相巻線の他端への通電を制御する第2インバータと;前記各相巻線の他端の相互間に接続された開閉器と;前記開閉器の閉成により前記各相巻線を星形結線して前記第1インバータをスイッチングする星形結線モード、および前記開閉器の開放により前記各相巻線を非接続状態として前記第1インバータおよび前記第2インバータをスイッチングするオープン巻線モードを有するモータコントローラと;を備える。このモータコントローラは、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティまたはそのオン,オフデューティに対応する電圧利用率が設定値を超えている場合、そのオン,オフデューティまたは電圧利用率を前記設定値以下に低下させし、この低下後、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを実行する。
第1および第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成を示す図。 第1および第2実施形態の構成を示すブロック図。 図2におけるインバータ制御部の構成を示すブロック図。 第1および第2実施形態のモード選択条件を示す図。 第1実施形態のモータコントローラの制御を示すフローチャート。 第1および第2実施形態の星形結線モード時の電流経路の一部を示す図。 第2実施形態のモータコントローラの制御を示すフローチャート。
[1]第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る空気調和機用の冷凍サイクル装置の構成を図1に示す。
オープン巻線モータ(Open-Windings Motor)1Mを駆動用モータとして有する圧縮機1の吐出口に、四方弁2を介して室外熱交換器3の一端が配管接続され、その室外熱交換器3の他端に減圧器である電動膨張弁4を介して室内熱交換器5の一端が配管接続されている。そして、室内熱交換器5の他端が上記四方弁2を介して圧縮機1の吸込口に配管接続されている。室外熱交換器3の近傍に室外ファン6が配置され、室内熱交換器5の近傍に室内ファン7が配置されている。オープン巻線モータ1Mのことを、以下、モータ1Mと略称する。
冷房運転時は、図1中に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁2を介して室外熱交換器3に流れる。室外熱交換器3に流れたガス冷媒は、外気に熱を放出して凝縮する。この室外熱交換器(凝縮器)3から流出する液冷媒は、電動膨張弁4で減圧された状態で室内熱交換器5に流れる。室内熱交換器5に流れた液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。この室内熱交換器(蒸発器)5から流出するガス冷媒は、四方弁2を通って圧縮機1に吸い込まれる。暖房運転時は、コントローラ10によって四方弁2の流路が切換えられることにより、図1中に破線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁2を介して室内熱交換器5に流れる。室内熱交換器5に流れたガス冷媒は、室内空気に熱を放出して凝縮する。この室内熱交換器(凝縮器)5から流出する液冷媒は、電動膨張弁4で減圧されて室外熱交換器3に流れる。室外熱交換器3に流れた液冷媒は、外気から熱を奪って蒸発する。この室外熱交換器(蒸発器)3から流出するガス冷媒は、四方弁2を通って圧縮機1に吸い込まれる。
コントローラ10は、四方弁2、電動膨張弁4、室外ファン6、および室内ファン7を制御するとともに、本実施形態のモータ駆動装置11を介してモータ1Mの駆動を制御する。モータ駆動装置11は、図2に示す駆動回路12およびモータコントローラ13を含む。
モータ1Mは、互いに非接続状態の複数たとえば3つの相巻線Lu,Lv,Lwを有する永久磁石同期モータである。モータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwは、低速度運転域(低・中速度運転域ともいう)で効率が向上するよう、細径の銅線を高い密度で巻回して構成される。ただし、細径の相巻線Lu,Lv,Lwを用いると、モータ1Mの速度の上昇に伴って相巻線Lu,Lv,Lwに誘起する電圧が早期に上昇し、その誘起電圧とインバータから相巻線Lu,Lv,Lwに供給される電圧との差が早い段階で小さくなり、それ以上はモータ1Mの速度を上昇させることができなくなる。そこで、モータコントローラ13は、後述するように、低速度運転域では相巻線Lu,Lv,Lwを星形結線してインバータ30のみを単独でスイッチングする星形結線モードを設定し、高速度運転域では相巻線Lu,Lv,Lwを非接続状態(オープン状態)としてインバータ30,40を互いに協調してスイッチングするオープン巻線モードを設定する。この設定により、低速度運転域で高効率の運転を可能としながら、低速度運転域から高速度運転域まで幅広い速度可変幅を得ることができる。
[駆動回路12の説明]
3相交流電源20にノイズフィルタ21を介してダイオードブリッジの全波整流回路22が接続され、その全波整流回路22の出力端にリアクタ23を介してコンデンサ24が接続されている。この全波整流回路22、リアクタ23、コンデンサ24により、直流電圧Vdcを出力する直流電源25が構成される。
この直流電源25とモータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwの一端との間に、相巻線Lu,Lv,Lwの一端への通電を制御するインバータ(第1インバータやマスタインバータともいう)30が接続されている。直流電源25とモータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwの他端との間に、相巻線Lu,Lv,Lwの他端への通電を制御するインバータ(第2インバータやスレーブインバータともいう)40が接続されている。インバータ30,40が共通の直流電源25に接続される電源共通方式を採用している。電源共通方式に限らず、インバータ30,40を別々の直流電源に接続する電源絶縁方式を採用してもよい。
インバータ30は、スイッチング素子たとえばIGBT31,32を直列接続しそのIGBT31,32の相互接続点がオープン巻線モータ1Mの相巻線Luの一端に接続されるU相直列回路、IGBT33,34を直列接続しそのIGBT33,34の相互接続点がオープン巻線モータ1Mの相巻線Lvの一端に接続されるV相直列回路、IGBT35,36を直列接続しそのIGBT35,36の相互接続点がオープン巻線モータ1Mの相巻線Lwの一端に接続されるW相直列回路を含み、直流電源25の直流電圧VdcをIGBT31〜36のスイッチングにより所定周波数の3相交流電圧に変換し、その3相交流電圧をオープン巻線モータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ一端へ供給する。IGBT31〜36には、回生用ダイオード(フリー・ホイール・ダイオードともいう)31a〜36aが逆並列接続されている。
インバータ40は、IGBT41,42を直列接続しそのIGBT41,42の相互接続点がオープン巻線モータ1Mの相巻線Luの他端に接続されるU相直列回路、IGBT43,44を直列接続しそのIGBT43,44の相互接続点がモータ1Mの相巻線Lvの他端に接続されるV相直列回路、IGBT45,46を直列接続しそのIGBT45,46の相互接続点がオープン巻線モータ1Mの相巻線Lwの他端に接続されるW相直列回路を含み、直流電源25の直流電圧VdcをIGBT41〜46のスイッチングにより所定周波数の3相交流電圧に変換し、その3相交流電圧をモータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ他端へ供給する。IGBT41〜46には、回生用ダイオード(フリー・ホイール・ダイオードともいう)41a〜46aが逆並列接続されている。
インバータ30は、2つのスイッチング素子の直列回路を3組並列に接続してなる主回路と、この主回路の6つのスイッチング素子を駆動する駆動回路などの周辺回路とを、単一のパッケージに収納したモジュールいわゆるIPM(Intelligent Power Module)である。インバータ40も、同じ構成のIPMである。
モータ1Mの相巻線Luの他端と相巻線Lvの他端との相互間に、開閉器たとえばリレー51の常開形接点(リレー接点という)51aが接続されている。モータ1Mの相巻線Lvの他端と相巻線Lwの他端との相互間に、開閉器たとえばリレー52の常開形接点(リレー接点という)52aが接続されている。リレー51,52は、モータコントローラ13により、互いに同期した状態で付勢と消勢が制御される。リレー接点51a,52aが閉成すると、相巻線Lu,Lv,Lwの他端が相互接続されて相巻線Lu,Lv,Lwが星形結線状態となる。相巻線Lu,Lv,Lwの他端の相互接続点が星形結線の中性点となる。リレー接点51a,52aが開放すると、相巻線Lu,Lv,Lwが非接続状態(オープン状態)となって相巻線Lu,Lv,Lwが電気的に分離する。
インバータ30とモータ1Mとの間の各通電ラインに電流センサ53,53v,53wが配置され、これら電流センサ53,53v,53wの検知信号がモータコントローラ13に送られる。モータコントローラ13は、コントローラ10からの指令に応じて駆動回路12を制御するもので、制御の中枢となる主制御部60、電圧検出部61、インバータ制御部62、リレー駆動部63、リレー51,52などを含む。電圧検出部61は、直流電源25の出力電圧Vdcを検出する。リレー駆動部63は、主制御部60からの指令に応じてリレー51,52を付勢または消勢する。
インバータ制御部62は、電流センサ53,53v,53wの検知結果に基づいてモータ1Mの速度(回転数)ωestを推定し、その推定速度ωestと目標速度ωrefとの差に応じてインバータ30,40のスイッチングを制御するセンサレス・ベクトル制御を行うもので、図3に示すように電流検出部71、速度推定演算部72、積分部73、減算部74、速度制御部75、Id制御部76、減算部77,78、電流制御部81,82、PWM信号生成部83を含む。
電流検出部71は、モータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwに流れる電流(モータ電流)を電流センサ53,53v,53wの出力から捕らえ、捕らえた電流の界磁成分(d軸成分)Idおよびトルク成分(q軸成分)Iqを検出する。電流の界磁成分Idを界磁成分電流Idといい、電流のトルク成分Iqをトルク成分電流Iqという。界磁成分電流Idは、ロータ軸上の界磁軸(d軸)座標に換算された電流のことで、d軸電流や無効電流とも称される。トルク成分電流Iqは、ロータ軸上のトルク軸(q軸)座標に換算された電流のことで、q軸電流や有効電流とも称される。これら界磁成分電流Idおよびトルク成分電流Iqのデータが積分部73、減算部74、主制御部60に送られる。
速度推定演算部72は、界磁成分電流Idおよびトルク成分電流Iqに基づく演算により、モータ1Mの速度(ロータの回転速度)ωestを推定する。この推定速度ωestのデータが積分部73および主制御部60に送られる。積分部73は、推定速度ωestを積分することにより、モータ1Mのロータ位置θestを検出する。このロータ位置θestのデータが電流検出部71、PWM信号生成部83、および主制御部60に送られる。減算部74は、主制御部60で設定される目標速度ωrefから推定速度ωestを減算することにより、目標速度ωrefと推定速度ωestとの偏差ωerrを得る。この偏差ωerrのデータが速度制御部75に送られる。
速度制御部75は、偏差ωerrを比例・積分制御(PI制御)演算することにより、トルク成分電流Iqの目標値Iqrefを求める。この目標値IqrefのデータがId制御部76に送られる。Id制御部76は、目標値Iqrefから界磁成分電流Idの目標値Idrefを求める。この目標値Idrefのデータが減算部77に送られる。なお、Id制御部76は、負の界磁成分電流“−Id”を相巻線Lu,Lv,Lwに注入する弱め界磁制御の実行が主制御部60から指令された場合に、所定レベルの負の界磁成分電流“−Id”を上記求めた目標値Idrefに加える。減算部77は、目標値Idrefと界磁成分電流Idとの偏差ΔIdを求める。減算部78は、目標値Iqrefとトルク成分電流Iqとの偏差ΔIqを求める。これら偏差ΔId,ΔIqのデータが電流制御部81,82にそれぞれ送られる。
電流制御部81は、偏差ΔIdを比例・積分制御(PI制御)演算することにより、モータ1Mに供給するべき駆動電圧の界磁成分(d軸成分)Vdを求める。この界磁成分電圧Vdは、ロータ軸上の界磁軸(d軸)座標に換算された電圧のことで、d軸電圧や無効電圧とも称される。電流制御部82は、偏差ΔIqを比例・積分制御(PI制御)演算することにより、モータ1Mに供給するべき駆動電圧のトルク成分(q軸成分)Vqを求める。このトルク成分電圧Vqは、ロータ軸上のトルク軸(q軸)座標に換算された電圧のことで、q軸電圧や有効電圧とも称される。これら界磁成分電圧Vdおよびトルク成分電圧VqのデータがPWM信号生成部83および主制御部60に送られる。
PWM信号生成部83は、主制御部60が星形結線モードを設定した場合、インバータ30を単独でスイッチングするためのPWM信号(パルス幅変調信号)P1を、界磁成分電圧Vd、トルク成分電圧Vq、ロータ位置θestなどに基づき生成する。また、PWM信号生成部83は、主制御部60がオープン巻線モードを設定した場合、インバータ30,40を互いに協調してスイッチングするためのPWM信号P2を、界磁成分電圧Vd、トルク成分電圧Vq、ロータ位置θestなどに基づき生成する。生成されるPWM信号P1,P2に応じてインバータ30,40の各スイッチング素子がオン,オフ動作する。これらPWM信号P1,P2のオン,オフデューティDu1,Du2のデータが主制御部60に送られる。
主制御部60は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路により構成され、コントローラ10からの指令、電圧検出部61の検出結果、インバータ制御部62の制御内容などに応じてリレー接点51a,52aの開閉およびインバータ30,40のスイッチングを制御するもので、第1制御部60a、第2制御部60b、第3制御部60cを含む。
第1制御部60aは、コントローラ10から通知される空調負荷に応じてモータ1Mの目標速度ωrefを設定し、設定した目標速度ωrefをインバータ制御部62に指令する。また、第1制御部60aは、インバータ制御部62で生成されるPWM信号P1,P2のオン,オフデューティDu1,Du2が制御上の上限値に達してモータ速度の上昇ができなくなった場合に、モータ速度のそれ以上の上昇を可能とするため、負の界磁成分電流“−Id”を相巻線Lu,Lv,Lwに加える弱め界磁制御をインバータ制御部62に指令する。
第2制御部60bは、リレー接点51a,52aの閉成により相巻線Lu,Lv,Lwを星形結線してインバータ30のみを単独でスイッチングする星形結線モード、およびリレー接点51a,52aの開放により相巻線Lu,Lv,Lwを非接続状態(オープン状態)としてインバータ30,40を互いに協調してスイッチングするオープン巻線モードを、インバータ制御部62の推定速度ωestおよび内部メモリに記憶している図4のモード選択条件の参照により選択的に設定する。
モード選択条件は、推定速度ωestの上昇方向の変化に際し、推定速度ωestが閾値ωest2未満の低速度運転域に存する場合は効率の高い星形結線モードを指定し、推定速度ωestが閾値ωest2以上の高速度運転域に存する場合はオープン巻線モードを指定する。また、モード選択条件は、推定速度ωestの下降方向の変化に際し、推定速度ωestが閾値ωest1(<ωest2)超の高速度運転域に存する場合はオープン巻線モードを指定し、推定速度ωestが閾値ωest1以下の低速度運転域に存する場合は星形結線モードを指定する。
第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティDu2またはそのオン,オフデューティDu2に対応する電圧利用率Xが設定値(例えば50%)以下の場合、第2制御部60bによるオープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを直ちに許容(実行)する。また、第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティDu2またはそのオン,オフデューティDu2に対応する電圧利用率Xが上記設定値を超えている場合、上記目標速度ωrefを低下させることでそのオン,オフデューティDu2または電圧利用率Xを上記設定値以下に低下させ、この低下後、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを許容(実行)する。さらに、第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが完了した後、上記目標速度ωrefの低下を解除する。
なお、第3制御部60cは、インバータ制御部62で検出されるロータ位置θestに基づいてモータ1Mの1回転を認識し、その1回転中のオン,オフデューティDu2および電圧利用率Xのうち、最大のオン,オフデューティDu2または最大の電圧利用率Xを上記設定値以下であるか否かの判定に用いる。
電圧利用率Xは、オン,オフデューティDu2に応じてインバータ30,40から出力される電圧が同インバータ30,40の定格上の最大出力電圧に占める割合ことで、インバータ制御部62からデータとして供給される界磁成分電圧Vdおよびトルク成分電圧Vqを用いる下式(1)の演算により求めることができる。
Figure 0006980930
つぎに、モータコントローラ13が実行する制御を図5のフローチャートを参照しながら説明する。フローチャート中のステップS1,S2…については、単にS1,S2…と略称する。
[星形結線モード]
コントローラ10から運転開始指令を受けた場合(S1のYES)、モータコントローラ13は、リレー接点51a,52aを閉成して相巻線Lu,Lv,Lwを星形結線しかつインバータ30を単独でスイッチングする星形結線モードを設定する(S2)。
この星形結線モード時に形成される電流経路の一部を図6に示す。まず、インバータ30における上流側のIGBT31がオンし、下流側のIGBT34,36が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu1のオン,オフを繰返す。これにより、破線矢印で示すように、直流電源25の正側端子からIGBT31を通って相巻線Luに電流が流れ、その相巻線Luを経た電流がリレー接点51a,52aを通って相巻線Lv,Lwに流れ、これら相巻線Lv,Lwを経た電流がIGBT34,36を通って直流電源25の負側端子に流れる。次に、インバータ30における上流側のIGBT33がオンし、下流側のIGBT32,36が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu1のオン,オフを繰返す。これにより、直流電源25の正側端子からIGBT33を通って相巻線Lvに電流が流れ、その相巻線Lvを経た電流がリレー接点51a,52aを通って相巻線Lu,Lwに流れ、これら相巻線Lu,Lwを経た電流がIGBT32,36を通って直流電源25の負側端子に流れる。次に、インバータ30における上流側のIGBT35がオンし、下流側のIGBT32,34が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu1のオン,オフを繰返す。これにより,直流電源25の正側端子からIGBT35を通って相巻線Lwに電流が流れ、その相巻線Lwを経た電流がリレー接点51a,52aを通って相巻線Lu,Lvに流れ、これら相巻線Lu,Lvを経た電流がIGBT32,34を通って直流電源25の負側端子に流れる。これら3つのパターンの電流経路が順に切換わることにより、モータ1Mのロータが回転する。なお、この場合、インバータ40は停止状態、すなわち、スイッチング動作していない状態、に保持される。この星形結線モードによるモータ1Mの起動時、モータコントローラ13は、推定速度ωestが閾値ωest2まで上昇したか否かを判定する(S4)。推定速度ωestが閾値ωest2よりも低い間(S4のNO,S5のNO)、モータコントローラ13は、コントローラ10からの運転停止指令がなければ(S12のNO)、上記S3に戻り、推定速度ωestが目標速度ωrefとなるようインバータ30のスイッチングのオン,オフデューティDu1を制御する(S3)。
[星形結線モードからオープン巻線モードへの切換え]
星形結線モードにおいて、目標速度ωrefが上昇し、それに伴って推定速度ωestが上昇して閾値ωest2に達した場合(高回転数領域;S4のYES)、つまり星形結線モードからオープン巻線モードへの切換えが必要な状態に至ると、モータコントローラ13は、リレー接点51a,52aの開放により相巻線相巻線Lu,Lv,Lwの他端を非接続(開放:オープン)状態としてインバータ30,40を互いに協調してスイッチングするオープン巻線モードを設定する(S6)。そして、モータコントローラ13は、コントローラ10からの運転停止指令がなければ(S12のNO)、上記S3に移行し、推定速度ωestが目標速度ωrefとなるようインバータ30,40のスイッチングのオン,オフデューティDu2を制御する(S3)。
このオープン巻線モード時の電流経路の一部を図2に破線で示している。まず、インバータ30における上流側のIGBT31がオンしてインバータ40における下流側のIGBT42が上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返すとともに、インバータ40における上流側のIGBT43,45が共にオンしてインバータ30における下流側のIGBT34,36が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返す。これにより、破線矢印で示すように、直流電源25の正側端子からIGBT31を通って相巻線Luに電流が流れ、その相巻線Luを経た電流がIGBT42を通って直流電源25の負側端子に流れるとともに、直流電源25の正側端子からIGBT43,45を通って相巻線Lv,Lwに電流が流れ、その相巻線Lv,Lwを経た電流がIGBT34,36を通って直流電源25の負側端子に流れる。次に、インバータ30における上流側のIGBT33がオンしてインバータ40における下流側のIGBT44が上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返すとともに、インバータ40における上流側のIGBT41,45が共にオンしてインバータ30における下流側のIGBT32,36が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返す。これにより、直流電源25の正側端子からIGBT33を通って相巻線Lvに電流が流れ、その相巻線Lvを経た電流がIGBT44を通って直流電源25の負側端子に流れるとともに、直流電源25の正側端子からIGBT41,45を通って相巻線Lu,Lwに電流が流れ、その相巻線Lu,Lwを経た電流がIGBT32,36を通って直流電源25の負側端子に流れる。次に、インバータ30における上流側のIGBT35がオンしてインバータ40における下流側のIGBT46が上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返すとともに、インバータ40における上流側のIGBT41,43が共にオンしてインバータ30における下流側のIGBT32,34が互いに同期しながら上記オン,オフデューティDu2のオン,オフを繰返す。これにより、直流電源25の正側端子からIGBT35を通って相巻線Lwに電流が流れ、その相巻線Lwを経た電流がIGBT46を通って直流電源25の負側端子に流れるとともに、直流電源25の正側端子からIGBT41,43を通って相巻線Lu,Lvに電流が流れ、その相巻線Lu,Lvを経た電流がIGBT32,34を通って直流電源25の負側端子に流れる。これら3パターンの電流経路が順に切換わることにより、モータ1Mのロータが回転する。
このオープン巻線モードの設定により、星形結線モード時のほぼ1.7倍の高レベルの電圧が相巻線Lu,Lv,Lwに加わり、モータ1Mが高速度回転させることが可能となる。
コントローラ10から運転停止指令を受けた場合(S12のYES)、モータコントローラ13は、インバータ30,40のスイッチングを停止する(S13)。
[オープン巻線モードから星形結線モードへの切換え]
オープン巻線モード中に、目標速度ωrefの低下に伴い推定速度ωestが下降して閾値ωest1に達した場合(低回転数領域;S4のNO,S5のYES)、つまりオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが必要な場合、モータコントローラ13は、オン,オフデューティDu2が設定値である50%以下であるか否かを監視する(S7)。
オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が50%以下の例えば40%である場合、切換え後の星形結線モードにおいてオープン巻線モード時と同レベルの電圧を相巻線Lu,Lv,Lwに印加するためには、切換え後の星形結線モードにおいて80%(=40%×2)のオン,オフデューティDu1を設定する必要がある。80%のオン,オフデューティDu1は、星形結線モードにおいて設定が可能である。
そこで、モータコントローラ13は、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が50%以下の場合(S7のYES)、リレー接点51a,52aの閉成により相巻線Lu,Lv,Lwを星形結線してインバータ30を単独でスイッチングする星形結線モードを直ちに設定する(S9)。こうして、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが完了した後、モータコントローラ13は、後述のS8による目標速度ωrefの低下処理があるかどうかを確認する(S10)。この時点では、目標速度ωrefの低下処理がないので(S10のNO)、モータコントローラ13は、次のS11の解除処理を実行することなく、コントローラ10からの運転停止指令を確認する(S12)。
運転停止指令がない場合(S12のNO)、モータコントローラ13は、上記S3に移行し、推定速度ωestが目標速度ωrefとなるようインバータ30のスイッチングのオン,オフデューティDu1を制御する(S3)。
一方、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が50%を超える例えば55%である場合、切換え後の星形結線モードにおいてオープン巻線モード時と同レベルの電圧を相巻線Lu,Lv,Lwに印加するためには、切換え後の星形結線モードにおいて110%(=55%×2)のオン,オフデューティDu1を設定する必要がある。当然ながら、100%を超えるオン,オフデューティDu1は、設定できない。
そこで、モータコントローラ13は、オープン巻線モード時のオン,オフデューティDu2が上記55%の場合のように50%を超える場合(S7のNO)、目標速度ωrefを所定値だけ低下させる(S8)。この目標速度ωrefの低下により、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が減少方向に変化する。続いて、モータコントローラ13は、上記S7に戻り、オン,オフデューティDu2が50%以下となったか否かを監視する(S7)。
目標速度ωrefを低下させたにもかかわらず、オン,オフデューティDu2がまだ50%を超えている場合(S7のNO)、モータコントローラ13は、目標速度ωrefをさらに所定値だけ低下させる(S8)。そして、モータコントローラ13は、上記S7に戻り、オン,オフデューティDu2が50%以下であるか否かを再び監視する(S7)。モータコントローラ13は、オン,オフデューティDu2が50%以下に低下するまで、上記S7,S8の処理を繰り返す。なお、上記S8による目標速度ωrefの低下は一時的な処置であり、本来の目標速度ωrefは、外部からの指令に基づくもので、そのまま存在している。
オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が50%以下の例えば48%まで低下した場合、切換え後の星形結線モードにおいてオープン巻線モード時と同レベルの電圧を相巻線Lu,Lv,Lwに印加するためには、切換え後の星形結線モードにおいて96%(=48%×2)のオン,オフデューティDu1を設定する必要がある。96%のオン,オフデューティDu1は、星形結線モードにおいて設定が可能である。
そこで、モータコントローラ13は、オープン巻線モード時のオン,オフデューティDu2が50%以下となる上記48%以下に低下した場合(S7のYES)、リレー接点51a,52aを閉成して96%のオン,オフデューティDu1でインバータ30を単独でスイッチングさせて星形結線モードを設定する(S9)。こうして、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが完了した後、モータコントローラ13は、上記S8での目標速度ωrefの低下処理があるかどうかを確認する(S10)。この時点では、目標速度ωrefの低下処理があるので(S10のYES)、モータコントローラ13は、目標速度ωrefの低下を解除する(S11)。これにより、目標速度ωrefは外部からの指令に基づく本来の目標速度ωrefに復帰する。この解除後、モータコントローラ13は、コントローラ10からの運転停止指令を確認する(S12)。
コントローラ10からの運転停止指令がない場合(S12のNO)、モータコントローラ13は、上記S3に移行し、推定速度ωestが本来の目標速度ωrefとなるようインバータ30のスイッチングのオン,オフデューティDu1を制御し(S3)、目標速度ωrefの低下処理が以前なされていた場合には、元の速度に戻るよう増速される。コントローラ10からの運転停止指令を受けた場合(S12のYES)、モータコントローラ13は、インバータ30のスイッチングを停止する(S13)。
以上のように、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)が設定値を超えていれば、そのオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)を設定値以下に低下させ、この低下後にオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを実行するので、オープン巻線モードのオン,オフデューティがどのような値であっても、オープン巻線モードから星形結線モードへ確実に移行することができる。
なお、モータコントローラ13は、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えおよび星形結線モードからオープン巻線モードへの切換えに際し、インバータ30,40を協調して同期するように双方のスイッチングを制御する。これにより、モータ1Mを停止させることなくオープン巻線モードと星形結線モードの切換えが完了する。
また、モータコントローラ13は、オープン巻線モードと星形結線モードの切換えに際し、リレー接点51a,52aに電流が流れないようにインバータ30,40のスイッチングを適切に制御しながら、リレー接点51a,52aを開閉する。リレー接点51a,52aに電流が流れない状態でリレー接点51a,52aが開閉するので、リレー接点51a,52aにおける火花の発生等を防ぐことができ、ひいてはリレー接点51a,52aの溶着等の故障を回避できる。
オン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)の低下はモータ速度の減少につながるが、オン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)の低下量は設定値以下に収めるまでの少量であり、しかもオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)の低下はモード切換時の一時的なものなので、モータ速度の減少は大きさ的にも時間的にもほぼ無視することができる。
[2]第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えの際の制御・動作が第1実施形態と異なっている。その他は第1実施形態と同じである。
主制御部60の第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)が設定値(例えば50%)以下の場合、第2制御部60bによるオープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを直ちに許容(実行)する。また、第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティDu2が上記設定値を超えている場合、負の界磁成分電流を前記各相巻線に加える弱め界磁制御を実行することによりそのオン,オフデューティDu2を上記設定値以下に低下させ、その後、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを許容(実行)する。さらに、第3制御部60cは、第2制御部60bによるオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが完了した後、上記目標速度ωrefの低下を解除する。
通常、弱め界磁制御は、モータが高速回転し、オン,オフデューティが100%の状態で、巻線の誘起電圧が上昇し、それ以上回転数が上げられなくなった場合に、さらに回転数を上昇させるために用いられる制御であるが、本実施形態においては、モータの回転数を一定に保ちながら、オン,オフデューティDu2を低下させるために用いている。
モータコントローラ13は、図7のフローチャートに示すように、図5のフローチャートのS8,S10,S11の処理に代えてS8´,S10´,S11´の処理を実行する。
すなわち、モータコントローラ13は、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えが必要な状況において、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が設定値である50%を超えている場合(S7のNO)、所定の大きさの負の界磁成分電流“−ΔId”を相巻線Lu,Lv,Lwに注入する弱め界磁制御を行う(S8´)。この弱め界磁制御によりオープン巻線モードのオン,オフデューティDu2が低下する。
この負の界磁成分電流“−ΔId”の注入の後、モータコントローラ13は、上記S7に戻り、オン,オフデューティDu2が50%以下に到達したか否かを再び監視する(S7)。
負の界磁成分電流“−ΔId”を注入したにもかかわらず、オン,オフデューティDu2が50%をまだ超えている場合(S7のNO)、モータコントローラ13は、さらに所定の大きさの負の界磁成分電流“−ΔId”を相巻線Lu,Lv,Lwにさらに注入する(S8´)。これにより負の界磁成分電流は、2倍の“−2・ΔId”となる。
この結果、同じ速度でモータ1Mを回転させている場合、オン,オフデューティDu2は、さらに低下する。そして、モータコントローラ13は、上記S7に戻り、オン,オフデューティDu2が50%以下であるか否かを再び監視する(S7)。オン,オフデューティDu2が50%以下に低下するまで、上記S7,S8´の処理が繰り返されて、負の界磁成分電流が増加される。
オン,オフデューティDu2が50%以下に低下した場合(S7のYES)、モータコントローラ13は、リレー接点51a,52aを閉成し、それまでのオープン巻線モードに換えて星形結線モードを設定する(S9)。そして、モータコントローラ13は、上記S8´の弱め界磁制御があるかどうかを確認する(S10´)。この時点では、弱め界磁制御が入っているので(S10´のYES)、モータコントローラ13は、以後、星形結線モードでの弱め界磁制御に移行してその弱め界磁量(負の界磁成分電流“−ΔId”)を調整し(S11´)、これによりモータ1Mの速度を適切に制御する。この後、モータコントローラ13は、コントローラ10からの運転停止指令を確認する(S12)。
以上のように、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際し、オープン巻線モードのオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)が設定値を超えていれば、その負の界磁成分電流“−Id”を注入する弱め界磁制御を実行することでオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)を低下させ、オン,オフデューティDu2が50%以下に低下後にオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを実行するので、第1実施形態のようにモータ速度を変更(低下)させることなく、オープン巻線モードから星形結線モードへ確実に移行することができる。この結果、冷凍サイクルの安定性が高まる。
他の構成および制御は第1実施形態と同じである。
[変形例]
上記各実施形態では、オン,オフデューティDu2(または最大の電圧利用率X)に対する設定値が50%である場合を例に説明したが、その設定値については50%以下の範囲で適宜に選定可能である。
また、上記各実施形態では、モード選択条件として、推定速度ωestに応じてオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを行うようにしたが、目標速度ωrefに応じてオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを行うようにしてもよい。このオープン巻線モードから星形結線モードへの切換え点となる閾値については、冷凍サイクルの状況やモータ電流値に応じて、可変設定してもよい。加えて、推定速度ωestや目標速度ωrefなどのモータ速度以外のデータを基準にしてオープン巻線モードから星形結線モードへの切換えを行うようにしてもよい。上記第1実施形態では、目標速度ωrefの低下操作によってオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)を低下させる構成としたが、インバータ制御部62で生成されるPWM信号P2のオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)を直接的に低下操作する構成としてもよい。
上記各実施形態では、開閉器がリレー接点51a,52aである場合を例に説明したが、半導体スイッチを開閉器として用いることもできる。
上記各実施形態では、圧縮機の駆動用モータとして用いるオープン巻線モータを例に説明したが、他の用途に用いるオープン巻線モータについても同様に実施できる。
上記各実施形態では、6つのスイッチング素子からなる3相インバータ装置をインバータ30として用い、6つのスイッチング素子からなる3相インバータ装置をインバータ40として用いる場合を例に説明したが、4つのスイッチング素子からなる単相インバータ装置を3個用いてインバータ30とインバータ40を構成してもよい。
また、オープン巻線モードから星形結線モードへの切換えに際したオン,オフデューティDu2(または電圧利用率X)の低下を、第1実施形態のようにモータ1Mの回転数を低下させると同時に第2実施形態における弱め界磁制御を加えることで実行してもよい。
その他、上記各実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…圧縮機、1M…オープン巻線モータ、Lu,Lv,Lw…相巻線、2…四方弁、3…室外熱交換器、4…電動膨張弁、5…室内熱交換器、10…コントローラ、11…モータ駆動装置、12…駆動回路、13…モータコントローラ、20…3相交流電源、25…直流電源、30…インバータ(第1インバータ)、40…インバータ(第2インバータ)、51,52…リレー、51a,52a…リレー接点、60…主制御部、62…インバータ制御部、63…リレー駆動部

Claims (7)

  1. 互いに非接続状態の複数の相巻線を有するモータのモータ駆動装置であって、
    複数のスイッチング素子を含み、これらスイッチング素子により前記モータの各相巻線の一端への通電を制御する第1インバータと、
    複数のスイッチング素子を含み、これらスイッチング素子により前記モータの各相巻線の他端への通電を制御する第2インバータと、
    前記各相巻線の他端の相互間に接続された開閉器と、
    前記開閉器の閉成により前記各相巻線を星形結線して前記第1インバータをスイッチングする星形結線モード、および前記開閉器の開放により前記各相巻線を非接続状態として前記第1インバータおよび前記第2インバータをスイッチングするオープン巻線モードを有するモータコントローラと、
    を備え、
    前記モータコントローラは、
    前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティまたはそのオン,オフデューティに対応する電圧利用率が設定値を超えている場合、そのオン,オフデューティまたは電圧利用率を前記設定値以下に低下させし、この低下後、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを実行する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記モータコントローラは、
    前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティまたはそのオン,オフデューティに対応する電圧利用率が前記設定値以下の場合、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを直ちに実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記モータコントローラは、
    前記開閉器の閉成により前記各相巻線を星形結線して前記第1インバータをスイッチングしこのスイッチングのオン,オフデューティを前記モータの速度が目標速度となるよう制御する星形結線モード、および前記開閉器の開放により前記各相巻線を非接続状態として前記第1インバータおよび前記第2インバータをスイッチングしこのスイッチングのオン,オフデューティを前記モータの速度が前記目標速度となるように制御するオープン巻線モードを、選択的に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記モータコントローラは、
    前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティまたはそのオン,オフデューティに対応する電圧利用率が前記設定値を超えている場合、前記モータの速度を低下させることによりそのオン,オフデューティまたは電圧利用率を前記設定値以下に低下させ、その後、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記コントローラは、
    前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えに際し、切換え前のオープン巻線モードのスイッチングのオン,オフデューティまたはそのオン,オフデューティに対応する電圧利用率が前記設定値を超えている場合、負の界磁成分電流を前記各相巻線に加える弱め界磁制御を実行することによりそのオン,オフデューティまたは電圧利用率を前記設定値以下に低下させ、その後、前記オープン巻線モードから前記星形結線モードへの切換えを実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記コントローラは、
    前記モータの低速度運転域で前記星形結線モードを設定し、前記モータの高速度運転域で前記オープン巻線モードを設定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  7. 請求項1に記載のモータ駆動装置を備えた冷凍サイクル装置であって、
    前記オープン巻線モータを駆動用モータとして有し、冷媒を吸込んで圧縮し吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機、四方弁、凝縮器、減圧器、蒸発器を配管接続し、前記圧縮機から吐出される前記冷媒を前記四方弁、前記凝縮器、前記減圧器、前記蒸発器に通して前記圧縮機の吸込み側に戻すヒートポンプ式冷凍サイクルと、
    を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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