JP6978827B2 - 排ガス浄化用触媒ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス浄化用触媒ユニットに係り、例えば、ボイラ排ガス中の窒素酸化物を除去するための脱硝装置に用いて、触媒効率を向上させるのに好適な排ガス浄化用触媒ユニットに関する。
発電所、各種工場、自動車等から排出される排煙中の例えばNOxは、光化学スモッグや酸性雨の原因物質である。その効果的な除去方法として、アンモニア(NH)を還元剤とした触媒による選択的接触還元脱硝方法が石炭火力発電所を中心に広く用いられている。
脱硝触媒には、バナジウム(V)やモリブデン(Mo)、タングステン(W)を活性成分とした酸化チタン系触媒が用いられる。一般に、それら活性成分の塩類と酸化チタン或いはその前駆体とを水存在下で混練し、得られたペーストを板状、またはハニカム状に成型後、乾燥および焼成したものを用いる。例えば、金属製の薄鋼板をメタルラスに加工した網状基板、あるいはセラミック繊維製の織布または不織布の基板に前述の触媒成分を塗布した後、線条突起と平面部とを所定の間隔で成型して得られた板状の触媒エレメントを用いる。その触媒エレメントを矩形の金属枠内に線条突起をスペーサとして等間隔に複数枚積層し、線条突起をガス流れ方向に平行になるように配置して形成した触媒ユニットは、通風圧力損失が小さいという特徴がある。このため、煤塵や石炭の燃焼灰による摩耗や流路の目詰まりを起こしにくい等の特長を有し、現在火力発電用ボイラの排ガス処理装置に広く用いられている(例えば、特許文献1の第1図、特許文献2の図23等参照)。
また、このような触媒ユニットは、触媒エレメントのスペーサの高さを変えることにより、複数の触媒エレメントを積層して形成される矩形断面の流路の高さを自由に調節することができる。例えば、高効率でコンパクトにする場合は、触媒エレメント間のスペーサの高さを低くして積層枚数を増やすことで対応する。他方、排ガス中のダスト量が多い場合には目詰まりを防止する場合は、触媒エレメント間のスペーサの高さを高くして対応する。
実開平1−88732号公報 特開平9−10599号公報
ところで、特許文献1、2に記載の触媒ユニットは、金属枠の最上部と底部に位置する触媒エレメントと金属枠面との間に形成されるガス流路は、上下面の片方が金属枠面であることから、それらのガス流路を流れる被処理排ガスに対する触媒作用が十分でないという改善すべき点がある。つまり、触媒ユニット内に層状に配置された触媒エレメント間に形成されるガス流路のうち、最上部と底部の触媒エレメントと金属枠面との間に形成されるガス流路は、上下面の一方は触媒面であるが、他方は金属枠面であり、ガス流路の約半分が金属枠面で占められている。金属枠面は、被処理排ガスに対して不活性であるから、これらガス流路の触媒性能は上下面が触媒面で形成される他のガス流路に比べて低い。さらに、上部と底部の金属枠面に接する触媒エレメントのスペーサの数は概ね半分であるから、上部と底部のガス流路の断面積は他の流路よりも大きいので通風抵抗が低い。そのため、未反応のまま吹き抜けるガス量が多くなるので、触媒ユニット全体としての触媒性能が十分に発揮できないという改善すべき点があった。
本発明が解決しようとする課題は、従来の触媒ユニットの上部と底部に形成されるガス流路の被処理排ガスに対する触媒反応を促進するとともに、未反応のまま吹き抜けるガス量を減らして、全体の排ガス浄化性能を高めることができる排ガス浄化用触媒ユニットを提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明は、板状触媒の両面に線条突起からなる複数のスペーサを有する触媒エレメントと、両端にガス流入口とガス流出口の開口を有する断面矩形の金属枠とを備え、前記触媒エレメントが前記金属枠の上部から底部にわたって前記スペーサの線条方向をガス流れ方向に位置し、かつ複数枚が層状に重ねて収容されており、前記金属枠の上部と底部の枠面に、該枠面に対向する前記触媒エレメント側に突出する線条突起からなるガス撹拌突起を有し、該ガス撹拌突起は、前記触媒エレメントの前記スペーサの伸長方向と交差する方向に伸長している排ガス浄化用触媒ユニットを提案する。
このように構成される本発明によれば、触媒ユニットの上部と底部の触媒エレメントと金属枠面との間に形成されるガス流路に流入する浄化対象の排ガスは、ガス流路中に突出されたガス撹拌突起に衝突してガス流れが撹拌される。その撹拌により、金属枠面の近傍を流れる排ガスもそのガス流路を構成する反対側の触媒エレメントに接触して触媒反応を促進することができる。その結果、全体の排ガス浄化性能を高めることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、以下に述べる態様を適宜採用してもよい。
(1)前記スペーサは、一方の面に突出する山状の突起と、他方の面に突出する谷状の突起の一対からなること。
(2)前記山状の突起と前記谷状の突起の一対は、連続して位置していること。
(3)前記ガス撹拌突起は、隣り合う2つの前記触媒エレメントの前記スペーサ間の平坦面に対向して位置していること。
(4)前記触媒エレメントの重ね方向の間隔Pは、4[mm]〜10[mm]の範囲から選択される値であり、前記第2の線条突起の高さHは、H/Pの比の値が1/3〜2/3の範囲に設定されること。
(5)前記ガス撹拌突起は、ガス流れ方向に複数設けられ、その設置間隔Dは20[mm]〜50[mm]の範囲から選択される値に設定されること。
(6)前記金属枠は、1[mm]〜2[mm]厚さに近い公称寸法の圧延鋼板で形成されてなること。
本発明によれば、従来の触媒ユニットの最上部と底部に形成されるガス流路の被処理排ガスに対する触媒反応を促進して、全体の排ガス浄化性能を高めることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒ユニットの一実施形態のガス流入口から見た正面図である。 本発明の一実施形態の触媒エレメントの斜視図である。 本発明の一実施形態のガス流入口から見た斜視図である。 本発明の一実施形態の金属枠をガス流入口から見た斜視図である。 本発明の一実施形態の金属枠の底部の枠面に設けられたガス撹拌突起の斜視図である。 本発明の一実施形態のガス撹拌突起の作用を説明する断面図である。
本発明の排ガス浄化用触媒ユニットの一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態は、石炭焚ボイラの排ガス中の主として窒素酸化物(NOx)を除去するのに用いる排ガス浄化用触媒ユニットに本発明を適用した一例である。しかし、本発明は石炭焚ボイラに限らず、ガス焚、重油焚、原油焚等の各種のボイラ排ガスの有害物除去に用いる排ガス浄化用触媒ユニットに適用できる。また、窒素酸化物(NOx)の除去に限らす、に限らず、種々の有害物除去に用いる排ガス浄化用触媒ユニットに適用できることは言うまでもない。
図1に示すように、本実施形態の排ガス浄化用触媒ユニット(以下、単に触媒ユニットと略称する。)10は、板状に形成された触媒エレメント1と、両端にガス流入口とガス流出口の開口を有する断面矩形の金属枠4とを備えて構成される。触媒エレメント1は、従来技術の欄で説明したように、例えば、バナジウム(V)やモリブデン(Mo)、タングステン(W)を活性成分とした酸化チタン系触媒を用いている。これらの活性成分の塩類と酸化チタン或いはその前駆体とを水存在下で混練し、得られたペーストを板状に成型後、乾燥および焼成したものである。また、板状に成型するために、例えば、金属製の薄鋼板をメタルラスに加工した網状基板、あるいはセラミック繊維製の織布または不織布の基板に前述の触媒成分を塗布して形成する。さらに、触媒エレメント1には、複数枚の触媒エレメント1を間隔を空けて層状に重ねて金属枠4内に収容するために、触媒エレメント1の両面に、複数の線条突起のスペーサ2が形成されている。
触媒エレメント1は、図2に示すように、スペーサ2と平坦面3とを所定の間隔(例えば、126mm)で成型して得られる。スペーサ2は、一方の面(表面)に突出する山状の突起2aと、他方の面(裏面)に突出する谷状の突起2bの一対から構成される。それらの突起2a、2bは連続して位置してスペーサ2を形成している。スペーサ2は、線条方向をガス流れ方向に伸長させて金属枠4内に収容されている。また、図1と図3に示すように、複数枚の触媒エレメント1が、スペーサ2を介して層状に重ねて金属枠4内に収容されている。なお、上下方向に隣り合う2枚の触媒エレメント1は、互いにスペーサ2が相手側の平坦面3の中央部分に位置するように形成されている。
金属枠4は、展延性がよく加工が容易にできる材質の板材を用いて形成する。本実施形態では、一般構造用の圧延鋼材(例えばSS400)を用いて形成されている。しかし、金属枠4に用いる材質は、これに限られるものではなく、ステンレス製圧延鋼材(例えばSUS430)などを用いてもよい。さらに、金属枠4を形成する板材の厚みは、加工性に優れて扱いやすい約1〜2[mm]に近い公称寸法の板材を選定することが好ましい。
次に、本発明の特徴事項であるガス撹拌突起6の実施形態について、図1、図4と図5を参照して説明する。本実施形態の金属枠4の上部の枠面4aと底部の枠面4bには、それぞれそれらの枠面4a、4bに対向する触媒エレメント1側に突出する線条突起からなるガス撹拌突起6が形成されている。
ガス撹拌突起6は、図1および図4に示すように、触媒エレメント1の線条突起のスペーサ2の伸長方向と交差する方向(図示例では、直交又は略直交する方向)に伸長して形成されている。また、ガス撹拌突起6は、ガス流れ方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態のガス撹拌突起6は、触媒エレメント1を形成する過程で、所定の金型を設置したプレス機を用いて金属枠4の一部を線条に凹ませて、逆側に突起を形成する。なお、これに限られるものではなく、所定寸法の線条突起物をガス撹拌突起6として、金属枠4の枠面4aまたは4bに接着して形成してもよい。前者のように、プレス機を用いて形成する方が、製造が容易で、かつ重量的にも軽くできるので好ましい。
上述した本実施形態の排ガス浄化用触媒ユニットによれば、図1の図示矢印の方向から被処理ガス8が触媒ユニット10に流入し、上部と底部の触媒エレメント1と金属枠面4a、4bとの間に形成されるガス流路に流入する。その結果、図6に示したように、ガス流路中に突出されたガス撹拌突起6に衝突して図中矢印で示したようにガス流れが撹拌される。その撹拌により、金属枠面4a、4bの近傍を流れる排ガスもそのガス流路を構成する反対側の触媒エレメント1に接触して触媒反応を促進することができる。その結果、全体の排ガス浄化性能を高めることができる。
次に、ガス撹拌突起6の高さH、幅Wおよびガス流れ方向の間隔Dの関係について説明する。ここで、触媒エレメント1の重ね方向の間隔をPとし、スペーサ2の列設方向の間隔をPとする。特に、ガス撹拌突起6の形状および配置は、次の要件を満たすように決定することが好ましい。
(1)ガス撹拌突起6の高さHは、H/Pの比の値が1/3〜2/3の範囲になるよう設定するのが望ましい。
(2)ガス撹拌突起6のガス流れ方向の間隔Dは、20[mm]〜50[mm]の範囲が望ましい。間隔Dが広すぎると、ガスの撹拌効果が持続しないため効果が小さくなってしまう。一方、間隔Dが狭い程効果は大きくなるが、狭すぎると、金属枠4をプレス加工して線条突起を形成させる場合、金属枠4に歪みが生じたり、圧力損失が高くなり過ぎて、好ましくない。したがって、金属枠4の板厚をも考慮に入れて、間隔Dを設定することが好ましい。
(3)ガス撹拌突起6の流れ方向に沿う断面形状は、山状または谷条の幅広の形状が流路内のガスを効率よく撹拌できるので好ましい。しかし、半円型でも構わない。
(4)2つのスペーサ2と枠面2a、2bおよび触媒エレメント1の平坦面3とに囲まれて形成されるガス流路断面積をAとし、ガス撹拌突起6のガス流れ方向から見た投影面積をSとしたとき、S/Aの割合が20%〜60%になるように、ガス撹拌突起6の幅Wを設定することが好ましい。この割合S/Aを40%〜60%にすれば、ガスの拡散効果を高くして、触媒反応効率を高めることができるので望ましい。つまり、割合S/Aが60%を超えると、攪拌効果による触媒反応の向上に対して、当該ガス流路の通風圧力損失が上昇するので望ましくない。
次に、上記の実施形態に示した本発明の排ガス浄化用触媒ユニットを用い、ガス撹拌突起6の形状寸法H、Wと間隔Dを変えた実施例1〜6と比較例1〜5について行った脱硝反応速度比および通風圧力損失を対比して説明する。
実施例1〜7に共通する触媒エレメント1の製造方法について説明する。二酸化チタン10kgとモリブデン酸アンモニウム((NH・Mo24・4HO)を1kg、メタバナジン酸アンモニウム1kg、および蓚酸1kgとを混合し、水を加えながらニーダで1時間、混練してペースト状態にした。その後、シリカ・アルミナ系無機繊維2kgを加えてさらに30分混練して水分約30%の触媒ペーストを得た。得られたペーストを一対の圧延ローラを用いて先に調製しておいた幅500mmのステンレス製メタルラス基板のラス目間および表面に塗布して厚さ約0.7mmの帯状触媒を得た。これにプレス機を用いて図2のように波型のスペーサ(高さP=5[mm]、設置間隔P=126[mm])を成形して、触媒エレメント1を作製した。
触媒エレメント1の製造とは別に、厚み2mmの圧延鋼材SS400の一部に金型を設置したプレス機を用いて図5に示すガス撹拌突起6を複数個成形した後、図4に示す矩形の金属枠4を形成した。この金属枠4内に板状の触媒エレメント1を層状に重ねて収容し、次いで、24時間の風乾後、空気を流しながら500℃で2時間焼成して触媒ユニット10を製造した。
[実施例1]
実施例1のガス撹拌突起6は、高さH=2.5[mm]、幅W=100[mm}、間隔D=30[mm]であり、ガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは40%である。
[実施例2]
実施例2のガス撹拌突起6は、高さH=1.7[mm]に変えた以外は、実施例1と同様に触媒ユニット10を製作した。なお、ガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは27%である。
[実施例3]
実施例3のガス撹拌突起6は、高さH=3.3[mm]に変えた以外は、実施例1と同様に触媒ユニット10を製作した。本実施例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは52%である。
[実施例4]
実施例4のガス撹拌突起6は、高さH=3.3[mm]、幅W=75[mm]に変えた以外は、実施例1と同様に触媒ユニット10を製作した。本実施例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは40%である。
[実施例5]
実施例5のガス撹拌突起6は、設置間隔をD=20[mm]に変えた以外は、実施例1と同様に触媒ユニット10を製作した。本実施例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは40%である。
[実施例6]
実施例6のガス撹拌突起6は、設置間隔D=50[mm]に変えた以外は、実施例1と同様に触媒ユニット10を製作した。本実施例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは40%である。
[比較例1]
比較例1は、実施例1においてガス撹拌突起6を設置しない金属枠4を使用して、従来の触媒ユニットを製造した。
[比較例2]
比較例2は、実施例1においてガス撹拌突起6の高さH=5[mm]に変えた以外は実施例1と同様にして触媒ユニットを製作した。本比較例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは80%である。
[比較例3]
比較例3は、実施例1においてガス撹拌突起6の高さH=1[mm]、幅W=110[mm]に変えた以外は実施例1と同様にして触媒ユニットを製作した。本比較例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/Aは18%である。
[比較例4]
比較例4は、実施例1においてガス撹拌突起6の高さH=5[mm]、幅W=35[mm]に変えた以外は実施例1と同様にして触媒ユニットを製作した。本比較例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/A=28%である。
[比較例5]
比較例5は、実施例1においてガス撹拌突起6の間隔D=100[mm]に変えた以外は実施例1と同様にして触媒ユニットを製作した。本比較例のガス流路あたりの断面積Aに対するガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合S/A=40%である。
実施例1〜6および比較例1〜5で製作した触媒ユニットについて、表1記載の排ガス条件で脱硝反応速度と圧力損失を測定した。比較例1の性能を基準(=1.00)として、実施例および比較例の脱硝反応速度と圧力損失の比をそれぞれ表2に示す。表2より、本発明が規定する範囲でガス撹拌突起6を設置した実施例1〜6の触媒ユニットは、ガス撹拌突起を設置していない比較例1の触媒ユニットに比べて、脱硝反応速度が高いことが分かる。
Figure 0006978827
Figure 0006978827
これ対して、比較例2、3、5はガス撹拌突起6の幅Wが広い場合において、比較例2のようにガス撹拌突起6の高さHを対向する触媒エレメント1に接触するほど高くした場合、反応速度は向上するものの圧力損失の上昇度が大きくなり過ぎている。一方、比較例3のようにガス撹拌突起6の高さHが低い場合や比較例5のようにガス撹拌突起6の設置間隔Dが広すぎる場合は、流路内のガスの撹拌効果が小さいため、反応速度の向上は見られない。
また、比較例4は、流路断面積Aに対してガス撹拌突起6の投影面積Sの占める割合が実施例2とほぼ同じであるにもかかわらず、実施例2よりも低い反応速度である。これは、比較例4の場合、流路内のガスがガス撹拌突起6の両脇をすり抜けてしまっているためと思われる。これに対して、実施例2の場合は、ガス撹拌突起6の幅Wが広く、なおかつガス撹拌突起6と対向する触媒エレメント1との間に適度な空間があるため、金属枠4の枠面4a、4b近傍を流れるガスが対向する触媒エレメント1に向かって移動する流れができることにより、排ガスと触媒エレメント1との接触反応が効率よく進行していると考えられる。
以上、本発明を一実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の主旨の範囲で変形又は変更された形態で実施することが可能であることは、当業者にあっては明白なことである。そのような変形又は変更された形態が本願の特許請求の範囲に属することは言うまでもない。
特に、本発明によれば、同一触媒量(同一触媒体積)での脱硝性能を高くできるため、触媒使用量の低減が可能である。また、実機の排ガス条件に応じて、金属枠に設置するガス撹拌突起の設置条件を自由に設定することが可能であるため、広範の排ガス条件に対応することが可能である。
また、板状の触媒エレメントを積層して形成する触媒ユニットであれば、浄化対象の有害物が異なる全ての触媒ユニットに適用可能である。特に、触媒エレメントの積層ピッチが大きい触媒ユニットの場合、触媒反応の低いガス流路の占める割合が大きいため、本発明の適用効果は大きい。
上述したように、本発明は、触媒ユニットの通風損失の上昇を低く維持しながらも、脱硝反応活性の高くすることができる。
1 触媒エレメント
2 スペーサ
2a 山状の突起
2b 谷状の突起
3 平坦面
4 金属枠
4a 上部枠面
4b 下部枠面
5 触媒ユニット
6 ガス撹拌突起
7 触媒ユニット
8 被処理ガス流入方向

Claims (6)

  1. 板状触媒の両面に線条突起からなる複数のスペーサを有する触媒エレメントと、両端にガス流入口とガス流出口の開口を有する断面矩形の金属枠とを備え、前記触媒エレメントが前記金属枠の上部から底部にわたって前記スペーサの線条方向をガス流れ方向に位置し、かつ複数枚が層状に重ねて収容され、前記スペーサは、一方の面に突出する山状の突起と、該山状の突起に連続して位置されて他方の面に突出する谷状の突起の一対からなり、上下に隣り合う前記触媒エレメントは、互いに前記スペーサが相手側の平坦面の中央部分に位置して形成されている排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記金属枠の上部と底部の枠面に、該枠面に対向する前記触媒エレメント側に突出する線条突起からなるガス撹拌突起を有し、該ガス撹拌突起は、前記触媒エレメントの前記スペーサの伸長方向と交差する方向に伸長していることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
  2. 請求項1に記載の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記ガス撹拌突起は、前記触媒エレメントの隣り合う2つの前記スペーサ間の平坦面に対向して位置していることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
  3. 請求項に記載の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記触媒エレメントの層間隔Pは、4[mm]〜10[mm]の範囲から選択される値であり、
    前記ガス撹拌突起の高さHは、H/Pの比の値が1/3〜2/3の範囲に設定されることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
  4. 請求項に記載の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記ガス撹拌突起は、ガス流れ方向に複数設けられ、その設置間隔Dは20[mm]〜50[mm]の範囲から選択される値に設定されることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
  5. 請求項に記載の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記金属枠は、1[mm]〜2[mm]厚さの圧延鋼板で形成されてなることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
  6. 請求項に記載の排ガス浄化用触媒ユニットにおいて、
    前記金属枠の枠面と対向する前記触媒エレメントの隣り合う前記スペーサと平坦面とに囲まれるガス流路に位置する前記ガス撹拌突起の高さHは、当該ガス流路の断面積をAとし、前記ガス撹拌突起のガス流れ方向から見た投影面積をSとしたとき、S/Aの割合が20%〜60%の範囲から選択される値に設定されることを特徴とする排ガス浄化用触媒ユニット。
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