JP6978359B2 - 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インジェクション流路を備えた密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置に関する。
従来、密閉型圧縮機において、冷却を目的として、圧縮機構部のシリンダ室に冷凍サイクル内の中間圧の液冷媒を導くインジェクション流路を備える場合がある。この中間圧の液冷媒は、シリンダ室で蒸発し、シリンダ室から吐出される吐出冷媒の温度を低下させる。
さらに、このような密閉型圧縮機は、シリンダ室からインジェクション流路へ圧縮された冷媒が逆流することによる圧縮損失を低減するために、インジェクション流路の途中に、逆止弁を備えたものが特許文献1および特許文献2に開示されている。
実開62−173585号公報 特許5760836号公報
特許文献1は球状の弁体を用い、特許文献2はスライド弁を用いるものである。逆止弁がインジェクション流路を開閉するときに、逆止弁が摺動することで、逆止弁や逆止弁が接触する部分が摩耗してシール性が劣り、冷媒の漏れ損失が生じる恐れがある。そのため、圧縮機も長期的な信頼性に課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、逆止弁と逆止弁の接触する面の摩耗を抑制し、長期的な信頼性を図ることのできる圧縮機を提供することである。
上記課題を達成するために、実施形態の密閉型圧縮機は、密閉ケース内に電動機部と圧縮機構部を収容する。圧縮機構部は、シリンダ室を有する複数のシリンダと、シリンダの間に、一方のシリンダのシリンダ室を閉塞する閉塞部材と、閉塞部材に重ねられ、他方のシリンダのシリンダ室を閉塞する端板と、シリンダ室内を偏心回転するとともに、シリンダ室に流入した冷媒を圧縮するローラと、シリンダ室内に液冷媒を供給するインジェクション流路と、を有する。インジェクション流路は、閉塞部材に設けられ一端がシリンダ室に開口し、他端が端板側に開口する注入路と、閉塞部材と端板との間に形成され、注入路と連通する連通路と、閉塞部材あるいは端板のどちらか一方に設けられ、一端側が連通路に回転軸の軸方向から開口し、他端に密閉ケース外部に連通するインジェクション導入管が接続される導入路と、導入路の連通路側開口部を開閉し、シリンダ室から導入路への冷媒の流れを阻止する逆止弁とから構成される。前記逆止弁の弁体と前記逆止弁の弁体に接触する接触面の少なくとも一方に、固体潤滑膜が設けられている。
第1の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図及び冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図である。 同実施形態に係る圧縮機構部の横断面図である。 同実施形態に係る逆止弁が閉じているときのインジェクション流路の縦断面図である。 同実施形態に係る逆止弁が開いているときのインジェクション回路の縦断面図である。 第2の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図及び冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図である。 同実施形態に係る逆止弁が閉じているときのインジェクション流路の縦断面図である。 図6のC−C断面で、矢印の方向に見た逆止弁の平面図である。 同実施形態に係る逆止弁が開いているときのインジェクション流路の縦断面図である。 図8のC−C断面で、矢印の方向に見た逆止弁の平面図である。
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の密閉型圧縮機2について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、密閉型圧縮機2の縦断面図及び冷凍サイクル装置1の冷凍サイクル構成図である。
まず、冷凍サイクル1を説明する。冷凍サイクル1は、密閉型圧縮機2(以下、圧縮機という。)と、放熱器である凝縮器3と、膨張装置4と、吸熱器である蒸発器5と、圧縮機2に取り付けられるアキュームレータ6が冷媒配管で順に接続される。圧縮機2はガス冷媒を圧縮し、凝縮器3は圧縮機2から吐出されるガス冷媒を凝縮して液冷媒にする。膨張装置4は冷媒を減圧する減圧器である。蒸発器5は液冷媒を蒸発してガス冷媒にする。アキュームレータ6はガス冷媒と液冷媒とを分離し、ガス冷媒を圧縮機2に供給する。第1の実施形態の冷凍サイクル1では、凝縮器3を通った液冷媒を圧縮機2へ導くためのインジェクション管7が設けられ、圧縮機2に備えられるインジェクション流路40と連通する。
圧縮機2は密閉ケース10と、密閉ケース10の上部側に設けられた電動機部14と下部側に設けられた圧縮機構部17を備えている。電動機部14は、密閉ケース10内に固定されたステータ(固定子)15と、回転軸12に固定されたロータ(回転子)16を有する。回転軸12には電動機部14の反対側に偏心部13が設けられ、偏心部13に対応する位置に圧縮機構部17が備えられる。したがって、電動機部14と圧縮機構部17は回転軸12で連結されている。
圧縮機構部17は密閉ケース10に固定されたシリンダ18を有する。シリンダ18の内側にはシリンダ室19が形成される。シリンダ18の上下に主軸受25と、閉塞部材である副軸受26とが配置される。主軸受25のフランジ部25fには、この周囲を囲む中空のケースで、マフラ室28を形成するマフラ27が取り付けられている。
シリンダ室19内には回転軸12の偏心部13が位置し、偏心部13にはローラ22が回転自在に嵌合されている。ローラ22は回転軸12の回転時に外周壁をシリンダ18の内周面に油膜を介して線接触させながら偏心回転するように配置されている。シリンダ18には、ブレード溝24が形成されている。ブレード溝24内には往復動しながら、図2に示すように先端部をローラ22の外周壁に当接させる方向に押圧されるブレード23が収容されている。ブレード23はシリンダ室19を2つの空間19a,19bに仕切っている。
さらに、シリンダ18には、アキュームレータ6から供給されるガス冷媒をシリンダ室19に導く吸込みポート20が形成され、ブレード23によって仕切られた空間のうち、吸込みポート20が位置する方を吸込み室19a、他方を圧縮室19bという。すなわち、図2に示すように、平面方向にローラ22は反時計回りに回転する。このとき吸込みポート20はブレード23の左側に設けられ、シリンダ室19の左側が吸込み室19a、右側が圧縮室19bとなる。
また、主軸受25には図示しない吐出ポートと、この吐出ポートを開閉する吐出弁が設けられている。シリンダ室19の冷媒が圧縮されて圧力が上昇すると吐出弁が開放し、吐出ポートを通ってシリンダ室19内の冷媒がマフラ室28へ吐出される。さらに、冷媒はマフラ室28から密閉ケース10内に吐出され、密閉ケース10内に吐出された圧縮冷媒は吐出管11を通って圧縮機2外部へ吐出される。
次にインジェクション管7及びインジェクション流路40について説明する。前述したように、第1の実施形態のインジェクション管7は、冷凍サイクル1の凝縮器4で凝縮された液冷媒を圧縮機2に導く。インジェクション管7を通った液冷媒は、インジェクション流路40に流入し、シリンダ室19に注入される。
図1及び図4に示すように、インジェクション流路40は、注入路41と、連通路42と、導入路49と、インジェクション導入管70と、連通路42に設けられる逆止弁44で構成されている。それぞれの流路41,42,49は、シリンダ室19の下側を閉塞する副軸受26と、副軸受26のフランジ部26fの下側に重ね、締結ボルト31によって固定される端板30に設けられている。また、インジェクション管7には、凝縮器4の下流側から導かれる冷媒の圧力を減圧するとともに、インジェクション流量を調整する調整弁8が設けられている。
注入路41は副軸受26に設けられ、シリンダ室19に開口する第1の開口部51と端板30側に開口する第2の開口部52を有している。シリンダ室19に中間圧の液冷媒を注入する第1の開口部51は、図2に示すように、シリンダ室19に備えられているローラ22の下面により開閉される位置に設けられている。
連通路42は端板30と副軸受26によって形成される。端板30の上端面に溝部43を設け、端板30と副軸受26を重ねることで溝部43が連通路42となる。連通路42は注入路41の第2の開口部52によって注入路41と連通している。
導入路49は副軸受26の径方向に水平に設けられ、一端側に連通路42に軸方向に開口する第3の開口部53を有しているとともに、他端54は副軸受26の外周面に開口している。導入路49の他端54には密閉ケース10の外部に連通するインジェクション導入管70が接続されており、インジェクション導入管70には、密閉ケース10の外部でインジェクション管7が接続されている。導入路49の第3の開口部53の断面積は注入路41の第1の開口部51の断面積よりも大きく形成される。
逆止弁44は導入路49の第3の開口部53を連通路42側から開閉する。第1の実施形態の逆止弁44は、フリー弁であり、円板状の弁体46aとこの弁体46aを付勢するばね46bとからなる。逆止弁44の副軸受26に接する弁座面45aは、副軸受26と端板30の接合面と同一平面上に位置している。逆止弁44の弁体46aはばね46bによって第3の開口部53を塞ぐ方向に押圧されている。図3は逆止弁44が導入路49の第3の開口部53を閉じているときのインジェクション流路40を示し、図4は逆止弁44が第3の開口部53を開いているときのインジェクション流路40を示している。
逆止弁44は導入路49と連通路42の差圧により導入路49の第3の開口部53を開閉する。連通路42はシリンダ室19と注入路41を介して連通している。つまり、圧縮室19bの圧力が導入路49の圧力よりも大きいとき、逆止弁44は導入路49の第3の開口部53を閉じ、圧縮室19bの圧力が導入路49の圧力よりも小さいとき、逆止弁44は導入路49側の冷媒圧力により押し出されて導入路49の第3の開口部53を開く。
端板30側に逆止弁44が位置しているとき、逆止弁44の弁体46aは弁座45や端板30の溝部43の内周面の一部に繰り返し接触する。第1の実施形態では、弁座45と端板30の溝部43の内周面の一部43aを接触面Tと呼び、この接触面Tに固体潤滑膜が設けられている。図3および図4に処理面Fとして示す。接触面Tは逆止弁44の弁体46aに比べ硬度が低く、摩耗しやすい。接触面Tの摩耗を抑制するために接触面Tに固体潤滑膜を設けた。なお、これ以外にも逆止弁44の弁体46aに接触する面に固体潤滑膜を設けても良い。固体潤滑膜を逆止弁44の弁体46aに設けたものであっても部品同士の耐摩耗性や馴染み性は向上するため、同様の効果を得ることができる。
第1の実施形態では固体潤滑剤として、表面にリン酸マンガン微粒子を吸着させた表面調整後に、化成処理を行いリン酸マンガン処理膜が形成されている。これにより接触面T(処理面F)に逆止弁44の弁体46aが接触することで、初期当たりによる摩耗を抑制され、さらに部品同士の馴染み性が向上するため長期的な形状変化を抑えることができる。
固体潤滑剤はリン酸マンガンの他に二硫化モリブデン、PTFEなどのフッ素樹脂、グラファイトを用いても良い。
このような構成において、圧縮機2の電動機部14に通電することによりロータ16が回転する。その回転に伴って、回転軸12を介して圧縮機構部17が駆動される。圧縮機構部17が駆動されるとアキュームレータ6で分離したガス冷媒がシリンダ室19の吸込み室19aに吸い込まれる。シリンダ室19内のローラ22の回転により、ローラ22が吸込みポート20の位置を通り過ぎると同時にシリンダ18に形成される注入路41の第1の開口部51が開口される。吸込みポート20から吸込まれたガス冷媒は、ローラ22が回転することによって圧縮されるとともに、ローラ22の回転により開閉される注入路41の第1の開口部51から中間圧の液冷媒が圧縮室19bに注入され、圧縮室19bで蒸発して圧縮室19b内の冷媒を冷却し、吸込みポート20から吸込まれた冷媒と一緒に吐出ポートから吐出される。吐出ポートから吐出された冷媒は、マフラ室28を通って圧縮機2外部に吐出され、凝縮器3で凝縮された冷媒が分岐したインジェクション管7を通って圧縮機2に導かれる。
インジェクション管7から導かれた液冷媒は、圧縮機2において、まずインジェクション流路40のインジェクション導入管70を介し、導入路49に流入する。次に導入路49の第3の開口部53に向かって流れるが、導入路49の第3の開口部53は通常、逆止弁44により閉口している。導入路49の圧力がシリンダ室19内の圧力よりも大きくなるとき、逆止弁44が連通路42側に押圧されて導入路49の第3の開口部53が開口されると、液冷媒が連通路42に流入する。再び導入路49の圧力がシリンダ室19の圧力よりも小さくなると、逆止弁44が第3の開口部53を閉口する。
連通路42に流入した液冷媒は注入路41の第2の開口部52を通って注入路41に流入する。注入路41に流入された液冷媒は、前述したとおり、シリンダ室19内を回転するローラ22の下面により開閉する注入路41の第1の開口部51が開口したとき、シリンダ室19へ注入される。
第1の実施形態のインジェクション流路40は、副軸受26に注入路41と導入路49を備え、端板30に連通路42を備える構成としたが、副軸受26と端板30とを組み合わせて連通路42が形成され、導入路49の第3の開口部53を軸方向に開口し、連通路42に備えた逆止弁44の弁座面45aが副軸受26と端板30の接合面と同一面であれば良い。例えば、副軸受26のフランジ部26fに溝部43を設け、端板30を固定して連通路42を形成する。この場合、導入路49を端板30に形成すれば、第3の開口部53は軸方向に開口し、逆止弁44の弁座面45aは、端板30の副軸受26との接合面と同一面で、第3の開口部53の上側から開閉することができる。
第1の実施形態の圧縮機2によれば、インジェクション流路40は、インジェクション導入管70と、導入路49と、連通路42及び注入路41から形成される。これらの流路が副軸受26と端板30に設けられ、さらに導入路49と注入路41を連通路42で連絡する構造としたため、導入路49と注入路41の連通位置について設計自由度を高めることができる。
導入路49と注入路41について、導入路49の第3の開口部53の断面積を注入路41の第1の開口部51の断面積よりも大きく形成する。液冷媒の導入路49側の流量を大きくして、シリンダ室19に注入されやすくなる。また、導入路49の第3の開口部53の断面を大きくすることで、液冷媒の逆止弁44による流路抵抗を小さくするため、流路損失を低減することができる。よって、冷却能力が向上し、信頼性の高い圧縮機となる。
さらに、シリンダ室19からの圧縮冷媒の逆流を防ぐ逆止弁44が、導入路49の第3の開口部53を開閉するように、連通路42に軸方向に備えられるので、確実に逆流を防ぐことができ、流路損失を低減できる。
また、連通路42を形成するために副軸受26に端板30を固定する構造としたが、その接合面にはシールが必要であるため、面粗さが小さく、高精度に形成されている。この接合面に逆止弁44の弁座面45aを設ければ、シール性を高めることができる。さらに、副軸受26と端板30が位置決め固定されるため、端板30に逆止弁44の弁体46aの動きを規制するばね46bを設けることにより、弁体46aが開閉面からずれることを防止できる。
逆止弁44の弁体46aは、導入路49の第3の開口部53を塞ぐ方向にばね46bにより押圧付勢される。このばね46bによって、シリンダ室19から導入路49への逆流を確実に阻止することができる。さらに、弁座45に図示しないガイド壁を設けても良い。このガイド壁は、導入路49の第3の開口部53から逆止弁44のずれを防ぐことができる。このとき、ガイド壁は逆止弁44の弁体46aが接触する接触面Tであり、固体潤滑膜を設けても良い。
逆止弁44の弁体46aと接触面Tの少なくとも一方に固体潤滑膜を設けているため、逆止弁44が第3の開口部53を開閉するとき、逆止弁44の弁体46aが弁座45や逆止弁44が設けられる端板30の溝部43の内周面などへの初期当たりによる摩耗を抑制する。さらに部品同士の馴染み性が向上するため、逆止弁44の弁座面45aのシール性を保ち、冷媒の漏れ損失を抑制できるので、長期的な信頼性を確保し、高品質な圧縮機2とすることができる。
第1の実施形態では、接触面Tに固体潤滑膜を設けたものとしたが、逆止弁44の弁体46aに固体潤滑膜を設けたものや、弁体46aと接触面Tの両方に固体潤滑膜を設けたものであっても良く、つまり、逆止弁44の弁体46aと接触面Tの少なくとも一方に固体潤滑膜を設ける。
また、前述したとおり、接触面Tは逆止弁44の弁体46aに比べ硬度が低く摩耗しやすいため、接触面Tに固体潤滑剤を塗布する前に、硬質処理を施して硬質処理膜を設けることにより、部品の耐摩耗性が向上して長期的な形状変化を防ぎ、冷媒の漏れ損失を低減することができる。硬質処理膜としては、例えば窒化処理膜を設け、このときの硬度は900HV0.1以上が望ましい。窒化処理は形状によらず広範囲な処理が可能であり、さらにコストを抑えることができる。
硬質処理は窒化処理のほかにDLC処理、ショットブラスト処理、熱処理等でも良い。それぞれの皮膜の硬度は、DLC処理は1500HV0.025以上、ショットブラスト処理は550HV0.5以上が望ましい。熱処理は高周波焼き入れを施し、硬さはHRC40以上が望ましい。熱処理の場合、硬質処理による寸法変化を抑えることができ、部品精度を高めることができる。
その他には、硬質処理膜のみを逆止弁および接触面Tの少なくとも一方に設けたものであっても、部品の耐摩耗性が向上して長期的な形状変化を防ぎ、冷媒の漏れ損失を低減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の圧縮機2について図5乃至図9に基いて説明する。第1の実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
第2の実施形態の圧縮機2は、圧縮機構部17に2つのシリンダ18A,18Bを有し、下側にAシリンダ18Aが位置し、上側にBシリンダ18Bが位置している。2つのシリンダ18A,18Bの間には、2つのシリンダ18A,18Bを仕切り、Aシリンダ18Aのシリンダ室19Aと、Bシリンダ18Bのシリンダ室19Bとを閉塞する仕切り板32が設けられている。仕切り板32は、2つの仕切り板部材32A,32Bを重ねて形成されている。
第2の実施形態の圧縮機2は、インジェクション流路40を仕切り板32に設ける。つまり、仕切り板32は、Bシリンダ18Bのシリンダ室19Bを閉塞する閉塞部材と、Aシリンダ18Aのシリンダ室19Aを閉塞する端板として機能する。
図6及び図8に示すように、仕切り板部材32Bにシリンダ室19Bに液冷媒を注入する注入路41が設けられ、仕切り板部材32Aにシリンダ室19Aに液冷媒を注入する補助注入路50が設けられる。注入路41はBシリンダ18Bのシリンダ室19Bに開口する第1の開口部51と、連通路42に開口する第2の開口部52と、を形成する。補助注入路50の一端はAシリンダ18Aのシリンダ室19Aに開口する第5開口部を形成し、他端は連通路42に開口している。連通路42は仕切り板部材32Bに設けられた溝部43と仕切り板部材32Aの端面を重ねて形成される。導入路49は仕切り板部材32Aに径方向に水平に設けられ、一端側に連通路42に軸方向に開口する導入路42の第3の開口部53を有し、他端54は仕切り板部材32Aの外周面に開口している。導入路49の他端54には密閉ケース10の外部に連通するインジェクション導入管70が接続されており、インジェクション導入管70には、密閉ケース10の外部でインジェクション管7が接続されている。
第2実施形態の圧縮機2では、導入路49の第3の開口部53に対して上側に連通路4が形成される。導入路49の第3の開口部53を開閉する逆止弁44を連通路42側に設ける。第2の実施形態の逆止弁44は重力で弁座45に接触し、導入路49の第3の開口部53を閉口する。導入路49の圧力が大きくなると、逆止弁44が持ちあげられ、導入路49の第3の開口部53が開口する。したがって、ばね46b等の付勢部材を省略した弁体46aのみの逆止弁44とすることができる。ただし、この第2実施形態の場合であっても、逆止弁44の動作を確実にするために、ばね46b等の付勢部材を設けても良い。また、逆止弁44を導入路49の第3の開口部53の位置からずれないようにガイドするガイド壁47が形成される。ガイド壁47の上部に逆止弁44が貼りつかないようにガイド壁47の深さを連通路42の深さより浅くした、逆止弁背圧部48を設けている。
逆止弁44が接触する接触面Tにリン酸マンガン膜等の固体潤滑膜が設けられている。図6乃至図9に処理面Fを示す。第2の実施形態の圧縮機2では、逆止弁44が第3の開口部53を開閉するとき、逆止弁44は仕切り板部材32A側の弁座45と逆止弁44の位置ずれを防ぐガイド壁47に接触する。したがって、接触面Tは弁座45とガイド壁47であり、これに固体潤滑膜を弁座45とガイド壁47に設ける。
また、第1の実施形態と同様に、固体潤滑膜を逆止弁44にも設けても良く、逆止弁44と接触面Tのどちらか一方に設けても良い。
さらに、固体潤滑膜の下に窒化処理膜等の硬質処理膜を設けることで、部品の摩耗をより抑えることができる。
このような構成において、インジェクション管7を流れる液冷媒は、第1の実施形態と同様にして、インジェクション導入管70、導入路49、連通路42、注入路41、補助注入路50を通って、各シリンダ室19A,19Bに注入される。このとき、逆止弁44は導入路49の圧力と、重力及びシリンダ18A,18Bの合計圧力の差によって導入路49の第3の開口部53を開閉する。
図7は図6のC−C断面で、矢印の方向に見た逆止弁44の平面図である。同様に、図9は図8のC−C断面で、矢印の方向に見た逆止弁44の平面図である。また、逆止弁44が導入路49の第3の開口部53をずれることなく閉口するようにガイドするためのガイド壁47が仕切り板部材32Bに形成されている。図9に示すように、このガイド壁47は逆止弁44よりもわずかに大径に形成される。
第2実施形態の圧縮機2によれば、2つのシリンダ18A,18Bを有するロータリ圧縮機であっても、2つの仕切り板部材32A,32Bからなる仕切り板32にインジェクション流路40を形成することにより、各シリンダ室19A,19Bに液冷媒を供給することができる。
インジェクション流路40に流入した液冷媒が、注入路41と補助注入路50とに分岐する前の導入路49の第3の開口部53に逆止弁44を備えるため、1つの逆止弁44で各シリンダ室19A,19Bからの逆流を阻止できる。
上記のようなインジェクション流路40であっても、インジェクション流路40内に設けた逆止弁44と接触面Tの少なくとも一方に固体潤滑膜および硬質処理膜を設けることにより、第3の開口部53での冷媒漏れを抑制し、長期的な信頼性の高い圧縮機2とすることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態の圧縮機2によれば、液冷媒を圧縮機構部17のシリンダ室19に導くインジェクション流路40が、インジェクション導入管と、導入路49と、注入路41と、導入路49と、注入路41を連絡する連通路42から構成される。連通路42は閉塞部材26,32Aと端板30,32Bの2つの部材を組み合わせて形成され、導入路49は閉塞部材26,32Aまたは端板30,32Bのどちらかに形成することができ、導入路49と注入路41の連通位置について設計自由度を高めることが可能となる。連通路42に備えられる逆止弁44は、回転軸12の軸方向に開口する導入路49の第3の開口部53を開閉し、弁座45は面粗さが小さく高精度に形成された閉塞部材26,32Aと端板30,32Bと同一面に設けられているため、弁座面45aのシール性を高めることができる。したがって、逆止弁44からの冷媒の逆流を防止することができる。
逆止弁44と、逆止弁44が第3の開口部53を開閉するために動作するときに接触する面の少なくとも一方に硬質処理膜を設けているため、逆止弁44や接触面Tが摩耗することを抑えることができる。したがって、逆止弁44の弁座面45aのシール性を保ち、冷媒の漏れ損失を抑制することができる。
さらに、第1の実施形態の逆止弁44にばね46bを備えた構成や、第2の実施形態のガイド壁47を備えた構成とすることにより、逆止弁44が精度良く開閉動作を行うことができる。
また、導入路49と注入路41について、導入路49の第3の開口部53の断面積を注入路41の第1の開口部51の断面積よりも大きく形成する。これにより導入路49側の流量を大きくすることで、インジェクション流路40を流れる冷媒がシリンダ室19に注入されやすくなる。また、導入路49の第3の開口部53の断面を大きくすることで、液冷媒の逆止弁44による流路抵抗を小さくするため、流路損失を低減することができる。以上のような構成とすることで、冷却能力が向上し、信頼性の高い圧縮機2を提供することができる。
実施形態の圧縮機2は複数のシリンダ19を有する場合でも適用でき、軸方向に2つの仕切り板部材32A,32Bを重ねて、それぞれにインジェクション流路40を設ける構成である。このような構造とすることで、1つの逆止弁44で複数のシリンダ室19からの逆流を阻止できるため、構造を簡素化した製造性が高く、低コストの圧縮機2とすることができる。
また、実施形態の圧縮機2は、ブレード23とローラ22を用いたロータリ圧縮機としたが、ブレード23とロータ22が一体となったスイング式の圧縮機に実施形態のインジェクション流路40を形成した場合にも同等の効果が得られる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…冷凍サイクル装置、2…圧縮機、3…凝縮器、4…膨張装置、5…蒸発器、6…アキュームレータ、7…インジェクション管、10…密閉ケース、12…回転軸、14…電動機部、17…圧縮機構部、18…シリンダ、19…シリンダ室、22…ローラ、23…ブレード、25…主軸受、26…副軸受、30…端板、32…仕切り板、32A,32B…仕切り板部材、40…インジェクション流路、41…注入路、42…連通路、44…逆止弁、46a…弁体、46b…ばね、47…ガイド壁、49…導入路、50…仕切り板流路、51…第1の開口部、52…第2の開口部、53…第3の開口部、54…導入路の他端

Claims (7)

  1. 密閉ケース内に電動機部と圧縮機構部を収容し、
    前記圧縮機構部は、前記電動機部により偏心部を有する回転軸を介して駆動されるとともに、
    シリンダ室を有する複数のシリンダと、
    前記複数のシリンダの間に、一方のシリンダの前記シリンダ室を閉塞する閉塞部材と、
    前記閉塞部材に重ねられ、他方のシリンダの前記シリンダ室を閉塞する端板と、
    前記シリンダ室内を偏心回転するとともに、前記シリンダ室に流入した冷媒を圧縮するローラと、
    前記シリンダ室内に冷媒を供給するインジェクション流路と、を有し、
    前記インジェクション流路は、前記閉塞部材に設けられ一端が前記シリンダ室に開口し、
    他端が前記端板側に開口する注入路と、
    前記閉塞部材と前記端板との間に形成され、前記注入路と連通する連通路と、
    前記閉塞部材あるいは前記端板のどちらか一方に設けられ、一端側が前記連通路に前記回転軸の軸方向から開口し、他端に前記密閉ケース外部に連通するインジェクション導入管が接続される導入路と、
    前記導入路の連通路側開口部を開閉し、前記シリンダ室から前記導入路への冷媒の流れを阻止する逆止弁と、から構成され、
    前記逆止弁の弁体と前記弁体に接触する接触面の少なくとも一方に、固体潤滑膜が設けられている密閉型圧縮機。
  2. 前記弁体が円板状であるとともに、前記連通路に前記逆止弁が前記導入路の連通路側開口 部を塞ぐとき、前記逆止弁が前記連通路側開口部の位置からずれないようにガイドするガ イド壁が形成され、
    前記弁体との接触面である前記ガイド壁に固体潤滑膜が設けられている請求項1に記載の 密閉型圧縮機。
  3. 前記逆止弁と前記逆止弁に接触する接触面の少なくとも一方に硬質膜が設けられている請 求項1乃至請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記硬質膜は窒化処理膜である請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記固体潤滑膜がリン酸マンガン処理膜である請求項1乃至請求項4に記載の密閉型圧縮 機。
  6. 前記端板に、一端が前記他方のシリンダの前記シリンダ室に開口し、他端が前記連通路に開口する補助注入路を設けた請求項1乃至5に記載の密閉型圧縮機。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の密閉型圧縮機と、前記密閉型圧縮機に接続される放熱器と、前記放熱器に接続される膨張装置と、前記膨張装置と前記密閉型圧縮機の間 に接続される吸熱器を備える冷凍サイクル装置。
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