JP6977530B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に、記録シートに転写されたトナー像の定着を実行するにあたって、定着条件を設定する技術の改良に関する。
タンデム型のカラー画像形成装置は、複数の感光体ドラム、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)色といったトナー色毎の1次転写体、中間転写体、2次転写体、定着装置を含み、静電潜像の形成やトナー粒子の供給による顕像化を、Y、M、C、K色のそれぞれについて行う。そして、Y、M、C、K色のそれぞれについての1次転写体は、顕像化によって各感光体ドラムに得られたトナー像を中間転写体に多重転写する。
かかる多重転写にあたって、Y、M、C、K色のそれぞれについての1次転写体は、画像における画素の1の色のトナー粒子が、同じ画素の別の色のトナー粒子と重なり合うよう、又は、同じ画素の別の色のトナー粒子と隣り合うよう転写位置の位置合わせを高精度に実行する。各色のトナーの位置がずれると、トナー像は、本来の画像の階調を再現し得ないからである。
2次転写体は、多重転写されたトナー像を一括して、記録シートに2次的に転写する。こうして、Y、M、C、K色のトナー粒子が重なりあったトナー層は、相応の厚みを有する。トナー層に厚みが生じると、トナー粒子の溶融に必要となる熱量、及び、荷重が増加するので、従来の画像形成装置は、カラーモードの印刷の実行にあたって、モノクロモードよりも、記録シートに印加する熱量、及び、記録シートに印加する荷重を高くするとの定着条件を設定する。そうした定着条件に従い、定着動作を実行し、カラー画像の定着性を向上させる。
特開2004-93819号公報
ところで、トナー像の2次転写にあたって、転写先となる記録シートの転写性が低下することがある。この場合、記録シートの表面で隣り合うよう、位置合わせがなされたトナー粒子の一部が、記録シートの本来あるべき位置に転写されず、トナー粒子の間に隙間が発生してしまう。例えば、図17(a)に示すように、トナー粒子Pa3、Pa4間に、隙間gap1が生じた状態のトナー像に対し、上記カラーモードのための定着条件による定着を実行した場合、そうした隙間にあたる箇所のまわりにあるトナー粒子Pa3、Pa4を充分に圧延することができない。図17(b)に示すように、トナー粒子の圧延が不充分であったため、トナー層が薄くなった部分dent1からは、記録シートの下地が露出し、光沢ムラをもたらす。
ここで、上記隙間にあたる箇所を埋めるまで、上記カラーモードのための通常の定着条件よりも、熱量又は荷重の印加量を高めた内容の定着条件を使用することも考えられる。その他、熱量や荷重の伝達を充分に行うべく、通紙速度を遅く定める内容の定着条件を設定することも考えられる。しかし、記録シートの下地の露出をなくすため、熱量又は荷重の印加量を高めた内容の定着条件による定着を実行すべきケースは、上記図17(a)に示すケースに限られる。
上述したように、記録シート上でトナー粒子が重なり合うよう、転写位置の位置決めがなされていた場合、カラーモードの通常の定着条件による定着を実行すれば足りる。つまり、図17(c)に示すように、トナー像を構成するトナー粒子Pa1、Pa2、Pa3、Pa4・・・、Pa11、Pa12、Pa13、Pa14・・・が、記録シート上で互いに重なり合う場合、カラーモードの通常の定着条件による定着を実行することで、隙間gap2の周囲において、図17(d)に示すように、2層目にあるトナー粒子が延伸されて、当該隙間に入り込み、隙間を埋めるので、光沢性の問題は生じ難い。
また、トナー粒子は重なり合わないものの、単位面積当たりのトナー粒子の濃度が低く、記録シートの下地の色を用いて画像の濃淡を表現している場合も、カラーモードの通常の定着条件による定着を実行すれば足りる。図17(e)に示すように、間隔を空けて配置されたトナー粒子Pa2、Pa3の間に、隙間gap3が発生し、図17(f)に示すように、隙間gap3にあたる箇所で、トナー層が薄くなったとしても、その薄くなった部分は、ハーフトーン画像の淡い部分として視認され得るからである。
図17(c)や図17(e)に示すように、光沢ムラが問題にならないケースにおいて、通常のカラーモードの定着条件よりも、熱量や荷重の印加量を高く設定した定着条件に基づき、記録シートの定着を実行しようとすると、記録シートに印加される圧力、熱量が過剰になり、定着部材の耐久性低下や省エネ性能の低下をもたらすという問題がある。また、熱量や荷重の伝達を充分に行うべく、記録シートの通紙速度を低下させるとの内容の定着条件を設定した場合、画像形成装置の生産性を大きく低下させるという問題がある。
本発明の目的は、定着部材の耐久性や省エネ性を担保しつつも、光沢ムラの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決することができる画像形成装置は、記録シートに転写されたトナー像の定着を、第1の定着条件に基づき実行する装置であり、対象画像を色分解して得る各色のビットパターンに基づき、各色のビットパターンを合成する際の単位面積当たりのドット総数が、所定の閾値を上回る高濃度領域を、対象画像を細分化した部分領域の中から特定する特定手段と、前記特定された高濃度領域における各色毎のドット配置が、1の色のドットがある位置に、他の全ての色のドットが存在しないという位置関係を有するかどうかを、前記高濃度領域における色毎のビットパターンに基づき判定する判定手段と、前記特定手段により特定された高濃度領域が、前記位置関係を有する場合、前記第1の定着条件よりも記録シートに印加すべき荷重及び記録シートに印加すべき熱量の何れか一方、又は、双方を高めた第2の定着条件を、前記第1の定着条件に代えて当該高濃度領域を対象として設定する定着条件設定手段とを備えることを特徴とする。
ここでドットの色が黒色である場合、追加的な処理を実行してもよい。つまり、前記位置関係を有すると判定された高濃度領域における前記ドットの色が黒色である場合、黒色以外の色が1の色であると判定された場合よりも、前記記録シートに印加すべき荷重及び記録シートに印加すべき熱量の何れか一方を高くしてもよい。
前記画像形成装置は、平滑度に関連する構成要素を具備していてもよい。具体的にいうと、複数の記録シートを対象とした、印刷ジョブを実行する場合、各記録シートが、所定の閾値を上回る平滑度を有しているかどうかの検知を行う検知手段と、所定の閾値を下回る平滑度をもつ記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
所定の閾値を上回る平滑度をもつ記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段とを備えることが望ましい。
前記画像形成装置は、湿度に関連する構成要素を具備していてもよい。具体的にいうと、画像形成装置内部の湿度が、所定の閾値を上回るかどうかの検知を行う検知手段と、
前記装置内部の湿度が所定の閾値を上回る場合、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
前記装置内部の湿度が所定の閾値を下回る場合、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段とを備えてもよい。
画像形成装置は印刷モードに関連する構成要件を具備していてもよい。具体的にいうと、複数の印刷ジョブのそれぞれを実行する場合、各印刷ジョブの印刷モードは、片面印刷モードであるか、1枚の記録シートについて第1面を印刷した後、第2面へのトナー像の転写、定着を経て第2面の印刷を行う両面印刷モードであるかを検知する検知手段と、印刷モードが片面印刷モードに設定された印刷ジョブの実行時に記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
前記印刷モードが両面印刷モードに設定された印刷ジョブの実行時に記録シートの第2面に転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段とを備えていてもよい。
前記画像形成装置は、記録シートの種別に関連する構成要素を具備していてもよい。複数の記録シートを対象とした、印刷ジョブを実行する場合、各記録シートが、光沢シートかどうかの検知を行う検知手段と、
光沢シートでない記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、光沢シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段とを備えていてもよい。
本発明に係る画像形成装置において判定手段は、特定手段により特定された高濃度領域に対し、1の色のドットがある位置に、全ての他の色のドットが存在しないという位置関係を有するかどうかを見極める旨の判定を実行するので、トナー粒子が重なり合わず、高密度で隣り合う高濃度領域を、形成すべき画像の中から高精度に特定することができる。こうして特定した高濃度領域に対し、高い荷重を付加するか、又は、高い熱量を付加する内容の第2の定着条件を設定するので、ベタ画像の光沢ムラの解消を図ることができる。
トナー像のうち、前記位置関係を有すると判定された高濃度領域以外の部分は、記録シートに印加する熱量や荷重を高めない第1定着条件に従い、トナー像の定着を行えば足りるから、定着部材に高い熱量を印加する期間、高い荷重を印加する期間を、ごく短期間に留めることができる。定着部材に高い熱量を印加する期間、及び、高い荷重を印加する期間を、必要最低限の期間にしつつ、光沢ムラの解消を行うので、定着部材の耐久性を高め、また、定着部材の省エネ性を高めることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置100の主要な構成を示す図である。 定着装置109の主要な構成要素の抜き出して示す要部斜視図である。 図1に示す画像形成装置100の機能的な構成を示すブロック図である。 図4(a)は、印刷ジョブデータの個々のページ画像データにおける各画素データと、Y、M、C、K色の露光パターンとの関係を示す。図4(b)〜(d)は、画素px1、px2、px3を展開することで得られたビットパターンbp1、bp2、bp3を示す。 画像形成装置による定着制御のメインルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 露光パターンにおける矩形領域を拡大して示す図である。 ステップS5のモード設定手順の詳細を表したフローチャートである。 濃度算出回路25、及び、層数算出回路26の回路構成の一例を示す。 印刷ジョブの1ページ目のページ画像データpa1の内容を示す。 定着条件設定部28により設定された、定着条件に基づく定着制御の詳細を示すフローチャートである。 画像im1、im2、im3を含む未定着トナー像の一例を示す図である。 上部、下部に、画像im11、im12が挿入されたページ画像データpa2の内容を示す。 K色のページ画像データpa3の内容を示す。 各定着モードにおける加圧荷重、定着温度、通紙速度の具体例を示す。 図15(a)は、変形例1にかかるメインフローの改良部分を示すフローチャート、図15(b)は、変形例2にかかるメインフローの変更部分を示すフローチャート、図15(c)は、変形例3にかかるメインフローの変更部分を示すフローチャートである。 変形例4にかかる画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。 図17(a)は、トナー粒子pa1,pa2,pa3と、トナー粒子pa4,pa5,pa6との間に、隙間gap1が存在するケースを示す。図17(b)は、トナー粒子の隙間にあたる箇所に発生したトナー層のへこみdent1を示す。図17(c)は、トナー粒子が重ね合された形態を示す。図17(d)は、図17(c)のトナー粒子の層を溶融した後の状態を示す。図17(e)は、間隔を空けて配された複数のトナー粒子を示す。図17(f)は、図17(e)のトナー粒子の層を溶融した後の状態を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について説明する。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100の主要な構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置100は、主たる構成要素として、感光体ドラム102Y、M、C、K、露光装置103、現像装置104Y、M、C、K、一次転写ローラー105Y、M、C、K、中間転写ベルト106、給紙ローラー107s、搬送ローラー107c、タイミングローラー107t、2次転写ローラー108、定着装置109により構成される。以下、これらの構成要素について説明する。
露光装置103は、1ページ分の原稿画像に対応して作成されたY、M、C、K色のそれぞれに対応する露光パターンに基づき、感光体ドラム102Y、M、C、Kに露光処理を行い、感光体ドラム102Y、M、C、K上に静電潜像を形成する。
現像装置104Y、M、C、Kは、Y、M、C、K色のトナー粒子を感光体ドラム102Y、M、C、Kに供給し、静電潜像を顕像化して、Y、M、C、K色のトナー像を形成する。
1次転写ローラー105Y、M、C、Kは、感光体ドラム102Y、M、C、Kの感光面上に担持されているトナー像を中間転写ベルト106上に一次的に転写する。
給紙ローラー107sは、給紙カセットから記録シートを繰り出す。
搬送ローラー107cは、給紙カセットから繰り出された記録シートをタイミングローラー対107tに送る。
タイミングローラー107tは、Y〜K色の作像動作のタイミングに合わせて、搬送ローラー107cから搬送されて来る記録シートを2次転写ローラー108に送る。
2次転写ローラー108は、中間転写ベルト106に転写されたトナー像を、給紙ローラー107sにより搬送されてきた記録シートに二次転写する。こうした、トナー像の二次転写がなされた記録シートが、定着装置109の定着ニップによる定着の対象になる。
定着装置109は、二次転写を経た記録シートを定着ニップ12nに供することで、記録シート上で像を形作るトナーを溶融させ、記録シートに定着させる。尚、画像形成装置100のうち、定着装置109以外の部分を、“画像形成装置本体”という。
排出部110は、記録シートの搬送路を挟んで対向配置される排出ローラー110rを備え、熱定着後の記録シートを装置外部に搬送する。
[2]定着装置109の構成
次に、定着装置109の構成について説明する。図2は、定着装置109の要部斜視図である。図1、図2に示すように、定着装置109は、定着ローラー11と、圧接ローラー12と、加圧フレーム13と、コイルバネ14a、bと、ロッド15a、bと、楕円カム16a、bと、シャフト17と、定着ベルト18と、加熱ローラー19と、ハロゲンヒーター20a、bと、温度センサー21とを、保温性が高い筐体22(図1参照)に収容することで構成される。
定着ローラー11は、圧接ローラー12と接触して定着ニップ12nを形成し、画像形成装置本体の駆動モーター(図示せず)によって、中間転写ベルト106やタイミングローラー107tと併せて駆動される。
圧接ローラー12は、定着ローラー11に従動して回転する。
加圧フレーム13は、図2に示すように圧接ローラー12の両端部12e1、e2を回転可能に支持する。加圧フレーム13は、その下端部13e1、e2が、筐体22(図1参照)の側壁に固定された支持ピン13P1、P2によって矢印R1−2の向き、矢印R2−3の向きに、回動可能に支持されている。
コイルバネ14a、bは、図2に示すように一端14e1、e2が筐体22に固定され、他端14e3、e4が加圧フレーム13の上端13e3、e4のやや下側で固定されている。そうして、コイルバネ14a、bは、加圧フレーム13を矢印P1−1の方向に付勢する。こうした付勢力がはたらくことで、加圧フレーム13は、ピン13P1、P2を軸にして、矢印R1−2の向きに回転し、加圧フレーム13で支持される圧接ローラー12を、定着ベルト18を介して定着ローラー11に圧接する。
ロッド15a、bは、その基端部15e1、2が、楕円カム16a、bの周面16as、bsの先端部15e3、4が、加圧フレーム13の上端13e3、e4にそれぞれ当接している。
楕円カム16a、bは、シャフト17に一体的に軸着され、シャフト17の一端17e1は、図示しないステッピングモーターの出力軸に連結されている。ステッピングモーターにより駆動され、シャフト17及び楕円カム16a、bが、矢印R2−1の向きに回転すると、ロッドの基端部15e1、e2が楕円カム16a、bの長径端16e1、e2により押圧されてロッド15a、bが矢印P2−2の方向に移動する。この結果、加圧フレーム13は、支持ピン13P1を中心にして矢印R2−3方向に回転し、定着ローラー11から離反する向きP2−4に微動する。楕円カム16a、bが短径端部16e3、e4でロッド15a、bを押圧する状態は、圧接ローラー12が強い押圧力で定着ローラー11を押圧する状態(高圧接状態)である。楕円カム16a、bが長径端部16e1、e2でロッド15a、bを押し返す状態は、圧接ローラー12が弱い押圧力で定着ローラー11を押下する状態(軽圧接状態)である。
定着ベルト18は、定着ローラー11及び加熱ローラー19に巻きかけられる無端状のベルト部材であり、加熱ローラー19に内挿された、ハロゲンヒーター20a、bが発する熱量を定着ローラー11に伝達し、定着ローラー11の回転によって、定着ニップ12nまで伝達される。
[3]画像形成装置の機能的な構成
図3は、図1に示す画像形成装置100の機能的な構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置100は、印刷ジョブデータ処理部22、画像メモリ22m、画像展開部23、露光パターンメモリ24、濃度算出回路25、層数算出回路26、モード設定部27、定着条件設定部28、ヒーター制御部29、ニップ圧制御部30を含む。
(印刷ジョブデータ処理部22)
印刷ジョブデータ処理部22は、外部端末から送信された印刷ジョブデータから、ページ単位の画像データ(図中のページ画像データpa1)を取り出し、各ページ番号に対応付けて画像メモリ22mに書き込み、ページ画像データpa1を、画像形成の対象にする。
(画像メモリ22m)
画像メモリ22mは、ページ画像データpa1を、複数の矩形状の小領域r1、r2、r3・・・・に細分化して格納する。個々の小領域(以下、矩形領域という)は後述するモード設定部27によるモード設定の対象になる。
(画像展開部23)
画像展開部23は、画像メモリ22mに書き込まれたページ画像データpa1に、色分解やディザ法による誤差拡散を施し、Y、M、C、K色の露光パターンYP1、MP1、CP1、KP1に変換して、露光パターンメモリ24に書き込む。
(露光パターンメモリ24)
露光パターンメモリ24は、Y、M、C、K色の露光パターンYP1、MP1、CP1、KP1を複数の矩形状のビットパターンa1、a2、a3・・・・、a11、a12、a13・・・・、a21、a22、a23・・・、a31、a32、a33・・・に細分化して記憶する。これらのビットパターンa1、a2、a3は、横w個×縦h個のビット値からなり、後述する濃度算出回路25によるトナー粒子の濃度算出や、層数算出回路26によるトナー粒子の層数算出の対象になる。尚、w×hとしては、16×16、32×32、48×48、128×128等に設定される。
(濃度算出回路25)
濃度算出回路25は、Y、M、C、K色の露光パターンのビットパターンa1、a2、a3、・・・、a11、a12、a13・・・、a21、a22、a23・・・に含まれる予め定められた数のビット位置の中に、ビット値が「1」に設定されたビット位置が、何個存在するかを計数する。そして、濃度算出回路25の計数によるカウント値を、画像メモリ22mに記憶されているページ画像データの矩形領域r1、r2、r3・・・・・の濃度として、モード設定部27に出力する。
(層数算出回路26)
層数算出回路26は、画像メモリ22mに記憶されているページ画像データを構成する矩形領域r1、r2、r3・・・のそれぞれにおいて、各ビットパターンに対応して形成されるトナー粒子のドットが、同じ位置で何個、記録シートの上下方向に重なり合うか(同じ場所で重なり合うトナー粒子の数を、“層数”という)を露光パターンメモリ24に記憶されているY、M、C、K色の露光パターンにおけるビットパターンa1、a2、a3・・・、a11、a12、a13・・・、a21、a22、a23・・・に基づいて算出する。層数算出回路26の内部構成については、後述する。
(モード設定部27)
モード設定部27は、濃度算出回路25によって算出された矩形領域r1、r2、r3・・・についてのドット濃度と、層数算出回路26によって算出された各矩形領域の層数とに基づき、各矩形領域における定着モードを決定する。個々の矩形領域に設定される定着モードには、カラー用、モノクロ用の2種類があり、カラー用の定着モードには、記録シートに印加する熱量を通常熱量、記録シートに印加する荷重を通常荷重とし、通紙速度を通常速度として、生産性及び省エネ性を重視した「カラー通常モード」、通紙速度を維持し、印加荷重を通常荷重としつつも、加熱温度を高くした「光沢ムラ対策モード1(以下、モード1と呼ぶ)」、通紙速度を低下させた上、記録シートに印加する熱量及び記録シートに印加する荷重を大きくした「光沢ムラ対策モード2(以下、モード2と呼ぶ)」がある。一方、モノクロ用の定着モードには、通紙速度を維持しつつ、記録シートに印加する荷重及び記録シートに印加する熱量を通常とした「モノクロ通常モード」、通紙速度を低下させたうえ、記録シートに印加する熱量及び荷重を大きくした「光沢ムラ対策モード3(以下、モード3と呼ぶ)」がある。モード設定部27による処理手順については、後段で図7のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
(定着条件設定部28)
定着条件設定部28は、処理対象となるページ画像データに含まれる個々の矩形領域r1、r2、r3・・・・・のモード設定に基づき、処理対象となるページ画像データについて定着条件を設定する。具体的にいうと、処理対象となるページ画像データに、モード2、又は、モード3と設定すべき矩形領域が存在すれば、当該ページ画像データの全体を、高い熱量を印加すべきページ、及び、高い荷重を印加すべきページとして設定する。処理対象となるページ画像データに、モード1と設定すべき矩形領域が存在すれば、当該ページ画像データのうち、当該矩形領域が存在する部分をライン単位に指定し、高い熱量を印加すべき範囲とする。このように、高い荷重を印加すべきページ、又は、高い荷重を印加すべきページ又はその一部分を定着条件として設定した後、かかる定着条件に従い、ヒーター制御部29及びニップ圧制御部30に、定着処理を実行させる。
(ヒーター制御部29)
ヒーター制御部29は、温度センサー21によって検出された加熱ローラー19による現在の定着温度と、画像形成装置100の状態毎の目標温度との温度差に応じたデューティ比のパルスをハロゲンヒーター20a、bに出力することで、ハロゲンヒーター20a、bに加熱を行わせる。画像形成装置100の状態には、ウォームアップ状態、印刷状態、待機状態といったものがある。定着装置109の定着ニップ12nを通過する記録シートのうち、現在、定着ニップ12nに存する部分(以下、定着位置という)が、熱量の印加量を高くすべき範囲に存在する場合、印刷状態における目標温度を高めに更新し、上記のハロゲンヒーター20a、bに加熱を行わせるためのデューティ比を高めの値に定め、ハロゲンヒーター20a、bによる加熱量を大きくさせる。一方、現在の定着位置が、熱量の印加量を高くすべき範囲に存在しない場合、印刷状態における目標温度、及び、デューティ比を、元の値に戻す。
(ニップ圧制御部30)
ニップ圧制御部30は、加圧フレーム13による現在の圧接状態(軽圧接状態、高圧接状態のどちらか)を記憶しており、定着条件設定部28により設定された定着条件が、当該現在の圧接状態と同じであれば、何等の制御を行わず、圧接状態を維持する。定着条件設定部28により設定された定着条件が、当該現在の圧接状態と異なっていれば、ステッピングモーター20mに所定数のパルスを発し楕円カム16a、bを回転させることで、加圧フレーム13による現在の圧接状態を、軽圧接状態から高圧接状態、又は、高圧接状態から軽圧接状態に変化させ、変化後の圧接状態を記憶する。
[4]画像形成装置の動作
上記のように構成された画像形成装置の動作を説明する。
(印刷モードがカラーモードに設定された印刷ジョブの実行)
始めに、2つ以上のページ画像データをカラーモードで印刷させる内容の印刷ジョブデータが送られてきたとする。この場合、印刷ジョブデータ処理部22は、その印刷ジョブデータを受け取り、印刷ジョブデータからページ画像データpa1を取り出す。画像展開部23は、取り出されたページ画像データpa1を、図4(a)に示すように、Y、M、C、K色の露光パターンYP1、MP1、CP1、KP1に展開する。この展開にあたって、ページ画像データpa1に含まれる矩形領域r1は、図4(a)に示すようなビットパターンa1に変換される。こうして変換されるビットパターンには、再現すべきページ画像データの画素毎の濃度に応じて異なるパターン、例えば、図4(b)に示すような、ビット値「1」が連続するビットパターンbp1、図4(c)に示すような、ビット値「1」と、ビット値「0」とが交互に並ぶビットパターンbp2、図4(d)に示すような、ビット値「1」が間欠的に存在するビットパターンbp3が含まれる。
以上の過程を経て、Y、M、C、K色の露光パターンが得られれば、露光装置103は、これらの露光パターンに基づく静電潜像を形成するよう、感光体ドラム102Y、M、C、Kに光書き込みを行う。光学的な書き込みがなされた感光体ドラム102Y、M、C、Kの周面に対し、現像装置104Y、M、C、Kがトナー粒子を供給すれば、上記のビットパターンに基づき、トナー像が形成される。こうして、トナー粒子を供給することで、図4(b)に示すように、ビットパターンbp1に基づき、トナー粒子によるドットが連続して並ぶ、トナー粒子によるドットのパターンdp1が形成される。また、図4(c)に示すようなビットパターンbp2、図4(d)に示すようなビットパターンbp3に基づき、トナー粒子によるドットが飛び飛びに並ぶ、トナー粒子によるドットのパターンdp2、dp3が形成される。トナー像は、中間転写ベルト106に転写され、更に記録シートに転写される。これらの転写と並行して、モード設定部25は、再現色毎のビットパターンの解析を行う。
(定着条件の設定、及び、定着制御の詳細)
図5は、印刷ジョブデータ処理部22による定着制御のメインルーチンの処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおいて、変数iは、印刷ジョブデータに含まれる個々のページ画像データを指示する変数である。変数iにより指示されるページ画像データをページ画像データi、又は、ページiという。uは、ページ画像データ上の主走査方向の座標(X座標)を示し、vは、ページ画像データ上の副走査方向の座標(Y座標)を示す変数である。wは、矩形領域の横幅、hは、矩形領域の縦幅である。変数Hsは、高い熱量の印加による定着の実行を開始すべきライン位置を示し、変数Heは、高い熱量の印加による定着の実行を終了すべきライン位置を示す。
(矩形領域の読み出し)
図5のメインルーチンのフローチャートは、iページ目のページ画像データについて、ステップS2〜S17の処理を実行し、変数iが、最終ページ数Pmを下回るかどうかを判定して(ステップS18)、下回る場合(ステップS18でYes)、変数iをインクリメントし(ステップS19)、ステップS2に戻るという処理を繰り返すものである。
図5のステップS2〜S19は、ページ画像データを構成する横Xm個、縦Ym個の矩形領域を対象としたループを構成する。
以下、ステップS2〜S19の処理内容について説明する。矩形領域のY座標を規定する変数vを「0」で初期化し(ステップS2)、矩形領域のX座標を規定する変数uを「0」で初期化する(ステップS3)。そして、座標(u、v)を基準に、右方向及び下方向に連続して存在する横w個×縦h個の矩形領域(以下、領域(u、v)という)のY、M、C、Kの各色のビットパターンを読み出し(ステップS4)、当該矩形領域にとって、最適となる定着モードをモード設定部27に決定させる(ステップS5)。
その後、変数uが、X座標の最大値Xmを下回るとのループ継続要件が成立するかどうかを判定する(ステップS6)。かかるループ継続要件が成立する場合(ステップS6でYes)、変数uに矩形領域の横幅wを加算し(ステップS7)、ステップS4に戻る。変数uに、矩形領域の横幅wが加算されると、座標(u、v)は(0+w、0)になり、図6において、矩形領域r1の隣に存在する矩形領域r2が読み出しの対象になる。こうすることで、矩形領域r1の隣にある矩形領域r2のY、M、C、K色のビットパターンを読み出し(ステップS4)、当該矩形領域にとって、最適となる定着モードを決定する(ステップS5)。座標uが、X座標の最大値Xmを下回る間、上記ステップS4〜S7の処理の繰り返しが継続する。こうして、ステップS4〜S7の処理を繰り返すことで、図6における矩形領域r1、r2、r3、r4・・・・・・にとって、最適な定着モードがモード設定部27によって設定される。
ステップS6におけるループ継続要件を満たさなくなった場合、ステップS6がNoになり、ステップS8に移行する。ステップS8では、座標vが、y座標の最大値Ymを下回るというループ継続要件を満たすかどうかを判定する。満たす場合(ステップS8でYes)、Y座標vに、矩形領域の縦幅hを加算して(ステップS9)、ステップS3に戻る。ステップS3において、変数uを0で初期化する。そうすると、座標(u、v)は、(0、h)になるから、図6において矩形領域r1の直下にある矩形領域r11が読出しの対象になる。そうして特定された矩形領域r11を読み出し(ステップS4)、当該矩形領域にとって、最適となる定着モードを決定する(ステップS5)。このように、ステップS3〜S9の処理を繰り返すことで、図6における矩形領域r11、r12、r13、r14・・・・、r21、r22、r23、r24・・・、r31、r32、r33、r34・・・について定着モードが設定される。
(モード設定部27による定着モードの設定)
図5のフローチャートのうち、ステップS5の定着モード設定手順の詳細を表したのが、図7のフローチャートである。本フローチャートは、処理対象となる矩形領域の座標u、vを引数として受け取って、座標(u、v)を基準にして存在する横w個×縦h個の矩形領域(以下、領域(u、v)という)において適切となる定着モードmode(u、v)を決定し、定着モードmode(u、v)を戻り値としてリターンするというサブルーチンを構成する。D(u、v)は、矩形領域(u、v)を対象として、濃度算出回路25により算出されるドット濃度を示す。L(u、v)は、矩形領域(u、v)を対象として算出される層数を示す。
はじめに、ページ画像データiの印刷モードが、カラーモードであるかモノクロモードであるかを判定する(ステップS21)。カラーモードであれば(ステップS21でYes)、ステップS22において、矩形領域(u、v)について、濃度D(u、v)を算出する。次に、かかる濃度D(u、v)が、高濃度領域閾値以上であるかを判定する(ステップS23)。ここで、高濃度領域閾値は、領域(u、v)が高濃度領域であるかどうかの見極めのための閾値であり、本実施形態では、領域(u、v)のビット数w・hに、例えば、60%を乗じた値を、高濃度領域閾値としている。
もし、濃度D(u、v)が高濃度領域閾値以上であれば(ステップS23でYes)、領域(u、v)についての層数L(u、v)を算出する(ステップS24)。もし層数L(u、v)が「1」であり、単層(層数が「1」のトナー粒子の層)をなすかどうかを判定する(ステップS25)。「1」であるなら(ステップS25でYes)、領域(u、v)で単層をなすトナー粒子がK色のものであるかどうかを判定する(ステップS26)。
(画像濃度D(u、v)、層数L(u、v)を算出する回路例)
図8は、濃度算出回路25、層数算出回路26の内部構成を示す。本図に示すように、濃度算出回路25は、シリアル/パラレル変換回路31Y、M、C、Kと、シフトレジスタ32Y、M、C、Kと、OR回路33と、カウンター回路34とで構成される。また、層数算出回路26は、加算回路35と、NOR回路36と、カウンター回路37と、比較回路38、39と、AND回路40と、AND回路41と、カウンター回路42と、比較回路43とで構成され、図5のステップS4で、ビットパターンY(u,v)、M(u,v)、C(u,v)、K(u,v)が露光パターンメモリ24から読み出された際、基準となるクロック信号に同期して、相応の処理期間をかけて、これらの ビットパターンを構成する横w個×縦h個のビット値のそれぞれをシリアルに処理する構成になっている。上記クロック信号によるクロック数を用いて表現した場合、上記処理期間の時間長は「w・h+A」クロックとなる。ここで「w・h」は、ビットパターンY(u,v)、M(u,v)、C(u,v)、K(u,v)を構成する各ビット値を、シリアルに処理するために必要となる期間である。Aは、上記シリアル処理に付随する処理(カウンター回路のクリアやビットパターンの転送等)の実行に必要となる期間である。図中の「RESET」は、上記処理期間の最初のクロック期間の到来を示す信号であり、「SHIFT_END」は、上記処理期間の最後のクロック期間の到来を示す信号である。シフトレジスタ32Y、M、C、Kやカウンター回路34、37、42は、かかる信号「RESET」の立ち上がりに従い、それまで保持していたビット列やカウント値のリセットを行う。また、比較回路38、39、43は、信号「SHIFT_END」の立ち上がりに従い、上記シリアル処理の過程で得られたカウント値が、所定の閾値に達したかどうかの判断のための比較演算を行う。
(パラレルシリアル変換回路31Y、M、C、K)
パラレル/シリアル変換回路31Y、M、C、Kは、露光パターンメモリ24から横w個×縦h個のビットパターンY(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)が読み出され、RESET信号が立ち上った際、これらのビットパターンY(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)を、w・h個のシリアルなビット列に変換し(こうして得られるビット列を、ビット列Y(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)という)、ビット列Y(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)の各ビット値をシフトレジスタ32Y、M、C、Kに向けてパラレルに転送する。
(シフトレジスタ32Y、M、C、K)
シフトレジスタ32Y、M、C、Kは、RESET信号が立ち上った際、パラレル/シリアル変換回路31Y、M、C、Kからパラレルに転送されたビット列Y(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)の各ビット値(図中のy[0]、y[1]、y[2]、y[3]・・・・y[w・h−1]、m[0]、m[1]、m[2]、m[3]・・・・m[w・h−1]、c[0]、c[1]、c[2]、c[3]・・・・c[w・h−1]、k[0]、k[1]、k[2]、k[3]・・・・k[w・h−1]、)をラッチし、共通のクロック信号に同期して、最下位ビットLSBから最上位ビットMSBに向けてシフトする。シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトがj回(ここで、jは、1からw・h−1までの整数)なされた際、ビット列Y(u、v)、M(u、v)、C(u、v)、K(u、v)のj番目に位置するビット値y[j]、m[j]、c[j]、k[j]が、OR回路33に出力される。
(OR回路33)
OR回路33は、シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトがj回なされた際、シフトレジスタ32Y、M、C、KのMSBから出力されたj番目のビット値y[j]、m[j]、c[j]、k[j]を対象として、論理和演算を実行する。
(カウンター回路34)
カウンター回路34は、RESET信号が立ち上がった後、シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトが、w・h回なされている間、OR回路33による出力が、何回、ビット値「1」になるかをカウントする。シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトが、w・h回なされ、SHIFT_END信号が立ち上がると、濃度算出回路25は、その時点のカウンター回路34によるカウント値を、濃度D(u,v)として出力する。
(加算回路35)
加算回路35は、シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトがj回なされた際、シフトレジスタ32Y、M、C、KのMSBから出力されたj番目のビット値y[j]、m[j]、c[j]、k[j]を対象とした加算演算を実行して、3ビット長の加算結果S2、S1、S0を出力する。
(NOR回路36)
否定的論理和演算(NOR)回路36は、加算回路35による3ビットの加算結果のうち、上位2ビットであるS1ビット、S2ビットの否定的論理和演算を行う。加算回路35による3ビットの演算結果が「000」又は「001」であり、S1ビット、S2ビットのビット値が何れも「0」である場合、NOR回路36は、ビット値「1」の演算結果を出力する。一方、加算回路35による3ビットの演算結果が「010」又は「100」であり、S1ビット、S2ビットの何れかがビット値「1」になった場合、NOR回路36は、ビット値「0」の演算結果を出力する。NOR回路36による演算結果がビット値「1」になることは、Y、M、C、K色のトナー粒子が、2層以上にならない(1層になるか、層をなさない)ことを示す。一方、NOR回路36による演算結果がビット値「0」になることは、Y、M、C、K色のトナー粒子が、2層以上になることを示す。
(カウンター回路37)
カウンター回路37は、RESET信号が立ち上がった後、シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトが、w・h回なされている間、NOR回路36による出力が、何回、ビット値「1」になるかをカウントする。シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトがw・h回なされている間、上記計数を繰り返すことで、加算回路35による加算結果のS1、S2ビットが「0」「0」になった回数が、カウンター回路37により計数される。SHIFT_END信号が立ち上がった際のカウンター回路37によるカウント値は、トナー粒子の層が2層以上にならないビット位置が、処理対象となる矩形領域において、何個存在するかを示す。
(比較回路38)
比較回路38は、SHIFT_END信号が立ち上がった際、カウンター回路37によるカウント値と、トナー粒子の層数が「1」となるための閾値(本実施形態では、矩形領域に存在するビット位置の個数w・hであるとする)とを比較する。カウンター回路37によるカウント値が、この閾値と等しいとき、比較回路38は、ビット値「1」を出力する。カウンター回路37によるカウント値が、この閾値を下回れば、比較回路38は、ビット値「0」を出力する。一個の矩形領域を対象とした比較回路38によるビット値「1」の出力は、当該対象となる矩形領域が、1層以下のトナー粒子の層であることを保証する。
(比較回路39)
比較回路39は、SHIFT_END信号が立ち上がった際、カウンター回路34によるカウント値と、トナー粒子の層数が「1」となるための閾値w・hとを比較する。カウンター回路34によるカウント値が、この閾値と等しいとき、比較回路39は、ビット値「1」を出力する。一個の矩形領域を対象とした比較回路39によるビット値「1」の出力は、対象となる矩形領域の全ての位置に、トナー粒子が存在することを示す。一方、カウンター回路37によるカウント値が、この閾値を下回れば、比較回路39は、ビット値「0」を出力する。
(AND回路40)
AND回路40は、SHIFT_END信号が立ち上がった際、比較回路38、39による比較結果のAND演算を行う。比較回路38、39による出力が何れもビット値「1」であり、AND回路40の演算結果が「1」になることは、矩形領域に対応する全てのビット位置がビット値「1」になっていて、かつ、矩形領域におけるトナー粒子の層が2層以上にならないことを意味する。よって、SHIFT_END信号が立ち上がった時点で、AND回路40による出力がビット値「1」であれば、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、「1」の層数を出力する。一方、SHIFT_END信号が立ち上がった時点で、AND回路40による出力がビット値「0」であれば、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、1以外の層数を出力する。
(AND回路41)
論理積演算(AND)回路41は、ビットパターンY(u、v)のj番目のビットy[j]の反転値と、ビットパターンM(u、v)のj番目のビットm[j]の反転値と、ビットパターンC(u、v)のj番目のビットc[j]の反転値と、ビットパターンK(u、v)のj番目のビットk[j]との論理積演算を行う。
(カウンター回路42)
カウンター回路42は、RESET信号が立ち上がった後、シフトレジスタ32Kによるシフトが、w・h回なされている間、AND回路41の出力が、何回、ビット値「1」になるかをカウントする。SHIFT_END信号が立ち上がった際のカウンター回路42によるカウント値は、K色のトナー粒子によるビットを形成すべきビット位置が、処理対象となる矩形領域において、何個存在するかを示す。
(比較回路43)
比較回路43は、SHIFT_END信号が立ち上がった際、カウンター回路42によるカウント値と、トナー粒子の層数が「1」となるための閾値w・hとを比較する。カウンター回路42によるカウント値が、この閾値であれば、層数算出回路26は、ビットパターンK(u,v)は、K色のみで層数が「1」のトナー粒子の層を形成するとの出力を行う。一個の矩形領域を対象とした比較回路43によるビット値「1」の出力は、当該対象となる矩形領域が、K色のみのトナー粒子によって、1層の層が形成されることを保証する。
対象となる印刷ジョブの1ページ目のページ画像データが、図9に示すページ画像データpa1である場合の、具体的な動作について説明する。
ページ画像データpa1の上部、中部、下部には、ベタ画像又は中間調画像im1、im2、im3が挿入されている。このように、3箇所にベタ画像又は中間調画像im1,im2,im3が挿入されたページ画像データpa1を対象として、図7のステップS21〜S30の処理が実行される。
(画像im1を構成する矩形領域の定着モード設定)
かかるループにおいてモード設定部27は、図9の画像im1を構成する矩形領域のビットパターンY1、M1、C1、K1を露光パターンメモリ24から読み出す。ビットパターンY1及びビットパターンM1は、全てのビット位置で、ビット値が「1」になっているので全てのビット位置において、OR回路33の出力はビット値「1」になる。これにより、カウンター回路34のカウント値は、w・hになるので、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力する。
各ビット位置では、ビットパターンY1及びビットパターンM1の双方がビット値「1」になっており、ビットパターンC1、K0は、全てのビット位置が「0」になっているので、加算回路35による3ビットの出力は「010」になり、S2ビットがビット値「1」になる。RESET信号が出力されてからシフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトが、w・h回なされている間、NOR回路36によるビット値「0」の出力が、w・h回連続するから、カウンター回路37によるカウント値は「0」のままになっている。比較回路38による出力は、ビット値「0」になり、AND回路40の出力はビット値「0」になる。そのため、層数算出回路26は、1以外の層数を層数L(u、v)として出力する。Y1、M1、C1、K1は、図9のmx1に示すような多重転写を行わせ、層数が「2」のトナー粒子の層La1を形成するものである。画像im1については、図7のステップS23がYes、ステップS25がNoとなり、画像im1に含まれる矩形領域に対する定着モードをカラー通常モードと設定し(図7のステップS28)、図5のメインルーチンにリターンする。
(画像im2を構成する矩形領域の定着モード設定)
続いて、モード設定部27は、図9に示す画像im2を構成する矩形領域から、ビットパターンY2、M2、C2、K2を読み出す。Y2、M2、C2、K2は、図9のmx2に示すような転写を行わせ、層数が「1」の濃度が低いトナー粒子の層を形成するものである。
ビットパターンC2は、約40%のビット位置で、ビット値が「1」になっているものとする。OR回路33の出力は約40%のビット位置においてビット値「1」になる。これにより、カウンター回路34のカウント値は、w・hの約40%になるので、濃度算出回路25は、w・hの約40%の値を濃度D(u、v)として出力する。画像im2についてのドット濃度は40%程度であるから、ステップS23がNoになり、定着モードをカラー通常モードと設定して(図7のステップS28)、図5のメインルーチンにリターンする。
(画像im3を構成する矩形領域の定着モード設定)
最後に、モード設定部27は、図9の画像im3を構成する矩形領域からビットパターンY3、M3、C3を読み出す。
ビットパターンY3は、ビットパターンM3のビット値が「0」になっている位置P1、P3で、ビット値が「1」になっていて、ビットパターンM3は、ビットパターンY3のビット値が「0」になっている位置P2、P4で、ビット値が「1」になっている。Y3、M3におけるビット配置は、相補的な関係になっているから、何れのビット位置においても、図8のOR回路33の出力はビット値「1」になる。これにより、カウンター回路34のカウント値は、w・hになるので、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力する。
同じく、層数算出回路26の加算回路35による加算結果のうち、S2ビット、S1ビットがビット値「0」になり、カウンター回路37によるカウント値はw・hになる。一方、カウンター回路34によるカウント値もw・hであるから、比較回路38、39は何れもビット値「1」になり、AND回路40の出力はビット値「1」になる。100%のドット濃度D(u、v)、値「1」である層数L(u、v)が出力されたので、ステップS23がYes、ステップS25がYesになる。画像im3はK色でないからステップS26がNoになる。よって、画像im3に含まれる矩形領域については、定着モードをモード1と設定して(ステップS30)、図5のメインルーチンにリターンする。
画像im3は、ページ画像データpa1の下半分に配されていて、この画像im3を構成する全ての矩形領域は、図5のステップS2〜S9のループによりモード1に設定されることになる。
全てのページ画像データpa1を構成する全ての矩形領域について、モード設定がなされると、図5のステップS8におけるループ継続要件を満たさなくなって、ステップS8がNoになり、図5のステップS10〜S11の処理を実行する。
(矩形領域の統合)
ステップS10において、モード設定が同一となる矩形領域が、Y軸方向(副走査方向)において2つ以上連続しているかどうかを判定する。連続している場合(ステップS10でYes)、同一モードが設定された2以上の矩形領域を1つに統合する(図5のステップS11)。
図9において、画像im3を構成する複数の矩形領域ar1、ar2、ar3・・・・ar9は、そのY座標v1、v2、v3・・・・・v9が連続しているから、1つの大きな矩形領域ca3に統合される。かかる統合がなされた後、図5のステップS12〜S16の処理を実行する。このステップS12〜S16の処理は、矩形領域のモード設定に基づき、高荷重ページの設定、高加熱開始ラインHs、高加熱終了ラインHeの設定を行うものである。具体的にいうと、ページiの露光パターンに、モード2に設定された領域、又は、モード3に設定された領域が存在するかどうかを判定する(ステップS12)。存在しなければ、ページiの露光パターンに、モード1に設定された領域が存在するかどうかを判定する(ステップS13)。もし存在すれば(ステップS13でYes)、モード1と設定された統合後の矩形領域のY座標vを、高加熱開始ラインHsに設定し、モード1と設定された統合後の矩形領域のY座標vに矩形領域の縦幅hを足し合わせた値(v+h)を、高加熱終了ラインHeに設定する(ステップS15)。図9において画像im3を構成する矩形領域は、何れもモード1に設定され、1つの統合領域ca3に統合されたので、この統合領域ca3の開始Y座標v1が、Hsに設定される。一方、統合領域ca3の開始Y座標v9に、矩形領域の縦幅hを足し合わせた値(v9+h)が、Heに設定される。
(定着条件に基づく定着制御の詳細)
以下、図5のステップS15において、設定された定着条件に従い、ページiの定着を実行するよう、定着装置109を制御する。図10は、定着条件設定部28により設定された、定着条件に基づく定着制御の詳細を示すフローチャートである。この図10のフローチャートは、高圧接対象ページ、高加熱開始ラインHs、高加熱終了ラインHeを引数として受け取り、定着が終了したことを示す状態値を戻り値として返すサブルーチンになっている。本フローチャートにおける「Sc」は、加圧フレーム13による圧接状態を示す変数であり、「Dc」は、ハロゲンヒーター20a、bによる定着温度を、目標値まで上昇させるためのデューティ比を特定する変数である。「Vc」は、定着ローラー11を、圧接ローラー12との間の定着ニップ12nを記録シートが通過する際の通紙速度を示す。「T」は、定着ニップ12nに、記録シートの開始ラインが到達してからの経過時間のカウント値を示す変数である。
先ず、サブルーチンがコールされた際、定着ニップ12nに記録シートの開始ラインが到達したかどうかの監視を開始し(ステップS41でwait)、到達すれば、ページiのモード設定が、モード2、又は、モード3であるかを判定する(ステップS42)。モード2、又は、モード3でなければ、ページ画像データiの開始ラインは、モード1であるかを判定する(ステップS43)。ページ画像データiの開始ラインのモード設定がカラー通常モードであれば(ステップS43でNo)、圧接状態Scを軽圧接、デューティ比Dcを通常の定着温度用のデューティ比(通常デューティ比)、通紙速度Vcを通常の通紙速度に設定して(ステップS56)、通紙期間のカウント値Tをリセットして、計時を開始させる(ステップS45)。
このカウント値Tと、カレント通紙速度Vcとの積Vc・Tは、記録シートのうち、定着ニップ12nに到達した部分の位置、つまり定着位置を示す。以下、定着位置Vc・Tが、記録シートの最終ラインに到達するまで、ステップS46〜S48のループを繰り返す。
(画像im1を対象とした定着の実行)
図11の未定着トナー像が転写された記録シートについて、定着を実行する場合の定着処理の内容について説明する。画像im1に対応するトナー層La1は、Y色のトナー粒子、M色のトナー粒子Pa21、Pa22、Pa23・・・・、Pa31、Pa32、Pa33が重なり合ったものになる。図10のステップS56において、Sc、Dc、Vcが上記の値に設定されているので、トナー層La1に対し、通常の定着温度及び通常の加圧加重による定着が、定着ニップ12nによってなされ、延伸後のトナー層La1eが得られる。トナー粒子は充分な厚みを有しているから、かかるトナー粒子に隙間gap1が存在したとしても、記録シートの下地が目立つことはなくなる。
(画像im2を対象とした定着の実行)
図11の画像im2は、図9に示すようにビットパターンC(u、v)が、1つ置きの配置位置に、トナー粒子によるドットを配置する内容なので、図11に示すように挿入画像im2に対応するトナー層La2は、C色のトナー粒子Pa41、Pa42、Pa43・・・が間隔を空けて配されたものになる。ステップS56において、Sc、Dc、Vcが上記の値に設定されているので、トナー層La2に対し、通常の定着温度及び通常の加圧加重による定着が、定着ニップ12nによってなされ、延伸後のトナー層La2eが得られる。画像im2においてもともとトナー粒子の間隔は広く設定されているから、かかるトナー粒子に隙間gap2が存在したとしても、記録シートの下地が目立つことはない。
画像im2の定着が終了すると、定着ニップ12nによる定着位置Vc・Tは、画像im3の形成箇所に向かう。この際、図10のステップS46〜S48のループにおいて、ステップS46の判定がなされる。
ステップS46は、現在の定着位置Vc・Tが、高加熱開始ラインHs−Vc・dhに到達したかどうかの判定である。ここでdhは、定着温度の変更を命じてから、実際に加熱量が切り替わるまでの遅延時間である。
(画像im3を対象とした定着の実行)
図11の画像im3の開始ラインは、高加熱開始ラインHsに設定されている。Vc・Tが高加熱開始ラインHsから、Vc・dhを差し引いた値に到達した際、デューティ比Dcを、ハロゲンヒーター20a、bによる定着温度を、高い定着温度まで上昇させるため高デューティ比に設定して(ステップS49)、ステップS46〜S48のループに戻る。
図11において、挿入画像im3におけるビットパターンY(u、v)、ビットパターンM(u、v)は、個々のビットパターンのドット濃度が閾値を下回るものの、単層のトナー層を形成する内容なので、im3に対応するトナー層La3は、Y色のトナー粒子、M色のトナー粒子Pa51、Pa52、Pa53・・・・が互いに重なり合わず、層数が「1」のトナー粒子の層を形成している。
挿入画像im3を構成するトナー粒子Pa51、Pa52、Pa53、Pa54、Pa55、Pa56の間の隙間gap3がある場合、カラー通常モードの定着条件による定着を行うと、かかる隙間部分のトナー層の厚みが薄くなって、記録シートSe11の下地が露出してしまう。これに対し図5のステップS15では、挿入画像im3の開始Y座標v1が高加熱開始ラインHsに設定されている。こうした設定に基づき、高い熱量による定着が、加熱ローラー19及び定着ローラー11によってなされ、記録シートに転写されたトナー粒子には、充分な熱量が付加されるから、図11の定着後トナー粒子層La3eに示すように、隙間の周囲に位置するトナー粒子が充分に延伸されることで、隙間部分がなくなり、記録シートの下地が露出することはなくなる。
ステップS46〜S48のループにおいて、ステップS47は、現在の通紙位置Vc・Tが、高加熱終了ラインHeに到達したかどうかを判定する。上述したように、挿入画像im3の終了Y座標v9+hは高加熱終了ラインHeに設定されている。Vc・Tが高加熱終了ラインHeに到達した際、デューティ比Dcを、通常デューティ比に設定して(ステップS50)、ステップS46〜S48のループに戻る。
ステップS48は、現在の通紙位置Vc・Tが、記録シートの最終ラインを下回るかどうかの判定である。記録シートの最終ラインを下回る場合、ループ継続要件が満たされているとして、ステップS46に移行する。現在の通紙位置Vc・Tが、記録シートの最終ライン以上になれば、図5のメインルーチンにリターンする。
(2ページ目のページ画像データpa2の内容)
ページ画像データpa1に対応する、未定着トナー像の定着と並行して、ページ画像データpa2を対象とした画像解析がなされる。ページ画像データpa2の上部、下部には、図12に示すように画像im11、im12が挿入されている。このように、2箇所に画像が挿入されたページ画像データを対象として、図5のステップS2〜S7の処理が実行される。
(画像im11を構成する矩形領域を対象としたモード設定)
かかるループにおいてモード設定部27は、K色ベタ画像であるベタ画像im11を構成する矩形領域のビットパターンY11、M11、C11、K11を読み出し、濃度算出回路25に、濃度D(u、v)に算出させる(図7のステップS22)。また層数算出回路26に層数L(u、v)を算出させる(図7のステップS24)。
ビットパターンK11は、全てのビット位置でビット値が「1」になっており、図8のカウンター回路34のカウント値は、w・hになるので、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力する。また、ビットパターンK11は、全てのビット位置でビット値が「1」になっており、ビットパターンY11、C11、M11は全てのビット位置でビット値が「0」になっているから、何れのビット位置においても、AND回路41による出力はビット値「1」になり、カウンター回路42のカウント値は、w・hになるので、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、値「1」を出力する。
ビットパターンK11は層数L(u、v)が1であり、K色により構成されるのでステップS25、ステップS26がYesとなり、図12の画像im11に含まれる矩形領域に対する定着モードをモード2と設定することで(図7のステップS27)、図12のビットパターンK11に基づき形成されるトナー粒子層La11に適した定着モードが選択される。
画像im11のように、K色のトナー粒子のみで構成されるベタ画像は、画像部分と、記録シートの下地とのコントラストが大きく、トナー粒子の隙間に起因して生じる光沢ムラが特に目立ちやすい。これに対し定着条件設定部28は、K色の画像im11を含むページ画像データpa2に対し、高い熱量及び高い荷重を印加する内容の定着条件を設定するので、K色のみのトナー粒子の圧延を充分に行い、記録シートに転写されたトナー粒子間の隙間を満たすので、転写画像の品位を高めることができる。
(画像im12を構成する矩形領域を対象としたモード設定)
図12の画像im12を構成する矩形領域は、ビットパターンY12、M12、C12により構成される。モード設定部27は、領域im12のビットパターンを対象として濃度算出回路25に濃度D(u、v)を算出させる(図7のステップS22)。また、層数算出回路26に層数L(u、v)を算出させる(図7のステップS24)、
ビットパターンY12は、ビットパターンM12、C12のビット値が「0」になっている位置P1で、ビット値が「1」になっていて、ビットパターンM12は、ビットパターンY12、C12のビット値が「0」になっている位置P3で、ビット値が「1」になっている。ビットパターンC12は、ビットパターンY12、M12のビット値が「0」になっている位置P2で、ビット値が「1」になっている。Y12、M12、C12におけるビット配置は、相補的な関係になっているから、何れのビット位置においても、図8のOR回路33の出力はビット値「1」になる。これにより、カウンター回路34のカウント値は、w・hになるので、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力する。
同じく、層数算出回路26の加算回路35による加算結果のうち、S2ビット、S1ビットがビット値「0」になる。シフトレジスタ32Y、M、C、Kによるシフトがなされている間、NOR回路36の出力はビット値「0」になるから、カウンター回路37によるカウント値はw・hになる。比較回路38、39は何れもビット値「1」になり、AND回路40の出力はビット値「1」になるから、層数算出回路26は、層数L(u、v)として「1」を出力する。
ビットパターンY12、M12、C12、K12は、mx12に示すような多重転写を行わせ、層数が「1」のトナー粒子の層La12を形成するものである。全てのビット位置において、ビット値「0」になる。これにより、カウンター回路36によるカウント値は、w・hになる。全てのビット位置がビット値「1」になっているから、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、値「1」を出力する。
層数算出回路26の演算により、当該多重転写で得られるトナー粒子の層の層数が適切に類推される。以上より層数算出回路26は、ビットパターンY12、M12、C12、K12についての層数L(u、v)として、層数を「1」を出力する。ビットパターンY12、M12、C12、K12については、ドット濃度が100%、層数L(u、v)が「1」と判定されたので、図25のステップS25がYes、ステップS26がNoになり、画像im12に含まれる矩形領域に対する定着モードとしてモード1と設定する(ステップS30)。
(ページ画像データpa2を対象とした定着条件の設定)
ベタ画像im11を構成する全ての矩形領域はモード2、画像im12を構成する全ての矩形領域はモード1に設定されることになる。これらの矩形領域が統合された後(図5のステップS10、S11)、ステップS12〜S16における定着条件の設定を行う。ページ画像データpa2には、モード2の領域が存在するため、高い熱量及び高い荷重を付加する内容の定着条件が、ページ画像データpa2に対し設定される(ステップS14)。このようにして、ページ全体に対する定着条件が設定された後、定着が実行される。
(ページ画像データpa2を対象とした定着の実行)
ページiのモード設定が、モード2又はモード3であれば(図10のステップS42でYes)、圧接状態Scを高圧接、デューティ比Dcを、高い定着温度までハロゲンヒーター20a、bの温度を上昇させるための高デューティ比、通紙速度Vcを低速に設定して(図10のステップS52)、通紙期間のカウント値Tをリセットして、通紙期間の計時を開始し(ステップS53)。ステップS54に移行する。ステップS54は、現在の定着位置Vc・Tが、記録シートの最終ラインに到達したかどうかの判定である。かかる最終ラインに到達するまで、ステップS54のループを繰り返す。到達すれば、定着が終了したとして、図5のメインルーチンにリターンする。
以上の過程を経て、ページ画像データpa1、pa2をカラーモードで印刷させる内容の印刷ジョブが終了する。
(カラー印刷時の動作のまとめ)
図9、図11において、画像im1、im3、im12は、中間色画像であり、Y、M、C、K色のうち、2色のドットで構成される。これらのうち、画像im1は、Y色ドット、M色ドットが全領域にわたり存在し、互いに重なり合って2層になっている。一方、画像im3、画像im12は、誤差拡散のため、Y色ドット、M色ドット、C色ドットが離散配置されていて、Y、M、C、K色のドットが重なり合わない。本実施形態では、これらの画像im1、im2、im12のY色ドット、M色ドット、Cドットの配置位置を規定するビットパターンY(u、v)、ビットパターンM(u、v)、ビットパターンM(u、v)を対象として、層数算出回路26が層数L(u、v)を算出し、これらY色ドット、M色ドット、Cドットが同じ配置位置で重なり合うか(多重転写されるか)を判定するので、モード設定部27は、中間色を構成するY色のトナー粒子、M色のトナー粒子、C色のトナー粒子が、単層のトナー粒子層を構成するかどうかを、確実に判断して、各矩形領域にモードを設定することができる。矩形領域を対象として、こうした判断を行い、定着条件設定部28は定着条件を設定するので、高い熱量を付加する部分を高精度に特定することができる。
(印刷モードがモノクロに設定された印刷ジョブの実行)
続いて、印刷モードがモノクロに設定された印刷ジョブが発せられた場合の画像形成装置の動作について説明する。
(モノクロモードの処理対象となるページ画像データについての説明)
以降、図13に示す、K色のページ画像データpa3を対象として説明を行う。ページ画像データpa3の上部、中部、下部には、画像im21、im22、im23が挿入されている。これらの画像のうち、ベタ画像im23は、特濃の階調値をもつ画素データにより構成される。特濃の階調値をもつ画素データは、ページ画像データに添付された書式データ、見出しデータ等によりその所在が特定されるものとする。露光装置103は、かかる書式データ等によって特定された領域について、荷電量が大きくなるような光書き込みを行う。これは、特濃画素領域が、2層以上のトナー層によって顕像化されるようにするためである。
(画像im21を対象としたモード設定)
モード設定部27は、K色のみのページ画像データを構成する矩形領域を対象にして、モード設定を実行する。印刷ジョブはモノクロモードに設定されているので、図7のステップS21の判定がNoと判定され、ステップS32に移行する。
このように、3箇所に画像が挿入されたページ画像データを対象として、図7のステップS32〜S36の処理が実行される。かかるループにおいてモード設定部27は、K色ベタ画像であるベタ画像im21を構成する矩形領域のビットパターンK21についての濃度D(u、v)を、濃度算出回路25に算出させる(図7のステップS32)。そうして、濃度D(u、v)が算出されれば、かかる濃度D(u、v)が閾値以上かどうかを判定し(ステップS34)、濃度D(u、v)が閾値以上であれば、領域(u、v)は、特濃の階調値をもつ画素データに該当するかどうかを判定する(ステップS35)。
図13のビットパターンK21は、層数が「1」のトナー粒子の層La21を形成するものである。ビットパターンK21は、全てのビット位置でビット値が「1」になっているので、ビットパターンK11と同様、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力し、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、値「1」を出力する。
画像im21を構成するビットパターンK21の濃度D(u、v)は閾値を上回ると判定されるが、特濃画素ではないから、ステップS34がYes、ステップS35がNoになり、画像im21に含まれる矩形領域に対する定着モードをモード3と設定して、図5のメインルーチンにリターンする(図7のステップS36)。
(画像im22を対象としたモード設定)
図13のビットパターンK22は、ビットパターンC2と同様、各ビット位置において約40%の頻度でビット値が「1」になっているものとする。濃度算出回路25は、約0.4・w・hの値を濃度D(u、v)として出力する。かかる値は、高濃度領域としての閾値を下回るものなので、画像im22に含まれる矩形領域については、ステップS34がNoになり、定着モードをモノクロ通常モードと設定してリターンする(図7のステップS33)。
(画像im23を対象としたモード設定)
図13のビットパターンK23も、ビットパターンK11、K21と同様、全てのビット位置でビット値が「1」になっているので、濃度算出回路25は、w・hの値を濃度D(u、v)として出力し、層数算出回路26は、層数L(u、v)として、値「1」を出力する。ビットパターンK23は、層数が「1」であると算出されるものの、特濃画素として指定されることで、互いに重なり合うトナー粒子の層La23を形成するものである。よって画像im23については、ステップS34がYes、ステップS35がYesになり、定着モードとして、モノクロ通常モードを設定して(ステップS33)、図5のメインルーチンにリターンする。
(画像im21、22、23の統合)
以上の処理を経て、画像im21を構成する全ての矩形領域はモード1、画像im22、23を構成する全ての矩形領域は通常モードに設定されることになる。これらの矩形領域が統合された後(図5のステップS10、S11)、ステップS12〜S16における定着条件の設定を行う。ページ画像データpa3には、モード3の領域が存在するため、高い熱量及び高い荷重を付加する内容の定着条件が、ページ画像データpa3に対し設定される(ステップS15)。このようにして、ページ全体に対する定着条件が設定された後、定着が実行される。
以上の過程を経て、ページ画像データpa3をモノクロモードで印刷させる内容の印刷ジョブが終了する。
[5]モード1、モード2、モード3における定着条件の具体例
各モードにおける定着条件については、加圧荷重、定着温度、通紙速度を、図14の表のように設定することが望ましい。具体的にいうと、モード1において、加熱ローラー19による定着温度は、通常モードの定着温度よりも、約2〜3%大きい値に設定する。つまり、通常モードの定着温度を、180℃とした場合、モード1の定着温度は、185℃程度に設定する。
モード2については、加熱ローラー19の定着温度をモード1と同じにし、加圧フレーム13による加圧加重を、通常モード及びモード1よりも1割程度高い値に定める。つまり、通常モードの加圧加重を500Nとした場合、モード2による加圧加重を550Nとする。モード2の通紙速度は、カラー通常モードの半分の速度とする。
モノクロ通常モードの定着温度は、カラーの通常モードの約89%の値に設定する。具体的にいうと、カラー通常モードの定着温度が180℃であれば、モノクロ通常モードの定着温度を170℃とする。
モード3については、モノクロ通常モードの加圧加重、定着温度を、それぞれ約10%、約3%高くする。具体的にいうと、モード3の加圧加重を550N、定着温度を175℃とする。モード3の通紙速度は、モノクロ通常モードの半分の速度とする。
[6]まとめ
以上のように本実施形態によれば、モード設定部27は、ページ画像データの一部である矩形領域のドット配置を規定するビット列を対象にした演算を層数算出回路26に実行させるから、記録シートの一部におけるベタ画像の挿入箇所のみに、高い熱量を付加する内容の定着条件を設定することができる。
ベタ画像の挿入箇所以外については、通常の熱量を印加する内容の定着条件を設定するので、加熱ローラー19による印加熱量を高める範囲は記録シートのごく一部の領域に留まる。文書作成ソフトウェアの挿入機能を用いて、紙面の随所に、様々な図形や写真を挿入した文書を処理するにあたって、単層のトナー層を構成する挿入画像によって占有される範囲が、紙面のどの部分であるかを高精度に特定して、定着条件を設定するので、定着ベルト等の各部材の耐久性や省エネ性を低下させることなく、ベタ画像の光沢ムラを抑制することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、記録シートの種別に関係なく、定着条件設定部28が定着条件の設定、及び、設定した条件による記録シートの定着を実行することとした。これに対し本変形例は、未定着トナー像の転写先となる記録シートは、その印刷面の平滑度が高く、光沢シートかどうかを事前に判断し、そのような用紙である場合、定着条件設定部28が上記処理を実行するようにする。光沢シートには、例えば、光沢紙、コート紙、アート紙といったものがある。図15(a)は、変形例1にかかるメインフローの改変更部分を示すフローチャートである。変形例1では、印刷ジョブの開始にあたって、図15(a)に示すように、先ずジョブにおける用紙設定が光沢シートかどうかを判定し(ステップS61)、ジョブにおける用紙設定が光沢シートであれば(ステップS61でYes)、図5のステップS1に移行し、定着条件設定部28は、定着条件の設定、及び、設定した条件による定着処理の実行を許可する。ジョブにおける用紙設定が光沢シートでなければ(ステップS61でNo)、現在のプリントジョブについて、通常の定着処理を実行する(図15(a)のステップS62)。つまり、ステップS1からS19までの一連の処理の実行を許可しない。定着条件設定部28による定着処理は、光沢を放つ記録シートを対象とした定着処理の実行時に限られるから、本変形例では、画像形成装置の処理効率を高めことができる。尚、光沢シートであるか否かの判断は、使用される記録シートの種類を設定する操作を操作部(不図示)によりユーザから受け付けることで決定してもよい。また、光沢度計を画像形成装置の内部に設け、当該光沢度計により、記録シート表面の光沢度を測定して、測定された光沢度が所定の閾値以上かどうかで判断してもよい。
(変形例2)
変形例1では、定着処理の対象となる記録シートが光沢シートである場合に限り、定着条件の設定、及び、設定した条件による定着処理を実行するものとしたが、本変形例は、平滑度センサーを画像形成装置に設け、平滑度センサーの検出結果に基づき、定着条件の設定、及び、設定した条件による定着処理を実行するかどうかを切り替える。そこで本変形例は、図1において、記録シートの搬送路のうち、タイミングローラー107tが取り付けられている位置に配置された、平滑度センサー111pを利用する。
平滑度センサー111pは、発光素子と受光素子を備える光学センサーであり、発光素子から発せられる光を、タイミングローラー117tに到達した記録シートのうち、中間転写ベルト106に接触する側の面に向けて照射し、その光の、記録シートの表面からの拡散反射光を受光素子で受光して、その受光量の大きさを示す電気信号に変換する。記録シートの表面からの拡散反射光は、その反射角が平滑度の大きさによって変化し、ここでは平滑度が高いほど拡散反射光が少なくなる特性を有している。予め、拡散反射光の受光量と平滑度を対応付けておけば、拡散反射光の受光量を示す検出信号から、その記録シートの平滑度を求めることができる。そして、この平滑度を、閾値と比較することで、記録シート表面に、凹凸が多く存在するかどうかを判定することができる。
変形例2にかかるメインフローの変更部分を図15(b)に示す。本フローチャートでは、ステップS1において変数iが初期化された後、記録シートiの平滑度P(i)を平滑度センサー111pに取得させる(図15(b)のステップS71)。続いて、平滑度P(i)が閾値を以上かどうかを判定する(ステップS72)。かかる平滑度P(i)は、記録シート表面の凹凸の大小を表す。表面の凹凸が小さい記録シートでは、トナー粒子の並びに隙間があると、かかる隙間から記録シートの下地が見え、光沢ムラが生じる。よって、平滑度が閾値以上となる場合、図5のステップS2の処理を実行する。一方、記録シート表面の凹凸が大きいと、記録シートに形成されるトナー層の厚みにムラが存在するから、記録シートは光沢を生じさせない。つまり、表面の凹凸が大きい記録シートは、もともと、印刷時の光沢ムラが問題にならないから、平滑度が閾値を下回る場合(ステップS72がNo)、定着条件の設定を省略し、通常の定着処理を実行する(ステップS73)。その後、図5のステップS18に移行する。
また、平滑度センサーを用いず、印刷ジョブの給紙トレイ選択に基づき、定着条件設定部28による処理を実行するかどうかの判断を行ってもよい。具体的にいうと、複数の給紙トレイの中に、再生紙や低品位用紙等、平滑度が低い記録シートを給紙する給紙トレイが存在していて、これから実行しようとする印刷ジョブが平滑度が低い記録シートを給紙する給紙トレイを選択しているかどうかを判定することで、光沢シートが選択されているかどうかを判断してもよい。
(変形例3)
本変形例は、トナー粒子が転写される際の装置内の湿度に基づき、定着条件の設定、及び、設定した定着条件による定着処理の実行を、省略するかどうかの切り替えを行う。湿度は、記録シートへの未定着トナー像の転写時において、トナー粒子の並びに、隙間が生じているかどうかの見極めのパラメータとなる。具体的にいうと、装置内の湿度が低いと、記録シートの電気抵抗が高くなる。記録シートの電気抵抗が高くなると、二次転写位置で、記録シートにトナー粒子を転写するための転写電流の電流量が小さくなり、トナー粒子の転写性が低下し、転写時のトナー粒子の隙間が大きくなる。
そこで本変形例では、図1の2次転写位置に設けられた湿度センサー111wを利用し、上記2次転写位置における記録シートの湿度を検出する。変形例3にかかるメインフローの変更部分を図15(c)に示す。本フローチャートでは、転写対象となる記録シートのページ番号を示す変数iを、「1」に初期化した後、各ページに対する定着処理の実行前に、ステップS81、S82を実行する。このステップS81では、湿度センサー111wによって2次転写位置における記録シートの湿度Wを検出し、ステップS82では、検出した湿度Wが閾値Wt以下かどうかを判定する。2次転写位置における記録シートの湿度が、閾値Wtを上回る場合(ステップS82でYes)、転写性の低下による光沢ムラは発生しないとみなして、ページiの記録シートについて、通常の定着処理を実行して(図15(c)のステップS73)、その後、図5のステップS18に移行する。湿度が閾値Wt以下である場合(ステップS82でYes)、図5のステップS2の処理を実行する。
(変形例4)
上記本変形例では、湿度により記録シートに転写されるトナー粒子に隙間が生ずるかどうかを判断したが、本変形例は、定着の対象が両面シートが第2面である場合、各領域のモード設定に基づく定着条件の設定を行う。具体的にいうと、図1に示した排出部110は、片面モードと、両面モードとで排出ローラー110rの回転方向を変化させる。片面モードによる定着、及び、両面モードの第1面への定着時には、排出ローラー110rを時計周りro1に回転させて、定着済みの記録シートの一部を排出口から装置外部に排出させる。その後、排出ローラー110rを半時計周りro2に回転することで、第1面への定着がなされた記録シートをスィッチバックする。こうしたスィッチバックにより記録シートを、両面搬送ローラー110a、b、c、dからなる搬送路を経由し、二次転写位置に送り込む。これにより、両面印刷時において、第2面へのトナー像の転写を行わせる。
図16は、変形例4にかかる画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける変数「Flg」は、印刷ジョブにおいて両面印刷が設定され、排出部110によるスィッチバック動作が有効になっている状態で、有効となる変数であり、第1面が定着対象である場合「0」に設定され、第2面が定着対象である場合「1」に設定される。
本フローチャートでは、ページ番号を示す変数iを「1」で初期化した後(ステップS1)、Flgを「0」で初期化する(ステップS91)。続いて、Flgが「1」かどうかを判定する(ステップS92)。両面モードで、第1面の印刷が未完の状態では、Flgは「0」であるから、ステップS92はNoとなり、ページiの記録シートに対し、通常の定着条件による定着を実行して(ステップS73)、変数Flgに「1」を設定する(ステップS94)。その後、変数iが最大ページ数Pm未満であるかを判定し(ステップS16)、かかる判定を経て変数iをインクリメントした後(ステップS17)、ステップS92に戻る。
記録シートiの第1面の印刷が完了し、記録シートの第2面が定着の対象になった場合、ステップS94においてFlgが「1」に設定されているから、ステップS92の判定はYesとなり、ステップS2〜S17を実行する。第1面の定着がなされた後の第2面への転写時には、第1面の定着時に、記録シートに含有されている水分が奪われており、電気抵抗値が低下して第1面への転写時よりも転写性が低下することが多いから、転写後のトナー粒子間に隙間が生じ易い。そこで本変形例では、Flgが「1」である場合、隙間が生じ易い記録シートの第2面が定着対象になっているとして、定着条件の設定及び設定した定着条件による定着を実行する。一方、Flgが「0」であり、記録シートの第1面が定着対象になっている場合、定着条件の設定及び設定した定着条件による定着を行わない。
(その他の変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)モード1は、熱量の印加量を大きくしたがこれに限らない。モード1において、記録シートに印加する熱量は変化させず、記録シートに印加する荷重のみを大きくしてもよい。また、モード1において、記録シートに印加する熱量、印加する荷重の双方を大きくしてもよい。この場合、モード2において、記録シートに印加する熱量、印加する荷重を、モード1の設定時よりも大きくすることが望ましい。
また、上記実施形態において、K色の高濃度領域を対象としたモード2の定着条件は、モード1の定着条件よりも、記録シートに付加する荷重を高く設定したが、モード1の定着条件よりも、記録シートに付加する熱量を高く設定してもよい。また、記録シートに付加する熱量及び荷重の双方を高く設定してもよい。
(2)モード設定部27は、図5のフローチャートのステップS2〜S9において、ページ画像データを構成する全ての矩形領域を対象として、モード設定を行ったが、これに限らない。モード2の矩形領域が存在することが明らかになった段階で、このページ全体に対してモード2による定着を実行するよう、設定してもよい。また、矩形領域を間引いて読み出し、モード設定を実行してもよいし、矩形領域のスキャンを副走査方向(Y軸方向)のみに限ってもよい。図27のステップS21〜S36における判定ステップを比較回路で実現することで、層数算出回路26、モード設定部27を一体のハードウェアとして構成してもよい。そのように構成した層数算出回路26、モード設定部27を画像形成装置に複数設け、複数の層数算出回路26、モード設定部27に、矩形領域の並列処理を行わせてもよい。この場合、複数の矩形領域についての定着モードを同時に設定することができ、作業を効率化することができる。また、濃度算出回路25、層数算出回路26は、AND回路、OR回路、NOR回路、比較回路等で構成されるとしたが、横w個×縦h個の行列状データを処理し得る演算回路に、濃度算出や層数算出を行わせてもよい。そうした演算回路としては、信号処理プロセッサなどがある。
逆に、図8(a)、(b)のカウンターや比較回路の処理をプログラムコードで記述してコンピュータに実行させてもよい。
(3)定着ローラー11、中間転写ベルト106、タイミングローラー107tの回転速度を併せて切り替えるため、本実施形態の定着条件設定部25は、ライン単位ではなく、ページ単位に圧接状態を切り替えるよう、定着条件を設定することとした。これに限られず、定着ローラー11と、中間転写ベルト106やタイミングローラー107tとを別々の画像形成装置本体の駆動モーターによって駆動する場合、ライン単位に圧接状態を切り替えるよう、定着条件を設定してもよい。
(4)上記実施形態では、ハロゲンヒーター20a、bを内挿した加熱ローラー19によって、無端状の定着ベルトを加熱することで未定着トナー像の熱定着を行う定着ベルト方式の定着装置109を一例に挙げて説明を行った。これに限らず、定着ローラー11がハロゲンヒーター20a、bを内挿して、定着ニップの加熱を行う構成であってもよい。
(5)上記実施形態では、画像形成装置がタンデム型のカラープリンター装置である場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外のカラープリンター装置やモノクロプリンター装置に本発明を適用してもよい。また、スキャナーを備えた複写装置や、ファクシミリ通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いはこれらの機能を兼ね備えた定着装置」を有する複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。また、画像形成装置100は、印刷ジョブは外部端末から受け取り画像形成を行うこととしたが、画像形成装置100のスキャン部(不図示)が、原稿を光学的に読み取り、操作部(不図示)がユーザからの操作を受け付けることで、印刷ジョブは外部端末から受け取り画像形成を行ってもよい。
本発明は、定着装置を具備したプリンターや、複合機等の画像形成装置として利用される可能性がある。
11 定着ローラー
12 圧接ローラー
12n 定着ニップ
13 加圧フレーム
14 コイルバネ
15a ロッド
16a 楕円カム
17 シャフト
18 定着ベルト
19 加熱ローラー
20a,b ハロゲンヒーター
20m ステッピングモーター
21 温度センサー
22 印刷ジョブデータ処理部
23 画像展開部
24 露光パターンメモリ
24Y、M、C、K パラレルシリアル変換回路
25 濃度算出回路
26 層数算出回路
27 モード設定部
28 定着条件設定部
29 ヒーター制御部
30 ニップ圧制御部
32Y、M、C、K シフトレジスタ
33 OR回路
34、37、42 カウンター回路
35 加算回路
36 NOR回路
37、43 比較回路
40、41 AND回路
100 画像形成装置
101Y 帯電ローラー
102Y 感光体ドラム
103 露光装置
104Y 現像装置
105Y 一次転写ローラー
106 中間転写ベルト
107c 搬送ローラー
107s 給紙ローラー
107t タイミングローラー
108 二次転写ローラー
109 定着装置
110 排出部
110r 排出ローラー
110a、b、c 両面搬送ローラー

Claims (6)

  1. 記録シートに転写されたトナー像の定着を、第1の定着条件に基づき実行する画像形成装置であって、
    対象画像を色分解して得る各色のビットパターンに基づき、各色のビットパターンを合成する際の単位面積当たりのドット総数が、所定の閾値を上回る高濃度領域を、対象画像を細分化した部分領域の中から特定する特定手段と、
    前記特定された高濃度領域における各色毎のドット配置が、1の色のドットがある位置に、他の全ての色のドットが存在しないという位置関係を有するかどうかを、前記高濃度領域における色毎のビットパターンに基づき判定する判定手段と、
    前記特定手段により特定された高濃度領域が、前記位置関係を有する場合、前記第1の定着条件よりも記録シートに印加すべき荷重及び記録シートに印加すべき熱量の何れか一方、又は、双方を高めた第2の定着条件を、前記第1の定着条件に代えて当該高濃度領域を対象として設定する定着条件設定手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着条件設定手段は更に、
    前記位置関係を有すると判定された高濃度領域における前記ドットの色が黒色である場合、黒色以外の色が1の色であると判定された場合よりも、前記記録シートに印加すべき荷重及び記録シートに印加すべき熱量の何れか一方を高くする
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成装置は更に、
    複数の記録シートを対象とした、印刷ジョブを実行する場合、各記録シートが、所定の閾値を上回る平滑度を有しているかどうかの検知を行う検知手段と、
    所定の閾値を下回る平滑度をもつ記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
    所定の閾値を上回る平滑度をもつ記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置は更に、
    画像形成装置内部の湿度が、所定の閾値を上回るかどうかの検知を行う検知手段と、
    前記装置内部の湿度が所定の閾値を上回る場合、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
    前記装置内部の湿度が所定の閾値を下回る場合、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成装置は更に、
    複数の印刷ジョブのそれぞれを実行する場合、各印刷ジョブの印刷モードは、片面印刷モードであるか、1枚の記録シートについて第1面を印刷した後、第2面へのトナー像の転写、定着を経て第2面の印刷を行う両面印刷モードであるかを検知する検知手段と、
    印刷モードが片面印刷モードに設定された印刷ジョブの実行時に記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
    前記印刷モードが両面印刷モードに設定された印刷ジョブの実行時に記録シートの第2面に転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は更に、
    複数の記録シートを対象とした、印刷ジョブを実行する場合、各記録シートが、光沢シートかどうかの検知を行う検知手段と、
    光沢シートでない記録シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記判定手段による位置関係の判定、前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可せず、
    光沢シートに転写されるトナー像については、前記特定手段による高濃度領域の特定から前記定着条件設定手段による第2定着条件の設定までの一連の処理の実行を許可する許否決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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