JP6977471B2 - 多糖類生産物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2の方法も溶解が前提であり、乾燥方法が真空乾燥又は真空凍結乾燥であることより、乾燥時間に長時間を要することが推定される。また、高粘度多糖であるローカストビーンガムでは、多糖に対し9倍量以上の水を添加しており、低粘度のLMペクチンにおいても多糖に対し、4倍量以上の水を添加しているため、乾燥物を得るためのエネルギーが大きくなるだけでなく、乾燥速度が遅くなることが推定される。
特許文献3の方法は、寒天を一時的に完全溶解させる方法であり、溶解粘度の低い寒天を用いるため実施できる方法であり、一般的な高粘度多糖類に対しては、ここに記載の水添加量で溶解することは不可能である。よって、特許文献3には、寒天以外の多糖類に関する記載はない。
特許文献4の方法は、寒天、又は寒天と寒天に対して同等量未満の他の多糖との混合物をエクストルーダー処理する方法であり、多糖に対する水添加量は最大0.7倍量と記載されている。また、エクストルーダー処理品の乾燥に関しては熱風又は冷風の流れの下に乾燥でき、又は乾燥しないと記載されており、乾燥条件が本質的な要因でないことは明らかである。
特許文献5の方法では、その対象物が寒天に限定されており、又また、寒天を一度溶解することによりランダムコイル構造を得ることが必要であり、これは特許文献3に関して記載した通り、溶解粘度の低い寒天であるから実施できる方法であり、一般的な高粘度多糖類に対してはここに記載の水添加量で多糖類を溶解することは不可能である。
尚、上述の加熱工程や機械的せん断力を付与する工程においても、水膨潤多糖の「自己形状保持性」は維持される。
ここで「自己形状保持性」とは、サンプル30gをJIS4メッシュ(目開き:4.75mm)上に一気に投入した後、1分間でサンプルが新たに落下しない状態と定義する。
前記混合工程後、前記乾燥粉砕工程前に、前記水膨潤多糖を50℃以上に加熱する加熱工程を有することを特徴とする[1]に記載の多糖類生産物の製造方法。
本発明により製造された多糖類生産物を食品の調製等に用いることにより、食品の加工性改善やテクスチャー改善を達成することができる。
例えば、従来加熱が必要であった多糖類の水への溶解において必要な加熱温度の低減や、場合によっては加熱する必要がなくなるため、例えば病院食や嚥下食品の調製などにおいて、短時間での調製が可能となり、また加熱設備のない場所においても調製が可能となり、労力を低減すると共に利便性を高めことができる。また、粘性特性の改善により、水への分散性の改善による加工性の向上や、食品のテクスチャー改善、例えば食品において喉への張り付きなどの違和感の解消などを図ることが可能となる。
陸生植物由来多糖の分子量は、特に制限されるものではないが、一般的には、プルランもしくはデキストランを標準物質として液体クロマトグラフィーにより測定される相対重量平均分子量が数万〜数百万である。
陸生植物由来多糖としては、特に制限されないが、例えばグァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム、ペクチン、カラヤガム、サバクヨモギシードガム、トラガントガム、サイリウムシードガム、ガティガム、セルロース、セルロース誘導体、大豆多糖類、プランタゴオバタ種皮、プランタゴオバタ種皮末等が挙げられる。中でもタマリンドシードガム、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、サイリウムシードガム、プランタゴオバタ種皮、プランタゴオバタ種皮末が好ましい。特に冷水溶解性の付与を目的としてする場合にはタマリンドシードガム、ローカストビーンガムがより好ましく、溶解性の改善を目的としてする場合にはグァーガムがより好ましく、又溶解時のハンドリング性の改善を目的としたときする場合には、プランタゴオバタ種皮、プランタゴオバタ種皮末がより好ましい。
微生物産生多糖としては、特に制限されないが、キサンタンガム、ジェランガム、アグロバクテリウムスクシノグリカン、カードラン、プルラン、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、発酵セルロース、レバン、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム等が挙げられる。中でもキサンタンガム、又はジェランガムが好ましい。特に、溶解性改善を目的とする場合は、キサンタンガムがより好ましく、溶解時のハンドリング性の改善やゲルテクスチャーの改善を目的とする場合は、ジェランガムがより好ましい。
二糖としては、ショ糖、マルトース、乳糖などの1種又は2種以上が挙げられる。
オリゴ糖としては、マルトトリオース、マルトオリゴ糖などの1種又は2種以上が挙げられる。
デキストリンとしては、特に分子量など制限されないが、機能性を有する難消化性デキストリンなどが挙げられる。
糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトールなどの1種又は2種以上が挙げられる。
陸生植物由来多糖及び微生物産生多糖以外の多糖としてはキチン、キトサン等の動物由来多糖などの1種又は2種以上が挙げられる。
ここで、実質的に水を含まないとは、この陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物に対して、後述の乾燥粉砕工程における乾燥と同様の処理を施しても重量減量が乾燥前の重量に対して15重量%以下であることをいう。
本発明では、陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物と水を混合することにより中間原料として水膨潤多糖を得る。
この水で膨潤された状態により、陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物中の分子立体構造、特に結晶構造が緩やかとなる。このように、分子立体構造、特に結晶構造が緩やかとなった水膨潤多糖類を短時間内で乾燥することにより、緩和された分子立体構造のまま固形物を得ることができ、当該処理により従来と異なった品質を有する多糖粉末を得ることができる。
本発明のでは、混合工程で得られた前述の水膨潤多糖を1分以下の時間内で乾燥と粉砕を実施して多糖類生産物を得る。ここで、乾燥速度を速め、結晶化を抑制する観点より乾燥と粉砕を同時に実施することが好ましい。この乾燥速度が重要な品質改善の要因である。
乾燥時間は1分以内であればよいが、より短い方が品質の改善効果の面で好ましく、30秒以内が好ましい。乾燥時間を過度に短くすることは困難であるが、0.5秒〜15秒であることがより好ましい。
本発明では、多糖固形物中の結晶構造の緩和等分子立体構造の変化を進行させるため、乾燥粉砕工程前に、水膨潤多糖を加温することが好ましい。水膨潤多糖を好ましくは、50℃以上、より好ましくは70〜200℃に加熱することにより、水に溶解していない状況においても更に分子立体構造の変化を進行させることができ、このような加熱工程を経た水膨潤多糖を短時間に乾燥粉砕乾燥することにより、より品質改善された多糖粉末を得ることができる。この加熱工程の時間は、多糖の加水分解抑制の観点から5分以下程度が好ましく、20秒から60秒がより好ましい。
加熱設備としては通常の設備を使用すればよいが、ジャケット付混練機や一軸、又は二軸のエクストルーダー(混練機)を挙げることができる。
本発明ではまた、乾燥粉砕工程前に、混合工程で得られた水膨潤多糖類に機械的なせん断力を付与することにより、より結晶構造の緩和等の分子立体構造の変化を促進させ、このせん断工程後、短時間に乾燥粉砕することにより、新規な粘性特性を有する多糖粉体を得ることができる。このせん断工程は、上記の加熱工程と同時に行うことが好ましく、この場合において、せん断力を付与する設備としては、一軸、又は二軸のエクストルーダー(混練機)などを挙げることができる。
本発明の多糖類生産物の製造方法により製造された多糖類生産物は、冷水溶解性、溶解速度、ゲルテクスチャー、溶解時分散性(溶解時ハンドリング性)などが改善されたものであり、増粘剤、ゲル化剤、安定剤等として各種の飲食品に好適に使用される。
グァーガム5kg(100重量部)に蒸留水3kg(60重量部)を加え、室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調整した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖をシリンダー温度200℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行い(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、その後直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕することにより粉末化して実施例1の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
未処理グァーガムを比較例1の多糖粉体とした使用した。
以下の方法で実施例1の多糖粉末と比較例1の多糖粉末の粘度発現時間を調べた。
200mLビーカーに水を128.7g入れ、トルク検出機付撹拌機にて400rpmで撹拌しながら多糖粉末1.3gを10秒間かけて添加した。そのまま20分間撹拌し、経過時間による粘度の変化をトルク値として測定した。測定開始から最大トルク値の80%に到達するまでに経過した時間を粘度発現時間として算出した。結果を表1に示す。
以下の方法で、実施例1の多糖粉末が比較例1の多糖粉末に対して、押出機での受熱やせん断力、及び瞬時に行う乾燥粉砕によって分子切断(低粘度化)が生じていないことを確認した。
500mLビーカーに199gの水(25℃)を入れ、撹拌機にて600rpmで撹拌しながら多糖粉末1gを添加し、85℃まで加温して撹拌を続けた。30分後、撹拌を止めて25℃まで冷却し、B型回転粘度計を用いて60rpmでの1分間回転粘度を測定した。結果を表2に示す。
グァーガム5kg(100重量部)に蒸留水20kg(400重量部)を加え、室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖をシリンダー温度200℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行い(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、その後直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕することにより粉末化して実施例2の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
グァーガム5kg(100重量部)に蒸留水20kg(400重量部)を加え、室温にて十分に混合しして水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に約30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
得られた含水水膨潤多糖を実施例2と同様にシリンダー温度200℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行った。その後12時間かけて送風乾燥した後、粉砕機で粉末化して比較例2の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
実施例2の多糖粉末と比較例2の多糖粉末を用いて、以下の方法で、乾燥粉砕方法の差異が水溶液粘度に及ぼす影響を確認した。
500mLビーカーに199gの水(25℃)を入れ、撹拌機にて600rpmで撹拌しながら多糖粉末1gを添加し、85℃まで加温して撹拌を続けた。30分後、撹拌を止めて25℃まで冷却し、B型回転粘度計を用いて60rpmでの1分間回転粘度を測定した。結果を表3に示す。
キサンタンガム・エコーガム(登録商標)T(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)10kg(100重量部)に蒸留水15kg(150重量部)を加え、室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調整した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖をシリンダー温度150℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行い(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、その後直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕することにより粉末化して実施例3の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
未処理のキサンタンガム・エコーガム(登録商標)T(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を比較例3の多糖粉末とした。
以下の方法で、実施例3の多糖粉末と比較例3の多糖粉末の粘度発現時間を調べた。
200mLビーカーに水を129.35g入れ、トルク検出機付撹拌機にて400rpmで撹拌しながら、多糖粉末0.65gを10秒間かけて添加した。そのまま20分間撹拌し、経過時間による粘度の変化をトルク値として測定した。測定開始から最大トルク値の80%に到達するまでに経過した時間を粘度発現時間として算出した。結果を表4に示す。
実施例3の多糖粉末が比較例3の多糖粉末に対して、押出機での受熱やせん断力、及び瞬時に行う乾燥粉砕によって分子切断(低粘度化)が生じていないことを前述の実施例1及び比較例1の多糖粉末と同様の方法で確認した。結果を表5に示す。
タマリンドシードガム・グリロイド(登録商標)2A(DSP五協フード&ケミカル株式会社製、加熱溶解型)10kg(100重量部)に蒸留水10kg(100重量部)を加え、室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた含水水膨潤多糖をシリンダー温度130℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行い(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、その後直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕することにより粉末化して実施例4の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった
未処理のタマリンドシードガム・グリロイド(登録商標)2A(DSP五協フード&ケミカル株式会社製、加熱溶解型)を比較例4の多糖粉末とした。
以下の方法で、実施例4の多糖粉末と比較例4の多糖粉末について、室温での水に対する溶解性を調べた。
500mLビーカーに198gの水(25℃)を入れ、撹拌機にて600rpmで撹拌しながら多糖粉末2gを添加し、室温下で撹拌を続けた。30分後、B型回転粘度計を用いて60rpmでの1分間回転粘度を測定した。結果を表6に示す。
以下の方法で、実施例4の多糖粉末が比較例4の多糖粉末に対して、押出機での受熱やせん断力、及び瞬時に行う乾燥粉砕によって分子切断(低粘度化)が生じていないことを確認した。
500mLビーカーに198gの水(25℃)を入れ、撹拌機にて600rpmで撹拌しながら多糖粉末2gを添加し、85℃まで加温して撹拌を続けた。30分後、撹拌を止めて25℃まで冷却し、B型回転粘度計を用いて60rpmでの1分間回転粘度を測定した。結果を表7に示す。
ネイティブ型ジェランガムとしてケルコゲル(登録商標)LT100(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)5kg(100重量部)に蒸留水5kg(100重量部)を加え、室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖をシリンダー温度150℃で加温しながら二軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行い(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、その後直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕することにより粉末化して実施例5の多糖粉末を得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
未処理のネイティブ型ジェランガム ケルコゲル(登録商標)LT100(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を比較例5の多糖粉末とした。
以下の方法で、実施例5の多糖粉末と比較例5の多糖粉末について、室温での膨潤時の粘度を測定した。
容器に水を99.0g入れ、ここに10秒間かけて多糖粉末を1.0g添加し、撹拌機にて1000rpmで5秒間撹拌した。添加多糖粉末添加から40秒後にRapid Visco Analyzer(Newport Scientific Pty Ltd製)にセットし、経過時間による400rpmでの粘度変化を測定し、25℃における最大粘度を算出した。結果を表8に示す。
以下の方法で、実施例5の多糖粉末が比較例5の多糖粉末に対して、押出機での受熱やせん断力、及び瞬時に行う乾燥粉砕によって分子切断(ゲル破断強度低下)が生じていないことを確認した。
500mLビーカーに298.5gの水(25℃)を入れ、撹拌機にて600rpmで撹拌しながら多糖粉末1.5gを添加し、90℃まで加温して撹拌を続けた。5分後、6%乳酸カルシウム溶液6gを加え、内容量を300mLに水分補正した。この溶液をサンプル瓶5個に各45g分注し、25℃静置(2時間)および10℃静置(20時間)を経ることでゲル化させた。プランジャー(円柱状、直径8mm)を有するクリープメーター(株式会社山電製)にゲルをセットして、破断荷重(N)および破断変形(mm)を測定した。得られた破断荷重および破断変形の最大値、最小値を除いた3個の測定値より平均値を算出した。結果を表9に示す。
比較例としては未処理ネイティブ型ジェランガムを使用した(比較例5)。
ローカストビーンガムA500(三菱ケミカルフーズ(株)製品)4kg(100重量部)に蒸留水16kg(400重量部)を加え、ミキサーを使用して室温にて十分に混合し、水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖を乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕してローカストビーンガムAを得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
得られたローカストビーンガムAをJIS200meshで篩分けしパス品を得た。
ローカストビーンガムA500(三菱ケミカルフーズ(株)製品)4kg(100重量部)に蒸留水16kg(400重量部)を加え、ミキサーを使用し室温にて十分に混合し、水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた含水水膨潤多糖をジャケット温度130℃で2軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行った後(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕してローカストビーンガムBを得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
得られたローカストビーンガムBをJIS200meshで篩分けしパス品を得た。
ローカストビーンガムA500(三菱ケミカルフーズ(株)製品)4kg(100重量部)に蒸留水16kg(400重量部)を加え、ミキサーを使用して室温にて十分に混合し水膨潤多糖を調製した。この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた含水水膨潤多糖をジャケット温度130℃で2軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行った(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)。押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。当該水膨潤多糖を1時間かけて減圧乾燥し、ローカストビーンガムCを得た。ローカストビーンガムCを気流粉砕機を用いて粉砕を行ったが、被乾燥物の硬度が高く粉砕は困難であったものの、少量のローカストビーンガムCを得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
得られたローカストビーンガムCをJIS200meshで篩分けしパス品を得た。
ローカストビーンガムA500(三菱ケミカルフーズ(株)製品)をJIS200meshで篩分けし、200meshパス品を得た。
実施例6、実施例7、及び比較例6で得られた各ローカストビーンガムA〜Cの200meshパス品と比較例7のローカストビーンガムA500の200meshパス品の各々2.5gを25℃に維持した蒸留水475.5gに撹拌しながら加え、その後も撹拌継続しながら1分経過毎の粘度をB型粘度計で測定した。結果を表10に示した。
水膨潤多糖を調製するときの水の添加量をローカストビーンガムA500の100重量部に対し320重量部とし、他の操作は実施例7と同等な処理を実施し、ローカストビーンガムDのJIS200meshパス品を得た。尚、本実施例において、水膨潤多糖、及び押出後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、いずれも篩からの流出はなかった。
水膨潤多糖を調製するときの水の添加量をローカストビーンガムA500の100重量部に対し200重量部とし、他の操作は実施例7と同等な処理を実施し、ローカストビーンガムEのJIS200meshパス品を得た。尚、本実施例において、水膨潤多糖、及び押出後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、いずれも篩からの流出はなかった。
実施例8及び実施例9で得られた各ローカストビーンガムD,EのJIS200meshパス品について、実施例6,7におけると同様にして粘度の経時変化を調べた。結果を比較例7の結果と共に表11に示す。
プランタゴオバタ種皮末(インドKamalsons社製:99%Pure 100mesh)4kg(100重量部)に蒸留水4kg(100重量部)を加え、ミキサーを使用して室温にて十分に混合して水膨潤多糖を調製した。尚、この水膨潤多糖をJIS4メッシュの篩上に30g投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。得られた水膨潤多糖をジャケット温度130℃で2軸押出機(STEER Engineering Pvt Limited製OMEGA 40H)でせん断を加えながら押出処理を行った後(二軸押出機の滞留時間20秒から60秒)、直ちに乾燥粉砕機(ミクロパウテック株式会社製CDM70−1000S)で瞬時(0.5秒から15秒)に乾燥粉砕してプランタゴオバタ種皮末Aを得た。
尚、押出処理後の水膨潤多糖を直ちにJIS4メッシュの篩上に30gを投入し、1分後の状況を確認したが、篩からの流出はなかった。
比較例8として未処理のプランタゴオバタ種皮末A及び原料として(インドKamalsons社製:99%Pure 100mesh)を用いた。
実施例10のプランタゴオバタ種皮末A及び原料として用いた比較例8のブランタゴオバタ種皮末(原料)3.5gを25℃に維持した蒸留水496.5gに添加混合し、撹拌を継続しながら5分後、15分後、20分後の粘度をB型粘度計を用いて測定した。
また、実施例10のプランタゴオバタ種皮末A及び原料として用いた比較例8のブランタゴオバタ種皮末(原料)3.5gを25℃に維持した蒸留水496.5gに添加混合し、80℃にて1時間撹拌溶解後、合計重量500gとなるよう水補正した後25℃の恒温槽に2時間浸漬し、内容物温度を25℃として、B型粘度計を用いて粘度を測定した。
これらの結果を表12に示した。
尚、実施例10と比較例8のプランタゴオバタ種皮末の80℃溶解粘度に大きな差異が無いことより、実施例10の処理によって分子切断が物性(低粘度化)に大きく影響を与える程生じていないことが確認された。
Claims (5)
- 陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物と水とを混合して自己形状保持性を有する水膨潤多糖を得る混合工程と、該水膨潤多糖を1分以下の時間内に乾燥と粉砕を実施して多糖類生産物を得る乾燥粉砕工程とを有する多糖類生産物の製造方法であって、
前記混合工程後、前記乾燥粉砕工程前に、前記水膨潤多糖を50℃以上に加熱する加熱工程と、前記水膨潤多糖に機械的せん断力を付与するせん断工程とを有することを特徴とする多糖類生産物の製造方法。 - 前記混合工程における水の混合量が、前記陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物100重量部に対して、70重量部を超え400重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の多糖類生産物の製造方法。
- 前記陸生植物由来多糖が、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム、ペクチン、カラヤガム、サバクヨモギシードガム、トラガントガム、サイリウムシードガム、ガティガム、セルロース、セルロース誘導体、大豆多糖類、プランタゴオバタ種皮、及びプランタゴオバタ種皮末よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記微生物産生多糖が、キサンタンガム、ジェランガム、アグロバクテリウムスクシノグリカン、カードラン、プルラン、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、発酵セルロース、レバン、ダイユータンガム、及びマクロホモプシスガムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多糖類生産物の製造方法。
- 前記陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物が、単糖、二糖、オリゴ糖、デキストリン、糖アルコール、並びに陸生植物由来多糖及び微生物産生多糖以外の多糖から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の多糖類生産物の製造方法。
- 前記陸生植物由来多糖及び/又は微生物産生多糖を含む組成物中の、前記陸生植物由来多糖及び微生物産生多糖以外の成分の含有量が、前記陸生植物由来多糖と微生物産生多糖の合計重量未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多糖類生産物の製造方法。
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