JP6977252B2 - 表示体及び物品 - Google Patents

表示体及び物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6977252B2
JP6977252B2 JP2016224695A JP2016224695A JP6977252B2 JP 6977252 B2 JP6977252 B2 JP 6977252B2 JP 2016224695 A JP2016224695 A JP 2016224695A JP 2016224695 A JP2016224695 A JP 2016224695A JP 6977252 B2 JP6977252 B2 JP 6977252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
display body
region
concavo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016224695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018081248A (ja
Inventor
一成 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2016224695A priority Critical patent/JP6977252B2/ja
Publication of JP2018081248A publication Critical patent/JP2018081248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6977252B2 publication Critical patent/JP6977252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Description

本発明は、偽造防止効果や装飾効果を有する表示体及び物品に関する。
従来、文字又は図柄が表示された物品の主面の一部や、物品に貼付される表示体にマイクロ文字、特殊発光インキ、すかし、ホログラム、回折格子等の視覚効果を持たせる技術が知られている。
ホログラムや回折格子を用いる技術は容易に模倣できないため、従来から偽造防止手段に用いられている。例えば、偽造防止手段として、有価証券類、クレジットカード、パスポート、免許証、身分証、紙幣に貼付される表示体に情報をホログラムや回析格子により表示して偽造防止効果を持たせる技術が知られている(特許文献1)。
また、ホログラムや回折格子を用いる技術は、その装飾効果の高さから、従来から装飾効果を高めるためにデザインに用いられている。例えば、トレーディングカード等のデザインの一部または全部にホログラムや回折格子の技術を用いて、絵柄に高い視覚効果を持たせる技術が知られている。
特開2003−295744号公報
しかしながら、技術の発展に伴う回折格子やホログラムの製造技術の向上により、同様の視覚効果を有するホログラムや回折格子を偽造することが容易になってきているため、ホログラムや回折格子を用いた偽造防止手段の偽造防止効果が低下してきている。
また、当該製造技術の向上により、ホログラムや回折格子をデザインに用いる技術が多用されていることから、さらに高いデザイン性を付すことで他のデザインとの差別化が可能な技術が求められてきている。
これらのように、表示体及び物品に高い視覚効果を用いる技術が求められている。
そこで、本発明は、高い視覚効果を有する表示体及び物品を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の表示体及び物品は、次のように構成されている。
上記課題を達成するための第1の発明は、光透過層と、前記光透過層の一方の主面の一部に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域があり、前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、前記凹凸構造の少なくとも一部の領域で、かつ、すべての領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、前記被覆層がない前記界面には、空気層があることを特徴とする表示体である。
上記課題を達成するための第2の発明は、光透過層と、前記光透過層の一方の主面の一部に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域があり、前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、前記凹凸構造の少なくとも一部の領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、また、前記被覆層が少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、前記被覆層の両方が前記境界に接し、前記被覆層の少なくとも1種の屈折率が前記光透過層より小さいことを特徴とする表示体である。
上記課題を達成するための第3の発明は、上記第2の発明において、前記被覆層間の屈折率差が0.03以上であることを特徴とする。
上記課題を達成するための第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れかにおいて、前記複数形成された前記凹凸構造を構成する面の一つである前記傾斜面の角度が、略同一であることを特徴とする。
上記課題を達成するための第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れかにおいて、前記被覆層の位置が、前記凹凸構造を透過する光により表示される図柄または前記傾斜面によって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されることを特徴とする。
上記課題を達成するための第6の発明は、上記第1〜第4の発明の何れかにおいて、前記被覆層の色が、前記凹凸構造を透過する光により表示される図柄または前記傾斜面によって反射される光により表示される図柄の色に応じて決定されることを特徴とする。
上記課題を達成するための第7の発明は、光透過層と、前記光透過層の一方の主面の一部に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域があり、前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、前記凹凸構造の少なくとも一部の領域で、かつすべての領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、前記被覆層がない前記界面には、空気層があることを特徴とする表示体と、前記表示体が固定化され、かつ、光を透過可能に形成された光透過部とを具備することを特徴とする物品である。
上記課題を達成するための第8の発明は、光透過層と、前記光透過層の一方の主面の一部に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域があり、前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、前記凹凸構造の少なくとも一部の領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、また、前記被覆層が少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、前記被覆層の少なくとも1種の屈折率が前記光透過層より小さいことを特徴とする表示体と、前記表示体が固定化され、かつ、光を透過可能に形成された光透過部とを具備することを特徴とする物品である。
本発明によれば、高い視覚効果を有する表示体、及び、表示体を有する物品を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る表示体の構成を示す平面図である。 図1のI-Iでの断面図である。 スネルの法則の説明図である。 表示体に領域12aが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。 表示体に領域12aが全反射を起こす条件で光を入射させたときの反射の法則に応じた位置で表示体を観察したときに表示される絵柄を示す図である。 表示体に領域12bが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。 表示体に領域12bが全反射を起こす条件で光を入射させたときの反射の法則に応じた位置で表示体を観察したときに表示される絵柄を示す図である。 表示体に領域12aが全反射を起こす条件で光を入射させたときに後面側から透過光を観察したときに得られる絵柄を示した図である。 表示体に領域12bが全反射を起こす条件で光を入射させたときに後面側から透過光を観察したときに得られる絵柄を示した図である。 後面側から領域12cが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。 後面側から領域12cが全反射を起こす条件で光を入射させたときの前面側から観察される絵柄を示した図である。 表示体を物品に添付した例を示す図である。 図12のII-IIでの断面図である。 表示体10bの断面図を示した図である。 表示体10cの断面図を示した図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の表示体について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の表示体10の実施例を示す平面図である。図2は、図1のI-I線に沿った表示体10の断面図である。表示体10は、少なくとも光透過層11、空気層13a、被覆層13b及び被覆層13cを含んでいる。光透過層11は、凹構造(凹凸構造ということもある)15が形成されていない第1主面(以下、前面という)と、第1主面と対向し、凹構造15が形成されている第2主面(以下、後面という)とを備えている。前面と後面は、XY平面と平行または略平行である。光透過層11の厚みは、Z軸に沿った間隔に相当する。図2に示す例では、凹構造15が形成されていない光透過層11側を前面側(観察者側)とし、反対側を後面側としている。図示している光透過層11の屈折率は1.42である。
以下で説明するように、光透過層11の一方の主面(後面)の一部には、凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域がある。被覆層は、凹凸構造の少なくとも一部の領域で、かつ、すべての領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、光透過層11とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている。被覆層がない界面には、空気層13aがある。
光透過層11は、複数の凹構造15が設けられた第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b、第3凹凸構造領域12cと、凹構造15が設けられていない平坦領域12eとを備えている。第1凹凸構造領域12aの凹構造15には、被覆層は形成されていないが、屈折率1.0の空気層13aが存在している。すなわち、表示体10は屈折率1.0の空気中に存在する。第2凹凸構造領域12bの凹構造15には、光透過層11より屈折率が低い光透過性材料が被覆層13bとして形成されており、被覆層13bの屈折率は1.3である。第3凹凸構造領域12cには、光透過層11より屈折率が高い光透過性材料が被覆層13cとして形成されており、被覆層13cの屈折率は1.6である。ここで各材料の屈折率を下記のように示す。光透過層11の屈折率:n0、空気層13aの屈折率:n1、被覆層13bの屈折率:n2、被覆層13cの屈折率:n3とすると、各屈折率の大小関係は、n0>n1、n0>n2、n0<n3である。
図示はしていないが、このような表示体10を物品に貼り付ける場合には、後面側に接着層を設けることが必要である。また前述では、接着層を後面側に設けたが、前面側に設けてもかまわない。また、本文では凹構造15についてのみ記載するが、構造が凸構造や凹凸構造であっても差し支えはない。
光透過層11は、表面の汚れや傷などから凹構造15を保護し、これにより、表示体10の視覚効果を長期にわたって保つ効果を果たす。さらに、光透過層11は、凹構造15を露出させないことにより、複製を困難にしている。また、光透過層11は、凹構造15に被覆層13b及び被覆層13cを設けることでも複製を困難にしている。
この光透過層11の構成材料としては、例えば、光透過性を有する樹脂を使用することができる。光透過性を有する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂やポリイミド、ポリアミド、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、エポキシウレタン、シリコーン、エポキシ、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、及び紫外線又は電子線硬化性の、各種アクリルモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマー、アクリル基やメタクリル基などを有するアクリルやエポキシ及びセルロース系樹脂などの反応性ポリマーが使用可能である。第1の実施形態ではポリプロピレンを使用している。
光透過層11には、表面強度や凹構造の形成し易さなどを考慮して、2層以上の構成を採用しても良い。
被覆層13b及び被覆層13cは、凹構造15が設けられた界面の反射率を制御する役割を果たす。被覆層13b及び被覆層13cの構成材料としては、上述した光透過層11の材料を使用可能である。第1の実施形態では、被覆層13bとしてシリコーン、被覆層13cとしてポリメタクリル酸メチル樹脂を使用している。被覆層13b及び被覆層13cの作製方式としては、高精細インクジェットプリンタを用いた方式がある。
光透過層11や被覆層13b及び被覆層13cには、上述したような屈折率の関係が成り立っていれば上述の材料を適宜採用可能である。また、被覆層13b及び被覆層13cは、それぞれ、染料で任意に着色してもよい。
次に、光透過層11に設けられている凹構造15について簡単に説明する。第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域12bと第3凹凸構造領域12cは、同じ凹構造15を有している。具体的には、各領域には、鋸歯状の凹構造15が複数形成されており、凹構造15は、図2に示すように斜面14aと側面14bで構成されている。凹構造15を構成する面のうちの少なくとも一つの面である斜面14aは、光透過層11の厚み方向(Z軸に相当する方向)に対して傾斜する傾斜面である。複数の凹構造15を構成する斜面14aの角度(光透過層11の厚み方向に対する角度)は、略同一である。側面14bは、光透過層11の厚み方向と平行または略平行関係にある面である。図2では、第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b、第3凹凸構造領域12cを説明のために凹構造15を数個しか記載していないが、実際には多くの凹構造15が並んでいる。また、図2では鋸歯状の構造のみを記載しているが、本表示体10の凹構造15には、光透過層11の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を持っていればよい。よって、三角プリズムなどの形状を採用しても良い。
上述したように、第2凹凸構造領域12bの凹構造15は、鋸歯状の断面形状を有しており、例えば、鋸歯状の底と底の間隔が5〜50μm、深さ1〜15μmに形成されている。深さとは凹構造15のトップからボトムまでの長さを指す。第1の実施形態の凹構造15では、鋸歯状の底と底の間隔が15μmで、深さが15μmとなっている。図2では、凹構造15が周期的に配置されているが、周期的に配列されていなくても良い。第1凹凸構造領域12a、第3凹凸構造領域12cも上述と同じ形状を有しているのでここでは説明を省略する。
上述したように第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b及び第3凹凸構造領域12cの鋸歯状の底と底の間隔が5〜50μmである。5μm以下の周期構造になると回折光が射出し、表示体10が虹色に観察される。また50μm以上になると構造が肉眼で認識できてしまう。よって、鋸歯状の底と底の間隔は、5〜50μmに設定されている。また、深さは0.5〜15μmである。深さ0.5μm以下の場合には、第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b及び第3凹凸構造領域12cで反射された光と平坦領域12eで反射された光を明確に判断することが困難となる。しかし、深さが15μm以上になると、凹構造15を成形することが困難になるため、深さが1〜15μmと設定している。また、アスペクト比が1.5以上となると成形することが困難であるため、それより小さくなるように設計している。
上記のような凹構造15は、切削機による切削やレーザー描画機による描画などにより構造を作り、電鋳により金属版を作製し、その金属版を樹脂に加圧して、剥離を行うことによって形成する。
なお、変形例として、表示体10は、凹構造15に空気層13a存在する第1凹凸構造領域12aを備えていなくてもよい。この場合、上述の被覆層13b及び被覆層13cの態様を参照すると、光透過層49の一方の主面(後面)の一部には、凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域がある。さらに、被覆層は、凹凸構造の少なくとも一部の領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、光透過層11とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている。さらに、被覆層は、少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、被覆層の両方が境界に接し、被覆層の少なくとも1種の屈折率が光透過層11より小さい。
図3は、屈折率n4の媒質Aから屈折率n5の媒質Bに入射角θinで光が入射した場合の光の進む方向を示した図で、光の進む方向はスネルの法則から導くことが可能である。スネルの法則を式1に示す。
n4*sinθin=n5*sinθout・・・・(式1)
θinを入射角、θoutを屈折角とする。
式1より屈折率によって射出角θoutの大きさが定まることがわかる。
また、屈折率がn4>n5で光が媒質AからBに入射するとき、入射角θinを大きくしていくと屈折角θoutが90度を越えるため、全反射が起こる。このときの入射角度を全反射角と呼ぶ。つまり、屈折率が大きい媒質から小さい媒質の場合には、一定の入射角条件で入射した光が全反射する全反射角が存在する。
第1の実施形態で光が前面側から入射したときの全反射する表示体10に対する入射角を計算すると、第1凹凸構造領域12aでは、約0度、第2凹凸構造領域12bでは、約22度である。表示体10に対する入射角とは、表示体10に前面側から前面に対して垂直に光を入射させたときを0度とし、X軸方向時計回りをプラス方向としたときの角度である。
第3凹凸構造領域12cでは、屈折率の小さい媒体から大きい媒体への光入射のため、全反射する表示体10に対する入射角は存在しない。また、平坦領域12eでの全反射する表示体10に対する入射角は、約90度以上であるため、こちらも全反射する表示体10に対する入射角は存在しない。この全反射する表示体10に対する入射角の計算は、凹構造15の傾斜及び空気層13aから光透過層11の光入射の際の屈折などを考慮した算出結果である。
ここで被覆層間(例えば被覆層13bと被覆層13cとの間)の屈折率差について述べる。表示体10から300mm離れた位置を観察する位置として、眼の虹彩サイズを5mmとしたときに、表示体10から反射した光が虹彩に入る角度は約0〜0.95度までである。被覆層間の屈折率差を0.03以上にしておくと全反射角は1度以上異なるので、被覆層間で異なる反射光として認識可能である。よって、被覆層間の屈折率差を0.03以上と規定している。
次に、表示体10の前面側から凹構造15に入射した光の挙動について説明する。
まず、反射光の挙動について説明する。
図4は、表示体10に第1凹凸構造領域12aが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。図4示すように、前面側から表示体10に対して垂直方向(入射角0度)から光源302の光が入射した場合を説明する。第1凹凸構造領域12aに入射した場合には、入射した光は透過せずに全反射する(図4に示す全反射光305参照)。これは、第1凹凸構造領域12aにおいて、全反射条件が成り立っているためである。そのため、この光入射条件では、表示体10の後面側に光が射出することはない。第2凹凸構造領域12bに入射した場合には、この領域の全反射する角度が22度以上であるため、全反射は起こらない。つまり、入射光は反射光306と透過光304に分離され射出する。第3凹凸構造領域12cでは、全反射が起こらないので、入射光は反射光306と透過光304に分離される。なお、平坦領域12eでは、入射光は、全反射することなく、ほとんど透過する。
図5は表示体10に図4の光入射条件のときの観察される表示体10の画像(絵柄)を示している。観察者303は、表示体10の前面側であって、反射の法則に応じた位置から表示体10を観察している。図4でも示したように、この条件では、第1凹凸構造領域12aのみが全反射になる。そのため、観察者303が表示体10を反射の法則に従った斜視方向から観察すると、観察者303には、第1凹凸構造領域12aの反射光が最も強く認識される。観察者303は、第2、3凹凸構造領域12b、cでも反射光306を認識できるが、第2、3凹凸構造領域12b、cにおける反射光強度は、第1凹凸構造領域12aにおける反射光強度と比較して弱い。なお、観察者303は、平坦領域12eでは反射光をほとんど認識することができない。
つまり、観察者303は、表示体10の前面における平坦領域12eに対応する領域を暗く認識し、第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像、第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像及び第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像の何れも明るく認識することができる。特に、観察者303は、第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像を、第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像及び第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像よりも明るく認識することができる。
次に、前面側から表示体10に対して入射角22度から光源302の光が入射した場合を説明する。
図6は、表示体10に第2凹凸構造領域12bが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。
図6に示すように、光の入射角が22度の場合には、第1凹凸構造領域12aでは、全反射する角度となるため入射光は透過せずに全反射する(図6に示す全反射光305参照)。このため、表示体10の後面側に光が射出することはない。第2凹凸構造領域12bでは、全反射する角度が22度であるため、第1凹凸構造領域12aと同様に、入射した光は透過せずに全反射する。このため、表示体10の後面側に光が射出することはない。第3凹凸構造領域12cでは、全反射が起こらないため、入射光は反射光306と透過光304に分離される。なお、平坦領域12eでは、入射光は、全反射することなく、ほとんど透過する。
図7は表示体10に図6の光入射条件のときの観察される表示体10の画像を示している。観察者303は、反射の法則に応じた位置、つまり、前面側から表示体10を観察している。図6でも示したように、この条件では、第1、2凹凸構造領域12a、bの二つの領域で全反射する。そのため、観察者303が表示体10を反射の法則に従った斜視方向から観察すると、観察者303には、第1、2凹凸構造領域12a、bの反射光が最も強く認識される。観察者303は第3凹凸構造領域12cでも反射光306を認識できるが、第3凹凸構造領域12cにおける反射光強度は、第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12bにおける反射光強度と比較して弱い。なお、観察者303は、平坦領域12eでは反射光をほとんど認識することができない。
つまり、観察者303は、表示体10の前面における平坦領域12eに対応する領域を暗く認識し、第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像、第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像及び第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像の何れも明るく認識することができる。特に、観察者303は、第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像及び第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像を、第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像よりも明るく認識することができる。
よって、表示体10に対する光の入射角を変化させることで、凹凸構造領域毎に反射光強度を変化させることが可能である。つまり、表示体10に対する光の入射角を変化させることで、表示体10は、反射光によって表示される画像を変化させることが可能である。
次に透過光の挙動について説明する。
図8は、図4に示すように前面側から表示体10に対して垂直方向(入射角0度)から光源302の光が入射した場合の透過光の挙動を示した図である。観察者303は、後面側から表示体10を観察している。図8に示すように、第1凹凸構造領域12aでは全反射が起こるため、観察者303は、表示体10を介した透過光を観察することは出来ない。第2凹凸構造領域12b及び第3凹凸構造領域12cでは、全反射が起こらないため、観察者303は、表示体10を介した透過光304を観察することが出来る。しかし、平坦領域12eも光を透過するため、観察者303が実際に形状を観察するのは、光を透過しない第1凹凸構造領域12aである。つまり、観察者303は、後面側から表示体10を透過観察した場合には、光を透過しない第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像のみを暗い画像として観察することができる。
図9は、図6に示すように前面側から表示体10に対して入射角22度から光源302の光が入射した場合の透過光の挙動を示した図である。観察者303は、後面側から表示体10を観察している。図9に示すように、第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域12bでは全反射が起こるため、観察者303は、表示体10を介した透過光を観察することは出来ない。一方、第3凹凸構造領域12cと平坦領域12eでは、全反射が起こらないため、観察者303は、表示体10を介した透過光304を観察することが出来る。よって、この条件で観察者303が表示体10を介した透過光304を観察すると、観察者303は、光を透過しない第1凹凸構造領域12aに対応する四角形の画像と光を透過しない第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像を暗い画像として観察することが可能である。
よって、表示体10に対する光の入射角を変化させることによって、凹凸構造領域毎に透過光強度を変化させることが可能である。つまり、表示体10に対する光の入射角を変化させることで、表示体10は、透過光によって表示される画像を変化させることが可能である。
次に、表示体10の後面側から光を入射させた場合の光の挙動について説明する。
図10は、後面側から第3凹凸構造領域12cが全反射を起こす条件で光を入射させたときの光の挙動を示した図である。図10に示すように、後面側から表示体10に対して入射角18度から光源302の光が入射した場合について説明する。図10に示すように、第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域12bでは、屈折率の小さい媒体から屈折率の大きな媒体へ光が入射するため、全反射は起こらない。よって、入射光は反射光306と透過光304に分離される。第3凹凸構造領域12cでは、入射光が全反射角で入射するため、入射光は全て反射される(図10に示す全反射光305参照)。また、平坦領域12eでは全反射は起こらないため、入射光は反射光と透過光に分離される。
よって、観察者303が反射の法則に従った方向から表示体10の後面を観察した場合の反射光の強度は、第3凹凸構造領域12cが第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b、第3凹凸構造領域12c及び平坦領域12eのうちで最も高い。つまり、観察者303は、第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像を、第1凹凸構造領域12aに対応する四角の画像及び第2凹凸構造領域12bに対応する円形の画像よりも明るく認識することができる。
図11は、後面側から第3凹凸構造領域12cが全反射を起こす条件で光源302の光を入射させたときの透過光の挙動について説明する図である。観察者303は、前面側から表示体10を観察する。上述したように、第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b、第3凹凸構造領域12c及び平坦領域12eでは、第3凹凸構造領域12cのみが光を全反射する。つまり、第3凹凸構造領域12cでは、透過光が0となり暗く観察される。他の領域では、光が透過するため明るく観察される。よって、この条件で観察者303が前面側から表示体10を介した透過光を観察すると、光を透過しない第3凹凸構造領域12cに対応する三角形の画像を暗い画像として観察することが出来る。
第1の実施形態によれば、表示体10は、表示体10の前面または後面に対する光の入射角、及び、反射光または透過光の何れによる画像なのかに応じて、異なる画像を表示することができる、そのため、表示体10は、高い視覚効果を有する。このような表示体10は、例えば、カラーコピーによる偽造方法やスキャナによって偽造品を製造することはできない。したがって、このような表示体10を偽造防止策に用いることにより、目視による真偽判別を容易かつ確実に実行でき、さらに偽造品の製造をより困難にすることができる。
なお、光透過層11の凹構造15に形成される被覆層の位置は、凹構造15を透過する光により表示される図柄または斜面14aによって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されてもよい。さらに、被覆層の色は、凹構造15を透過する光により表示される図柄または斜面14aによって反射される光により表示される図柄の色に応じて決定されてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の物品について図面を用いて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した構成と同様であってもよい構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、物品40の概観を示した図である。また、図13は、図12のII-II線に沿った物品40の断面図である。物品とは、紙幣、有価証券、パスポート、IDカードなどを示しており、物品40は一例として紙幣を示している。
表示体10は、図12に示したような短形状のものに限らず、円形や楕円形のもの、物品40上を横断するような帯状のもの、物品の前面を覆いつくすようなものなど様々な形態のものが添付可能となっている。
図13に示すように、物品40は、シート状又は平板状の基材(情報印刷基材)44と基材44上に印刷形成された印刷層41、凹構造が形成された面を基材44に貼り付けるように接着層45を介して、基材44又は印刷層41の一部(又は全部)に添付された表示体10と、表示体10上に形成された保護層42とを備えている。
基材44は、表示体10が固定化され、かつ、光を透過可能に形成された光透過部である。基材44は、例えば、紙もしくはプラスチック板、プラスチックフィルム等のシート状や平板状の基材が使用可能となっている。なお、物品40がクレジットカードやIDカード等の場合、基材44の反りを防止するための反り防止層や、印刷のインクの密着性を高めるためのインク密着層が設けられることもある。さらに基材44上に別途磁気フィルム層等が設けられることもある。基材44が紙である場合にも、必要に応じて様々な機能を有する層が設けられる。
印刷層41は、物品40の用途に応じて、任意の絵柄や文字、記号等の情報が使用可能となっている。
接着層45は、例えば、予め表示体10に形成されてもよく、物品40の印刷層41上に形成されてもよい。
保護層42は、表示体10を傷や汚れから保護するための層であり、必須ではなく省略してもよい。
次に表示体10について詳細に説明していく。図12に示すように、表示体10は、矩形状をしており、3つの表示体10a、10b、10cで構成されている。
まず表示体10aについて説明する。
図13に示すように、表示体10aは、少なくとも光透過層49、空気層47a及び被覆層47bを含んでいる。光透過層49は、凹構造47が形成されていない前面となる第1主面と、前面と対向し、凹構造47が形成されている後面となる第2主面とを備えている。前面と後面は、平行または略平行である。表示体10aは、領域46a、b及び領域46dで構成されており、領域46a、bには鋸歯状の凹構造47が複数形成されている。領域46dには、凹構造47が形成されていない。鋸歯状の凹構造47の凹構造部には、空気層47a、被覆層47bが形成されている。具体的には領域46aに、空気層47aが形成されており、領域46bには被覆層47bが形成されている。光透過層49と空気層47a、被覆層47bそれぞれの屈折率n6、n7、n8の関係は、n6>n7、n6>n8となっている。また屈折率n6、n7、n8は、それぞれ、1.42、1.0、1.3となっている。
上述のように、光透過層49の一方の主面(後面)の一部には、凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域がある。被覆層は、凹凸構造の少なくとも一部の領域で、かつすべての領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、光透過層49とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている。被覆層がない界面には、空気層47aがある。
鋸歯状の凹構造47の深さは10μmであ、底と底の間隔が10μmである。深さとは凹構造47のトップからボトムまでの長さを指す。このような設計の凹構造47は、表示体10aの後面に対する傾斜が45度となる斜面を備える。このように、凹構造47を構成する面のうち少なくとも一つの面は、光透過層49の厚み方向に対して傾斜する斜面を有している。また、複数の凹構造15を構成する斜面の角度(光透過層11の厚み方向に対する角度)は、略同一である。
ここでは、前面側から表示体10aに光が入射し、観察者が後面側から表示体10aを観察する場合を説明する。前面側から表示体10aに垂直に光が入射する場合、すなわち、斜面に45度で入射する場合には、領域46aでは、全反射角であるため、入射光は全反射する。領域46bでは、全反射は起こらない。よって、観察者が表示体10aの部分を後面側から観察すると、領域46aの部分は透過光がないため暗く、領域46bの部分は明るく表示される。つまり、表示体10aに「三日月」が表示される。
前面側から表示体10aへ入射角が−22度で入射する場合、領域46a、bは両方とも全反射角となるため全反射する。ここで、表示体10aに対する入射角とは、表示体10aに前面側から前面に対して垂直に光を入射させたときを0度とし、X軸方向時計回りをプラス方向としたときの角度である。そのため、表示体10aの部分を後面側から観察すると、領域46a、bの部分は透過光がないため暗く表示される。つまり、表示体10aに黒丸「●」が表示される。よって、表示体10aへの光の入射角を変化させることにより、表示体10aに表示される画像のチェンジングが可能である。
なお、前面側から表示体10aに光が入射し、観察者が表示体10aの前面側から反射光を観察する場合であっても同様である。つまり、表示体10aへの光の入射角を変化させることにより、第1の実施形態で説明した作用と同様の作用により透過または反射が生じるため、反射光で表示体10aの前面に表示される画像のチェンジングが可能である。
なお、光透過層49の凹構造47に形成される被覆層の位置は、凹構造47を透過する光により表示される図柄または凹構造47の斜面によって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されてもよい。
次に表示体10bについて説明する。
図14に示すように、表示体10bは、少なくとも光透過層49、被覆層47d及び被覆層47eを含んでいる。表示体10bは領域49a、bを含んでおり、領域49a、bには、鋸歯状の凹構造47が複数形成されている。鋸歯状の凹構造47の凹構造部には、被覆層47d、eが形成されている。被覆層47d、eは、30μmの周期で市松状に形成されている。領域49aには、被覆層47dが形成されている。また領域49bには、被覆層47eが形成されている。光透過層49と被覆層47d、47eの屈折率n9、n10、n11の関係は、n9>n10、n9>n11となっている。また屈折率は、1.42、1.3、1.35となっている。このように、被覆層間の屈折率差は0.03以上である。
上述のように、光透過層49の一方の主面(後面)の一部には、凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域がある。さらに、被覆層は、凹凸構造の少なくとも一部の領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、光透過層49とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている。さらに、被覆層は、少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、被覆層の少なくとも1種の屈折率が光透過層49より小さい。
また被覆層47dは、青い染料を混ぜ着色している。また、被覆層47eには赤い染料を混ぜ着色している。ここでは、前面側から表示体10bに光が入射し、観察者が後面側から表示体10aを観察する場合を説明する。前面側から表示体10bに対して入射角が−22度で光が入射する場合には、領域49aでは、全反射角であるため、入射光は全反射する。領域46bでは、全反射は起こらない。また、前面側から表示体10bに対して入射角が−27度で光が入射する場合には、領域49a、bでは、全反射角であるため、入射光は全反射する。また前面側から表示体10bに対して入射角が−22度より大きい角度で光が入射する場合には、領域49a、bともに全反射が起こらない。つまり、入射角度によって、表示体10bの後面側において透過光の観察できる領域が変化する。
また、上述したように被覆層47d、eは着色されている。そのため透過光には、色が付く。入射角が0度以下で−22度よりも大きい場合には、領域49a、bともに透過する。それぞれの領域幅が30μmと小さいため、人間の眼ではそれぞれの色は認識できず、青と赤の混合色である赤紫色が観察される。次に入射角が−22度以下で−27度よりも大きい場合には、領域49aのみ全反射となる。よって領域49bのみ光が透過する。よって、後面側から透過光を観察すると赤色に観察される。また、前面側から表示体10に対して入射角が−27度以下で光が入射する場合には、領域49a、bでは、全反射となる。よって、透過光が無く、領域49a、bは黒色に観察される。よって、表示体10bに対して光の入射角を変更するで、透過光で観察される表示体10bの色を変化させることが可能である。
なお、前面側から表示体10bに光が入射し、観察者が表示体10bの前面側から反射光を観察する場合であっても同様である。つまり、表示体10bへの光の入射角を変化させることにより、第1の実施形態で説明した作用と同様の作用により透過または反射が生じるため、反射光で表示体10aの前面に表示される色を変化させることが可能である。
なお、光透過層49の凹構造47に形成される被覆層の位置は、凹構造47を透過する光により表示される図柄または凹構造47の斜面によって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されてもよい。さらに、被覆層の色は、凹構造47を透過する光により表示される図柄または凹構造47の斜面によって反射される光により表示される図柄の色に応じて決定されてもよい。
次に表示体10cについて説明する。
図15に示すように、表示体10cは、少なくとも光透過層49及び被覆層51a、b、cを含んでいる。表示体10cは領域50a、b、cを含んでおり、領域50a、b、cには、鋸歯状の凹構造47が複数形成されている。図15に示すように、鋸歯状の凹構造47には、屈折率が徐々に変化していくように被覆層51a、b、cが形成されている。被覆層51a、b、cの屈折率は、それぞれ、1.3、1.34、1.38となっている。このように、被覆層間の屈折率差は0.03以上である。
上述のように、光透過層49の一方の主面(後面)の一部には、凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された領域がある。さらに、被覆層は、凹凸構造の少なくとも一部の領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、光透過層49とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている。さらに、被覆層は、少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、被覆層の少なくとも1種の屈折率が光透過層49より小さい。
ここでは、前面側から表示体10cに光が入射し、観察者は後面側から表示体10cを観察する場合を説明する。領域50a、b、cそれぞれにおいて全反射が起こる表示体10cに対する前面側からの光の入射角は、−33度、−39度、−49度となる。表示体10cに入射する光の角度を−33度から−49度に徐々に変化させ、表示体10cの後面側から透過光を観察すると領域50a、b、cの順番に暗くなっていく。すなわち、表示体10cに入射させる光の角度を変化させることで、明るい部分が徐々に暗くなっていくというアニメーション効果が可能となる。
なお、前面側から表示体10cに光が入射し、観察者が表示体10cの前面側から反射光を観察する場合であっても同様である。つまり、表示体10cへの光の入射角を変化させることにより、第1の実施形態で説明した作用と同様の作用により透過または反射が生じるため、表示体10cは、前面において、反射光によるアニメーション効果が可能となる。
なお、光透過層49の凹構造47に形成される被覆層の位置は、凹構造47を透過する光により表示される図柄または凹構造47の斜面によって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されてもよい。
このように物品40は、表示体10による透過観察時の画像のチェンジング、色変化やアニメーション効果といった高い視覚効果を有している。よって、この表示体10を貼り付けた物品40は、偽造が非常に困難である。
10、10a、10b、10c…表示体
11…光透過層
12a…第1凹凸構造領域
12b…第2凹凸構造領域
12c…第3凹凸構造領域
12e…平坦領域
13a…空気層
13b、13c…被覆層
14a…斜面
14b…側面
15、47…凹構造
40…物品
41…印刷層
42…保護層
44…基材
45…接着層
46a、46b、46d…領域
47a…空気層
47b、47d、47e…被覆層
49…光透過層
49a、49b…領域
50a、50b、50c…領域
51a、51b、51c…被覆層
302…光源
303…観察者
304…透過光
305…全反射光
306…反射光

Claims (8)

  1. 光透過層と、前記光透過層の一方の主面に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された複数の凹凸構造領域及び前記凹凸構造が形成されていない平坦領域があり、
    前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、
    前記複数の凹凸構造領域の少なくとも一部の凹凸構造領域で、かつ、すべての凹凸構造領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、前記被覆層がない前記界面には、空気層があることを特徴とする表示体。
  2. 光透過層と、前記光透過層の一方の主面に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された複数の凹凸構造領域及び前記凹凸構造が形成されていない平坦領域があり、
    前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、
    前記複数の凹凸構造領域の少なくとも一部の凹凸構造領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、
    また、前記被覆層が少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、前記被覆層の両方が前記境界に接し、前記被覆層の少なくとも1種の屈折率が前記光透過層より小さいことを特徴とする表示体。
  3. 前記被覆層間の屈折率差が0.03以上であることを特徴とする請求項2に記載の表示体。
  4. 前記複数形成された前記凹凸構造を構成する面の一つである前記傾斜面の角度が、略同一であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示体。
  5. 前記被覆層の位置が、前記凹凸構造を透過する光により表示される図柄または前記傾斜面によって反射される光により表示される図柄の濃淡に応じて決定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表示体。
  6. 前記被覆層の色が、前記凹凸構造を透過する光により表示される図柄または前記傾斜面によって反射される光により表示される図柄の色に応じて決定されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表示体。
  7. 光透過層と、前記光透過層の一方の主面に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された複数の凹凸構造領域及び前記凹凸構造が形成されていない平坦領域があり、
    前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、
    前記複数の凹凸構造領域の少なくとも一部の凹凸構造領域で、かつすべての凹凸構造領域ではない凸部又は、凹部の界面に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、前記被覆層がない前記界面には、空気層があることを特徴とする表示体と、前記表示体が固定化され、かつ、光を透過可能に形成された光透過部とを具備することを特徴とする物品。
  8. 光透過層と、前記光透過層の一方の主面に凸部又は、凹部、又はその両方を含む凹凸構造が複数形成された複数の凹凸構造領域及び前記凹凸構造が形成されていない平坦領域があり、
    前記凹凸構造を構成する面のうち少なくとも一つの面が、前記光透過層の厚み方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、
    前記複数の凹凸構造領域の少なくとも一部の凹凸構造領域の凸部又は、凹部の境界に隣接して、前記光透過層とは異なる屈折率を持つ光透過性材料が形成されている被覆層とを具備し、
    また、前記被覆層が少なくとも2種の屈折率が異なる光透過性材料で構成され、前記被覆層の少なくとも1種の屈折率が前記光透過層より小さいことを特徴とする表示体と、前記表示体が固定化され、かつ、光を透過可能に形成された光透過部とを具備することを特徴とする物品。
JP2016224695A 2016-11-18 2016-11-18 表示体及び物品 Active JP6977252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224695A JP6977252B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 表示体及び物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224695A JP6977252B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 表示体及び物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018081248A JP2018081248A (ja) 2018-05-24
JP6977252B2 true JP6977252B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=62198917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016224695A Active JP6977252B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 表示体及び物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6977252B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019207386A (ja) * 2018-05-24 2019-12-05 株式会社小泉製作所 魔鏡現象が出現する魔鏡体
CN110712452B (zh) * 2018-07-13 2021-03-12 中钞特种防伪科技有限公司 光学防伪元件及其制备方法和光学防伪产品
CN112572014B (zh) * 2019-09-30 2022-05-27 中钞特种防伪科技有限公司 光学防伪元件及防伪产品

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5591527A (en) * 1994-11-02 1997-01-07 Minnesota Mining And Manufacturing Company Optical security articles and methods for making same
JP2006119258A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Dainippon Printing Co Ltd 真偽判定体及び真偽判定用ラベル
GB0504959D0 (en) * 2005-03-10 2005-04-20 Rue International De La Ltd Security device based on customised microprism film
WO2010049676A1 (en) * 2008-10-27 2010-05-06 De La Rue International Limited Security device comprising a printed metal layer in form of a pattern and methods for its manufacture
JP5526580B2 (ja) * 2009-04-07 2014-06-18 凸版印刷株式会社 表示プレート
JP5526581B2 (ja) * 2009-04-07 2014-06-18 凸版印刷株式会社 表示プレート
JP5724158B2 (ja) * 2009-04-27 2015-05-27 凸版印刷株式会社 表示プレート
GB201301790D0 (en) * 2013-02-01 2013-03-20 Rue De Int Ltd Security devices and methods of manufacture thereof
JP6677165B2 (ja) * 2014-11-10 2020-04-08 凸版印刷株式会社 偽造防止用の光学素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018081248A (ja) 2018-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11618275B2 (en) Optical switch devices
US11861966B2 (en) Optical switch devices
US11590790B2 (en) Optical products, masters for fabricating optical products, and methods for manufacturing masters and optical products
US20220221735A1 (en) Optical switch devices
WO2017068769A1 (ja) 表示体、および表示体付き物品、ならびに表示体の観察方法
JP6977252B2 (ja) 表示体及び物品
JP6349834B2 (ja) 表示体、表示体の製造方法、ラベル付き物品
JP2015068849A (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2009168928A (ja) 表示体及び表示体付き物品
JP5740811B2 (ja) 表示体及び表示体付き物品
JP2016080848A (ja) 表示体及び表示体付き物品
JP5504825B2 (ja) 表示体
JP5834466B2 (ja) 表示体及び情報印刷物
JP6774646B2 (ja) 光学素子、印刷物および偽造防止媒体
WO2017155049A1 (ja) 表示体及び情報印刷物
JP7011796B2 (ja) 光学素子、印刷物および偽造防止媒体
US20230264510A1 (en) Optical switch devices
JP2016200628A (ja) 表示体及び情報印刷物
JP6003450B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2010249982A (ja) 表示体及び情報印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6977252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150