JP2016200628A - 表示体及び情報印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】回折格子に代わる新しい光学特性を有する優れたセキュリティデバイスとしての表示体10として、観察する際に、観察方向や角度といった観察条件を変えることにより、異なる表示効果を有する表示体を提供する。
【解決手段】光透過性を有する基材の表面に、複数の底部と複数の多面体からなる凸部17を、ストライプ状または二次元配列状に設け、さらに反射層13を積層した表示体10であって、前記多面体からなる凸部17の少なくとも一つの面を前記基材に対して略垂直とし、前記基材に対して略垂直とした面に設けられる反射層13の膜厚を、他の面に設けられた反射層13の膜厚より薄くし、透過率を40%以上とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、偽造防止等に用いる表示体であって、観察条件によって見え方が変化する表示体に関する。
商品券や小切手等の有価証券類、クレジットカードやキャッシュカード、IDカード等のカード類、パスポートや免許証等の証明書類の偽造防止を目的として、通常の印刷物とは異なる視覚効果を持つ表示体を転写箔やステッカー等の形態にして、前記証券類やカードなどの証明書類の表面に貼付、圧着することが行われている。
また、有価証券類や証明書類以外の物品においても偽造品の流通が社会問題化しており、そのような物品についても同様の偽造防止技術を適用する機会が多くなってきている。
偽造防止技術としては、マイクロ文字、特殊発光インキ、透かし、回折格子、ホログラムなどがあり、偽造防止技術は大きく二つに分けることができる。一つは、簡易な機器や測定装置などの検証機を使用して真偽を判別する偽造対策で、もう一つは、肉眼で容易に真偽判定が可能な偽造対策である。
偽造防止媒体は、電子線描画装置(EB装置)などで様々な微細構造を作製し、目視で類似技術と差別化できるセキュリティデバイスの開発が行われていて、もっとも一般的なセキュリティデバイスとして、表面レリーフタイプの回折格子がある。回折格子は、一般の印刷物に比べて構造が複雑で、高い微細加工技術がないと作製が困難であった(特許文献1)。
しかしながら、最近は回折格子と類似の光学効果を呈するものが流通してきており、回折格子の偽造防止効果が薄れてきているため、回折格子に代わる新しい光学特性を有する偽造防止性の優れたセキュリティデバイスの提供が望まれている。
特開2003−295744号公報
そこで、本発明では、回折格子に代わる新しい光学特性を有する優れたセキュリティデバイスとしての表示体として、観察する際に、観察方向や角度といった観察条件を変えることにより、異なる表示効果を有する表示体を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、光透過性を有する基材の表面に、複数の底部と複数の多面体からなる凸部を、ストライプ状または二次元配列状に設け、さらに反射層を積層した表示体であって、
前記多面体からなる凸部の少なくとも一つの面を前記基材に対して略垂直とし、前記基材に対して略垂直とした面に設けられる反射層の膜厚を、他の面に設けられた反射層の膜厚より薄くし、透過率を40%以上としたことを特徴とする表示体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記複数の多面体からなる凸部の、凸部同士の距離が
200nm〜500nmであり、凸部の高さが200nm〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の表示体である。
また、請求項3に記載の発明は、観察方向に対して、前記複数の多面体からなる凸部の透過率を40%以上とした面を配列させて形成した画素と、前記複数の多面体からなる凸部の反射面を配列させて形成した画素からなる、透過率の差に基づいた2値画像を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記凸部の、頂点部の面の形状が多角形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示体である。
また、請求項5に記載の発明は、前記頂点部の面形状の多角形が、正三角形、正四角形、正五角形のいずれかで構成され、前記2値画像の枚数が前記頂点部の面を構成する多角形の頂点数と同数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示体である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示体を具備したことを特徴とする情報印刷物である。
請求項1の発明によれば、複数の多面体からなる凸部の少なくとも一部に、基材が露出した光透過面が設けられており、表示体を方向を変えて観察することにより、反射層から射出される回折光による表示と、光透過面を透過する光による表示が得られると共に、光透過面が形成されるため、表示体の下面に印刷画像を設ければ、観察方向により、光透過面から印刷画像も観察することができる。
請求項2の発明によれば、凸部は、可視光の波長未満の凸部間距離毎に配置されて、これにより、反射層を選択的に設けることを困難とし、偽造防止効果を高めることができ、また、表示体を真上から観察すると黒く認識され、従来の回折格子と全く異なる視覚効果が得られる。さらに、前記凸部の凸部間距離が200nm以上500nm未満であり、前記凸部の高さが200nm以上500nm未満である。このような値にすることで、表示体を真上から観察すると黒く認識される。
請求項3の発明によれば、基材に対して略垂直である面の方向は、表示体の観察方向毎に用意した反射層と光透過面からなる2値画像に対応して設定されている。さらに、観察方向毎に画像に対応した位置で下面に設けられた印刷画像などを表示することが可能である。
請求項4の発明によれば、凸部の頂上部の面が多角形であるため、多角形の頂点の数だけ光透過面を透過する光による表示体の下面に設けられた印刷画像を切り替えることができる。
請求項5の発明によれば、頂上部の面が正三角形又は正四角形又は正五角形で構成されているため、光透過面を透過する光量を増やすことができ、より明確に光透過面を透過する光による表示体の下面に設けられた印刷画像などを表示することが可能となる。
請求項6の発明によれば、表示体を印刷層に貼り付けることにより、請求項1〜6の何れかに対応する作用を実現した情報印刷物を提供できる。
本発明の表示体の構成を示した概念図である。 図1に示した本発明の表示体における、I−I断面を示した概念断面図である。 図1に示した本発明の表示体における、II−II断面を示した概念断面図である。 図2に示した表示体の凹凸構造領域Aの構造を拡大した断面概念図である。 図2に示した表示体の凹凸構造領域Bの構造を拡大した断面概念図である。 図3に示した表示体の凹凸構造領域Cの構造を拡大した断面概念図である。 第3凹凸構造領域12cの構造を拡大して示した斜視図である。 第1凹凸構造領域12aの回折光を射出する様子を示した概念図である。 第2凹凸構造領域12bの回折光の射出する様子を示した概念図である。 第3凹凸構造領域12cにおけるX軸方向での光透過を示した概念図である。 第3凹凸構造領域12cにおけるY軸方向での回折光の射出を示した概念図である。 2値画像を説明した概念図である。 本発明の表示体を、観察する方向を示した概念図である。 2値画像を説明するための図12の、画素を構成する凸部構造で、基材に対する略垂直面が、一つである凸部構造の例を示した概念図である。 2値画像を説明するための図12の、画素を構成する凸部構造で、基材に対する略垂直面が、二つである凸部構造の例を示した概念図である。 本発明の表示体を、観察したときの、透過する光を示した概念図である。 本発明の表示体を具備した情報印刷物を示した平面概念図である。 本発明の表示体を具備した情報印刷物を示した断面概念図である。 本発明の表示体における、凸部構造の配置位置を示した概念図である。 観察できる印刷画像を示した概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の表示体の実施の形態1を示す平面図であり、図2は、図1のI−I線に沿った断面図である。また図3は、図1のII−II線に沿った断面図である。表示体10は、少なくとも透過層11及び反射層13、接着層15を含んでおり、透過層11側を前面側(観察者側)とし、接着層15側を背面側としている。
透過層11と反射層13との界面は、複数の凹凸構造が設けられた第1凹凸構造領域12a、第2凹凸構造領域12b、第3凹凸構造領域12cと平坦領域12xとを備えている。また、接着層15は、反射層13又は透過層11に形成されている。
透過層11は、表面の汚れや傷などから凹凸構造を保護し、これにより、表示体10の視覚効果を長期にわたって保つ効果を果たす。さらに、透過層11は、凹凸構造を露出させないことにより、複製を困難にしている。
この透過層11の構成材料としては、例えば、光透過性を有する樹脂を使用することができる。光透過性を有する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂やポリイミド、ポリアミド、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、エポキシウレタン、シリコーン、エポキシ、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、及び紫外線又は電子線硬化性の、各種アクリルモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマー、アクリル基やメタクリル基などを有するアクリルやエポキシ及びセルロース系樹脂などの反応性ポリマーが使用可能である。
透過層11には、表面強度や凹凸構造の形成し易さなどを考慮して、2層以上の構成を採用しても良い。また、反射層13の構成材料として金属を使用した場合、それに由来する金属光沢色を異なる色に変えるために、この透過層11に染料や顔料などを混ぜ、この染料や顔料に特定の波長の光を吸収させるようにすることも可能である。
反射層13は、凹凸構造が設けられた界面の反射率を高める役割を果たす。この反射層13の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銀、錫、クロム、ニッケル、銅、金及びそれらの合金などの金属材料を使用することができる。また、反射層13は、誘電体材料などの、透過層11の構成材料とは屈折率が異なる材料からなるものであっても良い。反射層13は、単層に限られず、多層であってもよい。
そして、この反射層13は金属及び酸化チタンや硫化亜鉛のような酸化物などを用い、真空製膜法を利用して形成することができる。真空製膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法などが適用できる。表示体10の反射層13にはアルミニウムを使用している。
接着層15は、表示体10を偽造防止対策を施したい情報印刷物に取り付けるために設けられている。この接着層15は、表示体10と偽造対策を施したい物品との間の接着強度や物品の接着面の平滑性などを考慮して、2層以上の構成であってもよい。
図2は、透過層11側から表示体10を観察する構成のものを描いているが、接着層15を図2の反対側に設けることにより反射層13側から表示体10を観察する構成を採用することもできる。
次に、透過層11と反射層13との界面部に設けられている凹凸構造について簡単説明する。界面部における第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域12bと第3凹凸構造領域12cは、構造の異なる凹凸構造を有している。具体的には、第1凹凸構造領域12aはストライプ状の回折格子構造となっており、ある角度で回折光を観察できる。
第2凹凸構造領域12bは、第1凹凸構造領域とは異なる角度で回折光を観察でき、また、ストライプ状、又は、2次元配列の凹凸構造となっている。第3凹凸構造領域12cは、第2凹凸構造領域12bと同様の位置で回折光を観察でき、ストライプ状、又は、2次元配列の凹凸構造となっている。それ以外の界面部は平坦な平坦領域12xを呈している。
図3は、II−IIの断面図を示している。図2,3に示すように第3凹凸構造領域12cの凸部は、X軸方向に傾斜がなく、Y軸方向に傾斜がある構造となっている。
次に、凹凸構造について詳細に説明する。図2の第1凹凸構造領域12aは、一般的な回折格子で、周期的な正弦波状の断面形状を有しており、例えば、典型的な格子線間隔500〜2000nm程度、格子深さ100〜1000nm程度の寸法に形成されている。
図4は、図2の第2凹凸構造領域12bの領域Aの拡大図である。図4に示すように第2凹凸構造領域12bは、周期的な正弦波状の断面を有しており、例えば凸部間距離200〜500nm程度、凸部16の頂上16tと底部16cの差である深さは、200〜500nm程度の寸法に形成されている。反射層13は凹凸構造にほぼ均一な厚みで設けられている。凸部16は、頂上16tと左側斜面16a、右側斜面16bと底面16cで構成されている。
第2凹凸構造領域12bの凸部間距離は、上記に示したように200nm〜500nmである。一般的には、凹凸構造領域12bの凸部間距離が小さくなるに伴って明度及び彩度が低下し、より黒い表示が可能となり、凸部間距離が大きくなるに伴って輝度が上昇し、暗灰色に知覚されるような構造となる。また、凹凸構造の深さが深い方がより黒色表示が可能となり、深さが小さくなるに伴って輝度が上昇し、暗灰色に知覚されるようになる。
典型的には凹凸構造の深さは、凸部間距離の1/2以上とすることが望ましく、具体的には、凸部間距離が500nmであった場合、凹凸構造の深さを250nm以上とすることで暗灰色の表示が可能となり、さらに、凸部間距離よりも大きい500nm以上の深さとすることでより黒い表示が可能となる。
しかし、凸部間距離が短くなる又は凹凸構造の深さが大きくなると、凹凸構造を成形することが困難になるため、凸部間距離を200nm以上、深さを500nm以下としている。
また、凸部間距離が長くなる又は凸部の深さが小さくなると黒色又は暗灰色の表示が困難となるため、凸部間距離が500nm以下、凸部の深さが200nm以上としている。このことは、第3凹凸構造領域12cにも同様に適用される。
図5は、図2の第3凹凸構造領域12cの領域Bの拡大図である。図5に示すように第3凹凸構造領域12cには、周期的な矩形状の断面形状を有しており、透過層11と側面17a、bが略垂直になっている。凹凸構造は、例えば凸部間距離200〜500nm程度、深さ200〜500nm程度の寸法に形成されている。
図5に示す凸部17は、頂上17tと側面17a、b、底面17fで構成され,反射層13は凸部17の頂上17tと底面17fに設けられ、側面17a、bには設けられていない。
または、頂上17tと底面17fと比較して側面17a、bには反射層13の膜厚が薄く設けられている。つまり、この凹凸構造は、反射層13と透過層11が交互に配置された構成となっているか、薄い反射層と厚い反射層が交互に配置された構成となっている。
具体的に薄い反射層とは、反射層13に光が入射した際に40%以上の透過率である場合をいう。また、厚い反射層とは、反射層13に光が入射した際に5%以下の透過率である場合をいう。今後の説明では、後者の構成については省略して説明する。
図6は、図3の第3凹凸構造領域12cの領域Cの拡大図である。図6に示すように第3凹凸構造領域12cは、周期的な台形の断面形状を有しており、例えば凸部間距離200〜500nm程度、深さ200〜500nm程度の寸法に形成されている。
反射層13は、凸部17の頂上17tと底面17f、側面17c、dにほぼ均一な厚みで設けられている。図6では、底面17fが記載されているが、省略した凹凸構造を考えても差し支えない。
ここで、第3凹凸構造領域12cの凸部17の側面17a、b、c、dの反射層の形成原理について説明する。第3凹凸構造領域12cの側面の17a、bは、基材に対して略垂直であるため、反射層13を、スパッタリング法や真空蒸着法を用いて形成すると、17a、bの面は、蒸着源に対して垂直となっているため、17c、dと比較して、反射層13は薄くなる。
また、凸部17の頂上17t、底面17fは反射層はさらに厚く形成される。すなわち、蒸着源の方向に対して面が垂直である側面17a、bは反射層が成形されにくく、蒸着源に対してある角度を有している側面17c、dは反射層を成形しやすい。したがって、凸部の形状を制御することによって反射層13の位置を選択的に形成することが可能であることを意味する。
また、側面17a、bに反射層が形成された場合には、反射層形成後にウエットエッチングなどを行うことによって、側面17a、bの反射層を除去することが可能である。これは、各面の反射層の膜厚が異なるため、最も薄い側面17a、bから反射層が消失するためである。
第3凹凸構造領域12cの凸部の形状は、図5、6に示したようにX軸方向とY軸方向で異なる断面を有している。凸部17は、頂上17tと側面17a、b、c、dの5面で構成されてなる。これは、側面17a、b、c、dは、一つの平面で構成されていることを意味する。この場合、凸部17の頂上17tの形状は、四角形としている。実施の形態では頂上17tの形状を四角形としているが、三角形、五角形、六角形など他の多角形でも良い。
しかし、六角形以上は、凸部17を構成する一つ一つの側面の面積が小さくなってしまい、側面の面積が小さくなるため好ましくない。また、頂上の形状が五角形以下でも正三角形など辺が等しい形状が好ましい。なぜなら、凸部17を構成する側面の面積が異なってしまうためである。
図7に第3凹凸構造領域12cの斜視図を示す。図7に示すように、第3凹凸構造領域12cは凸部17がX軸Y軸上に周期的に2次元配列されている。図7では、典型的な凸部を配列した例を示しており、例えばX軸とY軸が45度の角度で交差する直線と平行に配列されていても良い。また、図示はしていないが、凸部がストライプ状に配列されていても良い。
図8は、第1凹凸構造領域12aに、入射した光の挙動を示ししており、第1凹凸構造領域12aにおいて、例えば垂直に入射光L1が入射した場合、凸部間距離及び入射光L1の波長、入射角度によって一意に定められる角度に±n次の回折光L2〜L2、L2−1〜L2−nが射出される。
+1次回折光L21が射出される位置P1において、表示体10を観察すると、明るく光沢のある回折光L2が観察される。また、回折光が射出されない、もしくは回折光が少ない位置P2において、表示体10を観察すると、回折光が観察されず、反射層13の色が認識される。
図9に、第2凹凸構造領域12bにおける回折光の射出を示すが、第2凹凸構造領域12bにおいては、垂直に入射光L1が入射しても回折光を観察することはできない。これは、第2凹凸構造領域12bの凸部の凸部間距離が第1凹凸構造領域12aと比較して小さいためである。
第2凹凸構造領域12bは、凸部間距離200〜500nm程度、深さ200〜500nm程度の範囲にある。このような凹凸構造では、光の入射角度が大きい入射光L3のときのみ、回折光L4を射出する。
また、表示体10の真上から観察すると凹凸構造により、凹凸構造の界面部では緩やか
に屈折率が変化する。よって、入射した光が反射しないため、表示体10は黒く観察される。また、回折光が射出されない、もしくは回折光が少ない位置において、表示体10を観察すると、回折光が観察されず、黒色が認識される。
第3凹凸構造領域12cは、前述したような凹凸構造が配列されている。凹凸構造の凸部間距離や深さなどは第2凹凸構造領域12bと同じ範囲であるので省略する。第2凹凸構造領域12bと第3凹凸構造領域12cの違いは、凸部を構成する面に透過層11と略垂直な面があるかないかである。
第2凹凸構造領域12bは凹凸構造すべてに反射層13が設けられているのに対し、第3凹凸構造領域12cは、選択的に反射層13が設けられている点で異なる。このような第3凹凸構造領域12cを回折光が射出されない位置において表示体10を観察すると、回折光が観察されず、さらに、回折格子の光透過面11を通して、表示体10の下部の様子を観察することができる。
図10に、図5に示した凹凸構造領域Cにおける回折光の射出を示しており、第3凹凸構造領域12cの透過層に対して略垂直以外の面に、反射層13を形成し、反射層13同士の間に透過層11が露出してなる側面17a、17bを備えた構造により、表示体10をP5方向から観察する方向をP6方向に変えることにより、反射層13から射出される回折光による表示と、側面17a又は17bを透過した光による表示体10の下面に設けられた印刷画像などの表示と切り替えて観察することができる。
図11は、第3凹凸構造領域12cのY軸方向の凹凸構造を示したものである。この構造では、凸部に一様に反射層13が設けられているため、下面に設けられた印刷画像を表示することはできず、回折光のみを観察することができる。
このような表示切替え機能を有する表示体10は、例えばカラーコピーによる偽造方法やスキャナによって偽造品を製造することはできない。したがって、このような切り替え機能を有する表示体10を偽造防止策に用いることにより、目視による真偽判別を容易かつ確実に実行でき、さらに偽造品の製造をより困難にすることができる。
次に反射層の位置制御による画像の切替えについて説明する。上記に示したように凸部を構成する面の略垂直以外の面に反射層13が設けられている。反射層13が設けられていない部分は、光透過面として機能するため、下面に設けられた印刷画像などの表示をすることができる。
言い換えると、反射層13が設けられていない方向からのみ下面に設けられた印刷画像などの表示をすることができる。つまり、反射層13が設けられていない部分、すなわち略垂直な面を制御することで光透過面を変化させることが可能である。
このような略垂直面の位置を制御するために、反射層のある略垂直面と、他の反射層のある面からなる2値画像を用いて設定する。
図12は、凸部の頂上の面が四角形である場合の略垂直面の位置を表した2値画像である。凸部を構成する面は、頂上を除くと頂上の面の形状の頂点数と同数である。また2値画像の枚数も頂点数と同数である。よって、図12には4枚の2値画像を図示している。図12は、画像を縦横五分割したものを表している。
ここでは、説明のため25分割としているが、縦横100分割などさらに細かく分割しても良い。図12の白部分は、反射層が薄い略垂直面、黒部分を略垂直面でない反射層が
形成された面を表している。つまり、この2値画像の白部分は、透過率が40%以上あり、下地に設けられた印刷画像などを表示できる位置となる。また、図12のa)、b)、c)、d)は、それぞれ観察位置に対応した略垂直面の位置を表している。
図13にそれぞれの観察位置を示す。図12のa)は、表示体をW1から観察した場合、b)は、表示体をW2から観察した場合、c)は、表示体をW3から観察した場合、d)は、表示体をW4から観察した場合を示している。略垂直面の位置に反射層13が設けられない。
つまり、白部分に、反射層が薄い光透過面が配置されることを意味している。よって、表示体のW1から観察した場合には、図12のa)は、中心部分以外の下面に設けられた印刷画像などを表示することができる。以下同様にb)では、W2から観察すると中心部分のみ設けられた下面の印刷画像が観察できる。同様にc)d)でも観察される位置が異なる。つまり、観察方向を変更することによって、下面に設けられた印刷画像などの位置を切り替えることができる。
図14は、略垂直面を1つ持つ凸部構造を示しており、a)はW2から見ると透過し、b)はW3から見ると透過し、c)はW1から見ると透過し、d)はW4から見ると透過して見える。図12のx1y1、x3y3、x1y3、x3y1位置に配置する構造の平面図である。
図15は、二つの基材に対して略垂直である面を持つ凸部構造を示しており、W2とW4から観察される面が略垂直面である。例えば、図12中のx3y4は、図15に示すe)の構造である。
図16は、本発明の基材に対して、反射層の薄い、略垂直である面を持つ表示体を、観察したとき(W3、W4)の、透過する光を示した概念図であり、複数の多面体からなる凸部の基材に対して略垂直である面の方向から観察すると、その面には反射層が薄く、または設けられていないため、光が透過することを示しており、反射層が形成された方向(W1、W2)から見ると、上述したように黒色を観察することになる。
<実施の形態2>
以下、本発明の情報印刷物について図面を用いて説明する。図17は、情報印刷物20の概観を示した図である。また図18は情報印刷物の断面図である。
表示体10は、図17に示したような短形のものに限らず、円形や楕円形のもの、情報印刷物20上を横断又は縦断するような帯状のもの、情報印刷物の前面を覆いつくすようなものなど様々な形態のものが添付可能となっている。
ここで、情報印刷物20は、シート状又は平板状の基材(情報印刷基材)21と基材21上に印刷形成された印刷層22と、回折格子が形成された面を印刷層22に貼り付けるように接着層15を介して、印刷層22の一部(又は全部)に添付された表示体10と、表示体10上に形成された保護層24とを備えている。
基材21は、例えば、紙もしくはプラスチック板、プラスチックフィルム等のシート状や平板状の基材が使用可能となっている。なお、情報印刷物20がクレジットカードやIDカード等の場合、基材21の反りを防止するための反り防止層や、印刷のインクの密着性を高めるためのインク密着層が設けられることもある。さらに基材21上に別途磁気フィルム層等が設けられることもある。基材21が紙である場合にも、必要に応じて様々な機能を有する層が設けられる。
印刷層22は、情報印刷物20の用途に応じて、任意の絵柄や文字、記号等の情報が使用可能となっている。
接着層15は、例えば、予め表示体10の回折格子側の面に形成されてもよく、情報印刷物20の印刷層22上に形成されてもよい。
保護層24は、表示体10を傷や汚れから保護するための層であり、必須ではないので省略してもよい。
図19の表示体10の領域M30、領域N31には、それぞれ図14の凸部a)、凸部c)が周期的に配列されている。
次に、以上のように構成された情報印刷物の作用について説明する。情報印刷物20においては、表示体10が光透過面を通して表示体10下方の印刷層22を表示するので、印刷層に描かれた絵柄や文字、記号等の情報を視認でき、印刷層22の意匠性が損なわれることや意匠上の制約を低減することができる。また、観察方向を変化させることによって、表示体10下方の印刷層22を表示する位置を切り替えることが可能である。
図20のa)は、表示体10をW2方向から観察したときに得られる画像であり、図20のb)は、表示体10をW1方向から観察したときに得られる画像を示している。このように、観察方向を変化させることにより、表示体10下方の印刷層22を表示する位置を変えることができる。
補足すると、従来の表示体では、全面が反射層である回折格子からなることから、表示体の直下の印刷層を一切視認できないので、表示体の直下には文字や、周囲の部分から連続している絵柄などをデザインすることは適さない。
一方、本実施形態の情報印刷物20においては、表示体10の光透過面を通して直下の印刷層22を視認できるので、意匠上の制約を低減することができる。
また観察位置を変更することで表示体10の光透過面を通して直下の印刷層22の位置を変更できる。
上述したように本発明によれば、印刷層22の一部又は全部に貼付された表示体10を備えたことにより、表示体10下方の印刷層22を表示する効果を有する情報印刷物を実現することができる。
また、表示体10直下の印刷層22に描かれた絵柄や文字、記号等の情報を視認できるので、印刷層22の意匠性が損なわれることや意匠上の制約を低減することができる。さらに、凹凸構造で表示体10下方の印刷層22を表示する位置を切り替えることが可能である。
表示体10は、上記の印刷層を表示する効果に加えて、凹凸構造による低反射性効果及び回折光による光学効果を有している。
このような表示体10を貼り付けた情報印刷物20は、偽造が非常に困難である。
10・・・表示体
11・・・透過層
12・・・凹凸構造領域
13・・・反射層
15・・・接着層
17・・・凸部
20・・・情報印刷物
22・・・印刷層
24・・・保護層
30・・・領域M
31・・・領域N

Claims (6)

  1. 光透過性を有する基材の表面に、複数の底部と複数の多面体からなる凸部を、ストライプ状または二次元配列状に設け、さらに反射層を積層した表示体であって、
    前記多面体からなる凸部の少なくとも一つの面を前記基材に対して略垂直とし、前記基材に対して略垂直とした面に設けられる反射層の膜厚を、他の面に設けられた反射層の膜厚より薄くし、透過率を40%以上としたことを特徴とする表示体。
  2. 前記複数の多面体からなる凸部の、凸部同士の距離が200nm〜500nmであり、凸部の高さが200nm〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 観察方向に対して、前記複数の多面体からなる凸部の透過率を40%以上とした面を配列させて形成した画素と、前記複数の多面体からなる凸部の反射面を配列させて形成した画素からなる、透過率の差に基づいた2値画像を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示体。
  4. 前記凸部の、頂点部の面の形状が多角形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示体。
  5. 前記頂点部の面形状の多角形が、正三角形、正四角形、正五角形のいずれかで構成され、前記2値画像の枚数が前記頂点部の面を構成する多角形の頂点数と同数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示体を具備したことを特徴とする情報印刷物。
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