JP6977019B2 - 分光分析装置 - Google Patents
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Description
水分計は、回転により穀物を圧砕し、圧砕する時における電気抵抗値を検出する2つの電極ロールを有する。検出した電気抵抗値における水分値を演算することにより穀物の水分量が測定される。水分量が測定された後の穀物は廃棄される。
上述したように、穀物を2つの電極ロール間で圧砕すると、穀物の水分量を測定する度に、穀物のロス(屑)が生じる。また、つぶした穀物が電極ロールに付着するので、付着することにより、測定精度が落ちる可能性がある。
本発明の分光分析装置は、穀物が流れる面である案内面と、開口部とを有する壁部に取り付けられ、穀物の水分量を分光分析により測定する分光分析装置であって、穀物が通過する通過面を有し、且つ、光が透過可能な透過板と、前記開口部に配置された前記透過板を前記案内面の反対側から保持する保持部と、前記通過面の反対側から前記透過板に光を照射する投光部と、前記通過面を通過する穀物の反射光を前記透過板を介して受光する受光部と、前記壁部とは別体で形成されていて、前記透過板を押さえるように前記案内面側から前記保持部に取り付けられる押え板であって、前記案内面と略面一である押え板と、を備え、前記通過面は前記投光部と前記受光部とに亘って面一であり、前記保持部は、前記案内面の反対側から前記開口部に挿入される上壁を有し、前記上壁は、前記案内面側から凹設されていて前記透過板が挿入される凹部を有し、前記押え板は、前記開口部に挿入されて前記上壁に取り付けられている。
また、前記通過面が、前記案内面と略面一である。
また、前記投光部、前記受光部、前記保持部及び前記通過面が設けられ且つ前記案内面及び前記押え板と略面一であるケースを備えている。
また、前記投光部、前記受光部及び前記透過板を有する測定部であって、穀物が流れる方向に交差する方向に長い横長の測定部を有する。
また、前記透過板は、投光部に対応する第1板と、受光部に対応する第2板とを有する。
また、分光分析装置は、近赤外水分計によって構成されている。
分光分析装置は、穀物が通過する通過面を有する透過板を備え、通過面の反対側から投光部によって透過板上の穀物に光を照射し、穀物から戻ってきた反射光を透過板を介して受光部が受光し、受光した光に基づいて穀物の水分量を計測する。したがって、透過板の通過面を、投光部と受光部とに亘って面一にすることにより、穀物が通過面を接しながら通過する。これにより、穀物から戻ってくる反射光を安定して受光でき、穀物の水分量の測定を精度よく行うことができる。
また、穀物の水分量を測定する測定間隔を短くすることが可能である。測定間隔を短くした場合は、測定回数を多くすることができる。測定回数を多くすることにより、水分量が極端に高い穀物、又は、水分量が極端に低い穀物が存在していたとしても、これらの穀物の水分量のみが、穀物の水分量の代表値になることを防止することができる。
また、高頻度で穀物の水分量を測定でき、且つ、短い測定間隔で穀物の水分量を測定することができる。また、穀物の水分量を分光分析により測定するので、高水分量でも高頻度で測定することができる。
図1及び図2は、例えば、籾(米)、麦、粟、稗、そば、豆類等の穀物を乾燥する乾燥機1を示している。図1は、乾燥機1の概略構成を示す正面図である。図2は、乾燥機1の概略構成を示す側面図である。以下の説明において、前方とは、乾燥機1の背面から正面に向かう方向であり、後方は、前方の反対の方向である。また、右側とは、乾燥機1の正面に向かって右側であり、左側とは、乾燥機1の正面に向かって左側である。
乾燥機1は、投入部2と、貯留部3と、乾燥部4と、集穀部5と、縦送り部6と、第1横送り部7と、第2横送り部8と、分光分析装置9とを備えている。
投入部2は、乾燥する穀物を投入する投入口2Aを有していて、ホッパー等で構成されている。貯留部3、乾燥部4及び集穀部5は、箱型に形成された乾燥槽10に設けられている。貯留部3は、乾燥する穀物を貯留する部屋であって、乾燥槽10の上部に設けられている。乾燥部4は、穀物を熱や温風等によって乾燥する装置であって、貯留部3の下方の乾燥槽10内に設けられている。貯留部3と乾燥部4とは連通していて、貯留部3で貯留した穀物が乾燥部4へ流れるようになっている。
複数のガイド部材13a,13b,13cは、集穀部材11の上部で且つ乾燥部4の下方に設けられている。また、複数のガイド部材13a,13b,13cは、集穀部材11の正面板11Aと背面板11Bとの間に前後に並べて設けられている。この複数のガイド部材13a,13b,13cは、乾燥部4から流下する穀物を、集穀部材11の正面板11Aと背面板11Bとの上面に案内する。複数の繰出しロール14a,14b,14c,14dは、ガイド部材13a,13b,13cの下部に設けられていて、回転することで、ガイド部材13a,13b,13cの下部の穀物を下方へと繰り出す。複数の繰出しロール14a,14b,14c,14dから繰り出された穀物は、集穀部5の下部の樋部12へと集められる。
縦送り部6は、投入部2に投入された穀物及び第1横送り部7で送られる穀物を上方に搬送する装置であって、乾燥槽10の側方に設けられている。縦送り部6は、上下に長い箱型のケーシング16と、ケーシング16の内部に設けられた運搬部17とを備えている。運搬部17は、ケーシング16の上部に配置された上スプロケット17Aと、ケーシング16の下部に配置された下スプロケット17Bと、上下のスプロケット17A,17Bに巻き掛けられたベルト17Cと、ベルト17Cに設けられたバケット17Dとを有している。運搬部17は、前部が下降側とされ、後部が上昇側とされている。運搬部17は、図示省略の駆動モータ等によって上スプロケット17A又は下スプロケット17Bを回転させてベルト17Cを動かすことにより、ケーシング16の下部の穀物をバケット17Dで掬ってケーシング16の上部に運搬する。
排出部19は、上部壁19Aと、当接壁19Bと、第1側部壁19Cと、第2側部壁19Dと、案内壁19Eとを有する。上部壁19Aは、第5壁16Eから前方に延出している。当接壁19Bは、上部壁19Aの前端から下方側に延出している。当接壁19Bの上部は下方に行くに従って前方に移行する傾斜状とされている。当接壁19Bの下部は、鉛直方向に沿って形成されている。第1側部壁19Cは、第3壁16Cの上部から前方に延出している。第2側壁は、第4壁16Dの上部から前方に延出している。案内壁19Eは、第1壁16Aの上端から前方に行くに従って下方に移行する傾斜方向に延出している。案内壁19Eの下端と、当接壁19Bの下端との間には、間隔が設けられていて、排出部19の前部下端が下方に向けて開放状とされた排出口19Fとされている。したがって、運搬部17から排出部19へと放擲された穀物は、主として、当接壁19Bに接当して落下し、排出口19Fから排出される。また、一部の穀物は、直接又は案内壁19E上を滑り落ちて、排出口19Fから排出される。
図1、図2に示すように、第2横送り部8は、縦送り部6の上部で排出された穀物を貯留部3の上部に運搬する装置である。第2横送り部8は、スクリュ(第2スクリュという)27と、第2スクリュ27を収容するスクリュケース28とを有する。スクリュケース28は、縦送り部6の排出部19から貯留部3の中途部にまで設けられている。スクリュケース28の右側は、縦送り部6の排出口19Fに接続され且つ連通していて、排出口19Fから排出された穀物がスクリュケース28内に供給される。このスクリュケース28に供給された穀物は第2スクリュ27によって貯留部3へと運搬される。第2スクリュ27によって貯留部3に運搬された穀物は、スクリュケース28の底部28Aの中途部に形成された第1開口36及びスクリュケース28の左端に形成された第2開口37から貯留部3へと排出される。
乾燥後の穀物を横送りする第1横送り部7と、第1横送り部7で送られた穀物を上方へ送る縦送り部6と、縦送り部6の上部に送られた穀物を貯留部3に送る第2横送り部8とから循環部が構成されている。この循環部は、穀物を循環させる装置であって、乾燥部4で乾燥した穀物を貯留部3に送ったり、投入部2に投入された穀物を貯留部3に送る装置である。
分光分析装置9は、流動する穀物の水分量を分光分析により測定する装置であって、穀物が放射または吸収する光のスペクトルを調べて穀物の水分量を測定する装置である。分光分析装置は、例えば、近赤外水分計、中赤外分光光度計、紫外可視分光光度計、ラマン分光装置などがあげられる。なお、分光分析装置としては、分光分析により穀物の水分量を測定することができるものであれば、例示したもの以外の装置であってもよい。
詳しくは、分光分析装置9は、第1横送り部7の流通路21であって、底壁22Cの傾斜部(壁部)22Cbに設けられている。傾斜部22Cbの上面である傾斜面22Gは、穀物G1がY1方向に流れる案内面である。即ち、乾燥機1は、穀物が流れる面である案内面22Gを有する壁部(傾斜部22Cb)を有している。分光分析装置9は、案内面22Gを流れる穀物G1の水分量を測定する。
図5〜8に示すように、ケース31の上壁31Aには、該上壁31Aを貫通する円形穴からなる(環状の縁部で構成された)挿通穴33が形成されている。この挿通穴33を測定部32の上部側が挿通している。すなわち、測定部32の上部側は、ケース31の上壁31Aにおける上面(一端面)31Bから突出している。
図6、図7、図8A及び図8Bに示すように、測定部32は、透過板36と、保持部(第1保持部という)37と、押え板38と、投光部41と、受光部42と、保持部(第2保持部という)43と、取付板44とを有する。
第1フランジ37Cは、周壁37Bの外面から径外方向に突出している。第1フランジ37Cは、挿通穴33に挿通されている。第1フランジ37Cの外径は、挿通穴33の内径に略同じ寸法に形成されている。第1フランジ37Cの上面には、傾斜部22Gの下面に接当する環状の突条部37Hが設けられている。第1フランジ37Cの下部は、挿通穴33から下方に突出している。
押え板38は、透過板36を押さえる部材であって、透過板36を第1保持部37に固定する円形の板材である。押え板38の外径は、第1保持部37の上壁37Aの外径と同じ寸法に形成されている。押え板38は、開口部34内の上部に挿入され、上壁37Aに重ね合わされている。押え板38の上面(端面)38Aは、案内面22Gと略面一とされている。即ち、押え板38の上面38Aは、穀物を案内する案内面とされている。押え板38は、開穴47と、2つのネジ挿通穴48a,48bとを有する。開穴47は、押え板38を貫通する穴であって、環状の縁部で構成されている。開穴47は、透過板36に対応する矩形状の穴であって、透過板36の外形より小さい穴である。また、開穴47の範囲内(開穴47の縁部の内側)に第1透孔40a及び第2透孔40bが位置している。
投光部41は、光ファイバーの束を有する第1ケーブル部材45の端部で構成されている。第1ケーブル部材45は、ケース31内に設けられた図示省略の光源ユニットに接続されている。光源ユニットから供給される近赤外線を含む光は、第1ケーブル部材45に導かれて投光部41に至り、投光部41の端面である投光面41Aから照射される。投光部41は、開口部34及び透過板36の下方側に配置され、上壁37Aの下面に接当している。また、投光部41は、投光面41Aが第1透孔40aに対応する位置に配置されている。言い換えると、投光面41Aは、第1透孔40aを介して透過板36に向いている。
受光部42は、光ファイバーの束を有する第2ケーブル部材46の端部で構成されている。第2ケーブル部材46は、ケース31内に設けられた図示省略の穀物評価ユニットに接続されている。受光部42は、開口部34及び透過板36の下方側に配置され、上壁37Aの下面に接当している。また、受光部42は、受光面42Aが第2透孔40bに対応する位置に配置されている。言い換えると、受光面42Aは、第2透孔40bを介して透過板36に向いている。
また、分光分析装置9が設けられる壁部である傾斜壁22Cbに、開口部34を設け、この開口部34に透過板36を配置することにより、案内面22Gを流れる穀物を通過面36Aにスムーズに通過させることができる。
また、当該分光分析装置9は、案内面22Gを流れる穀物の水分量を測定する。これによれば、一様に広がりながら傾斜部22Cb(案内面22G)を流れる穀物の水分量を分光分析装置9によって測定することができる。即ち、乾燥後に循環する大多数の穀物における水分量を分光分析装置9によって測定することができる。
図9(A)は第2実施形態を示す。この第2実施形態は、透過板36が、凹部37Fに嵌る第1部位36Bと、第1部位36Bから上方に延出されていて開穴47に嵌る第2部位36Cとを有している。第2部位36Cの上面が通過面36Aとされている。また、第2部位36Cの厚みは、押え板38の厚みと略同じ寸法である。したがって、通過面36Aは、案内面22G及び押え板38と略面一状である。
図9(B)は第3実施形態を示す。この第3実施形態は、透過板36が、投光部41に対応する第1板36Dと、受光部42に対応する第2板36Eとを有する点が第1実施形態と異なる点である。言い換えれば、透過板36は、透過板36を構成する板材を、第1板36Dと第2板36Eとに2分割したことである。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成される。なお、この構成を他の実施形態に採用してもよい。
図9(C)は第4実施形態を示す。この第4実施形態は、透過板36を第1保持部37の上壁37Aに直接固定し、且つ通過面36Aを案内面22Gと略面一にしている(押え板を設けていない)点が第1実施形態と異なる点である。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成される。
図10及び図11(A)は、第5実施形態を示す。図10に示すように、この第5実施形態は、開口部34をケース31の上面31Bの形状に略一致する大きさに形成し、開口部34にケース31の上面側を挿入している。ケース31の上面31Bは、案内面22Gと略面一状とされている。したがって、案内面22Gをケース31に向けて移動する穀物はケース31の上面31Bを流れて通過面36Aを通過する。即ち、ケース31の上面31Bが、穀物を案内する案内面とされている。この第5実施形態では、
図11(A)に示すように、第1保持部37は、挿通穴33を挿通してケース31の案内面(一端面)31Bから突出する上部37Iと、ケース31の上壁31Aの下面に接当する下部37Jとを有する。上部37Iのケース31の上面31Bから突出する部位は、外形状がケース31の案内面(一端面)31Bから透過板36の縁部(押え板38の縁部)に行くに従って漸次径小となる円錐形[上部が平坦である円錐形(截頭錐体)]に形成されている。即ち、第1保持部37は、透過板36の縁部側からケースの案内面(一端面)31Bに向けて傾斜する傾斜面37Kを有する。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成される。
この第5実施形態では、第1保持部37が傾斜面37Kを有することにより、ケース31の案内面(上面)31Bを移動する穀物が傾斜面37Kを通過して通過面36Aにスムーズに移動する。
図11(C)は、第7実施形態を示す。この第7実施形態は、透過板36が一枚板で形成され且つ凹部37Fに嵌る第1部位36Bと、第1部位36Bから開穴47に嵌る第2部位36Cとを有し、通過面36Aが案内面22G及び押え板38と略面一状である点が、第6実施形態と異なる点である。
図12は、第8実施形態を示す。この第8実施形態では、透過板36を下方に向けて(投光部41及び受光部42に向けて)湾曲状に凹むように形成されている点が第1実施形態と異なる点である。この第8実施形態においても、通過面36Aは、面一である。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成される。
図13(A)は、第9実施形態を示す。この第9実施形態は、第1実施形態と同様の測定部32を複数有する。複数の測定部32は、流動方向Y1に交差する方向であって、ケース31の上面31Bに沿う方向に並べて設けられている。測定部32は、少なくとも、投光部41、受光部42及び透過板36を有すればよい。即ち、分光分析装置9は、投光部41、受光部42及び透過板36を有する測定部32を複数有する。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成される。
図13(B)は、第10実施形態を示す。この第10実施形態では、分光分析装置9は、投光部41、受光部42及び透過板36を有する測定部32であって、穀物が流れる方向Y1に交差する方向に長い横長の測定部32を有する。
この第10実施形態では、広い範囲に光を照射し且つ広い範囲で反射光を受光するので、より多くの穀物の水分量を測定でき、乾燥機1内の穀物の水分量のばらつき(ムラ)を正確に把握することができる。
この第10実施形態においても、透過板36が平坦な一枚のガラス板によって構成されているので、穀物が通過面36Aを接しながら通過する。これによって、穀物からの反射光を安定して受光でき、穀物の水分量の測定を精度よく(安定して)行うことができる。
従来では、例えば、電極ロールで穀物をつぶす破壊式であったため、電極ロールに付着した穀物を除去するクリーニングが必要であったが、本発明の分光分析装置9では、穀物をつぶすことがないため、当該分光分析装置9の測定間隔は、クリーニングによる影響を受けず、短い間隔に設定することができる。
また、本実施形態では、穀物の水分量を非破壊で測定するので、穀物の水分量の測定間隔を短くすることができる。また、測定間隔を短くすることで、測定回数を多くすることができる。これにより、複数の水分量を移動平均した水分量を得ることによって、乾燥機1内の穀物の水分量のばらつきを正確に把握することができる。
また、非破壊での測定によって測定回数を多くすることができるので、水分量が極端に高い穀物、又は、水分量が極端に低い穀物が存在していたとしても、これらの穀物の水分量のみが、従来のように乾燥している穀物の水分量の代表値になることを防止することができ、適正に乾燥することができる。また、乾燥機1内の穀物の水分量のばらつきを正確に把握することができるので、乾燥を終わった後の穀物の水分量(実水分量)が、目標の水分量から大きくずれてしまうのを防止することができる。これによって、乾燥終了後に再乾燥するという事態を防止することができる。籾を乾燥する場合、乾燥機1での乾燥を終えた後の籾摺り後に、玄米の水分量が目標水分量を超えていると乾燥機1に再度回す必要がある。この場合、籾が無い状態で乾燥するので、玄米がダメージを受けやすい。本実施形態では、非破壊による分光分析装置9で穀物の水分量を測定することで、乾燥機1内の穀物の水分量のばらつきを正確に把握することができるので、籾すり後の再乾燥という事態を回避することができる。
また、穀物の水分量を非破壊で測定することによって乾燥機1内の穀物の水分量のムラを正確に把握することができるので、穀物の水分量のムラを少なくするための処理がしやすい。例えば、放冷タンクを利用し、穀物の水分量のムラを少なくする処理がしやすい。放冷タンクは、乾燥機1で乾燥した穀物を所定時間貯留することで放冷するタンクである。
本実施形態では、穀物の水分量を非破壊で測定するので、水分量の測定をする際に穀物のロスがなく、また、測定精度が低下することなく、高精度の測定をすることができる。
具体的には、乾燥機1の特有の温度環境を考慮して、分光分析装置(近赤外水分計)9は、例えば、10°C〜50°Cの雰囲気温度で、穀物の水分量を正確に測定することができる。雰囲気温度とは、例えば、穀物が投受部を通過する場所の温度であり、少なくとも、分光分析装置9で穀物を測定する周囲の温度である。言い換えれば、分光分析装置(近赤外水分計)9の検量線は、乾燥機1の温度環境に対応した設定がなされていて、例えば、穀物自体の温度(穀物温度)が、10°C〜50°Cで穀物の水分量を正確に測定する設定がなされている。
また、穀物に含まれるデンプンは60°Cを超えるとアルファ化するおそれがある。乾燥機1では、アルファ化に考慮して乾燥の温度の設定がなされている。そこで、近赤外水分計(分光分析装置)も、乾燥機1の特有の環境を考慮し、60°C以下の温度(穀物温度又は雰囲気温度)で適正に穀物の水分量を測定することができるよう検量線等の設定なされていることが好ましい。言い換えると、近赤外水分計(分光分析装置)は、デンプンがアルファ化しない穀物温度で、穀物の水分量を測定する装置であるのがよい。したがって、近赤外水分計(分光分析装置)では、穀物温度が40℃超〜60℃以下の範囲で穀物温度を適正に測定することができる。
また、本実施形態では、乾燥機1として、穀物を循環させながら乾燥を行う循環式乾燥機を例示したが循環は連続でも間欠でもよい、即ち、連続循環式の乾燥機であっても、間欠式の乾燥機であってもよい。また、穀物を循環させずに乾燥を行う乾燥機、即ち、穀物を所定の位置に静置した状態で乾燥を行う静置式乾燥機であってもよい。また、分光分析装置9の設ける場所は、本実施形態で開示した場所に限定されることはなく、穀物が流動する場所であれば、乾燥機1のどこに設けてもよい。また、分光分析装置9は、乾燥機1の異なる場所であって複数箇所に設けてもよい。
9 分光分析装置
36 透過板
36A 通過面
41 投光部
42 受光部
22Cb 壁部
22G 案内面
34 開口部
38 押え板
38A 押え板の端面
31 ケース
31B ケースの一端面
37 保持部
37K 傾斜面
32 測定部
36D 第1板
36E 第2板
Claims (9)
- 穀物が流れる面である案内面と、開口部とを有する壁部に取り付けられ、穀物の水分量を分光分析により測定する分光分析装置であって、
穀物が通過する通過面を有し、且つ、光が透過可能な透過板と、
前記開口部に配置された前記透過板を前記案内面の反対側から保持する保持部と、
前記通過面の反対側から前記透過板に光を照射する投光部と、
前記通過面を通過する穀物の反射光を前記透過板を介して受光する受光部と、
前記壁部とは別体で形成されていて、前記透過板を押さえるように前記案内面側から前記保持部に取り付けられる押え板であって、前記案内面と略面一である押え板と、
を備え、
前記通過面は前記投光部と前記受光部とに亘って面一であり、
前記保持部は、前記案内面の反対側から前記開口部に挿入される上壁を有し、
前記上壁は、前記案内面側から凹設されていて前記透過板が挿入される凹部を有し、
前記押え板は、前記開口部に挿入されて前記上壁に取り付けられている分光分析装置。 - 前記投光部と前記受光部とは、穀物が流れる方向である流動方向に並べて配置され、
前記投光部は、前記受光部の前記流動方向の上流側に位置しており、
前記上壁における前記凹部の底部に、前記投光部から照射される光を通過させる第1透孔と、穀物の反射光を前記受光部に受光させるべく通過させる第2透孔とが形成されている請求項1に記載の分光分析装置。 - 前記通過面が、前記案内面と略面一である請求項1または2に記載の分光分析装置。
- 前記投光部、前記受光部、前記保持部及び前記通過面が設けられ且つ前記案内面及び前記押え板と略面一であるケースを備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の分光分析装置。
- 前記投光部、前記受光部及び前記透過板を有する測定部を複数有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の分光分析装置。
- 前記投光部、前記受光部及び前記透過板を有する測定部であって、穀物が流れる方向に交差する方向に長い横長の測定部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の分光分析装置。
- 前記透過板は、平坦な一枚の板材である請求項1〜6のいずれか1項に記載の分光分析装置。
- 前記透過板は、投光部に対応する第1板と、受光部に対応する第2板とを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の分光分析装置。
- 近赤外水分計によって構成されている分光分析装置であって、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の分光分析装置。
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