JP6975825B2 - 乗降装置およびそれを備える鉄道車両 - Google Patents

乗降装置およびそれを備える鉄道車両 Download PDF

Info

Publication number
JP6975825B2
JP6975825B2 JP2020085383A JP2020085383A JP6975825B2 JP 6975825 B2 JP6975825 B2 JP 6975825B2 JP 2020085383 A JP2020085383 A JP 2020085383A JP 2020085383 A JP2020085383 A JP 2020085383A JP 6975825 B2 JP6975825 B2 JP 6975825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
railroad vehicle
boarding
storage box
alighting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020085383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021178589A (ja
Inventor
聡 谷
信明 内冨
Original Assignee
日立交通テクノロジー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日立交通テクノロジー株式会社 filed Critical 日立交通テクノロジー株式会社
Priority to JP2020085383A priority Critical patent/JP6975825B2/ja
Publication of JP2021178589A publication Critical patent/JP2021178589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6975825B2 publication Critical patent/JP6975825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Description

本発明は、乗降装置およびそれを備える鉄道車両に関し、特に、鉄道車両と地上側との間に架け渡すことができる乗降装置およびそれを備える鉄道車両に関する。
鉄道車両の構造体である鉄道車両構体は、一般に、床面をなす台枠と、この台枠の幅方向の両端部に立設される側構体と、台枠の長手方向の両端部に立設される妻構体と、これら側構体および妻構体の上端部に載置される屋根構体とにより構成される六面体で形成される。
車椅子を利用する乗客等が、ホームと鉄道車両の間で乗降する場合は、駅係員が鉄道車両の乗降口において鉄道車両の床面とホームとの間に可搬式のスロープを架け渡して、車いすの乗降をやりやすくする場合が多い。
特許文献1には、列車の乗降口とプラットホームとの間に架け渡され、車椅子が自走可能なスロープを形成する列車用車椅子渡り板であって、前記列車の乗降口とプラットホームとの間に架け渡される渡り板本体と、この渡り板本体の裏面側で前記架け渡し方向と直交する方向へ揺動自在に設けられ、かかる渡り板を列車とプラットホームとの間にセットした状態で該渡り板本体の裏面から垂れ下がり、前記列車とプラットホームとの隙間に入り込むストッパプレートと、前記ストッパプレートを渡り板本体の長手方向の所定の位置に移動させて、且つ、固定する固定位置調整手段とを備えた列車用車椅子渡り板が開示されている。
特開2005−29050号公報
特許文献1に開示される技術は、プラットホームと車両との間に架け渡される渡り板の枕木方向の移動を抑制するとともに枕木方向に位置を調整できるストッパプレートを備えたものである。これにより、車両からプラットホームに架け渡された渡り板の保持の確実性を向上できる技術である。
しかしながら、特許文献1の列車用車椅子渡り板は、列車の乗降口まで持ち運ぶことを前提としている。このため、使用しない場合は駅乗務員室等あるいは車両の乗務員室等に保管しておく必要がある。そして、車椅子の乗客が乗降する場合、乗降する乗降口まで、この渡り板を係員が運搬して車両とプラットホームとの間に架け渡す必要があった。さらに、渡り板の裏面に固定するストッパプレートの位置を、特急車両や通勤車両等の車種毎、あるいは、ホーム高さに合わせて調整する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みて、鉄道車両と地上側に架け渡される乗降装置を所定の乗降口までの運搬を必要とせずに、鉄道車両と地上側とを架け渡すことができる乗降装置およびそれを備える鉄道車両を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の乗降装置の一つは、鉄道車両の乗降口の近傍の床面に備えられる収納箱と、前記収納箱の内部に収納されるスロープと、を備え、前記スロープは、前記鉄道車両の幅方向に連結された複数の踏み板を有し、前記収納箱から前記スロープを前記鉄道車両の幅方向のいずれかの一方の側に引き出すことが可能であり、引き出された前記スロープの一方の端部は地上側に接地するとともに、引き出された前記スロープの他方の端部は前記収納箱の内部に位置し、前記収納箱は、前記スロープを覆う複数の上部パネルを有し、前記収納箱の前記鉄道車両の幅方向に沿う外縁部と、前記収納箱の前記鉄道車両の長手方向に沿う外縁部は、前記上部パネルと前記床面とを滑らかに接続する傾斜部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、乗降装置およびそれを備える鉄道車両において、鉄道車両と地上側に架け渡される乗降装置を所定の乗降口までの運搬を必要とせず、鉄道車両と地上側とを架け渡すことができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
図1は、本発明の乗降装置を備える鉄道車両の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、本発明の乗降装置の一実施形態を示す斜視図であり、鉄道車両に備えられるスロープと、このスロープを収納する収納箱を示す斜視図である。 図3は、本発明の乗降装置のスロープの例を示す斜視図である。 図4は、本発明の乗降装置のスロープの枕木方向の端部の例を示す正面図である。 図5は、本発明の乗降装置のスロープとスロープの連結部の例を示す枕木方向に沿う断面図である。 図6は、本発明の乗降装置のスロープとスロープの連結部の例を示す枕木方向に沿う拡大断面図である。 図7は、鉄道車両とホームとの段差が小さい場合における、鉄道車両とホームとの間に架け渡された本発明の乗降装置のスロープの例を示す鉄道車両の長手方向に交差する断面図である。 図8は、鉄道車両とホームとの段差が大きい場合における、鉄道車両とホームとの間に架け渡された本発明の乗降装置のスロープの例を示す鉄道車両の長手方向に交差する断面図である。 図9は、本発明の乗降装置のスロープが鉄道車両と軌道敷との間に架け渡された場合の例を示す斜視図である。 図10は、本発明の乗降装置のスロープが鉄道車両と軌道敷との間に架け渡された場合における、スロープと、スロープに設置するステップと手すりの取付前の状態を示す斜視図である。 図11は、本発明の乗降装置のスロープとステップの固定部の例を示す拡大正面図である。
まず、各図で説明する各方向を定義する。鉄道車両1の長手方向(レール方向)をx方向、その幅方向(枕木方向)をy方向、その高さ方向(上下方向)をz方向とする。以降、単にx方向、y方向、z方向と記す場合がある。また、x方向先端側が正面側である。
図1は、本発明の乗降装置を備える鉄道車両の一実施形態を示す斜視図である。鉄道車両1は、床面をなす台枠(床)10のy方向の両端部に立設される側構体20と、台枠のx方向の両端部に立設される妻構体(図示なし)と、側構体20と妻構体のz方向の端部に載置される屋根構体30と、からなる六面体の構造物である。側構体20は、複数の窓部22と乗客等の乗降に供される複数の乗降口24などを有する。乗降口24は、乗客が乗り降りでき側引き戸を備えることができる。
鉄道車両1は、側構体20の車内側にx方向に沿って備えられる座席26と、対向する側構体20に備えられる一対の乗降口24の間の床面10(床の上面)に乗降装置50を有する。乗降装置50は乗降口24近傍の床面10に設置される。乗降装置50は、スロープ60と、このスロープ60を格納する収納箱51とを備える。スロープ60は、収納箱51のy方向のいずれかの一方の側から引き出すことが可能であり、引き出した側の乗降口24から鉄道車両1の外側へ伸ばすことができる。鉄道車両1の走行中は、スロープ60は収納箱51内に収納された状態となる。鉄道車両1が駅に停車した時、乗務員又は駅員は、開放された乗降口24の側で収納箱51からスロープ60を引き出し、鉄道車両1内の床面10に設置される収納箱51と、プラットホームの上面(以下、ホームと記す)2との間をスロープ60で架け渡すことが可能となる。
スロープ60は、x方向に沿って連続して接続される複数の踏み板62を備えている。これらの複数の踏み板62の内、y方向の両端部に備えられる踏み板62は、収納箱51の内部のストッパ(例えば突起状部、図示なし)に係止する係止部を備える。この係止部は、スロープ60を最大限引き出そうとした場合に踏み板62の係止部が収納箱51のストッパと係止するようになる。これにより、踏み板62をy方向のいずれか側(+y方向か−y方向のいずれか側)に最大限引き出しても、スロープ60は収納箱51から分離することはない。
収納箱51から引き出されたスロープ60の一方の端部側(一方の先端部65)は地上側に当接し、スロープ60の他方の端部側(他方の先端部65)は収納箱51の内部に位置する。これにより、スロープ60の引き出し量を調整しながら、収納箱51の上面から地上側まで、踏み板62の上面により連続した踏面を構成することができる。なお、地上側とは、図1や図7、8に示すホーム2の上面、および、図9に示す軌道敷(犬走面)の上面等を示す。
図2は、本発明の乗降装置の一実施形態を示す斜視図であり、鉄道車両に備えられるスロープと、このスロープを収納する収納箱の斜視図である。図2は、収納箱51内にスロープ60が収納された状態を示している。この場合、いずれの踏み板62も水平状態で収納箱51内に収納されている。
収納箱51は、z方向寸法がx方向およびy方向寸法に比較して極めて小さい扁平状の箱体であり、内蔵されたスロープ60をy方向のいずれかの一方の側に引き出せる構造である。収納箱51は上面に、スロープ60の上部を覆いy方向に沿って並んで設置される複数の上部パネル54を備える。なお、図2では、収納箱51に収容されたスロープ60を描写するために、収納箱51のy方向端部の上部パネル54が1枚取り除かれた状態を示している。実際に使用する場合は、全ての上部パネル54が備えられる。
収納箱51の周囲には傾斜部52が形成された外縁部を備えており、スロープ60の周りを覆う。この傾斜部52によって、床面10から上部パネル54の上面まで連続する滑らかな面が構成される。これにより、床面10と上部パネル54の上面の間を車椅子や人がスムーズに移動できる。外縁部は、収納箱51のy方向に沿う外縁部と、収納箱51のx方向に沿う外縁部で形成される。一方、収納箱51のy方向の端部はいずれの側にもスロープ60が通過できる開口部53を有している。開口部53により、スロープ60をy方向のいずれか側にも引き出すことが可能であり、使用する乗降口24側に向けて、y方向のいずれかの一方の端部側からスロープ60を引き出す。また、両側の開口部53近傍には開口部53から手の届く範囲に、スロープ60の両端に備える取っ手65aがそれぞれ配置されるように収納箱51が形成されている。両側の開口部53はそれぞれの乗降口24の近傍に配置される。
図3は本発明の乗降装置のスロープの例を示す斜視図であり、図4は本発明の乗降装置のスロープの枕木方向の端部の例を示す正面図である。図5は本発明の乗降装置のスロープとスロープの連結部の例を示す枕木方向に沿う断面図であり、図6は本発明の乗降装置のスロープとスロープの連結部の例を示す枕木方向に沿う拡大断面図である。
図3、5に示すように、スロープ60に備えられる各踏み板62は、それぞれ、第1縁材62a1、第2縁材62b1、一対の第3縁材62e、コア62d、一対の面板62cを備えており、これらによりハニカム構造を形成する。スロープ60は、このハニカム構造体により、軽量且つ高い剛性を備えることができる。第1縁材62a1は、踏み板62のy方向の一方の端部にx方向に沿って備えられ、第2縁材62b1は、踏み板62のy方向の他方の端部にx方向に沿って備えられる。また、一対の第3縁材62eは、踏み板62のx方向の両端部において、それぞれy方向に沿って備えられる。ここで、第1縁材62a1、第2縁材62b1、第3縁材62eにより、踏み板62の周縁部を形成する。コア62dは、この周縁部で囲まれる領域内に平面状に備えられる。一対の面板62cは、周縁部およびコア62dの上面と下面とを覆う態様で備えられる。なお、面板62cは、第3縁材62eのステップ取付穴62s及び手すり取付穴62hの部分は覆わなくてもよい。
図3に示す例では、踏み板62を4つ並べて接続した例を示している。例えば4枚の踏み板62から構成されるスロープ60のy方向の寸法は、鉄道車両1内に配置できるように床面10のy方向寸法より若干小さく形成し、例えば、2200mm前後である。またx方向の寸法は乗降口24よりも小さくなっており、例えば1000mm前後である。
図4に示すように、スロープ60のy方向の両端部に位置する踏み板62のy方向の端部には先端部65を有する。先端部65のx方向の長さは踏み板62のx方向の長さと同様である。先端部65のx方向に交差する断面形状は端部に行くほど先細になるくさび型(全体として三角形)の形状であり、ホーム2の上面に載置された場合に、ホーム2の上面から踏み板62の上面までほぼ連続的な面を形成する。また、先端部65のx方向の中央部には、スロープ60を収納箱51から引き出す時に利用する凹部状の取っ手65aを有する。また、踏み板62の下面には、スロープ60を収納箱51から、y方向のいずれかの一方向(+y方向または−y方向)に容易に引き出せるように、複数のローラ62rが備えられる。
図5に示すように、スロープ60は、一方の踏み板62の第1縁材62a1と、隣接する他方の踏み板62の第2縁材62b1とがx軸周りに回動可能にヒンジ(蝶番)63を介して直列に接続されている。ヒンジ63は、一方の踏み板62及び他方の踏み板62の下側に取り付けられ、これらの踏み板を接続するように設けられる。そして、ヒンジ63の回動の中心は、一方の踏み板62と他方の踏み板62の境界で、これらの踏み板の下側に位置する。このため、他方の踏み板62を一方の踏み板62に対して回動させると、一方の踏み板62の第1縁材62a1と他方の踏み板62の第2縁材62b1の間の距離は上に行くほど大きくなる。これにより、例えば水平の踏み板62と傾斜角を有する踏み板62の間で角度をつけて構成することが可能となる。
図5に示すように、一方の踏み板62と、他方の踏み板62と、が隣接して連結される部位は、一方の踏み板62の第1縁材62a1と、他方の踏み板62の第2縁材62b1と、が対面する態様でヒンジ63によって接続される。第1縁材62a1のy方向の端面r(第2縁材62b1が対向する側の面)には、スロープ60の幅方向(x方向)の全体に渡って、対向する第2縁材62b1の方向(−y方向)に突出する第1凸部62a2が備えられる。第2縁材62b1のy方向の端面s(第1縁材62a1が対向する側の面)には、スロープ60の幅方向(x方向)の全体に渡って、対向する第1縁材62a1とは反対の方向(−y方向)に凹んだ第1凹部62b2が備えられる。
図6でさらに詳しく示すように、第1凸部62a2は、第1縁材62a1から突出する基部101と、それより先端の先端部102を有する。基部101は、x−y平面に略平行な第1凸部上面p1および第1凸部下面p2との間で一定の厚さ(z方向)寸法T1を有して形成される。先端部102は、この基部101から対向する第2縁材62b1の方向(−y方向)に向かって、厚さ(z方向)寸法T1から徐々に小さくなるように、上部に傾斜面p3を形成して、x−y平面で切断する断面形状が全体としてくさび状に形成される。
第1凹部62b2は、x−y平面に略平行な第1凹部上面q1および第1凹部下面q2間で形成される一定の厚さ(z方向)寸法T2を備える空間である。第1凹部62b2の寸法T2は、第1凸部62a2の寸法T1より、僅かに大きく設定されている。この寸法差は、第1凹部62b2に対する第1凸部62a2の円滑な嵌合を実現するとともに、がたつきを抑制する効果を発揮する範囲の寸法差内で設定される。第1凹部62b2のy方向の奥行寸法は、第1凸部62a2が入る奥行寸法を備えいている。また傾斜面p3の構成により、隣り合う踏み板62に角度が付いた場合も第1凹部上面q1が第1凸部62a2に干渉することを防止し嵌合を案内できる。
第2縁材62b1の端面sに対向する第1縁材62a1の端面rは、第1凸部62a2より上側(+z方向の側)に位置する端面r1と、第1凸部62a2より下側(−z方向の側)に位置する端面r2との2つに分けられる。ここで端面r1は、端面r2よりも第1縁材62a1側にy方向の寸法δ分だけ切欠いてある。これにより上側からFの力がかかったとき、端面r1と端面sの接触や、上側の隣り合う面板62cの端部同士の接触を防止し、これらの摩耗を防止できる。
収納箱51から引き出されたスロープ60が鉄道車両1の床面10(収納箱51)と、ホーム2の上面あるいは後述する軌道敷5との間に架け渡される時、踏み板62の第1縁材62a1の第1凸部62a2は、隣の踏み板62の第2縁材62b1の第1凹部62b2に篏入する。この時、第1凸部62a2の第1凸部上面p1は第1凹部62b2の第1凹部上面q1に当接して荷重Fを支持し、基部101の第1凸部下面p2は第1凹部下面q2に当接して荷重Fを支持する。このように、第1凸部62a2と第1凹部62b2と嵌合の構成により荷重Fを支持するため、ヒンジ63は荷重Fを負担しない。
上述した構成によって、隣接する踏み板62が鉄道車両1とホーム2あるいは軌道敷5との間に、傾斜した態様で架け渡される時、隣接する踏み板62はヒンジ63及び第1凸部62a2のくさび状の先端部102によって案内されて第1凸部62a2と第1凹部62b2が嵌合する。これによって、がたつきを抑え、より強固に連続した平面を維持できる。
このため、スロープ60の上面に、車椅子を利用する乗客および介護者の荷重が作用する場合であっても、連続する踏み板62の接続部にがたつきが生じることを抑制することができる。さらに、ヒンジ63が荷重Fを負担しないので、より高い強度信頼性を保つとともにヒンジ63に係わる保守交換コストを抑制することができる。また、スロープ60は収納箱51に収納できるため、車両と地上側に架け渡される乗降装置を所定の乗降口までの運搬を必要とせずに、車両と地上側とに架け渡すことができる。
図7は鉄道車両とホームとの段差が小さい場合における、鉄道車両とホームとの間に架け渡された本発明の乗降装置のスロープの例を示す鉄道車両の長手方向に交差する断面図であり、図8は鉄道車両とホームとの段差が大きい場合における、鉄道車両とホームとの間に架け渡された本発明の乗降装置のスロープの例を示す鉄道車両の長手方向に交差する断面図である。
図7、8に示す軌道敷5に敷設されるレール6の頭頂部の上面(レール上面)から鉄道車両1の床面10までのz方向の高さ(以下、床面高さ寸法と記す。)寸法H4は概ね1120〜1240mmである。これに対して、レール6の上面からホーム2の上面までのz方向の高さ(以下、ホーム高さ寸法と記す)寸法H5、H6は、鉄道車両が供される地域によって多少異なるが、代表的には920mm、1100mmの2種類が主流である(多くはないが、760mmの例もある)。さらに、ホーム2が曲線の軌道に沿って設置される場合は、水平面内でホーム2から鉄道車両1までの間隔が変化することに加えて、軌道に与えられるカント量によって、駅停車時の鉄道車両1の床面10が上下する可能性がある。
図7に示す場合、代表的な床面高さ寸法H4を1125mmとし、ホーム高さ寸法H5を1100mmとすると、床面高さ寸法とホーム高さ寸法の差H1は25mmとなる。この時、4枚の踏み板62が直列に接続されたy方向寸法が2200mm前後のスロープ60とすると、ホーム2へ2枚の踏み板62を収納箱51より引き出してスロープ部を形成する。この場合、架け渡したスロープ60のスロープ部とホーム2のなす角度D1は約8°となる。なお、スロープ部を形成しない残りの2枚の踏み板62は、収納箱51内から乗降口24までの水平面を形成する。
図8に示すように、代表的な床面高さ寸法H4を1125mmとし、ホーム高さ寸法H6を920mmとすると、床面高さ寸法とホーム高さ寸法の差H2は、205mmとなる。この時、4枚の踏み板62が直列に接続されてy方向寸法が2200mm前後のスロープ60とすると、ホーム2へ3枚の踏み板62を収納箱51より引き出してスロープ部を形成する。この場合、架け渡したスロープ60のスロープ部とホーム2のなす角度D2は約10°となる。なお、スロープ部を形成しない残りの1枚の踏み板62は、収納箱51内から乗降口24までの水平面を形成する。
一般に、車椅子の方は傾斜角度5°までのスロープであれば自走可能であり、傾斜角度10°前後までであれば介助者の助けを要するものの、比較的楽にスロープを走行することができる。いずれのホーム高さの場合であっても、スロープ60を構成する2枚または3枚の踏み板62を収納箱51から引き出して、ホーム2へ架け渡せば、車椅子を利用する乗客等が安全に鉄道車両1からホーム2へ乗降することができる。
このように、乗降装置50は、車両と地上側(ホーム2の上面)を架け渡すための乗降口までの運搬を必要とせず、車両と地上側を架け渡すことができる。さらに、収納箱51から引き出す踏み板62の数を調整することで、車椅子等が通過する際に適切な傾斜角度のスロープ部を構成することができる。これにより、床面10とホーム2の上面の高さ寸法の差が異なる場合でも対応することが可能となる。
図9は、本発明の乗降装置のスロープが鉄道車両と軌道敷との間に架け渡された場合の例を示す斜視図である。図10は本発明の乗降装置のスロープが鉄道車両と軌道敷との間に架け渡された場合における、スロープと、スロープに設置するステップと手すりの取付前の状態を示す斜視図であり、図11は本発明の乗降装置のスロープとステップの固定部の例を示す拡大正面図である。
大規模停電や踏み切り等に起因する輸送障害が生じた時、乗務員は駅と駅との間に停車した鉄道車両1から乗客等を軌道敷5に降車させて、より安全な場所に避難誘導する場合がある。この場合、図9に示すように、乗務員は非常用ドアコック(図示なし)を扱って乗降口24を開放した後、収納箱51からスロープ60を引き出して、床面10(収納箱51)から軌道敷5にスロープ60を架け渡して、ステップ66と、手すり64を取り付けることで非常階段61を組立てることができる。
図10に示すように、非常階段61は、スロープ60が備える複数の踏み板62と、踏み板62に固定される複数のステップ(踏み台)66と、踏み板62に固定される柱を有する手すり64と、から構成される。図3で説明したように、スロープ60の踏み板62は、y方向に沿って備えられる一対の第3縁材62eを有する。第3縁材62eは、ステップ66が有する第2凸部66c(図11)が挿入されるステップ取付穴62sと、手すりの柱が有する凸部(図示なし)が挿入される手すり取付穴62hを備える。図10の例では1つの踏み板62に対して、ステップ取付穴62sは両側の第3縁材62eにそれぞれ2か所、取付穴62hは両側の第3縁材62eにそれぞれ1か所設けられている。ステップ66と、柱を有する手すり64は、例えば乗務員室や機器室等に常備しておき、非常時にこれらを取り出して、鉄道車両1の床面10から地上側へ架け渡されたスロープ60に固定して、非常階段61を構成できる。
図11に示すように、ステップ66は、水平面を形成するステップ部66aと、当接部66bと、第2凸部66cとを有する。当接部66bは、ステップ部66aのy方向の一方の端部側に形成され、踏み板62の第3縁材62eに当接するように第3縁材62eに沿った形状で形成される。第2凸部66cは、当接部66bから延伸しステップ取付穴62sに挿入するように形成される。鉄道車両1の床面10(収納箱51)から軌道敷5へ架け渡されるスロープ60に、ステップ66を固定する場合、当接部66bをステップ66の第3縁材62eに当接して、第2凸部66cをステップ取付穴62sに挿入して固定する。このとき、ステップ部66aが略水平な姿勢となるように当接部66bはステップ部66aに対して所定角度をつけて形成されている。
一例として、標準的な50kgレールの高さ寸法は153mmとし、代表的な鉄道車両1のレール上面からの床面10までの高さ寸法を1125mmとすると、軌道敷5から鉄道車両1の床面10までの高さ寸法H3(図9)は、1278mmとなる。このように鉄道車両の床面から地上側に1mを超える高低差がある場合でも、床面10から軌道敷5までスロープ60を架け渡して、スロープ60にステップ66と手すり64とを固定して非常階段61を構成することができる。図9、10に示す例では、3枚の踏み板62に対して2個ずつ、合計6個のステップ66を取り付けて構成されており、隣合うステップ66の高低差は適度な高さとすることができる。またの残り1枚の踏み板62は収納箱51内から乗降口24までの水平面を形成する。このように、乗降装置50は、収納箱51からスロープ60を引き出す構成のため、乗降装置を所定の乗降口まで運搬することは必要とせずに非常階段を構成することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、スロープ60の踏み板62の数は4枚の例を示して適切にスロープ部や非常階段を構成できることを説明した。しかし、踏み板62の数は、これ以外に、例えば、3枚以上、4枚以上と状況に応じて数を変更することも可能である。踏み板62の数を増やすと収納箱51から踏み板62を出す量をより多く調整でき、スロープ部の長さをよりこまめに変更することが可能となる。
1…鉄道車両、2…ホーム、5…軌道敷、6…レール、10…床面、20…側構体、22…窓部、24…乗降口、26…座席、30…屋根構体、50…乗降装置、51…収納箱、52…傾斜部、54…上部パネル、60…スロープ、61…非常階段、62…踏み板、62a1…第1縁材、62a2…第1凸部、62b1…第2縁材、62b2…第1凹部、62c…面板、62d…コア、62e…第3縁材、62h…手すり取付穴、62s…ステップ取付穴、62r…ローラ、63…ヒンジ、64…手すり、65…先端部、65a…取っ手、66…ステップ、66a…ステップ部、66b…当接部、66c…第2凸部、101…基部、102…先端部、p1…第1凸部上面、p2…第1凸部下面、q1…第1凹部上面、q2…第1凹部下面、r、r1、r2、s…端面、x…長手(レール)方向、y…幅(枕木)方向、z…高さ方向、D1、D2…角度、F…荷重、H1、H2…床面高さ寸法とホーム高さ寸法の差、H3…軌道敷から床面までの高さ寸法、H4…床面高さ寸法、H5、H6…ホーム高さ寸法、T1…第1凸部厚み、T2…第1凹部厚み、δ…切欠き

Claims (6)

  1. 鉄道車両の乗降口の近傍の床面に備えられる収納箱と、前記収納箱の内部に収納されるスロープと、を備え、
    前記スロープは、前記鉄道車両の幅方向に連結された複数の踏み板を有し、
    前記収納箱から前記スロープを前記鉄道車両の幅方向のいずれかの一方の側に引き出すことが可能であり、引き出された前記スロープの一方の端部は地上側に接地するとともに、引き出された前記スロープの他方の端部は前記収納箱の内部に位置し、
    前記収納箱は、前記スロープを覆う複数の上部パネルを有し、
    前記収納箱の前記鉄道車両の幅方向に沿う外縁部と、前記収納箱の前記鉄道車両の長手方向に沿う外縁部は、前記上部パネルと前記床面とを滑らかに接続する傾斜部が形成されていること
    を特徴とする乗降装置。
  2. 請求項1に記載の乗降装置において、
    前記踏み板は、
    前記鉄道車両の幅方向の一方の端部に前記鉄道車両の長手方向に沿って備えられる第1縁材と、前記鉄道車両の幅方向の他方の端部に前記鉄道車両の長手方向に沿って備えられる第2縁材と、前記鉄道車両の長手方向の両端部に前記鉄道車両の幅方向に沿って備えられる一対の第3縁材とを有する周縁部と、
    前記周縁部で囲まれる領域に備えられるコア材と、
    前記周縁部および前記コア材の両面を覆う一対の面板と、
    から構成されるハニカム構造であること
    を特徴とする乗降装置。
  3. 請求項に記載の乗降装置において、
    隣接する一方の前記踏み板の前記第1縁材と隣接する他方の前記踏み板の前記第2縁材は対向しており、
    前記第1縁材は、前記鉄道車両の幅方向に沿って、対向する前記第2縁材の方向に突出する凸部を有し、
    前記第2縁材は、前記鉄道車両の幅方向に沿って、対向する前記第1縁材の前記凸部が突出する方向に凹む凹部を有し、
    前記第1縁材と対向する前記第2縁材とは前記鉄道車両の幅方向に沿う軸周りに展開可能なヒンジによって接続されること、
    を特徴とする乗降装置。
  4. 請求項3に記載の乗降装置において、
    前記凸部は、前記床面に平行な一対の面を有する基部と、前記基部から前記凹部の方向に向かって厚さ寸法が徐々に低減するくさび状の先端部と、を有し、
    前記収納箱から引き出された前記スロープが、前記鉄道車両と前記地上側とに架け渡された時、前記凸部が前記凹部に嵌合すること、
    を特徴とする乗降装置。
  5. 請求項4に記載の乗降装置において、
    前記第3縁材は、階段を構成するステップが有する第2凸部が嵌合するステップ取付穴と、手すりを支持する柱が嵌合する柱取付穴と、を有すること、
    を特徴とする乗降装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗降装置を備える鉄道車両
JP2020085383A 2020-05-14 2020-05-14 乗降装置およびそれを備える鉄道車両 Active JP6975825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020085383A JP6975825B2 (ja) 2020-05-14 2020-05-14 乗降装置およびそれを備える鉄道車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020085383A JP6975825B2 (ja) 2020-05-14 2020-05-14 乗降装置およびそれを備える鉄道車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021178589A JP2021178589A (ja) 2021-11-18
JP6975825B2 true JP6975825B2 (ja) 2021-12-01

Family

ID=78510853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020085383A Active JP6975825B2 (ja) 2020-05-14 2020-05-14 乗降装置およびそれを備える鉄道車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6975825B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPP295898A0 (en) * 1998-04-14 1998-05-07 Trans-Ramp Pty Ltd A ramp assembly
JP2000166971A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Takashi Habuka 車椅子アクセスランプ
JP2000185075A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Central Japan Railway Co 可搬スロープ
JP2002321623A (ja) * 2001-04-25 2002-11-05 Kayaba Ind Co Ltd 鉄道車両用の乗降補助装置
DE102011120481A1 (de) * 2011-12-08 2013-06-13 Bombardier Transportation Gmbh Schiebetrittanordnung für ein Schienenfahrzeug
JP6330989B2 (ja) * 2013-04-09 2018-05-30 住友ゴム工業株式会社 渡し板
JP6468251B2 (ja) * 2016-06-22 2019-02-13 東光産業株式会社 避難用梯子およびそれを用いた避難システム
CN210027417U (zh) * 2019-05-17 2020-02-07 庄浩川 一种电力机车辅助登车工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021178589A (ja) 2021-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101582535B1 (ko) 이동 플랫폼 및 발판을 구비한 철도차량
US7908976B2 (en) Railway vehicle and device for accessing said vehicle
CA2795623C (en) Movable support fitting for railroad car
EP1642827B1 (en) Aircraft with a lift system
KR101177419B1 (ko) 레일차량에 구비되는 피난장치 및 그 피난장치의 레일차량에 대한 고정방법
CZ20023788A3 (cs) Spojovací průchod mezi dvoupodlažními kloubovými železničními vozy
JP6975825B2 (ja) 乗降装置およびそれを備える鉄道車両
US20030056686A1 (en) Railcar designs
US4394837A (en) Passenger station for elevated railway system
US8939089B2 (en) Fitting for autorack railroad car housing
US20190100912A1 (en) Glass panel arrangement and a guide track for supporting a glass panel
CA2935975C (en) Autorack railroad car having convertible deck structure
JPH02124358A (ja) 都市鉄道型の乗客集団輸送装置
JP2018086992A (ja) 昇降装置付き乗物
JP5827608B2 (ja) 鉄道車両の2階建構造
CN111115424B (zh) 活动地坎爬梯组合装置
JP2018094957A (ja) 乗降システム
JP5793097B2 (ja) 避難装置を備える軌条車両および避難装置の固定方法
JP2013256780A (ja) 渡し板
KR20090037408A (ko) 통합형 승강장구조
CN105775961B (zh) 一种楼道电梯
CA2795654C (en) Fitting for autorack railroad car housing
RU17039U1 (ru) Подъемное устройство для посадки и высадки пассажира в инвалидной коляске, установленное в тамбуре железнодорожного вагона
JPS6026748B2 (ja) 高架軌道車両の救出装置
CN109707155A (zh) 导轨爬升架体防倾结构、安装结构及爬模安装结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6975825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150