JP6975661B2 - 鞍乗り型車両の変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両の変速機に関する。特に、シフトドラムの回動を規制することでシフトチェンジを規制する機能を備えた鞍乗り型車両の変速機に関するものである。
従来、鞍乗り型車両の変速機として、例えば特許文献1(第1図)に見られるように、
動力源としてのエンジンからの動力が入力される入力軸4と、
この入力軸4に入力された動力を変速して出力軸6に伝達する複数段の歯車列(7-1,7-2等)と、
シフトドラム8の回動によりスライドすることで、前記複数段の歯車列を順次切り替えるシフトフォーク9−1,9−2と、
前記シフトドラム8の回動を規制することで前記歯車列の切換を規制する規制部材19(第3図等)と、
前記入力軸4、出力軸6、およびシフトドラム8をそれぞれ支持する変速機ケース1と、
を備えた鞍乗り型車両の変速機が知られている。
この変速機の規制部材19は、車両走行時に、所定の変速段の切換を自動的に防止すべくシフトドラム8の所定の回動を規制するように構成されていた。
したがって、走行時における運転者の誤操作にる所定の不用意なシフトチェンジ(例えば高速位置から中速位置を経ない低速位置への切り替え等)は防止される。
しかしこの鞍乗り型車両の変速機では、車両走行時には運転者の意志と関係なく自動的に規制部材19が作動するため、シフトドラムに対する規制/非規制についての運転者の選択の自由が損なわれるという難点がある。
実公昭62−12136号公報
本発明が解決しようとする課題は、規制部材によるシフトドラムに対する規制/非規制を運転者が選択操作できる鞍乗り型車両の変速機を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の鞍乗り型車両の変速機は、
動力源からの動力が入力される入力軸と、
この入力軸に入力された動力を変速して出力軸に伝達する複数段の歯車列と、
シフトフォークシャフトにスライド可能に支持され、シフトドラムの回動によりスライドすることで、前記複数段の歯車列を順次切り替えるシフトフォークと、
前記シフトドラムの回動を規制することで前記歯車列の切換を規制する規制部材と、
前記入力軸、出力軸、シフトフォークシャフト、およびシフトドラムをそれぞれ支持する変速機ケースと、
を備えた鞍乗り型車両の変速機において、
前記規制部材の一部を変速機ケースの外部に出して当該一部で運転者による被操作部を構成するとともに、変速機ケースの内周で前記規制部材を回動可能に支持し、該規制部材で、前記シフトフォークシャフトの一端を支持したことを特徴とする。
この鞍乗り型車両の変速機によれば、
シフトドラムの回動を規制することで歯車列の切換を規制する規制部材の一部が、変速機ケースの外部に出ていて当該一部で、運転者による被操作部が構成されているので、この被操作部を運転者が操作することで、規制部材によるシフトドラムに対する規制/非規制を運転者が選択操作することができる。
規制部材の一部を変速機ケースの外部に出して当該一部で運転者による被操作部を構成する場合、その構成によっては変速機の大型化を招くおそれがある。
これに対し、本発明によれば、変速機ケースの内周で前記規制部材を回動可能に支持し、該規制部材で、前記シフトフォークシャフトの一端を支持した構成としたので、装置の大型化を抑制することができる。
すなわち、この鞍乗り型車両の変速機によれば、規制部材によるシフトドラムに対する規制/非規制を運転者が選択操作することができるとともに、装置の大型化を抑制することが可能となる。
この鞍乗り型車両の変速機においては、
前記規制部材は、前記シフトフォークシャフトの一端を支持する筒状端部を有し、該筒状端部の外周に、前記シフトドラムに係合する係合部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、規制部材の筒状端部でシフトフォークシャフトの一端が支持され、しかもその筒状端部の外周に、前記シフトドラムに係合する係合部が設けられているので、変速機の、シフトフォークシャフトの軸方向の小型化を図ることができる。
この鞍乗り型車両の変速機においては、
前記規制部材は、一端部に前記シフトフォークシャフトの一端を支持する筒状端部を有し、他端部に、運転者により操作されるケーブルに連結されるレバーが設けられるロッド状に構成されて前記変速機ケースに回動可能に支持され、
規制部材の外周に、該規制部材を、前記シフトドラムの回動を規制する規制方向、または、前記シフトドラムの回動を規制しない非規制方向へ付勢する付勢部材が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、運転者は、ケーブルを操作(引き操作)することで規制部材を回動させ、それによってシフトドラムに対する規制/非規制を選択することができる。
そして、規制部材の外周には、規制部材を、シフトドラムの回動を規制する規制方向、または、シフトドラムの回動を規制しない非規制方向へ付勢する付勢部材が設けられているので、ケーブルの弛みをなくして操作性を向上させることができる。
この鞍乗り型車両の変速機においては、
前記規制部材の前記レバー側には、該規制部材を覆い、前記変速機ケースに固定されるキャップ部材が設けられ、このキャップ部材の内側に前記付勢部材としての捩りバネが設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、キャップ部材で捩りバネを保護し、作動耐久性を向上させることができる。
この鞍乗り型車両の変速機においては、
前記規制部材と変速機ケースとの間には、規制部材の前記規制方向への回動範囲を規制し、シフトドラム外周面と、該外周面に対する規制部材の対向面との間の間隔を保持する間隔保持部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、シフトドラム外周面と、該外周面に対する規制部材の対向面との間の間隔を保持することによって、前記ケーブルの弛みをなくすと同時にシフトドラムの回転抵抗の増加を防止して、操作性を向上させることができる。
この鞍乗り型車両の変速機においては、
前記ケーブルは、アウターチューブとこのアウターチューブ内に挿通されたインナーケーブルとを備え、前記変速機ケースの側面には、少なくとも、前記アームおよび該アームに接続されるインナーケーブルを覆うカバー部材が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、前記アームおよび該アームに接続されるインナーケーブルをカバー部材で保護することができる。
本発明に係る鞍乗り型車両の変速機の実施の形態を用いた鞍乗り型車両の一例を示す左側面図。 本発明に係る鞍乗り型車両の変速機の実施の形態を示す左側面図。 同じく変速機の展開図。 シフトドラムの展開図。 変速機の要部の断面図。 規制部材を示す図で、(a)は図(b)におけるa−a断面図、(b)は左側面図。 シフトドラムを示す図で、(a)は左側面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図。 図3とは異なる位置で展開した変速機の展開図。 主としてシフトドラムと規制部材とを示す図で、(a)は左側面図、(b)は図(a)をケース内面側から見た図(右側面図)、(c)は図(b)の部分拡大図。 主としてカバー部材100を示す左側面図。 操作レバー96を示す図で、(a)は平面図、(b)は斜め前方から見た斜視図。
以下、本発明に係る鞍乗り型車両の変速機の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い、必要に応じて図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
図1は、本発明に係る鞍乗り型車両の変速機の一実施の形態を搭載した鞍乗り型車両の一例である自動二輪車の主要構成部品のみを示す概略側面図である。
同図に示すように、この自動二輪車は、メインフレームMFと、このメインフレームMFの前部にハンドルHで操舵可能に設けられた前輪WFと、メインフレームMFに搭載された変速機TM付きの、動力源としてのエンジンEと、メインフレームMFの後部にスイングアームSAを介して支持され、前記エンジンEで駆動される後輪WRとを備えている。
後輪WRの駆動方式は適宜の方式を採用し得るが、この実施の形態では、エンジンEの出力軸20に固定した駆動スプロケット1と後輪WRの従動スプロケット2とを連結した駆動チェーン3で後輪WRを駆動するようになっている。
Tは燃料タンク、Sは運転者が座るシート、STは足を掛けるステップ、CPはチェンジペダルである。
図2はエンジンEおよび変速機TMの概略側面図、図3は変速機TMの拡大展開図である。
図2,図3に示すように、この実施の形態の変速機TMは、
動力源としてのエンジンEからの動力が入力される入力軸(メインシャフト)10と、
この入力軸10に入力された動力を変速して出力軸(カウンタシャフト)20に伝達する複数段の歯車列(M1〜M6,C1〜C6参照)と、
シフトフォークシャフト30、40にスライド可能に支持され、シフトドラム50の回動によりスライドすることで、前記複数段の歯車列を順次切り替えるシフトフォーク35,45(L,R)と、
前記入力軸10、出力軸20、シフトフォークシャフト30,40、およびシフトドラム50をそれぞれ支持する変速機ケース60と、を備えている。
なお、図3は、図2において、シフトドラム50の中心50a、シフトフォークシャフト30の中心30a、入力軸10の中心10a、出力軸20の中心20a、シフトフォークシャフト40の中心40a、およびシフトドラム50の中心50aに沿って展開した図である。変速機ケース60はクランクケースCC(図2)と一体に構成されている。
図5に示すように、この実施の形態の変速機TMは、シフトドラム50の回動を規制することで前記歯車列の切換を規制する規制部材70を備えている。
規制部材70は、その一部71が変速機ケース60の外部に出ており、当該一部71で、運転者による被操作部(71)が構成されている。規制部材70は、変速機ケース60の内周61で回動可能に支持され、当該規制部材70が、前記シフトフォークシャフト30の一端31を支持している。
図6、図9に示すように、この実施の形態の規制部材70は、係合部としての規制アーム72を有しており、この規制アーム72の先端72cが、シフトドラム50に設けられた突起52(図5,図7参照)に当接することで、シフトドラム50の回動を規制するようになっている。
この鞍乗り型車両の変速機TMによれば、次のような作用効果が得られる。
シフトドラム50の回動を規制することで歯車列の切換を規制する規制部材70の一部71が、変速機ケース60の外部に出ていて当該一部71で、運転者による被操作部(71)が構成されているので、この被操作部(71)を運転者が操作することで、規制部材70によるシフトドラム50に対する規制/非規制を運転者が選択操作することができる。
規制部材70の一部71を変速機ケース60の外部に出して当該一部71で運転者による被操作部(71)を構成する場合、その構成によっては変速機の大型化を招くおそれがある。
これに対し、この鞍乗り型車両の変速機TMによれば、変速機ケース60の内周61で規制部材70を回動可能に支持し、該規制部材70で、シフトフォークシャフト30の一端31を支持したので、装置の大型化を抑制することができる。
すなわち、この鞍乗り型車両の変速機TMによれば、規制部材70によるシフトドラム50に対する規制/非規制を運転者が選択操作することができるとともに、装置の大型化を抑制することが可能となる。
図5,図6に示すように、規制部材70は、シフトフォークシャフト30の一端31を支持する筒状端部73を有し、該筒状端部73の外周73cに、シフトドラム50に係合する係合部としての前記規制アーム72が設けられている。
このように構成すると、規制部材70の筒状端部73でシフトフォークシャフト30の一端31が支持され、しかもその筒状端部73の外周73cに、シフトドラム50に係合する係合部(72)が設けられているので、変速機の、シフトフォークシャフト30の軸方向の小型化を図ることができる。この実施の形態では、シフトフォークシャフト30の軸方向は車幅方向であるから、車幅方向の小型化を図ることで、運転者の跨がり性、足つき性を向上させることができる。
図5,図6に示すように、規制部材70は、一端部に前記筒状端部73を有し、他端部71bに、運転者により操作されるケーブル80(図1,図9参照)に連結されるレバー92が設けられるロッド状に構成されて変速機ケース60に回動可能に支持されている。図5に示すように、規制部材70の外周には、規制部材70を、シフトドラム50の回動を規制する規制方向へ付勢する付勢部材としての捩りバネ74が設けられている。
なお、この実施の形態では、付勢部材74は、規制部材70を、シフトドラム50の回動を規制する規制方向へ付勢する構成としたが、シフトドラム50の回動を規制しない非規制方向へ付勢する構成とすることも可能である。
このように構成すると、運転者は、ケーブル80を操作(引き操作)することで規制部材70を回動させ、それによってシフトドラム50に対する規制/非規制を選択することができる。
そして、規制部材70の外周には、規制部材70を、シフトドラム50の回動を規制する規制方向(または、シフトドラム50の回動を規制しない非規制方向)へ付勢する付勢部材74が設けられているので、ケーブル(インナーケーブル)の弛みをなくして操作性を向上させることができる。
ケーブルの操作構造例については後述する。
図5に示すように、規制部材70の前記レバー92側(前記他端71b側)には、規制部材70を覆い、変速機ケース60に固定されるキャップ部材63が設けられ、このキャップ部材63の内側に前記捩りバネ74が設けられている。
このように構成すると、キャップ部材63で捩りバネ74を保護し、作動耐久性を向上させることができる。
捩りバネ74の一端74bは規制部材70に設けられた係合部70gと係合し、捩りバネ74の他端74cはキャップ部材63に設けられた係合部63gと係合している。
キャップ部材63の取付構造は適宜の構造を採用し得るが、この実施の形態では、キャップ部材63は、規制部材70および前記捩りバネ74を覆い、先端部63cがケース60内に入り込む筒状部63dと、この筒状部63dの外周に一体に設けられたフランジ部63fとを備え、フランジ部63fをボルト63bでケース60に締結固定することで、ケース60に取り付けられる構造とした。
図5において、64は前記フランジ部63fとケース60との間に介装されたスペーサ、65aは規制部材70の外周面とケース内面との間に設けられたシール部材、65bはキャップ部材63の外周面とケース内面との間に設けられたシール部材、65cは規制部材70に装着されたスリーブ66の外周面とキャップ部材63の内周面との間に設けられたシール部材である。
本発明における変速機における変速機構自体は公知の適宜の変速機構を採用し得る。
以下、この実施の形態の変速機TMにおける変速機構について説明する。
図3に示すように、入力軸(メインシャフト)10に対して、図3右側から順次、1速用歯車M1が固定され、3速用歯車M3がスプライン結合され、5速用歯車M5が相対回転可能に設けられ、6速用歯車M6が相対回転可能に設けられ、4速用歯車M4がスプライン結合され、2速用歯車M2がスプライン結合されている。また、歯車M5,M6の間には、歯車M5,M6と個別に係合可能なドグ(5,6)を有するシフターMSがスプライン結合されている。このシフターMSはシフトフォーク35によって歯車M5またはM6に向けてスライド操作される。
一方、出力軸(カウンタシャフト)20に対しては、図3右側から順次、1速用歯車C1が相対回転可能に設けられ、3速用歯車C3が相対回転可能に設けられ、5速用歯車C5がスプライン結合され、6速用歯車C6がスプライン結合され、4速用歯車C4が相対回転可能に設けられ、2速用歯車C2が回転可能に設けられている。また、歯車C1,C3の間に、歯車C1,C3と個別に係合可能なドグ(1,3)を有するシフターCSRがスプライン結合され、歯車C4,C2の間に、歯車C4,C2と個別に係合可能なドグ(4,2)を有するシフターCSLがスプライン結合されている。シフターCSRはシフトフォーク45Rによって歯車C1またはC3に向けてスライド操作され、シフターCSLはシフトフォーク45Lによって歯車C4またはC2に向けてスライド操作される。
シフトフォーク35,45(L,R)は、それぞれシフトドラム50の回動に応じて後述するように作動する。シフトドラム50は、運転者(この実施の形態では運転者の左足)によるチェンジペダルCP(図1参照)の回動操作に応じて回動する。
図8において、62はチェンジペダルCPと連動するチェンジスピンドルであり、図1に示すように、チェンジペダルCPとリンクL1,L2を介して連結されている。このチェンジスピンドル62の回動が、公知の連動機構63を通じてシフトドラム50を間欠的に回動させる。
この実施の形態のシフト方式は、いわゆるボトムニュートラル方式(かき上げ方式)である。チェンジペダルCPを最下段まで踏み込んだときにニュートラル(N)となり、そこから上方(図1矢印U方向)へ回動させる度に、順次、シフトドラム50が図7(a)において時計方向(矢印U方向)へ所定角度回動し、1速(1st)、2速(2nd)、3速(3rd)、4速(4th)、5速(5th)、6速(6th)、とシフトアップする。
また、ニュートラル(N)以外の任意の位置から、チェンジペダルCPを踏み込む(図1矢印D方向へ回動させる)と、シフトドラム50が図7(a)において反時計方向(矢印D方向)へ所定角度回動し、シフトダウンする。
図4はシフトドラム50のカム溝を示す展開図(図7(a)において右方向(矢印4方向から見て展開した図)である。図4において矢印U,Dはシフトドラム50の回動によるカム溝の移動方向を示している。Uがシフトアップ方向、Dがシフトダウン方向である。
図3,図4,図8に示すように、シフトドラム50には3本のカム溝51M,51CL,51CRが設られており、これらカム溝51M,51CL,51CRに、カムフォロアとしての、シフトフォーク35,45(L,R)の基部35b,45bに設けられた突起35p、45p(L,R)がそれぞれスライド可能に入り込んでいる。したがって、シフトドラム50が回動すると、それに応じてシフトフォーク35,45(L,R)がシフトフォークシャフト30,40上をスライドし、基部35b,45bに設けられたフォーク部35f、45f(L,R)によって、各フォークが係合している上記シフターシフターMS,CS(L,R)がスライドすることになる。
したがって、この変速機の基本作動はシフトドラム50の回動位置に応じて次のようになる。
<ニュートラル(N)位置>
シフトドラム50がニュートラル(N)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク35の突起35p(以下、突起を略して単にシフトフォークという)は、カム溝51MのM−N位置にあり、シフトフォーク45(L,R)はそれぞれカム溝51CL,51CRのC−N位置にある(図中黒点部参照。以下同じ)。
このとき、シフターMS,CS(L,R)もニュートラル位置(図3にそれぞれ太線で示す中立位置)にあり、いずれの歯車とも係合していない。
したがって、カウンタ軸(出力軸20)側の歯車C1〜C6はそれぞれメインシャフト(入力軸10)側の歯車M1〜M6と噛み合ってはいるものの入力軸1は出力軸20に対して空転状態となる。
よって、入力軸10の動力は出力軸20には伝達されない。
<1速(1st)位置>
シフトドラム50が1速(1st)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク35はカム溝51MのM−1st位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Lはカム溝51CLのC−1st位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Rはカム溝51CRのC−1st位置にある。この位置はニュートラル位置から右方すなわち歯車C1側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターCSRも歯車C1側にスライドして歯車C1と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第1段の歯車列=歯車M1,C1,シフターCSRを介して出力軸20に伝達される。
<2速(2nd)位置>
シフトドラム50が2速(2nd)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク35はカム溝51MのM−2nd位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Rはカム溝51CRのC−2nd位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Lはカム溝51CLのC−2nd位置にある。この位置はニュートラル位置から左方すなわち歯車C2側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターCSLも歯車C2側にスライドして歯車C2と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第2段の歯車列=歯車M2,C2,シフターCSLを介して出力軸20に1速よりも高速の2速で伝達される。
<3速(3rd)位置>
シフトドラム50が3速(3rd)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク35はカム溝51MのM−3rd位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Lはカム溝51CLのC−3rd位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Rはカム溝51CRのC−3rd位置にある。この位置はニュートラル位置から左方すなわち歯車C3側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターCSRも歯車C3側にスライドして歯車C3と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第3段の歯車列=歯車M3,C3,シフターCSRを介して出力軸20に2速よりも高速の3速で伝達される。
<4速(4th)位置>
シフトドラム50が4速(4th)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク35はカム溝51MのM−4th位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Rはカム溝51CRのC−4th位置にあるがニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。シフトフォーク45Lはカム溝51CLのC−4th位置にある。この位置はニュートラル位置から右方すなわち歯車C4側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターCSLも歯車C4側にスライドして歯車C4と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第4段の歯車列=歯車M4,C4,シフターCSLを介して出力軸20に3速よりも高速の4速で伝達される。
<5速(5th)位置>
シフトドラム50が5速(5th)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク45(L,R)はカム溝51C(L,R)のC−5th位置にあるがいずれもニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。
シフトフォーク35はカム溝51MのM−5th位置にある。この位置はニュートラル位置から右方すなわち歯車M5側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターMSも歯車M5側にスライドして歯車M5と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第5段の歯車列=シフターMS、歯車M5,C5を介して出力軸20に4速よりも高速の5速で伝達される。
<6速(6th)位置>
シフトドラム50が6速(6th)位置にあるとき、図4において、シフトフォーク45(L,R)はカム溝51C(L,R)のC−5th位置にあるがいずれもニュートラル位置に対して左右にはスライドしていない。
シフトフォーク35はカム溝51MのM−6th位置にある。この位置はニュートラル位置から左方すなわち歯車M6側にスライドした位置である。
したがって、図3において、シフターMSも歯車M6側にスライドして歯車M6と係合することとなる。
よって、入力軸10の動力は第6段の歯車列=シフターMS、歯車M6,C6を介して出力軸20に5速よりも高速の6速で伝達される。
例えば以上のような変速機TMにおいて、仮に何らの方策も講ぜられていないとしたならば、例えば第2速から第1速へとシフトダウンする際、運転者のチェンジペダルCPの誤操作によって、シフトドラム50がニュートラル(N)位置へと移動してしまうことがある。このような事態が生じると、運転者の意に反して入力軸10から出力軸20への動力伝達がなされなくなるので、円滑な走行ができなくなるおそれがある。
これに対し、この実施の形態によれば、規制部材70によるシフトドラム50に対する規制/非規制を運転者が選択操作することができるので、規制部材70を規制位置にすることで、上記のような誤操作が防止される。
図9、図10に示すように、レバー92にはケーブル80の一端82bが接続される。図10に示すように、ケーブル80は、アウターチューブ81とこのアウターチューブ内に挿通されたインナーケーブル82とを備え、レバー92にはインナーケーブル82の一端(タイコ)82bが接続される。
図11に示すように、ケーブル80の他端(インナーケーブルの他端)82cは、ハンドルHのトップブリッジTBの前面にボルト96bで回動可能に軸支された操作レバー96に接続される。図1に示すように、ケーブル80は車体に沿って適宜配索される。
したがって、運転者が操作レバー96を規制解除方向(アンロック方向:図11(b)矢印UL方向)へ回動させると、図9において、レバー92および規制部材70も規制解除方向(矢印UL方向)へ回動し、図9(b)に仮想線で示すように規制アーム72がシフトドラム50の突起52から外れて、シフトドラム50が第1速位置からニュートラル位置へと回動可能な状態となる。
なお、運転者が操作レバー96を離せば、捩りバネ74の復原作用で、操作レバー96、レバー92および規制部材70も規制方向(矢印L方向)へ回動して原位置すなわちロック位置へと復帰し、規制アーム72がシフトドラム50の突起52と当接し得る状態となって、シフトドラム50の第1速位置からニュートラル位置への回動が規制されることとなる。
操作レバー96の設置箇所は適宜設定することができるが、この実施の形態では、運転者が車両に跨がった状態で操作可能ではあるものの、通常の運転動作では誤操作されることがない位置として、上記の通りトップブリッジTBの前面に設置した。
図5および図9(b)(c)に示すように、規制部材70と変速機ケース60との間には、規制部材70の規制方向(L方向)への回動範囲を規制し、シフトドラム50の外周面50sと、該外周面50sに対する規制部材70の対向面72sとの間の間隔Cを保持する間隔保持部75が設けられている。
このように構成すると、シフトドラム50外周面50sと、該外周面50sに対する規制部材70の対向面72sとの間の間隔Cを保持することによって、前記ケーブル(インナーケーブル82)の弛みをなくすと同時にシフトドラム50の回転抵抗の増加を防止して、操作性を向上させることができる。
この実施の形態の間隔保持部75は、規制部材70に設けた突起77と、この突起77に当接可能にケース60に設けた凹部67とで構成した。
図9(b)に実線で示すように突起77が凹部67の一内面67bに当接することで前記間隔Cが保持され、同仮想線で示すように突起77が凹部67の他内面67cに当接することで、規制部材70のアンロック(UL)方向への回動量が規制される。
図10に示すように、変速機ケース60の側面には、少なくとも、前記レバー92および該レバー92に接続されるインナーケーブル82を覆うカバー部材100が設けられている。
このように構成すると、レバー92および該レバー92に接続されるインナーケーブル82をカバー部材100で保護することができる。
図10において、110はケーブル80の固定部材であり、ボルト111でケース60の側面に固定されている。120はカバー部材100をケース60に固定しているボルトである。
図4のL1およびW1で示す領域において、カム溝51CLと、前記規制部材70の対向面72sとの対向面であるシフトドラム50の外周面50sを形成している溝50cとが軸方向に関してオーバーラップしている。
このように構成すると、変速機の軸方向長さをW1分だけ低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
E:動力源、10:入力軸、20:出力軸、30:シフトフォークシャフト、31:一端、35:シフトフォーク、50:シフトドラム、60:変速機ケース、61:内周、63:キャップ部材、70:規制部材、71:一部(被操作部)、72:係合部、73:筒状端部、74:付勢部材(捩りバネ)、75:間隔保持部、80:ケーブル、81:アウターチューブ、82:インナーケーブル、92:レバー、100:カバー部材。

Claims (6)

  1. 動力源からの動力が入力される入力軸(10)と、
    この入力軸(10)に入力された動力を変速して出力軸(20)に伝達する複数段の歯車列と、
    シフトフォークシャフト(30)にスライド可能に支持され、シフトドラム(50)の回動によりスライドすることで、前記複数段の歯車列を順次切り替えるシフトフォーク(35)と、
    前記シフトドラム(50)の回動を規制することで前記歯車列の切換を規制する規制部材(70)と、
    前記入力軸(10)、出力軸(20)、シフトフォークシャフト(30)、およびシフトドラム(50)をそれぞれ支持する変速機ケース(60)と、
    を備えた鞍乗り型車両の変速機において、
    前記規制部材(70)の一部(71)を変速機ケース(60)の外部に出して当該一部(71)で運転者による被操作部(71)を構成するとともに、変速機ケース(60)の内周(61)で前記規制部材(70)を回動可能に支持し、該規制部材(70)で、前記シフトフォークシャフト(30)の一端(31)を支持し
    前記規制部材(70)は、前記シフトフォークシャフト(30)の一端(31)を支持する筒状端部(73)を有し、該筒状端部(73)の外周(73c)に、前記シフトドラム(50)に係合する係合部(72)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
  2. 動力源からの動力が入力される入力軸(10)と、
    この入力軸(10)に入力された動力を変速して出力軸(20)に伝達する複数段の歯車列と、
    シフトフォークシャフト(30)にスライド可能に支持され、シフトドラム(50)の回動によりスライドすることで、前記複数段の歯車列を順次切り替えるシフトフォーク(35)と、
    前記シフトドラム(50)の回動を規制することで前記歯車列の切換を規制する規制部材(70)と、
    前記入力軸(10)、出力軸(20)、シフトフォークシャフト(30)、およびシフトドラム(50)をそれぞれ支持する変速機ケース(60)と、
    を備えた鞍乗り型車両の変速機において、
    前記規制部材(70)は、一端部に前記シフトフォークシャフト(30)の一端(31)を支持する筒状端部(73)を有し、他端部(71b)に、運転者により操作されるケーブル(80)に連結されるレバー(92)が設けられるロッド状に構成されて前記変速機ケース(60)に回動可能に支持され、
    規制部材(70)の外周に、該規制部材(70)を、前記シフトドラム(50)の回動を規制する規制方向、または、前記シフトドラム(50)の回動を規制しない非規制方向へ付勢する付勢部材(74)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
  3. 請求項において、
    前記規制部材(70)は、前記シフトフォークシャフト(30)の一端(31)を支持する筒状端部(73)を有し、該筒状端部(73)の外周(73c)に、前記シフトドラム(50)に係合する係合部(72)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
  4. 請求項において、
    前記規制部材(70)の前記レバー(92)側には、該規制部材(70)を覆い、前記変速機ケース(60)に固定されるキャップ部材(63)が設けられ、このキャップ部材(63)の内側に前記付勢部材(74)としての捩りバネ(74)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
  5. 請求項または4において、
    前記規制部材(70)と変速機ケース(60)との間には、規制部材(70)の前記規制方向への回動範囲を規制し、シフトドラム(50)外周面(50s)と、該外周面(50s)に対する規制部材(70)の対向面(72s)との間の間隔(C)を保持する間隔保持部(75)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
  6. 請求項〜5のうちいずれか一項において、
    前記ケーブル(80)は、アウターチューブ(81)とこのアウターチューブ(81)内に挿通されたインナーケーブル(82)とを備え、前記変速機ケース(60)の側面には、少なくとも、前記レバー(92)および該レバー(92)に接続されるインナーケーブル(82)を覆うカバー部材(100)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の変速機。
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