以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中同一または対応する部分には同一符号を付す。
図1は、この実施の形態に係る記録システムの一例を示す図である。この実施の形態に係る記録システム1では、ドライブレコーダー10(図2、図3参照)が保険契約者の車1000に搭載されており、当該ドライブレコーダー10は、無線通信にてネットワーク(公衆回線網等を含む)を介して、クラウドのストレージサーバ(図示省略)および総合センタサーバ30に接続する。なお、この実施の形態では、ドライブレコーダー10が無線通信にてネットワーク(公衆回線網等を含む)を介して、クラウドのストレージサーバ(図示省略)および総合センタサーバ30に接続する例を示しているが、例えば、同様の機能を有するミラー型の専用端末装置を用意して、ミラー1300(図2参照)の代わりに設置するようにしてもよい。ドライブレコーダー10は、衝撃に基づいて映像を記録し、クラウドのストレージサーバへと記録した映像を必要な情報とともに送信する。ドライブレコーダー10は、記録装置に対応する。
クラウドのストレージサーバには、本顧客サービス用のデータ格納領域が確保される。より具体的には、車両1000に搭載されているドライブレコーダー10毎に、総合センタサーバ30等によってアクセス可能なデータ格納領域が確保される。
総合センタサーバ30は、1又は複数のコンピュータで構成されており、総合センタに設置され且つ総合センタの各オペレータによって操作される端末装置(図示省略)に接続されている。また、総合センタのオペレータは、車両1000に搭載されているドライブレコーダー10、ロードサービス提供会社や救急機関(消防署や民間の救急サービス提供会社)等と、例えば端末装置に接続されたヘッドセット等を用いて通話できるようになっている。総合センタは、事故の状況に応じた事故対応のサービスを提供する。
ネットワークには、図示は省略しているが、ロードサービス提供会社システムおよび救急機関システム等も接続されており、それらも、総合センタサーバ30からの要求に応じて、クラウドのストレージサーバにおいて指定されたデータ格納領域からデータを取得するようになっている。また、当該ネットワークには、図示は省略しているが、保険会社の事故分析装置と端末とが接続されている。事故分析装置は、事故車両である車両1000(以下の説明において、便宜上「自車」と呼ぶことがある)が備えるセンサにより計測される車両データと、車両1000のドライブレコーダー10が備えるカメラで撮影された映像データとを、クラウドのストレージサーバからネットワークを介して取得し、取得した車両データと映像データとに基づいて、車両1000が起こした事故の状況を分析する機能を有する。
端末は、例えば保険会社のオペレータ等が操作する端末であり、事故分析装置が分析した事故の状況、事故の状態に対応する事故事例、および事故分析装置が生成した画像を表示する。端末は、PC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等、ディスプレイを備えた情報処理装置であればあらゆる情報処理装置を用いることができる。
図2に、車両1000内において車両1000の前方向を見た状態を示す。ドライブレコーダー10にはカメラが含まれており、図示するように、少なくとも車両1000の進行方向の映像を撮影することができるよう、車両1000のフロント部分又はフロントガラスに取り付けられている。カメラは、車両1000の側面方向および後方を撮影可能なものであってもよい。なお、図2に示すように、車両1000の内部には、周知の自動診断システム1400(例えば、OBD(On-Board Diagnostic system -II)が搭載されており、当該自動診断システム1400は、ドライブレコーダー10と接続するものとする。
図3に、ドライブレコーダー10の一例を示す。ドライブレコーダー10の正面には、撮影装置15(カメラ)のレンズが設けられている。固定部20は、車両1000のフロントガラスにドライブレコーダー10を固定するための土台である。加速度センサ(図4に示す加速度測定部1160)が測定する前後方向の加速度は、X軸方向の加速度に該当する。同様に、左右方向の加速度は、Y軸方向の加速度に該当し、上下方向の加速度は、Z軸方向の加速度に該当する。
図4に、この実施の形態に係るドライブレコーダー10の機能ブロック図を示す。車両1000に搭載されるドライブレコーダー10は、第1通信部1110と、第2通信部1120と、測位部1130と、録画部1140と、録音部1150と、加速度測定部1160と、自動診断データ取得部1170と、制御部1180と、記憶部1200とを有する。
この実施の形態に係るドライブレコーダー10(記録装置)は、ドライブレコーダー10が取り付けられた車両1000の加速度および車速を取得し、取得した加速度および車速に基づいて、映像を記録すべき衝撃が生じたか否かを判定する。また、映像を記録すべき衝撃が生じた場合、衝撃が生じたと判定したタイミングの前後の映像データを記録する。また、この実施の形態に係るドライブレコーダー10(記録装置)は、迅速な事故対応が求められる割合の高い大事故に分類される衝撃が生じた場合、衝撃が生じたと判定したタイミングの前後の映像データを低解像度で記録し、クラウドのストレージサーバに送信する。
制御部1180は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサから構成され、記憶部1200に格納されたプログラム(図示省略)に従って、本顧客サービスに関連する処理を、各構成要素に対して実行させる。また、制御部1180は、判定部1180Aを有する。判定部1180Aは、加速度測定部1160で測定された加速度および車速が、記憶部1200に記憶されている判定基準データに含まれる複数の事故種別(小事故、中事故、大事故)の各々に対応する判定基準のうち、少なくともいずれか一つに該当する場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する機能を有する。より具体的に、判定部1180Aは、加速度および車速が、小事故(第1事故種別)に対応する判定条件、中事故(第2事故種別)に対応する判定条件、および、大事故(第3事故種別)に対応する判定条件のうち、少なくともいずれか一つに該当する場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。その他、判定部1180Aは、車両の判定や付則条件の判定など、各種判定を行う機能を有する。
小事故とは、車両1000に加わる衝撃が小さい事故であり、例えば、概ね10km以下程度の極低速での衝突事故や、実際に衝突に至らないまでもドライバが急ブレーキをかけて車両を停車させたような状態を想定している。中事故とは、車両1000に加わる衝撃が中程度の事故であり、例えば、衝突時の速度が10km〜20km程度の事故を想定している。大事故とは、エアバックが開放するレベルの事故であり、例えば、衝突時の速度が20km以上の事故を想定している。
なお、小事故、中事故および大事故の定義は一例にすぎず、本実施形態が、これに限定されるものではない。また、小事故、中事故および大事故の定義を説明する際に用いた衝突時の速度は、説明の都合上、衝撃の大きさをイメージし易くするために用いたに過ぎず、これに限定されるものではない。本実施形態は、小事故、中事故および大事故という3段階の分類に限定されず。車両1000に加わる衝撃の大きさによって、更に多くの事故種別に分類されてもよい。
第1通信部1110は、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)等により総合センタ等と通話するための通信部である。但し、一般的な携帯電話器の通話機能である場合もある。また、第2通信部1120は、例えばパケットにてデータをクラウドのストレージサーバに送信する機能を有する。
さらに、測位部1130は、制御部1180によって指示されると例えばGPS(Global Positioning System)等によって車両1000の絶対位置(例えば緯度経度)を取得し、記憶部1200に格納する。
録画部1140は、例えばドライブレコーダー10に搭載されている撮影装置15(カメラ)より撮影される動画像のデータ(映像データ)を記憶部1200に格納する。録音部1150は、マイクから入力される音のデータを記憶部1200に格納する。録音部1150は、録画部1140と一体化されている場合もある。また、録画部1140は、例えば制御部1180によって作動を指示されると継続的に録画を行い、記憶部1200に格納するものとする。制御部1180は、特定の時刻より前一定時間の映像データと当該特定の時刻以降一定時間の映像データとを併せて抽出できるものとする。録音部1150についても同様である。録画部1140は、車両1000外部の動画像と車両1000内部の動画像とを撮影可能である。
加速度測定部1160は、例えば加速度センサにより加速度の値を測定し、制御部1180に出力する。自動診断データ取得部1170は、制御部1180によって指示されると、車両1000内部に搭載されている自動診断システム1400から自動診断データを取得する。なお、自動診断データに、車両1000の車速を示す車速データが含まれていてもよい。
記憶部1200は、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)および/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置から構成され、予め機器データとして、企業名、組織名、車両登録番号、ドライバ識別子(ID)、電話番号等を格納しており、制御部1180による指示に応じて各構成要素が取得するデータも格納する。記憶部1200は、判定部1180Aが事故の有無を判定する際に用いる各種の判定基準データと、撮影装置15(カメラ)で撮影された映像である映像データとを格納する。
その他、図示は省略しているが、ドライブレコーダー10は、操作ボタンやタッチパネル等、情報の入力を受け付ける入力部(当該入力デバイスに録音部1150が含まれていてもよい)や、ディスプレイやスピーカ等情報を出力する機能を備えた出力部を有している。
図5に、総合センタサーバ30の機能ブロック図を示す。総合センタサーバ30は、機能部として、受信部311と、車両抽出部312と、契約者データベース(DB)313と、データ取得部314と、データ格納部315と、データ出力処理部316と、入力処理部317と、解析処理部318と、外部通知処理部319と、対処データ格納部320と、通話処理部321と、保険会社通知部322とを有する。総合センタサーバ30は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)および/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)、入力操作を受け付ける入力デバイス、および情報の出力を行う出力デバイスを有し、これらが共働してこれらの機能部を実現する。なお、総合センタサーバ30の機能については端末装置と連携して実現する場合もあるので、端末装置側に設けられる機能が存在する場合もある。
受信部311は、所定の電話番号に宛てた、ドライブレコーダー10からの着信を受け付け、ドライブレコーダー10の電話番号を発信番号通知により特定し、当該電話番号を車両抽出部312に出力する。なお、受信部311は、ドライブレコーダー10からの着信については、予め定められたルールに基づき応対可能なオペレータの端末装置に転送する。
契約者DB313は、例えば電話番号と、契約データと、クラウドのストレージサーバにおけるデータ格納領域を特定するためのアクセス情報(例えばURI(Uniform Resource Identifier))とを対応付けて格納する。アクセス情報の少なくとも一部については、電話番号や車両の登録番号等から何らかの関数にて特定するようにしても良い。
車両抽出部312はドライブレコーダー10の電話番号から、契約者DB313に格納されている契約データおよびアクセス情報を読み出して、契約データおよびアクセス情報についてはデータ出力処理部316に出力し、アクセス情報をデータ取得部314に出力する。
データ取得部314は、アクセス情報に基づき、クラウドのストレージサーバにおけるデータ格納領域からデータを取得してデータ格納部315に格納する。データ出力処理部316は、受信部311によって決定された着信の転送先の端末装置に対して、契約データやデータ格納部315に格納されたデータを出力するための処理を実行する。
解析処理部318は、データ格納部315に格納されている映像データ等に対して所定の解析処理を行い、解析結果を、データ出力処理部316を介して端末装置に出力する。外部通知処理部319は、アクセス情報と車両1000と連絡を取るための情報(ドライブレコーダー10の電話番号等)等を含むデータを、ロードサービス提供会社システムや救急機関システムへ送信する。通話処理部321は、車両1000におけるドライブレコーダー10等に電話をかけるための処理を実行する。
入力処理部317は、端末装置からの指示又は入力に応じて、データ出力処理部316、解析処理部318、外部通知処理部319、通話処理部321等に処理を行わせる。また、入力処理部317は、ドライブレコーダー10からの着信に応じて行った対処に関するデータを対処データ格納部320に格納する。対処データ格納部320に格納されるデータは、アクセス情報および契約データを含み、端末装置において入力された文章のデータ等も含む場合もある。
保険会社通知部322は、対処データ格納部320に格納されたデータに基づき、事故が発生した車両1000に関係する自動車保険等を販売した保険会社(代理店)に対してメールを送信する等の処理を行う。これによって、保険会社とも、情報の共有が図られる。
図6は、ドライブレコーダー10が衝撃の有無を判定する際の処理フローの一例を示すフローチャートである。判定部1180Aは、ドライブレコーダー10の電源がONである間、図6に示すステップS51〜ステップS61までの処理を繰り返し行うことで、衝撃の有無を判定する。
制御部1180は、加速度データおよび車速データを取得する(ステップS51)。具体的に、ステップS51において、制御部1180は、加速度測定部1160で測定された前後方向、左右方向および上下方向の加速度データを取得する。また、制御部1180は、測位部1130で測定された車両1000の絶対位置の時間変化に基づいて算出される車両1000の移動速度を、車速データとして取得する。なお、車両1000内部に搭載されている自動診断システム1400から取得した自動診断データに車速データが含まれる場合、当該自動診断データから車速データを取得する。なお、ステップS51の処理を実行する制御部1180は、取得部に対応し、ステップS51の処理は取得ステップに対応する。
なお、加速度測定部1160からの出力値は、実際にドライブレコーダー10に加わる加速度とは反対方向の加速度である。例えば、ドライバが急ブレーキを踏むことでドライブレコーダー10に0.6Gの減速Gがかかったとする。この場合、加速度測定部1160からは、前方向(図3に示すX方向)に0.6Gの加速度が生じたことを示すデータが出力される。以下の説明では、図6および図11に示す具体例の説明を除き、加速度や減速度とは、加速度測定部1160からの出力値ではなく、ドライブレコーダー10に生じた加速度や減速度を意味するものとする。また、減速度とは、負の加速度を意味するものとする。
ステップS51の処理を実行した後、制御部1180は、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、大事故に該当する判定基準に合致するか否かを、記憶部1200に格納されている判定基準データに基づいて判定する(ステップS52)。具体的に、ステップS52の処理において、制御部1180の判定部1180Aは、前後方向の加速度の大きさの最大値と、上下方向の加速度の大きさの最大値との合計値が、所定閾値(第1閾値)より大きく、かつ、前後方向の加速度の大きさの最大値が計測された時刻と、上下方向の加速度の大きさの最大値が計測された時刻とが所定期間内(第1期間内)に存在する場合に、大事故に対応する判定条件を満たすと判定する。ステップS52の処理を実行する判定部1180Aは、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定部に対応し、ステップS52は、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定ステップに対応する。
図7(A)および(B)に、大事故が生じた場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。図7(A)に示す縦軸は前後方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。図7(B)に示す縦軸は左右方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。グラフAC3は前後方向の加速度であり、グラフAC4は左右方向の加速度である。図6に示すステップS52の処理において、判定部1180Aは、図7(A)に示す前後方向の加速度の最大値g1と、図7(B)に示す左右方向の加速度の最大値g2との合計値が所定閾値(第1閾値)より大きく、かつ、前後方向の加速度の最大値g1が計測された時刻t3と、左右方向の加速度の最大値g2が計測された時刻t4とが所定期間内(第1期間内)に存在する場合に、大事故に対応する判定条件を満たすと判定する。なお、所定期間(第1期間)は、例えば0.05〜0.1秒等、予め定められていればよく、管理者により設定変更可能であればよい。また、所定閾値(第1閾値)は、例えば6〜8G程度であってもよいが、これに限定されるものではなく、予め定められていればよい。所定閾値(第1閾値)についても、管理者により設定変更可能であればよい。
大事故に対応する判定基準では、中事故に対応する判定基準(詳しくは後述する)のように、同一時刻における加速度の値を合計するのみならず、異なる時刻における加速度の値を合計することを許容している。これは、特に重大な事故であるほど、衝撃の発生する時間が短くなり、また前後方向および左右方向に衝撃の入るタイミングに微妙なずれが起きやすくなることから、同一時刻における加速度の値を合計するだけでは、大事故をより正確に判定することが難しいためである。微妙なずれが起きると、中事故のように瞬間値を合成する方法では適切に判定ができなくなるが、前後方向及び左右方向の加速度それぞれの最大値、すなわち異なる時間における加速度の値を合計することを許容することで当該問題を解決するようにしている。
図6に示すステップS52において大事故の条件に合致していると判定した場合(ステップS52;Yes)、制御部1180は、解像度の低い映像データを抽出データとして抽出する(ステップS53)。具体的に、ステップS53の処理において、制御部1180は、例えば、総合センタのオペレータが救助依頼の要否を判断できる程度の解像度の映像データ、すなわち、けがの程度を判別できる程度の解像度の映像データを抽出する。映像データは、録画部1140によって撮影された映像データと、録音部1150によって録音された音データとを含み、ステップS53にて抽出される映像データは、内部映像データである。なお、ステップS53では、この他にも、例えば時計から取得された日時、測位部1130が取得した位置データ、検出した加速度、自動診断データ取得部1170により取得された自動診断データ等を抽出してもよい。また、ステップS53では、車両登録番号や電話番号等の機器データが映像データに合わせて抽出される。なお、ステップS53で抽出された抽出データは、記憶部1200に記憶されるため、ステップS53の処理を実行する制御部1180は、記録部に対応し、ステップS53の処理は記録ステップに対応する。なお、解像度の低い映像データは、第1の画質の映像に対応する。
ステップS53の処理を実行した後、制御部1180は、送信処理を行う(ステップS54)。これにより、ステップS53で抽出した抽出データがいち早くクラウドのストレージサーバに送信されることとなる。そして、総合センタにて事故状況が解析され、必要に応じて救急車を派遣する等の事故対応が行われることとなる。なお、送信処理については、後述するステップS60においても行われる。クラウドのストレージサーバは、事故を分析する総合センタや保険会社といった各機関が当該事故映像を取得するための領域であることから、ステップS54の処理および後述するステップS60の処理を実行する制御部1180は、送信部に対応し、ステップS54の処理および後述するステップS60の処理は送信ステップに対応する。
図6のステップS52において、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、大事故に該当する判定基準に合致しないと判定した場合(ステップS52;No)、判定部1180Aは、ステップS51で取得した加速度データ及び車速データが、小事故または中事故に該当する判定基準に合致するか否かを、記憶部1200に格納されている判定基準データに基づいて判定する(ステップS55)。具体的に、ステップS55の処理において、判定部1180Aは、前後方向の加速度の大きさについて所定期間(第2期間)の移動平均値を算出し、算出した移動平均値が所定閾値(第2閾値)より大きく、かつ、車速の減速度が所定の減速度(第1減速度)以上であることを検出した場合、小事故に対応する判定基準を満たすと判定する。
図8(A)に、事故を察知したドライバが急ブレーキを踏んで停止した場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。また、図8(B)に、車両が段差を乗り越えた場合に、加速度測定部1160にて検出された加速度の一例を示す。縦軸は前後方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。期間P1は、移動平均値を算出する所定期間(第2期間)を示す。閾値P2は、所定閾値(第2閾値)を示す。グラフAC1及びAC2は、前後方向加速度であり、グラフMA1及びMA2は、前後方向加速度の移動平均値である。所定期間(第2期間)は、例えば0.5秒等であってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定閾値(第2閾値)は、例えば0.5〜0.7G程度であってもよいが、これに限定されるものではない。第2期間や第2閾値については、第1期間や第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
図8(A)の例では、前後方向の加速度の移動平均値MA1が、時刻t1のタイミングで閾値P2を上回っている。従って、判定部1180Aは、時刻t1のタイミングで、加速度について小事故に該当する判定基準に合致すると判定する。一方、図8(B)の例では、前後方向の加速度の移動平均値MA2が閾値P2を上回っていることはない。従って、判定部1180Aは、小事故に該当する判定基準に合致していないと判定する。
判定部1180Aは、移動平均値が所定閾値(第2閾値)よりも大きくなった時刻t1のタイミングの前後の所定時間(第3期間)において、車速の減速度が所定の減速度(第1減速度)以上であるか否かを判定するようにしてもよい。所定時間(第3期間)は、例えば2秒や3秒といった時間長であってもよいが、これに限定されるものではない。また、判定部1180Aは、当該時刻t1のタイミングを、映像を記録すべき衝撃が生じたタイミングであるとして、当該タイミングの前後の映像データを記録するようにしてもよい。
前述した通り、小事故とは、極低速での衝突事故や、事故に至らないまでもドライバが急ブレーキをかけて停車した状態を想定している。加速度の大きさの移動平均値が所定閾値(第2閾値)であり、かつ減速度が所定の減速度以上である場合に小事故であると検出するようにしたことで、道路の微細な振動により小事故であると誤って判定してしまうことを防止することが可能になる。
また、ドライバが急ブレーキをかけたことを、前後方向の加速度の大きさではなく減速度を利用することで、減速度をより正確に判定することが可能になる。
また、図6のステップS55において、判定部1180Aは、同一時刻における左右方向の加速度の大きさと前後方向の加速度の大きさとを合計し、合計値が所定閾値(第3閾値)より大きい場合に、中事故に対応する判定条件を満たすと判定する。所定閾値(第3閾値)は、例えば2〜4G程度であってもよいが、これに限定されるものではない。なお、第3閾値についても、第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
判定部1180Aは、合計値が所定閾値(第3閾値)より大きくなった時刻t2のタイミング(図示省略)を、映像を記録すべき衝撃が生じたタイミングであるとして、当該タイミングの前後の映像データを記録するようにしてもよい。
中事故に対応する判定基準では、左右方向及び前後方向の加速度を合成し、その合成値が一定値を超えたか否かを検知するようにしている。これは、中事故は、小事故とは異なり、車両同士が接触した場合に瞬間的に加速度が上昇してすぐに減少するためである。ステップS55の処理を実行する判定部1180Aは、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定部に対応し、ステップS55は、複数の事故種別のうちいずれの事故種別に対応する衝撃であるかを判定する判定ステップに対応する。
ステップS55において、小事故または中事故の条件に合致すると判定した場合(ステップS55;Yes)、判定部1180Aは、ドライブレコーダー10が設置されている車両1000の種別が大型車であるか否かを示す情報を取得し、車両1000が大型車であるか否かを判定する(ステップS56)。ドライブレコーダー10が設置されている車両の種別は、ドライブレコーダー10を車両に設置する際に、ドライブレコーダー10が備えるユーザインターフェース等を介してユーザにより予め設定された種別であってもよい。なお、大型車とは、例えば、トラック、バス、トレーラー等といった車両を意味する。
ステップS56において車両1000が大型車であると判定した場合(ステップS56;Yes)、判定部1180Aは、さらに、車速の減速度が所定の減速度(第2減速度)以上であるか否かにより、速度急減を判定する(ステップS57)。所定の減速度(第2減速度)は、小事故に対応する判定基準で説明した、所定の減速度(第1減速度)と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。第1減速度および第2減速度は、第1閾値と同様に予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。なお、ステップS57では、車速の減速度が所定の減速度(第2減速度)以上である場合に、速度急減であると判定すればよい。
大型車では、荷物の積み下ろしや、車両のような重量物を積載することによる走行中の振動等によって、車両本体に大きな衝撃が生じる可能性があるが、ステップS56の処理を設けることで、このようなケースで誤判定が生じる可能性を抑制することができる。
ステップS56において車両1000が大型車でないと判定した場合(ステップS56;No)、または、ステップS57において速度急減であると判定した場合(ステップS57;Yes)、判定部1180Aは、さらに、以下に説明する付則条件のうち、少なくとも1つの付則条件に合致するか否かを判定する(ステップS58)。なお、ステップS58では、少なくとも1つの付則条件に合致すると判定した場合にステップS59の処理に移行し、全ての付則条件に合致しないと判定した場合に、ステップS61の処理に移行するが、これとは別に、全ての付則条件に合致すると判定した場合にのみステップS59の処理に移行し、それ以外の場合にはステップS61の処理に移行するようにしてもよい。
(付則条件1)
判定部1180Aは、車速がゼロになったことを検出した場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。車速がゼロであるか否かを判定するタイミングは、例えば、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定したタイミングから所定の時間経過後(例えば10秒後や15秒後等)とするようにしてもよい。これは、通常、事故が発生すると車両は停車するためである。また、当該タイミングにおいて車速がゼロになっていない場合、すなわち車両が走行している場合、事故等は生じていないと考えられることから、映像を記録すべき衝撃ではないと判定するようにしてもよい。すなわち、付則条件1は、車速がゼロであることである。
(付則条件2)
判定部1180Aは、上下方向の加速度の大きさが所定の閾値(第5閾値)を超え、かつ、上下方向の加速度の大きさが、上下方向の加速度の大きさと左右方向の加速度の大きさとを合計した値の所定の割合以下である場合に、映像を記録すべき衝撃が生じたと判定する。すなわち、付則条件2は、上下方向の加速度の大きさが所定の閾値(第5閾値)を超え、かつ、上下方向の加速度の大きさが、上下方向の加速度の大きさと左右方向の加速度の大きさとを合計した値の所定の割合以下であることである。なお、所定の閾値(第5閾値)は、例えば0.1Gであってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定の割合は、例えば2%であってもよいが、これに限定されるものではない。所定の閾値(第5閾値)および所定の割合は、予め定められていればよく、また、管理者により設定変更可能であればよい。
基本的に加速度が大きいほど事故である可能性が高いものの、左右方向の加速度と比して上下方向に強い加速度が生じる場合、段差等で車両が上下に跳ねただけであるというケースが想定されるためである。付則条件2を設けることで、このようなケースで誤判定が生じる可能性を抑制することができる。
(付則条件3)
判定部1180Aは、さらに、所定の判定期間における左右方向の加速度の大きさ、前後方向の加速度の大きさ及び上下方向の加速度の合計値が、所定の範囲である場合、映像を記録すべき衝撃が生じたとは判定しないようにしてもよい。所定の判定期間は、例えば2分前から現時刻まで等であってもよいが、これに限定されるものではない。また、所定の範囲とは、ドライブレコーダー10が正しく取り付けられている場合に通常測定される加速度から、ドライブレコーダー10がフロントガラスから剥がれかけている場合に測定される加速度までの範囲に設定されることが望ましい。すなわち、付則条件3は、所定の判定期間における左右方向の加速度の大きさ、前後方向の加速度の大きさ及び上下方向の加速度の合計値が、所定の範囲を超えることである。
ドライブレコーダー10が、フロントガラスから外れて落下したケースのうち、事故とは無関係に落下するようなケースでは、落下前から接着剤が剥がれかけており、長時間にわたってドライブレコーダー10がふらついているケースが多い。従って、付則条件3を適用することで、ドライブレコーダー10の取り付け不良による誤検出を抑制することができる。
ステップS58において、少なくとも1つの付則条件に合致すると判定した場合(ステップS58;Yes)、制御部1180は、解像度の高い映像データを抽出データとして抽出する(ステップS59)。具体的に、ステップS59の処理において、制御部1180は、例えば、保険会社のオペレータが事故の過失割合等を算出するのに十分な解像度の映像データを抽出する。映像データは、録画部1140によって撮影された映像データと、録音部1150によって録音された音データとを含み、ステップS59で抽出される映像データは、内部映像データおよび外部映像データである。なお、ステップS59では、この他にも、例えば時計から取得された日時、測位部1130が取得した位置データ、検出した加速度、自動診断データ取得部1170により取得された自動診断データ等を抽出してもよい。また、ステップS59では、車両登録番号や電話番号等の機器データが映像データに合わせて抽出される。なお、ステップS59で抽出された抽出データは、記憶部1200に記憶されるため、ステップS59の処理を実行する制御部1180は、記録部に対応し、ステップS59の処理は記録ステップに対応する。なお、解像度の高い映像データは、第2の画質の映像に対応する。
ステップS59の処理を実行した後、制御部1180は、送信処理を行い(ステップS60)、処理を終了する。これにより、ステップS59で抽出した抽出データがクラウドのストレージサーバに送信されることとなる。そして、総合センタにて事故状況が解析され、必要に応じてロードサービスや救急車を派遣する等の事故対応が行われる。また、クラウドのストレージサーバに送信された抽出データは、保険会社においても使用される。保険会社では、当該抽出データに基づいて事故の過失割合等を算出する。
一方、ステップS55において小事故または中事故に該当する判定基準に合致しないと判定した場合(ステップS55;No)、ステップS57において速度急減でないと判定した場合(ステップS57;No)、または、ステップS58において全ての付則条件に合致しないと判定した場合(ステップS58;No)、判定部1180Aは、対応すべき衝撃ではないと判定し(ステップS61)、抽出データを抽出することなく処理を終了する。
図9は、図6のステップS54およびステップS60で実行される送信処理の一例を示すフローチャートである。
送信処理を開始すると、制御部1180は、ステップS54における送信処理ではステップS53で抽出した抽出データを、ステップS60における送信処理ではステップS59で抽出した抽出データを、クラウドのストレージサーバに送信する(ステップS102)。
クラウドのストレージサーバは、ドライブレコーダー10から抽出データを受信すると、例えば機器データに含まれる車両登録番号や電話番号等から特定されるデータ格納領域に、受信した抽出データを格納する(ステップS103)。ステップS54における送信処理において、当該ステップS103の処理が実行されることにより、大事故が発生した場合、処理負担を軽減可能な低解像度の映像データがいち早くクラウドのストレージサーバに格納されることとなる。また、ステップS60における送信処理において、当該ステップS103の処理が実行されることにより、事故の大きさに関わらず、解像度の高い映像データがクラウドのストレージサーバに格納されることとなる。
なお、制御部1180は、例えば一定間隔で測位部1130に位置データを取得させ、その都度車両1000が移動しているか否かを判定し、例えば所定距離(例えば200m)以上移動するような場合には、事故ではないものとして、総合センタへの自動発呼を停止させる。
すなわち、制御部1180は、発呼停止条件が満たされたか否かを随時判定し(ステップS104)、発呼停止条件が満たされた場合(ステップS104;Yes)には、処理を停止する(ステップS105)。なお、クラウドのストレージサーバに対する抽出データの送信前に、発呼停止条件を満たした場合には、抽出データの送信も停止するようにしても良い。
一方、発呼停止条件が満たされない場合(ステップS104;No)、制御部1180は、第1通信部1110に、総合センタへの自動発呼を行わせる(ステップS106)。なお、事故が発生した場合には、ドライバはけがをしている場合や動転して話せない場合もあるので、総合センタのオペレータが着信を受けたとしても機械音声を流すようにする。なお、総合センタのオペレータは、機械音声から、この実施の形態に係るオペレーションが必要であることを認識する。
また、総合センタのオペレータが必要と認める場合にはコールバックを行うので、その際にドライバとオペレータが会話を行うものとする。
なお、総合センタへの自動発呼と、クラウドのストレージサーバに対する抽出データの送信とについては、並列に行っても良いし、図9の順番とは逆に行うようにしても良い。
総合センタサーバ30の受信部311は、車両1000からの着信を受け付け(ステップS107)、発信者番号通知にて得られる電話番号を車両抽出部312に出力する。車両抽出部312は、電話番号で契約者DB313を検索することで契約データおよびアクセス情報を読み出して、アクセス情報をデータ取得部314に出力し、契約データおよびアクセス情報をデータ出力処理部316に出力する。
データ取得部314は、電話番号に基づき特定されたアクセス情報を用いて、クラウドのストレージサーバに対して、格納されている抽出データを要求する(ステップS108)。
クラウドのストレージサーバは、総合センタサーバ30から抽出データの要求を受信すると、アクセス情報で特定されるデータ格納領域から抽出データを読み出して、総合センタサーバ30へ送信する(ステップS109)。
データ取得部314は、クラウドのストレージサーバから、抽出データを受信すると、データ格納部315に格納する(ステップS110)。そうすると、データ出力処理部316は、受信部311によって決定された端末装置に対して、抽出データおよび契約データを表示させる(ステップS111)。
端末装置における表示画面の構成例を図10に示す。図10の例では、契約データ表示欄3101と、映像表示欄3102と、解析指示ボタン3103と、恐怖度設定値表示欄3104と、恐怖度設定値アップボタン3105と、恐怖度設定値ダウンボタン3106と、恐怖度設定ボタン3107と、解析結果表示欄3108と、車両データ(機器データ及び衝撃事象データ)の表示欄3109と、コールバック指示ボタン3110と、ロードサービス依頼ボタン3111と、救助依頼ボタン3112と、対処データ入力欄3113と、終了ボタン3114と、登録ボタン3115等を含む。
契約データ表示欄3101には、契約者DB313から抽出されたデータの少なくとも一部を表示する。映像表示欄3102には、車両1000から受信した映像データを表示する。車両データ(機器データ及び衝撃事象データ)の表示欄3109には、機器データ及び衝撃事象データの少なくとも一部を表示する。端末装置のオペレータは、ドライブレコーダー10から送られてくる機械音声を聞いた後、このような表示画面において表示される情報を確認して、コールバックの必要性や救急機関への連絡等の事故対応の必要性を判断する。
また、端末装置のオペレータは、映像表示欄3102に表示される映像データを視認し、例えば死亡事故等の衝撃的な映像、すなわち恐怖映像であるか否かを判断する。例えば、端末装置のオペレータは、予め定められたマニュアルに従って恐怖映像であるか否かを判断し、恐怖映像であると判断した場合に、恐怖映像であることを示す恐怖度設定情報を設定する。具体的に、端末装置のオペレータは、例えば死亡事故の映像であれば恐怖度「3」、大量出血を伴う映像であれば恐怖度「2」、骨折のみの映像であれば恐怖度「1」等といったように、恐怖度に応じて恐怖度設定値アップボタン3105や恐怖度設定値ダウンボタン3106をクリックして、恐怖度に応じた恐怖度設定値を恐怖度設定値表示欄3104に表示させ、恐怖度設定ボタン3107をクリックすることで、当該恐怖度設定値の恐怖度設定情報を設定する。なお、恐怖度設定値は、初期値として「0」に設定されている。この実施の形態では、恐怖度設定値が「1」以上に設定されている場合に、恐怖度設定情報により恐怖映像であることが示され、恐怖度設定値が「0」に設定されている場合に、恐怖度設定情報により恐怖映像でないことが示されることとなる。詳しくは後述するが、恐怖度設定情報は、当該映像データの他、当該事故を識別する識別情報や事故の発生日時等の情報に対応付けられ、クラウドのストレージサーバに登録される。恐怖度「0」〜「3」の恐怖度設定値は、恐怖映像の恐怖度に応じた複数段階の設定値に対応する。このように恐怖度設定値の設定を行うことにより、保険会社において事故の状況を分析する際に、衝撃的な映像を視認することによるオペレータの精神的負担を軽減することができる。
なお、対処データ入力欄3113については、予め定められた事項(例えば事故無し/事故有り等)については、チェックボックスにて入力できるようにしても良い。
また、この実施の形態では、例えば、オペレータが解析指示ボタン3103をクリックすると、図9に示すように、入力処理部317が、解析処理部318に対して解析処理を実施させる(ステップS112)。オペレータの指示がなくても自動的に解析処理を実行するようにしても良い。
解析処理の一例を、図11および図12を用いて説明する。図11は、ステップS54経由で送信処理が行われた場合における解析処理の一例を示すフローチャートである。また、図12は、ステップS60経由で送信処理が行われた場合における解析処理の一例を示すフローチャートである。ステップS54経由で送信処理が行われるのは、大事故等における人命救助などの事故対応の緊急性が高い場合であることから、ステップS54経由で送信処理が行われた場合における解析処理では、人命救助に必要な事項のみを解析し、処理負担を軽減して早期の事故対応を可能としている。
図11に示す解析処理において、解析処理部318は、例えば音データから、所定の衝突音を検索して、所定の衝突音の有無に応じて、事故の有無(より詳細には事故の蓋然性。例えば、事故の可能性のレベル等。)を判定し、判定結果を解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS31)。
ステップS31の処理を実行した後、解析処理部318は、内部映像データ(録画部1140によって撮影された、車両1000内部の映像データ)から、搭乗者情報を抽出し、解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS34)。例えば、顔認識技術を用いて、搭乗者数、搭乗者の年齢層、乗車位置等を抽出する。これらの情報は、オペレータが救助依頼の要否を判断する上で用いられる。
一方、図12に示す解析処理では、図11に示す解析処理と同様、解析処理部318は、例えば音データから、所定の衝突音を検索して、所定の衝突音の有無に応じて、事故の有無(より詳細には事故の蓋然性。例えば、事故の可能性のレベル等。)を判定し、判定結果を解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS31)。
そして、解析処理部318は、外部映像データ(録画部1140によって撮影された、車両1000外部の映像データ)から、外部物体(車両1000以外の物体)との距離を特定し、当該外部物体との距離(例えば最短距離)に基づき事故の有無(より詳細には事故の蓋然性)を判定し、判定結果を解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS32)。
さらに、解析処理部318は、自動診断データから、自走可能性、修理必要性等を判定し、判定結果を解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS33)。例えば、エンジンの損傷の有無、バッテリの損傷の有無、燃料系の損傷の有無から、レッカー車の必要性(自走可能性)や、自走可能でも修理が必要なのか等について判定する。
さらに、解析処理部318は、内部映像データ(録画部1140によって撮影された、車両1000内部の映像データ)から、搭乗者情報を抽出し、解析結果としてデータ出力処理部316に出力する(ステップS34)。例えば、顔認識技術を用いて、搭乗者数、搭乗者の年齢層、乗車位置等を抽出する。これらの情報は、オペレータが救助依頼の要否を判断する上で用いられる。
解析処理としては、これらは一例であり、さらに異なる処理を追加するようにしても良い。例えば、加速度データについては、3軸センサの場合各軸の値が得られるが、それらに基づき、衝突方向又は車両における衝突箇所その他の情報を抽出するようにしても良い。さらに、データ種別毎に解析処理を行うのではなく、総合して事故の蓋然性等を判定するようにしても良い。さらに、これらの全部ではなく一部を実行するようにしても良い。
図9に戻り、このような解析処理が行われると、データ出力処理部316は、解析結果を図10に示す解析結果表示欄3108に表示させる(ステップS113)。
このような表示内容に基づき、オペレータは、コールバック等を含む対応が必要であるかを判断する。コールバック等を含む対応が不要であると判断すれば、終了ボタン3114をクリックする。入力処理部317は、終了の指示に応じて、対応不要と判定し(ステップS114:Noルート)、以降の処理を終了する。なお、この実施の形態では、コールバック等を含む対応が不要である場合には、後述するステップS209(図13参照)の処理を実行せず、恐怖度設定値が設定されない(すなわち、初期値の「0」であり恐怖度設定情報により恐怖映像でないこととなる)例を示しているが、例えば、コールバック等を含む対応が不要である場合(ステップS114:Noルート)においても、ステップS209の処理が実行され、その後処理を終了してもよい。
一方、オペレータが、コールバック等を含む対応が必要と判断すれば、例えばコールバック指示ボタン3110をクリックする。そうすると、入力処理部317は、要対応と判定し(ステップS114:Yesルート)、処理は端子Aを介して図13または図14の処理に移行する。なお、ステップS54経由で送信処理が行われた場合、図13に示す処理に移行し、ステップS60経由で送信処理が行われた場合、図14に示す処理に移行する。
図13は、ステップS54経由で送信処理が行われた場合において、コールバック指示ボタン3110がクリックされたときの処理の一例を示すフローチャートであり、図14は、ステップS60経由で送信処理が行われた場合において、コールバック指示ボタン3110がクリックされたときの処理の一例を示すフローチャートである。
上述したように、ステップS54経由で送信処理が行われるのは、大事故等における人命救助などの事故対応の緊急性が高い場合であることから、ステップS54経由で送信処理が行われた場合における処理では、人命救助に必要な事項、すなわち救急車の派遣に関する事項のみを行い、処理負担を軽減して早期の事故対応を可能としている。
図13の処理において、入力処理部317は、通話処理部321に、ドライブレコーダー10の電話番号を出力し、当該電話番号に発呼させることで、通話を行う(ステップS200)。
オペレータと、車両1000のドライバ又は搭乗者とは通話において、状況の確認を行う。具体的には、事故発生の有無を確認し、けがの有無等を確認し、通話から救助が必要であると判断すれば、図10に示す救助依頼ボタン3112をクリックする。
救助依頼ボタン3112がクリックされると、入力処理部317は、図13に示すように、救助を依頼するものと判定し(ステップS205:Yesルート)、外部通知処理部319に、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ等を、救急機関システムへ通知させる(ステップS206)。なお、通知には搭乗者情報(解析結果又は通話による確認結果(けがの程度等))を含むようにしても良い。併せて、救急機関に電話をかけるようにしても良い。また、救助を依頼しない場合には(ステップS205:Noルート)、処理を終了する。
救急機関システムは、総合センタサーバ30から、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ等を受信し、データ格納部に格納する(ステップS207)。救助機関では、クラウドのストレージサーバに格納されているデータに基づき、救急車を派遣する(ステップS208)。
このような対処を行った後、端末装置のオペレータは、例えば図10の対処データ入力欄3113に、救助の依頼有無等の対処データを入力して、例えば登録ボタン3115をクリックする。そうすると、端末装置から入力された対処データが総合センタサーバ30の入力処理部317に出力される。
大事故が発生した場合には、ステップS54経由で送信処理が行われ、解像度の低い映像データが、抽出データとしていち早くクラウドのストレージサーバに送信される。そして、当該抽出データに基づいて人命救助に関する事故対応がいち早く行われることとなる。したがって、処理負担を軽減し事故対応の迅速性を確保することができる。
図14の処理の説明に移行して、コールバック指示ボタン3110のクリックに応じて、入力処理部317は、図13の処理と同様に、通話処理部321に、ドライブレコーダー10の電話番号を出力し、当該電話番号に発呼させることで、通話を行う(ステップS200)。
オペレータと、車両1000のドライバ又は搭乗者とは通話において、状況の確認を行う。具体的には、事故発生の有無を確認し、けがの有無等を確認し、ロードサービスの必要性(レッカー車の必要性、修理の必要性等)について確認する。この時点で、各種のアドバイスをドライバ又は搭乗者に行うようにしても良い。
事故でないことが確認できれば、ここで例えば図10に示す対処データ入力欄3113に、事故無しを入力する等して処理を終了する。
事故発生が確認されれば、例えば対処データ入力欄3113に事故発生を入力する。事故詳細を聞き取った場合にはその内容を対処データ入力欄3113に入力するようにしても良い。一方、オペレータは、通話からロードサービスが必要と判断すれば、ロードサービス依頼ボタン3111をクリックする。
図8に戻り、ロードサービス依頼ボタン3111がクリックされると、入力処理部317は、ロードサービスを依頼するものと判定し(ステップS201:Yesルート)、外部通知処理部319に、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ(ドライブレコーダー10の電話番号等)等を、ロードサービス提供会社システムへ通知させる(ステップS202)。なお、通知には自走可能性および修理可能性についてのデータ(解析結果又は通話による確認結果等)を含むようにしても良い。併せて、ロードサービス提供会社に電話をかけるようにしても良い。
ロードサービス提供会社システムは、総合センタサーバ30から、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ等を受信し、データ格納部に格納する(ステップS203)。ロードサービス提供会社では、クラウドのストレージサーバに格納されているデータ等に基づき、ロードサービスを実施する(ステップS204)。例えば、ドライブレコーダー10に電話をかけて、レッカー車その他の車両を、機器データに含まれる位置まで派遣する。
ロードサービスを依頼しない場合(ステップS201:Noルート)もロードサービスを依頼する場合も(ステップS201:Yesルート)、オペレータは、通話から救助が必要であると判断すれば、図10に示す救助依頼ボタン3112をクリックする。
救助依頼ボタン3112がクリックされると、入力処理部317は、図14に示すように、救助を依頼するものと判定し(ステップS205:Yesルート)、外部通知処理部319に、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ等を、救急機関システムへ通知させる(ステップS206)。なお、通知には搭乗者情報(解析結果又は通話による確認結果(けがの程度等))を含むようにしても良い。併せて、救急機関に電話をかけるようにしても良い。また、救助を依頼しない場合には(ステップS205:Noルート)、処理はステップS209に移行する。
救急機関システムは、総合センタサーバ30から、抽出データのアクセス情報、接触先個人データ等を受信し、データ格納部に格納する(ステップS207)。救助機関では、クラウドのストレージサーバに格納されているデータに基づき、救急車を派遣する(ステップS208)。
このような対処を行った後、端末装置のオペレータは、例えば図10の対処データ入力欄3113に、ロードサービスの依頼有無、救助の依頼有無等の対処データを入力して、例えば登録ボタン3115をクリックする。そうすると、端末装置から入力された対処データが総合センタサーバ30の入力処理部317に出力される。
救助を依頼しない場合(ステップS205:Noルート)も救助を依頼する場合も(ステップS205:Yesルート)、オペレータは、図10に示す映像表示欄3102に表示された映像データから、恐怖映像であるか否かを判断し、恐怖度設定値アップボタン3105や恐怖度設定値ダウンボタン3106等をクリックし、恐怖度設定値を設定する(ステップS209)。なお、ステップS209にて恐怖度設定値を設定する映像データは、図6のステップS59で抽出した解像度の高い映像データである。
具体的に、ステップSNS209において、恐怖度設定値アップボタン3105や恐怖度設定値ダウンボタン3106がクリックされると、恐怖度設定値表示欄3104に表示された恐怖度の値(恐怖度設定値)が変化する。そして、オペレータにより恐怖度設定ボタン3107がクリックされると、恐怖度設定値が設定されることとなる。この実施の形態では、恐怖度設定ボタン3107がクリックされることで、表示中の恐怖度設定値の恐怖度設定情報が総合センタサーバ30の入力処理部317に出力され、当該恐怖度設定情報が、クラウドのストレージサーバのデータ格納領域に格納された対象の抽出データ(より具体的には対象の映像データ)に対応付けられる。なお、ステップS209では、総合センタサーバ30において、クラウドのストレージサーバから受信した映像データに恐怖度設定情報を対応付け、当該映像データおよび恐怖度設定情報をクラウドのストレージサーバのデータ格納領域に格納してもよい。
入力処理部317は、データ出力処理部316から例えばアクセス情報、契約データ等を取得して、映像データに対応付けられた恐怖度設定情報や対処データと共に、対処データ格納部4020に格納する(ステップS210)。
そして、対処データに事故有りを表すデータが含まれれば、保険会社通知部322は、例えば契約データに含まれる保険会社コード(代理店コード)からメールアドレスを特定して、保険会社(代理店)に対して、事故の初動完了の通知を送信する(ステップS211)。この通知には、例えばアクセス情報を含めることで、保険会社(代理店)もクラウドのストレージサーバのデータ格納領域に格納されているデータを確認できるようにする。
このようにして情報の共有が行われるようになり、保険会社(代理店)としての活動を速やかに行うことができるようになる。なお、同様の通知を、車両1000のドライバが属する企業の安全運転管理者等その他の関係者に送付するようにしても良い。以上のような処理を行うことで、事故発生時における様々な顧客サービスを速やかにそして適切に行うことができるようになる。
特に、クラウドのストレージサーバにデータを蓄積することで、コールセンタだけではなく、ロードサービスや救急機関、そして保険会社(代理店)等ともデータの共有が図られ、適切に必要なサービスが行われるようになる。
また、総合センタのオペレータがサービスの起点となるが、解析処理部318により、その判断の補助が適切に行われるようになり、無駄なコールバックをなくすことができるだけではなく、事故時において車両1000のドライバ又は搭乗者に過大な負担を掛けることを避けることができるようになる。すなわち、要所を付いた会話がなされるようになる。
また、録音部1150については、制御部1180によってクラウドのストレージサーバに送信されたデータの後についても録音を継続して、事故発生後の事故当事者や警察・消防とのやり取りを録音し、その録音データを、クラウドのストレージサーバに別途格納するようにする。これによって、ドライバ等へ保険対応上のアドバイスを行うようにしても良い。なお、コールセンタからのコールバックで、ドライバ等と会話が終了した後も、回線を繋いだままにして、オペレータがリアルタイムで周辺の音を確認した上で、ドライバ等にアドバイスをするようにしても良い。
なお、クラウドのストレージサーバに格納されたデータ(解像度の高い映像データを含む抽出データであり、恐怖度設定値が設定されているデータ)については、後日、保険会社の事故対応部門に設置された事故分析装置10にダウンロードされ、過失割合交渉等の保険金支払い対応のための事故の状況の分析に利用される。なお、クラウドのストレージサーバに格納された映像データおよび車両データに含まれる加速度データ等を用いて、事故類型のパターン化を行い、事故原因や損害額の予測を行うようにしてもよい。
以上説明した実施の形態によれば、ドライブレコーダー10は、大事故が発生した場合、図6に示すステップS54の処理を実行することで、解像度の低い映像データを、抽出データとしていち早くクラウドのストレージサーバに送信する。そして、当該抽出データに基づいて人命救助に関する事故対応がいち早く行われることとなる。また、中事故や小事故の場合や、大事故でステップS54の処理を実行した後に、ステップS60の処理を実行することで、解像度の高い映像データをクラウドのストレージサーバに送信する。これにより、ロードサービスの必要性や、保険会社による事故の状況の分析が行われる。したがって、事故対応の迅速性を確保する必要性が高い部分については低解像度の映像データを送信することで迅速性を確保しつつ、事故の分析の精度が求められる部分については高解像度の映像データを送信することで高精度の事故分析を実現することができる。
また、大事故が発生した場合、ドライバや搭乗者の人名救助の観点から車両内部の映像データを解像度の低い状態で送信し、中事故や小事故の場合や、大事故でステップS54の処理を実行した後については、車両内部の映像データと、車両外部の映像データとを、解像度の高い状態で送信する。したがって、事故対応の迅速性を確保する必要性が高い部分の迅速性を確保することができる。
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、車両1000、ドライブレコーダー10、クラウドのストレージサーバ、総合センタサーバ30、事故分析装置および端末は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
上記実施の形態では、ドライブレコーダー10が保険契約者の車1000に搭載されている例を示したが、これは一例である。ドライブレコーダー10ではなく、ドラーバーの所有するスマートフォンであってもよい。当該スマートフォンの背面と前面に搭載されたカメラにより、外部映像データと内部映像データとを撮影すればよい。
また、上記実施の形態では、は総合センタサーバ30に解析処理部318を設ける例を示したが、例えばドライブレコーダー10に解析処理部318の少なくとも一部の機能を設けるようにしてもよい。例えば、事故の蓋然性を表すレベルが所定レベル以上であることが判明した場合にのみ自動発呼するために、ドライブレコーダー10に解析処理部318を設けるようにしても良い。また、前もって搭乗者情報を抽出しておき、このような情報もクラウドのストレージサーバに送信するようにしてもよい。同様に、修理の必要性を表す情報を前もって抽出しておき、このような情報もクラウドのストレージサーバに送信するようにしてもよい。
なお、契約期間内であるか否か等のサービス提供の可否を、ドライブレコーダー10又は総合センタサーバ30において判定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、図6に示すステップS52の処理において、大事故の条件に合致すると判定した場合(ステップS52;Yes)、そのままステップS53の処理を実行する例を示したが、これは一例である。ステップS53の処理を実行する前に、例えばステップS56〜ステップS58の全ての処理、または一部の処理を実行するようにしてもよい。これによれば、大事故についての誤判定が生じる可能性を軽減しつつ、迅速な事故対応を行うことができる。また、上記実施の形態では、ステップS53の処理において解像度の低い映像データを抽出データとして抽出する例を示したが、例えば、ステップS53において、解像度の低い映像データと、ステップS59で抽出する解像度の高い映像データについても抽出してもよい。そして、ステップS54の処理では、解像度の高い映像データを送信せず、解像度の低い映像データを送信してもよい。なお、この場合、ステップS59において解像度の高い映像データを再度抽出することなく、ステップS60の処理において解像度の高い映像データを送信すればよい。
また、上記実施の形態では、図6のステップS54の送信処理により図13の処理が実行された場合、人命救助に必要な事項、すなわち救急車の派遣に関する事項のみを行う例を示したが、これは一例である。人命救助の他にも、例えば車両1000や事故の相手方の車両について炎上の可能性や、道路の崩壊の可能性などの2次被害の可能性を判定し、消防車などの派遣に関する事項についても行うようにしてもよい。この場合、例えば図11に示す解析処理において、外部映像データや車両データから2次被害が発生する可能性を判定すればよい。また、ステップS53の処理において、内部映像データだけでなく、外部映像データについても抽出するとともに、2次被害の可能性を判定するために必要となる自動診断データについても合わせて抽出し、ステップS54の処理にて送信すればよい。これによれば、2次被害防止についての対応を迅速化することができる。
また、上記実施の形態では、図6に示すステップS52の処理において、大事故の条件に合致すると判定した場合(ステップS52;Yes)、ステップS53の処理を実行し、解像度の低い映像データを抽出する例を示したが、これは一例である。大事故の条件に合致する場合のみならず、中事故の条件に合致する場合にも、ステップS53の処理を実行してもよい。また、中事故の条件に合致する場合には、大事故の条件に合致する場合とは異なり、ステップS56〜ステップS58の全ての処理または一部の処理を行ってから、ステップS53の処理を実行してもよい。これによれば、中事故についての誤判定が生じる可能性を軽減しつつ、中事故時における迅速な事故対応を行うことができる。
さらに、ドライバの年齢や持病の有無、搭乗者に乳幼児が含まれる、などといった搭乗者関連情報を記憶部1200における所定領域に記憶し、当該搭乗者関連情報と事故種別の組み合わせに応じてステップS53およびステップS54の処理が行われるようにしてもよい。具体的に、搭乗者関連情報として乳幼児が搭乗している場合、事故種別が小事故、中事故、大事故のいずれであってもステップS53およびステップS54の処理が実行されるようにしてもよい。また、ドライバが高齢者である場合や、免許取り立てのドライバの場合、事故種別が中事故または大事故である場合に、ステップS53およびステップS54の処理が実行されるようにしてもよい。なお、ステップS53およびステップS54の処理を実行するか否かは、搭乗者関連情報と事故種別の組み合わせ毎に予め設定されていればよく、制御部1180は、当該設定に従って、ステップS53およびステップS54の処理を実行するか否かを決定すればよい。このように、ドライバを含む搭乗者の情報と事故種別に応じた処理を行うことで、事故の大きさと搭乗者に沿った対応が可能となる。なお、搭乗者関連情報は、搭乗者情報に対応する。また、搭乗者関連情報を記憶する記憶部1200は、記憶部に対応する。さらに、設定に従って、ステップS53およびステップS54の処理を実行するか否かを決定する制御部1180は、決定部に対応する。
また、上記実施の形態では、第1の画質の映像が解像度の低い映像データであり、第2の画質の映像が解像度の高い映像データである例、すなわち、第1の画質の映像と第2の画質の映像との差が解像度の差である例を示したが、第1の画質の映像と第2の画質の映像との差は、当該映像に含まれる情報量の差であってもよい。例えば、第2の画質の映像には、機器データ及び衝撃事象データに加え自動診断データといった様々な情報が含まれる一方、第1の画質の映像には、これらの一部の情報のみ含まれるようにしてもよい。
記録システム1は、専用の装置によらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した記録媒体から該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する事故分析システム1を構成してもよい。また、複数のコンピュータが協同して動作することによって、1つの事故分析システム1を構成しても良い。
また、コンピュータにプログラムを供給するための手法は、任意である。例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システム等を介して供給しても良い。
また、上述の機能の一部をOS(Operation System)が提供する場合には、OSが提供する機能以外の部分をプログラムで提供すれば良い。
以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状およびサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。