上記の本発明のアダプタ組立体において、前記カバーは複数の前記ガイド機構を備えてもよい。前記複数のガイド機構は、前記穿刺針と同心の円に沿って配置されていてもよい。かかる態様によれば、栓体の中心に対する穿刺針の先端の位置合わせの精度を向上させることができる。
前記ガイド機構は、その先端が前記穿刺針から離れるように弾性的に変形可能であってもよい。かかる態様によれば、アダプタ組立体を、栓体(またはフランジ)の外径が異なる複数種類のバイアルに適応させることができる。また、アダプタ組立体をバイアルに装着する過程でガイド機構がバイアルの肩部に衝突する場合にも、穿刺針を栓体に所望する深さまで穿刺することができる。
前記アダプタは、前記穿刺針に連通したコネクタを備えてもよい。前記カバーは前記コネクタを収納するコネクタケースを備えてもよい。かかる態様によれば、コネクタの衛生状態を良好に維持することができる。また、使用済みのアダプタにカバーを装着することにより、薬剤被曝の可能性を低減することができる。
前記コネクタケースは、前記カバーの上部に配置されていてもよい。かかる態様によれば、作業者は、カバーを保持する際、コネクタケースを指で摘まむ可能性が高い。これは、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、作業者がアームに下向きの力を加えてしまうことによってバイアルに対するアダプタ組立体の装着が困難になったり、アームが破損(破断)したりするという事態が起こる可能性を低減する。
前記コネクタケースの周囲壁に互いに平行な一対の把持面が設けられていてもよい。かかる態様によれば、作業者は、アダプタ組立体を保持する際、常に把持面を摘まむように仕向けられる。これは、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、作業者がアームに下向きの力を加えてしまう可能性が更に低減される。
前記コネクタケースの前記周囲壁の下端から、半径方向の外向きに拡張板が突出していてもよい。かかる態様によれば、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、作業者は下向きの力を拡張板に加えることができる。また、拡張板は、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、作業者の指がアームに触れてアームに下向きの力を誤って加えてしまうのを防止する。
前記拡張板は、前記一対の把持面が対向する方向に長軸を有していてもよい。かかる態様は、把持面を指で摘まんでアダプタ組立体に下向き力を加えるのを更に容易にする。
前記拡張板は、前記複数のアームよりも高い位置にあってもよい。かかる態様は、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、作業者の指がアームに触れてアームに下向きの力を誤って加えてしまう可能性を低減するのに有利である。
前記複数のアームは、前記穿刺針の長手方向に直交する第1方向に対向するように配置されていてもよい。この場合、前記一対の把持面は、前記第1方向に直交し且つ前記穿刺針の長手方向に直交する第2方向に対向するように配置されていてもよい。かかる態様は、アダプタ組立体をバイアルに装着する際に、把持面を摘まんだ指以外の指がアームに触れてアームに下向きの力を誤って加えてしまう可能性を低減するのに有利である。
前記カバーを前記アダプタと同軸に軸合わせする軸合わせ構造が、前記カバーに設けられていてもよい。かかる態様によれば、栓体の中心に対する穿刺針の先端の位置合わせの精度を向上させることができる。
前記カバーから前記アダプタが抜け落ちないように前記アダプタに係合する係合構造が、前記カバーに設けられていてもよい。かかる態様によれば、アダプタ組立体のバイアルへの装着作業を容易に行うことができる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明の範囲内において、図面に示されていない任意の部材を追加したり、あるいは、図面に示された任意の部材を変更もしくは省略したりしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態にかかるアダプタ組立体1及びバイアル80の分解斜視図である。アダプタ組立体1は、バイアル80に装着されるアダプタ10と、アダプタ10に対して繰り返し着脱可能なカバー50とを備える。以下の説明の便宜のため、図示したようなXYZ直交座標系を設定する。Z軸は、アダプタ組立体1の中心軸1a(後述する図2Cを参照。中心軸1aは、アダプタ10、カバー50、及びバイアル80の各中心軸と一致する)と平行である。Z軸に平行な方向を「上下方向」という。Z軸の矢印が向いた側を「上」側、その反対側を「下」側という。Z軸に直交する平面(即ち、XY面)に平行な方向を「水平方向」という。中心軸1aに直交する直線に沿った方向を「半径方向」といい、中心軸1aの周りを回転する方向を「周方向」という。
1.アダプタ
図2Aは、アダプタ10の上方から見た斜視図である。図2Bは、アダプタ10の下方から見た斜視図である。図2Cは、アダプタ10の中心軸1aを含む面に沿った断面図である。アダプタ10は、特許文献1に記載されたアダプタと概略同じである。
図2Cに示されているように、アダプタ10は、中心軸1aに沿って延びた穿刺針(オス部材)11を備える。穿刺針11は、その下端に鋭利な先端11aを備える。穿刺針11の内部には、液体(例えば薬液)が流れる流路12が中心軸1aに沿って形成されている。流路12は、穿刺針11の先端11a近傍の外周面に設けられた開口13に連通している。開口13は、半径方向外向きに開口している。
穿刺針11の基端11bの近傍の部分を管状部14が取り囲んでいる。管状部14は、中空の円筒形状を有し、穿刺針11と同軸に配置され、穿刺針11から半径方向に離間している。管状部14の上端は、穿刺針10の基端10bに接続されている。
図2Aに示されているように、管状部14の下端に、一対のアーム20が設けられている。一対のアーム20は、X軸方向に対向している。各アーム20は、X軸にほぼ平行に延びた肩部21と、肩部21の遠位端(穿刺針1から最も遠い端部)から下方に向かって延びた懸架部22とを備える。懸架部22は穿刺針11に対向している。懸架部22は、その下端に近づくにしたがって穿刺針11に近づくように傾斜している。
爪30が、穿刺針11に向かって突出するように、懸架部22の下端に設けられている。アーム20を構成する肩部21及び懸架部22と、爪30とは、Y軸方向の寸法が略一定の細い板状物である。各爪30は、その下面から下方に向かって延びる2枚のリブ33を含む。リブ33は、XZ面に略平行な薄板状物である。各爪30に設けられた2枚のリブ33は、Y軸方向に離間している。リブ33は、爪30の先端(爪30のうち穿刺針11に最も接近した部分)30aを始点として、下方に向かって延びた端縁33aを有する。端縁33aは、滑らかな凸曲線で構成されている。全体として見れば、端縁33aは、先端30aから、下方に向かって穿刺針11から離間するように傾斜している。
爪30(またはリブ33)の下端30bの上下方向位置は、限定されないが、穿刺針11の先端11aと同じか、これよりわずかに低いことが好ましい。アダプタ10を、爪30を下にした直立状態で、水平面上に安定的に放置しておくことができるからである。
本実施形態では、各爪30に2つのリブ33が設けられているが、各爪30に1つ又は3つ以上のリブ33が設けられていてもよい。リブ33のY軸方向寸法は任意であり、例えばリブ33が爪30と略同じY軸方向寸法を有していてもよい。
アーム20は、管状部14との接続部分を固定端とする片持ち支持構造を有している。アーム20を構成する肩部21は、薄板状の部材であり、比較的容易に弾性的に曲げ変形可能である。爪30は、アーム20の自由端に設けられている。従って、アーム20は、爪30が穿刺針11から離れる向きに弾性的に変形することができる。アーム20がこのように変形するとき、肩部21の遠位端が上方に変位するように、肩部21が曲げ変形する。
管状部14の下端から、更に円弧状の鍔部16が半径方向外向きに突出している。鍔部16は、アーム20の肩部21と略同一平面を構成するように、肩部21と連続している。
本実施形態では、アーム20及び鍔部16が、管状部14を介して穿刺針11に一体化されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、管状部14を省略し、アーム20の肩部21及び鍔部16が穿刺針11に直接設けられていてもよい。
管状部14の上方にコネクタ40が設けられている。図2Cに示されているように、コネクタ40は、略円筒形状を有する筒状部41と、筒状部41の上端に設けられた隔壁部材(「セプタム」と呼ばれることがある)45と、隔壁部材45にかぶせられたキャップ47とを備える。筒状部41の内腔42は、穿刺針11内の流路12と連通している。
隔壁部材45は、円形の平面視形状を有する薄板である。隔壁部材45の中央に、隔壁部材45を上下方向に貫通する直線状のスリット(切り込み)45aが形成されている。隔壁部材45は、外力によって容易に変形可能であり、且つ、外力を取り除くと直ちに変形前の状態に復帰する。
筒状部41の外周面は円筒面である。筒状部41の外周面から、一対の係合突起41a及び環状突起41bが外側に向かって突出している。環状突起41bは、周方向に連続しており、係合突起41aに対して下側にわずかに離間している。
キャップ47は、円板形状を有する天板48と、天板48の外周端縁から延びた円筒形状を有する周囲壁49とを備える。天板48の中央には円形の開口(貫通孔)48aが形成されている。周囲壁49には、一対の係合孔49aが形成されている。係合孔49aは、周囲壁49を半径方向に貫通する貫通孔である。
隔壁部材45は、筒状部41の上端とキャップ47の天板48とによって、その厚さ方向(即ち、上下方向)に挟持される。筒状部41から突出した係合突起41aがキャップ47の係合孔49a内に嵌入することによって、キャップ47は係合突起41aに係合される。隔壁部材45のスリット45aは、キャップ47の天板48に形成された開口48a内に露出する(図2A参照)。筒状部41に形成された環状突起41bは、キャップ47の周囲壁49に下側に隣接する。環状突起41bの頂面は、周囲壁49の外周面と略同一の円筒面を構成する。
スリット45aが形成された隔壁部材45を備えたコネクタ40は、一般にニードルレスポートと呼ばれる。隔壁部材45が変形していない初期状態では、スリット45aは閉じられて液密なシールを形成する。隔壁部材45は、筒状部41の内腔42を外界から分離する機能を有する。隔壁部材45のスリット45aに、鋭利な先端を有しない筒状のオスルアー(図示せず)を挿入すると、隔壁部材45が弾性変形し、筒状部41の内腔42とオスルアーとが連通する。オスルアーを隔壁部材45から引き抜くと、隔壁部材45は直ちに初期状態に復帰し、スリット45aは液密に閉じられる。このように、隔壁部材45は、自閉式の弁体として機能する。
アダプタ10の、隔壁部材45及びキャップ47を除く部分は、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。使用できる樹脂材料は、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などを例示することができるが、医療用に用いられることやアーム20が弾性曲げ変形されることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。キャップ47の材料は、制限はないが、硬質の材料であることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の樹脂材料を用いることができる。隔壁部材45の材料は、制限はないが、ゴム弾性(または可撓性)を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)であることが好ましく、例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
2.カバー
図3Aは、カバー50の下方から見た斜視図である。図3Bは、カバー50の下方から見た断面斜視図である。図3Cは、カバー50の平面図である。
カバー50は、コネクタケース51、拡張板58、及び、ガイドバー59を備える(図1参照)。
図3Aに示されているように、コネクタケース51は、中空の略筒形状を有し、その上端は閉じられ、その下端は解放されている。後述するように、コネクタケース51に、下方からコネクタ40(図4C及び図4D参照)が収納される。コネクタケース51の上下方向に沿って延びた周囲壁52の外周面には、互いに平行な一対の把持面53が設けられている(図3Aでは一方の把持面53のみが見える)。把持面53は、実質的に平坦面であり、XZ面に平行である。把持面53を除く周囲壁52の外周面は、限定されないが、本実施形態では滑らかな凸曲面(例えば円筒面)である(図3C参照)。
図3Bに示されているように、延長壁55が、拡張板58から下方に向かって突出している。延長壁55は、周囲壁52を拡張板58を越えて下方に延長したものである。但し、周囲壁52と異なり、延長壁55は周方向に環状に連続しておらず、2箇所で分断されている。即ち、一対の延長壁55が、Y軸方向に対向している。
コネクタケース51の内周面から4本のリブ(突起)56が突出している(図3Bでは、2本のリブ56のみが示されている)。リブ56は、上下方向(即ちZ軸方向)に沿って、周囲壁52から延長壁55にまで延びている。4本のリブ56は、中心軸に対して等角度間隔で配置されている。4本のリブ56に内接する円(この円はXY面に沿っている)の直径は、キャップ47の周囲壁49及び環状突起41b(図2A参照)の外径とほぼ同じである。4本のリブ56のうち中心軸を挟んで対向する2本のリブ56からは、中心軸に向かって突起57が突出している。なお、本発明では、リブ56の数は、4本に限定されず、3本又は5本以上であってもよい。突起57が全てのリブ56に設けられていてもよい。
拡張板58が、コネクタケース51の周囲壁52の下端から、半径方向の外向きに延びている。拡張板58の上面は、水平面(XY面)に対して略平行である。図3Cに示されているように、拡張板58は、コネクタケース51の周囲に環状に連続している。拡張板58の外周端縁の平面視形状は、Y軸方向に沿った寸法がX軸方向に沿った寸法より大きな非円形である。具体的には、本実施形態の拡張板58は、Y軸方向に平行な2本の直線58aと、この2本の直線の両端をつなぐ2つの円弧58bとで構成された、陸上競技場のトラックに近似した形状を有する。換言すれば、拡張板58は、カバー50の中心軸と同心の円を平行な2本の直線58aで切断した形状を有する。この結果、コネクタケース51の周囲壁52からの拡張板58の半径方向のはみ出し長さは、X軸方向よりもY軸方向において、より長い。拡張板58の外周端縁が、平行な2直線58aを含むので、多数のカバー50を、コネクタケース51を上にした直立状態で、水平面上に縦横方向に高密度に並べて配置することができる。これは、例えばカバー50を多量生産する場合に、カバー50の取り扱いを容易にする。
なお、拡張板58の平面視形状は、本実施形態に限定されない。拡張板58は、例えば、楕円形、長円形、略菱形、多角形(例えば六角形、八角形)等の任意の平面視形状を有していてもよい。但し、拡張板58は、本実施形態のように、Y軸方向に長軸を有することが好ましい。拡張板58は、周方向に連続していなくてもよい。例えば、図3Cにおいて、2本の直線58aが周囲壁52に接していてもよい。この場合、周囲壁52からの拡張板58のX軸方向に沿ったはみ出し長さはゼロである。
図3Aに示されているように、拡張板58の外周端縁(特に円弧58b)から下方に向かって複数本(本実施形態では4本)のガイドバー59が延びている。ガイドバー59は、狭幅の薄板形状を有しており、その先端(または下端)59aが中心軸に対して接離するように弾性的に曲げ変形可能である。Z軸に沿って見たとき、変形していない初期状態のガイドバー59は、カバー50と同心の円上に配置される。
カバー50は、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。使用できる樹脂材料は、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などを例示することができる。ガイドバー59が弾性曲げ変形されることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
3.アダプタ組立体
図1に示すように、カバー50は、アダプタ10に上方から装着することができる。図4Aは、アダプタ10にカバー50が装着されたアダプタ組立体1の上方から見た斜視図である。図4Bは、アダプタ組立体1の平面図である。図4Cは、アダプタ組立体1の、中心軸を含むXZ面に沿った断面図である。図4Dは、アダプタ組立体1の、中心軸を含むYZ面に沿った断面図である。
図4C及び図4Dに示されているように、アダプタ10のコネクタ40は、カバー50のコネクタケース51内に収納されている。図4Dに示されているように、カバー50の延長壁55の下端が、アダプタ10の鍔部16(図2A参照)に上下方向に当接している。これにより、コネクタケース51に対するアダプタ10の挿入深さが規定される。
図示を省略するが、コネクタケース51の内周面に設けられたリブ56(図3B参照)がキャップ47の周囲壁49及び環状突起41b(図2A参照)に当接する。これにより、カバー50はアダプタ10に対して同軸になるように位置合わせされる。また、リブ56から突出した突起57(図3B参照)は、環状突起41bの下側の端縁に係合する。これにより、カバー50からアダプタ10が落下するのが防止される。アダプタ10にカバー50を装着する過程で、突起57が環状突起41bを乗り越えて環状突起41bに係合するとき、作業者は指先にクリック感を感じる。作業者は、このクリック感により、カバー50がアダプタ10に正しく装着されたことを認識することができる。
カバー50をアダプタ10に装着すると、カバー50の延長壁55及び突起57が、カバー50に対してアダプタ10を上下方向に位置決めする。この状態で、ガイドバー59は、穿刺針11に対向し、穿刺針11よりも更に下方に向かって延びている。即ち、ガイドバー59の先端59aは、穿刺針11の先端11aよりも下側に位置している。また、好ましくは、ガイドバー59は、爪30(リブ33を含む)よりも更に下方に向かって延びている。即ち、ガイドバー59の先端59aは、好ましくは、爪30の下端30bよりも下側に位置している。上述したようにカバー50はアダプタ10と同軸であるので、4つのガイドバー59は、穿刺針11と同心の円に沿って配置される。
図4Cに示されているように、カバー50は、アーム20(特にその肩部21)に上下方向に当接していない。このため、アダプタ10に装着されたカバー50が、アーム20の弾性変形を阻害することはない。
図4Aに示されているように、カバー50の拡張板58は、アーム20よりも高い位置にある。アーム20(特にその肩部21)は、拡張板58よりも半径方向外側に突出している。ガイドバー59は、拡張板58から、アーム20を越えて更に下方に向かって延びている。アダプタ10に対するカバー50の中心軸回りの回転は、ガイドバー59の上下方向に沿って延びた側端縁59b(図4A参照)が、アーム20のY軸方向の幅を規定する側端縁に衝突することによって制限される。一対のアーム20はX軸方向に対向しているのに対して、カバー50の一対の把持面53はY軸方向に対向し、また、カバー50の拡張板58の長軸はY軸に平行である。
カバー50は、アダプタ10に対して繰り返し着脱することができる。アダプタ10からカバー50を分離する際には、アダプタ10及びカバー50のそれぞれに上下方向に比較的大きな引張り力を加えて、アダプタ10の環状突起41bとカバー50の突起57との係合を解除する必要がある。
4.アダプタ組立体の使用方法
図5は、アダプタ組立体1が装着されるバイアル80の一例の断面図である。バイアル80は、瓶本体81の上方を向いた口(開口)82に栓体(ゴム栓)87を嵌入して当該口82を気密及び液密に封止した密閉容器である。バイアル80内には、粉末状の薬剤(図示せず)が収容されている。瓶本体81の上端には、口82を取り囲むように、拡径したフランジ83が設けられている。フランジ83の外周面は、略円筒面である。瓶本体81は、フランジ83から下方に向かって、フランジ83よりも小さな外径を有するくびれ部84、外径が下方に向かって徐々に大きくなる肩部85、外径が上下方向において略一定である円筒部86を、この順に互いに隣接して有している。
栓体87は、フランジ83と略同一の外径を有する。栓体87が瓶本体81の口82から脱落するのを防止するために、栓体87及びフランジ83にキャップ88が装着されている。キャップ88は、金属(例えばアルミニウム)または樹脂等のシートからなり、栓体87及びフランジ83に密着している。キャップ88の下端は、フランジ83の略円筒面である外周面よりも下側にまで及んでいる。キャップ88の上端は、栓体87の上面にまで及んでいる。栓体87の上面の中央の領域は、キャップ88に設けられた円形の開口88aを介して外界に露出している(後述する図6参照)。
栓体87の外周面とフランジ83の外周面とは、略同一直径の円筒面である。従って、栓体87及びフランジ83に装着されたキャップ88の外周面88cも略円筒面である。キャップ88の外周面88cの上端(または、キャップ88の上面の外周端縁)を上側端縁88bといい、また、当該外周面88cの下端を下側端縁88dという。
バイアル80はキャップ88を備えていなくてもよい。その場合には、上側端縁88b、下側端縁88d、外周面88cは、栓体87又はフランジ83の対応する箇所を意味する。
アダプタ組立体1は、図4Aに示したようにアダプタ10にカバー50が装着された状態で病院等の医療機関に納品される。バイアル80内の薬剤を用いて薬液を調製する際に、アダプタ組立体1は以下のようにしてバイアル80に装着される。
最初に、図6に示すように、バイアル80を栓体87を上にして直立させる。アダプタ組立体1を、その中心軸(または穿刺針11)が上下方向に平行になるように維持しながら、穿刺針11の先端11aを栓体87の上面に接近させる。上述したように、カバー50のガイドバー59は、穿刺針11の先端11aよりも下方(バイアル80側)に延びている。従って、穿刺針11の先端11aが栓体87の上面に接触するよりも前に、キャップ88(または栓体87)の一部が4本のガイドバー59で囲まれた領域内に収納される。4本のガイドバー59は、穿刺針11と同心の円に沿って配置されている。従って、4本のガイドバー59の内側にキャップ88が収納されるようにアダプタ組立体1をバイアル80に接近させれば、穿刺針11の先端11aを栓体87の中心に容易に位置合わせすることができる。
好ましくは、4本のガイドバー59の内接円の直径は、キャップ88の外径と略同じに設定される。これにより、穿刺針11の先端11aを栓体87の中心により正確に位置合わせすることができる。
4本のガイドバー59の内接円の直径は、キャップ88の外径より小さくてもよい。この場合、ガイドバー59の先端59aが、キャップ88の上側端縁88b(図5参照)の近傍の外径が徐々に変化する凸曲面の部分に当接し、先端59aが半径方向外向きに変位するように、ガイドバー59が適宜曲げ変形する。4本のガイドバー59の弾性回復力が、穿刺針11の先端11aを栓体87の中心に位置合わせする。このように、アダプタ組立体1は、キャップ88の外径が異なる複数種類のバイアルに適応している。
穿刺針11の先端11aが栓体87に接触したとき、爪30(特にリブ33の端縁33a)は、キャップ88に未だ接触していないことが好ましい。但し、キャップ88の外径によっては、穿刺針11の先端11aが栓体87に接触するよりも前に、爪30がキャップ88に接触する場合が起こりうる。この場合であっても、ガイドバー59が爪30(リブ33を含む)よりも下方に延びるように、ガイドバー59の長さを適切に設定することにより、爪30がキャップ88に接触したときに、キャップ88(または栓体87)の一部を4本のガイドバー59で囲まれた領域内に収納させることは可能である。従って、上記の場合にも、穿刺針11の先端11aを栓体87の中心に容易に位置合わせすることができる。
図6のように栓体87に対して穿刺針11を位置合わせした状態で、アダプタ組立体1をバイアル80に向かって強く押し込む。爪30の端縁33aがキャップ88の上側端縁88b近傍に接触しながら、爪30が穿刺針11から離れるように半径方向外向きに変位する。爪30が変位するとき、アーム20は弾性的に曲げ変形する。爪30がキャップ88を通過し終えると、アーム20が弾性回復する。図7に示すように、アダプタ組立体1をバイアル80に装着することができる。特許文献1のアダプタと同様に、爪30がバイアル80のくびれ部84(図5参照)に嵌入し、爪30がフランジ83に係合する。図示を省略するが、穿刺針11は栓体87を貫通し、その開口13(図1A参照)は栓体87よりも下側に位置する。バイアル80の内部は穿刺針11の流路12を介してコネクタ40と連通される。ガイドバー59の先端59aは、瓶本体81の肩部85のあたりに達している。肩部85での瓶本体81の外径の変化に応じてガイドバー59の先端59aが半径方向外向きに変位するように、ガイドバー59が適宜弾性的に曲げ変形してもよい。
その後、アダプタ10からカバー50を取り外す。アダプタ10はバイアル80に装着されたままである。コネクタ40にオスコネクタ(例えばオスルアー)を接続してバイアル80内の薬剤を用いて薬液の調製を行うことができる。図7から理解できるように、ガイドバー59は、瓶本体81を介した穿刺針11の先端11aの視認性や、バイアル80内の薬剤や液体の視認性を低下させる。アダプタ10からカバー50を取り外すことにより、これらの視認性が向上する。
薬液調製後、アダプタ10にカバー50を再度装着する。使用済みのバイアル80は、アダプタ組立体1が装着された状態(図7参照)で廃棄される。アダプタ10にカバー50を装着することによって、コネクタ40の天板48や、その開口48aを介して露出された隔壁部材45に付着しているかも知れない薬液による薬剤被曝を防止することができる。
5.作用
以上のように、本実施形態のアダプタ組立体1は、穿刺針11よりも下方(バイアル80側)に延びたガイドバー59を備えるので、穿刺針11の先端11aを栓体87の中心に容易に位置合わせすることができる。
本実施形態とは異なり、カバー50を用いることなく、アダプタ10をバイアル80に装着することは可能である。この場合、目視にて穿刺針11の先端11aを栓体87の中心に位置合わせする必要がある。この場合には、栓体87に対する穿刺針11の位置ズレ量は、本実施形態に比べて大きくなる可能性が高い。穿刺針11の先端11aが栓体87の中心から位置ズレした状態でアダプタ10をバイアル80に向かって押し込むと、爪30をバイアル80のフランジ83に係合させることができなかったり、バイアル80に対して穿刺針11が斜めに穿刺されてしまったりする。また、キャップ88の外径によっては、穿刺針11が栓体87に接触するよりも前に爪30がキャップ88に接触する場合がある。この場合に、穿刺針11の先端11aが栓体87の中心から位置ズレした状態でアダプタ10をバイアル80に向かって押し込むと、爪30がキャップ88上を水平方向に滑ってしまう。このため、バイアル80が転倒することがある。あるいは、爪30がキャップ88上を滑る過程で穿刺針11の先端11aがキャップ88の開口88aの端縁に引っかかり、先端11aに半径方向の力が加わることによって穿刺針11が折れ曲がってしまうことがある。本実施形態では、このような問題が生じる可能性が低減される。
本実施形態では、穿刺針11を栓体87に穿刺する前の図6の状態で、キャップ88に対する各ガイドバー59の先端59aの上下方向の位置を確認することより、バイアル80に対するアダプタ組立体1の傾きを確認し、それを修正するのが容易である。このため、栓体87に対して穿刺針11を垂直に穿刺することができる。穿刺針11の先端11aが栓体87の中心を穿刺したとしても、穿刺針11が栓体87を斜めに穿刺すると、例えば爪30をバイアル80のフランジ83に係合させることができないという事態が起こりうる。本実施形態では、このような事態が起こる可能性は低い。
複数のガイドバー59は周方向に離間している。このため、図6に示されているように、隣り合うガイドバー59の間を介して、栓体87に対する穿刺針11の先端11aの位置を目視することができる。
複数のガイドバー59は、穿刺針11と同心の円に沿って配置されている。このように配置されたガイドバー59は、栓体87の中心に対する穿刺針11の先端11aの位置合わせの精度を向上させるのに有利である。
ガイドバー59は、その先端59aが穿刺針11から離れるように弾性的に曲げ変形が可能である。このため、アダプタ組立体1を、キャップ88の外径が異なる複数種類のバイアルに適応させることができる。また、アダプタ組立体1をバイアル80に装着する過程でガイドバー59の先端59aがバイアル80の肩部85に衝突しても、ガイドバー59は適宜曲げ変形するので、穿刺針11を栓体87に所望する深さまで穿刺することができる。
本実施形態では、栓体87の中心に対して穿刺針11の先端11aを位置合わせする「ガイド機構」としてガイドバー59を備えたが、本発明のガイド機構の構成はこれに限定されない。例えば、ガイド機構の形状は本実施形態に限定されず、適宜変更してよい。ガイド機構が、外力が印加されていない自然状態において、ガイドバー59のように穿刺針11と平行に直線状に延びている必要はなく、例えば、その先端(先端59a)に近づくにしたがって穿刺針11から離れるように湾曲していてもよい。ガイド機構が、ガイドバー59の先端59aが周方向に延ばされた略「T」字状を有していてもよい。あるいは、ガイド機構が、周方向に隣り合う2本のガイドバー59の先端59aが接続された略「U」状を有していてもよい。ガイド機構の水平面に沿った断面形状についても制限はなく、例えば、円形、楕円形、穿刺針11と同心の円弧などであってもよい。ガイド機構は、半径方向の弾性曲げ変形が実質的に不可能であってもよい。ガイド機構の数や配置も、本実施形態に限定されず、適宜変更してよい。ガイド機構の数は、1つでもよいが、2以上であることが好ましい。複数のガイド機構は、穿刺針11を中心として等角度間隔で配置することができる。あるいは、一対以上のガイド機構の対を、対をなす2つのガイド機構を穿刺針11を挟んで対向させた状態で、穿刺針11の周囲に離間して配置してもよい。
カバー50は、アダプタ10のコネクタ40を収納することができるコネクタケース51を備える。コネクタケース51は、コネクタ40の天板48や、その開口48aを介して露出された隔壁部材45を覆う。例えば、上述したように、コネクタ40にオスコネクタを接続する直前までアダプタ10にカバー50を装着しておけば、バイアル80へのアダプタ組立体1の装着や、その後のバイアル80の移動などにおいて作業者の指などがコネクタ40に触れることはない。従って、コネクタ40の衛生状態を良好に維持することができる。また、薬液調製後、バイアル80に装着されたアダプタ10に、再度、カバー50を装着して、バイアル80を廃棄すれば、危険な薬剤による被曝の可能性を低減することができる。
コネクタケース51は、カバー50の上部に配置されている。このため、作業者は、カバー50を保持する際、コネクタケース51を指で摘まむ可能性が高い。例えば、図6の状態において、作業者は、コネクタケース51を摘まんで、アダプタ組立体1をバイアル80に向かって押し込むことができる。
上記とは異なり、アダプタ組立体1をバイアル80に装着する際に、作業者が、カバー50から半径方向外向きに突出したアーム20の肩部21に下向きの力を加えてしまう場合を考える。上述したように、爪30がバイアル80のキャップ88を乗り越えるためには、爪30は半径方向外向きに変位する必要があり、このとき、アーム20は肩部21が上方に持ち上がるように曲げ変形する。作業者が肩部21に加える下向きの力は、アーム20のこの曲げ変形を阻害するように作用する。このため、バイアル80に対するアダプタ組立体1の装着作業が困難になったり、アーム20が破損(破断)したりするという問題が生じうる。
カバー50の上部にコネクタケース51を設けた本実施形態では、作業者が、アーム20(特に肩部21)ではなく、コネクタケース51に下向きの力を加える可能性が高い。従って、上記の問題が生じる可能性は低い。
コネクタケース51の周囲壁52には、互いに平行な一対の把持面53が設けられている。このため、図6の状態において、作業者は、2本の指で把持面53を摘まんだときに、アダプタ組立体1を最も安定的に保持することができる。換言すれば、作業者は、常に把持面53を摘まむように仕向けられる。例えば、作業者は、把持面53を、右手の親指と人差し指(または中指)とで摘まむことができる。この状態で、作業者は、アダプタ組立体1をバイアル80に向かって押し込む。作業者は、アダプタ10に触れることなく、アダプタ組立体1をバイアル80に装着することができる。従って、作業者がアーム20(特に肩部21)に触れる可能性が更に低減される。
本実施形態では、コネクタケース51の周囲壁52の下端から、半径方向外向きに拡張板58が突出している。コネクタケース51(特にその把持面53)を片方の手の指で摘まんで下向きの力を加えるときに、指を拡張板58の上面に当てることができる。従って、拡張板58は、アダプタ組立体1をバイアル80に装着する際に、アダプタ組立体1に下向きの力を加えるのを容易にする。また、拡張板58は、作業者の指が拡張板58から下方に延びるのを防止するので、指がアーム20に触れてアーム20に下向きの力を誤って加えてしまう可能性を低減する。
拡張板58は、一対の把持面53が対向する方向(Y軸方向)に長軸を有する。この結果、把持面53から半径方向外向きに突出した拡張板58の突出長さは、把持面53以外の周囲壁52から半径方向外向きに突出した拡張板58の突出長さより概して大きくなる。これは、把持面53を指で摘まんで下向きの力を加えるときに、相対的に大きな突出長さを有する拡張板58の部分に指を当てることができるので、アダプタ組立体1に下向き力を加えるのを更に容易にする。
拡張板58は、アーム20よりも高い位置にある。コネクタケース51を摘まんでいる指やそれ以外の指は拡張板58に当たるので、これらの指が拡張板58より低い位置にあるアーム20に触れる可能性は低い。従って、拡張板58は、アダプタ組立体1をバイアル80に装着する際に、作業者の指がアーム20に触れてアーム20に下向きの力を誤って加えてしまう可能性を低減するのに有利である。
一対の把持面53が対向する方向(Y軸方向)は、一対のアーム20が対向する方向(X軸方向)と直交する。例えば一対の把持面53を右手の親指と人差し指とで摘まんでアダプタ組立体1をバイアル80に向かって押し込む場合、通常、中指は、人差し指の近傍、即ち把持面53の近傍、に配置される。中指の下方にはアーム20は存在しないので、たとえ中指が拡張板58よりも下に延びたとしても、その中指がアーム20に触れてアーム20に下向きの力を誤って加えてしまう可能性は低い。これに対して、本実施形態と異なり、一対の把持面53が対向する方向が一対のアーム20が対向する方向と一致している場合、中指が拡張板58よりも下に延びてしまうと、中指がアーム20(特にその肩部21)に下向きの力を誤って加えてしまう事態が起こりうる。この場合、上記の問題が生じる可能性がある。このように、本実施形態では、把持面53が向く方向が、アーム20が延びる方向に対して直角であるので、把持面53を摘まんだ指以外の指がアーム20に触れてアーム20に下向きの力を誤って加えてしまう可能性が低い。
なお、本発明では、拡張板58の平面視形状は、本実施形態に限定されず、任意である。例えば、拡張板58は、カバー50と同心の円形であってもよく、あるいはX軸方向に長軸を有する非円形であってもよい。拡張板58は、XY面に平行である必要はなく、例えばその外周端縁に向かって下降するように傾斜していてもよい。
また、本発明では、拡張板58を省略してもよい。例えば、コネクタケース51の周囲壁52の下端からガイドバー59が下方に向かって延びていてもよい。
把持面53は、厳密な意味で平面である必要はない。把持性や滑り止め性を向上させるために、把持面53に、複数の突起または複数のリブ(直線状の突起)が設けられていてもよく、あるいは、把持面53の全体が滑らかな凹曲面で構成されていてもよい。
コネクタケース51の周囲壁52は、作業者が常に特定の面のみを把持するように構成されていなくてもよい。例えば、一対の把持面53を省略し、周囲壁52の外周面が、円筒面、多角柱面(例えば、六角柱面、八角柱面)等の任意の形状を有していてもよい。この場合、作業者は、コネクタケース51の周囲壁52を、2本の指で任意の方向に把持しうる。
コネクタケース51の内周面に設けられたリブ56は、カバー50をアダプタ10と同軸にするための「軸合わせ構造」として機能する。ケース50がアダプタ10と同軸に配置されることは、栓体87の中心に対する穿刺針11の先端11aの位置合わせの精度を向上させるのに有利である。
本実施形態では軸合わせ構造が4本のリブ56で構成されたが、本発明の軸合わせ構造はこれに限定されない。例えば、リブ56を省略し、キャップ47の周囲壁49及び/又は環状突起41bの外径とほぼ同じ内径を有するように構成されたコネクタケース51の周囲壁52の内周面を、軸合わせ構造として使用してもよい。
リブ56から突出した突起57は、アダプタ10に係合する「係合構造」として機能する。係合構造は、カバー50がアダプタ10に装着されたアダプタ組立体1をカバー50(特にそのコネクタケース51)を摘まんで持ち上げたとき、アダプタ10がカバー50から抜け落ちるのを防ぐ。このため、アダプタ組立体1のバイアル80への装着作業を容易に行うことができる。
本実施形態では係合構造はリブ56に設けられた突起57で構成されたが、本発明の係合構造はこれに限定されない。例えば、アダプタ10に係合する突起を、コネクタケース51のリブ56以外の周囲壁52の内周面に設けてもよい。アダプタ10に係合する突起が、周囲壁52の内周面に環状に連続していてもよい。突起は、アダプタ10の環状突起41b以外の箇所に係合するように構成されていてもよい。係合構造は、突起である必要はなく、凹部(溝を含む)であってもよい。また、係合構造は、カバー50の、コネクタケース51以外の箇所に設けてもよい。例えば、アダプタ10から半径方向に突出した凸部17(図2A参照)と係合する凹部又は突起をカバー50に設けてもよい。